JP2016037791A - 遮熱及び断熱壁構造物の製造方法並びに遮熱及び断熱壁構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】板材4と、板材4の一面に形成された断熱材7と、板材4の縁に設けられた枠材5とを有する断熱パネル3を、間隔をおいて隣り合う柱4の間に取り付ける。断熱パネル3の断熱材7との間に空隙を形成させた状態で、断熱パネル3に内装材8を取り付ける。断熱パネル3の板材4との間に空隙を形成させた状態で、断熱パネル3に遮熱シート10を取り付ける。遮熱シート20の一面との間に空隙を形成させた状態で、外装板11を取り付ける。
【選択図】図1
Description
また、建築構造物に対する遮熱効果の要求は止むことがなく、更なる遮熱効果の向上が求められている。
枠材5は、図示した例では木材よりなる角材であって、板材4に対して釘や木ねじ等によって固定されている。枠材5が、板材4の内装側表面から突き出ている長さは、隣接する角柱2の四角形断面の一辺の長さよりも短い。例えば、角柱2の一辺は120mmであり、枠材5が、板材4の内面側表面から突き出ている長さは90mmである。角柱2の一辺が105mmの場合には、枠材5が、板材4の内面側表面から突き出ている長さを90mmよりも短くすればよい。
補強材6は、図示した例では木材よりなる角材であって、板材4に対して釘や木ねじ等によって固定されている。補強材6は、図示した例では2本の枠材5の間に1本が設けられている。もっとも、補強材6の本数は、隣り合う柱の間隔に応じて調整することができる。例えば柱の間隔が比較的短い場合には補強材6を必ずしも要しない。また、例えば柱の間隔が比較的長い場合には補強材6を2本以上設けることができる。補強材6が、板材4の内装側表面から突き出ている長さは、枠材5と同じにしている。例えば、角柱2の一辺は120mmである場合に、補強材6が、板材4の内面側表面から突き出ている長さは90mmである。これにより、後述する内装材8は枠材5及び補強材6の各々に取り付け固定される。
断熱パネル3を構成する部材、すなわち、板材4、枠材5、補強材6及び第1スペーサ9は、木材の場合、防腐、防蟻のためにホウ酸処理されたものであることが好ましい。
内装材8が取り付け固定されたとき、内装材8と断熱材7との間には空隙が形成されている。内装材8と断熱材7との間は、断熱効果を得るために10mm以上の空隙であることが好ましい。
第1スペーサ9は、断熱パネル3とは別の部材として、断熱パネル3の角柱2への取り付けとは別工程で断熱パネル3に取り付けることができる。別の実施形態では、第1スペーサ9は、断熱パネル3の構成要素として、断熱パネル3の作製時に他の部材とともに組み立てることができる。
また、遮熱シート10は、遮熱のみならず気密性を有するシートであることが好ましい。遮熱シート10が遮熱気密シートであることにより、遮熱シート10を通して内装側と外装側とで空気が流通するのを防止して、遮熱及び断熱壁構造物1の内部において温度差が大きくなるのを抑制し、よって内部結露を防止することができる。
このような遮熱シート10の具体例は、リフレクティックス社の商品名リフレクティックスがある。リフレクティックスの輻射熱反射率は、約99%であって輻射熱反射率が高く、また、厚さが8mm程度であって遮熱及び断熱壁構造物の厚さを増加させる影響がほとんどない。さらに、リフレクティックスは、高い気密性と透湿抵抗を有している。
本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物1は、遮熱シート10から空隙を隔てて断熱パネル3の断熱材7を備えている。遮熱シート10は、太陽光線により発生する輻射熱、すなわち電磁波を反射して、遮熱シート10の内装側に向かう輻射熱(熱移動)を防止する。断熱材7は、熱の対流、伝導を防止する断熱材の効果を有し、また蓄熱材としての効果も有する。したがって、遮熱シート10と断熱材7のそれぞれが有する遮熱、断熱効果が最大限に発揮される。しかも、遮熱シート10と断熱材7とが密着せず、空隙により隔てられているから、遮熱シート10から断熱材7への、逆に断熱材7から遮熱シート10への熱移動が回避される。このため、外部から室内へ向かう輻射熱のうち遮熱シート10で反射された残余の輻射熱が熱移動して室内に侵入することを防止することができ、逆に室内の熱が外部に放散するのを防止することができる。また、遮熱シート10と断熱材7との間が空隙であることは、遮熱シート10と断熱材7との間に空気による断熱層が形成されていることになる。つまり遮熱シート10と断熱材7との間に形成された空隙によって、熱移動を防ぐと共に断熱効果をより高めることができる。
しかも、外装板12と遮熱シート10との間に空隙が形成されていので、この空隙が断熱層となり、断熱効果を有する。また、内装材8と断熱材7との間にも空隙が形成されているので、この空隙が断熱層となり、断熱効果も有する。
このため、夏季においては、外装板12と遮熱シート10との間に形成された空隙と、遮熱シート10により太陽光線により発生する輻射熱が反射され、遮熱シート10と断熱パネル3との間に形成された空隙により熱移動が遮断され、断熱パネル3の断熱材7により断熱され、内装材8と断熱材7との間に形成された空隙により断熱される。また、冬期においては、内装材8と断熱材7との間に形成された空隙により断熱されかつ蓄熱され、断熱材7により断熱かつ蓄熱され、遮熱シート10と断熱パネル3との間に形成された空隙により熱移動が遮断され、遮熱シート10により、断熱材7に蓄熱された輻射熱が反射され、外装板12と遮熱シート10との間に形成された空隙により熱移動が遮断される。
