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JP2016015463A - SiC材料の加工方法及びSiC材料 - Google Patents

SiC材料の加工方法及びSiC材料 Download PDF

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JP2016015463A
JP2016015463A JP2014238635A JP2014238635A JP2016015463A JP 2016015463 A JP2016015463 A JP 2016015463A JP 2014238635 A JP2014238635 A JP 2014238635A JP 2014238635 A JP2014238635 A JP 2014238635A JP 2016015463 A JP2016015463 A JP 2016015463A
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山下 憲二
Kenji Yamashita
憲二 山下
文晴 寺前
Fumiharu Teramae
文晴 寺前
宏一 難波江
Koichi Nanbae
宏一 難波江
上山 智
Satoshi Kamiyama
智 上山
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Abstract

【課題】レーザ照射装置を複雑にすることなく的確に材料を切断することができ、かつ、結晶品質の低下を抑制することのできるSiC材料の加工方法及びSiC材料を提供する。
【解決手段】SiC材料を加工するにあたり、吸収層と、吸収層よりも所定波長の級数係数が小さな非吸収層と、が積層されたSiC材料に対し、吸収層に集光点が設定された所定波長のレーザ光を照射することにより、吸収層に前記レーザ光を吸収させて変質領域を形成する変質領域形成工程と、吸収層の変質領域から非吸収層を剥離させる剥離工程と、を含むようにし、吸収層にて的確にレーザ光が吸収されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、SiC材料の加工方法及びSiC材料に関する。
SiC材料の切断は、ワイヤーソー等を用いて機械的に切断することが一般的である。しかし、SiCは高い硬度を有するため、ワイヤーソー等を用いた加工では、低速度での加工となってしまいスループットが低下するという問題点がある。
この問題点を解消するため、SiC材料の切断予定面に沿ってパルスレーザ光を照射することにより内部に改質領域を形成し、切断予定面に沿ってSiC材料を切断するSiC材料の切断方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、SiC材料の内部において切断予定面上に集光点を合わせた状態で、レーザ光を所定のラインに沿って相対的に移動させている。
特開2002−184724号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、SiC材料に対して相対的に移動する集光点の軌跡により切断面が決定されるため、レーザ光の位置制御に高い精度が要求されレーザ照射装置が複雑となるという問題点があった。また、SiC材料に改質領域を形成した際に、集光点の直下の結晶にもレーザのエネルギーが少なからず吸収されるため、結晶の品質が損なわれるという問題点もある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、レーザ照射装置を複雑にすることなく的確に材料を切断することができ、かつ、結晶品質の低下を抑制することのできるSiC材料の加工方法及びSiC材料を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明では、吸収層と、前記吸収層よりも所定波長の吸収係数が小さな非吸収層と、が積層されたSiC材料に対し、前記吸収層に集光点が設定された前記所定波長のレーザ光を照射することにより、前記吸収層に前記レーザ光を吸収させて変質領域を形成する変質領域形成工程と、前記吸収層の前記変質領域から前記非吸収層を剥離させる剥離工程と、を含むSiC材料の加工方法が提供される。
上記SiC材料の加工方法において、前記吸収層は、前記非吸収層よりも、ドナー不純物濃度とアクセプタ不純物濃度の差の絶対値が大きくともよい。
上記SiC材料の加工方法において、前記吸収層及び前記非吸収層は、ともにn型SiCであってもよい。
また、本発明では、吸収層と、前記吸収層よりも所定波長の吸収係数が小さな非吸収層と、が積層されたSiC材料が提供される。
