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JP2016037137A - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

車両の乗員保護装置 Download PDF

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JP2016037137A
JP2016037137A JP2014160710A JP2014160710A JP2016037137A JP 2016037137 A JP2016037137 A JP 2016037137A JP 2014160710 A JP2014160710 A JP 2014160710A JP 2014160710 A JP2014160710 A JP 2014160710A JP 2016037137 A JP2016037137 A JP 2016037137A
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bag
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passenger
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JP2014160710A
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English (en)
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勇 長澤
Isamu Nagasawa
勇 長澤
久幸 長津
Hisayuki Nagatsu
久幸 長津
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】車両の幅方向内側に傾きながら前へ倒れる乗員に対する保護性能を向上させる。
【解決手段】車両1の乗員保護装置10は、車両1のシート7に着座する乗員Mの前で展開して、倒れる乗員Mの頭部から上体を支えるメインバッグ24と、メインバッグ24より車両1の後方へ向けて突出して展開することにより、メインバッグ24に突入する乗員Mの頭部についての車両1の幅方向内側で展開するサブバッグ25と、を有する。サブバッグ25は、メインバッグ24に対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員Mの頭部の荷重が作用することにより変形した状態においても、メインバッグ24から反力を受けて、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後方へ突出する状態を維持する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車などの車両の乗員保護装置に関する。
自動車の乗員保護装置は、たとえば特許文献1に開示されている。特許文献1では、ダッシュボードの上部に設置された助手席用のエアバッグを助手席の前で展開する。そして、自動車が他の自動車と正面衝突する場合、助手席に着座する乗員は前に倒れ、展開した助手席用のエアバッグへ突入する。助手席用のエアバッグは、前に倒れる乗員の頭部および上体を支えることができる。
特開2000−247199号公報
しかしながら、自動車は、他の自動車との間で、正面方向から衝突するとは限らない。たとえば、自動車に対して、他の自動車が斜め前方向から衝突する可能性もある。
そして、たとえば運転席側の斜め前方向から他の自動車が衝突する場合、自動車の助手席に着座する乗員は、自動車の幅方向内側へ倒れながら前へ倒れることになる。この場合、倒れる乗員の頭部および上体は、展開した助手席用のエアバッグについての幅方向内側へ落ちてしまう可能性がある。
この対策として、たとえば助手席用のエアバッグの展開範囲を、幅方向内側へ広げたり、更に広げた部分から後方へサブバッグを突出させたりすることが考えられる。
しかしながら、このように単に助手席用のエアバッグの展開範囲を幅方向内側に広げるだけでは、自動車の幅方向内側へ傾きながら突入する乗員を適切に支持することは難しい。
すなわち、助手席の乗員が幅方向内側へ傾きながら助手席用のエアバッグへ突入する場合、助手席用のエアバッグでは、その幅方向内側の端部に、乗員の荷重がかかる。また、乗員の荷重は、助手席用のエアバッグから離れるように幅方向内側の斜め前へ向かう力として作用する。このため、幅方向内側へ広がって展開した助手席用のエアバッグは、乗員の荷重により幅方向内側へ倒れやすい。そして、助手席用のエアバッグで一旦支えられた乗員の頭部および上体は、助手席用のエアバッグが幅方向内側へ傾くことにより、助手席用のエアバッグについての幅方向内側へ落ちてしまう可能性がある。
