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JP2016167901A - 同期機用制御装置、圧縮機、電気機器およびプログラム - Google Patents

同期機用制御装置、圧縮機、電気機器およびプログラム Download PDF

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JP2016167901A
JP2016167901A JP2015045473A JP2015045473A JP2016167901A JP 2016167901 A JP2016167901 A JP 2016167901A JP 2015045473 A JP2015045473 A JP 2015045473A JP 2015045473 A JP2015045473 A JP 2015045473A JP 2016167901 A JP2016167901 A JP 2016167901A
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Wataru Hatsuse
渉 初瀬
能登原 保夫
Yasuo Notohara
保夫 能登原
高畑 良一
Ryoichi Takahata
良一 高畑
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Abstract

【課題】モータを適切に制動できるようにする。【解決手段】直流電源(3,4)が出力する直流電圧(Ed)を変調し、負荷(50)を駆動する同期機(30)に供給するとともに、少なくとも、前記同期機(30)を制動する第1のモード(クランプモード)、または、前記負荷(50)が発生するトルクによって発電し前記直流電源(3,4)に対して回生する第2のモード(回生モード)のうち何れかの動作モードで動作可能な電力変換回路(40)と、前記直流電圧(Ed)に応じて、前記動作モードとして、前記第1または第2のモード(クランプモード,回生モード)のうち何れかを適宜指定する制御部(6)とを設けた。【選択図】図1

Description

本発明は、同期機用制御装置、圧縮機、電気機器およびプログラムに関する。
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約書には、「コンプレッサモータの停止時に冷媒の圧力差によりコンプレッサモータが逆回転をしないようにするとともにコンプレッサモータから異常音を発生しないようにしたものである」、「制御装置14は、インバータ装置11の正電圧側あるいは負電圧側の全てのスイッチング素子を通電するゼロベクトル通電手段と、正電圧側の1つのスイッチング素子と負電圧側の1つのスイッチング素子を通電する直流励磁通電手段と、コンプレッサモータの運転停止後に前記ゼロベクトル通電手段または前記直流励磁通電手段のいずれかを動作させる逆転を阻止する制動手段とを備えたものである」と記載されている。
特開2000−287485号公報
特許文献1に記載の技術によれば、コンプレッサモータの停止時に制動手段を動作させることにより、コンプレッサモータの逆回転や、異常音を抑制できる。しかし、このことは制動手段を動作させる電力を確保できることが前提になっており、停電等によって電力供給が遮断されると、コンプレッサモータを適切に制動することが困難になる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、モータを適切に制動できる同期機用制御装置、圧縮機、電気機器およびプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明にあっては、直流電源が出力する直流電圧を変調し、負荷を駆動する同期機に供給するとともに、少なくとも、前記同期機を制動する第1のモード、または、前記負荷が発生するトルクによって発電し前記直流電源に対して回生する第2のモードのうち何れかの動作モードで動作可能な電力変換回路と、前記直流電圧に応じて、前記動作モードとして、前記第1または第2のモードのうち何れかを適宜指定する制御部とを有することを特徴とする。
本発明の同期機用制御装置、圧縮機、電気機器およびプログラムによれば、モータを適切に制動できる。
本発明の第1実施形態によるモータ制御システムのブロック図である。 第1実施形態におけるスクロール圧縮機の断面図である。 第1実施形態におけるクランプモードの動作説明図である。 第1実施形態における回生モードの動作説明図である。 第1実施形態における動作モード設定プログラムのフローチャートである。 第1実施形態における回転速度Nの変化状況の例を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における動作モード設定プログラムのフローチャートである。 本発明の第3実施形態によるモータ制御システムのブロック図である。 第3実施形態におけるクランプモードの動作説明図である。 第3実施形態における回生モードの動作説明図である。
[実施形態の原理]
まず、後述する各実施形態の基本的な原理について説明する。
空気調和機や冷凍機等は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、該圧縮機構を駆動するモータと、該モータに電流を供給するインバータとを有している。モータが圧縮機構を駆動すると、圧縮機構の吸入部と吐出部との間に圧力差が生じる。ここで、インバータを突然オフ状態にすると、吸入部と吐出部との間の圧力差によって圧縮機構およびモータが逆回転する。モータとして永久磁石型同期電動機を適用している場合には、圧縮機構およびモータが逆回転すると、過大な誘起電圧が発生し、インバータ内の素子を破壊することがある。また、素子の破壊に至らなかったとしても、逆回転によって異常音が発生するという問題がある。
