JP2016016279A - 生体情報測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】血管硬さの測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】生体情報測定装置1は、生体に関する情報の測定結果に基づいて、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標、および、血管硬さに関する指標である血管硬さ指標を算出する。
【選択図】図1
【解決手段】生体情報測定装置1は、生体に関する情報の測定結果に基づいて、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標、および、血管硬さに関する指標である血管硬さ指標を算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、生体情報測定装置に関する。
生体の血管硬さに関する指標を測定する生体情報測定装置が知られている。その一例である特許文献1の生体情報測定装置は、脈拍に同期して発生する脈波を被測定者の腕に装着されたカフにより検出し、検出した脈波を演算処理することにより被測定者の血管硬さに関する指標を算出する。算出された指標は生体情報測定装置の表示部に表示される。このため、被測定者は自身の血管硬さを認識することができる。
生体の動脈血管は、平滑筋細胞、エラスチン、および、コラーゲン等の物質により構成され、主にこれらの物質の特性により血管硬さが決められる。例えば、糖尿病患者または高齢者の血管は、エラスチンの減少およびコラーゲンの増加に起因して器質的に硬くなるとの見解がある。このため、例えば特許文献1の生体情報測定装置を用いて血管硬さに関する指標を測定し、その測定結果を用いて例えば病気の進行度合いを診断することができる。
一方、血管硬さは、被測定者の自律神経の影響により機能的に硬くなることがある。このため、血管が器質的に軟らかい場合であっても自律神経の影響により血管が機能的に硬化したときには、上記生体情報測定装置等により測定される血管硬さに血管の機能的な硬化も反映される。このため、血管硬さの測定の目的が血管の器質的な硬さを測定することである場合には、その目的に見合う測定結果を測定者または被測定者(以下では「測定者等」)に提供できない。
本発明の目的は、血管硬さの測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる生体情報測定装置を提供することである。
本発明の一形態に従う生体情報測定装置は、生体に関する情報の測定結果に基づいて、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標、および、血管硬さに関する指標である血管硬さ指標を算出する。
本発明の別の一形態に従う生体情報測定装置は、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標と血管硬さに関する指標である血管硬さ指標とを関連付けた情報である硬さ評価情報を報知装置に出力させる。
生体情報測定装置の一形態によれば、血管硬さの測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる。
(生体情報測定装置が取り得る形態の一例)
〔1〕本発明の一形態に従う生体情報測定装置は、生体に関する情報の測定結果に基づいて、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標、および、血管硬さに関する指標である血管硬さ指標を算出する。
〔1〕本発明の一形態に従う生体情報測定装置は、生体に関する情報の測定結果に基づいて、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標、および、血管硬さに関する指標である血管硬さ指標を算出する。
血管が器質的および機能的に硬化している場合、血管硬さ指標はそれぞれの要因の影響を受けた血管の硬さを示す。一方、自律神経指標は自律神経の影響により血管が機能的に硬化している可能性を示唆することがある。このため、これらの2つの指標が提示されることにより、または、2つの指標が関連付けられることにより、血管硬さ指標により示される血管硬さがその硬さを有する要因を推定することができる。
本生体情報測定装置は、以上の事項を踏まえ自律神経指標および血管硬さ指標を算出する。このため、これらの指標を直接的もしくは間接的に測定者等に提供すること、または、これらの指標を関連付けた情報を直接的もしくは間接的に測定者等に提供することができる。このため、測定者等は本生体情報測定装置から直接的または間接的に提供される自律神経指標および血管硬さ指標に基づいて、血管硬さ指標の妥当性を判断することができる。または、測定者等は本生体情報測定装置から直接的または間接的に提供される自律神経指標と血管硬さ指標との関係に基づいて、血管硬さ指標の妥当性を判断することができる。このように、本生体情報測定装置は血管硬さの測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる。
〔2〕前記生体情報測定装置の一形態は、前記自律神経指標および前記血管硬さ指標を関連付けた情報である硬さ評価情報を算出する。
本生体情報測定装置は、自律神経指標および血管硬さ指標を関連付けた硬さ評価情報を直接的もしくは間接的に測定者等に提供することができる。このため、測定者等は本生体情報測定装置から直接的または間接的に提供される硬さ評価情報に基づいて、血管硬さ指標の妥当性を判断することができる。
本生体情報測定装置は、自律神経指標および血管硬さ指標を関連付けた硬さ評価情報を直接的もしくは間接的に測定者等に提供することができる。このため、測定者等は本生体情報測定装置から直接的または間接的に提供される硬さ評価情報に基づいて、血管硬さ指標の妥当性を判断することができる。
〔3〕前記生体情報測定装置の一形態は、前記測定結果に基づいて血圧を示す血圧値をさらに算出し、前記自律神経指標および前記血圧値を関連付けた情報である血圧評価情報を算出する。
血圧が器質的および機能的に上昇または低下している場合、血圧値はそれぞれの要因の影響を受けた血圧を示す。一方、自律神経指標は自律神経の影響により血圧が機能的に上昇または低下している可能性を示唆することがある。このため、これらの2つの指標が提示されることにより、または、2つの指標が関連付けられることにより、血圧値により示される血圧がその大きさを有する要因を推定することができる。
本生体情報測定装置は、以上の事項を踏まえ自律神経指標および血圧値に基づいて血圧評価情報を算出する。このため、血圧評価情報を直接的もしくは間接的に測定者等に提供することができる。このため、測定者等は本生体情報測定装置から直接的または間接的に提供される血圧評価情報に基づいて、血圧値の妥当性を判断することができる。このように、本生体情報測定装置は血圧の測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる。
