[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2016163018A - 角型磁心の製造方法及び治具 - Google Patents

角型磁心の製造方法及び治具 Download PDF

Info

Publication number
JP2016163018A
JP2016163018A JP2015043671A JP2015043671A JP2016163018A JP 2016163018 A JP2016163018 A JP 2016163018A JP 2015043671 A JP2015043671 A JP 2015043671A JP 2015043671 A JP2015043671 A JP 2015043671A JP 2016163018 A JP2016163018 A JP 2016163018A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
jig
element body
magnetic core
hollow
shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015043671A
Other languages
English (en)
Inventor
高橋 正彦
Masahiko Takahashi
正彦 高橋
幸一 岡本
Koichi Okamoto
幸一 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
NEC Tokin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Tokin Corp filed Critical NEC Tokin Corp
Priority to JP2015043671A priority Critical patent/JP2016163018A/ja
Publication of JP2016163018A publication Critical patent/JP2016163018A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

【課題】変形歪みの小さい角型磁心を少ない工数で製造する方法を提供する。
【解決手段】楕円柱の形状を有する第1の治具1を用いて、中空の楕円柱の形状を有する素体2を得る段階aと、素体2の中空から第1の治具1を取り外す段階bと、少なくとも一部に四角柱の形状を有する第2の治具3の、四角柱の部分を、素体2の中空に挿入する段階cと、中空に挿入した、第2の治具3の四角柱の部分を、予め定められた形状に変形させ、該変形に伴って素体2を変形させることにより、角型磁心38を得る段階dとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は磁心の製造方法に関し、特に、角型磁心の製造方法に関する。
Fe基非晶質軟磁性合金(以下、Fe系アモルファスと記す)からなる角型磁心の製造方法としては、材料を短冊状に切断し1層ごと角型状に積層していく方法、切断した材料を1層ずつ積層しトロイダル形状磁心を作製してから角型に変形する方法等がある。
特許文献1には、図6に示すように、材料を短冊状に切断し、1層ごと角型状に積層していく方法が記載されている。
特許文献2には、図7に示すように、まず、切断した材料を1層ずつ積層してトロイダル形状磁心を製造し、次に、トロイダル形状の磁心を角型に変形する方法が記載されている。
特許文献3には、非晶質磁性合金からなる薄帯を巻き回してなる円形の巻鉄心素体の外周面及び内周面に、薄帯より板厚が厚い補強枠を設けることにより、巻鉄心素体を矩形成形して巻鉄心を得ることが記載されている。
特許文献4には、帯状の珪素鋼帯を円形に巻回して形成した環状の鉄心素体を、その内側の環状の窓孔に挿入した成形治具により矩形状に成形加工して形成した変圧器鉄心において、矩形状に成形加工された変圧器鉄心の外周面には、変圧器鉄心の窓孔四隅に配置した成形治具のコーナー支柱の位置と対応する長さ寸法にて形成した押圧板をレグ部とヨーク部とにそれぞれ配置し、前記各押圧板を締付バンドにて変圧器鉄心の外周に移動不能に締着して、変圧器鉄心の矩形状態を維持することが記載されている。
