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JP2016168004A - フィコエリスロビリン含有オリゴペプチドおよびその製造法並びにその利用 - Google Patents

フィコエリスロビリン含有オリゴペプチドおよびその製造法並びにその利用 Download PDF

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JP2016168004A JP2015049603A JP2015049603A JP2016168004A JP 2016168004 A JP2016168004 A JP 2016168004A JP 2015049603 A JP2015049603 A JP 2015049603A JP 2015049603 A JP2015049603 A JP 2015049603A JP 2016168004 A JP2016168004 A JP 2016168004A
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Abstract

【課題】フィコエリスリンを含有する藻類から色素等として有利に使用できる、フィコエリスリンを低分子化した、フィコエリスロビリンオリゴペプチドを大量生産しうる技術を提供すること。【解決手段】フィコエリスリンを含有する藻類をタンパク質分解酵素で加水分解し、次いでこの加水分解物を熱水抽出することで得られるフィコエリスロビリンオリゴペプチドおよびこれを利用する赤色色素、蛍光色素およびタンパク質糖化抑制剤。【選択図】なし

Description

本発明は、フィコエリスロビリン含有オリゴペプチド(オリゴペプチドが結合しているフィコエリスロビリン)に関し、更に詳細には、紅藻、藍藻等の藻類を、タンパク質分解酵素で加水分解後、熱水抽出することで得られるフィコエリスロビリン含有オリゴペプチド、その製造法およびその、赤色色素、蛍光色素、タンパク質糖化抑制剤等としての利用に関する。
紅藻類、藍藻類などの藻類中には、紅色色素の1種であるフィコエリスリンが含まれていることが知られている。
例えば、単細胞紅藻チノリモ(Porphyridium Cruentum)のB−フィコエリスリンは分子量19kDa程度のα,β2種のサブユニット、分子量30kDa程度のγサブユニットからなるタンパク質とフィコエリスロビリン色素が共有結合したものであり、具体的には、開環テトラピロールであるフィコエリスロビリンと上記タンパク質のシステイン残基が共有結合したものである。
フィコエリスリンは光合成色素として重要な役割を果たしている(非特許文献1)。フィコエリスリンの極大吸収波長は540〜570nm付近で、極大蛍光波長は575〜578nm付近である。このフィコエリスリン色素は天然由来の食品用着色料として食品工業等において利用されている。
また、フィコエリスリンは臨床診断や細胞化学研究において、抗体など様々なタンパク質を標識する蛍光色素としても広く利用されている。フィコエリスリンの励起波長は広範にわたり、様々な励起源を使用できるという特徴がある。
このような色素としての用途の他に、紅藻類スサビノリ(Porphyra yezoensis)に含まれるフィコエリスリンは抗酸化性を有すること、フィコエリスリンとフィコエリスリンの色素成分であるフィコエリスロビリンに、アレルギー性炎症反応に対する阻害効果のあることが報告されている(非特許文献2 )。
ところで、このフィコエリスリンの抽出法としては、藻類の細胞を塩類溶液など薬剤処理や超音波処理等の機械的手段により破砕することにより水中に抽出し、硫安塩析、カラムクロマトグラフィー、有機溶媒等を用いる方法が従来から行われている。例えば、特許文献1には、夾雑色素を含有する藻類由来のフィコエリスリン色素液(A)と前記夾雑色素を凝集させるアルカリ土類金属のリン酸塩(B)とを混合し、前記フィコエリスリン色素液(A)中の夾雑色素を凝集させて凝集物としたのち、前記凝集物を除去するフィコエリスリン色素液の精製方法が記載されている。そして、原料のフィスコエリスリン色素液は、加熱処理したものを利用することが記載されている。また、特許文献2には、赤色色素含有藻から得られた色素抽出液を加熱処理し、赤色色素を分離する天然赤色色素の製造法が記載されている。
上記特許文献1や2での加熱処理は、色素抽出液中に含まれるフィコシアニンやクロロフィル等の赤色色素以外の色素を変性させ、不純物として沈澱させるというものであり、その加熱温度は好ましくは40〜70℃、特に好ましくは50〜60℃であり、加熱時間は、2〜30分とされている。一般に加熱温度が高いほど、または加熱時間が長いほど赤色色素の純度が高くなり色調が向上するが、収量が減るという問題が知られている。そして、上記温度範囲以外、例えば加熱温度が40℃以下では、色素液の色調は赤紫色を呈し、所望する鮮明な赤色色素が得にくくなる。また、70℃以上では赤色色素も沈降性となり、色素回収率が低下すると引用文献2の段落[0009]に記載されている。