〔4〕前記生体情報測定装置の一形態は、カフにより測定された結果である前記測定結果に基づいて、前記自律神経指標、前記血管硬さ指標、および、血圧を示す血圧値を算出する。
本生体情報測定装置によれば、カフにより測定される結果に基づいて上記3つの値が算出される。このため、上記3つの値を算出するために、それぞれの値に関する情報を個別に測定する場合よりも測定回数を少なくすることができる。このため、血管硬さ等を測定するための被測定者の負担が軽減される。
〔5〕前記生体情報測定装置の一形態は、心臓の電気的な情報および容積脈波に関する情報の少なくとも一方を含む前記測定結果に基づいて、前記自律神経指標および前記血管硬さ指標を算出する。
〔6〕本発明の別の一形態に従う生体情報測定装置は、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標と血管硬さに関する指標である血管硬さ指標とを関連付けた情報である硬さ評価情報を報知装置に出力させる。
本生体情報測定装置は、自律神経指標および血管硬さ指標を関連付けた硬さ評価情報を報知装置により出力させる。この報知装置は、硬さ評価情報を視覚的または聴覚的に測定者等に提供する。このため、測定者等は本生体情報測定装置の報知装置から提供される硬さ評価情報に基づいて、血管硬さ指標の妥当性を判断することができる。このように、本生体情報測定装置は血管硬さの測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる。
(実施の形態1)
図1を参照して、生体情報測定装置1の構成について説明する。
生体情報測定装置1は、内圧が変化するカフ10、および、生体に関する情報を測定する測定装置20を備える。
図1を参照して、生体情報測定装置1の構成について説明する。
生体情報測定装置1は、内圧が変化するカフ10、および、生体に関する情報を測定する測定装置20を備える。
測定装置20は、カフ10の内圧を制御する圧力制御部30、カフ10の内圧を検出する圧力検出部40、および、圧力検出部40からの圧力信号に基づいて生体の脈波に関する情報を検出する脈波検出部50を備える。測定装置20は、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標を算出する自律神経指標算出部60、血管硬さに関する指標である血管硬さ指標を算出する血管硬さ指標算出部70、および、血圧値を算出する血圧算出部80をさらに備える。また、測定装置20は、各算出部60,70,80により算出された情報を記憶する記憶部90、および、各算出部60,70,80の情報を出力する報知装置である表示部100をさらに備える。
圧力制御部30は、樹脂製のチューブ11を介してカフ10と接続されている。圧力制御部30は、チューブ11を介してカフ10にエアーを供給するエアーポンプ(図示略)、チューブ11を介してカフ10からエアーを排気するエアー排気弁(図示略)、および、エアーポンプとエアー排気弁とを制御する制御装置(図示略)を備える。圧力制御部30は、エアーポンプを駆動することによりカフ10の内圧を上昇させ、エアー排気弁を開放することによりカフ10の内圧を下降させる。
圧力検出部40は、カフ10の内圧を測定する圧力センサー(図示略)、および、圧力センサーにより測定された圧力をデジタル信号である圧力信号に変換するA/D変換器(図示略)を備える。圧力検出部40は、カフ10の内圧に関する情報を含む圧力信号を脈波検出部50、血管硬さ指標算出部70、および、血圧算出部80に出力する。
脈波検出部50は、圧力信号を増幅させる増幅器(図示略)、および、増幅された圧力信号から所定の周波数を除去するフィルター回路(図示略)を備える。脈波検出部50は、圧力信号から所定の周波数を除去することにより生体の脈波に関する情報を含む脈波信号を検出する。脈波検出部50は、この脈波信号を自律神経指標算出部60、血管硬さ指標算出部70、および、血圧算出部80に出力する。
自律神経指標算出部60は、図3Aに示されるように、脈波信号から生体の脈波を時間軸に示したときのピークを検出し、連続している2つのピークの間隔であって心拍の間隔と相関する心拍間隔PP(図3B参照)を演算する。図1に示されるように、自律神経指標算出部60は、この心拍間隔PPの変動に基づいて自律神経指標である自律神経活動度と、交感神経および副交感神経の優位性とを算出する。なお、この自律神経指標は、一例として、数値により表される。
血管硬さ指標算出部70は、脈波信号から脈波の波高値H(図3B参照)を検出し、カフ10の内圧の上昇開始から上昇終了までに検出された複数の波高値Hを累積加算した値である脈波累積加算値を演算する。そして、血管硬さ指標算出部70は、カフ10の内圧と脈波累積加算値との関係を推定し、この関係を所定のアルゴリズムを用いて解析することにより血管硬さ指標を算出する。なお、この血管硬さ指標は、一例として、数値により表される。
血圧算出部80は、脈波信号から脈波の複数の波高値Hを検出し、その波高値Hとカフ10の内圧との関係を推定する。そして、血圧算出部80は、この関係をオシロメトリック法等の所定のアルゴリズムを用いて解析することにより最高血圧、最低血圧、および、平均血圧を算出する。
記憶部90は、記憶装置(図示略)および時計(図示略)を備える。記憶部90は、測定日および時間等と対応付けて、各算出部60,70,80から出力される自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値等の情報を記憶する。
表示部100の形態の一例は、液晶画面である。この液晶画面には、文字、数値、および、マップ等が表示される。表示部100は、記憶部90に記憶されている自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値等の情報に関する文字、数値、および、マップ等を表示する。
図2A〜図2Cを参照して、生体情報測定装置1の測定方法について説明する。
図2Aは、自律神経指標の測定方法の一例を示している。被測定者は、カフ10を上腕に装着し、生体情報測定装置1による測定を開始する。
図2Aは、自律神経指標の測定方法の一例を示している。被測定者は、カフ10を上腕に装着し、生体情報測定装置1による測定を開始する。
圧力制御部30は、ステップS11において、カフ10にエアーの供給を開始する。このため、カフ10の内圧が上昇し始める。これにより、被測定者の上腕がカフ10により締め付けられる。
圧力検出部40は、ステップS12において、カフ10の内圧を検出し、この内圧に関する情報を含む圧力信号を脈波検出部50、血管硬さ指標算出部70、および、血圧算出部80に出力する。