特開平06−140269号公報、図4 特開2004−253677号公報、図2 特開平05−347219号公報、図4、図5 特開2002−289441号公報、図1
特許文献1、2に記載の方法は、板材を積層することにより磁心を形成する方法である。これらの方法では、多数の板材を積層する都合上、板材を切断する工程や、積層した板材を1層毎に仮留めする工程が必要となる。このため、工数が多く、製造に長時間を要していた。
特許文献3、4に記載の方法は、金属の薄帯を同心円状に巻き回すことにより円筒状の素体を形成した後、その円筒の内部と外部から力を加えることにより、円筒から矩形筒に変形するものである。薄帯の巻き回しで素体を形成するため、多数の板材を積層する場合と比較して工数を削減することができる。しかし、特に、薄帯が長尺の場合、連続して巻き回す過程で重なった薄帯同士の間に隙間が生じやすい。このため、円筒状の素体を矩形筒状に変形する過程で変形歪みが生じやすい。
本発明はこのようなことに鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、変形歪みの小さい角型磁心を少ない工数で製造する方法を提供することである。
上述の課題を解決するため、本発明は、その一態様として、少なくとも一部に楕円柱の形状を有する第1の治具を用いて、中空の楕円柱の形状を有する素体を得る段階と、素体の中空から第1の治具を取り外す段階と、少なくとも一部に四角柱の形状を有する第2の治具の、四角柱の部分を、素体の中空に挿入する段階と、中空に挿入した、第2の治具の四角柱の部分を、予め定められた形状に変形させ、該変形に伴って素体を変形させることにより、角型磁心を得る段階とを含むことを特徴とする角型磁心の製造方法を提供する。
第1の治具の楕円柱の形状の部分に、金属からなる薄帯を少なくとも2周以上連続して巻き付けることにより、素体を得ることとしてもよい。
第2の治具は第1の内枠及び第2の内枠を備え、第1の内枠及び第2の内枠を、四角柱の軸方向から見て互いに異なる向きに移動させることにより、素体を変形させることとしてもよい。
第1の内枠及び第2の内枠の間に、四角柱の軸方向から、第4の治具を挿入して、第1の内枠及び第2の内枠の間を押し広げることにより、第1の内枠及び第2の内枠を互いに異なる向きに移動させることとしてもよい。
第1の治具の断面の楕円に対して、第2の治具の断面が内接する状態にあり、第2の治具の長辺の長さをEとし、第2の治具の長辺から見たときの、第2の治具の長辺の両端を結ぶ第1の治具の断面の弧の高さをFとし、第2の治具の短辺の長さをGとし、第2の治具の短辺から見たときの、第2の治具の短辺の両端を結ぶ第1の治具の断面の弧の高さHとするとき、0.08≦F/E≦0.17、かつ、0.08≦H/G≦0.17の条件を満足するか、或いは、0.12≦F/E≦0.17、かつ、0.06≦H/G≦0.17の条件を満足することが好ましい。
また、本発明の他の一態様として、薄帯を巻き回すための楕円柱の形状を少なくとも一部に有する第1の治具と、第1の治具の楕円柱に薄帯を巻き回してなる素体から、第1の治具を抜き取った後の前記楕円柱に対応する空間を中空部と呼ぶとき、前記中空部に挿入可能な大きさから、予め定められた大きさまで、伸張可能な四角形の断面を有する第2の治具とを含む治具を提供する。
また、本発明の他の一態様として、少なくとも一部に楕円柱の形状を有する第1の治具を用いて、中空の楕円柱の形状を有する素体を得る段階と、素体の中空から第1の治具を取り外す段階と、少なくとも一部に四角柱の形状を有する第2の治具の、四角柱の部分を、素体の中空に挿入する段階と、中空に挿入した、第2の治具の四角柱の部分を、予め定められた形状に変形させ、該変形に伴って素体を変形させることにより、角型磁心を得る段階とを含む角型磁心の製造方法であって、第1の治具の断面の楕円に対して、第2の治具の断面が内接する状態にあり、第2の治具の長辺の長さをEとし、第2の治具の長辺から見たときの、第2の治具3の長辺の両端を結ぶ第1の治具の断面の弧の高さをFとし、第2の治具の短辺の長さをGとし、第2の治具の短辺から見たときの、第2の治具の短辺の両端を結ぶ第1の治具の断面の弧の高さHとするとき、0.08≦F/E≦0.17、かつ、0.08≦H/G≦0.17の条件を満足するか、或いは、0.12≦F/E≦0.17、かつ、0.06≦H/G≦0.17の条件を満足する角型磁心の製造方法によって製造される角型磁心を提供する。