通常の空気調和機や冷凍機等は、圧縮機構の吸入部または吐出部に逆流防止弁を装着することにより、圧縮機構およびモータの逆回転を防止している。しかし、逆流防止弁を設けることは部品点数の増加によるコストアップにつながる。また、逆流防止弁は冷媒流路における抵抗として作用するため、空気調和機等の効率を下げる点においても不利に働く。特許文献1に記載の技術のように、モータの停止時に制動手段を動作させると、モータの逆回転や、異常音を防止できる。しかし、上述したように、停電等によって電力供給が遮断されると、制動手段を動作させ続けることが困難になるため、逆流防止弁を除去することが事実上不可能になる。
ここで、モータが逆回転することの是非を改めて検討すると、誘起電圧がインバータ内の素子を破壊しない程度の電圧であって、異常音がさほど大きくならない程度に回転速度を抑制できるのであれば、モータの逆回転は、必ずしも忌避する現象ではないと考えることができる。また、モータが永久磁石型同期電動機である場合は、ある程度の回転速度で逆回転させることにより、これを発電機として機能させることができ、制動のための電力を確保することができる。後述する各実施形態は、以上のような観点から、電力を消費しつつモータを制動し、必要に応じてモータの逆回転によって電力を確保することにより、停電時等においても長時間に渡ってモータの制動を継続しようとするものである。
[第1実施形態]
<第1実施形態の構成>
次に、図1に示すブロック図を参照し、本発明の第1実施形態によるモータ制御システムのハードウエア構成を説明する。
図1において、モータ30は永久磁石型同期電動機であり、回転子36と図示せぬ固定子鉄心とを有している。回転子36は永久磁石36aを埋設し、スクロール型の圧縮機構50に結合されている。また、固定子鉄心は、回転子36を囲む略筒状のバックヨークと、バックヨークから回転子36に向かって突出する複数のティースとを有している。図1に示すU相,V相,W相の固定子巻線33U,33V,33Wは、これらティースに巻回され、中性点34において相互に接続されている。
圧縮機構50は、モータ30によって駆動されると、吸入管52から吸入した冷媒を圧縮し、吐出管54から吐出する。コンバータ部3は、商用電源2から供給された交流電圧Vsを直流電圧Edに変換し、電解コンデンサ4を充電する。電力変換装置1は、直流電圧EdをPWM(pulse width modulation)変調し、モータ30に印加する電力変換回路40を有している。
電力変換回路40の内部に設けられた三相ブリッジ回路41においては、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)11,12が直列に接続されている。同様に、MOSFET13,14およびMOSFET15,16も直列に接続され、これら直列回路には、電解コンデンサ4によって直流電圧Edが印加される。MOSFET11,12の接続点、MOSFET13,14の接続点、およびMOSFET15,16の接続点は、各々固定子巻線33U,33V,33Wに接続されている。また、各MOSFET11〜16には、還流用のダイオード(符号なし)が並列に接続されている。
三相ブリッジ回路41から固定子巻線33U,33V,33Wに供給される電流をIu,Iv,Iwという。なお、これらを総称して、図1に示すように電流Iuvwと呼ぶ場合もある。電流Iuvwの測定値はインバータ制御部6に供給される。また、交流電圧Vsおよび直流電圧Edの測定値もインバータ制御部6に供給される。
インバータ制御部6は、CPU(Central Processing Unit)6aと、ROM(Read Only Memory)6bと、RAM(Random Access Memory)6cとを有しており、一般的なコンピュータとしての構成を備えている。CPU6aは、ROM6bに記憶された制御プログラムに基づいて、各種の動作を実行する。RAM6cは、CPU6aのワークメモリとして用いられる。インバータ制御部6は、電流Iuvwに基づいて、回転子36の位置すなわち回転角θを算出し、回転角θを微分することによって回転速度を算出する。また、インバータ制御部6は、後述する制御プログラムにより、動作モードの切替等の処理を実行する。
さらに、インバータ制御部6は、図示せぬ上位装置等から、モータ30の目標回転速度等について指令を受けると、現在の回転速度を目標回転速度に近づけ、一致させるような速度指令信号を出力する。パルス制御部7は、この速度指令信号に基づいて、各MOSFET11〜16のオン/オフタイミングを決定し、これらMOSFETのオン/オフを指令する制御信号をゲート・ドライバ42に供給する。ゲート・ドライバ42は、これら制御信号に基づいて、各MOSFET11〜16にゲート電圧を印加する。
モータ30および圧縮機構50は、図2に示すスクロール圧縮機100を構成する。そこで、図2に示す断面図を参照し、スクロール圧縮機100の構造を説明する。
スクロール圧縮機100は、高圧チャンバ方式の密閉型スクロール圧縮機であり、モータ30と、圧縮機構50と、これらを収納する筒状縦長の密閉容器110とを有している。圧縮機構50は、密閉容器110に固定された固定スクロール56と、回動自在に構成された旋回スクロール58とを有している。図示のように、圧縮機構50は、密閉容器110内の上部に配置され、モータ30は、密閉容器110内の下部に配置されている。そして、密閉容器110内の底部には、冷凍機油120が貯留されている。
密閉容器110は、円筒状のケーシング112に蓋チャンバ114と底チャンバ116とを上下に溶接して構成されている。蓋チャンバ114には、吸入管52が設けられている。吸入管52は、密閉容器110をその上面の蓋チャンバ114から貫通して圧縮機構50の吸入側に冷媒ガスを導くためのものである。吸入管52の底部における破線Aは、通常のスクロール圧縮機に設けられる逆流防止弁を示す。但し、本実施形態においては、ある程度の逆流を許容しつつモータ30を制御するものであるため、この逆流防止弁は設けられていない。
