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JP2016185192A - 眼科装置及び眼科装置の制御方法 - Google Patents

眼科装置及び眼科装置の制御方法 Download PDF

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JP2016185192A JP2015066024A JP2015066024A JP2016185192A JP 2016185192 A JP2016185192 A JP 2016185192A JP 2015066024 A JP2015066024 A JP 2015066024A JP 2015066024 A JP2015066024 A JP 2015066024A JP 2016185192 A JP2016185192 A JP 2016185192A
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Abstract

【課題】瞳孔径が小さい場合に眼底画像中心が暗くならない良好な画像を得る。【解決手段】照明された被検眼の前眼像を撮る前眼撮像手段を含む光学ヘッドを有する眼科装置において、前眼像の瞳孔領域を検出する検出手段と、検出された瞳孔領域のサイズ情報に基づいて、被検眼に対する光学ヘッドのアライメント目標位置のずらし量を算出する算出手段と、を配する。【選択図】図1

Description

本発明は、特に眼科診療等に用いられる眼底カメラに例示される眼科装置及びその制御方法に関するものである。
従来の眼底カメラの照明光学系では、被検眼の前眼部付近において、撮影光束と照明光束とを分離している。このため、被検眼の瞳孔付近、或いはその前後の例えば水晶体の後面付近に結像する光軸を含む周辺に、遮光領域を有しリング状の開口である遮光絞りを設けている。これにより、被検者の瞳孔径が遮光領域よりも大きい場合には、適正な明るさの画像が得られる。しかし、瞳孔径が遮光領域よりも小さい被検者の場合は、照明光束が虹彩により制限されることから、眼底画像の中心付近が暗くなってしまう。
この問題に対処するために、異なる大きさの遮光絞りを設け、瞳孔径の小さい被検眼を撮影する際には、遮光領域が大きく照明光が通過する開口の小さい遮光絞り(以下小さい小絞りと称する。)に交換して撮影する構成が特許文献1において提案されている。このような構成では、開口の大きい遮光絞り(以下大きい遮光絞りと称する。)を小さい遮光絞りに交換するには検者が切替えスイッチによって切り替えることが一般的である。
当該装置では、眼底カメラでオートフォーカスをするにあたってスプリット指標が虹彩によって遮られて検出できなかったと装置が判定すると、小さい遮光絞りに切り替えている。また、この小さい遮光絞りを用いたためにスプリット指標となる輝線が検出できない場合、位置合せマークの表示位置を中央部からずらした位置に変更してアライメントを行っている。このアライメントの光軸をずらす構成としては、前眼部の混濁の影響を避けるために、前眼部の徹照画像を用いたものが例えば特許文献2に開示されている。
特開2010−194345号公報 特開2005−312501号公報
前述した従来から公知の構成では、通常の大きさの遮光絞りと瞳孔の小さい被検眼を撮影するために小さい遮光絞り、及びこれらを切り替える駆動機構を備える必要がある。このため、装置を製造する際のコストが上がってしまう。また、小さな遮光絞りに切換えた場合であっても、被検眼瞳孔がそれよりも小さい場合には依然として中心付近が暗い眼底画像しか得られない。特許文献1においては、このような画像上の問題については言及されていない。
また、アライメント目標位置を変更する際の変更量が、画像上の問題を考慮せずに一律に定められている。従って、アライメントを調整したとしても、暗い領域を適切に減少させることは容易ではない。更に、光軸をずらすことに関する特許文献2に開示される構成においても、実際の画像から光軸の位置が混濁領域内であるか否かを判断して当該領域を避けて光軸位置を定めており、ずらす量が画像を見る検者により一定しない可能性が有った。
本発明はこのような状況に鑑みて為されたものであって、瞳孔の小さな被検眼の眼底の検査に際し、小瞳孔絞りである小さい遮光絞りを用いることなく、被検眼眼底画像において中心周囲が暗くなることを抑制しつつ好適なアライメントのずらし量を取得可能な眼科装置及びその制御方法の提供を目的とする。
本発明は、つぎのように構成した眼科装置を提供するものである。
即ち、本発明の眼科装置は、
照明された被検眼の前眼像を撮る前眼撮像手段を含む光学ヘッドと、
前記前眼像の瞳孔領域を検出する検出手段と、
前記検出された瞳孔領域のサイズ情報に基づいて、前記被検眼に対する前記光学ヘッドのアライメント目標位置のずらし量を算出する算出手段と、
を有することを特徴とすると、を有することを特徴とする。
本発明によれば、瞳孔の小さな被検眼の眼底の検査に際し、小瞳孔絞りである小さい遮光絞りを用いることなく、被検眼眼底画像において中心周囲が暗くなることを抑制しつつ好適なアライメントのずらし量を取得することが可能となる。
本発明の実施例1に係る眼科装置の概略構成について示す模式図である。 図1に示す眼科装置における前眼観察光学系で撮像された前眼画像を例示した図である。 図1に示す眼科装置における前眼観察光学系で撮像されたXYZ方向にずれた前眼画像を例示した図である。 図1に示す眼科装置における前眼観察光学系で撮像されたZ方向の遠い方向にずれた前眼画像を例示した図である。 図1に示す眼科装置における前眼観察光学系で撮像されたZ方向の近い方向にずれた前眼画像を例示した図である。 照明光と瞳孔径との関係について、瞳孔Epが大きく照明光束を遮らない場合を示した模式図である。 照明光と瞳孔径との関係について、瞳孔Epが小さく照明光束を遮る場合を示した模式図である。 瞳孔Epが小さい場合に撮影された眼底画像を例示した図である。 図7に例示した被検眼を照明する場合において、アライメント目標位置をずらした時の照明光束を示した模式図である。 アライメント目標位置をずらして撮影された眼底画像を例示した図である。 図10に示した場合に対して、アライメント目標位置に関してアライメントを反対方向にずらして撮影された眼底画像を例示した図である。 図10及び11に例示した2枚の画像を合成して作成された眼底画像を示した図である。 本発明の実施例1に係る眼科装置において、眼底撮影時に実行される処理についてのフローチャートを示した図である。 本発明の実施例2に係る眼科装置において、眼底撮影時に実行される処理についてのフローチャートを示した図である。 前眼部上での絞りの大きさの例を示した表である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
