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JP2016184602A - 回路基板 - Google Patents

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JP2016184602A
JP2016184602A JP2015062779A JP2015062779A JP2016184602A JP 2016184602 A JP2016184602 A JP 2016184602A JP 2015062779 A JP2015062779 A JP 2015062779A JP 2015062779 A JP2015062779 A JP 2015062779A JP 2016184602 A JP2016184602 A JP 2016184602A
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浩二 早川
Koji Hayakawa
浩二 早川
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Abstract

【課題】 金属回路板と金属端子との接合の強度等が高い回路基板を提供すること。
【解決手段】 上面を有するセラミック基板1と、上面および下面を有しており、下面がセラミック基板1の上面に接合された金属回路板2と、金属回路板2の上面にろう材3を介して接合された金属端子4とを有しており、ろう材3が銅およびリンを主成分とするろう材である回路基板である。銅およびリンを主成分とするろう材の弾性率が比較的小さいため、金属回路板2と金属端子4との接合部分における熱応力が低減され、この接合部分における機械的な破壊が抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばパワーモジュール等の電子装置に用いられる回路基板に関するものである。
近年、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体素子が搭載され大
きな電流が流されるパワーモジュールまたはスイッチングモジュール等の電子装置に、セラミック基板の上下両面に銅等の金属板が接合された回路基板が用いられている(例えば、下記特許文献1を参照。)。このような回路基板は、電気自動車の制御装置または熱電変換による発電装置等の用途において需要が高まりつつある。
このような回路基板は、一般に、セラミック基板と、そのセラミック基板の主面に設けられた金属板とを有している。金属板は、例えばセラミック基板の上面に設けられた上面金属板を含んでいる。上面金属板は、セラミック基板との対向面(下面等)においてセラミック基板に接合されている。上面金属板は、例えば半導体素子等の電子部品搭載用の下地金属層または電子部品を外部電気回路に接続する導電路として機能する。上面金属板には、電子部品との電気的な接続のための金属端子が接合される場合がある。上面金属板に対する金属端子の接合は、銀ろう等のろう材によって行なわれる。
特開2002−100848号公報
従来の回路基板は、金属端子が上面金属板に接合されるときの熱応力等の応力によって、金属端子と上面金属板との接合部分において亀裂等の機械的な破壊が発生する可能性が比較的大きいという問題点があった。特に、金属端子と金属板とは、比較的小さい接合面積(対向面積)でろう材を介して互いに接合されているため、そのろう材内で機械的な破壊が生じやすい傾向がある。
本発明の一つの態様の回路基板は、上面を有するセラミック基板と、上面および下面を有しており、該下面が前記セラミック基板の前記上面に接合された金属回路板と、該金属回路板の前記上面にろう材を介して接合された金属端子とを備えており、前記ろう材が銅およびリンを主成分とするろう材であることを特徴とする。
本発明の一つの態様による回路基板は金属回路板と、金属回路板の上面にろう材を介して接合された金属端子とを備えており、そのろう材が銅およびリンを主成分とするろう材であることから、ろう材を介した金属端子と金属回路板との接合部分において熱応力等の応力による機械的な破壊の可能性が効果的に低減されている。これは、銅およびリンを主成分とするろう材の弾性率が、従来技術における銀ろう等のろう材の弾性率に比べて低く、応力が効果的に緩和されることによる。
(a)は本発明の実施形態における回路基板の要部を示す断面図である。 図1のA部分の一例を拡大して示す断面図である。 図2に示す回路基板の要部の変形例を示す断面図である。 図1に示す回路基板の変形例を示す断面図である。
本発明の実施形態の回路基板について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に回路基板が使用される際の上下を限定するものではない。
