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JP2016171707A - モータ駆動制御装置及びモータ制御システム - Google Patents

モータ駆動制御装置及びモータ制御システム Download PDF

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JP2016171707A JP2015050943A JP2015050943A JP2016171707A JP 2016171707 A JP2016171707 A JP 2016171707A JP 2015050943 A JP2015050943 A JP 2015050943A JP 2015050943 A JP2015050943 A JP 2015050943A JP 2016171707 A JP2016171707 A JP 2016171707A
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秀平 西
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Abstract

【課題】モータの回転速度及び位相を回転速度に応じて精度良く制御することができるモータ駆動制御装置を提供する。
【解決手段】モータ駆動制御装置1は、外部の上位装置50と共に用いられ、前記上位装置から入力される信号に基づいてモータを駆動させる。モータ駆動制御装置1の制御回路部3は、上位装置50においてFG信号Sfと目標速度情報Scとに基づいて生成されたモータ20の速度誤差情報及び位相誤差情報に対応する加速指令信号ACC及び減速指令信号DECとFG信号Sfとに基づいて生成されたトルク指令信号Stをもとに、駆動制御信号Sdを生成する。モータ駆動部2は、制御回路部3から出力された駆動制御信号Sdに基づいて、モータ20に駆動信号を出力する。
【選択図】図2

Description

この発明は、モータ駆動制御装置及びモータ制御システムに関し、特にロータの回転数に対応する回転速度信号に基づいてモータの駆動を制御するモータ駆動制御装置及びモータ制御システムに関する。
例えばレーザビームプリンタなどにおいて用紙を搬送するためにブラシレスモータが用いられている。このようなブラシレスモータを駆動するモータ駆動制御装置には、回転速度を、高い精度で、かつ安定して制御することができる性能が要求される。
このような要求に対して、モータ駆動制御装置及びそれとの間で制御情報を送受する上位装置とを含むモータ制御システムが用いられている。
例えば、下記特許文献1には、モータ駆動制御装置の上位装置とのインターフェースとして、回転速度情報を上位装置にフィードバックするとともに、上位装置からの加速指令情報と減速指令情報を入力し、それに基づいてモータを駆動制御するように構成したモータ駆動装置が開示されている。特許文献1に記載のモータ駆動装置は、検出したモータのFG信号を上位装置に送信する。そして、その回転速度と上位装置で設定された目標速度との比較結果に応じて上位装置から送信される加速・減速指令信号を受け取り、モータの回転速度を制御する。
特開2011−200073号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載されているようにして回転速度と目標速度との比較を行う場合、モータ駆動制御装置は、速度誤差は得られるが、位相誤差が得られない。そのため、その比較結果に応じて制御を行う場合、位相制御が行われない。位相制御が行われない場合、負荷変動に対してモータの応答が遅れることがあるという問題がある。
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、モータの回転速度及び位相を回転速度に応じて精度良く制御することができるモータ駆動制御装置及びモータ制御システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、上位装置と共に用いられ、上位装置から入力される信号に基づいてモータを駆動させるモータ駆動制御装置は、モータのロータの回転数に対応する回転速度信号を生成して、上位装置に出力するFG信号生成部と、FG信号生成部から出力された回転速度信号と目標速度情報とに基づいて上位装置で生成されたモータの速度誤差情報及び位相誤差情報に対応する加速指令信号及び減速指令信号と、FG信号生成部から出力された回転速度信号とに基づいて生成されたトルク指令信号をもとに、駆動制御信号を生成する制御回路部と、制御回路部から出力された駆動制御信号に基づいて、モータに駆動信号を出力するモータ駆動部とを備える。
好ましくは、制御回路部は、トルク指令信号を生成するための設定情報を記憶する記憶部と、加速指令信号と、減速指令信号と、回転速度信号と、設定情報とに基づいて、モータの速度を指示するためのトルク指令信号を生成する速度制御部と、ロータの回転位置に対応する位置信号に基づいて、位置情報を生成するロータ位置推定回路と、トルク指令信号と位置情報とに基づいて、駆動制御信号をモータ駆動部に出力する正弦波生成回路とを備える。
好ましくは、速度制御部は、加速指令信号及び減速指令信号に基づいて、速度誤差情報及び位相誤差情報に対応する速度位相誤差信号を生成する誤差生成回路と、回転速度信号の周期を検出して周期カウント値を生成する周期検出回路と、周期カウント値と設定情報とに基づいて、積分ゲイン調整値を生成する補正値生成回路と、設定情報と積分ゲイン調整値とに基づいて、比例ゲインを前記速度位相誤差信号に乗算して得られた比例ゲイン乗算値と、積分ゲイン調整値を用いて補正された積分ゲインを速度位相誤差信号に乗算して得られた積分ゲイン乗算値とを出力する乗算器と、周期カウント値に基づき、回転速度信号の周期毎の誤差を積分ゲイン乗算値に累積加算して積分ゲイン累積加算値を生成する積分回路と、比例ゲイン乗算値と積分ゲイン累積加算値とを加算する加算部とを有し、加算部の加算結果に基づいて、トルク指令信号を生成する。
この発明の他の局面に従うと、モータ制御システムは、上述に記載のモータ駆動制御装置と、FG信号生成部から出力された回転速度信号に基づいてモータ駆動制御装置に加速指令信号及び減速指令信号を出力する上位装置とを備え、上位装置は、回転速度情報と目標速度情報とに基づいてモータの周期と位相の誤差情報を生成し、誤差情報を補正する補正情報と目標速度情報とに基づいて、速度誤差情報及び位相誤差情報を生成し、速度誤差情報と位相誤差情報との加算結果に基づいて加速指令信号及び減速指令信号を生成する。