圧縮機構50において圧縮された冷媒は、密閉容器110の内部に吐出される。従って、密閉容器110の内部空間の大部分は、吐出圧室118を構成している。吐出管54は、密閉容器110内の吐出圧室118に連通するようにケーシング112の側面に接続されている。モータ30の固定子35は略筒状に形成され、ケーシング112に固定されている。回転子36は、略円柱状に形成され固定子35の内側に回転可能に設けられている。そして、回転子36が回転すると、回転子36に固定されたクランク軸38を介して、旋回スクロール58が旋回運動する。
<電力変換回路40の動作モード>
(第1のモード:クランプモード)
電力変換回路40は、クランプモード、回生モード、通常モード、およびフリーランモードという4種類の動作モードの何れかにおいて動作する。まず、図3の動作説明図を参照し、クランプモードにおける動作を説明する。クランプモードは、主として停電時に選択され得る動作モードである。クランプモードにおいては、破線で示したMOSFET11,13,15がオフ状態にされ、実線で示したMOSFET12,14,16がオン状態にされる。これにより、各固定子巻線33U,33V,33Wを相互に接続した状態と等価になり、モータ30に発電ブレーキがかかり、モータ30が制動される。
(第2のモード:回生モード)
次に、図4の動作説明図を参照し、回生モードにおける動作を説明する。回生モードも主として停電時に選択され得る動作モードであり、特に電解コンデンサ4から出力される直流電圧Edが低下したときに選択される。回生モードにおいては、破線で示した全てのMOSFET11〜16がオフ状態にされる。モータ30が逆回転して各固定子巻線33U,33V,33Wに逆起電力が発生すると、MOSFET11〜16に並列に接続された還流用のダイオード(符号なし)を介して電流が流れ、電解コンデンサ4が充電される。
(第3のモード:通常モード)
通常モードは、主として非停電時に選択される動作モードである。通常モードにおいては、インバータ制御部6は、図示せぬ上位装置等から与えられた目標回転速度を実現するように、三相ブリッジ回路41からPWM変調波を出力させ、冷媒を圧縮するようにモータ30を駆動する。
(第4のモード:フリーランモード)
フリーランモードは、モータ30をフリーラン状態すなわち惰性で回転し続ける状態にする動作モードである。フリーランモードは主として停電時に選択され得る動作モードであり、モータ30をフリーラン状態にしても差支えないと判断される場合に選択される。フリーランモードにおいては、通常モードと同様に三相ブリッジ回路41からPWM変調波が出力されるが、PWM変調波の平均値は、各固定子巻線33U,33V,33Wの逆起電力の平均値に等しくなるように制御される。これにより、モータ30は、電力変換回路40を切り離した場合と同様に、惰性で回転し続ける。
<第1実施形態の動作>
次に、図5および図6を参照し、本実施形態の動作を説明する。なお、図5は、インバータ制御部6内のROM6bに記憶されCPU6aによって実行される動作モード設定プログラムのフローチャートであり、図6は回転速度Nの変化状況の例を示すグラフである。図5において処理がステップS10に進むと、商用電源2の交流電圧Vsが所定の閾値Vsthを超えるか否かが判定される。ここで、閾値Vsthは、交流電圧Vsの正常な変動範囲よりも低い値に設定されている。従って、交流電圧Vsが正常な範囲であれば「Yes」と判定され、処理はステップS16に進む。ステップS16においては、動作モードが通常モードに設定される。
これにより、図示せぬ上位装置等から与えられた目標回転速度を実現するように、三相ブリッジ回路41からPWM変調波が出力され、モータ30が駆動される。以後、同様にステップS10,S16の処理が繰り返され、動作モードは通常モードに維持される。ここで、停電が発生すると、交流電圧Vsは閾値Vsth以下になるため、ステップS10において「No」と判定され、処理はステップS12に進む。ここでは、電解コンデンサ4から出力される直流電圧Edが閾値Edth未満であるか否かが判定される。ここで、閾値Edthは、直流電圧Edの正常な変動範囲よりも低い値に設定されている。
停電が生じた直後においては、直流電圧Edは正常な範囲内にあるため、ステップS12において「No」と判定され、処理はステップS14に進む。ステップS14では、モータ30の回転速度Nが、所定の負値である閾値Nth未満であるか否かが判定される。本実施形態においては、通常モードにおけるモータ30の回転方向(以下、正方向という)における回転速度Nを正値で表し、逆方向の回転速度Nを負値で表す。停電が生じた直後においては、回転方向は正方向であるため回転速度Nは正値である。一方、閾値Nthは負値であるから、ここで「No」と判定され、処理はステップS22に進む。
ステップS22においては、動作モードがフリーランモードに設定される。これにより、モータ30は、電力変換回路40を切り離した場合とほぼ同様に動作する。以後、ステップS10,S12,S14を介してステップS22が繰り返し実行され、動作モードはフリーランモードに保持される。停電が生じた直後においては、モータ30は正方向に回転しているが、吸入管52と吐出管54の圧力差により、逆方向の負荷トルクが印加されるので、モータ30の回転速度Nは比較的速い速度で減速してゆき、やがて逆回転が始まる。
ここで、図6を参照し、この段階までの動作について具体例を説明する。図6において時刻t1以前は、所定の正方向の回転速度Nでモータ30が回転している。これは、通常モードの動作である。時刻t1において停電が生じたとすると、上述したように、動作モードはフリーランモードに設定されるので、モータ30の回転速度Nは減少してゆき、やがて逆回転が始まっている。そして、時刻t2において、逆回転中の(負値である)回転速度Nが閾値Nthよりも低くなっている。