脈波検出部50は、ステップS13において、圧力信号から被測定者の脈波に関する情報を抽出した脈波信号を検出する。脈波検出部50は、検出した脈波信号を自律神経指標算出部60、血管硬さ指標算出部70、および、血圧算出部80に出力する。
自律神経指標算出部60は、ステップS14において、脈波信号から心拍間隔PP(図3B参照)を演算する。自律神経指標算出部60は、ステップS15において、この心拍間隔PPの変動を百分率で示したPI値(percentage index)を演算する。このPI値は、次の式[1]により演算される。
また、自律神経指標算出部60は、このステップS16において、式[1]で演算されたPI値に基づいて、交感神経および副交感神経の優位性を示すトーン値Tを演算する。このトーン値Tは、次の式[3]により演算される。
自律神経指標算出部60は、式[2]および式[3]により演算されたエントロピー値Eおよびトーン値Tから、自律神経指標を算出する。
圧力制御部30は、ステップS17において、カフ10からエアーを排気する。このため、カフ10の内圧が下降し始める。これにより、被測定者の上腕へのカフ10の締め付けが緩められる。以上のステップS11〜ステップS17により、自律神経指標の測定が終了する。
圧力制御部30は、ステップS17において、カフ10からエアーを排気する。このため、カフ10の内圧が下降し始める。これにより、被測定者の上腕へのカフ10の締め付けが緩められる。以上のステップS11〜ステップS17により、自律神経指標の測定が終了する。
図2Bは、血管硬さ指標の測定方法の一例を示している。血管硬さ指標は、一例として、自律神経指標の測定と同時に測定される。なお、血管硬さ指標の測定方法におけるステップS21〜ステップS23、および、ステップS27の内容は、ステップS11〜ステップS13、および、ステップS17の内容と対応するため、その説明を省略する。
血管硬さ指標算出部70は、ステップS24において、脈波信号から脈波の波高値H(図3B参照)を検出する。血管硬さ指標算出部70は、ステップS25において、検出された複数の波高値Hから脈波累積加算値を演算する。
血管硬さ指標算出部70は、ステップS26において、縦軸を脈波累積加算値、横軸をカフ10の内圧として、脈波累積加算値とカフ10の内圧との関係を示す曲線(図示略)を推定して解析する。例えば、曲線が急な傾きを示す場合、血管が軟らかいと推定される。また、曲線が緩やかな傾きを示す場合、血管が硬いと推定される。血管硬さ指標算出部70は、この曲線の傾きから血管硬さ指標を算出する。以上のステップS21〜ステップS27により、血管硬さ指標の測定が終了する。
図2Cは、血圧値の測定方法の一例を示している。血圧値は、一例として、自律神経指標の測定と同時に測定される。なお、血圧値の測定方法におけるステップS31〜ステップS33、および、ステップS36の内容は、ステップS11〜ステップS13、および、ステップS17の内容と対応するため、その説明を省略する。
血圧算出部80は、ステップS34において、脈波信号から脈波の複数の波高値H(図3B参照)を検出する。血圧算出部80は、ステップS35において、縦軸を波高値H、横軸をカフ10の内圧として、波高値Hとカフ10の内圧との関係を示す包絡線(図示略)を推定し、オシロメトリック法に基づいて解析する。例えば、包絡線のうちの波高値Hの最大値に対して波高値Hが所定の割合の大きさとなるときの高圧側のカフ10の圧力が最高血圧と推定され、波高値Hの最大値に対して波高値Hが所定の割合の大きさとなるときの低圧側のカフ10の圧力が最低血圧と推定される。また、波高値Hが最大値のときのカフ10の圧力が平均血圧と推定される。以上のステップS31〜ステップS36により、血圧値の測定が終了する。
図4および図5を参照して、表示部100の表示方法の一例について説明する。
図4に示されるように、生体情報測定装置1は硬さ評価情報を決めるための判定マップを備える。判定マップは2次元座標であり、自律神経指標の軸および血管硬さ指標の軸により規定される。判定マップには、自律神経の状態を判定するための第1の閾値T1、および、血管硬さの程度を判定するための第2の閾値T2が設定される。この各閾値T1,T2は、一例として、予め年代ごとのデータテーブルを用意し、被測定者の年代に即したものである。なお、被測定者は、例えば測定装置20に備えられるタッチパネル(図示略)等により事前に自身の年齢等を入力する。
図4に示されるように、生体情報測定装置1は硬さ評価情報を決めるための判定マップを備える。判定マップは2次元座標であり、自律神経指標の軸および血管硬さ指標の軸により規定される。判定マップには、自律神経の状態を判定するための第1の閾値T1、および、血管硬さの程度を判定するための第2の閾値T2が設定される。この各閾値T1,T2は、一例として、予め年代ごとのデータテーブルを用意し、被測定者の年代に即したものである。なお、被測定者は、例えば測定装置20に備えられるタッチパネル(図示略)等により事前に自身の年齢等を入力する。
自律神経指標の軸は第1の閾値T1により、交感神経が優位であることを示す領域A1、および、副交感神経が優位であることを示す領域A2に区分される。血管硬さの軸は第2の閾値T2により、血管硬さが基準の硬さよりも硬いことを示す領域B1、および、血管硬さが基準の硬さよりも軟らかいことを示す領域B2に区分される。
判定マップは領域A1、領域A2、領域B1、および、領域B2の組み合わせにより4つの領域に区分される。第1の領域は領域A1および領域B1が重畳する領域である。第2の領域は領域A2および領域B1が重畳する領域である。第3の領域は領域A1および領域B2が重畳する領域である。第4の領域は領域A2および領域B2が重畳する領域である。
生体情報測定装置1は、算出した自律神経指標および血管硬さ指標を用いて判定マップにプロットし、そのプロットが属する領域を判定し、その判定結果に応じた硬さ評価情報を表示部100に出力させる。一例によれば、以下のとおり表示部100により硬さ評価情報が出力される。
第1の領域にプロットが属する場合、生体情報測定装置1は、自律神経の影響により血管が硬化している可能性を示す硬さ評価情報を表示部100に出力させる。プロットが第1の領域に属する場合には、血管硬さ指標が第2の閾値T2よりも大きいため、血管硬さが基準の硬さよりも硬いことが判定できる。また、その場合には自律神経指標が第1の閾値T1よりも大きいため、交感神経が優位であることにより血管が機能的に硬化している可能性がある。このため、血管硬さが器質的な要因により基準の硬さよりも硬いか否かを特定できない。このため、生体情報測定装置1は第1の領域にプロットが属する場合、血管硬さが基準の硬さよりも硬い要因を確定せず、機能的な硬化がその要因に該当する可能性を示唆する硬さ評価情報を表示部100に出力させる。なお、表示部100は、再測定を促す情報を表示することが好ましい。