これらの発明に従うと、上位装置において回転速度信号と目標速度情報とに基づいて生成された、モータの速度誤差情報及び位相誤差情報に対応する加速指令信号及び減速指令信号に基づいて、駆動制御信号が生成される。したがって、モータの回転速度及び位相を回転速度に応じて精度良く制御することができるモータ駆動制御装置及びモータ制御システムを提供することができる。
本発明の実施の形態の1つにおけるモータ制御システムの回路構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係るモータ制御システムの回路構成を示す図である。 加速指令信号と減速指令信号との組合せと動作モードとの関係を示す表である。 本実施の形態における加減速信号生成回路の構成を示すブロック図である。 周期検出カウンタの動作を説明するタイミングチャートである。 位相基準カウンタの動作を説明するタイミングチャートである。 カウント値TARGET_CNT=0となるときを位相基準とする場合における位相カウント誤差の生成に関するタイミングチャートである。 信号F_S、信号TARGET_OVF、及び位相カウント誤差PLL_CNTの関係を示す表である。 速度ロック検出信号LD_PLLがHとなるときを位相基準とする場合における位相カウント誤差PLL_CNTの生成に関するタイミングチャートである。 信号F_S、信号TARGET_OVF、及び位相カウント誤差PLL_CNTの関係を示す表である。 起動/停止信号とブレーキ信号とにより設定される動作モードを示す表である。 第1のACC/DEC変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。 本実施の形態におけるPID制御回路の構成を示すブロック図である。 第2のACC/DEC変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。 周期検出カウンタの動作を説明するタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態におけるモータ駆動制御装置を有するモータ制御システムについて説明する。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるモータ制御システムの回路構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、モータ制御システム100は、モータ駆動制御装置1と、上位装置50とを含んでいる。上位装置50は、モータ駆動制御装置1に情報を送信することにより、モータ駆動制御装置1の動作を実行させる。
本実施の形態において、モータ駆動制御装置1は、その全部がパッケージ化された集積回路装置(IC)である。また、上位装置50は、その全部がパッケージ化された集積回路装置である。なお、モータ駆動制御装置1の一部や上位装置50の一部が1つの集積回路装置としてパッケージ化されていてもよい。すなわち、モータ制御システム100が一体の装置として構成されていてもよい。また、上位装置50や他の装置と一緒にモータ駆動制御装置1の全部又は一部がパッケージ化されて1つの集積回路装置が構成されていてもよい。同様に、モータ駆動制御装置1や他の装置と一緒に上位装置50の一部がパッケージ化されて1つの集積回路装置が構成されていてもよい。
なお、本実施の形態において、上位装置50は、OA機器等のメイン基板に搭載されている回路基板である。また、モータ駆動制御装置1は、ブラシレスモータ20に搭載されている回路基板である。すなわち、上位装置50とモータ制御装置1とは分離されている。モータ駆動制御装置1の制御回路部3は、回路基板上に実装された、モータ制御ICである。なお、各部の構成はこれに限られるものではない。
モータ駆動制御装置1は、ブラシレスモータ20(以下、単にモータ20という)を例えば正弦波駆動により駆動させるように構成されている。本実施の形態において、モータ20は、例えば3相のブラシレスモータである。モータ駆動制御装置1は、モータ20に正弦波駆動信号を出力してモータ20の電機子コイルLu,Lv,Lwに周期的に正弦波状の駆動電流を流すことで、モータ20を回転させる。
モータ駆動制御装置1は、インバータ回路2a及びゲートドライバ2bを有するモータ駆動部2と、制御回路部3と、FG信号生成部4とを有している。なお、図1に示されている構成要素は、モータ駆動制御装置1全体の一部であり、モータ駆動制御装置1は、図1に示されたものに加えて、他の構成要素を有していてもよい。
インバータ回路2aは、ゲートドライバ2bとともに、モータ駆動部2を構成する。インバータ回路2aは、ゲートドライバ2bから出力された出力信号に基づいてモータ20に駆動信号を出力し、モータ20が備える電機子コイルLu,Lv,Lwに通電する。インバータ回路2aは、例えば、直流電源Vccの両端に設けられた2つのスイッチ素子の直列回路の対が、電機子コイルLu,Lv,Lwの各相(U相、V相、W相)に対してそれぞれ配置されて構成されている。2つのスイッチ素子の各対において、スイッチ素子同士の接続点に、モータ20の各相の端子が接続されている。
ゲートドライバ2bは、制御回路部3による制御に基づいて、インバータ回路2aを駆動するための出力信号を生成し、インバータ回路2aに出力する。ゲートドライバ2bは、駆動制御信号Sdに基づいて出力信号を生成する。出力信号としては、例えば、インバータ回路2aの各スイッチ素子に対応するVuu,Vul,Vvu,Vvl,Vwu,Vwlの6種類が出力される。これらの出力信号が出力されることで、それぞれの出力信号に対応するスイッチ素子がオン、オフ動作を行い、モータ20に駆動信号が出力されてモータ20の各相に電力が供給される。
本実施の形態において、制御回路部3は、モータ20を駆動させるための駆動制御信号Sdをモータ駆動部2に出力してモータ駆動部2を制御することで、モータ20の駆動制御を行う。
[制御回路部3の構成]
図2は、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1の回路構成を示す図である。
制御回路部3には、ホール信号Hu,Hv,Hwと、FG信号(回転速度信号の一例)Sfと、加速指令信号ACCと、減速指令信号DECと、回転方向設定信号Srとが入力される。制御回路部3は、ホール信号Hu,Hv,Hwと、トルク指令信号St(FG信号Sfと加速指令信号ACCと減速指令信号DECとをもとに生成される)、回転方向設定信号Srとに基づいて、駆動制御信号Sdをゲートドライバ2bに出力する。制御回路部3は、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとの組合せにより定まる動作モードに応じて、駆動制御信号Sdをモータ駆動部2に出力することで、モータ20の回転制御を行う。モータ駆動部2は、駆動制御信号Sdに基づいて、モータ20に正弦波駆動信号を出力し、モータ20を駆動させる。