図5に戻り、回転速度Nが閾値Nthよりも低くなると、ステップS14において「Yes」と判定され、処理はステップS20に進む。ここでは、動作モードがクランプモードに設定される。その後、ステップS10,S12,S14を介してステップS20が繰り返し実行され、動作モードはクランプモードに保持される。その期間中は、モータ30に発電ブレーキがかかり、モータ30が制動されるので、回転速度Nが徐々に「0」に近づいてゆく。
やがて、回転速度Nが再び閾値Nth以上になると、ステップS14において「No」と判定され、ステップS22が実行されるので、動作モードは再びフリーランモードに設定される。なお、閾値Nthの絶対値|Nth|は、比較的低い値に設定するとよい。これにより、逆回転時における異常音の発生を抑制できるとともに、過大な逆起電力による素子の破壊を防止することができる。
以後、同様にして、クランプモードとフリーランモードとが交互に繰り返され、回転速度Nは閾値Nthを挟んで脈動するように変化する。再び図6を参照すると、時刻t2〜t3の期間が、クランプモードとフリーランモードとが交互に繰り返されている期間であり、回転速度Nは閾値Nthの付近で脈動するように変動していることが解る。クランプモードおよびフリーランモードにおける消費電力は、通常モードと比較すると、非常に小さいが、多少は電力を消費するため、電解コンデンサ4の直流電圧Edが徐々に低下してくる。
図5に戻り、直流電圧Edが徐々に低下して閾値Edth未満になると、ステップS12において「Yes」と判定され、処理はステップS18に進む。ここでは、動作モードが回生モードに設定される。以後、直流電圧Edが再び閾値Edth以上になるまで、ステップS10,S12を介してステップS18が繰り返し実行され、動作モードは回生モードに保持される。直流電圧Edが再び閾値Edth以上になると、回転速度Nと閾値Nthとの大小関係に基づいて(S14)、動作モードとしてクランプモード(S20)またはフリーランモード(S22)が再び選択されるようになる。
以上のように、回生モード(S18)、クランプモード(S20)またはフリーランモード(S22)が実行されてゆくと、やがて吸入管52と吐出管54の圧力差が小さくなってゆく。圧力差が小さくなると、回生モードまたはフリーランモードにおいても回転速度Nは「0」に近づいてゆくようになり、その後、モータ30および圧縮機構50は自然に停止する。
次に、再び図6を参照し、ここまでの動作について具体例を説明する。図6においては、時刻t3に直流電圧Edが閾値Edth未満になったことを想定している。従って、時刻t3において動作モードは回生モードに切り替えられ、その後、回転速度Nの絶対値は増加している。しかし、「回生モード」とは「回生ブレーキをかけている状態」でもあるため、回転速度Nの変動は比較的緩やかである。
その後、時刻t4において直流電圧Edが再び閾値Edth以上になったとする。すると、動作モードはクランプモードに切り替えられ、回転速度Nは再び「0」に近づいてゆく。その後、吸入管52と吐出管54の圧力差が小さくなっていったとすると、回転速度Nが閾値Nth以上になったとしても(動作モードが回生モードまたはフリーランモードになったとしても)回転速度Nはさらに「0」に近づいてゆき、時刻t5には完全に「0」になっている。
以上のように、本実施形態においては、必要に応じてモータ30を回生モードで駆動できるため、停電時においても制動のための電力を確保しながら、モータ30を長時間に渡って制動し続けることができる。また、本実施形態においては、直流電圧Edが閾値Edth以上であって回転速度Nが閾値Nth以上である場合には、フリーランモードが選択される。これにより、圧縮機構50内の冷媒の流れを比較的速くすることができ、停電発生時からモータ30が完全停止するまでに要する時間を短くできる点で有利である。
また、上述した説明では、「停電時」においてモータ30を制御することを想定していたが、「非停電時」においてモータ30を停止させる場合にも、同様の処理を行ってもよい。すなわち、「非停電時」にモータ30を停止させる場合に、コンバータ部3の動作をオフ状態にし、「コンバータ部3のオフ状態」を「Vs<Vsthの状態」とみなして、上述したものと同様の処理を実行するとよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態によるモータ制御システムについて説明する。
第2実施形態のハードウエア構成は、第1実施形態のもの(図1)と同様である。また、第2実施形態における動作モードは、通常モード、クランプモード(図3)または回生モード(図4)のうち何れかであり、フリーランモードは選択されることはない。
次に、図7を参照し、本実施形態の動作を説明する。なお、図7は、本実施形態においてROM6bに記憶されている動作モード設定プログラムのフローチャートである。
図7において処理がステップS10に進むと、商用電源2の交流電圧Vsが所定の閾値Vsthを超えるか否かが判定される。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS16に進み、動作モードが「通常モード」に設定される。これらステップS10,S16の処理は第1実施形態のもの(図5)と同様である。
停電が生じ、交流電圧Vsが閾値Vsth以下になると、ステップS10において「No」と判定され処理はステップS30に進み、直流電圧Edが閾値Edth1以上であるか否かが判定される。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS32に進み、動作モードとしてクランプモードが選択され、処理はステップS10に戻る。以後、直流電圧Edが閾値Edth1以上である限り、ステップS10,S30を介してステップS32が繰り返し実行され、動作モードはクランプモードに保持される。その後、直流電圧Edが閾値Edth1未満になると、ステップS30において「No」と判定され、処理はステップS34に進む。