第2の領域にプロットが属する場合、生体情報測定装置1は、血管が器質的に硬化していることにより基準の硬さよりも硬いことを示唆する情報を表示部100に出力させる。プロットが第2の領域に属する場合には、血管硬さ指標が第2の閾値T2よりも大きいため、血管硬さが基準の硬さよりも硬いことが判定できる。また、その場合には自律神経指標が第1の閾値T1よりも小さいため、交感神経の影響により血管が機能的に硬化している可能性が低い。このため、血管硬さが器質的な要因により基準の硬さよりも硬いことを特定できる。このため、生体情報測定装置1は第2の領域にプロットが属する場合、血管硬さが器質的な要因により基準の硬さよりも硬いことを示唆する硬さ評価情報を表示部100に出力させる。
第3の領域にプロットが属する場合、生体情報測定装置1は、血管硬さが基準の硬さよりも軟らかく、かつ、交感神経が優位な緊張した状態であることを示唆する硬さ評価情報を表示部100に出力させる。
第4の領域にプロットが属する場合、生体情報測定装置1は、血管硬さが基準の硬さよりも軟らかく、かつ、副交感神経が優位なリラックスした状態であることを示唆する硬さ評価情報を表示部100に出力させる。
図5に示されるように、生体情報測定装置1は、血圧評価情報を決めるための判定マップを備える。判定マップは2次元座標であり、自律神経の軸および最高血圧の軸により規定される。判定マップには、自律神経の状態を判定するための第3の閾値T3、ならびに、血圧値の程度を判定するための第4の閾値T4および第5の閾値T5が設定される。この各閾値T3〜T5は、一例として、予め年代ごとのデータテーブルを用意し、被測定者の年代に即したものである。なお、被測定者は、例えば測定装置20に備えられるタッチパネル(図示略)等により事前に自身の年齢等を入力する。
自律神経指標の軸は第3の閾値T3により、交感神経が優位であることを示す領域C1、および、副交感神経が優位であることを示す領域C2に区分される。血圧値の軸は第4の閾値T4および第5の閾値T5により、血圧値が基準の血圧よりも高いことを示す領域D1、血圧値が正常であることを示す領域D2、および、血圧値が基準の血圧よりも低いことを示す領域D3に区分される。
判定マップは領域C1、領域C2、領域D1、領域D2、および、領域D3の組み合わせにより6つの領域に区分される。第1の領域は領域C1および領域D1が重畳する領域である。第2の領域は領域C2および領域D1が重畳する領域である。第3の領域は領域C1および領域D2が重畳する領域である。第4の領域は領域C2および領域D2が重畳する領域である。第5の領域は領域C1および領域D3が重畳する領域である。第6の領域は領域C2および領域D3が重畳する領域である。
生体情報測定装置1は、算出した自律神経指標および血圧値を用いて判定マップにプロットし、そのプロットが属する領域を判定し、その判定結果に応じた血圧評価情報を表示部100に出力させる。一例によれば、以下のとおり表示部100により血圧評価情報が出力される。
第1の領域にプロットする場合、生体情報測定装置1は、自律神経の影響により血圧が高くなっている可能性を示す血圧評価情報を表示部100に出力させる。プロットが第1の領域に属する場合には、血圧値が第4の閾値T4よりも大きいため、血圧値が基準の血圧よりも高いことが判定できる。また、その場合には自律神経指標が第3の閾値T3よりも大きいため、交感神経が優位であることにより血圧が機能的に高くなっている可能性がある。このため、血圧値が器質的な要因により基準の血圧よりも高いか否かを特定できない。このため、生体情報測定装置1は第1の領域にプロットが属する場合、血圧値が基準の血圧よりも高い要因を確定せず、機能的な要因に該当する可能性を示唆する血圧評価情報を表示部100に出力させる。なお、表示部100は、再測定を促す情報を表示することが好ましい。
第2の領域にプロットが属する場合、生体情報測定装置1は、血圧値が器質的に高くなっていることにより基準の血圧よりも高い高血圧症の可能性を示唆する情報を表示部100に出力させる。プロットが第2の領域に属する場合には、血圧値が第4の閾値T4よりも大きいため、血圧値が基準の血圧よりも高いことが判定できる。また、その場合には自律神経指標が第3の閾値T3よりも小さいため、交感神経の影響により血圧が機能的に高くなっている可能性が低い。このため、血圧値が器質的な要因により基準の血圧よりも高いことを特定できる。このため、生体情報測定装置1は第2の領域にプロットが属する場合、血圧値が器質的な要因により基準の血圧よりも高い高血圧症であることを示唆する血圧評価情報を表示部100に出力させる。
第3の領域にプロットが属する場合、生体情報測定装置1は、血圧値が正常であり、かつ、交感神経が優位な緊張した状態であることを示唆する血圧評価情報を表示部100に出力させる。
第4の領域にプロットが属する場合、生体情報測定装置1は、血圧値が正常であり、かつ、副交感神経が優位なリラックスした状態であることを示唆する血圧評価情報を表示部100に出力させる。
第5の領域にプロットする場合、生体情報測定装置1は、自律神経の影響により血圧が低くなっている可能性を示す血圧評価情報を表示部100に出力させる。プロットが第5の領域に属する場合には、血圧値が第5の閾値T5よりも小さいため、血圧値が基準の血圧よりも低いことが判定できる。また、その場合には自律神経指標が第3の閾値T3よりも大きいため、交感神経が優位であることにより血圧が機能的に低くなっている可能性がある。このため、血圧値が器質的な要因により基準の血圧よりも低いか否かを特定できない。このため、生体情報測定装置1は第5の領域にプロットが属する場合、血圧値が基準の血圧よりも低い要因を確定せず、機能的な要因に該当する可能性を示唆する血圧評価情報を表示部100に出力させる。なお、表示部100は、再測定を促す情報を表示することが好ましい。
第6の領域にプロットが属する場合、生体情報測定装置1は、血圧値が器質的に低くなっていることにより基準の血圧よりも低い低血圧の可能性を示唆する情報を表示部100に出力させる。プロットが第6の領域に属する場合には、血圧値が第5の閾値T5よりも小さいため、血圧値が基準の血圧よりも低いことが判定できる。また、その場合には自律神経指標が第3の閾値T3よりも小さいため、交感神経の影響により血圧が機能的に低くなっている可能性が低い。このため、血圧値が器質的な要因により基準の血圧よりも低いことを特定できる。このため、生体情報測定装置1は第6の領域にプロットが属する場合、血圧値が器質的な要因により基準の血圧よりも低い低血圧であることを示唆する血圧評価情報を表示部100に出力させる。
生体情報測定装置1は、以下の作用および効果を奏する。