なお、本実施の形態では、加速指令信号ACCと減速指令信号DECはそれぞれ独立の2値のデジタル信号として説明しているが、1本のシリアル信号として定められた順で伝送したり、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとの組を多値信号で伝送してもよく、またその場合、回転方向設定信号Srやその他の信号についてもシリアル信号や多値信号として伝送してもよい。
加速指令信号ACC及び減速指令信号DECは、上位装置50の加減速信号生成回路51から出力される。加速指令信号ACC及び減速指令信号DECは、モータ20の速度誤差情報及び位相誤差情報に対応した信号である。
回転方向設定信号Srは、上位装置50から出力される。回転方向設定信号Srは、モータ20の回転方向を指示するための信号である。
制御回路部3には、3つのホール信号(位置信号の一例)Hu,Hv,Hwが入力される。ホール信号Hu,Hv,Hwは、例えば、モータ20に配置された3つのホール(HALL)素子25u,25v,25wの出力信号である。
3つのホール素子25u,25v,25w(以下、これらをまとめてホール素子25ということがある)は、例えば、互いに略等間隔(隣り合うものと電気角でプラスマイナス120度の間隔)でモータ20のロータの回りに配置されている。ホール素子25u,25v,25wは、それぞれ、ロータの磁極を検出してホール信号Hu,Hv,Hwを生成し、出力する。すなわち、ホール信号は、モータ20の回転位置(ロータの位置)に対応する信号である。
FG信号Sfは、FG信号生成部4により生成された、ロータの回転数に対応する信号である。モータ20のロータの側にある基板には、FG信号Sfを生成するためのコイルパターンであるFGパターン4aが形成されている。FG信号生成部4は、FGパターン4aの誘起電圧に従って、FG信号Sfを生成する。生成されたFG信号Sfは、制御回路部3と、上位装置50とに出力される。FG信号Sfは、例えば、45p/r(モータ1回転あたり45パルス)のパルス信号である。
本実施の形態において、制御回路部3は、PID制御回路(速度制御回路の一例;PIDコントローラ)31と、正弦波生成回路32と、ロータ位置推定回路33と、メモリ(記憶部の一例)34を含んでいる。各回路は、デジタル回路である。
メモリ34は、トルク指令信号Stを生成するための設定情報D1を記憶する。PID制御回路31は、設定情報D1を読み込む。
PID制御回路31は、PID(Proportional−Integral−Derivative)制御を行う。PID制御回路31は、加速指令信号ACC及び減速指令信号DECと、FG信号Sfと、設定情報D1とに基づいて、トルク指令信号St(トルク指令値VSPということもある)を生成する。トルク指令信号Stは、上位装置50において設定される目標速度に追従するようにモータ20を制御するための信号である。なお、動作モードによっては、PID制御回路31から正弦波生成回路32に、ブレーキ信号Sb2が送信される。ブレーキ信号Sb2は、モータ20をショートブレーキモードで駆動するための信号である。
ロータ位置推定回路33には、ホール信号Hu,Hv,Hwと、回転方向設定信号Srとが入力される。ロータ位置推定回路33は、入力された信号に基づいて、ロータ位置情報Spを生成する。
正弦波生成回路32には、ロータ位置情報Spと、トルク指令信号Stと、回転方向設定信号Srとが入力される。正弦波生成回路32は、ロータ位置情報Sp、トルク指令信号St、及び回転方向設定信号Srに基づいて、駆動制御信号Sdを生成する。
図3は、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとの組合せと動作モードとの関係を示す表である。
図3に示されるように、加速指令信号ACCと、減速指令信号DECとは、それぞれ、ハイ(H)とロー(L)の2つのレベルを有する、負論理(Lのとき有効)の信号である。PID制御回路31は、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとの組合せにより定まる動作モードに応じて、トルク指令信号Stを出力したり、ブレーキ信号Sb2を出力したりする。
加速指令信号ACCがLであり、減速指令信号DECがLであるとき、動作モードはブレーキモードとなる。このとき、PID制御回路31は、ブレーキ信号Sb2を出力する。これにより、制御回路部3は、モータ20の巻線を短絡するショートブレーキを行う。すなわち、3相インバータの下側3相がONで上側3相がOFFとなるようにしたり、その逆となるようにしたりすることによって、逆起電力によるブレーキがモータ20に作用する。
加速指令信号ACCがLであり、減速指令信号DECがHであるとき、動作モードは加速モードとなる。このとき、PID制御回路31は、モータ20のロータの回転速度を増加させるように、トルク指令信号Stを出力する(トルク指令増加)。
加速指令信号ACCがHであり、減速指令信号DECがLであるとき、動作モードは減速モードとなる。このとき、PID制御回路31は、モータ20のロータの回転速度を減少させるように、トルク指令信号Stを出力する(トルク指令減少)。
加速指令信号ACCがHであり、減速指令信号DECがHであるとき、動作モードは速度指令保持モードとなる。このとき、PID制御回路31は、その時点のトルク指令信号Stを出力する(トルク指令保持)。
[上位装置50及び加減速信号生成回路51の構成及び動作の説明]
図3に戻って、上位装置50は、加減速信号生成回路51を有している。加減速信号生成回路51は、入力された信号等に基づいて加速指令信号ACCと減速指令信号DECとを生成する。生成した加速指令信号ACCと減速指令信号DECとは、モータ駆動制御装置1に出力される。
図4は、本実施の形態における加減速信号生成回路51の構成を示すブロック図である。
図4に示されるように、加減速信号生成回路51には、モータ駆動制御装置1からフィードバックされたFG信号Sfと、目標速度情報Scと、速度補正計数K1と、位相補正係数K2と、固定小数点化情報とが入力される。加減速信号生成回路51は、これらのFG信号Sf、目標速度情報Sc、速度補正計数K1、位相補正係数K2、及び固定小数点化情報に基づいて、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとを出力する。
なお、速度補正計数K1や、位相補正係数K2や、固定小数点化情報は、例えば、上位装置50の内部のメモリ(図示せず)等に記憶されている情報が加減速信号生成回路51により読み取られることにより、加減速信号生成回路51に入力される。これらの信号は、補正係数を設定する定数である。すなわち、これらの信号により、FG信号Sfや目標速度情報Sc等に基づいて加速指令信号ACCや減速指令信号DECを生成するときのゲインが補正される。このような構成に限られるものではなく、例えば、加減速信号生成回路51の内部で定数として与えられているものを加減速信号生成回路51が読み取る(入力する)ように構成されていてもよい。