ステップS34においては、動作モードが回生モードに設定される。次に、処理がステップS36に進むと、直流電圧Edが閾値Edth2以上であるか否かが判定される。なお、閾値Edth2は、閾値Edth1よりも若干高い値に設定されている。ここで「No」と判定されると処理はステップS34に戻る。以後、直流電圧Edが閾値Edth2以上になるまで、ステップS34,S36が繰り返され、動作モードは回生モードに保持される。そして、直流電圧Edが閾値Edth2以上になると、ステップS36において「Yes」と判定され、処理はステップS10を介してステップS30に進む。
上述のように、閾値Edth2は、閾値Edth1よりも若干高いため、先にステップS36において「Yes」と判定されたならば、その直後のステップS30では必ず「Yes」と判定され、ステップS32において動作モードはクランプモードに設定される。その後、直流電圧Edが再び閾値Edth1未満になるまで、動作モードはクランプモードのまま保持される。以後同様に、クランプモード(S32)および回生モード(S34)が交互に繰り返される。
本実施形態では、閾値Edth1,Edth2に「Edth1<Edth2」という関係を付したことにより、クランプモード、回生モードの何れも、ある程度の時間継続させることができ、頻繁な動作モードの切替を防止することができる。その後、吸入管52と吐出管54の圧力差が小さくなってゆくと、モータ30および圧縮機構50は自然に停止する。
以上のように、本実施形態においては、必要に応じてモータ30を回生モードで駆動できるため、第1実施形態と同様に、停電時においても制動のための電力を確保しながら、モータ30を長時間に渡って制動し続けることができる。また、本実施形態においては、フリーランモードが採用されていないため、停電時に回転速度Nを検出する必要がなくなる。これにより、インバータ制御部6の構成を簡略化でき、コストダウンを実現できる点で有利である。
[第3実施形態]
次に、図8に示すブロック図を参照し、本発明の第3実施形態によるモータ制御システムのハードウエア構成を説明する。なお、図8において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態においては、モータ30に代えて、図8に示すモータ30Aが適用される。モータ30Aは、U相,V相,W相の固定子巻線を有している。まず、U相について、固定子巻線31U,32Uは直列に接続されている。同様に、V相の固定子巻線31V,32Vも直列に接続されており、W相の固定子巻線31W,32Wも直列に接続されている。
そして、固定子巻線32U,32V,32Wは、中性点34にて相互に接続されている。固定子巻線31U,31V,31Wの端子のうち、固定子巻線32U,32V,32Wに接続されていない側の端子を「第1入力端子」と呼び、固定子巻線32U,32V,32Wに接続されている側の端子すなわちタップ端子を「第2入力端子」と呼ぶ。また、固定子巻線31U,31V,31W,32U,32V,32Wを総称して「固定子巻線31,32」のように呼ぶ場合がある。
また、本実施形態においては、第1実施形態における電力変換回路40に代えて、図8に示す電力変換回路40Aが適用される。その内部において、三相ブリッジ回路41の構成は第1実施形態のものと同様であり、MOSFET11,12の接続点、MOSFET13,14の接続点、およびMOSFET15,16の接続点は、各々第1入力端子のU相,V相,W相に接続されている。
また、電力変換回路40Aにおいては、他の三相ブリッジ回路43も設けられている。三相ブリッジ回路43は、上述したMOSFET11〜16と同様に接続されたMOSFET21〜26を有している。MOSFET21,22の接続点、MOSFET23,24の接続点、およびMOSFET25,26の接続点の電圧は、各々第2入力端子のU相,V相,W相に接続されている。ゲート・ドライバ44は、三相ブリッジ回路43内のMOSFET21〜26に対して、ゲート電圧を印加する。
三相ブリッジ回路41からモータ30Aの各相の第1入力端子に供給される電流をIu1,Iv1,Iw1という。なお、これらを総称して、図8に示すように電流Iuvw1と呼ぶ場合もある。また、三相ブリッジ回路43からモータ30Aの第2入力端子に供給される電流をIu2,Iv2,Iw2という。なお、これらを総称して、図8に示すように電流Iuvw2と呼ぶ場合もある。
電流Iuvw1,Iuvw2の測定値はインバータ制御部6に供給される。これにより、インバータ制御部6において、モータ30Aの回転角が検出されるとともに、回転角を微分することによって回転速度が算出される。インバータ制御部6は、図示せぬ上位装置等から、モータ30Aの目標回転速度等について指令を受けると、現在の回転速度を目標回転速度に近づけ、一致させるような速度指令信号を出力する。パルス制御部7は、この速度指令信号に基づいて、各MOSFET11〜16,21〜26のオン/オフタイミングを決定し、これらMOSFETのオン/オフを指令する制御信号をゲート・ドライバ42,44に供給する。ゲート・ドライバ42,44は、これら制御信号に基づいて、各MOSFET11〜16,21〜26にゲート電圧を印加する。
本実施形態においては、モータ30Aを低速運転する場合は、三相ブリッジ回路41と、直列接続された固定子巻線31,32とを用いて、モータ30Aを駆動する。これにより、固定子巻線32のみを用いる場合と比較して、電流Iuvw1を小さくすることができるため、モータ30Aを高効率で駆動することができる。一方、モータ30Aを高速運転する場合には、三相ブリッジ回路43と、固定子巻線32とを用いてモータ30Aを駆動する。固定子巻線32の単独の逆起電力は、直列接続された固定子巻線31,32の逆起電力よりも低いため、直流電圧Edを上げることなく高速運転に対応することができる。上述した以外の本実施形態の構成は、第1実施形態のもの(図1,図2)と同様である。