本発明の実施例1に関し、本発明を適用した眼科装置の一例である眼底カメラについて、その構成を模式的に示す図1を用いて説明する。
図1は本特許の特徴を現した眼底カメラの光学ヘッド部Hの構成を示す模式図である。
該眼底カメラは、眼底を観察する照明光を発する眼底照明光源、及び眼底を撮影する照明光を発する撮影用光源を有する。本実施例において、観察用照明光源は近赤外光LED10が複数個配列されて取付けられたものより構成され、撮影用照明光源は白色を発光する可視光LED31が複数個配列されて取り付けられたものより構成されている。これら光源から発せられた照明光は、後で詳述する穴あきミラー2により反射され、被検眼Eと対向して配置される対物レンズ1を介して被検眼Eに導かれる。
穴あきミラー2から可視光LED31に至る光路上には、角膜絞り14、リレーレンズ12、黒点板13、リレーレンズ11、分岐ミラー6、水晶体絞り7、及び瞳絞り15が配置される。角膜絞り14は、照明光束による被検眼角膜からの有害光(反射光)が撮影絞り3に入らないように、照明光束と撮影光束とを分離するためのリング状の開口部をもつ。黒点版13はリレーレンズ11及び12の間に配置され、表面反射に関して撮影絞りと共役な位置に黒点と呼ばれる小さな遮蔽物13aが配されたガラス板より構成される。
リレーレンズ11の後方に配置される分岐ミラー6は、近赤外光LED10への光路と可視光LED31への光路とに穴あきミラー2からの光路を分岐する。分岐ミラー6は可視光を反射し、近赤外光を透過するような特性をもつミラーであって光路中に固定されている。或いは、一般的な全反射特性をもって観察時には光路から退避しており、撮影時に光路内に挿入される、跳ね上げミラーより構成しても良い。
前述したように、照明光束と撮影光束とは、照明光束による被検眼水晶体からの有害光(反射光)が撮影絞り3に入らないように分離することを要する。このため、分岐ミラー6と近赤外光LED10との間には、リング状の開口部を有する水晶体絞り8及びリング状の開口部を有する瞳絞り9が配置される。該瞳絞り9は、被検眼瞳の位置と略共役の位置に配置される。
同様に、分岐ミラー6と可視光LED31との間にも同様な機能をもつ水晶体絞り7及び瞳絞り15が配置されている。なお、本実施例において可視光LED31は瞳絞り15の開口部と同径の円形に複数個のLEDが並べられ、構成されている。
以上に述べた対物レンズ1から穴あきミラー2を介して観察用照明光源である近赤外光LED10及び可視光LED31に至る光路上に配置された光学部材からなる光学系により、本実施例における照明光学系を構成している。該照明光学系は、被検眼の眼底を照明する。
本眼底カメラにおいては、穴あきミラー2の後方には、撮影絞り3、フォーカスレンズ20、結像レンズ21、跳ね上げミラー22、及び撮像手段23がこの順にて配置されている。跳ね上げミラー22は、撮影時にはミラーが跳ね上がり光路から退避する。撮像手段23は、撮影時に被検眼眼底像を撮像する可視域に感度を有する。これら対物レンズ1から撮像手段23に至る光路上に配置された光学部材からなる光学系により、本発明における撮影光学系即ち眼底観察撮影光学系を構成している。
また、該眼底カメラは、跳ね上げミラー22を光路に侵入させた際の反射方向において、内部固視標24を有する。該内部固視標24は被検眼の固視を誘導するために用いられ、眼底と略共役となる位置に配置されている。
更に、該眼底カメラは、対物レンズ1と穴あきミラー2との間に配置されるダイクロイックミラー25及び、被検眼Eの前眼部等を照明する照明光源28を有する。照明光源28は、被検眼Eを照明するために対物レンズ1の回りに複数個配置され、前述した近赤外光LED10と波長の異なる赤外波長を有する赤外光を発する。ダイクロイックミラー25は、これら複数の照明光源28によって照明された被検眼Eの反射光を反射し、その他の波長を透過する特性を有している。
ダイクロイックミラー25の反射方向の光軸上には、平板46、結像レンズ26、及び撮像手段27がこの順で配置され、前眼観察光学系を構成している。撮像手段27は、照明された被検眼の前眼像を撮る前眼撮像手段を構成する。平板46は中心部にイメージスプリットプリズムを有し、対物レンズ1によって被検眼Eの前眼部と共役となる位置に配置される。なお、本実施例では、イメージスプリットプリズムとして、フレネルプリズムを用いている。撮像手段27に撮像される前眼部の画像は図2のように不図示の表示手段たるモニタに表示される。即ち、前眼観察光学系は、被検眼の前眼像を得るために用いられる。
なお、該眼底カメラは、更に、後述するアライメント駆動手段29、アライメント状態検出手段44、制御手段45、アライメント目標変更手段47、及び画像生成手段48を有する。アライメント状態検出手段44は、アライメント検出手段として、撮像手段26からの出力をうけ、被検眼Eと光学ヘッドHとのアライメント状態を検出してこれを制御手段45に出力する。撮像手段23の出力は制御手段45を介して画像生成手段48に伝達され、該画像生成手段48により生成された各画像は制御手段45による不図示のモニタに表示される。内部固視標24は、例えば平板面上の任意の位置に固視灯を点灯可能であって、制御手段45によりその点灯位置が制御されて被検眼Eの適当な固視を促す。なお、アライメント駆動手段29は、本実施例において被検眼Eと光学ヘッドHとのアライメントを行うアライメント手段を構成する。