(1)血管が器質的および機能的に硬化している場合、血管硬さ指標はそれぞれの要因の影響を受けた血管の硬さを示す。一方、自律神経指標は自律神経の影響により血管が機能的に硬化している可能性を示唆することがある。このため、これらの2つの指標が提示されることにより、または、2つの指標が関連付けられることにより、血管硬さ指標により示される血管硬さがその硬さを有する要因を推定することができる。
(1)血管が器質的および機能的に硬化している場合、血管硬さ指標はそれぞれの要因の影響を受けた血管の硬さを示す。一方、自律神経指標は自律神経の影響により血管が機能的に硬化している可能性を示唆することがある。このため、これらの2つの指標が提示されることにより、または、2つの指標が関連付けられることにより、血管硬さ指標により示される血管硬さがその硬さを有する要因を推定することができる。
生体情報測定装置1は、以上の事項を踏まえ自律神経指標および血管硬さ指標を算出する。このため、これらの指標を直接的もしくは間接的に測定者等に提供すること、または、これらの指標を関連付けた情報を直接的もしくは間接的に測定者等に提供することができる。このため、測定者等は生体情報測定装置1から直接的または間接的に提供される自律神経指標および血管硬さ指標に基づいて、血管硬さ指標の妥当性を判断することができる。または、測定者等は生体情報測定装置1から直接的または間接的に提供される自律神経指標と血管硬さ指標との関係に基づいて、血管硬さ指標の妥当性を判断することができる。このように、生体情報測定装置1は血管硬さの測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる。
(2)血圧が器質的および機能的に上昇または低下している場合、血圧値はそれぞれの要因の影響を受けた血圧を示す。一方、自律神経指標は自律神経の影響により血圧が機能的に上昇または低下している可能性を示唆することがある。このため、これらの2つの指標が提示されることにより、または、2つの指標が関連付けられることにより、血圧値により示される血圧がその大きさを有する要因を推定することができる。
生体情報測定装置1は、以上の事項を踏まえ自律神経指標および血圧値に基づいて血圧評価情報を算出する。このため、血圧評価情報を直接的もしくは間接的に測定者等に提供することができる。このため、測定者等は生体情報測定装置1から直接的または間接的に提供される血圧評価情報に基づいて、血圧値の妥当性を判断することができる。このように、生体情報測定装置1は血圧の測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる。
(3)生体情報測定装置1によれば、カフ10により測定される結果に基づいて自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値が算出される。このため、この3つの値を算出するために、それぞれの値に関する情報を個別に測定する場合よりも測定回数を少なくすることができる。このため、血管硬さ等を測定するための被測定者の負担が軽減される。
(4)生体情報測定装置1によれば、被測定者がカフ10を装着することにより自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値が測定される。このため、被測定者がカフに加えて別の部材を装着することにより自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値を測定する構成と比較して、使い勝手がよい。
(5)生体情報測定装置1は、自律神経指標および血管硬さ指標を関連付けた硬さ評価情報を表示部100により出力させる。この表示部100は、硬さ評価情報を視覚的に測定者等に提供する。このため、測定者等は生体情報測定装置1の表示部100から提供される硬さ評価情報に基づいて、血管硬さ指標の妥当性を判断することができる。このように、生体情報測定装置1は血管硬さの測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる。
(6)生体情報測定装置1は、自律神経指標および血圧値を関連付けた血圧評価情報を表示部100により出力させる。この表示部100は、血圧評価情報を視覚的に測定者等に提供する。このため、測定者等は生体情報測定装置1の表示部100から提供される血圧評価情報に基づいて、血圧値の妥当性を判断することができる。このように、生体情報測定装置1は血圧の測定結果を適切に活用するための情報を測定者等に提供できる。
(実施の形態2)
実施の形態2の生体情報測定装置2は、以下に説明する点において実施の形態1の生体情報測定装置1と相違し、その他の点において実施の形態1の生体情報測定装置1と実質的に同じ構成を備える。なお、実施の形態2の生体情報測定装置2の説明は、実施の形態1の生体情報測定装置1と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略している。
実施の形態2の生体情報測定装置2は、以下に説明する点において実施の形態1の生体情報測定装置1と相違し、その他の点において実施の形態1の生体情報測定装置1と実質的に同じ構成を備える。なお、実施の形態2の生体情報測定装置2の説明は、実施の形態1の生体情報測定装置1と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略している。
図6を参照して、生体情報測定装置2の構成について説明する。
生体情報測定装置2は、内圧が変化するカフ10、心臓の電気的な情報を測定する複数の電極110、および、生体に関する情報を測定する測定装置20を備える。測定装置20は、電極110から心電図(図示略)を検出する心電検出部130を備える。
生体情報測定装置2は、内圧が変化するカフ10、心臓の電気的な情報を測定する複数の電極110、および、生体に関する情報を測定する測定装置20を備える。測定装置20は、電極110から心電図(図示略)を検出する心電検出部130を備える。
心電検出部130は、電極110から得られる電位差を増幅させる増幅器(図示略)、ノイズを除去するフィルター回路(図示略)、および、デジタル信号である心電図に関する情報を含む信号に変換するA/D変換器(図示略)を備える。心電検出部130は、電極110から心電図に関する情報を検出し、その検出した情報を自律神経指標算出部60、血管硬さ指標算出部70に出力する。
自律神経指標算出部60は、心電図からR波を検出し、連続している2つのR波の間隔であって心拍の間隔と相関する心拍間隔を演算する。心拍間隔は、心拍数が所定の拍数に達するまで演算される。自律神経指標算出部60は、この心拍間隔の変動に基づいて自律神経指標である自律神経活動度と、交感神経および副交感神経の優位性とを算出する。
血管硬さ指標算出部70は、心電図のR波が生じる時刻と脈波のピークが生じる時刻との差である脈波の伝播時間を演算し、その伝播時間を心臓からカフ10の位置までの距離で割ることにより脈波伝播速度を演算する。血管硬さ指標算出部70は、この脈波伝播速度から血管硬さ指標を算出する。