<電力変換回路40Aの動作モード>
(第1のモード:クランプモード)
第1実施形態と同様に、本実施形態の電力変換回路40Aも、クランプモード、回生モード、通常モード、およびフリーランモードという4種類の動作モードの何れかにおいて動作する。まず、図9の動作説明図を参照し、クランプモードにおける動作を説明する。本実施形態においても、クランプモードは、主として停電時に選択され得る動作モードである。
図9に示すクランプモードにおいて、三相ブリッジ回路41内のMOSFET11〜16は、全てオフ状態にされる。また、還流用のダイオード(符号なし)も電流が流れないように制御される。具体的には、三相ブリッジ回路41と電解コンデンサ4とを接続するラインを、アナログスイッチ等を用いて切断状態にするとよい。三相ブリッジ回路41に電流が流れないため、固定子巻線31にも電流は流れない。そこで、図9においてこれらの要素を破線で示す。
また、三相ブリッジ回路43においては、破線で示したMOSFET21,23,25がオフ状態にされ、実線で示したMOSFET22,24,26がオン状態にされる。これにより、固定子巻線32を相互に接続した状態と等価になり、モータ30Aに発電ブレーキがかかり、モータ30Aが制動される。クランプモードにおいて三相ブリッジ回路43を使用する理由は、固定子巻線32にて発生する逆起電力は比較的低いため、その逆起電力によって予期せぬ回生動作が起きることを抑制でき、一定条件下で制動を継続できるためである。
(第2のモード:回生モード)
次に、図10の動作説明図を参照し、本実施形態の回生モードにおける動作を説明する。本実施形態においても、回生モードは主として停電時に選択され得る動作モードであり、三相ブリッジ回路41,43内のMOSFET11〜16,21〜26は全てオフ状態にされる。これにより、直列接続された固定子巻線31,32の逆起電力により、三相ブリッジ回路41内の還流用のダイオードを介して電流が流れ、電解コンデンサ4が充電される。
なお、三相ブリッジ回路43に対しても、固定子巻線32のみによる逆起電力が印加されるが、この逆起電力は、直列接続された固定子巻線31,32の逆起電力によりも低いため、結果的に三相ブリッジ回路43には電流は流れない。そこで、図10においては、三相ブリッジ回路43内の要素は、還流用のダイオードも含めて破線で示しておく。回生モードにおいて三相ブリッジ回路41を使用する理由は、高い逆起電力によって回生動作をよりスムーズに進めることができるからである。
(第3のモード:通常モード)
本実施形態においても、通常モードは、主として非停電時に選択される動作モードである。通常モードにおいては、インバータ制御部6は、図示せぬ上位装置等から与えられた目標回転速度を実現するように、三相ブリッジ回路41,43からPWM変調波を出力させ、冷媒を圧縮するようにモータ30Aを駆動する。上述したように、低速運転時には三相ブリッジ回路41が駆動され、高速運転時には三相ブリッジ回路43が駆動される。
(第4のモード:フリーランモード)
本実施形態においても、フリーランモードは、モータ30Aをフリーラン状態すなわち惰性で回転し続ける状態にする動作モードであり、主として停電時にモータ30Aをフリーラン状態にしても差支えないと判断される場合に選択される。フリーランモードにおいても、低速運転時には三相ブリッジ回路41からPWM変調波が出力され、高速運転時には三相ブリッジ回路43からPWM変調波が出力される。何れの場合も、PWM変調波の平均値は、動作中の三相ブリッジ回路(41または43)に印加される逆起電力の平均値に等しくなるように制御される。これにより、モータ30Aは、電力変換回路40Aを切り離した場合と同様に、惰性で回転し続ける。
<第3実施形態の動作>
第3実施形態においては、第1実施形態と同様に、図5に示した動作モード設定プログラムが起動される。但し、通常モード(S16)、回生モード(S18)、クランプモード(S20)、フリーランモード(S22)における個々の具体的な動作は、上述したように第1実施形態のものとは若干相違する。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態のハードウエア構成は、第3実施形態のもの(図8)と同様である。また、第4実施形態において、動作モード設定プログラムは、図7(第2実施形態)のものが適用される。但し、通常モード(S16)、クランプモード(S32)、回生モード(S34)における個々の具体的な動作は、第3実施形態と同様であり、第2実施形態のものとは若干相違する。
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(1)上記各実施形態において、電力変換回路40,40Aはモータ30,30Aに対してPWM変調波を供給したが、モータ30,30Aに供給する電圧波形はPWM変調波に限られるものではなく、PAM(Pulse Amplitude Modulation)変調波、正弦波、あるいは単なる方形波であってもよい。
(2)上記各実施形態は、空気調和機、冷凍機など、冷媒を圧縮する圧縮機を備えた様々な電気機器に適用することができる。また、冷媒の圧縮とは関係しないが停電時に負荷トルクが印加される種々の電気機器、例えば、クレーン、エレベータ、傾斜ベルトコンベア等にも適用できる。
(3)上記各実施形態におけるインバータ制御部6のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、図5、図7に示したプログラムのみを記憶媒体に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
(4)図5、図7に示した処理は、上記各実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(field-programmable gate array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えても良い。