次に、前眼部画像を用いた光学ヘッド部Hと被検眼Eとのアライメントについて詳述する。被検眼Eに対する光学ヘッド部Hのアライメント位置がXYZ方向(X:被検眼Eに対して左右方向であって、図の紙面に垂直な方向。Y:被検眼Eに対して上下方向であって、図の紙面に平行な方向。Z:被検眼に対し遠近方向であって、図の紙面に平行な方向)ともに適正位置でない場合には図3に示した前眼画像になる。この段階では前眼画像は上下でスプリットしておらず、瞳孔Epの中心が画像中心からずれて表示されている。前眼部がスプリットしていないのはイメージスプリット部から外れているためである。
本実施例では、光学ヘッド部Hのアライメント位置がXY方向には適正位置にあり且つZ方向に遠い場合には、図4に示すように、前眼画像は上下でスプリットした上で更に上部が右側に、下部が左側にずれて表示される。また、光学ヘッド部Hのアライメント位置がXY方向には適正位置にあり且つZ方向に近い場合には図5に示すように、上部が左側に、下部が右側にずれて表示される。
前述したように、撮像手段27で撮像された前眼画像に示す信号はアライメント状態検出手段44へ出力される。アライメント状態検出手段44では前述した図2〜5に示すような画像から現在の光学ヘッド部Hのアライメント状態がXYZ方向においてどの位ずれているのかを検出する。その検出結果と撮像手段27で撮像された画像とは、更に制御手段45へ出力される。
光学ヘッド部Hは、図示しないステージに搭載されている。制御手段45は、アライメント状態検出手段44の検出結果から、光学ヘッド部HをXYZ方向へそれぞれ移動させる量を算出する。アライメント駆動手段29は、ステージを駆動することによって被検眼Eに対して光学ヘッド部Hを光軸(Z)方向、及び偏心(XY)方向に移動し、光学ヘッド部Hのアライメントを行う。また、撮像手段27で撮像された前眼画像は、アライメント目標変更手段47へ出力される。
次に、被検眼Eの各位置において結像される絞りの各々について、図6に基づいて説明する。
被検眼Eと対物レンズ1との距離が適正に調整された場合には、角膜絞り14は被検眼Eの角膜頂点付近に、水晶体絞り7及び8は水晶体後面付近に、瞳絞り9及び15は瞳孔Ep付近に結像されている。これらの絞りを配置する目的は、撮影光束の通過領域内に照明光による水晶体或いは角膜での散乱及び反射を発生させないことである。例えば撮影光束の通過領域内で散乱光が発生すると、この散乱光は眼底像と同様の経路を経て撮像手段23に達する。これら散乱光は撮像手段23に対し、眼底像上にて白い雲のようなフレアとして写り込み、眼底像のコントラストを低下させたり、眼底像を覆い隠したりする。
図6に示した状態では、瞳孔Epが十分開いている場合であるので瞳孔Epが照明光束を遮ることがなく、眼底中心付近も照明されている。なお、本実施例における前述した各絞りにおける前眼上での画像について、各々の像である水晶体絞り像7’及び8’、瞳絞り像9’及び15’、及び角膜絞り像14’の大きさを図15である表に示す。
次に、本実施例1に係るオートアライメント機能を有した眼底カメラにおいて、眼底を撮像する際の動作を図13に示すフローチャートに従って説明する。
まず、検者が不図示の撮影開始スイッチを押す(S1)。
S2で、撮影開始スイッチからの信号を受けた制御手段45は、被検眼Eと光学ヘッド部Hとの位置合せを開始する。アライメント目標位置は初期(偏心がない)位置となっている。撮像手段27によって図3に例示する画像が取得されると、アライメント状態検出手段44は、例えば画像を二値化して瞳孔を検出し、その重心位置から光学ヘッド部Hの被検眼Eに対するXY方向の偏心量を算出する。制御手段45はこの算出結果を受け、偏心量をキャンセルするようにアライメント駆動手段29によって光学ヘッド部HをXY方向に動かす。
XY方向の位置合せが終了して前眼部の表示が図4に例示する状態になると、フローはS3に移行する。ここで、アライメント状態検出手段44は前眼像のスプリット像が示すずれの方向から光学ヘッド部Hが被検眼Eに対してZ方向において遠近何れにずれており、且つ該像のずれ量からどの程度のずれであるかを算出する。算出結果は、制御手段45に出力される。制御手段45は、そのずれ量をキャンセルするようにアライメント駆動手段29により光学ヘッド部HをZ方向に動かしアライメント動作を完了させる。
Z方向のアライメント動作が完了すると、フローはS4に移行する。S4ではアライメント目標位置が変更されているかの判定を制御手段45が行う。
この場合、変更されていないので、フローはS5へ移行する。S5では、制御手段45は、アライメント状態検出手段44から出力された前眼画像をアライメント目標変更手段47へ出力する。アライメント目標変更手段47は、入力された前眼画像から被検眼瞳孔径を計測する。より詳細には、瞳孔部分の直径相当の画素数を計測し、画素サイズ、及び前眼部の結像倍率から瞳孔径を算出する。ここでは、計測結果として、瞳孔径がΦ5だったと仮定する。
S6では、S5で算出された瞳孔径Φ5と、図15のテーブルに示された前眼部に結像している角膜絞り像14’、瞳絞り像9’及び15’、水晶体絞り像7’及び8’各々の内径とを参照比較する。参照比較の結果、瞳孔径が大きく照明光束を遮っていないと判定された時には、フローはS7に移行する。このときの各絞り像、被検眼、及び照明光の状態は、図6に示したものとなる。なお、この検出された瞳孔領域のサイズ情報に基づいて被検眼が小瞳孔であるか否かを判定する操作は、制御手段45において判定手段として機能するモジュールにより実行される。
S7では、撮影光学系のフォーカスレンズ20を光軸方向に駆動してピント合わせを行う。眼底への合焦が終了した後、続くS8で眼底の撮影を行ってフローは終了(S9)する。