本発明によれば、中空楕円柱の形状、或いは、楕円柱の筒状の形状を有する素体を起点として、中空四角柱形状へと変形することにより、角型磁心を製造する。このため、中空円柱形状、或いは、円柱の筒状の形状であるトロイダルを起点とする場合と比較して、変形を容易に行うことができる。その結果、変形歪みが小さく、占積率が高い角型磁心を少ない工数で製造することができる。
本発明の一実施の形態である角型磁心の製造方法について説明するための図である。 第2の治具3の構造及び動作を説明するための第2の治具3の平面図である。 中心棒33を押し込んでいったときの内枠31、32の動作を説明するための第2の治具3の側面図である。 第1の治具1の形状及びサイズを設定する際に基準となる角型部41と第1の治具1とのサイズの関係について説明するための図である。 第1の治具1と第2の治具3のサイズの関係を説明するための図である。 特許文献1に記載の角型磁心の製造方法について説明するための図である。 特許文献2に記載の角型磁心の製造方法について説明するための図である。
本発明の一実施の形態である角型磁心の製造方法について図1を参照して説明する。
まず、図1(a)に示すように第1の治具1を用いて素体2を得る。第1の治具1はその少なくとも一部に楕円柱乃至略楕円柱の外形を有する治具である。図1(a)には略楕円柱形状の外形を有するものが記載されている。図1(a)の第1の治具1は、一対の半楕円柱11、一対の半楕円柱11を互いに連結する連結治具12、連結治具12と一対の半楕円柱11のそれぞれを接続するねじ13を備える。連結治具12は一対の半楕円柱11の間に隙間14が形成された状態で、両者を連結する。
素体2の形成は、金属の薄帯を第1の治具1に巻き回すことにより行う。複数の薄帯を第1の治具1の周りに同心円状に積層することよって素体2を形成してもよい。或いは、長尺の薄帯を第1の治具1の周りに2周以上連続的に巻き回すことにより素体2を形成してもよい。いずれの場合であっても、素体2は中空楕円柱、或いは、楕円柱の筒状の形状となる。図1(a)はこの中空楕円柱の軸方向を視線方向として、第1の治具1及び素体2を見たときの様子を表している。図1(b)〜(e)の視線方向も同様である。以後、素体2の軸方向を上下方向と呼び、この上下方向に対して直交する平面に沿った向きを水平方向と呼ぶこともある。以後の工程を経て素体2をベースとして目的物である角型磁心を製造する。
次に、図1(b)に示すように、素体2の中空部21から第1の治具1を抜き取る。図1(a)に図示した第1の治具1であれば、ねじ13を緩めて、連結治具12を一対の半楕円柱11から取り外すと、隙間14の分だけ一対の半楕円柱11と素体2の間に空間が生じるので、これを利用して第1の治具1を素体2から抜き取る。
次に、図1(c)に示すように素体2の中空部21に第2の治具3を挿入する。ここで第2の治具3について図2を参照して説明する。第2の治具3は、その少なくとも一部に四角柱乃至略四角柱の外形を有する治具である。図1(c)では、四角柱断面の四隅の角を丸めた略四角柱の外形を有するものが記載されている。第2の治具3は、内枠31、32、中心棒33からなる。内枠31、32には中心棒33が嵌合する溝34がそれぞれ設けられている。図3に示すように、溝34には内枠傾斜部35が設けられている。一方、中心棒33の両端にはそれぞれ中心棒傾斜部36が設けられている。図3から分かるように、内枠傾斜部35と中心棒傾斜部36は互いに対応する大きさの傾斜を有している。
第2の治具3の動作について説明する。まず、図2(a)に示すように、内枠31、32が互いに最も接近した位置に配置する。また、図3(a)に示すように、内枠傾斜部35と中心棒傾斜部36が互いに向かい合うようにして中心棒33を溝34に配置する。内枠31、32、中心棒33がこのような位置関係にある第2の治具3を、素体2の中空部21に挿入した状態が図1(c)である。
次に、図3(a)の図中下方に中心棒33を押し込んでいく。中心棒33を押し込む方法としては、例えば、中心棒33に穴37を設け、その穴に不図示のねじを通して、同じく不図示のねじ穴に締結することが考えられる。その際のねじ穴は内枠31、32に設けることとしてもよいし、不図示の作業台等に設けることとしてもよい。
すると、内枠傾斜部35と中心棒傾斜部36が互いに滑りつつ、内枠31と内枠32が互いに逆方向に向かって移動し、図2(b)、図3(b)のような状態に至る。溝34に押し込んだ中心棒33は内枠31、32に対してくさびとして機能する。このとき第2の治具3は、その略四角柱の断面である略四角形を長辺方向に伸張した状態になる。