[構成・効果の総括]
以上のように、第1〜第4実施形態は、直流電源(3,4)が出力する直流電圧(Ed)を変調し、負荷(50)を駆動する同期機(30,30A)に供給するとともに、少なくとも、前記同期機(30,30A)を制動する第1のモード(クランプモード)、または、前記負荷(50)が発生するトルクによって発電し前記直流電源(3,4)に対して回生する第2のモード(回生モード)のうち何れかの動作モードで動作可能な電力変換回路(40,40A)と、前記直流電圧(Ed)に応じて、前記動作モードとして、前記第1または第2のモード(クランプモード,回生モード)のうち何れかを適宜指定する制御部(6)とを有することを特徴とする。
これにより、停電時においても、必要に応じて第2のモード(回生モード)で電力を確保しつつ、第1のモード(クランプモード)によって同期機(30,30A)を制動することができる。これら第1〜第4実施形態を圧縮機に適用する場合には、逆流防止弁(図2の破線Aを参照)を設ける必要がなくなるので、圧縮機のコストダウンを図ることができる。さらに、冷媒流路における抵抗を下げることができるため、運転時の効率も高めることができる。
さらに、第1〜第4実施形態において、直流電源(3,4)は、コンデンサ(4)と、交流電圧(Vs)を電源として前記コンデンサ(4)を充電するコンバータ(3)とを有するものであり、前記電力変換回路(40,40A)は、前記動作モードとして、前記第1および第2のモード(クランプモード,回生モード)に加えて、前記直流電源(3,4)から出力される電流によって前記負荷(50)を駆動する第3のモード(通常モード)においても動作可能であり、前記制御部(6)は、前記動作モードとして、前記交流電圧(Vs)が所定の交流電圧閾値(Vsth)を超えている場合に前記第3のモード(通常モード)を指定するとともに、前記交流電圧(Vs)が前記交流電圧閾値(Vsth)以下である場合に、前記第1または第2のモード(クランプモード,回生モード)を適宜指定することを特徴とする。
これにより、停電が発生し、交流電圧(Vs)が交流電圧閾値(Vsth)以下になると、動作モードを第3のモード(通常モード)から、第1または第2のモード(クランプモード,回生モード)に自動的に切り替えることができる。
さらに、第1〜第4実施形態の制御部(6)は、前記交流電圧(Vs)が前記交流電圧閾値(Vsth)未満であって、前記直流電圧(Ed)が所定の第1の直流電圧閾値(Edth,Edth1)未満であるときに、前記動作モードとして前記第2のモード(回生モード)を指定することを特徴とする。これにより、コンデンサ(4)の直流電圧(Ed)が下がった際、コンデンサ(4)を自動的に充電することができる。
さらに、第1〜第4実施形態の制御部(6)は、前記交流電圧(Vs)が前記交流電圧閾値(Vsth)未満であって、前記直流電圧(Ed)が前記第1の直流電圧閾値(Edth,Edth1)以上であるときに、前記動作モードとして前記第1のモード(クランプモード)を指定することを特徴とする。これにより、コンデンサ(4)の直流電圧(Ed)が第1の直流電圧閾値(Edth,Edth1)以上になると、自動的に第1のモード(クランプモード)を指定することができる。
さらに、第1,第3実施形態の電力変換回路(40,40A)は、前記動作モードとして、前記第1,第2および第3のモード(クランプモード,回生モード,通常モード)に加えて、前記同期機(30,30A)をフリーラン状態にする第4のモード(フリーランモード)においても動作可能であり、前記制御部(6)は、前記同期機(30,30A)の回転速度(N)が停止状態(速度「0」)を含む所定範囲内(N≧Nth)である場合に、前記動作モードとして前記第4のモード(フリーランモード)を適宜指定することを特徴とする。これにより、同期機(30,30A)をフリーラン状態で運転しても差支えない場合は、第4のモード(フリーランモード)によって、速やかに冷媒を流すことができる。
さらに、第2,第4実施形態の制御部(6)は、前記動作モードとして前記第2のモード(回生モード)を選択すると、前記直流電圧(Ed)が前記第1の直流電圧閾値(Edth1)よりも高い第2の直流電圧閾値(Edth2)以上になるまで、前記動作モードを前記第2のモード(回生モード)に維持することを特徴とする。これにより、第1および第2のモード(クランプモード,回生モード)の何れも、ある程度の時間継続させることができ、頻繁な動作モードの切替を防止することができる。
さらに、第3,第4実施形態においては、前記同期機(30A)は、各相毎に設けられた第1の固定子巻線(31)と、各相の前記第1の固定子巻線(31)の一端と中性点(34)との間に接続された第2の固定子巻線(32)とを有し、前記電力変換回路(40A)は、各相の前記第1の固定子巻線(31)の他端に電圧を印加する第1の電圧出力部(41)と、各相の前記第1および第2の固定子巻線(31,32)の接続点に電圧を印加する第2の電圧出力部(43)とを有するものであり、前記制御部(6)は、前記動作モードとして前記第2のモード(回生モード)を指定する場合には、前記第1の電圧出力部(41)を介して前記コンデンサ(4)を充電させることを特徴とする。これにより、第1の電圧出力部(41)に印加される高い逆起電力によって、回生動作をよりスムーズに進めることができる。
さらに、第3,第4実施形態の制御部(6)は、前記動作モードとして前記第1のモード(クランプモード)を指定する場合には、前記第2の電圧出力部(43)によって前記同期機(30A)を制動することを特徴とする。第2の固定子巻線(32)にて発生する逆起電力は比較的低いため、かかる構成により、予期せぬ回生動作が起きることを抑制でき、一定条件下で制動を継続できる。