また、加減速信号生成回路51には、起動/停止信号(スタートストップ信号)Ssと、ブレーキ信号Sb1とが入力される。起動/停止信号Ssは、モータ20の駆動制御を行うか、駆動制御を行わないスタンバイ状態とするかを設定するための信号である。ブレーキ信号Sb1は、モータ20をショートブレーキ状態にするか否かを指示する信号である。
加減速信号生成回路51は、周期検出カウンタ61、減算部62、固定小数点化部63、2乗乗算器64、速度補正係数乗算器65、位相補正係数乗算器66、補正回路67,68、位相基準カウンタ69、速度ロック検出回路70、位相検出カウンタ71、加算部72、及び第1のACC/DEC変換回路(誤差生成回路の一例;以下、単に第1変換回路ということがある)73を含んでいる。加減速信号生成回路51は、周期カウント誤差と位相カウント誤差とを検出し、それらを補正して速度誤差及び位相誤差を得る。そして、加減速信号生成回路51は、速度誤差と位相誤差とに対応する加速指令信号ACC及び減速指令信号DECを出力する。
周期検出カウンタ61は、例えば10MHzなどの任意の周波数で、FG信号Sfの立ち下がりエッジ間をカウントする。
図5は、周期検出カウンタ61の動作を説明するタイミングチャートである。
図5において、上段から、カウント用のクロック信号(10MHz)、FG信号Sf、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGE、カウント値FG_CNT、及び周期カウント値FG_DATAが示されている。
周期検出カウンタ61は、FG信号Sfの立ち下がりが検出されるまで(立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEが検出されるまで)、クロック信号をカウントする(カウント値FG_CNT)。立ち下がりが検出されると、カウント値FG_CNTが、周期カウント値FG_DATAとして取り込まれる。なお、カウント値FG_CNTが最大値まで上昇した場合には、最大値で飽和する。周期カウント値FG_DATAの電源投入直後の初期値は最大値に設定されている。
周期検出カウンタ61は、周期カウント値FG_DATAを、減算部62に出力する。また、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEを、位相検出カウンタ71及び速度ロック検出回路70に出力する。
減算部62は、周期カウント値FG_DATAから、目標速度情報Scを減算する。減算結果は、周期カウント誤差である。周期カウント誤差は、符号付きの値である。周期カウント誤差は、補正回路67と、位相検出カウンタ71と、速度ロック検出回路70とに出力される。
ここで、目標速度情報Scは、下記の式の値で与えられる。なお、下記の式の値が上位装置50のメモリなどに記憶されており、その記憶内容に基づいた目標速度情報Scが用いられる。
(目標速度情報)=10*10^6/(目標周波数)
ここで、小数点以下は切捨てか四捨五入されていればよい。式中において、10*10^6はFG周期を検出しているクロック信号の周波数(例えば、10MHz)を意味している。例えば周波数が20MHzであれば、20*10^6とすればよい。
また、目標周波数は、FG信号Sfが目標とする周波数のことである。1000rpmを目標速度とする場合、FG信号は45p/rであるので、1000*45/60=750Hzを目標周波数とすればよい。
固定小数点化部63は、周期カウント誤差と位相カウント誤差とを目標周波数情報に基づいて補正するため、補正情報を生成する。
例えば、目標速度情報Scが10000(10進数)の32bitのデータであって、固定小数点化情報が12である場合を想定する。
10000(10進数)を2進数(32bit)で表記すると、次のようになる。
0000 0000 0000 0000 0010 0111 0001 0000
ここで、固定小数点化情報が12であるので、下位の12bitを小数点部として扱う。そうすると、次のように、上位20ビットが整数部となる。
0000 0000 0000 0000 0010 (整数部)
また、下位12ビットが小数部となる。
0111 0001 0000 (小数部)
処理後の補正情報は、2乗乗算器64と位相補正係数乗算器66とに出力される。
2乗乗算器64は、固定小数点化部63から送信された、固定小数点化された情報を2乗する。2乗されたデータは、速度補正係数乗算器65に出力される。
速度補正係数乗算器65は、2乗されたデータに速度補正係数K1を乗算する。乗算結果は、補正値Aとして、補正回路67に出力される。
位相補正係数乗算器66は、固定小数点化部63から出力された固定小数点化された情報に、位相補正係数K2を乗算する。乗算結果は、補正値Bとして、補正回路68に出力される。
位相基準カウンタ69には、目標速度情報Scが入力される。位相基準カウンタ69は、クロック信号をカウントし、カウント値が目標速度情報Scに到達するとカウントをリセットするカウンタである。
図6は、位相基準カウンタ69の動作を説明するタイミングチャートである。
図6に示されるように、クロック信号としては、例えば10MHzの信号が用いられる。位相基準カウンタ69は、クロック信号を目標速度情報Scに達するまでカウントし、カウント値TARGET_CNTを位相検出カウンタ71に出力する。カウント値TARGET_CNTが目標速度情報Scに達したときには、カウント値TARGET_CNTがリセットされる。
速度ロック検出回路70には、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEと、周期カウント誤差と、目標速度情報Scとが入力される。
すなわち、速度ロック検出回路70は、目標速度情報Scを5bitだけ右シフトし(1/32倍し)、信号LD_REFを生成する。また、速度ロック検出回路70は、周期カウント誤差の絶対値FLL_ABSを生成する。そして、速度ロック検出回路70は、これらの信号を比較する。
LD_REF≧FLL_ABSである状態が、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEが3カウントされる期間中に継続している場合、速度ロック検出回路70は、速度ロック状態であることを検出する。そうすると、速度ロック検出信号LD_PLLとしてH(ハイ)が出力される。
他方、LD_REF<FLL_ABSである場合、速度ロック検出回路70は、速度ロック状態ではないことを検出する。そうすると、速度ロック検出信号LD_PLLとしてL(ロー)が出力される。