上記SiC材料において、前記吸収層は、前記非吸収層よりも、ドナー不純物濃度とアクセプタ不純物濃度の差の絶対値が大きくともよい。
上記SiC材料において、前記吸収層及び前記非吸収層は、ともにn型SiCであってもよい。
本発明のSiC材料の加工方法及びSiC材料によれば、レーザ照射装置を複雑にすることなく的確に材料を切断することができ、かつ、結晶品質の低下を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態を示すSiC積層体の概略斜視説明図である。 図2は、レーザ照射装置の概略説明図である。 図3は、SiC材料の加工方法を示すフローチャートである。 図4は、SiC材料の成長過程を示し、(a)が種結晶基板上に第1の吸収層を形成した状態を示し、(b)が第1の吸収層上に第1の非吸収層を形成した状態を示し、(c)が第1の非吸収層上に第2の吸収層を形成した状態を示す。 図5は、SiC材料の成長過程を示し、(a)が第2の吸収層上に第2の非吸収層を形成した状態を示し、(b)が種結晶基板上にn組の吸収層及び非吸収層を形成した状態を示す。 図6は、試料体A、試料体B及び試料体Cについて、波長と吸収係数の関係を示すグラフである。 図7は、試料体B、試料体D、試料体E、試料体F、試料体G、試料体H、試料体I、試料体J及び試料体Kについて、波長と吸収係数の関係を示すグラフである。 図8は、エネルギー吸収工程及び剥離工程の説明図であり、(a)は第nの吸収層に焦点を合わせてレーザを照射している状態を示し、(b)は第nの非吸収層が剥離された後の状態を示している。 図9は、エネルギー吸収工程及び剥離工程の説明図であり、(a)は第2の吸収層に焦点を合わせてレーザを照射している状態を示し、(a)は第1の吸収層に焦点を合わせてレーザを照射している状態を示している。 図10は、変質領域の形成部分を示すSiC材料の平面図である。 図11は、変質領域の形成部分を示すSiC材料の平面図である。
図1から図11は本発明の一実施形態を示すものであり、図1はSiC材料の概略斜視説明図である。
図1に示すように、SiC積層体1は、円筒状に形成され、所定波長のレーザに対する吸収係数が比較的大きな吸収層210,230,250と、吸収層210,230,250よりも所定波長の吸収係数が小さな非吸収層220,240,260とが種結晶基板110上に交互に積層されている。本実施形態においては、SiC積層体1は6H型SiCからなり、直径を例えば3インチとすることができる。各吸収層210,230,250は、レーザ加工時にレーザ光を吸収する犠牲層として利用される。また、各非吸収層220,240,260は、レーザ加工後に各吸収層210,230,250から剥離され、例えば半導体デバイスの基板として利用される。
吸収層210,230,250と非吸収層220,240,260の界面は6H型SiCのc軸に直交するc面とオフ角分の角度をなしている。したがって、吸収層210,230,250と非吸収層220,240,260の界面に沿ってSiC積層体1を切断することにより、c面とオフ角分の角度を成す主面を有するSiC基板を製造することができる。尚、オフ角は、例えば4°程度であり、0°の場合も含む。オフ角が0°の場合には、界面はc面と平行になる。
図2は、レーザ照射装置の概略説明図である。
図2に示すように、レーザ照射装置300は、レーザ光をパルス発振するレーザ発振器310と、発振されたレーザ光の方向を変えるミラー320と、レーザ光をフォーカシングする光学レンズ330と、レーザ光の照射対象であるSiC積層体1を支持するステージ340と、を備えている。尚、図2には特に細かい光学系は図示していないが、レーザ照射装置300は、焦点位置調整、ビーム形状調整、収差補正等が可能となっている。また、レーザ照射装置300は、レーザ光の経路を真空状態に維持するハウジング350を有している。本実施形態においては、このレーザ照射装置300を用い、6H型SiCのSiC積層体1にレーザ光を照射して、レーザ光の内部に変質領域を形成し、SiC積層体1を切断する。
本実施形態で形成される変質領域は、例えば密度、屈折率、機械的強度等の物理特性が周囲と異なる状態になった領域をいう。変質領域は、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等や、これらが混在した領域とすることができる。また、変質領域は、変質領域の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域や、格子欠陥が形成された領域とすることもできる。また、変質領域は、連続的に形成される場合もあるし、断続的に形成される場合もある。また、変質領域は、列状でも点状でもよい。また、変質領域を起点に亀裂が形成される場合がある。