このように自動車などの車両の乗員保護装置では、車両の幅方向内側に傾きながら前へ倒れる乗員に対する保護性能を向上させることが求められている。
本発明に係る車両の乗員保護装置は、車両のシートに着座する乗員の前で展開して、倒れる乗員の頭部から上体を支えるメインバッグと、前記メインバッグより前記車両の後方へ向けて突出して展開することにより、前記メインバッグに突入する乗員の頭部についての前記車両の幅方向内側で展開するサブバッグと、を有し、前記サブバッグは、前記メインバッグに対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員の頭部の荷重が作用することにより変形した状態においても、前記メインバッグから反力を受けて、前記メインバッグについての乗員が突入する面より後方へ突出する状態を維持する。
好適には、前記サブバッグは、前記メインバッグについての幅方向内側の面に設けられ、前記メインバッグについての乗員が突入する面より後側へ延びる基端部と、前記基端部の先に設けられ、前記メインバッグについての乗員が突入する面の後側へ回り込んでいる先端部と、を有し、前記メインバッグに対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員の頭部の荷重が作用することにより変形した状態において、前記基端部が前記メインバッグに底付きすることにより、前記メインバッグから反力を得る、とよい。
好適には、前記サブバッグは、前記メインバッグについての乗員が突入する面において、該乗員突入面の幅方向内側の縁から離間して設けられ、前記メインバッグに対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員の頭部の荷重が作用することにより変形した状態において、前記メインバッグと乗員との間に挟まれることにより、前記メインバッグから反力を得る、とよい。
本発明では、メインバッグに突入する乗員の頭部についての車両の幅方向内側においてサブバッグを突出するように展開させている。よって、幅方向内側に傾きながらメインバッグへ突入する乗員の頭部を、サブバッグおよびメインバッグの間で受けて支えることができる。
しかも、サブバッグは、メインバッグに対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員の頭部の荷重が作用することにより変形した状態においても、メインバッグについての乗員が突入する面より後方へ突出する状態を維持する。よって、サブバッグは、乗員による斜め前方向への荷重により幅方向内側へ倒れたとしても、前記メインバッグから反力を受けて、乗員を幅方向内側から支えることができる。その結果、メインバッグに対して幅方向内側に傾きながら突入する乗員は、倒れた状態のサブバッグにより支え続けられて、サブバッグおよびメインバッグについての幅方向内側へ脱落し難い。
さらに、サブバッグが倒れた状態でもメインバッグについての乗員が突入する面より後方へ突出する状態を維持するので、メインバッグに突入した乗員の頭部は、突出するサブバッグにより支え続けられるので、突入後に頭部が回転し難い。乗員の頭部が上体よりも幅方向外側へ回転してしまうことによる乗員の首部分の障害を抑制できる。
これ対して、仮にたとえば単にメインバッグからサブバッグを突出させただけの場合、メインバッグおよびサブバッグが乗員とともに幅方向内側へ傾く際に、メインバッグに突入した乗員が、メインバッグおよびサブバッグから脱落しやすい。また、脱落する乗員は、頭部のみがサブバッグにより支えられるので、頭部より上体が優先して脱落する。その結果、メインバッグに突入した乗員の頭部は、突入後に回転しやすい。そして、たとえば乗員の頭部が上体よりも回転して、乗員の首部分に障害が発生する可能性がある。
このように、本発明では、サブバッグが変形した状態においてもメインバッグについての乗員が突入する面より後方へ突出する状態を維持するので、幅方向内側に傾きながらメインバッグへ突入する乗員の頭部および上体を好適に支え続けることができる。しかも、その支えている乗員の頭部が上体よりも回転してしまうことを抑制し得る。その結果、車両の幅方向内側に傾きながら前へ倒れる乗員の障害を抑制し、該乗員の保護性能を向上できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る乗員保護装置を適用した自動車の説明図である。 図2は、図1の自動車の乗員保護装置の説明図である。 図3は、第1比較例に係る一般的な助手席用の乗員保護装置での展開状態の説明図である。 図4は、図2の助手席用の乗員保護装置の詳細な説明図である。 図5は、第2比較例に係る助手席用の乗員保護装置での展開状態の説明図である。 図6は、本発明の第2実施形態での、助手席用の乗員保護装置の詳細な説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る乗員保護装置10を適用した自動車1の説明図である。
