以下、実施形態の電力制御装置、電力制御方法、及び、電力制御プログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、電力システム1の構成例の図である。電力システム1は、電力事業者装置10と、ユーザシステム20と、電力制御装置30とを備える。電力システム1は、電力事業者装置10からの要求に応じて、電力制御装置30がユーザシステム20にデマンドレスポンスを実行させるシステムである。
電力システム1は、複数のユーザシステム20を備えてもよい。すなわち、電力システム1は、ユーザシステム20−1〜20−N(Nは、2以上の整数)を備えてもよい。以下、ユーザシステム20−1〜20−Nに共通する事項については、符号の一部を省略して、「ユーザシステム20」と表記する。以下、ユーザシステム20−1〜20−Nに共通する事項のうち、特定のユーザシステム20を指して説明する場合には、「ユーザシステム20−n」と表記する。nは1〜Nのいずれかである。
電力事業者装置10は、コンピュータ端末やサーバ装置等の情報処理装置である。電力事業者装置10は、電力事業者のオペレータによる操作に応じて動作する。電力事業者装置10は、デマンドレスポンスの実行を要求する信号(以下、「DR信号」という。)を、電力制御装置30に送信する。DR信号は、例えば、デマンドレスポンスの実行時間を表す情報と、デマンドレスポンスにおいて削減を要請する電力量(計画値)を表す情報とを含む。
電力事業者装置10は、デマンドレスポンスの実行結果を表す情報を、電力制御装置30から受信する。デマンドレスポンスの実行結果を表す情報は、例えば、デマンドレスポンスの実行によって削減した電力量(実績値)を表す情報を含む。電力事業者装置10は、デマンドレスポンスの実行結果に応じて、インセンティブを表す情報を電力制御装置30に送信する。インセンティブを表す情報は、例えば、金額等の値情報である。
ユーザシステム20は、電力制御装置30による制御に応じてデマンドレスポンスを実行するシステムである。ユーザシステム20−n(nは、1〜Nのいずれか)は、リソース21−nと、通信装置22−nと、情報端末23−nとを備える。
リソース21−1〜21−Nは、負荷装置である。負荷装置は、電力事業者から供給された電力を消費する装置である。すなわち、リソース21−nは、電力事業者から供給された電力を消費する。例えば、リソース21−1は、空調装置でもよい。例えば、リソース21−Nは、照明装置でもよい。リソース21−nは、負荷装置である場合、通信装置22−nから取得したパラメータ情報に応じて電力を消費する。
リソース21−1〜21−Nの一部は、発電装置でもよい。リソース21−nは、発電装置である場合、通信装置22−nから取得したパラメータ情報に応じて発電する。リソース21−nは、発電装置である場合、発電した電力を負荷装置に供給してもよい。
リソース21−nは、ユーザシステム20−nのユーザに、対応付けられている。第1の実施形態では、リソース21−nは、ユーザシステム20−nのユーザが近くに居ない場合には、デマンドレスポンスを実行することができない。換言すれば、ユーザシステム20−nのユーザは、デマンドレスポンスを実行する要求に応答した場合、近くに有るリソース21−nを操作して、リソース21−nにデマンドレスポンスを実行させる。以下、リソース21−1〜21−Nに共通する事項については、符号の一部を省略して、「リソース21」と表記する。
通信装置22−1〜22−Nは、有線通信又は無線通信によって、電力制御装置30との通信を実行する装置である。通信装置22−n(nは、1〜Nのいずれか)は、リソース21−nを制御するためのパラメータ情報を、電力制御装置30から受信する。通信装置22−nは、受信したパラメータ情報を、リソース21−nに転送する。通信装置22−nは、リソース21−nの位置情報を、電力制御装置30に送信してもよい。以下、通信装置22−1〜22−Nに共通する事項については、符号の一部を省略して、「通信装置22」と表記する。
情報端末23−1〜23−Nは、スマートフォン端末、タブレット端末、ラップトップ・コンピュータ端末等の情報処理装置である。例えば、情報端末23−1は、スマートフォン端末でもよい。例えば、情報端末23−Nは、タブレット端末でもよい。
情報端末23−n(nは、1〜Nのいずれか)は、ユーザシステム20−nのユーザ(需要家)と共に移動可能である。例えば、リソース21−nに対応付けられたユーザは、情報端末23−nを身に着けてもよい。リソース21−nに対応付けられたユーザは、複数でもよい。
情報端末23−nは、操作部231−nと、測位部232−nと、通信部233−nとを備える。情報端末23−nは、表示部234−nを更に備えてもよい。測位部232−nと、通信部233−nとのうち一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、情報端末23−nの記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
操作部231−nは、リソース21−nに対応付けられたユーザによる操作に応じて、操作信号を通信部233−nに出力する。操作部231−nは、例えば、キーボードやタッチパネルである。操作信号は、例えば、デマンドレスポンスを実行する要求に対する応答内容を表す信号である。要求に対する応答内容は、例えば、「YES」又は「NO」で表現される。応答内容「YES」は、リソース21が要求に応じてデマンドレスポンスを実行することを表す。応答内容「NO」は、リソース21が要求に応じてデマンドレスポンスを実行しないことを表す。