このように、中心棒33の押し込みによって内枠31、32を互いに離間させる動作を、図1(c)に示すように、素体2の中空部21に第2の治具3を挿入した状態で行う。すると、内枠31、32が互いに離間して、第2の治具3が変形する。この変形に伴って素体2が変形し、同図に示すような角型磁心38の形状となる。変形後の素体2、即ち、角型磁心38を図1(d)に示す。
最後に、図1(e)に示すように、角型磁心38の外側に外枠39、40を配置する。これにより角型磁心38の形状の維持を図る。
次に、第1の治具1の形状について図4を参照して説明する。角型磁心38の磁心としての特性を良好なものとするため、薄帯の占積率が高いことが望まれる。また、本発明では、四角柱形状(角型磁心38)に変形する際の起点を楕円柱形状(素体2)とすることにより、変形を容易にする効果を得るため、起点となる形状がトロイダル形状、即ち、中空円柱形状に近づくと得られる効果が低下する。こうした事情を考慮すると、第1の治具1には好ましい形状、サイズがある。
これに関して発明者らは検討を重ねた結果の一例として表1を得た。表1のB/A、D/Cは、それぞれ、図4に図示した長さA、B、C、Dからなる比を示すものである。
Figure 2016163018
図4において参照符号41が示す角型部は、第1の治具1の断面の形状、サイズを設定する際に基準とする角型治具の断面である。上述のように、第1の治具1は、少なくとも素体2を形成するために薄帯を巻き回すための部分として、楕円柱乃至略楕円柱の部分を有する。図4に示すように、第1の治具1の楕円柱乃至略楕円柱の部分の形状、サイズは、第1の治具1の楕円柱乃至略楕円柱の部分の断面に内接する角型部41を基準として設定される。長さAは角型部41の長辺の長さを示す。長さBは、角型部41の長辺から見たときの、角型部41の長辺の両端を結ぶ楕円の弧の高さである。この楕円の弧は第1の治具1の断面が描く弧に対応する。長さCは角型部41の短辺の長さを示す。長さDは、角型部41の短辺から見たときの、角型部41の短辺の両端を結ぶ楕円の弧の高さである。この楕円の弧も第1の治具1の断面が描く弧に対応する。
検討の結果、薄帯の占積率が80%以上の素体2であって、かつ、四角柱形状の角型磁心38に容易に変形可能な素体2を得るためには、薄帯がFe系アモルファスのとき、厚さが10μm以上、100μm以下であることが好ましく、50μm以下がより好ましいことが分かった。また、次の条件1又は条件2を満足することが好ましいことが分かった。
条件1:0.08≦B/A≦0.17、かつ、0.08≦D/C≦0.17
条件2:0.12≦B/A≦0.17、かつ、0.06≦D/C≦0.17
尚、上限値を更に大きくとると素体2がトロイダル形状に近づいていく。
次に、第2の治具3について説明する。第2の治具3は、図1(c)に示すように、変形前の素体2の中空部21に収められる。この都合上、少なくとも内枠31、32を最接近させたときには、中空部21に内接するか、或いは、中空部21よりも断面が小さい必要がある。いずれにしても、素体2の変形を開始する直前では、第2の治具3は中空部21に内接する。このときの状態を図5に示す。図を見ると分かるように、中空部21に内接する状態にある第2の治具3の断面は、第1の治具1の断面の楕円にも内接する。
図4と図5とを比較するとわかるように、中空部21に内接する状態にあるときの第2の治具3の大きさ、即ち、第1の治具1の断面の楕円に対して第2の治具3の断面が内接するときの第2の治具3の大きさは、第1の治具1のサイズを設定する際に基準とした角型部41のサイズと一致する。このため、薄帯の占積率が80%以上の素体2であって、かつ、四角柱形状の角型磁心38に容易に変形可能な素体2を得るための条件が、上述の条件1、2と似たものとなる。
即ち、第1の治具1と第2の治具3との間の好適な条件とは次のようなものである。中空部21に内接する状態にあるときの第2の治具3の長辺の長さをEとする。中空部21に内接する状態にあるときの第2の治具3の長辺から見たときの、第2の治具3の長辺の両端を結ぶ弧の高さをFとする。中空部21に内接する状態にあるときの第2の治具3の短辺の長さをGとする。中空部21に内接する状態にあるときの第2の治具3の短辺から見たときの、第2の治具3の短辺の両端を結ぶ弧の高さHとする。このとき、次の条件3又は条件4を満足することが好ましい。