自動車1は、車両の一例である。自動車1は、燃料を燃焼させるエンジンを有するものでも、蓄電電力で駆動されるモータを有するものでも、または、双方を有するものでもよい。
図1の自動車1は、車体2の前後方向の中央部に乗員室3が形成される。乗員室3の前部には、ダッシュボード4が配置される。ダッシュボード4についての車体2の幅方向の中央部には、センタコンソール5が配置される。センタコンソール5から車体2の後方へ向けて、センタトンネル6が形成される。ダッシュボード4およびセンタコンソール5には、たとえばインストルメントパネル、グローボックス、各種機器の操作パネルが設置される。
センタトンネル6についての幅方向の左側には、運転者が着座するシート7が設置される。運転席用のシート7の前には、ハンドル8が配置される。ハンドル8は、ダッシュボード4から伸びるボスの後端に取り付けられる。
センタトンネル6についての幅方向の右側には、乗員Mが着座する助手席用のシート7が設置される。なお、助手席用のシート7と運転席用のシート7とは、入れ替えて配置されてもよい。
運転席用のシート7および助手席用のシート7の前後方向後側には、後部乗員用のシート7が設置される。後部乗員用のシート7は、幅方向に長い形状のシート7である。
このような自動車1は、車道などを走行する。そして、走行中に他の自動車などと衝突する可能性がある。このため、自動車1では、追突の際の衝撃から、運転者などの乗員Mを保護するための乗員保護装置10が用いられる。たとえば助手席用のシート7に乗員Mが着座している状態で、自動車1の車体2の正面に対して他の自動車が正面衝突すると、助手席用のシート7に着座した乗員Mの上体が前へ倒れる。この際、前側に倒れる乗員Mの上体や頭部が、ダッシュボード4に打ち付けられる可能性がある。
図2は、図1の自動車1の乗員保護装置10の説明図である。図2には、助手席用の乗員保護装置10が図示されている。
図2の助手席用の乗員保護装置10は、シートベルトモジュール11、エアバッグモジュール12、車外撮像センサ13、車内撮像センサ14、ECU(Engine Control Unit)15、を有する。
シートベルトモジュール11は、3点式のシートベルトを有する。3点式のシートベルトは、図1に示すように、シート7に着座した乗員Mの腰についての幅方向両側と、乗員Mの幅方向外側の肩部分とを支える。シートベルトモジュール11によりシート7に着座した乗員Mを支えることにより、衝突の際の衝撃により乗員Mがシート7から出てしまいにくくなる。
エアバッグモジュール12は、ハウジング21、インフレータ22、エアバッグ23、を有する。
ハウジング21は、ダッシュボード4内で、助手席用のシート7の前方の位置に配置される。ハウジング21は、左右方向に延在するビーム9に取り付けられる。ビーム9は、たとえばハンドル8が取り付けられるものでよい。
インフレータ22は、高圧ガスを収容する。高圧ガスは、火薬などによる点火により膨張し得る。
エアバッグ23は、布材を袋状に縫製したものである。エアバッグ23は、インフレータ22に取り付けられる。エアバッグ23およびインフレータ22は、ハウジング21に収容される。
このようにシート7の前方に設置されたエアバッグモジュール12では、インフレータ22がECU15からの点火信号により高圧ガスを膨張させる。これにより、エアバッグ23は、シート7に着座する乗員Mの前で展開する。エアバッグモジュール12は、乗員Mとダッシュボード4との間に展開する。これにより、衝突の際の衝撃により前に倒れる乗員Mは、展開したエアバッグ23により支えられる。
車外撮像センサ13は、自動車1の車体2の周囲を撮像するセンサである。車外撮像センサ13は、図1に示すように、乗員室3の上部に設置されるバッグミラーの前面に設けられる。車外撮像センサ13は、撮像画像から、自動車1の車体2の周囲に存在する他の自動車、構造物などを検出する。車外撮像センサ13は、衝突前に、衝突しそうな他の自動車を検出し得る。車外撮像センサ13は、検出した物体の相対方向および相対距離をECU15へ出力する。
車内撮像センサ14は、自動車1の乗員室3を撮像するセンサである。車外撮像センサ13は、図1に示すように、ダッシュボード4についての助手席用のシート7の前方の位置に配置される。車内撮像センサ14は、撮像画像から、シート7に着座する乗員Mを検出する。車内撮像センサ14は、衝突直前に、シート7に着座する乗員Mの乗車姿勢を検出し得る。車内撮像センサ14は、検出した乗員Mの上体および頭部の位置をECU15へ出力する。