図1は本発明の実施形態の回路基板における要部を示す断面図であり、図2は図1のA部分を拡大して示す断面図である。
実施形態の回路基板9は、セラミック基板1と、セラミック基板1の上面に設けられた金属回路板2と、金属回路板2の上面にろう材3を介して接合された金属端子4とを有している。この例では、金属回路板2は、金属板用ろう材5によってセラミック基板1に接合されている。回路基板9は、例えば金属回路板2の一部に半導体素子等の電子部品(図示せず)が搭載されて、半導体装置等の電子装置となる。電子装置は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュール等のパワーモジュールを形成し、各種の機
器に実装されて使用される。
電子部品は、金属回路板2上に搭載され、低融点ろう材等の接続材(図示せず)によって金属回路板2の上面等に接合される。電子部品としては、トランジスタ,CPU(Central Processing Unit)用のLSI(Large Scale Integrated circuit),IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)またはMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor - Field Effect Transistor)等の半導体素子が挙げられる。低融点ろう材は、例えば、
スズ−銀またはスズ−鉛等の半田である。
セラミック基板1は、例えば、電子部品を搭載するための搭載用基板としての機能を有している。また、セラミック基板1は、金属回路板2を接合して保持するための接続用基板としての機能を有している。
金属回路板2は、例えば、電子部品の接続用の下地金属材、電子部品の作動等によって生じる熱の外部への放散のための放熱材、および電子部品と外部電気回路(図示せず)との間等の電気的な接続のための導電路等として機能する。一例を挙げれば、金属回路板2上に搭載された電子部品が、金属回路板2によって外部電気回路と電気的に接続される。外部電気回路との信号の送受等を含む作動によって生じた熱が、金属回路板2およびセラミック基板1の露出表面等から外部に放散される。
また、実施形態の回路基板9は、セラミック基板1の下面に金属板6が配置されている。この例では、金属板6はセラミック基板1に上記と同様の金属板用ろう材5によって接合されている。金属板6は、例えば金属回路板2の上記の機能を補助するために配置されている。例えば、金属板6が放熱部として機能し、回路基板9から外部への放熱が金属板6によってより効果的に行なわれる。この場合、セラミック基板1を厚み方向に貫通する金属部材(図示せず)によって金属回路板2と金属板6との熱的な接続がより効果的に行なわれて、放熱がより効果的に行なわれるようにしてもよい。また、金属回路板2と金属板6とが互いに電気的に接続されて、金属板6にも信号が伝送されるようになっていてもよい。
セラミック基板1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化ケイ素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、または窒化ケイ素質焼結体等のセラミック材
料によって形成されている。これらのセラミック材料について、熱伝導性(放熱性)の点においては、窒化ケイ素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体および炭化ケイ素質焼結体が好ましい。また、機械的な強度の点においては、窒化ケイ素質焼結体および炭化ケイ素質焼結体が好ましい。
なお、セラミック基板1が窒化ケイ素質焼結体のように機械的強度が比較的高いセラミック材料からなる場合には、例えば、金属回路板2および金属板6の厚みをより大きくしたとしても、セラミック基板1にクラックが発生する可能性が低減される。そのため、小型であってもより大電流を流すことができる回路基板9を実現する上でより有利である。
セラミック基板1は、例えば窒化ケイ素質セラミックスからなる場合であれば、次にようにして製作される。すなわち、まず、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムおよび酸化イットリウム等の原料粉末に適当な有機バインダー、可塑剤および溶剤等を添加混合してセラミックスラリーを作製する。次に、セラミックスラリーをドクターブレード法またはカレンダーロール法等の成形方法でシート状に成形して帯状のセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を作製する。次にこの帯状のセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して所定形状に成形するとともに、必要に応じて複数枚を積層して成形体を形成する。その後、この成形体を窒化雰囲気等の非酸化性雰囲気において約1600〜2000℃の温度で焼成することによってセラミック基板1を製作することができる。