すなわち、本実施の形態では、オーバーシュートやアンダーシュート時のばたつきを考慮し、モータ20の速度がロックされている状態であるか否かがFG信号Sfの3周期分の期間をかけて判定される。回転速度が目標速度に対して±3.125%以内であれば、速度がロック状態であると判定され、速度ロック検出信号LD_PLLとしてHが出力される。他方、回転速度が目標速度に対して±3.125%より大きい場合は、速度がロック状態ではないと判定され、速度ロック検出信号LD_PLLとしてLが出力される。
位相検出カウンタ71には、位相基準カウンタ69から出力されたカウント値TARGET_CNTと、速度ロック検出回路70から出力された速度ロック検出信号LD_PLLとが入力される。また、位相検出カウンタ71には、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEと、周期カウント誤差と、目標速度情報Scとが入力される。位相検出カウンタ71は、これらの信号に基づいて、位相カウント誤差PLL_CNTを生成する。位相カウント誤差PLL_CNTは、補正回路68に出力される。
以下に、2通りの例を示し、位相カウント誤差をどのように生成するかについて説明する。
まず、カウント値TARGET_CNT=0となるときを位相基準とする場合の第1の例について説明する。
図7は、カウント値TARGET_CNT=0となるときを位相基準とする場合における位相カウント誤差PLL_CNTの生成に関するタイミングチャートである。
図7において、上段から、カウント値TARGET_CNT、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGE、信号F_S,TARGET_OV,TARGET_OVF,PLL_DATA、及び位相カウント誤差PLL_CNTが示されている。なお、タイミングチャートには記載されていないが、速度ロック検出信号LD_PLL=Hとなったら、位相カウント誤差PLL_CNTが補正回路68に出力される。他方、速度ロック検出信号LD_PLL=Lとなったら、位相カウント誤差PLL_CNTの値が保持されるか、リセットされる。
図7に示されるように、位相カウント誤差PLL_CNTには、正の場合と負の場合とがある。この正負判定は、周期カウント誤差を利用して行われる。位相誤差も、速度誤差と同様に、回転速度が遅い場合は正となり、速い場合は負となる。
すなわち、周期カウント誤差が0以上のときにH、負のときにLとなる信号F_Sが生成される。また、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEが位相基準(すなわちTARGET_CNT=0となるとき)をまたぐときを判別する信号TARGET_OVが生成される。信号TARGET_OVは、カウント値TARGET_CNTが0となったときに1が加算される。ただし、信号F_S=Hのとき(周期カウント誤差が0以上のとき)には、信号TARGET_OVは2で飽和する。他方、信号F_S=Lのとき(周期カウント誤差が負のとき)には、信号TARGET_OVは1で飽和する。
立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEが検出されたとき、信号TARGET_OVは、信号TARGET_OVFの値として取り込まれる。そして、このとき、信号TARGET_OVは、リセットされる。また、このとき、カウント値TARGET_CNTが、符号無しの信号PLL_DATAとして取り込まれる。
図8は、信号F_S、信号TARGET_OVF、及び位相カウント誤差PLL_CNTの関係を示す表である。
図8に示されるように、位相検出カウンタ71は、信号F_Sと信号TARGET_OVFとに基づいて、位相カウント誤差PLL_CNTを次のように出力する。なお、位相カウント誤差PLL_CNTは、符号ありの信号である。
すなわち、信号F_SがHであるとき(周期カウント誤差が0以上のとき)、信号TARGET_OVFが0又は1であれば、位相カウント誤差PLL_CNTとして信号PLL_DATAが出力される。また、信号TARGET_OVFが2であれば、位相カウント誤差PLL_CNTとして、信号PLL_DATAに目標速度情報Scと1とを加算した値が出力される。
他方、信号F_SがLであるとき(周期カウント誤差が負であるとき)、信号TARGET_OVFが0であれば、位相カウント誤差PLL_CNTとして信号PLL_DATAから目標速度情報Scと1とを減算した値が出力される。また、信号TARGET_OVFが1であれば、位相カウント誤差PLL_CNTとして、負の値とした信号PLL_DATA(−PLL_DATA)が出力される。
次に、速度ロック検出信号LD_PLLがHとなるときを位相基準とする場合の第2の例について説明する。上述の第1の例においては、速度ロック検出信号LD_PLL=H(速度ロック検出)となったときに位相誤差が出力されるため、速度ロック検出信号LD_PLL=Hとなった時点の位相関係によって、位相誤差出力が異なる可能性がある。そうすると、起動波形が毎回微妙に変化する可能性がある。第2の例は、速度ロック検出信号LD_PLL=Hとなった時点の位相関係を保持するように、速度ロック検出信号LD_PLL=Hとなった時点の位相を基準とする場合の例である。
図9は、速度ロック検出信号LD_PLLがHとなるときを位相基準とする場合における位相カウント誤差PLL_CNTの生成に関するタイミングチャートである。
図9において、上段から、カウント値TARGET_CNT、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGE、信号PLL_DATA、速度ロック検出信号LD_PLL、信号LD_DATA,F_S,TARGET_OV,TARGET_OVF,PLL_DATA、及び位相カウント誤差PLL_CNTが示されている。なお、図9において、速度ロック検出信号LD_PLLがHである場合においても、説明のため、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEのタイミングが模式的に示されている。そのため、見かけ上、FG信号Sfの周期にばらつきがあるように見えている。
第2の例において、上述の第1の例とは異なる点は、次の通りである。すなわち、速度ロック検出信号LD_PLL=Hが検出されたときに、信号PLL_DATAが取り込まれ、信号LD_DATAが生成される。次に、信号LD_DATAから信号PLL_DATAを減算した結果の絶対値が、信号PLL_LD_DATAとされる。
図10は、信号F_S、信号TARGET_OVF、位相カウント誤差PLL_CNTの関係を示す表である。