ECU15は、自動車1に搭載されるコンピュータ装置である。ECU15は、たとえばマイクロコンピュータである。ECU15は、エアバッグモジュール12、車外撮像センサ13、車内撮像センサ14に接続される。また、ECU15は、加速度センサ、シートベルトモジュール11などに接続されてよい。ECU15は、加速度センサまたは車外撮像センサ13からの検出信号に基づいて衝突を検出し、シートベルトモジュール11へテンション信号を出力し、インフレータ22へ点火信号を出力する。また、ECU15は、車外撮像センサ13からの検出信号に基づいて衝突を予測し、シートベルトモジュール11へテンション信号を出力し、インフレータ22へ点火信号を出力してよい。エアバッグモジュール12が展開する。
このような乗員保護装置10を用いることにより、衝突の際に乗員Mがシート7から外れたり、シート7に着座する乗員Mの上体や頭部がダッシュボード4などに直接的に打ち付けられたりすることを抑制できる。たとえば、自動車1が他の自動車と正面衝突する場合、助手席に着座する乗員Mは前に倒れ、展開した助手席用のエアバッグ23へ突入する。助手席用のエアバッグ23は、前に倒れる乗員Mの頭部および上体を支えることができる。
しかしながら、自動車1は、他の自動車との間で、正面方向から衝突するとは限らない。たとえば、自動車1に対して、他の自動車が車体幅方向外側へオフセットした状態で斜め前方向から衝突する可能性もある。
図3は、第1比較例に係る一般的な助手席用の乗員保護装置10での展開状態の説明図である。図3のシート7には、乗員Mとして、たとえば衝突安全基準で使用するダミー人形が着座している。以下の説明では、このダミー人形を乗員Mとして説明する。
図3のエアバッグ23は、図1および図2に示す本実施形態のエアバッグ23と異なり、乗員Mの前方のみで展開する。このようなエアバッグ23は、乗員Mの正面方向にのみ展開する。
図3(A)に示すように、自動車1に対して、他の自動車が車体幅方向外側へオフセットした状態で斜め前方向から衝突する場合、乗員Mの上体および頭部は、前方向へ倒れるのではなく、車体2の幅方向内側へ倒れながら前方向へ倒れる。乗員Mの上体および頭部は、内側斜め前方向へ倒れる。
倒れ始めた上体および頭部は、図3(B)に示すように、展開したエアバッグ23の内側部分に対して斜めに当たる。乗員Mが斜め方向の入力で当たることにより、図3(C)に示すように、展開したエアバッグ23は、乗員Mとともに内側に倒れる。その結果、極端な場合には、倒れる乗員Mの上体および頭部は、図3(D)に示すように、展開したエアバッグ23についての幅方向内側に外れ、エアバッグ23についての幅方向内側へ落ちてしまう可能性がある。
また、図3(D)と図3(C)とを比較すればわかるように、乗員Mの頭部は、上体に対して大きく回転している。上体の回転に対して頭部の回転が大きくなるほど、乗員Mの首に対して負担がかかる可能性が高くなる。
このように、乗員保護装置10で用いられる一般的なエアバッグ23では、オフセットした斜め衝突の際に、乗員Mを好適に保護しきれない可能性がある。オフセット斜め衝突時に、乗員保護効果が高まり難い可能性がある。
このように自動車1の乗員保護装置10では、自動車1の幅方向内側に傾きながら前へ倒れる乗員Mに対する保護性能を向上させることが求められている。オフセット斜め衝突時の乗員保護能力を高めることが求められている。
そこで、本実施形態では、エアバッグ23の形状を工夫し、さらに衝突の際に幅方向内側へ倒れようとする乗員Mを内側から支持することで、自動車1の幅方向内側に傾きながら前へ倒れる乗員Mに対する保護性能を向上させる。以下、詳しく説明する。
図4は、図2の助手席用の乗員保護装置10の詳細な説明図である。図4(A)は、乗員Mが倒れる前の状態を示す。図4(B)は、乗員Mが自動車1の幅方向内側へ倒れながら前へ倒れた場合の状態を示す。
図4(A)の乗員保護装置10は、エアバッグ23として、メインバッグ24、サブバッグ25、を有する。
メインバッグ24は、布材を袋状に縫製したものである。メインバッグ24は、インフレータ22に取り付けられる。メインバッグ24は、図4(A)に示すように、シート7に着座する乗員Mの前で展開する。メインバッグ24は、乗員Mとダッシュボード4との間に展開する。これにより、メインバッグ24は、たとえば正面衝突の際に正面方向へ倒れる乗員Mの頭部から上体を支えることができる。
サブバッグ25は、布材を袋状に縫製したものである。サブバッグ25は、たとえば略四角柱形状の基端部27と、たとえば略四角柱形状の先端部28、を有する。
基端部27は、メインバッグ24についての幅方向内側の面に設けられる。略四角柱形状の基端部27は、メインバッグ24の幅方向内側に沿って伸び、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後側へ延びる。