このように本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物1は、遮熱シート10と断熱材7と、合計3つの空隙を備える構成により、遮熱効果と断熱効果の高い遮熱及び断熱壁構造物とすることができる。
また、本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物1は、遮熱シート10により太陽の輻射熱の大部分を反射しているので、遮熱及び断熱壁構造物1の内部で温度差が生じにくい。
また、本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物は、角柱2の一辺の長さの大小に適合させて、枠材5及び補強材6の、板材4の内面側表面から突き出ている長さを調節した断熱パネル3を用意することができる。かかる断熱パネル3を2本の角柱2の間に取り付け固定する工程により、角柱2の太さに合わせた遮熱及び断熱壁構造物1を容易に製造することができる。
また、本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物1は、断熱パネル3の断熱材7の厚さを変更することで寒冷地仕様、温暖地仕様というように、地域に合わせた断熱パネル3をフレキシブルに用意することができる。よって温暖地、寒冷地の断熱基準に沿った遮熱及び断熱壁構造物1を容易に製造することができる。
また、本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物1は、断熱パネル3が耐震性を考慮した強度を有するパネルであることにより、高い耐震性を有する遮熱及び断熱壁構造物を得ることができる。
また、本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物1は、遮熱シート10が遮熱気密シートであることにより、そのシートの遮熱機能によって遮熱シート10から外装側の遮熱壁内部における温度差を小さくすることができ、また、遮熱シート10から内装側の遮熱壁内部における温度差を小さくすることができる。更に、遮熱シート10の気密機能によって遮熱シート10を通して内装側と外装側とで空気が流通するのを防止することができ、これによって空気の流通による熱移動を防止して遮熱シート10から外装側の遮熱壁内部における温度差及び遮熱シート10から内装側の遮熱壁内部における温度差を、更に小さくすることができる。これらのことから、遮熱及び断熱壁構造物1は、内部結露を防止することができる。
以上述べたように、本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物1は、耐震性、遮熱性、断熱性、気密性に優れ、内部結露を防止できる遮熱及び断熱壁構造物である。
まず、断熱パネル3を組み立てて予め用意する。断熱パネル3は、板材4に対して枠材5及び補強材6を釘等で取り付け固定し、また、板材4に対して釘等で断熱材7を取り付けることにより組み立てられる。断熱パネル3は、前述したように、第1スペーサ9を更に含む構成として組み立ててもよい。断熱パネル3が、第1スペーサ9を含む構成は、本実施形態の遮熱及び断熱壁構造物1の建築現場での施工をより容易にするので好ましい構成である。
2 角柱
3 断熱パネル
4 板材
5 枠材
6 補強材
7 断熱材
8 内装材
9 第1スペーサ
10 遮熱シート
11 第2スペーサ
12 外装板
Claims (6)
- 板材と、該板材の一面に形成された断熱材と、該板材の縁に設けられた枠材とを有する断熱パネルを、間隔をおいて隣り合う柱の間に取り付ける工程と、
該断熱パネルの断熱材との間に空隙を形成させた状態で、該断熱パネルに内装材を取り付ける工程と、
該断熱パネルの板材との間に空隙を形成させた状態で、該断熱パネルに遮熱シートを取り付ける工程と、
該遮熱シートの一面との間に空隙を形成させた状態で、外装板を取り付ける工程と
を有することを特徴とする遮熱及び断熱壁構造物の製造方法。 - 前記遮熱シートが、輻射熱反射率90%以である請求項1記載の遮熱及び断熱壁構造物の製造方法。
- 前記遮熱シートが、アルミニウム箔と樹脂フィルムと発泡樹脂フィルムとが積層されてなる請求項2記載の遮熱及び断熱壁構造物の製造方法。
- 板材、該板材の一面に形成された断熱材及び該板材の縁に設けられた枠材を有し、間隔をおいて隣り合う柱の間に取り付けられた断熱パネルと、該断熱パネルの断熱材との間に空隙を形成させた状態で、該断熱パネルに取り付けられた内装材と、該断熱パネルの板材との間に空隙を形成させた状態で、該断熱パネルに取り付けられた遮熱シートと、該遮熱シートの一面との間に空隙を形成させた状態で、取り付けられた外装板と、を備える遮熱及び断熱壁構造物。
- 前記遮熱シートが、輻射熱反射率90%以上の材料からなる請求項4記載の遮熱及び断熱壁構造物。
- 前記遮熱シートが、アルミニウム箔と樹脂フィルムと発泡樹脂フィルムとが積層されてなる請求項5記載の遮熱及び断熱壁構造物。
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