図7Aおよび図7Bを参照して、生体情報測定装置2の測定方法について説明する。
図7Aは、自律神経指標の測定方法の一例を示している。被測定者は、カフ10を上腕に装着し、電極110を所定の対象部位に装着して、生体情報測定装置2による測定を開始する。
図7Aは、自律神経指標の測定方法の一例を示している。被測定者は、カフ10を上腕に装着し、電極110を所定の対象部位に装着して、生体情報測定装置2による測定を開始する。
圧力制御部30は、ステップS41において、カフ10にエアーの供給を開始する。このため、カフ10の内圧が上昇し始める。これにより、被測定者の上腕がカフ10により締め付けられる。
圧力検出部40は、ステップS42において、カフ10の内圧が所定の圧力に達したか否かを検出する。所定の圧力は、カフ10の内圧から被測定者の脈波が検出可能な圧力である。一例として、被測定者の最低血圧の値である。カフ10の内圧が所定の圧力に達していないと圧力検出部40が検出したとき、圧力制御部30がカフ10にエアーを供給し続ける。カフ10の内圧が所定の圧力に達したと圧力検出部40が検出したとき、次のステップに移行する。
圧力制御部30は、ステップS43において、カフ10へのエアーの供給を停止し、カフ10の内圧が一定を保持するように制御する。
自律神経指標算出部60は、ステップS44において、心電検出部130により検出された心電図(図示略)からR波を検出し、心拍間隔を演算する。自律神経指標算出部60は、ステップS45において、被測定者の心拍数が所定の拍数に達したか否かを検出する。自律神経指標算出部60は、被測定者の心拍数が所定の拍数に達していないと検出したとき、心拍間隔の演算を続行する。自律神経指標算出部60は、被測定者の心拍数が所定の拍数に達したと検出したとき、次のステップに移行する。
自律神経指標算出部60は、ステップS44において、心電検出部130により検出された心電図(図示略)からR波を検出し、心拍間隔を演算する。自律神経指標算出部60は、ステップS45において、被測定者の心拍数が所定の拍数に達したか否かを検出する。自律神経指標算出部60は、被測定者の心拍数が所定の拍数に達していないと検出したとき、心拍間隔の演算を続行する。自律神経指標算出部60は、被測定者の心拍数が所定の拍数に達したと検出したとき、次のステップに移行する。
自律神経指標算出部60は、ステップS46およびステップS47において、生体情報測定装置1の自律神経指標の測定方法におけるステップS15およびステップS16と同様の方法により自律神経指標を算出する。
圧力制御部30は、ステップS48において、カフ10からエアーを排気する。このため、カフ10の内圧が下降し始める。これにより、被測定者の上腕へのカフ10の締め付けが緩められる。以上のステップS41〜ステップS48により、自律神経指標の測定が終了する。
図7Bは、血管硬さ指標の測定方法の一例を示している。血管硬さ指標は、一例として、自律神経指標の測定と同時に測定される。なお、血管硬さ指標の測定方法におけるステップS51〜ステップS53、および、ステップS57の内容は、ステップS41〜ステップS43、および、ステップS48の内容と対応するため、その説明を省略する。
血管硬さ指標算出部70は、ステップS54において、心電図のR波の時刻と脈波のピークの時刻との差である脈波の伝播時間を演算する。血管硬さ指標算出部70は、ステップS55において、この伝播時間から脈波伝播速度を演算する。
血管硬さ指標算出部70は、ステップS56において、血管の硬さと相関して上昇する脈波伝播速度の特性を用いて血管硬さ指標を算出する。以上のステップS51〜ステップS57により、血管硬さ指標の測定が終了する。
生体情報測定装置2は、実施の形態1の(1)および(5)の効果に加えて、以下の作用および効果を奏する。
(7)生体情報測定装置2によれば、電極110から心電図が検出される。このため、心臓の電気活動を遅滞なく検出することができる。このため、生体情報測定装置2によれば、精度のよい自律神経指標が算出される。
(7)生体情報測定装置2によれば、電極110から心電図が検出される。このため、心臓の電気活動を遅滞なく検出することができる。このため、生体情報測定装置2によれば、精度のよい自律神経指標が算出される。
(8)生体情報測定装置2によれば、脈波伝播速度を用いて血管硬さ指標が算出される。このため、心臓からカフ10の位置までの広い範囲において、血管硬さ指標が測定される。
(9)生体情報測定装置2によれば、カフ10の内圧が一定を保持するように制御される。このため、被測定者の心拍数が自律神経指標の測定に最適な拍数に達するまで心拍間隔を演算することができる。このため、生体情報測定装置2によれば、PI値が精度よく演算され、自律神経指標を一層正確に算出することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3の生体情報測定装置3は、以下に説明する点において実施の形態1の生体情報測定装置1と相違し、その他の点において実施の形態1の生体情報測定装置1と実質的に同じ構成を備える。なお、実施の形態3の生体情報測定装置3の説明は、実施の形態1の生体情報測定装置1と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略している。
実施の形態3の生体情報測定装置3は、以下に説明する点において実施の形態1の生体情報測定装置1と相違し、その他の点において実施の形態1の生体情報測定装置1と実質的に同じ構成を備える。なお、実施の形態3の生体情報測定装置3の説明は、実施の形態1の生体情報測定装置1と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略している。
図8を参照して、生体情報測定装置3の構成について説明する。
生体情報測定装置3は、内圧が変化するカフ10、開口(図示略)を有するハウジング210、および、生体に関する情報を測定する測定装置20を備える。
生体情報測定装置3は、内圧が変化するカフ10、開口(図示略)を有するハウジング210、および、生体に関する情報を測定する測定装置20を備える。
ハウジング210の形状は、凹である。ハウジング210の内面には、光を連続的に出力する発光部211、および、光を検出する受光部212が取り付けられている。発光部211の一例は、LED(Light Emitting Diode)である。受光部212の一例は、PD(Photo Director)である。受光部212は、検出した光を電気信号に変換する。
測定装置20は、発光部211の発光を制御する発光制御部230、および、受光部212の電気信号から生体の容積脈波に関する情報を検出する容積脈波検出部240を備える。