金属回路板2は、金属板用ろう材5によってセラミック基板1の上面に接合されている。セラミック基板1に接合された金属回路板2は、例えば前述したように電子部品を搭載して接合するための下地金属層として機能する。また、金属回路板2は、例えば、ボンディングワイヤ等の導電性接続材(図示せず)を介して電子部品に電気的に接続される端子として機能するものであってもよい。また、金属回路板2は、例えば、金属端子4を介して外部電気回路に電気的に接続される外部端子として機能するものであってもよい。
金属回路板2に対して上記のように複数の機能が求められる場合に、互いに電気的に絶縁させておく必要があるものが含まれるときには、例えば図1の例のように、互いに電気的に独立した複数の金属回路板2がセラミック基板1の上面に設けられてもよい。これらの複数の金属回路板2も、上記と同様の金属板用ろう材5によって、セラミック基板1の上面にそれぞれ接合させることができる。
金属回路板2および金属板6は、例えば銅またはアルミニウム等の金属からなる。金属回路板2および金属板6は、例えば銅のインゴット(塊)に圧延加工法または打ち抜き加工法等の機械的加工またはエッチング等の化学的加工のような従来周知の金属加工法を施すことによって、例えば厚さが0.05〜1mmの平板状で、所定パターンに形成することによって作製することができる。このとき、金属回路板2および金属板6は、あらかじめ所定パターン形状に形成したものを用いてもよいし、セラミック基板1と同程度の大きさおよび形状の金属板をセラミック基板1に接合した後にエッチングで所定パターン形状に加工してもよい。
金属回路板2および金属板6をあらかじめ所定パターンに形成した後にセラミック基板1に接合する場合は、以下のようにすればよい。まず、複数のセラミック基板1を準備する。また、金属の板をプレス加工またはエッチング加工等を用い、金属回路板2および金属板6の所定パターン形状に加工する。次にセラミック基板1と金属回路板2および金属板6とがそれぞれに互いに対向し合う接合部の少なくとも一方に、接合後に金属板用ろう材5となる活性金属入りのろう材ペーストを所定形状にスクリーン印刷等で塗布する。金属回路板2の下面、および金属板6の上面には、ろう材3を予め形成しておく。この金属
板用ろう材5は、スクリーン印刷で所定位置に設けられたものでもよいし、金属板用ろう材5をクラッドした所定の厚みの金属の板を金属回路板2および金属板6の形状および寸法に打ち抜くことで形成してもよい。各部材を所定の位置に配置し、位置がずれないように治具等を用いて荷重をかけながら真空中で金属板用ろう材5が溶融する温度まで昇温し各部材を接合する。以上によって、セラミック基板1に金属回路板2および金属板6がそれぞれに接合される。
金属回路板2および金属板6が銅からなる場合は、無酸素銅で形成するのが好ましい。無酸素銅で形成すると、セラミック基板1と金属回路板2または金属板6との接合を行なう際に、銅の表面が銅中に存在する酸素により酸化されることなく、ろう材3との濡れ性が良好となるので、接合がより強固となる。
金属板用ろう材5は、上記のように、金属回路板2および金属板6とセラミック基板1とを接合させるためのものである。金属板用ろう材5は、活性金属を含むもの(活性金属ろう材)であっても、活性金属を含まない通常のものであっても構わない。金属板用ろう材5は、上記のすべての接合において活性金属ろう材であってもかまわない。ただし、回路基板9としての生産性および経済性等を考慮すれば、活性金属を含まない金属板用ろう材5をより多く用いる方が好ましい。
金属回路板2および金属板6をセラミック基板1の所定部位に金属板用ろう材5で接合するには、まず、それぞれの部材同士の接合面の少なくとも一方にスクリーン印刷等で金属板用ろう材のペースト(ろう材ペースト)を例えば30〜50μmの厚さで所定パターンに印刷塗布する。次に、これらの部材を所定の構造となるようにろう材ペーストを挟んで位置合わせする。その後、金属板に5〜10kPaの荷重をかけながら真空中または水素ガス雰囲気または水素−窒素ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で780℃〜900℃、10〜120分間
加熱し、ろう材ペーストの有機溶剤、溶媒および分散剤を気体に変えて発散させるとともにろう材3を溶融させる。その後これらを冷却させて金属板用ろう材5を固化させることによって、金属回路板2および金属板6をセラミック基板1の所定部位に接合することができる。
金属回路板2および金属板6が銅からなる場合には、活性金属を含まない上記のろう材ペーストは、例えば、銀および銅粉末、銀−銅合金粉末、またはこれらの混合粉末からなる銀ろう材(例えば、銀:72質量%−銅:28質量%)粉末に対して適当なバインダーと有機溶剤、溶媒とを添加混合し、混練することによって作製する。活性金属入りのろう材ペーストは、この通常のろう材ペーストに、チタン、ハフニウムもしくはジルコニウムまたはその水素化物等の活性金属を銀ろう材に対して2〜5質量%添加混合し、混練することによって作製する。