操作部231−nは、リソース21−nがデマンドレスポンスを実行可能である場合、応答内容「YES」を表す操作信号を、ユーザによる操作に応じて通信部233−nに出力する。操作部231−nは、リソース21−nがデマンドレスポンスを実行不能である場合、応答内容「NO」を表す操作信号を、ユーザによる操作に応じて通信部233−nに出力する。
測位部232−nは、情報端末23−nの位置を測位する。情報端末23−nの位置は、リソース21−nに対応付けられたユーザの位置とみなすことができる。測位部232−nは、例えば、人工衛星からの電波を利用した測位技術や、通信ネットワークを利用して位置を検出する技術等によって、情報端末23−nの位置を測位する。人工衛星からの電波を利用した測位技術は、例えば、GPS(Global Positioning System)に基づく技術である。
測位部232−nは、情報端末23−nの位置情報を、通信部233−nに出力する。すなわち、測位部232−nは、リソース21−nに対応付けられたユーザの位置情報を、通信部233−nに出力する。位置情報は、緯度及び経度によって表現されてもよい。測位部232−nは、リソース21−nに対応付けられたユーザが複数である場合、リソース21−nに最も近いユーザの位置情報を、通信部233−nに出力してもよい。
通信部233−nは、有線通信又は無線通信によって、電力制御装置30との通信を実行する。通信部233−nは、操作信号を電力制御装置30に転送する。例えば、通信部233−nは、応答内容「YES」を表す操作信号を操作部231−nから取得した場合、応答内容「YES」を表す操作信号を電力制御装置30に送信する。例えば、通信部233−nは、応答内容「NO」を表す操作信号を操作部231−nから取得した場合、応答内容「NO」を表す操作信号を電力制御装置30に送信する。
通信部233−nは、電力制御装置30から受信した情報を、表示部234−nに出力する。通信部233−nは、情報端末23−nの位置情報を、電力制御装置30に送信する。すなわち、通信部233−nは、リソース21−nに対応付けられたユーザの位置情報を、電力制御装置30に送信する。例えば、通信部233−nは、リソース21−nに対応付けられたユーザの位置情報を、電力制御装置30からの要求に応じて電力制御装置30に送信してもよい。
表示部234−nは、表示装置である。表示部234−nは、例えば、液晶パネルを有する。操作部231−nがタッチパネルである場合、表示部234−nは、操作部231−nと一体でもよい。表示部234−nは、通信部233−nが電力制御装置30から受信した情報に基づいて、画像を表示する。表示部234−nは、通信部233−nが操作部231−nから取得した操作信号に基づいて、画像を表示する。表示部234−nは、スピーカを備える場合、音声を出力してもよい。以下、情報端末23−1〜23−Nに共通する事項については、符号の一部を省略して、「情報端末23」と表記する。
電力制御装置30は、コンピュータ端末やサーバ装置等の情報処理装置である。電力制御装置30は、例えば、ICT(Information and Communication Technology)等の情報通信技術に基づいて動作する。電力制御装置30は、単体の装置でもよいし、複数の装置でもよい。電力制御装置30は、複数の装置である場合、クラウドコンピューティング技術によって動作してもよい。
電力制御装置30は、ユーザシステム20のリソース21の電力を制御する。例えば、電力制御装置30は、DR信号に基づいて、デマンドレスポンスの実行時間に、ユーザシステム20のリソース21にデマンドレスポンスを実行させる。例えば、電力制御装置30は、ユーザシステム20のユーザに対して、ユーザシステム20のリソース21が実行するデマンドレスポンスを、DR信号に基づいて電話回線等を介して要求してもよい。電力制御装置30は、デマンドレスポンスの実行時間において、DR信号に基づいて、ユーザシステム20のリソース21の動作を監視する。
電力制御装置30は、記憶部31と、予測部32と、選択部33と、実行部34と、通信部35とを備える。予測部32と、選択部33と、実行部34と、通信部35とのうち一部または全部は、例えば、CPU等のプロセッサが、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC等のハードウェア機能部であってもよい。
記憶部31は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶媒体(非一時的な記憶媒体)を有する。記憶部31は、例えば、RAM(Random Access Memory)やレジスタなどの揮発性の記憶媒体を有していてもよい。記憶部31は、例えば、ソフトウェア機能部を機能させるためのプログラムを記憶する。
記憶部31は、例えば、リソース21に定められた必要条件を表す情報を記憶する。必要条件は、デマンドレスポンスを実行するためにリソース21が満たすべき予め定められた条件である。すなわち、必要条件は、削減を要請された電力量を、リソース21が削減した電力量が達成するために、リソース21が満たすべき予め定められた条件である。例えば、必要条件は、デマンドレスポンスの実行時間の開始時刻に間に合うように、リソース21がデマンドレスポンスの実行を開始するために要する最小時間の条件である。例えば、必要条件は、リソース21がデマンドレスポンスの実行を続けることが可能である最大時間の条件である。例えば、必要条件は、リソース21の電力容量の条件である。
記憶部31は、例えば、ユーザシステム20の情報端末23の識別情報を記憶する。識別情報は、例えば、IPアドレス(Internet Protocol address)や、MACアドレス(Media Access Control address)である。記憶部31は、通信部35から各種データを取得して、各種データを記憶する。記憶部31は、例えば、ユーザシステム20のリソース21の位置情報を記憶する。位置情報は、例えば、緯度及び経度で表現される。記憶部31は、例えば、リソース21に対応付けられた順位の一覧(以下、「リソース順位一覧」という。)を記憶する。