条件3:0.08≦F/E≦0.17、かつ、0.08≦H/G≦0.17
条件4:0.12≦F/E≦0.17、かつ、0.06≦H/G≦0.17
以上、本発明の一実施の形態である角型磁心の製造方法について説明した。本実施形態によれば次のような効果を得ることができる。
・角型磁心への変形の起点となる素体2は、中空楕円柱の形状、或いは、楕円柱の筒状の形状を有している。このため、中空円柱形状、或いは、円柱の筒状の形状であるトロイダルを起点とする場合と比較して、角型磁心への変形が容易であり、変形歪みの発生を抑えることができる。
・第1の治具1は楕円柱乃至略楕円柱形状を有するため、薄帯を隙間なく巻き込むことが可能である。このことは、占積率、即ち、角型磁心の断面に占める薄帯の割合の向上に資する。
・特に、長尺薄帯を連続的に第1の治具1に巻き回す場合には、例えば薄帯を予め短冊状に切断する工程といった、素体乃至角型磁心を構成する材料を切断する工程を設ける必要がない。
・同じく、長尺薄帯を連続的に第1の治具1に巻き回す場合には、複数の板材を積層して素体を形成する場合に必要となる、仮留めの工程を設ける必要がない。
次に、上述の実施形態に即した実施例について説明する。
第1の治具1の設定方法について図4を参照して説明する。第1の治具1の設定は、実施形態にて説明したように、B/A、D/Cの値を用いて行った。長辺の長さA=60mm、短辺の長さC=42mm、高さ30mmの角型治具をベースとして、この角型治具の周りに形成する台座の高さを少しずつ変えることにより、長さC、Dが異なる複数の種類の第1の治具1を用意した。これらの第1の治具1それぞれに対し、幅30mm、長さ約30mのFe系アモルファスからなる長尺の薄帯を連続して巻き回して素体2を形成した。占積率は、使用薄帯の重量、密度、体積から算出した。
結果を表1に示す。表1より、角型治具に台座を設けない場合(B/A=0、D/C=0)は、角型治具の4辺部に薄帯がフィットせず、占積率が62%程度とかなり低い値を示した。以下、各辺に台座を設けて、長さC、Dをそれぞれ変更して同様の実験を繰り返した。表1に示すように、B/A=0.12(7mm/60mm)、D/C=0.06(2.4mm/42mm)のとき占積率は80.1%であった。また、B/Aが0.08(5mm/60mm)、D/C=0.08(3mm/42mm)のとき、占積率は81.4%であった。また、トロイダル形状に近くならないように、B/A及びD/Cの上限値をそれぞれ0.17とした。これらの結果に基づいて、素体2の占積率を80%以上とし、かつ、素体2の形状を楕円柱形状とするには、次の条件1、2を満足すればよいことがわかった。
条件1:0.08≦B/A≦0.17、かつ、0.08≦D/C≦0.17
条件2:0.12≦B/A≦0.17、かつ、0.06≦D/C≦0.17
次に、上述の角型磁心の製造方法の具体的な適用例について説明する。ここでは、第1の治具1として、その基準となる角型部41との間に、角型部41の長辺A=85.6mm、長辺からの弧の高さB=10mm、短辺C=46.6mm、短辺からの弧の高さD=4.5mmといった関係があるものを用いた。角型部41の高さは20mmである。このときB/A=0.12、D/C=0.1であり、上述の条件2を満足するので、この第1の治具1を用いることにより、占積率が80%以上であって、かつ、楕円柱形状を有する素体2が形成される。
図1(a)に示すように、第1の治具1は、一対の半楕円柱11、連結治具12、ねじ13を備える。図1(a)では一対の半楕円柱11の紙面表側に連結治具12がねじ13で固定されているが、本実施例では、不図示の紙面裏側でももうひとつの連結治具12がねじ13で一対の半楕円柱11それぞれに固定される。ねじ13で固定されているため、連結治具12は一対の半楕円柱11から取り外し可能である。
図1(a)に示すステップでは、一対の半楕円柱11は連結治具12により互いに連結された状態であり、略楕円柱を形成する。この状態で、その略楕円柱の周りに、素体2の材料である薄帯を巻き回していく。本実施例では、Fe系アモルファスからなり、厚さ約25μm、長さ合計約200m、重量約510gの薄帯を第1の治具1に巻き回した。このとき、薄帯が第1の治具1の楕円柱の外周にフィットして巻回されていることが確認できた。