次にS6における参照比較の結果、図7に示されるように被検眼瞳孔Epが小さく、照明光束が遮られていると判定された場合について説明する。ここでは、瞳孔Epの径がΦ4.2と小さく、眼底を照明する照明光束が虹彩等によって遮られてしまい中心付近を照明する光束がなくなってしまっていると仮定する。仮にこの状態でアライメント、ピント合わせを行い、撮影を実行したとすると、得られる画像は図8に例示されるように中心付近が暗くなった画像になる。
そこで、フローはS10へ移行する。S10において、アライメント目標変更手段47は内部固視標24の提示位置に基づいて、被検者の固視が光学ヘッド部Hの光軸よりも左右の何れに異なり傾いているかを検出する。そして、この検出結果に基づいて、アライメント目標位置をずらす方向の左右を決定する。このずらし方向の決定は、被検眼の固視の位置に応じてアライメント位置をずらす際のずらし方向を決定する方向決定手段として機能する制御手段45におけるモジュールにより実行される。さらにS11において、中心付近を照明する光束ができるように、図9(本図は左右を上方から見た図になっている。)に示すようにアライメント終了時のX方向の位置をずらすためのずらし量Dを決定する。算出されるアライメント目標位置のずらし量Dは眼底中心付近を照明する光束ができる量でもよいが、照明光束がなくなる位置が撮影範囲から外れるまでずらすことが望ましい。当該ずらし量Dのこのような算出工程は、制御手段45において算出手段として機能するモジュールにより実行され、前述した判定手段の判定結果に応じて開始される。本実施例において、該算出手段は、虹彩によって遮られる照明光の量を前眼像から検出することとなり、ずらし量はこの検出結果に基づいて算出される。より詳細には、撮像された前眼像の瞳孔径を検出し、この検出結果に基づいてずらし量を算出している。なお、この瞳孔径は、瞳孔領域のサイズ情報の一例であって、虹彩によって遮られる照明光の量を求めるために参照し得る種々の情報をこれに換えて用いることが可能である。また、瞳孔領域の検出は、制御手段45において前眼像の瞳孔領域を検出する検出手段として機能するモジュールにより実行される。
なお、このずらし量Dは瞳孔Epの径等によってかわってくる。ここで例示している場合であれば、水晶体絞り像7’及び8’の内径はΦ4.5であるのでずらし量Dは少なくとも0.15以上が設定されることが好ましく、ここでは例えばD=0.3と設定される。
ずらし量Dが決定されるとその結果を制御手段45は受けて、フローはS12に進み、アライメント目標位置を初期位置からずらし量Dだけずらせた第一のアライメント目標に変更する。その後、フローはS2に戻る。以上のS6、及びS10〜S12の工程は、本実施例においてアライメント位置のアライメント目標位置に対するずらし方向及びずらし量を求める工程に対応し、当該工程は制御手段45において方向決定手段として機能するモジュール、及び算出手段とする機能するモジュールにより実行される。
S2では、変更したアライメント目標位置に対して、光学ヘッドHのXY方向についてのアライメントを行う。該アライメント終了後、S3にてZ方向のアライメント合せを行う。続くS4では、アライメント目標位置が変更されているか否かを再び判定する。今回はアライメント目標位置が変更されているので、フローはS13へ移行する。
S13ではフォーカスレンズ20によってピント合わせを行い、続くS14で第一のアライメント目標変更位置であるか否かの判定を行う。ここでは、第一のアライメント目標位置とした場合の眼底撮影であることから、フローはS15へ移行して眼底の撮影が行われる。撮影された眼底画像では、図8に示した画像中の暗い部分は存在していない。しかし、アライメント位置を左右方向にずらしたために、光学ヘッド部Hを移動させた方向と逆の方向に対応する位置にフレアFが入った眼底画像になっている。
撮影後、続くS16において、アライメント目標変更手段47はS12で決定したずらし方向とずらし量Dに対して、逆方向にアライメント目標位置をずらすこととしてそのずらし量D’を算出して制御手段45に出力する。制御手段45は、このずらし方向とずらし量D’とに基づいて、第二のアライメント目標変更を行い第二のアライメント目標位置を設定する。S16にて第二のアライメント目標変更を行った後、フローはS2に戻ってS13のピント合わせまで前回と同様の工程を繰り返す。
続くS14において、再度直前に行われたアライメント操作の目標位置が第一のアライメント目標変更位置であったか否かの判定を行う。今回は第一のアライメント目標変更位置に対するアライメントではないので、フローはS17へ移行する。S17では、第二のアライメント目標変更位置にアライメントを行った状態での眼底の撮影が行わる。ここで撮影された眼底画像は、図11に示すように、先ほど得られた図10に示した画像とは反対側にフレアFが入った画像となる。撮影終了後、フローはS18に移行する。
S18では、制御手段45からの指示に応じ、画像生成手段48が1回目の撮影で得られた図10に示す撮影画像と2回目の撮影で得られた図11に示す撮影画像との2枚の撮影画像を合成して、図12に例示したフレアFの入らない1枚の画像を作成する。ここで示した例における画像作成に際しては、例えば図10の画像におけるフレアFの入っていない左半分と図11の画像における右半分とを組み合わせることが考えられる。なお、この場合に切り取る方向は、ずらした方向から判定出来る。
本実施例では、アライメント目標位置変更手段が設定したアライメント目標位置にてS15において眼底像を得ている。また、該アライメント目標位置変更手段がアライメント目標位置を設定した際のずらし方向とは逆方向において該ずらし量分だけずらせた新たなアライメント目標位置にてS17において眼底像を得ている。撮像手段は、少なくともこれら眼底像を含む複数枚の眼底像を撮影する。S18では、画像生成手段48が、撮影された複数の眼底画像から1枚の眼底の画像を生成する。画像作成後、フローはS9に移行して眼底撮影の処理が終了する。