図2は、リソース順位一覧(望ましいリソースのリスト)の例の図である。リソース順位一覧の項目には、リソース番号と、リソース可用性(resource availability)と、信頼性と、コストと、容量と、修正後の順位と、修正前の順位とがある。リソース順位一覧の各項目は、互いに対応付けられている。
リソース番号は、リソース21に割り当てられた番号である。リソース可用性は、リソース21がデマンドレスポンスを実行する可能性又は可用性である。リソース可用性は、分数や百分率を用いた指標で表現されてもよい。リソース可用性は、例えば、リソース21を制御するためのパラメータ情報の妥当性に基づいて定まる。パラメータ情報の妥当性は、例えば、デマンドレスポンスの実行時間と、デマンドレスポンスの実行時間同士の時間間隔と、デマンドレスポンスの実行に要する最小時間及び最大時間とに基づいて定まる。
信頼性は、リソース21の信頼性である。信頼性は、例えば、過去においてリソース21がデマンドレスポンスを実行した実績に基づいて定まる。信頼性は、リソース21がデマンドレスポンスを要求に応じて実行しなかった場合、リソース順位一覧において低く修正されてもよい。信頼性は、故障率で表現されてもよい。
コストは、リソース21のコストである。コストは、例えば、リソース21の電力等のエネルギーの料金と、リソース21の容量に応じた料金と、リソース21がデマンドレスポンスを実行するために必要な金額とに基づいて定まる。容量は、リソース21の電力の容量である。
修正後の順位は、修正前の順位を予測部32が修正した結果の順位である。したがって、修正後の順位は、リソース21−1〜21−Nの最新の順位である。一例として、図2では、修正前の順位が予測部32によって一度も修正されていないので、修正後の順位は定められていない。修正前の順位が予測部32によって修正された場合については、図4を用いて後述する。
修正前の順位は、リソース21−1〜21−Nの順位であって、予測部32が修正する対象となる順位である。図2では、修正前の順位は初期値である。
予測部32は、リソース可用性が高いほど、修正前の順位の初期値を高く定める。予測部32は、信頼性が高いほど、修正前の順位の初期値を高く定める。予測部32は、コストが低いほど、修正前の順位の初期値を高く定める。予測部32は、容量が多いほど、修正前の順位の初期値を高く定める。
修正前の順位の初期値を予測部32が定める場合、リソース可用性と、信頼性と、コストと、容量とは、いずれが優先されてもよい。一例として、図2では、リソース可用性が高いことは、最も優先度が高い項目である。信頼性が高いことは、リソース可用性の次に優先度が高い項目である。コストが低いことは、信頼性の次に優先度が高い項目である。容量が大きいことは、最も優先度が低い項目である。
図2では、リソース番号「21−1」が割り当てられたリソース21−1には、修正前の順位の初期値「1」が対応付けられている。リソース番号「21−2」が割り当てられたリソース21−2には、修正前の順位の初期値「2」が対応付けられている。リソース番号「21−3」が割り当てられたリソース21−3には、修正前の順位の初期値「3」が対応付けられている。リソース番号「21−4」が割り当てられたリソース21−4には、修正前の順位の初期値「4」が対応付けられている。
予測部32は、リソース順位一覧を記憶部31から取得する。予測部32は、ユーザシステム20のリソース21のユーザ(需要家)の位置情報を、通信部25から取得する。予測部32は、ユーザシステム20のリソース21の位置情報を、記憶部31から取得してもよい。予測部32は、リソース21−nの位置と、リソース21−nに対応付けられたユーザの位置との距離を算出する。
以下、ユーザがリソースにデマンドレスポンスを実行させる可能性を、「ユーザ可用性」(UA: user availability)という。ユーザ可用性は、分数や百分率を用いた指標で表現されてもよい。
予測部32は、リソース21−nの位置と、リソース21−nに対応付けられたユーザの位置との距離に基づいて、ユーザ可用性を予測する。以下、リソース21−nの位置と、リソース21−nに対応付けられたユーザの位置との距離を、「ユーザ距離」という。予測部32は、デマンドレスポンスを実行する要求に対して応答するユーザの可用性を、DR信号に基づくデマンドレスポンスの実行時間よりも前に予測する。
図3は、リソース番号ごとのユーザ距離に基づくユーザ可用性の例の図である。予測部32は、ユーザ距離に基づくユーザ可用性を表す情報を、リソース番号ごとに予測する。図3に示された値は、一例である。図3では、例えば、リソース番号「リソース21−3」と、ユーザ距離「12」と、ユーザ距離に基づくユーザ可用性「8.3%」とが対応付けられている。ユーザ距離に基づくユーザ可用性は、ユーザ距離が短いほど高い。一例として、図3では、ユーザ距離に基づくユーザ可用性は、ユーザ距離の逆数を百分率で表現した値で表現されている。
なお、リソース21の消費電力の変化量が相対的に大きい場合、ユーザは、対応付けられたリソース21の近くに居る可能性が高い。予測部32は、ユーザシステム20のリソース21の消費電力の変化量に基づいて、ユーザ可用性を予測してもよい。例えば、予測部32は、リソース21−nの消費電力の変化量が大きいほど、リソース21−nに対応付けられたユーザのユーザ可用性を高い値に予測してもよい。