所望の薄帯を巻き上げて素体2を形成した後、ねじ13を緩めて一対の半楕円柱11から連結治具12を取り外す。これにより、素体2から第1の治具1を取り外す。第1の治具1を取り外した状態の素体2を図1(b)に図示している。
次に、素体2の中空部21に第2の治具3を挿入する。まず、第2の治具3の断面が素体2の中空部21よりも小さくなるまで、内枠31、32を互いに接近させた後、内枠31、32を中空部21に収める。このときの状態が図2(a)に対応する。次に、中心棒33を溝34に浅く嵌合させる。このときの状態が図1(c)、図3(a)に対応する。次に、穴37を貫通させた不図示のねじを締結する等により、中心棒33を溝34に押し込み、より深く嵌合させる。図3(a)(b)に示すように、溝34には内枠傾斜部35が設けられている。一方、嵌合状態にある中心棒33において内枠傾斜部35に対向する位置に、中心棒傾斜部36が設けられている。このため、中心棒33を溝34に押し込んでいくと、内枠傾斜部35と中心棒傾斜部36が互いに滑りあい、下方向に向かう押し込みの力の一部が水平方向に作用して、内枠31、32が互いに逆向きに移動し、離間する。その結果、第2の治具3の断面形状である略四角形が一方向に引き伸ばされた状態に変形する。図2(b)、図3(b)は変形後の第2の治具3に対応する。本実施例では、中心棒33の押し込みにより、内枠31、32の四隅が素体2の中空部21に内接したときの状態を起点として、第2の治具3の略四角形断面が5mm引き伸ばされるような第2の治具3を用いた。
このような第2の治具3の変形に伴って、第2の治具3を囲っている素体2が引き伸ばされる。その結果、素体2が変形して角型磁心38が形成される。この状態が図1(d)に対応する。上述のように、引き延ばす際に起点となる素体2の形状は中空楕円柱状なので、トロイダル形状の素体を起点として変形する場合と比較して、容易に変形させることができる。
第2の治具3の変形が完了した後、角型磁心38の外側に外枠39、40を嵌め込み、角型の形状を維持する。このときの状態が図1(e)に対応する。完成した角型磁心の形状は、外形124mm×75.3mm×20mm、厚さ約14mmである。製作後、占積率を測定すると81.3%であることが確認できた。
本実施例によれば、長尺の薄帯を巻き回すことにより素体2を形成する。このため、例えば薄帯を予め複数の短冊状に切断する工程や、短冊を積層する過程で仮留を行う工程等を必要としない。また、薄帯を巻き回す際、好適なサイズの略楕円柱形状を有する第1の治具1を用いた。このため、薄帯は第1の治具1の外周にフィットし、薄帯を緊密に巻き回してなる素体2が得られた。その結果、高い占積率を有する角型磁心を得ることができる。また、好適な楕円柱形状の素体2を起点として、四角柱形状の角型磁心38に変形させていくため、トロイダル形状から変形する場合と比較して、変形が容易であり、変形歪みの発生を抑えることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の変更や修正が可能である。すなわち、当業者であれば成し得る各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
1 第1の治具
2 素体
11 一対の半楕円柱
12 連結治具
13 ねじ
14 隙間
21 中空部
3 第2の治具
31、32 内枠
33 中心棒
34 溝
35 内枠傾斜部
36 中心棒傾斜部
37 穴
38 角型磁心
39、40 外枠
41 角型部

Claims (7)

  1. 少なくとも一部に楕円柱の形状を有する第1の治具を用いて、中空の楕円柱の形状を有する素体を得る段階と、
    前記素体の前記中空から前記第1の治具を取り外す段階と、
    少なくとも一部に四角柱の形状を有する第2の治具の、前記四角柱の部分を、前記素体の前記中空に挿入する段階と、
    前記中空に挿入した、前記第2の治具の前記四角柱の部分を、予め定められた形状に変形させ、該変形に伴って前記素体を変形させることにより、角型磁心を得る段階と
    を含むことを特徴とする角型磁心の製造方法。
  2. 前記第1の治具の前記楕円柱の形状の部分に、金属からなる薄帯を少なくとも2周以上連続して巻き付けることにより、前記素体を得ることを特徴とする請求項1に記載の角型磁心の製造方法。
  3. 前記第2の治具は第1の内枠及び第2の内枠を備え、