金属回路板2および金属板6がアルミニウムからなる場合には、銀ろう材に換えてアルミニウムろう材(例えば、アルミニウム:88質量%−シリコン:12質量%)を用いればよい。この場合も、同様にしてろう材ペーストおよび活性金属入りろう材ペーストを作製して、同様にして接合すればよい。アルミニウムろう材を使用した場合には、銅より低温の約600℃で接合することができる。
活性金属を含まないろう材ペーストで金属回路板2または金属板6をセラミック基板1に接合するには、セラミック基板1上にメタライズ層(図示せず)を形成しておき、メタライズ層と金属回路板2または金属板6との間にろう材ペーストを配置すればよい。セラミック基板1上のメタライズ層は、セラミック基板1を作製する際に、セラミックグリーンシート上にメタライズペーストを所定パターン形状に印刷塗布しておき、焼成することによって形成しておくことによって形成することができる。または、セラミック基板1を
作製した後に、セラミック基板1上にメタライズペーストを所定パターン形状に印刷塗布して焼き付けることによって形成すればよい。メタライズペーストは、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)またはこれらの混合粉末からなる金属粉末と、適当なバインダーと有機溶剤・溶媒とを添加混合し、混練することによって作製する。
なお、金属回路板2および金属板6は、セラミック基板1に接合された後に、その表面にニッケルめっき層等の導電性が高く、耐食性およびろう材3との濡れ性が良好なめっき層7が被着されたものでもよい。この場合には、例えば、金属回路板2に半導体素子等の電子部品を半田を介してより強固に接着させることができる。また、金属回路板2と外部電気回路との電気的接続をより良好なものとすることができる。
この場合、ニッケルめっき層等のめっき層7は、その厚みが1.5μm以上の場合には、
金属回路板2および金属板6の露出表面(表面のうちセラミック基板1に接合されていない部分等)をより効果的に被覆して保護することができ、金属回路板2の酸化腐食をより効果的に低減させることができる。また、10μm以下であれば、その内部の残留応力が比較的小さいため、例えばセラミック基板1の厚さが300μm未満の薄いものになったとし
ても、めっき層7の内部の応力によってセラミック基板1に反りまたは割れ等の機械的な破壊が生じる可能性をより低く抑えることができる。
また、実施形態の回路基板9は、金属回路板2の上面にろう材3を介して接合された金属端子4を有している。金属端子4は、例えば、上記のように回路基板9を電子部品または外部電気回路等に電気的に接続するときの端子として機能する。金属端子4を介して上記の電気的な接続が行なわれれば、接続時の互いの位置合わせがより容易になる。また互いの接続面積をより大きくして接続の強度を向上させることができる。
金属端子4は、図1および図2の例では、細長い棒状(柱状)の金属部材であり、例えば銅、鉄−ニッケル−クロム(FeNiCo)合金、銅−タングステン(CuW)または銅−モリブデン(CuMo)等の金属材料によって形成されている。銅−タングステンおよび銅−モリブデンは、合金ではなくタングステンまたはモリブデンと銅とが互いに分離したものでもよい。この金属端子4は、金属回路板2に接合された端部において径がより大きくなっている、いわゆるネイルヘッド型のものである。金属端子4は、リード端子型(図示せず)等の他の形状のものでもよい。
金属端子4は、例えば銅からなる場合であれば、銅板等の原材料に切断、圧延およびエッチング等の所定の金属加工を施して、所定形状および寸法に加工することによって作製することができる。
ろう材3は、銅およびリンを主成分とするろう材である。金属回路板2の上面に接合しているろう材3が銅およびリンを主成分とするろう材であることから、ろう材3を介した金属端子4と金属回路板2との接合部分において熱応力等の応力による機械的な破壊の可能性が効果的に低減されている。これは、銅およびリンを主成分とするろう材3の弾性率が、従来技術における銀ろう等のろう材の弾性率に比べて低く、応力が効果的に緩和されることによる。
このろう材3の弾性率について、25℃においてヤング率が約80〜90GPa程度である。これに対して、例えば銀を約50質量%程度以上含有する銀ろう(JIS規格のBAG−8等)は約25℃においてヤング率が約98GPa程度である。このように、実施形態の回路基板9に於けるろう材の弾性率(例えばヤング率)が低いため、金属端子4と金属回路板2との、互いの接合面積が比較的小さい接合部分に熱応力等の応力が生じても、その応力に
起因した上記接合部分における亀裂等の機械的な破壊の発生が効果的に抑制されている。