図4は、修正後のリソース順位一覧の第1例の図である。図4では、予測部32は、図2に示すリソース順位一覧における、修正後の順位を定める。予測部32は、図3に示すユーザ距離が短いほど、修正後の順位を高く定める。すなわち、予測部32は、図3に示す「ユーザ距離に基づくユーザ可用性」が高いほど、修正後の順位を高く定める。予測部32は、リソース可用性が高いほど、修正後の順位を高く定める。予測部32は、信頼性が高いほど、修正後の順位を高く定める。予測部32は、コストが低いほど、修正後の順位を高く定める。予測部32は、容量が多いほど、修正後の順位を高く定める。
修正後の順位を予測部32が定める場合、リソース可用性と、信頼性と、コストと、容量と、図3に示す「ユーザ距離」又は「ユーザ距離に基づくユーザ可用性」とは、いずれが優先されてもよい。第1の実施形態では、例えば、ユーザ距離に基づくユーザ可用性が高いことは、最も優先度が高い項目(第1優先事項)である。第1の実施形態では、例えば、修正前の順位が高いことは、ユーザ距離に基づくユーザ可用性の次に優先度が高い項目(第2優先事項)である。
リソース番号「21−3」は、最も短いユーザ距離「12」に対応付けられている。すなわち、リソース番号「21−3」は、最も大きいユーザ可用性「8.3%」に対応付けられている。予測部32は、ユーザ可用性「8.3%」に基づいて、リソース番号「21−3」に、修正後の順位「1」を対応付ける。
リソース番号「21−1」と、リソース番号「21−4」とは、2番目に大きいユーザ可用性「5%」に、いずれも対応付けられている。リソース番号「21−1」の修正前の順位は「1」である。リソース番号「21−4」の修正前の順位は、リソース番号「21−1」の修正前の順位「1」よりも低い「4」である。予測部32は、第1優先事項に差がない場合には、第1優先事項と第2優先事項とに基づいて、修正後の順位をリソース番号に対応付ける。
予測部32は、ユーザ可用性「5%」と、修正前の順位「1」とに基づいて、リソース番号「21−1」に、修正後の順位「2」を対応付ける。また、予測部32は、ユーザ可用性「5%」と、修正前の順位「4」とに基づいて、リソース番号「21−4」に、修正後の順位「3」を対応付ける。すなわち、予測部32は、リソース番号「21−4」の修正後の順位「2」によりも低い修正後の順位「3」を、リソース番号「21−4」に対応付ける。
リソース番号「21−2」は、4番目に大きいユーザ可用性「2.5%」に対応付けられている。予測部32は、ユーザ可用性「2.5%」に基づいて、リソース番号「21−2」に、修正後の順位「4」を対応付ける。
予測部32は、要求に応じてリソース21がデマンドレスポンスを実行しなかった場合、デマンドレスポンスを実行しなかったリソース21の信頼性を、リソース順位一覧において低く修正してもよい。
選択部33は、リソース21に定められた必要条件を表す情報を、記憶部31から取得する。選択部33は、最新のリソース順位一覧を、予測部32から取得する。最新のリソース順位一覧は、修正後の順位が定められている場合には、修正後のリソース順位一覧である。
選択部33は、リソース21に定められた必要条件と、ユーザ距離に基づくユーザ可用性とに基づいて、リソース21を選択する。例えば、選択部33は、必要条件を満たすリソース21群から、ユーザ距離に基づくユーザ可用性が相対的に高いユーザに対応付けられたリソース21を選択する。例えば、選択部33は、ユーザ距離に基づくユーザ可用性が相対的に高いユーザに対応付けられたリソース21群から、必要条件を満たすリソース21を選択してもよい。すなわち、選択部33は、修正後の順位の上位から下位の順に、リソース21を選択してもよい。選択部33は、複数のリソース21を選択してもよい。
選択部33は、選択したリソース21の代わりに、別のリソース21を選択し直してもよい。例えば、選択部33は、リソース21の代わりに、より条件の良い他のリソース21を選択し直してもよい。例えば、選択部33は、応答内容「NO」を表す操作信号を通信部35が受信した場合、応答内容「NO」を表す操作信号を送信したリソース21の代わりに、応答内容「YES」を表す操作信号を送信した他のリソース21を選択し直してもよい。
実行部34は、選択されたリソース21に基づいて、デマンドレスポンスを計画する。実行部34は、選択部33が選択したリソース21に、DR信号に応じたパラメータ情報を、通信部35に出力する。これにより、実行部34は、パラメータ情報に基づくデマンドレスポンスを、選択したリソース21に実行させることができる。実行部34は、デマンドレスポンスの実行結果を示す実績値(削減した電力量)が、計画値(削減を要請する電力量)以上であるか否かを判定する。実行部34は、実績値が計画値未満である場合、実績値が計画値以上となるように、選択部33にリソース21を再選択させる。
通信部35は、電力事業者装置10から受信したDR信号に基づいて、リソース21に定められた必要条件を表す情報を、記憶部31に記憶させる。通信部35は、パラメータ情報を実行部34から取得する。通信部35は、選択したリソース21のユーザシステム20の通信装置22に、パラメータ情報を送信する。通信部35は、情報端末23の位置情報を電力制御装置30に送信するよう、デマンドレスポンスの実行時間から所定時間だけ前までにユーザシステム20に要求する。
通信部35は、ユーザシステム20のリソース21の位置情報を、ユーザシステム20の通信装置22から受信する。通信部35は、ユーザシステム20のリソース21の位置情報を、記憶部31に記憶させる。通信部35は、デマンドレスポンスの実行結果を表す情報を、ユーザシステム20の通信装置22から受信する。
次に、電力制御装置30の動作例を説明する。