    前記第1の内枠及び前記第2の内枠を、前記四角柱の軸方向から見て互いに異なる向きに移動させることにより、前記素体を変形させる
    請求項1及び請求項2のいずれかに記載の角型磁心の製造方法。
  4. 前記第1の内枠及び前記第2の内枠の間に、前記四角柱の軸方向から、第4の治具を挿入して、前記第1の内枠及び前記第2の内枠の間を押し広げることにより、前記第1の内枠及び前記第2の内枠を互いに異なる向きに移動させる、請求項3に記載の角型磁心の製造方法。
  5. 前記第1の治具の断面の楕円に対して、前記第2の治具の断面が内接する状態にあり、
    前記第2の治具の長辺の長さをEとし、
    前記第2の治具の長辺から見たときの、前記第2の治具3の長辺の両端を結ぶ前記第1の治具の断面の弧の高さをFとし、
    前記第2の治具の短辺の長さをGとし、
    前記第2の治具の短辺から見たときの、前記第2の治具の短辺の両端を結ぶ前記第1の治具の断面の弧の高さHとするとき、
    0.08≦F/E≦0.17、かつ、0.08≦H/G≦0.17の条件を満足するか、或いは、
    0.12≦F/E≦0.17、かつ、0.06≦H/G≦0.17の条件を満足する
    請求項1乃至4のいずれかに記載の角型磁心の製造方法。
  6. 薄帯を巻き回すための楕円柱の形状を少なくとも一部に有する第1の治具と、
    前記第1の治具の前記楕円柱に前記薄帯を巻き回してなる素体から、前記第1の治具を抜き取った後の前記楕円柱に対応する空間を中空部と呼ぶとき、前記中空部に挿入可能な大きさから、予め定められた大きさまで、伸張可能な四角形の断面を有する第2の治具と
    を含む治具。
  7. 少なくとも一部に楕円柱の形状を有する第1の治具を用いて、中空の楕円柱の形状を有する素体を得る段階と、
    前記素体の前記中空から前記第1の治具を取り外す段階と、
    少なくとも一部に四角柱の形状を有する第2の治具の、前記四角柱の部分を、前記素体の前記中空に挿入する段階と、
    前記中空に挿入した、前記第2の治具の前記四角柱の部分を、予め定められた形状に変形させ、該変形に伴って前記素体を変形させることにより、角型磁心を得る段階と
    を含む角型磁心の製造方法であって、
    前記第1の治具の断面の楕円に対して、前記第2の治具の断面が内接する状態にあり、
    前記第2の治具の長辺の長さをEとし、
    前記第2の治具の長辺から見たときの、前記第2の治具3の長辺の両端を結ぶ前記第1の治具の断面の弧の高さをFとし、
    前記第2の治具の短辺の長さをGとし、
    前記第2の治具の短辺から見たときの、前記第2の治具の短辺の両端を結ぶ前記第1の治具の断面の弧の高さHとするとき、
    0.08≦F/E≦0.17、かつ、0.08≦H/G≦0.17の条件を満足するか、或いは、
    0.12≦F/E≦0.17、かつ、0.06≦H/G≦0.17の条件を満足する
    前記角型磁心の製造方法によって製造される角型磁心。
JP2015043671A 2015-03-05 2015-03-05 角型磁心の製造方法及び治具 Pending JP2016163018A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043671A JP2016163018A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 角型磁心の製造方法及び治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043671A JP2016163018A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 角型磁心の製造方法及び治具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016163018A true JP2016163018A (ja) 2016-09-05

Family

ID=56847306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015043671A Pending JP2016163018A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 角型磁心の製造方法及び治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016163018A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018235800A1 (ja) 2017-06-21 2018-12-27 日立金属株式会社 巻磁心の製造方法、及び巻磁心