先端部28は、基端部27の後端に、断面略L字に折り曲げた状態で連結される。先端部28は、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面に沿って、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面の後側へ回り込んでいる。
サブバッグ25は、基端部27についての、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面寄りの部分で、メインバッグ24と連通する。サブバッグ25は、メインバッグ24とともに1つの内部空間を形成する。サブバッグ25は、インフレータ22の点火された高圧ガスの圧力により、メインバッグ24とともに展開される。これにより、サブバッグ25は、メインバッグ24に突入する乗員Mの頭部についての、幅方向内側で展開する。サブバッグ25は、メインバッグ24において乗員Mが突入する部分についての、幅方向内側の部分から後方へ突出するように、展開する。メインバッグ24に突入した乗員Mの頭部の内横に展開する。
このように、サブバッグ25は、断面略L字形状に形成され、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面の後側に回り込んでいる。よって、メインバッグ24に対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員Mの頭部の荷重が作用することにより、サブバッグ25がメインバッグ24についての乗員Mが突入する面に対して倒れるようにつぶれたとしても、基端部27がメインバッグ24についての幅方向内側の側面に底付きし、メインバッグ24から反力を得ることができる。その結果、該加重が作用している状況下においても、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後方へ突出している状態を維持し得る。
そして、図4(A)の状態にメインバッグ24およびサブバッグ25が展開する場合、シート7に着座している乗員Mの幅方向内側の斜め前方向には、メインバッグ24とサブバッグ25とによる隅部26が位置する。このため、オフセットした斜め衝突の際に、乗員Mが幅方向内側に倒れながらメインバッグ24に対して斜めに突入する場合、たとえば図4(B)に示すように、乗員Mの頭部は、メインバッグ24についての隅部26となる部分に突入する。メインバッグ24についての、サブバッグ25の基端部27と隣り合う部分に、頭部が突入する。
乗員Mの上体および頭部が斜めに突入したメインバッグ24およびサブバッグ25は、乗員Mの斜め方向への荷重により、車体2の幅方向内側へ倒れようとする。しかしながら、サブバッグ25は、断面略L字形状に形成されている。よって、サブバッグ25の先端部28は頭部より押されてつぶされそうになるが、図4(B)に示すように、サブバッグ25の基端部27がそれに応じて前側へ変形し、メインバッグ24の側面に食い込む。このため、サブバッグ25は、メインバッグ24との間で反力を得て、サブバッグ25の先端部28が押しつぶされないように先端部28の変形を抑制し得る。その結果、メインバッグ24に突入した頭部は、メインバッグ24に突入した後、潰さないように支えられるサブバッグ25により幅方向内側から押され、支えられる。幅方向内側に傾いた斜め前方向へ移動しようとする乗員Mの頭部および上体は、メインバッグ24およびサブバッグ25の内側へ落ち難くなる。また、サブバッグ25により支えられている頭部は、メインバッグ24に突入した状態を維持し、倒れたメインバッグ24の上で幅方向へ滑って回転することが起き難くなる。乗員Mの頭部が上体と比べて大きく回転してしまうことが起きにくくなる。
また、図4(B)と図3(D)とを比較すればわかるように、倒れにくくなったサブバッグ25が後頭部を幅方向外向きに押すことにより、乗員Mの頭部が上体に対して大きく回転し難くなる。
その結果、幅方向内側に傾いた斜め前方向へ移動しようとする乗員Mは、メインバッグ24およびサブバッグ25により一旦支持された後に、メインバッグ24およびサブバッグ25についての幅方向内側へ落ちにくくなる。オフセットした斜め衝突の際の乗員保護効果が高まる。
なお、サブバッグ25は、幅方向内側に倒れながらメインバッグ24に対して斜めに突入する乗員Mの頭部に対して、少なくとも側頭部から後頭部までの範囲内に当たることにより、同様の効果を期待できる。
図5は、第2比較例に係る助手席用の乗員保護装置10での展開状態の説明図である。図5では、メインバッグ24の幅方向内側からサブバッグ25が後ろ向きに突出している。
図5において、サブバッグ25は、図4と同様に、メインバッグ24の幅方向内側の部分から、後ろ向きに突出している。ただし、サブバッグ25は、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面の幅方向内側の端部から、後ろ向きに真っ直ぐに突出するのみである。サブバッグ25は、断面略L字形状に形成されていない。