図10に示されるように、位相検出カウンタ71は、信号F_Sと信号TARGET_OVFとに基づいて、位相カウント誤差PLL_CNTを次のように出力する。なお、位相カウント誤差PLL_CNTは、符号ありの信号である。
すなわち、信号F_SがHであるとき(周期カウント誤差が0以上のとき)、信号TARGET_OVFが0又は1であれば、位相カウント誤差PLL_CNTとして信号PLL_LD_DATAが出力される。また、信号TARGET_OVFが2であれば、位相カウント誤差PLL_CNTとして、信号PLL_LD_DATAに目標速度情報Scと1とを加算した値が出力される。
他方、信号F_SがLであるとき(周期カウント誤差が負であるとき)、信号TARGET_OVFが0であれば、位相カウント誤差PLL_CNTとして信号PLL_LD_DATAから目標速度情報Scと1とを減算した値が出力される。また、信号TARGET_OVFが1であれば、位相カウント誤差PLL_CNTとして、負の値とした信号PLL_LD_DATA(−PLL_LD_DATA)が出力される。
補正回路67は、補正値Aの逆数を周期カウント誤差に乗算し、速度誤差を生成する。速度誤差は、加算部72に出力される。
他方、補正回路68は、補正値Bの逆数を位相カウント誤差PLL_CNTに乗算し、位相誤差を生成する。位相誤差は、加算部72に出力される。
加算部72は、補正回路67から出力された速度誤差と、補正回路68から出力された位相誤差とを加算する。加算結果である速度+位相誤差は、第1変換回路73に出力される。
第1変換回路73には、速度+位相誤差と、起動/停止信号Ssと、ブレーキ信号Sb1とが入力される。第1変換回路73は、速度+位相誤差に応じて、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとを生成する。
図11は、起動/停止信号Ssとブレーキ信号Sbとにより設定される動作モードを示す表である。
図11に示されるように、起動/停止信号Ssと、ブレーキ信号Sb1とは、それぞれ、ハイ(H)とロー(L)の2つのレベルを有する信号である。起動/停止信号Ssは、Lが起動、Hが停止にそれぞれ対応する。ブレーキ信号Sb1は、Lがブレーキ解除、Hがブレーキにそれぞれ対応する。第1変換回路73は、起動/停止信号Ssとブレーキ信号Sb1との組合せにより定まる動作モードに応じて、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとを出力する。動作モードは、停止モード>ブレーキモード>起動許可モードの順に優先される。
起動/停止信号SsがLであり、ブレーキ信号Sb1がLであるとき、動作モードは起動許可モードとなる。このとき、第1変換回路73は、後述のように加速指令信号ACCと減速指令信号DECとを出力する。
起動/停止信号SsがLであり、ブレーキ信号Sb1がHであるとき、動作モードはブレーキモードとなる。このとき、第1変換回路73は、ショートブレーキを行うための加速指令信号ACCと減速指令信号DECとを出力する。すなわち、加速指令信号ACCがL、減速指令信号DECがLとなる。
起動/停止信号SsがHであれば、ブレーキ信号Sb1がLであるかHであるかにかかわらず、動作モードは停止モードとなる。このとき、第1変換回路73は、加速指令信号ACCをHとし、減速指令信号DECをLとする。
図12は、第1のACC/DEC変換回路73の動作を説明するタイミングチャートである。
図12において、上段から、速度+位相誤差、カウント値ACCDEC_CNT、起動/停止信号Ss、ブレーキ信号Sb1、加速指令信号ACC、減速指令信号DECが示されている。
図12に示されるように、速度+位相誤差は、符号付きで、正か負の整数値で表されている。カウント値ACCDEC_CNTは、10MHzのクロック信号のカウント値である。第1変換回路73は、カウント値ACCDEC_CNTが速度+位相誤差と一致すると、カウントを停止する。カウント値ACCDEC_CNTは、立ち下がりエッジ検出信号FG_D_EDGEの検出タイミングでリセットされる。また、カウント値ACCDEC_CNTは、起動/停止信号Ss及びブレーキ信号Sb1が共にHとなったときにリセットされる。
第1変換回路73は、速度+位相誤差が≧0(正)であるときには、カウント値ACCDEC_CNTをカウントアップする。他方、速度+位相誤差<0(負)であるときには、カウント値ACCDEC_CNTをカウントダウンする。
起動許可時(起動/停止信号Ss及びブレーキ信号Sb1が共にLであるとき)において、速度+位相誤差が≧0(正)であるとき、ACCDEC_CNTと速度+位相誤差とが不一致であれば加速指令信号ACCがLとなり、一致しているときには加速指令信号ACCがHとなる。すなわち、加速指令信号ACCのLは、加速指令に対応する。
他方、起動許可時において、速度+位相誤差が<0(負)であるときに、ACCDEC_CNTと速度+位相誤差とが不一致であれば減速指令信号DECがLとなり、一致しているときは減速指令信号DECがHとなる。すなわち、減速指令信号DECのLは、減速指令に対応する。
[PID制御回路31の構成及び動作の説明]
図13は、本実施の形態におけるPID制御回路31の構成を示すブロック図である。
図13に示されるように、PID制御回路31は、第2のACC/DEC変換回路(誤差生成回路の一例;以下、単に第2変換回路ということがある)81、周期検出カウンタ(周期検出回路の一例)82、補正値生成回路83、乗算器84、積分回路85、微分回路86、加算部87,及びコンバータ88を含んでいる。PID制御回路31には、加速指令信号ACC、減速指令信号DEC、FG信号Sf、及び設定情報D1が入力される。PID制御回路31は、入力された信号に基づいて、トルク指令信号St及びブレーキ信号Sb2を生成し、出力する。
加速指令信号ACCと減速指令信号DECとは、第2変換回路81に入力される。第2変換回路81は、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとに基づいて、速度位相誤差信号FLL_OUTとブレーキ指令信号Sb2とを生成する。速度位相誤差信号FLL_OUTは、乗算器84に出力される。ブレーキ指令信号Sb2は、PID制御回路31から正弦波生成回路32に出力される。
図14は、第2のACC/DEC変換回路81の動作を説明するタイミングチャートである。
図14において、上段から、加速指令信号ACC、減速指令信号DEC、カウント値ACC_CNT、カウント値DEC_CNT、信号ACC_REG、信号DEC_REG、速度位相誤差信号FLL_OUTが示されている。
第2変換回路81は、加速指令信号ACCがLであるとき、クロック信号(例えば10MHz)をカウントする。カウント結果は、カウント値ACC_CNTとなる。カウント値ACC_CNTは、ブレーキ時(すなわち、加速指令信号ACCがL、減速指令信号DECがLであるとき)に、リセットされる。また、加速指令信号ACC及び減速指令信号DECの立ち下がりエッジ(HからLに変化したとき)に、リセットされる。カウント値ACC_CNTは、最大値で飽和する。