容積脈波検出部240は、電気信号を増幅させる増幅器(図示略)、ノイズを除去するフィルター回路(図示略)、および、電気信号をデジタル信号である容積脈波信号に変換するA/D変換器(図示略)を備える。容積脈波検出部240は、電気信号から生体の容積脈波に関する情報を含む容積脈波信号を検出し、この容積脈波信号を血管硬さ指標算出部70に出力する。
血管硬さ指標算出部70は、容積脈波信号を時間軸で2階微分することにより加速度脈波を演算する。血管硬さ指標算出部70は、この加速度脈波により血管硬さ指標を算出する。
図9を参照して、生体情報測定装置3の測定方法について説明する。
図9は、血管硬さ指標の測定方法の一例を示している。被測定者は、ハウジング210の開口(図示略)から指尖を挿入し、生体情報測定装置3による測定を開始する。
図9は、血管硬さ指標の測定方法の一例を示している。被測定者は、ハウジング210の開口(図示略)から指尖を挿入し、生体情報測定装置3による測定を開始する。
発光制御部230は、ステップS61において、発光部211の発光を開始する。受光部212は、発光部211からの光を電気信号に変換し、その電気信号を容積脈波検出部240に出力する。
容積脈波検出部240は、ステップS62において、電気信号から被測定者の容積脈波に関する情報を含む容積脈波信号を検出する。容積脈波検出部240は、この容積脈波信号を血管硬さ指標算出部70に出力する。
血管硬さ指標算出部70は、ステップS63において、容積脈波信号を時間軸で2階微分することにより加速度脈波を演算する。この加速度脈波には、a波、b波、c波、d波、および、e波と称する5つのピークが出現する。
血管硬さ指標算出部70は、ステップS64において、加速度脈波からa波、b波、c波、d波、および、e波のそれぞれの波高値(図示略)を検出する。血管硬さ指標算出部70は、ステップS65において、検出したそれぞれの波高値を次の式[4]に代入して演算し、血管硬さ指標Kを算出する。なお、式[4]におけるa、b、c、d、および、eは、a波の波高値、b波の波高値、c波の波高値、d波の波高値、および、e波の波高値である。
また、自律神経指標の測定、および、血圧値の測定は、一例として、血管硬さ指標の測定と同時に測定される。自律神経の測定方法は、一例として、生体情報測定装置1の自律神経の測定方法に準じた測定方法である。血圧値の測定方法は、一例として、生体情報測定装置1の血圧値の測定方法に準じた測定方法である。なお、自律神経の測定方法のステップS11、および、血圧値の測定方法のステップS31は、血管硬さ指標の測定方法のステップS61と同時に開始されることが好ましい。
生体情報測定装置3は、実施の形態1の(1)、(2)、および(4)〜(6)の効果に加えて、以下の作用および効果を奏する。
(10)生体情報測定装置3によれば、被測定者がハウジング210に指尖を挿入することにより血管硬さ指標が測定される。このため、血管硬さを測定するための被測定者の負担が軽減される。また、血管硬さ指標の測定に関する簡便性の向上に貢献できる。
(10)生体情報測定装置3によれば、被測定者がハウジング210に指尖を挿入することにより血管硬さ指標が測定される。このため、血管硬さを測定するための被測定者の負担が軽減される。また、血管硬さ指標の測定に関する簡便性の向上に貢献できる。
(変形例)
生体情報測定装置が取り得る具体的な形態は、上記各実施の形態に例示された形態に限定されない。生体情報測定装置は、本発明の目的が達成される範囲において、上記各実施の形態とは異なる各種の形態を取り得る。以下に示される上記各実施の形態の変形例は、生体情報測定装置が取り得る各種の形態の一例である。
生体情報測定装置が取り得る具体的な形態は、上記各実施の形態に例示された形態に限定されない。生体情報測定装置は、本発明の目的が達成される範囲において、上記各実施の形態とは異なる各種の形態を取り得る。以下に示される上記各実施の形態の変形例は、生体情報測定装置が取り得る各種の形態の一例である。
・実施の形態1の変形例の生体情報測定装置1によれば、血圧算出部80が省略される。なお、実施の形態3においても本変形例に準じた変形が成立する。
・実施の形態1の変形例の生体情報測定装置1は、硬さ評価情報および血圧評価情報を決めるための判定マップを備える。変形例の判定マップは3次元座標であり、自律神経指標の軸、血管硬さ指標の軸、および、血圧値の軸により規定される。この場合、測定者等は自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値を1つのマップから読み取ることができる。このため、測定者等が被測定者の測定結果を認識しやすくなる。なお、実施の形態3においても本変形例に準じた変形が成立する。
・実施の形態1の変形例の生体情報測定装置1は、硬さ評価情報および血圧評価情報を決めるための判定マップを備える。変形例の判定マップは3次元座標であり、自律神経指標の軸、血管硬さ指標の軸、および、血圧値の軸により規定される。この場合、測定者等は自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値を1つのマップから読み取ることができる。このため、測定者等が被測定者の測定結果を認識しやすくなる。なお、実施の形態3においても本変形例に準じた変形が成立する。
・実施の形態2の変形例の生体情報測定装置2は、血圧算出部を備える。この血圧算出部は、実施の形態1の血圧算出部80に準じた構成を持つ。例えば、変形例の生体情報測定装置2によれば、自律神経指標の測定、および、血管硬さの測定の後に、血圧の測定が開始される。
血管硬さの測定に用いられる脈波伝播速度は、血圧の影響を受けることがある。この変形例によれば、血圧算出部により被測定者の血圧が算出される。このため、測定された血圧により脈波伝播速度の値を補正等することにより、一層正確な血管硬さに関する測定結果が得られる。
・実施の形態2の変形例の電極110は、静電容量式である。この変形例の電極110は、衣服または椅子等に組み込むことができる。このため、被測定者が電極110を装着する手間が解消される。
・実施の形態3の変形例の発光部211は、ランプである。
・実施の形態3の変形例の発光部211は、光をパルス変調して出力する。この変形例によれば、消費電力が低減する。
・実施の形態3の変形例の発光部211は、光をパルス変調して出力する。この変形例によれば、消費電力が低減する。
・実施の形態3の変形例の生体情報測定装置3によれば、発光部211および受光部212がカフ10に内蔵される。このため、変形例の生体情報測定装置3によれば、被測定者がカフ10を装着することにより自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値が測定される。このため、被測定者がカフに加えて別の部材を装着することにより自律神経指標、血管硬さ指標、および、血圧値を測定する構成と比較して、使い勝手がよい。