この場合、図5(A)に示すように乗員Mが幅方向内側に傾いた斜め前方向へ移動しようとすると、乗員Mの頭部は、メインバッグ24とサブバッグ25とによる隅部26に突入する。その結果、図5(B)に示すように、メインバッグ24およびサブバッグ25は、乗員Mとともに、幅方向内側へ傾く。
その後、乗員Mがさらに幅方向内側へ傾いて倒れようとすると、図5(C)に示すように、隅部26に突入した乗員Mの頭部が幅方向内側へずれる。サブバッグ25は、幅方向内側へずれる頭部に押されて、倒れてつぶれる。その結果、一旦、メインバッグ24およびサブバッグ25に突入した乗員Mの頭部および上体は、サブバッグ25を超えて、メインバッグ24およびサブバッグ25について幅方向内側へ落ち得る。
このように、単に助手席用のエアバッグ23の展開範囲を幅方向内側へ広げたり、更に広げた部分から後方へサブバッグ25を突出させたりするだけでは、幅方向内側へ傾きながら突入する乗員Mを適切に支持することができない。その結果、幅方向内側へ傾きながら突入する乗員Mに対して、高い安全性を提供することは困難である。
すなわち、助手席の乗員Mが幅方向内側へ傾きながら助手席用のエアバッグ23へ突入する場合、エアバッグ23では、その幅方向内側の端部に、乗員Mの荷重がかかる。また、乗員Mの荷重は、助手席用のエアバッグ23から離れるように幅方向内側の斜め前へ向かう力として作用する。このため、幅方向内側へ広がって展開した助手席用のエアバッグ23は、乗員Mの荷重により幅方向内側へ倒れやすい。そして、一旦助手席用のエアバッグ23で支えられた乗員Mの頭部および上体は、助手席用のエアバッグ23が幅方向内側へ傾くことにより、助手席用のエアバッグ23についての幅方向内側へ落ちてしまう可能性がある。
また、図5の第2比較例では、図3(D)の第1比較例の場合と同様に、乗員Mの頭部は、突入位置からずれることにより、上体に対して大きく回転する。
上体の回転に対して頭部の回転が大きくなるほど、乗員Mの首に対して負担がかかる可能性が高くなる。
また、図5の第2比較例では、図3(D)の第1比較例の場合と同様に、助手席用のエアバッグ23は、乗員Mの荷重のままに、幅方向内側へ倒れる。
なお、以上の説明では、幅方向内側へ傾きながら突入する乗員Mは、メインバッグ24とサブバッグ25とによる隅部26に対して突入するものとして説明している。しかしながら、乗員Mがエアバッグ23へ斜めに突入する位置は、隅部26に限られない。図5のように単にサブバッグ25を突出させる場合には、頭部を幅方向内側から支える機能が無いので、突入位置が隅部26からずれるほど、サブバッグ25が頭部に対して機能し難くなる。頭部の近くでサブバッグ25が展開しないと、サブバッグ25が頭部を支える機能を発揮し得ない。
以上のように、本実施形態では、メインバッグ24に突入する乗員Mの頭部についての車両の幅方向内側においてサブバッグ25を突出するように展開させている。よって、幅方向内側に傾きながらメインバッグ24へ突入する乗員Mの頭部を、サブバッグ25およびメインバッグ24の間で受けて支えることができる。
しかも、サブバッグ25は、メインバッグ24に対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員Mの頭部の荷重が作用することにより変形した状態においても、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後方へ突出する状態を維持する。よって、サブバッグ25は、乗員Mによる斜め前方向への荷重により幅方向内側へ倒れたとしても、乗員Mを幅方向内側から支えることができる。その結果、メインバッグ24に対して幅方向内側に傾きながら突入する乗員Mは、倒れた状態のサブバッグ25により支え続けられて、サブバッグ25およびメインバッグ24についての幅方向内側へ脱落し難い。
さらに、サブバッグ25は、倒れた状態でもメインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後方へ突出する状態を維持するので、メインバッグ24に突入した乗員Mの頭部は、突出するサブバッグ25により支え続けられ、突入後に回転し難い。乗員Mの頭部が上体よりも幅方向外側へ回転してしまうことによる乗員Mの首部分の障害を抑制できる。
これ対して、図5に示すように単にメインバッグ24からサブバッグ25を突出させただけの場合、メインバッグ24およびサブバッグ25が乗員Mとともに幅方向内側へ傾く際に、メインバッグ24に突入した乗員Mが、メインバッグ24およびサブバッグ25から脱落しやすい。また、脱落する乗員Mは、頭部のみがサブバッグ25により支えられるので、頭部より上体が優先して脱落する。その結果、メインバッグ24に突入した乗員Mの頭部は、突入後に回転しやすい。そして、たとえば乗員Mの頭部が上体よりも回転して、乗員Mの首部分に障害が発生する可能性がある。