また、溶融処理領域や屈折率変化領域、改質領域の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域、格子欠陥が形成された領域は、更に、それら領域の内部や改質領域と非改質領域との境界に亀裂(割れ、マイクロクラック)を内包している場合がある。内包される亀裂は、改質領域の全面に渡る場合や一部分のみや複数部分に形成される場合がある。
レーザ発振器310は、YAGレーザの第2次高調波等を用いることができる。レーザ発振器310で放出されたビームは、ミラー320で反射されて方向が変更される。ミラー320は、レーザ光の方向を変更するために複数設けられる。また、光学レンズ330は、ステージ340の上方に位置し、SiC積層体1に入射されるレーザ光をフォーカシングする。
ステージ340は、図示しない移動手段によりx方向及び/又はy方向に移動し、その上に載置されたSiC積層体1を移動する。さらに、ステージ340をz方向を軸として回転可能としてもよい。すなわち、SiC積層体1をレーザ光に対して相対的に移動することができ、これによりSiC積層体1の所定深さにレーザ光による加工面を形成することができる。レーザ光は、種結晶基板110及び非吸収層220,240,260を通して照射され、吸収層210,230,250にて吸収される。
レーザ光は、SiC積層体1内の集光点近傍にて特に吸収され、これによりSiC積層体1に変質領域が形成される。本実施形態においては、レーザ照射装置300において集光点が各吸収層210,230,250に設定されている。尚、各吸収層210,230,250にてレーザのエネルギーが吸収されていれば、集光点と各吸収層210,230,250の位置が一致している必要はない。例えば、集光点が吸収層210,230,250よりも深い位置に設定されていてもよい。吸収層210,230,250の方が非吸収層220,240,260よりも吸収係数が大きいので、集光点が深さ方向に多少ずれたとしても、吸収層210,230,250にレーザ光を的確に吸収させることができる。
本実施形態においては、SiC積層体1の内部において吸収層210,230,250に集光点を合わせた状態で、レーザ光を所定のラインに沿って相対的に移動させる。これにより、吸収層210,230,250に変質領域が形成される。なお、レーザ光を相対移動させる方向は直線状に限定されず、例えば曲線状に移動させることも可能である。
また、本実施形態においては、吸収層210,230,250に沿って、所定間隔でワンパルスショットを行うことにより線状の変質領域を形成している。ワンパルスショットが行われた部分には加工スポットが形成され、このような加工スポットとして、クラックスポット、溶融処理スポット、屈折率変化スポット又はこれらの少なくとも2つが混在するもの等が挙げられる。
次いで、図3を参照してSiC材料の加工方法について説明する。図3は、SiC材料の加工方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、このSiC材料の加工方法は、第1の吸収層成長工程S1と、第1の非吸収層成長工程S2と、第2の吸収層成長工程S3と、第2の非吸収層成長工程S4と、第nの吸収層成長工程S5と、第nの非吸収層成長工程S6と、エネルギー吸収工程S7と、剥離工程S8と、を含んでいる。ここで、nは種結晶基板上に形成される吸収層と非吸収層のペア数であり、図3においてはnは3以上の整数である。ここで、SiC積層体1の製造方法は任意であるが、例えば昇華法、化学気相成長法によってSiC結晶を成長させて製造することができる。このとき、結晶成長中の雰囲気における窒素ガス(N)の分圧を適度に調整することにより、SiC積層体1における窒素の濃度を任意に設定することができる。
図4は、SiC材料の成長過程を示し、(a)が種結晶基板上に第1の吸収層を形成した状態を示し、(b)が第1の吸収層上に第1の非吸収層を形成した状態を示し、(c)が第1の非吸収層上に第2の吸収層を形成した状態を示す。図5は、SiC材料の成長過程を示し、(a)が第2の吸収層上に第2の非吸収層を形成した状態を示し、(b)が種結晶基板上にn組の吸収層及び非吸収層を形成した状態を示す。
本実施形態においては、図4(a)に示すように、まず、種結晶基板110上に第1の吸収層210を成長させる(第1の吸収層成長工程:S1)。本実施形態においては、Nガスが結晶成長時の雰囲気ガス中に添加され、第1の吸収層210は不純物元素として比較的高濃度のNを含む。第1の吸収層210の厚さは、例えば10μm〜50μmである。第1の吸収層210は、エネルギー吸収工程S7にて光吸収層として作用すればよく、光吸収層としての機能を果たす限りにおいて、厚さ、不純物濃度等は任意である。