CN113348526A (zh) * 2019-02-05 2021-09-03 日立金属株式会社 卷绕磁芯、合金芯以及卷绕磁芯的制造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018235800A1 (ja) 2017-06-21 2018-12-27 日立金属株式会社 巻磁心の製造方法、及び巻磁心
US11636974B2 (en) 2017-06-21 2023-04-25 Hitachi Metals, Ltd. Wound magnetic core manufacturing method and wound magnetic core
CN113348526A (zh) * 2019-02-05 2021-09-03 日立金属株式会社 卷绕磁芯、合金芯以及卷绕磁芯的制造方法
US20220102037A1 (en) * 2019-02-05 2022-03-31 Hitachi Metals, Ltd. Wound magnetic core, alloy core, and method for manufacturing wound magnetic core
CN113348526B (zh) * 2019-02-05 2023-03-14 日立金属株式会社 卷绕磁芯、合金芯以及卷绕磁芯的制造方法
US11749430B2 (en) 2019-02-05 2023-09-05 Proterial, Ltd. Wound magnetic core, alloy core, and method for manufacturing wound magnetic core

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4387857B2 (ja) コイル装置及びその製造方法
US9805852B2 (en) Transformer core
EP2859564B1 (en) Three-step core for a non-linear transformer
WO2019168158A1 (ja) 磁性コアとその製造方法、およびコイル部品
JP6198978B2 (ja) 変圧器
JP2010265503A (ja) 略円柱状の粉末成形体および粉末成形金型装置
EP2474985B1 (en) Amorphous transformer
CN203536171U (zh) 三相立体断口式卷铁心
US2456457A (en) Electromagnetic induction apparatus and method of forming same
JP2005286169A (ja) 変圧器の巻鉄心の製造方法及びその製造装置
JP2016163018A (ja) 角型磁心の製造方法及び治具
US20200286669A1 (en) Core body and reactor
JP3787074B2 (ja) 変圧器鉄心の成形保持装置
CN103247424B (zh) 三相立体断口式卷铁心
JP2012109296A (ja) コイル装置
EP2814045A1 (en) Compact low-loss triangular transformer and method for producing the same
JP2013201394A (ja) 分割磁心および分割磁心用圧粉磁心の成形方法
US3309641A (en) Magnetic core structures for electrical inductive apparatus
JP5009518B2 (ja) コイル装置及びその製造方法
JP2002075747A (ja) ギャップ付磁芯およびその製造方法
JP6491835B2 (ja) 静止誘導電器
WO2013183420A1 (ja) コイル装置
JP2003045724A (ja) リアクトル
US2632798A (en) Square corner joint core
JP6126558B2 (ja) コイル装置