このように、本実施形態では、サブバッグ25が変形した状態においてもメインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後方へ突出する状態を維持するので、幅方向内側に傾きながらメインバッグ24へ突入する乗員Mの頭部および上体を好適に支え続けることができる。しかも、その支えている乗員Mの頭部が上体よりも回転してしまうことを抑制し得る。その結果、車両の幅方向内側に傾きながら前へ倒れる乗員Mの障害を抑制し、該乗員Mの保護性能を向上できる。
本実施形態では、サブバッグ25は、基端部27と先端部28とを有する。そして、基端部27は、メインバッグ24についての幅方向内側の面に設けられ、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後側へ延び、先端部28は、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面の後側へ回り込んでいる。このような断面略L字形状のサブバッグ25では、先端部28の先端に荷重が作用する場合、基端部27がメインバッグ24に底付きし、メインバッグ24から反力を得ることができる。そして、メインバッグ24に対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員Mの頭部の荷重がサブバッグ25に作用する場合、その荷重は、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面の後側へ回り込んでいる先端部28に対して作用する。その結果、サブバッグ25は、該荷重により変形したとしても、メインバッグ24から反力を得て、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後方へ突出する状態を維持し得る。サブバッグ25は、変形した状態においても、頭部を支持し得る。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る自動車1の乗員保護装置10について説明する。以下において、主に第1実施形態との相違点について説明する。第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の符号を使用して、説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態での、助手席用の乗員保護装置10の詳細な説明図である。
図6に示すように、エアバッグモジュール12は、ハウジング21、インフレータ22、エアバッグ23、を有する。エアバッグ23は、メインバッグ24、サブバッグ25、を有する。
サブバッグ25は、布材を、たとえば略四角柱形状の袋状に縫製したものである。
サブバッグ25は、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面において、該面の幅方向内側の縁から外へ離間する位置に設けられる。メインバッグ24についての乗員Mが突入する面の中央寄りに設けられる。
そして、図6(A)の状態にメインバッグ24およびサブバッグ25が展開する場合、シート7に着座している乗員Mの幅方向内側の斜め前方向には、メインバッグ24とサブバッグ25とによる隅部26が位置する。このため、オフセットした斜め衝突の際に、乗員Mが幅方向内側に倒れながらメインバッグ24に対して斜めに突入する場合、たとえば図6(B)に示すように、乗員Mの頭部は、メインバッグ24についての隅部26となる部分に突入する。メインバッグ24についての、サブバッグ25と隣り合う部分に、頭部が突入する。
そして、乗員Mの上体および頭部が斜めに突入したメインバッグ24およびサブバッグ25は、乗員Mの斜め方向への荷重により、車体2の幅方向内側へ倒れようとする。しかしながら、サブバッグ25は、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面において幅方向内側の縁から外へ離間した位置に設けられる。よって、サブバッグ25は、頭部より押されてつぶされそうになるが、図6(B)に示すように、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面と頭部との間に挟まれることにより、メインバッグ24から反力を得て、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面より突出した状態を維持する。その結果、メインバッグ24に突入した頭部は、メインバッグ24に突入した後、潰さないサブバッグ25により幅方向内側から押され、支えられる。幅方向内側に傾いた斜め前方向へ移動しようとする乗員Mの頭部および上体は、メインバッグ24およびサブバッグ25の内側へ落ち難くなる。また、サブバッグ25により支えられている頭部は、メインバッグ24に突入した状態を維持し、倒れたメインバッグ24の上で幅方向へ滑って回転することが起き難くなる。乗員Mの頭部が上体と比べて大きく回転してしまうことが起きにくくなる。