なお、以上の例ではS10において固視標が固視を左右方向に動かし、アライメントを左又は右にずらすように提示されていた場合について述べている。しかし、S10において固視標が上下方向に関して提示されていた場合にはS11においてずらす方向は上又は下の方向になり、斜め方向であればその方向についてずらすことになることは言うまでもない。
また、以上のフローは制御手段45によって自動で行われるが、S10においてユーザによって以降のステップを実行する小瞳孔モードの実行を指示することとしてよい。或いは当該フローが小瞳孔モードを実行するモードであるとしてのその実行をユーザが指示する態様としても良い。この場合、該小瞳孔モードの実行の指示を行うボタン等の指示手段を制御手段45に配することが好ましい。
また、本実施例では、水晶体絞り7及び8は被検眼瞳孔径によらず変更していない。しかし、水晶体絞りの内側の遮蔽部を小さくした絞りを更に備えることとして、瞳孔径が小さい場合にはまず水晶体絞り7及び8を切り替えたうえで眼底中心付近を照明する光束の有無を判定し、アライメント位置を変更する構成にしてもよい。この場合、被検眼の水晶体の後面に像を投影して光学ヘッドHにおける第一の遮光領域からなるリング状開口を有す第一の遮光絞りがこれら水晶体絞り7及び8に対応する。これら水晶体絞りは、遮光領域が第一の遮光領域よりも小さい第二の遮光領域を有する第二の遮光絞りと該第一の遮光絞りとを切換え可能であって、制御手段45に含まれて制御されることが好ましい。さらに、この場合、制御手段45は、アライメント目標変更手段によるアライメント目標位置の変更があった場合に、第一の遮光絞りを第二の遮光絞りに変更して、再度アライメント目標変更手段によるずらし量を算出する制御を行うことが好ましい。これにより、より好適な眼底像の取得が可能となる。
ここで、瞳孔径が小さい被検者を通常の大きい遮光絞りで撮影すると、フレアと言われる不要光が入ることはない。しかし、前述した通り眼底画像の中心付近が暗くなってしまう。一方、小さい遮光絞りを用いた場合では中心付近が暗くなることがないが、フレアが眼底画像の周辺部にはいってしまう。よって、それぞれの画像は良好な画像とは言えない。
例えば、瞳孔が小さい被検者の場合に、大きい遮光絞りで撮影した画像と、小さい遮光絞りで撮影した画像から1枚の画像を合成することで、これに対処することも可能である。当該構成では、通常の遮光絞りで撮影した画像から周辺部を、小さい遮光絞りで撮影した画像から中心部を切出して1枚の良好な眼底画像を得る構成になっている。
ここで、このような画像中の暗い領域への対応を目的とした構成では、遮光絞りをかえて撮影した2枚の画像から1枚の良好な画像を合成することを要する。しかし、遮光絞りの大きさを変えると各眼底位置を照明する光量が変わる(像面照度比)ので画像の合せ目が目立たないように複雑な画像処理を行う必要がある。本発明によれば、同じ遮光絞りを用いて得た複数の画像を合成して1枚の画像を得ることから、合せ目に留意せずとも良好な画像が得られる。
前述した実施例1では、ずらし量Dの決定は瞳孔Epの計測結果に基づいて行った。これに対し、本実施例2では、ずらし量Dを観察画像から決定することとしている。即ち、本実施例において、前述した算出手段は、被検眼の虹彩によって照明光学系の照明光を遮る量を眼底像から検出し、検出結果に基づいてずらす量を算出している。より詳細には、該算出手段は、眼底観察撮影光学系で撮像された眼底観察像を解析して暗部の大きさを検出し、検出結果に基づいてずらす量を算出している。なお、当該暗部は、眼底像における中央領域における輝度等の画素値の強度情報に基づいて求められる。また、暗部を求める際の中央領域の検出は、制御手段45において眼底像の中央領域を検出する検出手段として機能するモジュールにより実行される。
オートアライメント機能を有した眼底カメラにおいて、眼底を撮像する際の本実施例に係る動作を、図14に示すフローチャートに従って説明する。なお、実施例1と重複するステップについては図13と同じ参照番号を付記することとしてここでの説明を省略する。
まず、検者が不図示の撮影開始スイッチを押す(S1)。
S2で、撮影開始スイッチからの信号を受けた制御手段45は、被検眼Eと光学ヘッド部Hとの位置合せを開始する。アライメント目標位置は初期(偏心がない)位置となっている。ここでは、アライメント状態検出手段44は、撮像手段27により得られた前眼画像における瞳孔の重心位置から光学ヘッド部Hの被検眼Eに対するXY方向の偏心量を算出する。制御手段45はこの算出結果を受けて、偏心量をキャンセルするようにアライメント駆動手段29によって光学ヘッド部HをXY方向に動かす。
XY方向の位置合せが終了して前眼部の表示が図4に例示する状態になると、フローはS3に移行する。ここで、アライメント状態検出手段44は前眼像のスプリット像が示すずれの方向から光学ヘッド部Hが被検眼Eに対してZ方向において遠近何れにずれており、且つ該像のずれ量からどの程度のずれであるかを算出する。算出結果は、制御手段45に出力される。制御手段45は、そのずれ量をキャンセルするようにアライメント駆動手段29により光学ヘッド部HをZ方向に動かしアライメント動作を完了させる。
Z方向のアライメント動作が完了すると、フローはS104に移行する。S104ではこれから行う撮影が2回目であるか否かを判定する。
今回は1回目であるので、フローはS105へ移行する。S105において、撮像手段23で撮像された眼底観察画像を取得し、当該画像は制御手段45へ出力される。制御手段45は、アライメント目標変更手段47へ該画像を出力する。
続くS106では、瞳孔Epが好適な画像が得られるだけの大きさを有しているか否かを該画像に基づいて判定する。得られた眼底観察画像において、例えば図8に示す画像中の暗い部分が存在していなければ瞳孔Epは十分な大きさを有していると判定できる。この場合、暗い領域は存在していないためフローはS107に移行する。以上に述べた眼底像におけるフレア領域の大きさに基づいて被検眼が小瞳孔であるか否かを判定する操作は、制御手段45において判定手段として機能するモジュールにより実行される。