ところで、特許文献3には、クビレオゴノリを含むオゴノリ属の海藻由来のフィコエリスリンが記載されている。この発明のオゴノリ属の海藻由来のフィコエリスリンは、フィコエリスロビリンとタンパク質が共有結合したものであり、以下のような物性を有する。
(1)496±5nm、539±5nmおよび566±5nmに吸収極大波長を有す
る。
(2)496±5nmおよび539±5nmの励起波長で573±5nmの蛍光を発
する。
(3)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動で測定される分子量が
95,000±5,000である。
そしてその製造法は、オゴノリ属の海藻を粉砕した後、水と混合し、当該混合物を攪拌する工程と、得られた混合物を遠心分離し、その上清を得る工程を含むものであり、また、フィコエリスリンを精製するために、得られた上清に硫酸アンモニウムを添加し、沈殿物を回収後、この沈殿物を少量の蒸留水で再溶解し、蒸留水で透析、沈殿物中の硫酸アンモニウムを除く工程を使用できることも記載されている。更に、この透析後の再溶解液は、フィコエリスリンを豊富に含有するもので、そのまま各種用途に使用できるが、更に、クロマトグラフィー等の公知の手段により精製してもよいことも記載されている。
一方、フィコエリスリンを低分子化した例としては、フィコビリン結合部位のタンパク質アミノ酸配列を知る目的で、単細胞紅藻チノリモであるポルフィリディウム・クルエンタム(以下、「P.クルエンタム」と略称する)からクロマトグラフィー等でB−フィコエリスリンを精製し、トリプシン分解して得たフィコエリスロビリントリペプチドを解析した例がある(非特許文献3)。同様に、P.クルエンタムのフィコエリスリンをクロマトグラフィー等で精製したのち、トリプシン分解してフィコエリスロビリン結合ペプチド(アミノ酸数6〜40残基)を精製、フィコビリン結合部位のアミノ酸配列を解析した例がある(非特許文献4)。
また、フィコエリスリンから、ペプチド結合のないフィコエリスロビリン色素の生成については、P.クルエンタムのフィコエリスリンに、メタノールとHgClを用いてフィコビリンとシステイン残基の間の共有結合を解離させるメタノリシスによりフィコエリスロビリンの精製が報告されている(非特許文献4)。更に、ノリの焙焼によるフィコエリスロビリンの生成が報告されている(非特許文献5)。
このようにフィコエリスリンの製造法は多数報告されているが、いずれも製造工程が煩雑である上、大量生産には向いていないものであった。また、前記したようにフィコエリスリンは、開環テトラピロールであるフィコエリスロビリンとサブユニットタンパクが共有結合したものであるため、サブユニットタンパク由来部分の影響を受ける場合もあった。
特開2005−75851 特開平07−118555 特開2011−37714 特開2008−88102
J. Biol. Chem. 259, 5472-5480 (1984) http://bre.soc.i.kyoto-u.ac.jp/~jsfs-kin/History/H19/H19b/1.pdf、「海苔色素フィコエリスリンの抗炎症性の評価」平成20年度 日本水産学会近畿支部後期例会(劉 暢・西村優輝・菅原達也・平田 孝(京大院農) J. Am. Chem. SOC. 105, 4072-4076 (1983) J. Biol. Chem. 259, 5472-5480 (1984) http://bre.soc.i.kyoto-u.ac.jp/~jsfs-kin/History/H20/H20b/2.pdf、「ノリの焙焼によるフィコエリスロビリンの生成」、平成20年度 日本水産学会近畿支部後期例会(劉 暢・西村優輝・菅原達也・平田 孝(京大院農) J. Biol. Chem. 267, 14790-14798 (1992)
本発明は、フィコエリスリンを含有する藻類から赤色色素や、蛍光色素として使用できる成分を工業的に取得することが可能な技術、特に、色素等として有利に使用できる、フィコエリスリンを低分子化した、フィコエリスロビリンオリゴペプチドを大量生産しうる技術の提供を課題とするものである。
本発明者らは、フィコエリスリンを含有する藻類中から、工業的に有利に赤色色素や、蛍光色素(色素成分)を取得できる技術について研究を行っていたところ、まず、原料である藻類をタンパク質分解酵素で加水分解し、次いでこの加水分解物を熱水抽出することにより、容易に色素成分を可溶化できることを見出した。
またこの工程で得られたフィコエリスロビリンオリゴペプチドは、新規であり、赤色色素、蛍光色素としての作用のほか、従来の色素成分では報告されていなかったタンパク質糖化抑制作用を有することも見出した。
本発明は、これらの知見に基づくものであり、次の内容を含むものである。
(1)フィコエリスリンを含有する藻類をタンパク質分解酵素で加水分解後、熱水抽出
することにより得られるフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