また、第1〜第4実施形態の圧縮機(100)にあっては、同期機用制御装置(1)と、前記同期機(30,30A)と、冷媒を圧縮する圧縮機構である前記負荷(50)とを有することを特徴とする。これにより、停電時において圧縮機(100)の回転を制御することができ、逆流防止弁を設ける必要がなくなるので、圧縮機のコストダウンを図ることができるとともに、運転時の効率も高めることができる。
また、変形例(2)の電気機器にあっては、第1〜第4実施形態の同期機用制御装置(1)を有するので、電気機器のコストダウンを図ることができるとともに、運転時の効率も高めることができる。
1 電力変換装置(同期機用制御装置)
2 商用電源
3 コンバータ部(コンバータ、直流電源)
4 電解コンデンサ(コンデンサ、直流電源)
6 インバータ制御部(制御部)
6a CPU
6b ROM
6c RAM
7 パルス制御部
11〜16,21〜26 MOSFET
30,30A モータ(同期機)
31,31U,31V,31W 固定子巻線(第1の固定子巻線)
32,32U,32V,32W 固定子巻線(第2の固定子巻線)
33,33U,33V,33W 固定子巻線
34 中性点
35 固定子
36 回転子
36a 永久磁石
40,40A 電力変換回路
41 三相ブリッジ回路(第1の電圧出力部)
43 三相ブリッジ回路(第2の電圧出力部)
42,44 ゲート・ドライバ
50 圧縮機構(負荷)
52 吸入管
54 吐出管
100 スクロール圧縮機(圧縮機)

Claims (11)

  1. 直流電源が出力する直流電圧を変調し、負荷を駆動する同期機に供給するとともに、少なくとも、前記同期機を制動する第1のモード、または、前記負荷が発生するトルクによって発電し前記直流電源に対して回生する第2のモードのうち何れかの動作モードで動作可能な電力変換回路と、
    前記直流電圧に応じて、前記動作モードとして、前記第1または第2のモードのうち何れかを適宜指定する制御部と
    を有することを特徴とする同期機用制御装置。
  2. 前記直流電源は、コンデンサと、交流電圧を電源として前記コンデンサを充電するコンバータとを有するものであり、
    前記電力変換回路は、前記動作モードとして、前記第1および第2のモードに加えて、前記直流電源から出力される電流によって前記負荷を駆動する第3のモードにおいても動作可能であり、
    前記制御部は、前記動作モードとして、前記交流電圧が所定の交流電圧閾値を超えている場合に前記第3のモードを指定するとともに、前記交流電圧が前記交流電圧閾値以下である場合に、前記第1または第2のモードを適宜指定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の同期機用制御装置。
  3. 前記制御部は、前記交流電圧が前記交流電圧閾値未満であって、前記直流電圧が所定の第1の直流電圧閾値未満であるときに、前記動作モードとして前記第2のモードを指定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の同期機用制御装置。
  4. 前記制御部は、前記交流電圧が前記交流電圧閾値未満であって、前記直流電圧が前記第1の直流電圧閾値以上であるときに、前記動作モードとして前記第1のモードを指定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の同期機用制御装置。
  5. 前記電力変換回路は、前記動作モードとして、前記第1,第2および第3のモードに加えて、前記同期機をフリーラン状態にする第4のモードにおいても動作可能であり、
    前記制御部は、前記同期機の回転速度が停止状態を含む所定範囲内である場合に、前記動作モードとして前記第4のモードを適宜指定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の同期機用制御装置。
  6. 前記制御部は、前記動作モードとして前記第2のモードを選択すると、前記直流電圧が前記第1の直流電圧閾値よりも高い第2の直流電圧閾値以上になるまで、前記動作モードを前記第2のモードに維持する
    ことを特徴とする請求項4に記載の同期機用制御装置。
  7. 前記同期機は、各相に設けられた第1の固定子巻線と、各相の前記第1の固定子巻線の一端と中性点との間に接続された第2の固定子巻線とを有し、
    前記電力変換回路は、各相の前記第1の固定子巻線の他端に電圧を印加する第1の電圧出力部と、各相の前記第1および第2の固定子巻線の接続点に電圧を印加する第2の電圧出力部とを有するものであり、
    前記制御部は、前記動作モードとして前記第2のモードを指定する場合には、前記第1の電圧出力部を介して前記コンデンサを充電させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の同期機用制御装置。
  8. 前記制御部は、前記動作モードとして前記第1のモードを指定する場合には、前記第2の電圧出力部によって前記同期機を制動する
    ことを特徴とする請求項7に記載の同期機用制御装置。
  9. 請求項1に記載の同期機用制御装置と、
    前記同期機と、
    冷媒を圧縮する圧縮機構である前記負荷と
    を有することを特徴とする圧縮機。
  10. 請求項1に記載の同期機用制御装置を有することを特徴とする電気機器。
  11. 直流電源が出力する直流電圧を変調し、負荷を駆動する同期機に供給するとともに、少なくとも、前記同期機を制動する第1のモード、または、前記負荷が発生するトルクによって発電し前記直流電源に対して回生する第2のモードのうち何れかの動作モードで動作可能な電力変換回路と、
    コンピュータである制御部と
    を有する同期機用制御装置に適用されるプログラムであって、前記制御部を、
    前記直流電圧に応じて、前記動作モードとして、前記第1または第2のモードのうち何れかを適宜指定する手段
    として機能させるためのプログラム。
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