ろう材3は、主成分である銅およびリンを約70質量%以上含有しているリン銅ろう材である。リン銅ろう材としては、例えば、リン(P)−銅(Cu)合金、リン(P)−銅(Cu)−錫(Sn)合金、リン(P)−銅(Cu)−錫(Sn)−ニッケル(Ni)合金などを用いることができる。リンと銅を合わせた主成分がろう材全体の80質量%以上であればろう材3の弾性率を上記のように比較的小さく抑えることが容易である。
また、この主成分は、ろう材全体に対して銅が例えば約65〜95質量%程度であり、リンが約3〜8質量%程度である。
この場合、銅が80質量%以上であればろう材の導電性の点でより有利である。また、リンが3質量%以上であれば融点を低下させる効果の点で有利である。なお、リンが8質量%を超えると、ろう材3が固くなる傾向がある。
ろう材3ペーストは、例えば、リン−銅合金粉末に対して適当なバインダーと有機溶剤、溶媒とを添加混合し、混練することによって作成することができ、ろう材3ペーストを金属回路板2の要部にスクリーン印刷等によって配置し、金属端子4を配置し、融点温度付近に真空中等の雰囲気で加熱し、溶融させることによってろう材3となる。
なお、図2に示す例では、金属回路板2の表面に金属層2aが設けられている。また、金属端子4の表面に他の金属層4aが設けられている。これらの金属層および他の金属層2a、4aは、金属回路板2および金属端子4とろう材3とが直接に接合された部分にもろい金属層(図示せず)が生成することを抑制すること等のために設けられている。また、金属層2aは、金属回路板2に対するろう材3の濡れ性等の向上のために設けられている。金属層2aは、例えば銅または銅を主成分とする合金等のめっき層である。金属層2aは、後述するように必ずしも必要なものではない。
すなわち、回路基板9について、例えば図3に示すように、金属回路板2の上面にろう材3が直接に接合されていても構わない。言い換えれば、金属回路板2の上面に、金属層2aを間に挟むことなく直接に、ろう材3によって金属端子4が接合されていても構わない。金属回路板2の上面にろう材3が直接に接合されている場合には、金属端子4の金属回路板2に対する接続の長期信頼性を高く確保しながら、回路基板9としての生産性を高める上でより有利である。なお、図3は図2に示す回路基板9の要部の変形例を示す断面図である。図3において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。金属回路板2の上面にろう材3が直接に接合されてももろい金属間化合物が発生しない例として、銅板の金属回路板2に銅の金属端子4をリン銅ろう材のろう材3で接合した場合を挙げることができる。
これは次のような理由による。仮に、ろう材3として銀ろうが用いられたとすると、その銀成分の金属回路板2への拡散による金属回路板2の銅成分の硬化の可能性がある。これに対して、実施形態の回路基板9ではろう材が銀成分を含有していないため、そのような銅成分の硬化の可能性が大きく低減されている。また、その銀成分の金属回路板2や金属端子4への拡散を抑制する手段として、あらかじめ金属回路板2の上面を含む露出表面を銀の拡散を防止するめっき層(例えば上記の金属層2a)で被覆した後に、あらかじめ金の拡散を防止するめっき層(例えば上記の金属層4a)で被覆した金属端子4の接合を行なうことが考えられるが、この場合にはめっき層を被着させる工程が必要であるため、回路基板9としての生産性の向上の点では有利ではない。これに対して、この変形例の回路基板9ではそのような被覆用のめっき層が不要であるため、生産性の向上においてより有利である。
また、実施形態の回路基板9において、ろう材3が、スズまたはニッケルをさらに含んでいるものであってもよい。この場合には、スズまたはニッケルの添加によってろう材3の融点が低下する。そのため、金属端子4の金属回路板2への接合時(ろう付け時)の温度をより低く抑えることができる。つまり、金属端子4の金属回路板2への接合時の加熱の温度を、金属回路板2とセラミック基板1とを接合している活性ろう材等の金属板用ろう材5の融点に比べてより低く抑えることができる。そのため、金属端子4の接合時の熱による金属板用ろう材5の溶融(部分的な溶融を含む)をより効果的に抑制することができる。この場合には、例えば金属板用ろう材5の上記溶融に起因した、金属回路板2の位置ずれ等の可能性がより効果的に低減され、長期信頼性(例えば温度サイクル試験に対する信頼性)がさらに向上する。
なお、ろう材3に対するスズまたはニッケルの添加量は、例えばろう材3全体に対してスズは4〜15質量%の割合に設定される。ニッケルは1〜4.5質量%の割合に設定される
。錫が4質量%以上あれば、ろう材の融点を低下させ、濡れ性も向上させる効果がある。錫が15質量%を超えると、ろう材の強度が低下する。ニッケルが1%以上あれば、ろう材の融点を低下させる効果がある。ニッケルが4.5%を超えると、ろう材の融点が上昇する