S107では、アライメント目標位置が変更されているか否かについて判定を行う。アライメント目標位置の変更は行われていないためフローはS7に移行し、ピント合わせから以降のS8の眼底像の撮像、S9のフローの終了へとフローは進められる。
一方、瞳孔Epが小さく、図8に示すような暗い領域が存在する眼底観察画像であった場合について、S106で行われる判定の処理について説明する。S106において、アライメント目標変更手段47は、例えば取得された画像の眼底画像領域に検出ウインドウを設定し、所定輝度値以下の画素領域を抽出する。その結果、所定輝度値より低い領域が存在していることが確認されると、画像中に暗い領域が存在するとしてフローはS10へ移行する。
S10では、実施例1の場合と同様に内部固視標24の提示位置に基づいてアライメント目標位置をずらす方向左右を決定する。続くS11でも同様に、アライメント終了時にX方向のずらす量を決定する。なお、本実施例において、S11では予め設定されている所定量のずらし量D(例えば0.1mm)を決定する。ずらし量Dが決定されるとその結果を制御手段45は受けて、フローはS12に移行する。S12では、アライメント目標位置を、初期位置から決定された方向にずらし量Dだけずらせた第一のアライメント目標に変更する。その後、フローはS2に移行する。以上のS106、及びS10〜S12の工程は、本実施例においてアライメント位置のアライメント目標位置に対するずらし方向及びずらし量を求める工程に対応し、当該工程は制御手段45において方向決定手段として機能するモジュール及び算出手段とする機能するモジュールにより実行される。
S2では、変更したアライメント目標位置に対して、光学ヘッドHのXY方向についてのアライメントを行う。該アライメント終了後、S3にてZ方向のアライメント合せを行う。続くS104では、再度これから行う撮影が2回目であるか否かを判定する。現時点においてまだ撮影は実行されておらず、これから行う撮影は1回目であるので、フローはS105へ移行する。
S105では再度眼底観察画像を取得し、該観察画像に対してS106の判定を実行する。その際に暗い領域がないと判定されれば、フローはS107へ移行する。これに対し、S106においてまだ暗い領域があると判定された場合には、フローはS10に移行する。そして、S10でのアライメント目標位置のずらし方向の決定を経てS11にフローは移行し、S11にてアライメント目標変更手段47はさらに前述した所定のずらし量Dを加えて新たなずらし量とする。
続くS12にて、制御手段45は第一のアライメント目標位置を再度変更してフローはS2へ戻る。以上の操作を、S106において画像中に暗い領域がなくなったと判定されるまで繰り返すこととなる。暗い領域が存在しないと判段されるとフローはS107に移行する。S107では、これまでの操作においてアライメント目標位置の変更が為されていることから、アライメント目標変更がされていると判定して、フローはS13へ移行する。
S13ではフォーカスレンズ20によってピント合わせを行い、続くS14で第一のアライメント目標変更位置であるか否かの判定を行う。ここでは、第一のアライメント目標位置とした場合の眼底撮影であることから、フローはS15へ移行して眼底の撮影が行われる。
撮影後、続くS16において、アライメント目標変更手段47はS13で最終的に決定したずらし方向とずらし量Dに対して、逆方向にアライメント目標位置をずらすこととしてそのずらし量D’を算出して制御手段45に出力する。制御手段45は、このずらし方向とずらし量D’とに基づいて、第二のアライメント目標変更を行い第二のアライメント目標位置を設定する。S16にて第二のアライメント目標変更を行った後、フローはS2に戻ってS13のピント合わせまで前回と同様の工程を繰り返す。
続くS14では、再度直前に行われたアライメント操作の目標位置が第一のアライメント目標変更位置であったか否かの判定を行う。今回は第一のアライメント目標変更位置に対するアライメントではないので、フローはS17へ移行する。S17では、第二のアライメント目標変更位置にアライメントを行った状態での眼底の撮影が行わる。撮影終了後、フローはS18に移行する。
S18では、制御手段45からの指示に応じ、画像生成手段48が1回目の撮影で得られた図10に示す撮影画像と2回目の撮影で得られた図11に示す撮影画像との2枚の撮影画像を合成して、図12に例示したフレアFの入らない1枚の画像を作成する。画像作成後、フローはS9に移行して眼底撮影の処理が終了する。
なお、本実施例では画像合成に際してある方向に対して求めたずらし量分アライメント目標位置をずらして得た画像と、有る方向とは逆の方向に対してずらして得た画像とを合成することとしている。しかし合成する画像の数は少なくともこれら条件を含む2枚あればさらに多くの画像を用いることとしても良い。多くの画像を効果的に用いることによって、より鮮明な画像を得ることが可能となる。従って、画像生成手段は、複数の方向に対して求めたずらし量によってアライメント目標位置をずらした各々の状態で得られた複数枚の眼底像から1枚の眼底の画像を生成すればよい。
なお、本実施例ではずらし量Dは定数になっていて、画像が改善されなければさらにずらし量を増やすように構成した。しかし、S11において所定輝度値より低い領域の面積を求めて、眼底画像の中心付近に暗い領域がなくなるずらし量Dを求めるように構成しても良い。更に、以上のフローチャートの説明では、モニタに表示される画像に関しての記載は特に述べてはいない。しかし、アライメント目標位置の変更に際しては、モニタに表示される眼底画像或いは前眼部像において、十字等の表示形態で示されるアライメント目標位置の表示位置をずらし量及びずらし方向に基づいて変更する、或いは変更の前後が比較できるように表示させることが好ましい。更にこのような表示は、制御手段45において表示制御手段として機能するモジュールによって実行されることが好ましい。
また、S2及びS3を前眼部の観察像に基づいて行っているが、当該ステップで行う工程を眼底の観察像によって行うことも可能である。このように構成することによって、前眼部観察のための光学系を除くことが可能となり、装置製造時における製造コストをより削減することが可能となる。