(2)分子量が700以上10,000以下である(1)のフィコエリスロビリンオリ
ゴペプチド。
(3)水に対し可溶性である(1)または(2)のフィコエリスロビリンオリゴペプチ
ド。
(4)次の式(I)
(式中、Lはオリゴペプチド残基、Lはオリゴペプチド残基またはヒドロキシ
ル基を示し、LとLの合計のアミノ酸基の数は、20以内である)
で表される(1)ないし(3)の何れかのフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
(5)Lが、Val−Asn−Lys−であり、Lがヒドロキシル基である(4)
のフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
(6)フィコエリスリンを含有する藻類が、紅藻、藍藻、灰色藻およびクリプト藻より
なる群から選ばれたものである(1)ないし(5)の何れかのフィコエリスロビリ
ンオリゴペプチド。
(7)タンパク質分解酵素が、ペプシン、ブロメライン、パパイン、フィシン、サーモ
ライシン、プロテアーゼK、糸状菌由来プロテアーゼ、酵母由来プロテアーゼ、放
線菌由来プロテアーゼ、担子菌由来プロテアーゼおよび細菌由来プロテアーゼより
なる群から選ばれたものである(1)ないし(6)の何れかのフィコエリスロビリ
ンオリゴペプチド。
(8)フィコエリスリンを含有する藻類をタンパク質分解酵素で加水分解後、熱水抽出
することを特徴とするフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造法。
(9)フィコエリスリンを含有する藻類が、紅藻、藍藻、灰色藻およびクリプト藻から
なる群から選ばれたものである(8)のフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製
造法。
(10)タンパク質分解酵素が、ペプシン、ブロメライン、パパイン、フィシン、サー
モライシン、プロテアーゼK、糸状菌由来プロテアーゼ、酵母由来プロテアーゼ、
放線菌由来プロテアーゼ、担子菌由来プロテアーゼおよび細菌由来プロテアーゼよ
りなる群から選ばれたものである(8)または(9)のフィコエリスロビリンオリ
ゴペプチドの製造法。
(11)熱水抽出を、80ないし135℃の温度、0.1ないし0.22MPaの圧力
で行う(8)ないし(10)の何れかのフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製
造法。
(12)熱水抽出を1ないし60分間行う(8)ないし(11)のフィコエリスロビリ
ンオリゴペプチドの製造法。
(13)(1)ないし(7)の何れか記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含
有するタンパク質糖化抑制剤。
(14)(1)ないし(7)の何れか記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含
有する赤色色素。
(14)(1)ないし(7)の何れか記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含
有する蛍光色素。
本発明により、フィコエリスリンを含有する藻類から赤色色素、蛍光色素を容易に大量生産できる。本発明により得られた赤色色素、蛍光色素(分子量700以上10,000以下のフィコエリスロビリンオリゴペプチド)は、鮮やかな赤色を呈し、紫外線で励起することにより蛍光を発する。また、フィコエリスロビリンオリゴペプチドはタンパク質糖化抑制作用を有する。従って、本発明の色素は、食品分野では赤色色素、蛍光色素として、医療・研究分野ではタンパク質の蛍光標識用試薬として、また、蛍光を利用したオブジェの材料などとして利用することができ、さらには、タンパク質糖化抑制作用を有する健康食品として利用することができる。
クビレオゴノリをサーモライシンで加水分解・熱水抽出することによる赤色色素の可溶化を示す図である。 クビレオゴノリをプロテアーゼKで加水分解・熱水抽出することによる赤色色素の可溶化を示す図である。 イソノハナをサーモライシンで加水分解・熱水抽出することによる赤色色素の可溶化を示す図である。 クビレオゴノリ サーモライシン加水分解・熱水抽出液のセファデックスLH−20カラム分画によるフラクションNo.34をC30逆相カラムにより分離した図である。 クビレオゴノリ サーモライシン加水分解・熱水抽出液のシメトリー・プレップ C18カラムによるピークAの分取と、そのピークAをC30逆相カラムに負荷することによりフィコエリスロビリンオリゴペプチドを分離した図である。 イソノハナのサーモライシン加水分解・熱水抽出液を固相C18カートリッジ処理して得たフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含む画分のC18逆相カラムカラムによる分離を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されるものでなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