また、完全に潰されてしまうことがないサブバッグ25が頭部を幅方向外向きに押すことにより、乗員Mの頭部が上体に対して大きく回転し難くなる。
その結果、幅方向内側に傾いた斜め前方向へ移動しようとする乗員Mは、メインバッグ24およびサブバッグ25により一旦支持された後に、メインバッグ24およびサブバッグ25についての幅方向内側へ落ちにくくなる。オフセットした斜め衝突の際の乗員保護効果が高まる。
なお、サブバッグ25は、幅方向内側に倒れながらメインバッグ24に対して斜めに突入する乗員Mの頭部に対して、少なくとも側頭部から後頭部までの範囲内に当たることにより、同様の効果を期待できる。
以上のように、本実施形態では、サブバッグ25は、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面において、該乗員突入面の幅方向内側の縁から離間して設けられる。メインバッグ24に対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員Mの頭部の荷重がサブバッグ25に作用することにより、サブバッグ25は、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面に対して倒れ得るが、その倒れた状態においても、メインバッグ24から反力を得て、メインバッグ24についての乗員Mが突入する面より後方へ突出する状態を維持し得る。サブバッグ25は、変形した状態においても、頭部を支持し得る。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
上記実施形態において、メインバッグ24は、乗員Mが突入する面が、自動車1の上下方向に沿った略平面に形成されている。
この他にもたとえば、乗員Mが突入する面は、自動車1の前後方向に沿った面であっても、曲面であってもよい。これらの場合でも、乗員Mの保護性能が向上することを期待できる。
上記実施形態は、本発明を自動車1の助手席用の乗員保護装置10に適用した例である。
この他にもたとえば、本発明は、自動車1の運転席用の乗員保護装置10、後部座席用の乗員保護装置10に適用してよい。
1…自動車(車両)、2…車体、3…乗員室、4…ダッシュボード、7…シート、10…乗員保護装置、12…エアバッグモジュール、13…車外撮像センサ(車外センサ)、14…車内撮像センサ(車内センサ)、15…ECU(制御部)、21…ハウジング、22…インフレータ、23…エアバッグ、24…メインバッグ、25…サブバッグ、26…隅部、27…基端部、28…先端部

Claims (3)

  1. 車両のシートに着座する乗員の前で展開して、倒れる乗員の頭部から上体を支えるメインバッグと、
    前記メインバッグより前記車両の後方へ向けて突出して展開することにより、前記メインバッグに突入する乗員の頭部についての前記車両の幅方向内側で展開するサブバッグと、
    を有し、
    前記サブバッグは、前記メインバッグに対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員の頭部の荷重が作用することにより変形した状態においても、前記メインバッグから反力を受けて、前記メインバッグについての乗員が突入する面より後方へ突出する状態を維持する、
    車両の乗員保護装置。
  2. 前記サブバッグは、
    前記メインバッグについての幅方向内側の面に設けられ、前記メインバッグについての乗員が突入する面より後側へ延びる基端部と、
    前記基端部の先に設けられ、前記メインバッグについての乗員が突入する面の後側へ回り込んでいる先端部と、
    を有し、前記メインバッグに対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員の頭部の荷重が作用することにより変形した状態において、前記基端部が前記メインバッグに底付きすることにより、前記メインバッグから反力を得る、
    請求項1記載の車両の乗員保護装置。
  3. 前記サブバッグは、
    前記メインバッグについての乗員が突入する面において、該乗員突入面の幅方向内側の縁から離間して設けられ、
    前記メインバッグに対して幅方向内側に傾きながら突入した乗員の頭部の荷重が作用することにより変形した状態において、前記メインバッグと乗員との間に挟まれることにより、前記メインバッグから反力を得る、
    請求項1記載の車両の乗員保護装置。
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