以上に述べた実施例においては、被検者の瞳孔径に応じて常に最適なずらし量とずらし方向にてアライメント目標位置を設定することが可能となる。従って、一律の変更量とした場合に生じ得るずらし量が不足したり、過剰になったりするということなく、適切なアライメント位置の修正を行った後に眼底画像を得ることが可能となる。また、同じ光量の照明光にて照明された状態の像を合成することから、繋ぎ目等に対して複雑な処理を施さなくとも、フレアが写り込まず且つ画像の合せ目が目立たない好適な眼底画像を得ることが可能となる。即ち、小さな遮光絞り及び遮光絞りの切換機構が不要なシンプルな構造からなる眼科装置であるにもかかわらず、被検眼の瞳孔径によらず画像中心が暗くなく且つつなぎ目の目立たない眼底画像を得ることが可能となる。
なお、以上述べた実施例において、撮像手段23及び撮像手段27は、共に照明された被検眼を撮像する撮像手段として把握可能である。更に、前述したアライメントずらし方向及びずらし量を算出する工程を実行する方向決定手段及び算出手段は、これらの撮像手段の何れかに撮像された被検眼の画像に基づいてアライメント目標位置に対するこれらの決定及び算出を実行すると把握できる。アライメント目標位置は、アライメント位置に対して算出されたずれ量とずれ方向とに関する情報を加えることでアライメント目標位置変更手段は得ている。
また、以上述べた実施例では、アライメント目標変更手段を設け、被検眼瞳孔によって照明光学系の照明光を遮る量を眼底像又は前眼像から検出し、アライメント完了位置を上下又は左右方向にずらす量を算出している。これにより、複数の遮光絞りやこれらを切換える複雑な機構を配する必要がなくなり、装置製造時のコストがあがることがない。また、被検眼瞳孔の大きさに適したずらす量を算出するのでどのような瞳孔径の被検眼であっても眼底画像の中心付近が暗くならないで済む。
また、アライメント目標変更手段が前眼観察光学系で撮像された前眼像から瞳孔径を検出し、ずらす量を算出していることから、遮光絞りを透過する光束を被検眼虹彩によって制限される量を容易に計算することが出来る。或いは、眼底像における暗部の大きさによって遮光絞りを透過する光束が制限される量を求め、当該量に基づいてずらす量を算出しているため、より効果的に暗部の生成を抑制することが可能となる。即ち、当該ずらし量を用いることによって、眼底像にフレアが生じる可能性を完全になくすことは出来なくとも、黄斑や視神経乳頭等の重要部位が写っている眼底像の中央付近については、光軸をずらす前と比較して明るい状態で観察することが可能となる。
更に、前述したように、アライメント目標変更手段が眼底観察撮影光学系で撮像された眼底観察像を解析して検出し、ずらす量を算出することも可能である。このように眼科装置を構成することにより、前眼部観察光学系が不要となり装置構成が単純化することができ、コストを抑えることができる。
また、被検眼を固視させる固視標を設け、アライメント目標変更手段は該固視標の位置が光学ヘッド部の光軸より左右方向に異なる場合にはアライメントをずらす方向は左又は右に、固視標の位置が上下方向に異なる場合にはアライメントを上又は下にずらすことにしている。これにより、光軸と固視位置でつくられる方向と同じ方向にずらすので、異なる方向にずらす場合と比較して少ないずらし量で済む。
更に、以上の実施例では、アライメント検出手段及び、アライメント目標変更手段によって算出されたずらし量と方向に基づいて光学ヘッド部を駆動し被検眼に対してアライメントを行うアライメント手段を配している。これにより、検者は被検眼瞳孔径が小さい場合であっても特別なアライメント操作を行うことなく、眼底中心付近が暗くならない眼底画像を得ることが出来る。
更に、以上の実施例では、被検眼水晶体後面付近に投影し、光軸周辺に第一の遮光領域を有するリング状開口をもつ第一の遮光絞りと、該第一の遮光領域よりも小さい第二の遮光領域を有する第二の遮光絞りとシステムを制御する制御手段を配している。該制御手段はアライメント目標変更手段による算出結果ずらす必要があった場合に、該第一の遮光絞りを該第二の遮光絞りに変更して、再度アライメント目標変更手段によるずらし量を算出する。これにより、被検眼瞳孔径が小さい場合に第二の遮光絞りに切り替えても、まだ瞳孔径が想定された瞳孔径よりも小さく照明光束がけられて眼底中心付近が暗くなってしまう場合であっても中心付近が暗くならない画像を得ることが出来る。
更に、以上の実施例では、アライメント目標位置変更手段が設定したアライメント目標位置にて得られた眼底像と、アライメント目標位置変更手段がアライメント目標位置を設定した際のずらし方向とは逆方向にずらし量だけずらせたアライメント目標位置にて得られた眼底像と、を少なくとも含む複数枚の眼底像を撮像手段に撮影させる。そして、撮影された複数の眼底画像から1枚の眼底の画像を生成する。これにより、眼底中心付近が暗くなく、且つ周辺部にフレアのない眼底画像を得ることが出来る。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
E 被検眼、Ep 瞳孔、F フレア、3 撮影絞り、14 角膜絞り、7 水晶体絞り、8 水晶体絞り、9 瞳絞り、15 瞳絞り、29 アライメント駆動手段、44 アライメント状態検出手段、45 制御手段、46 イメージスプリットプリズムを有する平板、47 アライメント目標変更手段、48 画像生成手段

Claims (19)

  1. 照明された被検眼の前眼像を撮る前眼撮像手段を含む光学ヘッドと、
    前記前眼像の瞳孔領域を検出する検出手段と、
    前記検出された瞳孔領域のサイズ情報に基づいて、前記被検眼に対する前記光学ヘッドのアライメント目標位置のずらし量を算出する算出手段と、
    を有することを特徴とする眼科装置。
  2. 前記検出された瞳孔領域のサイズ情報に基づいて、前記被検眼が小瞳孔であるか否かを判定する判定手段を更に有し、