本発明のフィコエリスロビリンオリゴペプチドは、フィコエリスリンを含有する藻類をタンパク質分解酵素で加水分解後、熱水抽出することにより得ることができる。
このものは、例えば次の一般式(I)
(式中、Lはオリゴペプチド残基、Lはオリゴペプチド残基またはヒドロキシル基を示し、LとLの合計のアミノ酸基の数は、20以内である)
で表されるものである。
このものは、分子量が700以上10,000以下で、水に対して可溶性であり、赤色色素、蛍光色素としての作用を有するものである。なお、水に対して可溶性であることは、目視において浮遊物、沈殿物が認められないことを意味する。例えば、後述の実施例5において、得られた色素成分を、50mg/mlの濃度の水溶液とした際に浮遊物、沈殿物が認められず、また、これを15,000rpmで、15分間の遠心処理した後も沈降物を認められないことにより判断できる。
このフィコエリスロビリンオリゴペプチドを製造するための原料である藻類は、フィコエリスリンを含有する藻類である。このような藻類の例としては、紅藻や藍藻等が挙げられる。より具体的には、オゴノリ(Gracilaria tikvahiae)、クビレオゴノリ(Gracilaria blodgettii)、イソノハナ (Halymenia floresia)、チノリモ(Porphyridium Cruentum)、スサビノリ(Porphyra yezoensis)、アサクサノリ(Porphyra tenera)、テングサ(Gelidiaceae)、フノリ(Gloiopeltis)、マフノリ(Gloiopeltis tenax (Turner) Decaisne)等の紅藻、藍藻を挙げることができる。
上記のうち、クビレオゴノリは南西諸島に分布し、モーイ豆腐の原料(寒天の材料),刺身のツマや海藻サラダとして用いられている藻類である(沖縄水海研セ事報96,50−53(2008))。また、イソノハナは石垣島で冬季に見られる藻類である(沖縄深層水研報10号、19−20頁)。更に、紅藻、藍藻のほかにフィコエリスリンを含有するものであれば、灰色藻、クリプト藻を用いてもよい。更にまた、上記藻類に代え、精製したフィコエリスリンあるいはフィコエリスリンを含む粗製物を材料として用いてもよい。
一方、本発明に用いるタンパク質分解酵素は、特に限定されることなく種々のものを利用することができる。その具体例としては、ペプシン、ブロメライン、パパイン、フィシン、サーモライシン、プロテアーゼK、その他糸状菌由来プロテアーゼ、酵母由来プロテアーゼ、放線菌由来プロテアーゼ、担子菌由来プロテアーゼ、細菌由来プロテアーゼ等が含まれる。
本発明のフィコエリスロビリンオリゴペプチドを得るには、例えば次のようにすればよい。すなわち、まず、フィコエリスリンを含有する藻類(以下、「原料藻類」と略称することがある)を適当な反応容器中で水に懸濁させ、懸濁液とする。
原料藻類は、水で洗浄後、細かく細断して用いてもよいが、水洗後に乾燥、粉砕機で粉砕して用いるのが望ましい。また、反応容器としては、フラスコ、鍋等の容器を利用することができる。
更に、懸濁に利用する水としては、例えば、最終生産物が食品の用途である場合は、精製水が好適であるが、次の工程で用いるタンパク分解酵素の種類によっては、これに適合した緩衝液や、精製水中に塩類等の安定化剤を含むものであってもよい。
この懸濁液中の原料藻類の重量(乾燥重量)は、特に制約はなく適宜変更しうるが、例えば、精製水100mlあたり2g程度の濃度とすることが好ましい。
また、上記懸濁液は、例えば、ポリトロンなどでホモジェナイズすることが望ましいが、マグネットスターラー等で攪拌してもよい。
次に、このようにして調製した懸濁液に、上記したタンパク質分解酵素を加え、加水分解を行う。
この加水分解に用いるタンパク質分解酵素の濃度は、例えば、サーモライシンを用いる場合は、原料藻類の乾燥重量の0.1〜4質量%(以下、「%」で示す)程度(溶液中濃度として0.002%〜0.08%程度)、好ましくは0.5〜2%程度(溶液中濃度0.01%〜0.04%程度)であり、より好適には0.5%程度(溶液中濃度0.01%程度である。
また、加水分解反応を行う温度は、それぞれの酵素の至適温度付近とすれば良く、例えば、サーモライシンを用いる場合は、30℃から60℃程度の範囲であり、60℃で行うと反応時間が短くてすむ。更に、加水分解反応を行う時間はとくに限定はないが、例えばサーモライシンを用いる場合は1時間から6時間程度であり、3時間の反応時間で十分である。
上記加水分解反応物は、次に熱水抽出に付される。この熱水抽出は、前の酵素反応の停止工程も兼ねて行うこともできる。具体的には、沸騰水中に反応容器を入れ、1ないし60分間、好ましくは1ないし20分間、さらに好ましくは5ないし15分間煮沸することで行なえば良い。