図5は、電力制御装置30の動作例を示すフローチャートである。予測部32は、通信部35を介して、DR信号を受信する(ステップS101)。選択部33は、リソース可用性等に基づいてリソースを選択する(ステップS102)。実行部34は、選択されたリソース21に基づいて、デマンドレスポンスを計画する(ステップS103)。
予測部32は、リソース21の位置と、リソース21に対応付けられたユーザの位置との距離に基づいて、ユーザ距離に基づく可用性を予測する(ステップS104)。選択部33は、ユーザ距離に基づくユーザ可用性等に基づいて、リソース21を選択する(ステップS105)。実行部34は、選択されたリソース21に基づいて、デマンドレスポンスを計画する(ステップS106)。実行部34は、計画に基づいて、デマンドレスポンスを実行させる(ステップS107)。
実行部34は、デマンドレスポンスの実行結果を示す実績値(削減した電力量)が、デマンドレスポンスにおける計画値(削減を要請する電力量)以上であるか否かを判定する(ステップS108)。実績値が計画値未満である場合(ステップS108:NO)、実行部34は、ステップS104に処理を戻す。実績値が計画値以上である場合(ステップS108:YES、実行部34は、処理を終了する。
なお、ステップ102とステップS105とは、処理内容が入れ替わっていてもよい。すなわち、選択部33は、リソース可用性等に基づいてリソース21を選択し、選択したリソース21から、ユーザ可用性等に基づいてリソース21を選択してもよい。また、選択部33は、ユーザ可用性等に基づいてリソース21を選択し、選択したリソース21から、リソース可用性等に基づいてリソース21を選択してもよい。以下、ユーザの位置を「ユーザ位置」という。
図6は、ユーザ可用性に基づいてリソース21を選択する動作の第1例を示すフローチャートである。予測部32は、リソース21の位置と、新しいユーザ位置とに基づいて、ユーザ距離を算出する(ステップS201)。予測部32は、ユーザ距離に基づくユーザ可用性と、修正前の順位とに基づいて、リソースの修正後の順位を決定する(ステップS202)。選択部33は、修正後のリソース順位一覧において、修正後の順位の上位から下位の順に、リソース21を選択する(ステップS203)。
以上のように、第1の実施形態の電力制御装置30は、予測部32と、選択部33と、実行部34とを持つ。予測部32は、ユーザ距離に基づくユーザ可用性を、ユーザごとに予測する。選択部33は、デマンドレスポンスを実行するためにリソース21が満たすべき予め定められた条件と、ユーザ距離に基づくユーザ可用性とに基づいて、リソース21を選択する。実行部34は、選択したリソース21にデマンドレスポンスを実行させる。
これによって、第1の実施形態の電力制御装置30、電力制御方法、及び、電力制御プログラムは、リソース21にデマンドレスポンスを実行させる可能性を向上させることができる。
第1の実施形態の電力制御装置30、電力制御方法、及び、電力制御プログラムは、デマンドレスポンスを実行できないユーザのリソース21にデマンドレスポンスの実行を要求してしまう回数を、低減させることができる。
第1の実施形態の電力制御装置30、電力制御方法、及び、電力制御プログラムは、デマンドレスポンスの実行を容易にして、顧客満足度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、ユーザ位置ごとの応答内容に基づいてユーザ可用性が算出される点が、第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
電力制御装置30は、ユーザ位置ごとの応答内容の履歴を、ユーザ可用性を予測する前の試用期間において蓄積する。試用期間は、例えば、数か月間である。予測部32は、試用期間における応答内容の履歴に基づいて応答内容を学習することによって、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を予測する。
記憶部31は、情報端末23の位置情報と、応答内容とを対応付けて、応答が成されるごとに記憶する。すなわち、記憶部31は、リソース21のユーザ位置情報と、応答内容とを対応付けて、応答が成されるごとに記憶する。
図7は、ユーザ位置ごとの応答内容の履歴(DR履歴)の例の図である。図7では、応答番号と、ユーザ位置の緯度と、ユーザ位置の経度と、ユーザの応答内容とが対応付けられている。例えば、応答番号「RES1」と、ユーザ位置の緯度「LAT1」と、ユーザ位置の経度「LONG3」と、ユーザの応答内容「YES」とが対応付けられている。例えば、応答番号「RES3」と、ユーザ位置の緯度「LAT4」と、ユーザ位置の経度「LONG5」と、ユーザの応答内容「NO」とが対応付けられている。ユーザ可用性は、ユーザ位置に応じて異なる。例えば、ユーザは、公園で歩いている場合よりも働いている場合のほうが、デマンドレスポンスの要求に応答しにくい。
予測部32は、ユーザ位置ごとの応答内容の履歴について、ユーザの応答内容「YES」の回数をカウントする。予測部32は、ユーザ位置ごとの応答内容の履歴について、ユーザの応答内容「NO」の回数をカウントする。
予測部32は、ユーザ位置に基づいて、ユーザ位置に基づくユーザ可用性(UA)を算出する。例えば、予測部32は、ユーザ位置と、応答内容ごとの回数とに基づいて、ユーザ位置に基づくユーザ可用性群を決定する。ユーザ位置に基づくユーザ可用性は、応答内容「YES」及び「NO」の回数の合計値を分母とし、応答内容「YES」の回数を分子とする分数で表現される。ユーザ位置に基づくユーザ可用性は、分数や百分率を用いた指標で表現されてもよい。