また、第2変換回路81は、減速指令信号DECがLであるとき、クロック信号をカウントする。カウント結果は、カウント値DEC_CNTとなる。カウント値DEC_CNTは、ブレーキ時に、リセットされる。また、加速指令信号ACC及び減速指令信号DECの立ち下がりエッジ(HからLに変化したとき)に、リセットされる。カウント値DEC_CNTは、最大値で飽和する。
第2変換回路81は、加速指令信号ACCと減速指令信号DECとが共にHであるとき(すなわち、速度指令保持モードであるとき)、カウント値ACC_CNTとカウント値DEC_CNTとをそのまま維持する。
第2変換回路81は、カウント値ACC_CNTが信号ACC_REG以上になったとき(ACC_CNT≧ACC_REGの関係が成立したとき)、カウント値ACC_CNTを信号ACC_REGとして取り込む。また、加速指令信号ACCの立上りエッジで、ACC_CNTを取り込み、減速指令信号DECの立ち下がりエッジで、リセットされる。
第2変換回路81は、カウント値DEC_CNTが信号DEC_REG以上になったとき(DEC_CNT≧DEC_REGの関係が成立したとき)、カウント値DEC_CNTを信号DEC_REGとして取り込む。また、減速指令信号DECの立上りエッジで、DEC_CNTを取り込み、加速指令信号ACCの立ち下がりエッジで、リセットされる。
第2変換回路81は、信号ACC_REGから信号DEC_REGを減算することで、速度位相誤差信号FLL_OUTを生成する。速度位相誤差信号FLL_OUTは、符号付きの信号である。すなわち、速度位相誤差信号FLL_OUTは、正負の値を取りうる信号である。
図13に戻って、FG信号Sfは、周期検出カウンタ82に入力される。周期検出カウンタ82は、FG信号Sfから、FG信号Sfの周期カウント値M_FG_DATAと、FG信号Sfの立ち上がりエッジ検出信号FG_U_EDGEとを生成する。周期カウント値M_FG_DATAは、補正値生成回路83に出力される。立ち上がりエッジ検出信号FG_U_EDGEは、積分回路85及び微分回路86に出力される。
図15は、周期検出カウンタ82の動作を説明するタイミングチャートである。
図15において、上段から、カウント用のクロック信号(10MHz)、FG信号Sf、立ち上がりエッジ検出信号FG_U_EDGE、カウント値M_FG_CNT、及び周期カウント値M_FG_DATAが示されている。
周期検出カウンタ82は、FG信号Sfの立ち上がりが検出されるまで(立ち上がりエッジ検出信号FG_U_EDGEが検出されるまで)、クロック信号をカウントする(カウント値M_FG_CNT)。立ち上がりが検出されると、カウント値M_FG_CNTが、周期カウント値M_FG_DATAとして取り込まれる。なお、カウント値M_FG_CNTが最大値まで上昇した場合には、最大値で飽和する。周期カウント値M_FG_DATAの電源投入直後の初期値は最大値に設定されている。
補正値生成回路83には、周期カウント値M_FG_DATAと、設定情報D1とが入力される。ここで、設定情報D1としては、固定小数点化情報が入力される。補正値生成回路83は、周期カウント値M_FG_DATAと固定小数点化情報とに基づいて、積分係数(積分ゲイン)Kiを補正する積分ゲイン調整値を生成する。
補正値生成回路83は、上述の加減速信号生成回路51の固定小数点化部63と同様にして、周期カウント値M_FG_DATAの固定小数点化を行う。そして、周期カウント値M_FG_DATAを固定小数点化した結果を、積分ゲイン調整値として乗算器84に出力する。例えば、固定小数点化情報が10であれば、周期カウント値M_FG_DATAの下位10bitが小数点部として扱われる。
このように固定小数点化を行うのは、積分ゲイン調整値の大きさを調整するためである。一般的に、デジタルでの積分回路としては、一定周期でデータをサンプリングして加算する方法を採用したものが用いられる。本実施の形態においては、速度誤差と位相誤差とがFG周期毎に更新されることが分かっている。そのため、精度良く誤差の累積を得ようとすると、FG周期毎にサンプリングすることが望ましい。しかしながら、モータ20の回転速度が上がると(FG周波数が高くなると)、サンプリングの回数がそれに比例して増えるため、積分ゲインが周波数に比例して変化してしまう。そのため、積分ゲインに乗算して積分ゲインを補正するために、補正値生成回路83では、周波数に反比例するデータである周期カウント値M_FG_DATAの値の大きさをビットシフトにより固定小数点化した積分ゲイン調整値を生成する。後述のようにして積分される誤差のデータは周波数に比例して減少するので、このような積分ゲイン調整値を乗算した積分ゲインを用いることで、FG周期毎にサンプリングした場合であっても積分ゲインの変化の影響を抑えられる。
乗算器84は、比例ゲインKp、積分ゲインKi、及び微分ゲインKdを、速度位相誤差信号FLL_OUTに乗算する。これにより、比例ゲイン乗算値と、積分ゲイン乗算値と、微分ゲイン乗算値とが生成される。
ここで、積分ゲインKiは、予め設定された積分ゲインKi’に補正値生成回路83で生成された積分ゲイン調整値を乗算したものである(Ki=Ki’*(積分ゲイン調整値))。なお、積分ゲイン調整値は、積分ゲインKi’に加算されたり減算されたりしてもよい。また、各ゲインKp,Ki’,Kdは、設定情報D1としてメモリ34から読み込まれるようにすればよい。
積分回路85は、立ち上がりエッジ検出信号FG_U_EDGE毎に、誤差を加算する。誤差はFG信号Sfの1周期毎に更新されるので、その誤差の累積値が積分ゲイン累積加算値として求められる。積分ゲイン累積加算値は、加算部87に出力される。
微分回路86は、立ち上がりエッジ検出信号FG_U_EDGE毎に、誤差を取り込んで、現在の誤差と前回の誤差との差を出力する。演算結果は、加算部87に出力される。
加算部87は、積分ゲイン累積加算値と、微分回路86の演算結果と、速度位相誤差信号FLL_OUTに比例ゲインKpを乗算して得られた比例ゲイン乗算値とを加算する。すなわち、加算部87は、比例、積分、微分の各誤差を加算する。加算結果は、コンバータ88に出力される。
コンバータ88は、誤差の加算結果にビット幅調整処理を行うことで、トルク指令信号Stを出力する。ビット幅が短いとデータ処理の精度が落ちる。そのため、速度位相誤差FLL_OUTや乗算器84や加算部87などにおいては、比較的大きなビット幅が使用されている。したがって、コンバータ88により、ビット幅調整処理が行われる。