以上のようにして得られる熱水抽出液は、次に、この容器を氷水中に入れることで、冷却される。得られた熱水抽出液は、冷却後遠心分離を行なうことで、上清として回収される。また、この方法に代え、濾紙等による濾過を行い、不溶物を除去しても良い。
このような工程により製造されたフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含有する色素液は、このまま利用してもよいが、凍結乾燥、遠心エバポレーター等で乾燥、粉末として利用してもよい。あるいは、さらに限外濾過、クロマトグラフィー等による精製を行い、高純度標品として利用してもよい。
かくして得られた本発明のフィコエリスロビリンオリゴペプチドは、例えば、赤色色素、蛍光色素等として、清涼飲料、乳酸飲料、調味料、スープ、チーズ、ハム、アイスクリーム、菓子類などの様々な食品中に添加して用いることができる。また、本発明に係るフィコエリスロビリンオリゴペプチドは、抗体や種々の生体タンパク質の蛍光標識を目的とした、医療、研究分野で用いることができる。
なお、フィコエリスロビリンオリゴペプチドおよびこれを含有する画分は、上記した色素としての作用の他、タンパク質糖化抑制作用を有することが本発明者により見出された。
タンパク質の糖化とは、タンパク質とグルコースが結合し、アマドリ化合物を経て糖化最終生成物(advanced glycosylation end products ;AGEs)を生成する現象で、AGEsとして多数の物質が知られている。例えば、カルボキシメチルリジンは、糖尿病時に生成し、カルボキシメチルリジン化したコラーゲンはヒト皮膚線維芽細胞のアポトーシスを誘導するとされている。ペントシジンはリジン残基とアルギニン残基が五炭糖により架橋された構造で蛍光性があり、糖尿病や慢性腎不全患者の血中ペントシジン濃度は高値になるとされている。またこのものは皮膚コラーゲン中にも存在して加齢と共に増加、骨粗鬆症を反映するマーカーとされている。
このタンパク質糖化を抑制する薬剤としては、アミノグアニジンなど多数の化合物が知られているが、経口的に摂取するにはその安全性に疑問があるものが多かった。
これに対し、本発明のフィコエリスロビリンオリゴペプチドおよびこれを含有する画分は、食品成分由来のものであるから、安全性が高く、アンチエイジングなどの目的で、さまざまな食品に添加し、機能性食品として用いることができる。
なお、海藻由来のタンパク質糖化抑制成分としては、特許文献4に、もずく成分の記載がある(特許文献4)。しかし、もずくは褐藻であり、赤色色素フィコエリスロビリンを含有しないことから、本発明の成分とは異なると判断される。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1.
クビレオゴノリからのフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造(1):
クビレオゴノリ((Gracilaria blodgettii);沖縄県産を乾燥し、これを破砕してクビレオゴノリ粉末を得た。この粉末0.4gを容量50mlの遠心チューブに入れ、蒸留水20mlを加えて攪拌した。更にこれにサーモライシン(株式会社ペプチド研究所製)2mgを添加し、60℃で3時間保温することで、タンパク質を加水分解した。
反応後、この遠心チューブを沸騰水中に10分間保持することで、熱水抽出を行った。10分経過後直ちに氷冷し、10,000rpmで10分間の遠心分離を行い、上清を回収した。また、サーモライシンを添加しない以外は、上と同様の処理を行ない、比較上清を得た。
得られたサーモライシンで処理後熱水抽出を行った上清を目視で観察したところ、このものは可溶化されており、赤色を呈していたが、比較上清では、赤色はほとんど観察できなかった。また、これらの540nmの吸光度は、サーモライシン処理後熱水抽出した上清で0.62、比較上清では0.036で、吸光度に20倍近い差のあることが確認できた。
また、サーモライシンで加水分解後、熱水抽出液した上清を365nmの紫外線で励起したところ、蛍光を発することが確認できた。
実 施 例 2.
クビレオゴノリからのフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造(2):
容量50mlの遠心チューブに、実施例1のクビレオゴノリ粉末0.5gを入れ、蒸留水25mlを加えて攪拌した。これにプロテアーゼK(プロメガ株式会社製)4mgを添加し、45℃で4時間保温することで、タンパク質を加水分解した。
反応後、この遠心チューブを沸騰水中に10分間保持することで、熱水抽出を行った。10分経過後直ちに氷冷し、10,000rpm、10分間の遠心分離を行い、上清を回収した。
この結果、プロテアーゼK処理後熱水抽出液した上清を目視で観察したところ、このものは可溶化されており、赤色を呈していた。また、この上清の540nmの吸光度は0.775であった。更に、プロテアーゼK処理後熱水抽出液した上清を365nmの紫外線で励起したところ蛍光を発することが確認できた。
実 施 例 3.
イソノハナからのフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造(1):
イソノハナ(Halymenia floresia;沖縄県産を乾燥し、これを破砕してイソノハナ粉末を得た。この粉末0.6gを容量50mlの遠心チューブに入れ、蒸留水30mlを加えて攪拌した。更にこれにサーモライシン3mgを添加し、60℃で3時間保温することで、タンパク質を加水分解した。
反応終了後、この遠心チューブを沸騰水中に10分間保持することで、熱水抽出を行った。10分間経過後、直ちに氷冷し、10,000rpm、10分間の遠心分離を行い、上清を回収した。また、サーモライシンを添加しない以外は、上記と同様の処理を行ない、比較上清を得た。
得られたサーモライシン処理後熱水抽出を行った上清を目視で観察したところ、このものは可溶化されており、比較上清に比べ濃い赤色を呈していた。これに対し、比較上清は僅かに赤色を呈しているが、低温にすると僅かに残存する多糖類の塊が浮遊し、この赤色部分はこの多糖類に吸着したものであり、実際は水に溶けていないものであった。
また、サーモライシンで加水分解後熱水抽出液した上清を365nmの紫外線で励起したところ蛍光を発することが確認できた。
実 施 例 4.
クビレオゴノリからのフィコエリスロビリンオリゴペプチドの精製:
容量200mlの三角フラスコに、実施例1のクビレオゴノリ粉末1gを入れ、蒸留水50mlを加えて攪拌した。これにサーモライシン5mgを添加し、60℃で3.5時間保温することで、タンパク質を加水分解した。
反応後、この三角フラスコを沸騰水中に10分間保持することで、熱水抽出を行った。抽出終了後直ちに氷冷し、10,000rpmで、10分間の遠心分離を行って、上清およそ46mlを回収した。この上清のうち40mlについて分画分子量10,000の限外濾過膜を通過させ、この液を遠心エバポレータで減圧下に乾燥させることにより344mgの固形物を得た。
この固形物のうち240mgをセファデックスLH−20カラム(内径26×900ミリメートル;GEヘルスケア・ジャパン株式会社製)に負荷し、30%メタノール水溶液で溶出した。7ml/フラクションで分画し、各フラクションの220nmおよび540nmの吸光度を測定した。
540nmの吸収のあるピークのうちフラクションNo.34について、遠心エバポレータで濃縮後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による精製を行った。C30逆相カラム(Develosil XG−C30M−3 4.6×250mm、野村化学株式会社製)に負荷し、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル水溶液の直線濃度勾配(流速1ml/分、0〜52%の勾配を30分間で行なう)により溶出し、540nmに吸収のあるピーク(図4の矢印)を分取した。
このピーク部分について、遠心エバポレータで溶媒を除去した後、Q−TOF LC/MS(Agilent 6530 Accurate-Mass Quadrupole Time-of-Flight (Q-TOF) LC/MS system)分析を行ったところ、プレカーサ−・イオン、[M+H] 1049.5115、MSMS プロダクト・イオン、[M+H] 587.2798のデータを得た。フィコエリスロビリンのモノアイソトピック質量が586.279114であるので、精製した成分はフィコエリスロビリンにアミノ酸4残基程度のペプチドが結合した物質であると推定できた。
実際、ペプチドと思われるピーク、[M+H] 463.2251のピークが確認できた。また、この物質のアミノ酸配列をアプライドバイオシステムズ社のプロテインシークエンサー(ニッピ株式会社に依頼分析)で解析したところ、Val−Asn−Lysの配列まで確認できた。フィコエリスロビリンはCysに結合しているため、ペプチド部分をVal−Asn−Lys−Cysとすると、分子量462.22610となり、上記ペプチドのMSMSプロダクト・イオン、[M+H] 463.2251と一致した。この配列は、オゴノリ属オゴノリ科の藻類、Gracilaria tenuistipitata liuiのR−フィコエリチリン・サブユニット アルファ(R-phycoerythrin, Subunit alpha)の配列上79−82に存在する。したがって、C30逆相カラム(Develosil XG-C30M-3 4.6×250mm)で540nmに吸収のあるピーク(図4の矢印)に含まれる物質は、フィコエリスロビリンとVal−Asn−Lys−Cysが結合した下記式(II)に示す構造のフィコエリスロビリンテトラペプチドであると推定される。