図8は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す地図の例の図である。予測部32は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す情報(モデル情報)を、リソース番号ごとに生成する。例えば、予測部32は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す情報を、地図の形式でリソース番号ごとに生成してもよい。図8は、リソース番号「21−1」に対応付けられたリソース21−1のユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す地図である。縦軸は緯度を示す。横軸は経度を示す。図8では、リソース21−1は、一例として、(緯度,経度)=(LAT4,LONG5)に有る。ユーザ可用性を示す地図のメッシュ(セル)のサイズは、例えば、住宅又は部屋と同じ程度のサイズである。
以下では、ユーザシステム20のユーザ(需要家)は、リソース21から離れていても、DR信号に基づく要求に応じてデマンドレスポンスを実行させるために、リソース21を遠隔制御することができる。例えば、ユーザは、HEMS(Home Energy Management System)、BEMS(Building Energy Management System)などに対応した装置を用いて、リソース21を遠隔制御する。
図8に示す地図では、ユーザ可用性が記載されている位置は、過去の試用期間においてユーザから応答があった位置を示す。すなわち、図8に示す地図において、ユーザ可用性が記載されていない位置は、過去の試用期間においてユーザから応答がなかった位置を示す。例えば、(緯度,経度)=(LAT4,LONG5)では、応答内容「YES」の応答が試用期間において30回あり、応答内容「NO」の応答が試用期間において5回あったことを、地図は示している。(緯度,経度)=(LAT4,LONG5)における、ユーザ位置に基づくユーザ可用性は、85%(=30/(30+5)×100)である。
図9は、リソース番号ごとの新しいユーザ位置に基づくユーザ可用性の例の図である。予測部32は、新しいユーザ位置に基づくユーザ可用性を、ソース番号ごとに算出する。図9では、新しいユーザ位置は、図8に示す(緯度,経度)=(LAT4,LONG5)である。このため、リソース番号「21−1」は、新しいユーザ位置に基づくユーザ可用性「85%」に対応付けられている。
図10は、修正後のリソース順位一覧の第2例の図である。予測部32は、図9に示す「ユーザ位置に基づくユーザ可用性」が高いほど、修正後の順位を高く定める。修正後の順位を予測部32が定める場合、リソース可用性と、信頼性と、コストと、容量と、図9に示す「ユーザ位置に基づくユーザ可用性」とは、いずれが優先されてもよい。第2の実施形態では、例えば、ユーザ位置に基づくユーザ可用性が高いことは、最も優先度が高い項目(第1優先事項)である。第2の実施形態では、例えば、修正前の順位が高いことは、ユーザ位置に基づくユーザ可用性の次に優先度が高い項目(第2優先事項)である。
リソース番号「21−3」は、最も大きいユーザ可用性「90%」に対応付けられている。予測部32は、ユーザ可用性「90%」に基づいて、リソース番号「21−3」に、修正後の順位「1」を対応付ける。
リソース番号「21−1」と、リソース番号「21−4」とは、2番目に大きいユーザ可用性「85%」に、いずれも対応付けられている。リソース番号「21−1」の修正前の順位は「1」である。リソース番号「21−4」の修正前の順位は、リソース番号「21−1」の修正前の順位「1」よりも低い「4」である。予測部32は、第1優先事項に差がない場合には、第1優先事項と第2優先事項とに基づいて、修正後の順位をリソース番号に対応付ける。
予測部32は、ユーザ可用性「85%」と、修正前の順位「1」とに基づいて、リソース番号「21−1」に、修正後の順位「2」を対応付ける。また、予測部32は、ユーザ可用性「85%」と、修正前の順位「4」とに基づいて、リソース番号「21−4」に、修正後の順位「3」を対応付ける。すなわち、予測部32は、リソース番号「21−4」の修正後の順位「2」によりも低い修正後の順位「3」を、リソース番号「21−4」に対応付ける。
リソース番号「21−2」は、4番目に大きいユーザ可用性「60%」に対応付けられている。予測部32は、ユーザ可用性「60%」に基づいて、リソース番号「21−2」に、修正後の順位「4」を対応付ける。
図11は、ユーザ可用性に基づいてリソースを選択する動作の第2例を示すフローチャートである。予測部32は、ユーザ位置と、応答内容ごとの回数とに基づいて、ユーザ位置に基づくユーザ可用性群を決定する(ステップS301)。予測部32は、新しいユーザ位置を取得したか否かを判定する(ステップS302)。新しいユーザ位置を取得した場合(ステップS302:YES)、予測部32は、新しいユーザ位置に基づいて、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を予測する(ステップS303)。新しいユーザ位置を取得していない場合(ステップS302:NO)、予測部32は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を「50%」に決定する(ステップS304)。
予測部32は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性と、修正前の順位とに基づいて、リソース21の修正後の順位を決定する(ステップS305)。選択部33は、修正後のリソース順位一覧において、修正後の順位の上位から下位の順に、リソース21を選択する(ステップS306)。