    前記算出手段は、前記被検眼が小瞳孔であると判定された場合に前記ずらし量の算出を開始することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記被検眼の眼底を照明する照明光学系を有し、
    前記算出手段は、前記サイズ情報に基づいて前記被検眼の虹彩によって前記照明光学系の照明光を遮る量を求め、前記求められた遮る量に基づいて前記ずらし量を算出することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  4. 前記光学ヘッドは前記照明された被検眼の眼底像を撮る撮像手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の眼科装置。
  5. 照明された被検眼の眼底像を撮る撮像手段を含む光学ヘッドと、
    前記眼底像の中央領域を検出する検出手段と、
    前記検出された中央領域の強度情報に基づいて、前記被検眼に対する前記光学ヘッドのアライメント目標位置のずらし量を算出する算出手段と、
    を有することを特徴とする眼科装置。
  6. 前記眼底像におけるフレア領域の大きさに基づいて、前記被検眼が小瞳孔であるか否かを判定する判定手段を更に有し、
    前記算出手段は、前記被検眼が小瞳孔であると判定された場合に前記ずらし量の算出を開始することを特徴とする請求項5に記載の眼科装置。
  7. 前記算出手段は、前記強度情報に基づいて前記眼底像における暗部を検出し、前記検出された暗部の大きさに基づいてずらす量を算出することを特徴とする請求項5又は6に記載の眼科装置。
  8. 複数の方向に対して前記ずらし量によってアライメント目標位置をずらした各々の状態において前記撮像手段により得られた複数枚の眼底像から1枚の眼底の画像を生成する画像生成手段を有することを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の眼科装置。
  9. 小瞳孔モードを指示する指示手段を更に有し、
    前記算出手段は、前記指示手段による指示に応じて前記ずらし量の算出を開始することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の眼科装置。
  10. 前記被検眼の固視の位置に応じて前記アライメント目標位置をずらす際のずらし方向を決定する方向決定手段と、
    前記ずらし方向及びずらし量を加えて前記アライメント目標位置を変更するアライメント目標位置変更手段と、を有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の眼科装置。
  11. 前記被検眼を前記位置に固視させる固視標を有し、
    前記方向決定手段は該固視標の位置が前記光学ヘッドの光軸より左右方向に異なる場合には前記ずらし方向は左又は右に、前記固視標の位置が前記光軸より上下方向に異なる場合には前記ずらし方向を上又は下に決定することを特徴とする請求項10に記載の眼科装置。
  12. 前記被検眼の水晶体の後面に像を投影して前記光学ヘッドにおける光軸の周辺に第一の遮光領域を有するリング状開口をもつ第一の遮光絞りと、前記第一の遮光領域よりも遮光領域が小さい第二の遮光領域を有する第二の遮光絞りとを有するシステムを制御する制御手段を有し、
    前記制御手段はアライメント目標変更手段による前記アライメント目標位置の変更があった場合に、前記第一の遮光絞りを該第二の遮光絞りに変更して、再び前記アライメント目標変更手段によるずらし量を算出する制御を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の眼科装置。
  13. 照明された被検眼の前眼像を撮る前眼撮像手段を含む光学ヘッドを有する眼科装置の制御方法であって、
    前記前眼像の瞳孔領域を検出する検出工程と、
    前記検出された瞳孔領域のサイズ情報に基づいて、前記被検眼に対する前記光学ヘッドのアライメント目標位置のずらし量を算出する算出工程と、
    を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。
  14. 前記検出された瞳孔領域のサイズ情報に基づいて、前記被検眼が小瞳孔であるか否かを判定する判定工程を更に有し、
    前記判定工程において前記被検眼が小瞳孔であると判定された場合に前記ずらし量の算出する前記算出工程を開始することを特徴とする請求項13に記載の眼科装置の制御方法。
  15. 前記光学ヘッドは前記照明された被検眼の眼底像を撮る撮像手段を有することを特徴とする請求項13又は14に記載の眼科装置の制御方法。
  16. 照明された被検眼の眼底像を撮る撮像手段を含む光学ヘッドを有する眼科装置の制御方法であって、
    前記眼底像の中央領域を検出する検出工程と、
    前記検出された中央領域の強度情報に基づいて、前記被検眼に対する前記光学ヘッドのアライメント目標位置のずらし量を算出する算出工程と、
    を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。
  17. 前記眼底像におけるフレア領域の大きさに基づいて、前記被検眼が小瞳孔であるか否かを判定する判定工程を更に有し、
    前記判定工程において前記被検眼が小瞳孔であると判定された場合に、前記ずらし量の算出する前記算出工程を開始することを特徴とする請求項16に記載の眼科装置の制御方法。
  18. 複数の方向に対して前記ずらし量によってアライメント目標位置をずらした各々の状態で前記撮像手段により得られた複数枚の眼底像から1枚の眼底の画像を生成する画像生成工程を有することを特徴とする請求項15乃至17の何れか一項に記載の眼科装置の制御方法。
  19. 請求項13乃至18の何れか一項に記載の眼科装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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