また、セファデックスLH−20カラムの代わりに、シメトリー・プレップ C18カラム(SymmetryPrep C18 7.8×300mm;Waters社製)により、フィコエリスロビリンオリゴペプチドを精製することもできる。すなわち、分画分子量10,000の限外濾過膜を通過させたて得た色素粗製物500mgを1mlの精製水に溶解し、その100μlをカラムに負荷し、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル水溶液の直線濃度勾配(流速1.5ml/分、0〜70%の勾配を50分間で行なう)により溶出し、図5(A)のピークAを分取した。これを8回繰り返した。
分取したピークAについて、C30逆相カラム(Develosil XG-C30M-3 4.6×250mm)に6回にわけて負荷し、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル水溶液の直線濃度勾配(流速1ml/分、0〜52%の勾配を30分間で行なう)により溶出し、図5(B)のピークA1とA2を分取した。A2は図4の矢印ピークと同一であった。
一方、ピークA1は遠心エバポレータで溶媒を除去した後、Q−TOF LC/MS システム分析を行ったところ、さらに二つのピークに分かれた(量比は1:2ほど)。それぞれのプレカーサー・イオンは[M+H] 1240.5159、[M+H]1311.5525であった。また、フィコエリスロビリンの存在を支持するそれぞれのMSMS プロダクト・イオン、[M+H] 587.2898、[M+H] 587.2810を確認した。すなわち、ピークA1は推定分子量1239と1310のフィコエリスロビリンオリゴペプチドがおよそ2:1の量比からなると推定できる。
実 施 例 5.
イソノハナからのフィコエリスロビリンオリゴペプチドの精製:
容量300mlの三角フラスコに実施例3のイソノハナ粉末3gを入れ、蒸留水150mlを加えて攪拌、これにサーモライシン15mgを添加し、60℃で3時間保温することで、タンパク質を加水分解した。
反応後、この遠心チューブを沸騰水中に10分間保持することで、熱水抽出を行った。抽出終了後直ちに氷冷し、10,000rpm、10分間の遠心分離を行い、上清を回収した。この上清のうち90mlを分画分子量30,000の限外濾過膜を通過させ、この液を遠心エバポレータで減圧下に乾燥させることにより1.35gの固形物を得た。
これを150mg/mlの濃度で蒸留水に溶解した。次に、C18カートリッジ(ISOLUTE SPE column 500 mgC18(EC) 3ml)による分画を行った。0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)1mlでカートリッジを洗浄後、上記試料0.5mlを負荷し、2mlの0.1%TFAでカートリッジを洗浄した。カートリッジにメタノールを0.5ml加えることで、赤色の色素を溶出した。この作業を合計10回行なった。
溶出液を合わせて遠心エバポレータで減圧下にメタノールを除去し、13mgの試料を得た。この試料に含有される色素についてHPLCにより精製した。C18逆相カラム(Symmetry C18 3.5μm 4.6×100mm、ウオーターズ社製)に負荷し、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル水溶液の直線濃度勾配(流速1ml/分、0〜40%の勾配を20分間で行なう)により溶出した。それを図6に示す。
540nmに吸収のある複数のピークを分取し、それぞれについて、遠心エバポレータで溶媒を除去した後、Q−TOF LC/MSシステム分析を行ったところ、図6のピーク1は[M+H] 1063.5260、MSMS プロダクト・イオン[M+H] 587.2816のデータを得た。
フィコエリスロビリンのモノアイソトロピック質量が586.279114であるので、精製した成分はフィコエリスロビリンにアミノ酸4残基程度のペプチドが結合した物質であると推定できる。
また、図6のピーク2は[M+H] 850.3775、MSMS プロダクト・オン[M+H] 587.2795のデータを得た。フィコエリスロビリンのアイソトロピック質量が586.279114であるので、精製した成分はフィコエリスロビリンにアミノ酸数残基のペプチドが結合した物質であると推定できる。
実施例4および5で精製したフィコエリスロビリンオリゴペプチドを下記表1に整理した。
実 例 例 6.