以上のように、第2の実施形態の予測部32は、ユーザ位置に基づいてユーザ可用性を予測する。これによって、第2の実施形態の電力制御装置30、電力制御方法、及び、電力制御プログラムは、リソース21にデマンドレスポンスを実行させる可能性を、より向上させることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、ユーザ位置における環境ごとの応答内容に基づいてユーザ可用性が算出される点が、第1の実施形態と相違する。第3の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
以下、ユーザ位置における環境を「ユーザ環境」という。ユーザ環境は、例えば、時刻、天気、又は気温(温度)である。時刻は、時間帯で表現されてもよい。
図12は、ユーザ環境ごとの応答内容の履歴の例の図である。図12では、応答番号と、ユーザ環境としての時刻と、ユーザの応答内容とが対応付けられている。例えば、応答番号「RES1」と、ユーザ環境(時刻)「t1」と、ユーザの応答内容「YES」とが対応付けられている。例えば、応答番号「RES3」と、ユーザ環境(時刻)「t3」と、ユーザの応答内容「NO」とが対応付けられている。
ユーザ可用性は、ユーザ環境(時刻、天気、又は気温等)に応じて異なる。例えば、ユーザは、昼食時間よりも仕事時間のほうがデマンドレスポンスの要求に応答しにくい。例えば、ユーザは、午後に趣味を楽しむ場合、午前よりも午後のほうがデマンドレスポンスの要求に応答しにくい。例えば、ユーザは、気温が高い場合、冷房機器を停止させたくないのでデマンドレスポンスの要求に応答しにくい。
予測部32は、ユーザ環境ごとの応答内容の履歴について、ユーザの応答内容「YES」の回数をカウントする。予測部32は、ユーザ環境ごとの応答内容の履歴について、ユーザの応答内容「NO」の回数をカウントする。
予測部32は、ユーザ環境に基づいて、ユーザ環境に基づくユーザ可用性(UA)を算出する。例えば、予測部32は、ユーザ環境と、応答内容ごとの回数とに基づいて、ユーザ環境に基づくユーザ可用性群を決定する。予測部32は、ユーザ環境に基づくユーザ可用性(UA)を、ユーザ環境ごとに算出する。ユーザ環境は、例えば、デマンドレスポンスの実行時間を含む時間帯である。ユーザ環境に基づくユーザ可用性は、応答内容「YES」及び「NO」の回数の合計値を分母とし、応答内容「YES」の回数を分子とする分数で表現される。ユーザ環境に基づくユーザ可用性は、分数や百分率を用いた指標で表現されてもよい。
図13は、ユーザ環境に基づくユーザ可用性の例の図である。図13では、時間帯と、応答内容と、ユーザ環境に基づくユーザ可用性が対応付けられている。予測部32は、応答があった時刻に基づくユーザ可用性を、ソース番号ごとに算出する。例えば、時間帯「08:00−11:00」は、応答内容「YES」の回数「20」と、応答内容「NO」の回数「10」と、ユーザ環境に基づくユーザ可用性「66%」とが対応付けられている。予測部32は、応答があった時刻が「08:00」である場合、応答があった時刻が時間帯「08:00−11:00」に含まれているので、ユーザ環境に基づくユーザ可用性を「66%」と決定する。
修正後の順位を予測部32が定める場合、リソース可用性と、信頼性と、コストと、容量と、図13に示す「ユーザ環境に基づくユーザ可用性」とは、いずれが優先されてもよい。第3の実施形態では、例えば、ユーザ環境に基づくユーザ可用性が高いことは、最も優先度が高い項目(第1優先事項)である。第3の実施形態では、例えば、修正前の順位が高いことは、ユーザ環境に基づくユーザ可用性の次に優先度が高い項目(第2優先事項)である。
図14は、ユーザ可用性に基づいてリソース21を選択する動作の第3例を示すフローチャートである。予測部32は、デマンドレスポンスの実行時間と、ユーザ環境と、応答内容ごとの回数とに基づいて、ユーザ環境に基づくユーザ可用性群を決定する(ステップS401)。選択部33は、修正前のリソース順位一覧において、修正前の順位の上位から下位の順に、リソース21を選択する(ステップS402)。予測部32は、ユーザ環境に基づくユーザ可用性と、修正前の順位とに基づいて、リソースの修正後の順位を決定する(ステップS403)。選択部33は、修正後のリソース順位一覧において、修正後の順位の上位から下位の順に、リソース21を選択する(ステップS402)。
以上のように、第3の実施形態の予測部32は、ユーザ環境(時刻、天気、又は気温等)に基づいて、ユーザ環境に基づくユーザ可用性を予測する。これによって、第3の実施形態の電力制御装置30、電力制御方法、及び、電力制御プログラムは、リソース21にデマンドレスポンスを実行させる可能性を、より向上させることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、ユーザ位置及びユーザ環境ごとの応答内容に基づいてユーザ可用性が算出される点が、第1の実施形態と相違する。第4の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図15は、ユーザ環境及びユーザ位置ごとの応答内容の例の図である。電力制御装置30は、ユーザ環境及びユーザ位置ごとの応答内容の履歴を、ユーザ可用性を予測する前の試用期間において蓄積する。試用期間は、例えば、数か月間である。予測部32は、試用期間における応答内容の履歴に基づいて応答内容を学習することによって、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を予測する。
図15では、応答番号と、ユーザ環境と、ユーザ位置の緯度と、ユーザ位置の経度と、ユーザの応答内容とが対応付けられている。例えば、応答番号「RES1」と、ユーザ環境(時刻)「t1」と、ユーザ位置の緯度「LAT1」と、ユーザ位置の経度「LONG3」と、ユーザの応答内容「YES」とが対応付けられている。例えば、応答番号「RES3」と、ユーザ環境(時刻)「t3」と、ユーザ位置の緯度「LAT4」と、ユーザ位置の経度「LONG5」と、ユーザの応答内容「NO」とが対応付けられている。