図4は、図1に示す回路基板9の変形例を示す断面図である。図4において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。図4の例は、それぞれ金属回路板2が接合された複数のセラミック基板1を有する多層の回路基板9Aの例である。
多層の回路基板9Aは、上面に金属回路板2が設けられた上側のセラミック基板1Aの下側に、上面に金属回路板2が設けられた下側のセラミック基板1Bが接合されて形成されている。上側のセラミック基板1Aの下面には、下側のセラミック基板1Bの上面の金属回路板2と対向して接合された補助用の金属回路板2Aが設けられている。また、下側のセラミック基板1Bの下面には、前述した実施形態の回路基板9と同様に金属板6が設けられている。
補助用の金属回路板2Aと下側のセラミック基板1Bの上面の金属回路板2との接合は、例えば上記のような金属板用ろう材5等と同様の接合材によって行なわれている。なお、図4の例の回路基板9Aは、図1の例の回路基板9のセラミック基板1の厚み方向の中央部(内層部)に金属回路板2および補助用の金属回路板2Aを含む金属部(金属部としては符号なし)が配置された例とみなすこともできる。このような金属部の配置によって、回路基板9(9A)における導電路の設計の自由度の向上、導通抵抗の低減および放熱性の向上等がより容易になる。
このように、内層部に金属回路板2を有する多層の回路基板9Aを形成するときには、内層部に位置する金属回路板2となるものについて、表面(セラミック基板1Aの上面およびセラミック基板1Bの下面等)に位置する金属回路板2となるものと同様に作製することができる。この場合には、例えば、エッチング加工であらかじめ所定の回路状等のパターンに形成した金属回路板2および補助用の金属回路板2Aをセラミック基板1A、1Bに張り付けるようにすれば、次のような効果が得られる。すなわち、それぞれに反りが押さえられた状態で上下のセラミック基板1A、1Bにそれぞれ所定パターンの金属回路板2を接合できる。これによって、例えば、回路基板9A全体の平坦性を確保しやすくなる。そのため、温度サイクル試験等で確認される信頼性試験にで金属回路板2の剥離がより効果的に抑制される。したがって、この場合には、温度変化に対する信頼性の向上においてより一層好ましい。
実施形態の多層の回路基板9Aにおいて、そのろう材3の融点が550℃〜680℃の範囲であれば、次のような点でさらに有利である。セラミック基板1A、1Bと金属回路板2とを接合している金属板用ろう材5として用いられる上記の活性金属ろう材は、その融点が約780℃程度である。上側のセラミック基板1Aと下側のセラミック基板1Bとを接合し
ているろう材等の接合材は金属板用ろう材5を再溶融させない温度で接合できるように、作業性を考えると金属板用ろう材5の融点より50℃程度低いことが好ましい。同様に、ろう材3の融点が金属板用ろう材5の融点より50℃程度低い680℃以下であれば、図4に示
した回路基板9Aにおける金属端子4のろう付け時の加熱で金属板用ろう材5の一部が再溶融するような可能性がより効果的に低減される。また、ろう材3の融点が550℃以上で
あれば、電子部品が金属回路板2に半田等の低融点ろう材によって接合されるときの加熱温度に対して十分にろう材3の融点が高い。そのため、電子部品の搭載、実装時にろう材3が最溶融するような可能性が効果的に低減される。したがって、この場合には、信頼性の向上に対してもより有効な回路基板9Aを提供することができる。
1・・・・セラミック基板
1A、1B・・セラミック基板(変形例)
2・・・・金属回路板
2a・・・・金属層
2A・・・・補助用の金属回路板
3・・・・ろう材
4・・・・金属端子
4a・・・・(他の)金属層
5・・・・金属板用ろう材(接合材)
6・・・・金属板
7・・・・めっき層
9・・・・回路基板

Claims (4)

  1. 上面を有するセラミック基板と、
    上面および下面を有しており、該下面が前記セラミック基板の前記上面に接合された金属回路板と、
    該金属回路板の前記上面にろう材を介して接合された金属端子とを備えており、
    前記ろう材が、銅およびリンを主成分とするろう材であることを特徴とする回路基板。
  2. 前記金属回路板の前記上面に、前記ろう材が直接接合されていることをで特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記ろう材が、スズまたはニッケルをさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  4. 前記ろう材の融点が550℃〜680℃の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
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