・実施の形態3の変形例の生体情報測定装置3によれば、指尖が挿入されるハウジング210に代えて、耳等に取り付けられるハウジングを備える。このハウジングは、ハウジング210と実質的に同じ構成を持つ。この変形例によれば、被測定者の指が拘束されることなく測定できるため、使い勝手がよい。
・実施の形態3の変形例の容積脈波検出部240は、フィルター回路(図示略)に代えて、A/D変換器(図示略)によりA/D変換された容積脈波信号をデジタル信号処理するデジタルフィルター(図示略)を備える。
・実施の形態3の変形例の自律神経指標算出部60は、生体の容積脈波から自律神経指標を算出する。例えば、変形例の自律神経指標算出部60は、容積脈波検出部240から容積脈波信号を受信し、この容積脈波信号から生体の脈波を時間軸に示したときのピークを検出し、連続している2つのピークの間隔であって心拍の間隔と相関する心拍間隔(図示略)を演算する。そして、この変形例の自律神経指標算出部60は、生体情報測定装置1の自律神経指標の測定方法におけるステップS15およびステップS16と同様の方法により自律神経指標を算出する。この変形例によれば、被測定者がハウジング210に指尖を挿入することにより自律神経指標が測定される。このため、自律神経指標を測定するための被測定者の負担が軽減される。また、自律神経指標の測定に関する簡便性の向上に貢献できる。
・各変形例の生体情報測定装置1〜3は、上腕に装着されるカフ10に代えて、耳等に取り付けられるカフを備える。このカフは、カフ10と実質的に同じ構成を持つ。この場合、被測定者の上腕が拘束されることなく測定できるため、使い勝手がよい。また、変形例のカフは、上腕に装着されるカフ10よりも小さいため、携帯性が向上する。
・各変形例の生体情報測定装置1〜3によれば、自律神経指標の測定、血管硬さ指標の測定、および、血圧値の測定が個別に測定される。
・各変形例の生体情報測定装置1〜3によれば、自律神経指標および血管硬さ指標を関連付けた補正硬さ評価情報を測定者等に提供する。補正硬さ評価情報は、血管硬さ指標を自律神経指標により補正した情報である。このため、測定者等は測定結果を容易に認識することができる。また、血管硬さ指標を再測定する必要が生じにくくなる。
・各変形例の生体情報測定装置1〜3によれば、自律神経指標および血管硬さ指標を関連付けた補正硬さ評価情報を測定者等に提供する。補正硬さ評価情報は、血管硬さ指標を自律神経指標により補正した情報である。このため、測定者等は測定結果を容易に認識することができる。また、血管硬さ指標を再測定する必要が生じにくくなる。
・各変形例の生体情報測定装置1〜3によれば、自律神経指標および血圧値を関連付けた補正血圧評価情報を測定者等に提供する。補正血圧評価情報は、血圧値を自律神経指標により補正した情報である。このため、測定者等は測定結果を容易に認識することができる。また、血圧値を再測定する必要が生じにくくなる。
・各変形例の自律神経指標算出部60は、例えば10段階のレベルにより表される自律神経指標を算出する。
・各変形例の血管硬さ指標算出部70は、例えば10段階のレベルにより表される血管硬さ指標を算出する。
・各変形例の血管硬さ指標算出部70は、例えば10段階のレベルにより表される血管硬さ指標を算出する。
・各変形例の自律神経指標算出部60は、自律神経指標として、自律神経の機能のバランス(交感神経の機能と副交感神経の機能とのバランス)の指標を算出する。この自律神経指標は、例えば、周波数解析法のトータルパワー、または、LF(Low Frequency)成分およびHF(Hi Frequency)成分の比(LF/HF)により算出される。
・各変形例の表示部100によれば、複数の領域に分割するための各閾値T1〜T5が測定者等により個別に設定される。
・各変形例の血圧評価情報を決めるための判定マップは、自律神経の軸、および、平均血圧または最低血圧により規定される。
・各変形例の血圧評価情報を決めるための判定マップは、自律神経の軸、および、平均血圧または最低血圧により規定される。
・各変形例の表示部100は、自律神経指標および血管硬さ指標を個別に表示する。
・各変形例の表示部100は、自律神経指標および血圧値を個別に表示する。
・各変形例の表示部100は、被測定者の測定結果とともに、記憶部90が記憶している過去の測定結果も加えて表示する。このため、被測定者は、過去の測定結果と比較することにより、改善の効果等を認識することができる。
・各変形例の表示部100は、自律神経指標および血圧値を個別に表示する。
・各変形例の表示部100は、被測定者の測定結果とともに、記憶部90が記憶している過去の測定結果も加えて表示する。このため、被測定者は、過去の測定結果と比較することにより、改善の効果等を認識することができる。
・各変形例の表示部100は、LEDである。例えば、LEDの点灯方法を変更することにより測定結果を被測定者に認識させる。
・各変形例の表示部100は、レーダーチャートにより測定結果を表示する。
・各変形例の表示部100は、レーダーチャートにより測定結果を表示する。
・各変形例の生体情報測定装置1〜3は、表示部100に代えて、または、加えて、別の報知装置である報知部を備える。この報知部は、音声等により測定結果を被測定者に認識させる。
・各変形例の生体情報測定装置1〜3は、動物の健康管理等の用途に利用できるような構成を備える。
1,2,3…生体情報測定装置
10…カフ
10…カフ
Claims (6)
- 生体に関する情報の測定結果に基づいて、自律神経の機能に関する指標である自律神経指標、および、血管硬さに関する指標である血管硬さ指標を算出する
生体情報測定装置。 - 前記自律神経指標および前記血管硬さ指標を関連付けた情報である硬さ評価情報を算出する
請求項1に記載の生体情報測定装置。 - 前記測定結果に基づいて血圧を示す血圧値をさらに算出し、
前記自律神経指標および前記血圧値を関連付けた情報である血圧評価情報を算出する
請求項1または2に記載の生体情報測定装置。 - カフにより測定された結果である前記測定結果に基づいて、前記自律神経指標、前記血管硬さ指標、および、血圧を示す血圧値を算出する
請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体情報測定装置。 - 心臓の電気的な情報および容積脈波に関する情報の少なくとも一方を含む前記測定結果に基づいて、前記自律神経指標および前記血管硬さ指標を算出する
請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体情報測定装置。 - 自律神経の機能に関する指標である自律神経指標と血管硬さに関する指標である血管硬さ指標とを関連付けた情報である硬さ評価情報を報知装置に出力させる
生体情報測定装置。
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