図16〜図19は、ユーザ環境及びユーザ位置に基づくユーザ可用性の地図の例の図である。図16は、第1のユーザ環境及びユーザ位置に基づくユーザ可用性の地図の例の図である。第1のユーザ環境は、時間帯「08:00−11:00」である。図17は、第2のユーザ環境及びユーザ位置に基づくユーザ可用性の地図の例の図である。第2のユーザ環境は、時間帯「11:01−14:00」である。図18は、第3のユーザ環境及びユーザ位置に基づくユーザ可用性の地図の例の図である。第3のユーザ環境は、時間帯「14:01−17:00」である。図19は、第4のユーザ環境及びユーザ位置に基づくユーザ可用性の地図の例の図である。第4のユーザ環境は、時間帯「17:01−21:00」である。
予測部32は、図16〜図19に示すユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す情報から、デマンドレスポンスの実行時間のユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す情報を選択する。予測部32は、ユーザ位置と、選択したユーザ可用性を示す情報における応答内容ごとの回数とに基づいて、ユーザ位置に基づくユーザ可用性群を決定する。すなわち、予測部32は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す地図を、リソース番号及びユーザ環境ごとに生成する。例えば、予測部32は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す地図を、リソース番号及び時間帯ごとに生成する。
図16〜図19は、リソース番号「21−1」に対応付けられたリソース21−1のユーザ位置に基づくユーザ可用性を、時間帯ごとに示す地図である。縦軸は緯度を示す。横軸は経度を示す。図16〜図19では、リソース21−1は、一例として、(緯度,経度)=(LAT4,LONG5)に有る。
図16に示す地図では、ユーザ可用性が記載されている位置は、過去の試用期間においてユーザから応答があった位置を示す。すなわち、図16に示す地図において、ユーザ可用性が記載されていない位置は、過去の試用期間においてユーザから応答がなかった位置を示す。例えば、(緯度,経度)=(LAT4,LONG5)では、応答内容「YES」の応答が試用期間において30回あり、応答内容「NO」の応答が試用期間において5回あったことを、地図は示している。(緯度,経度)=(LAT4,LONG5)における、ユーザ位置に基づくユーザ可用性は、85%(=30/(30+5)×100)である。図17〜図19についても同様である。
修正後の順位を予測部32が定める場合、リソース可用性と、信頼性と、コストと、容量と、ユーザ環境及びユーザ位置に基づくユーザ可用性とは、いずれが優先されてもよい。第4の実施形態では、例えば、ユーザ環境及びユーザ位置に基づくユーザ可用性が高いことは、最も優先度が高い項目(第1優先事項)である。第4の実施形態では、例えば、修正前の順位が高いことは、ユーザ環境及びユーザ位置に基づくユーザ可用性の次に優先度が高い項目(第2優先事項)である。
図20は、ユーザ可用性に基づいてリソース21を選択する動作の第4例を示すフローチャートである。予測部32は、ユーザ環境(時間帯)及びユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す情報から、デマンドレスポンスの実行時間のユーザ位置に基づくユーザ可用性を示す情報を選択する(ステップS501)。予測部32は、ユーザ位置と、選択したユーザ可用性を示す情報における応答内容ごとの回数とに基づいて、ユーザ位置に基づくユーザ可用性群を決定する(ステップS502)。
予測部32は、新しいユーザ位置を取得したか否かを判定する(ステップS503)。新しいユーザ位置を取得した場合(ステップS503:YES)、予測部32は、新しいユーザ位置に基づいて、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を予測する(ステップS504)。新しいユーザ位置を取得していない場合(ステップS503:NO)、予測部32は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性を「50%」に決定する(ステップS505)。予測部32は、ユーザ位置に基づくユーザ可用性と、修正前の順位とに基づいて、リソース21の修正後の順位を決定する(ステップS506)。選択部33は、修正後のリソース順位一覧において、修正後の順位の上位から下位の順に、リソース21を選択する(ステップS507)。
以上のように、第4の実施形態の予測部32は、ユーザ位置とユーザ環境(時刻、天気又は気温等)とに基づいて、ユーザ可用性を予測する。これによって、第4の実施形態の電力制御装置30、電力制御方法、及び、電力制御プログラムは、リソース21にデマンドレスポンスを実行させる可能性を、より向上させることができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、デマンドレスポンスを実行するリソースに定められた必要条件と、リソースに対応付けられたユーザのユーザ可用性とに基づいて、リソースを選択する選択部を持つことにより、リソースにデマンドレスポンスを実行させる可能性を向上させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。