クビレオゴノリのフィコエリスロビリンオリゴペプチドのタンパク質糖化抑制
作用:
実施例4で得られた、ピークA1(推定分子量1239と1310のフィコエリスロビリンオリゴペプチドがおよそ2:1の量比からなる)の物質について、タンパク質糖化抑制効果を試験した。
本実施例では、グルコースと牛血清アルブミン(BSA)を60℃で3日間インキュベートすることにより糖化反応を行い、その蛍光発色を検出することによりタンパク質糖化抑制効果を評価した。
具体的には、PBS(−)溶液に溶解した50mg/mlの牛血清アルブミン0.05ml、PBS(−)溶液に溶解した1.7Mブドウ糖0.15ml、蒸留水または希釈した上記色素溶液0.05mlを1.5mlのチューブに入れ、60℃で3日間静置した。次いで、各チューブの溶液0.1mlを96穴マイクロプレートに移し、蛍光マイクロプレートリーダーにて、蛍光発生(励起波長Ex:355nm、蛍光波長Em:460nm)を測定した。また、終濃度1mMのアミノグアニジンを添加した場合についても同様の試験を行い陽性対照とした。
結果は下式により、タンパク質糖化抑制率(%)として算出したものを表2に示す。なお、各試料添加区は2連で、蒸留水添加区は4連で行い、それぞれの平均値を結果として記載した。
タンパク質糖化抑制率(%)=
[1 − (A−B)/ (A−B)]×100
:色素溶液添加における蛍光測定値
:蒸留水添加における蛍光測定値
:蒸留水添加、反応時間ゼロにおける蛍光測定値
この結果から、クビレオゴノリから得たフィコエリスロビリンオリゴペプチドはタンパク質糖化抑制効果を有することが示された。
実 施 例 7.
フィコエリスロビリンオリゴペプチド含有画分のタンパク質糖化抑制作用:
実施例5の方法により、C18カートリッジで分画した色素成分について、50mg/mlの濃度の水溶液として、タンパク質糖化抑制効果を試験した。
まず、PBS(−)溶液に溶解した50mg/mlの牛血清アルブミン0.1ml、PBS(−)溶液に溶解した1.7Mブドウ糖0.3ml、蒸留水または希釈した上記色素溶液0.1mlを1.5mlのチューブに入れ、60℃で3日間静置した。
次いで、各チューブの溶液0.1mlを96穴マイクロプレートに移し、蛍光マイクロプレートリーダーにて、蛍光発生(励起波長 Ex:355nm、蛍光波長 Em:460nm)を測定した。また、終濃度1mMのアミノグアニジンを添加した場合についても同様の試験を行い陽性対照とした。
結果は、実施例6と同様にタンパク質糖化抑制率(%)として算出し、表3に示した。
この結果、イソノハナから得たフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含む画分は濃度依存的にタンパク質糖化抑制効果を示すことが明らかとなった。


Claims (15)

  1. フィコエリスリンを含有する藻類をタンパク質分解酵素で加水分解後、熱水抽出することにより得られるフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
  2. 分子量が700以上10,000以下である請求項1記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
  3. 水に対し可溶性である請求項1または2記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
  4. 次の式(I)
    (式中、Lはオリゴペプチド残基、Lはオリゴペプチド残基またはヒドロキシル基を示し、LとLの合計のアミノ酸基の数は、20以内である)
    で表される請求項1ないし3の何れかの項記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
  5. が、Val−Asn−Lys−であり、Lがヒドロキシル基である請求項4記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
  6. フィコエリスリンを含有する藻類が、紅藻、藍藻、灰色藻、クリプト藻から選ばれるものである請求項1ないし5の何れかの項記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
  7. タンパク質分解酵素が、ペプシン、ブロメライン、パパイン、フィシン、サーモライシン、プロテアーゼK、糸状菌由来プロテアーゼ、酵母由来プロテアーゼ、放線菌由来プロテアーゼ、担子菌由来プロテアーゼおよび細菌由来プロテアーゼよりなる群から選ばれたものである請求項1ないし6の何れかの項記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチド。
  8. フィコエリスリンを含有する藻類をタンパク質分解酵素で加水分解後、熱水抽出することを特徴とするフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造法。
  9. フィコエリスリンを含有する藻類が、紅藻、藍藻、灰色藻およびクリプト藻からなる群から選ばれたものである請求項8記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造法。
  10. タンパク質分解酵素が、ペプシン、ブロメライン、パパイン、フィシン、サーモライシン、プロテアーゼK、糸状菌由来プロテアーゼ、酵母由来プロテアーゼ、放線菌由来プロテアーゼ、担子菌由来プロテアーゼおよび細菌由来プロテアーゼよりなる群から選ばれたものである請求項8または9記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造法。
  11. 熱水抽出を、80ないし135℃の温度、0.1ないし0.22MPaの圧力で行う請求項8ないし10の何れかの項記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造法。
  12. 熱水抽出を1ないし60分間行う請求項8ないし11の何れかの項記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドの製造法。
  13. 請求項1ないし7の何れかの項記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含有するタンパク質糖化抑制剤。
  14. 請求項1ないし7の何れかの項記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含有する赤色色素。
  15. 請求項1ないし7の何れかの項記載のフィコエリスロビリンオリゴペプチドを含有する蛍光色素。


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