以上説明したように、本実施の形態においては、上位装置50やモータ駆動制御装置1のインターフェースを変更することなく、回転速度の誤差だけでなく、位相誤差も、回転速度に応じて精度良く制御することができる。すなわち、速度制御に加えて、位相制御も行うことができ、制御性能が高いモータ駆動制御装置1を構成することができる。
モータ制御システム100においては、モータ20の回転速度と位相とをデジタル的に制御できる。その結果、回転速度に応じて適切な制御ゲインを自動的に設定することができる。したがって、広い回転数範囲で、良好な制御性能を得ることができる。
また、比較的複雑な演算は、半導体の微細化の進展によって、アナログ回路よりもデジタル回路の方が低コストに実施できる。本実施の形態では、デジタル回路を用いて回転速度と位相とをデジタル的に制御できるので、モータ制御システム100を構成する部品点数を抑えることができ、モータ制御システム100の製造コストを低減することができる。
[その他]
モータ制御システムは、上述の実施の形態に示されるような回路構成に限定されない。一部を省略したり、他の機能を組み合わせたりした回路構成が用いることもできる。本発明の目的に適合するように構成された、様々な回路構成が適用できる。
PID制御回路に代えて、例えば、微分回路を省略したPI制御回路が速度制御部として用いられていてもよい。
FG信号生成部は、ホール信号を用いてFG信号を生成するように構成されていてもよい。この場合、FGパターンは設けられていなくてもよい。
モータの駆動方式は、通常の正弦波駆動に限定されず、台形波による駆動方式や正弦波に特殊な変調をかけた駆動方式などの漸次に駆動電圧が変化する駆動方式や、矩形波による駆動方式など、種々の駆動方式を用いることができる。
ホール素子に代えて、ホールICをモータのロータの位置検出器として用いるようにしてもよい。ホール素子は、必ずしも3個である必要はなく、少なくとも、いずれかの相にある1個が設けられていればよい。
モータ駆動制御装置の各構成要素は、少なくともその一部がハードウェアによる処理ではなく、ソフトウェアによる処理であってもよい。
本実施の形態のモータ駆動制御装置により駆動されるモータは、3相のブラシレスモータに限られず、2相以上のブラシレスモータであればよい。また、モータは、ブラシレスモータ以外のモータであってもよい。
上述の実施の形態における処理の一部又は全部が、ソフトウェアによって行われるようにしても、ハードウェア回路を用いて行われるようにしてもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 モータ駆動制御装置
2 モータ駆動部
3 制御回路部
4 FG信号生成部
4a FGパターン
20 モータ
25(25u,25v,25w) ホール素子(位置検出器の一例)
31 PID制御回路(速度制御部の一例)
32 正弦波生成回路
33 ロータ位置推定回路
34 メモリ(記憶部の一例)
50 上位装置
51 加減速信号生成回路
73 第1のACC/DEC変換回路(誤差生成回路の一例)
81 第2のACC/DEC変換回路(誤差生成回路の一例)
82 周期検出カウンタ(周期検出回路の一例)
83 補正値生成回路
84 乗算器
85 積分回路
87 加算部
100 モータ制御システム
ACC 加速指令信号
DEC 減速指令信号
D1 設定情報
Hu,Hv,Hw ホール信号(位置信号の一例)
Sd 駆動制御信号
Sf FG信号(回転速度信号の一例)
Sp 位置情報
St トルク指令信号

Claims (4)

  1. 上位装置と共に用いられ、前記上位装置から入力される信号に基づいてモータを駆動させるモータ駆動制御装置であって、
    前記モータのロータの回転数に対応する回転速度信号を生成して、前記上位装置に出力するFG信号生成部と、
    前記FG信号生成部から出力された回転速度信号と目標速度情報とに基づいて前記上位装置で生成された前記モータの速度誤差情報及び位相誤差情報に対応する加速指令信号及び減速指令信号と、前記FG信号生成部から出力された回転速度信号とに基づいて生成されたトルク指令信号をもとに、駆動制御信号を生成する制御回路部と、
    前記制御回路部から出力された前記駆動制御信号に基づいて、モータに駆動信号を出力するモータ駆動部とを備える、モータ駆動制御装置。
  2. 前記制御回路部は、
    前記トルク指令信号を生成するための設定情報を記憶する記憶部と、
    前記加速指令信号と、前記減速指令信号と、前記回転速度信号と、前記設定情報とに基づいて、前記モータの速度を指示するための前記トルク指令信号を生成する速度制御部と、
    前記ロータの回転位置に対応する位置信号に基づいて、位置情報を生成するロータ位置推定回路と、
    前記トルク指令信号と前記位置情報とに基づいて、前記駆動制御信号を前記モータ駆動部に出力する正弦波生成回路とを備える、請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  3. 前記速度制御部は、
    前記加速指令信号及び前記減速指令信号に基づいて、前記速度誤差情報及び前記位相誤差情報に対応する速度位相誤差信号を生成する誤差生成回路と、
    前記回転速度信号の周期を検出して周期カウント値を生成する周期検出回路と、
    前記周期カウント値と前記設定情報とに基づいて、積分ゲイン調整値を生成する補正値生成回路と、
    前記設定情報と前記積分ゲイン調整値とに基づいて、比例ゲインを前記速度位相誤差信号に乗算して得られた比例ゲイン乗算値と、前記積分ゲイン調整値を用いて補正された積分ゲインを前記速度位相誤差信号に乗算して得られた積分ゲイン乗算値とを出力する乗算器と、
    前記周期カウント値に基づき、前記回転速度信号の周期毎の誤差を前記積分ゲイン乗算値に累積加算して積分ゲイン累積加算値を生成する積分回路と、
    前記比例ゲイン乗算値と前記積分ゲイン累積加算値とを加算する加算部とを有し、
    前記加算部の加算結果に基づいて、前記トルク指令信号を生成する、請求項2に記載のモータ駆動制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置と、
    前記FG信号生成部から出力された回転速度信号に基づいて前記モータ駆動制御装置に前記加速指令信号及び前記減速指令信号を出力する上位装置とを備え、
    前記上位装置は、
    前記回転速度情報と前記目標速度情報とに基づいて前記モータの周期と位相の誤差情報を生成し、前記誤差情報を補正する補正情報と前記目標速度情報とに基づいて、前記速度誤差情報及び前記位相誤差情報を生成し、前記速度誤差情報と前記位相誤差情報との加算結果に基づいて前記加速指令信号及び前記減速指令信号を生成する、モータ制御システム。
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