次いで、図4(b)に示すように、第1の吸収層210上に第1の非吸収層220を成長させる(第1の非吸収層成長工程:S2)。本実施形態においては、Nガスが結晶成長時の雰囲気ガス中に添加され、第1の非吸収層220は不純物元素として比較的低濃度のNを含む。第1の非吸収層220の厚さは、例えば200μm〜300μmである。
さらに、図4(c)に示すように、第1の吸収層210と同様の条件で、第1の非吸収層220の上に第2の吸収層230を成長させる(第2の吸収層成長工程:S3)。さらにまた、図5(a)に示すように、第1の非吸収層220と同様の条件で、第2の吸収層230の上に第2の非吸収層240を成長させる(第2の非吸収層成長工程:S4)。このように、吸収層と非吸収層をこの順で交互に積層していき、図5(b)に示すように、第nの吸収層250及び第nの非吸収層260まで積層させる(第nの吸収層成長工程:S5,第nの非吸収層成長工程:S6)。これにより、種結晶基板110上の複数の吸収層及び非吸収層が積層されたSiC材料積層体1が作製される。
次いで、各吸収層210,230,250にレーザのエネルギーを吸収させる(エネルギー吸収工程:S7)。本実施形態においては、エネルギー吸収工程が、吸収層と、吸収層よりも所定波長の吸収係数が小さな非吸収層と、が積層されたSiC材料に対し、吸収層に集光点が設定された所定波長のレーザ光を照射することにより、吸収層に前記レーザ光を吸収させて変質領域を形成する変質領域形成工程をなす。レーザ光は、種結晶基板110又は非吸収層220,240,260を通して照射され、吸収層210,230,250にて吸収される。吸収層210,230,250は、非吸収層220,240,260と比べてレーザの吸収係数が大きくなるよう不純物濃度が調整されている。
ここで複数の試料体について、実際に波長と吸収係数の関係を室温で測定した。
図6は、試料体A、試料体B及び試料体Cについて、波長と吸収係数の関係を示すグラフである。試料体Aは、Alをドープしたp型SiCであり、Alの濃度を1.5×1019/cmとした。また、試料体Bは、アンドープのn型SiCである。また、試料体Cは、Al及びNをドープしたn型SiCであり、Alの濃度を4×1018/cm、Nの濃度を5.5×1018/cmとした。図6に示すように、p型SiCである試料体Aは、n型SiCである試料体B及び試料体Cと比較して、420nm以上の領域で吸収係数が顕著に大きくなる。互いに吸収係数に差がある組合せであれば、吸収層と非吸収層とすることができるが、このように吸収係数の差が顕著に大きい方が加工に有利である。尚、試料体Cは、近紫外光により励起されると青色光を発する蛍光SiCである。
図7は、試料体B、試料体D、試料体E、試料体F、試料体G、試料体H、試料体I、試料体J及び試料体Kについて、波長と吸収係数の関係を示すグラフである。図7中、「試料体」の文字は省略して、単にアルファベットで「B」、「D」、「E」、「F」、「G」、「H」、「I」、「J」、「K」と示している。試料体Dは、Bをドープしたp型SiCであり、Bの濃度を5×1018/cmとした。また、試料体Eは、B及びNをドープしたn型SiCであり、Bの濃度を6×1017/cm、Nの濃度を1×1019/cmとした。また、試料体Fは、B及びNをドープしたn型SiCであり、Bの濃度を4×1017/cm、Nの濃度を2.6×1018/cmとした。また、試料体Gは、B及びNをドープしたn型SiCであり、Bの濃度を8.95×1017/cm、Nの濃度を2.5×1018/cmとした。また、試料体Hは、Nをドープしたn型SiCであり、Nの濃度を5.4×1018/cmとした。また、試料体Iは、Nをドープしたn型SiCであり、Nの濃度を7.7×1018/cmとした。また、試料体Jは、Nをドープしたn型SiCであり、Nの濃度を1.2×1019/cmとした。また、試料体Kは、Nをドープしたn型SiCであり、Nの濃度を1.4×1019/cmとした。図10に示すように、p型SiCは、n型SiCと比較して、450nm以上の領域で吸収係数が顕著に大きくなる。また、n型SiC同士であっても、吸収係数の差を比較的大きくすることが可能である。
試料体E、試料体F、試料体G、試料体H、試料体I、試料体J及び試料体Kについては、いずれも、450nm以上580nm以下の領域と、680nm以上の領域で吸収係数が比較的低くなっている。従って、レーザの波長を450nm以上580nm以下または680nm以上とすると、p型SiCとの吸収係数の差が大きくなり好ましい。尚、580nm超680nm未満の領域においても、試料体E、試料体H、試料体I、試料体J及び試料体Kの吸収係数が比較的高くなっているものの、試料体F及び試料体Gの吸収係数は比較的低くなっている。これは、各試料体のドナー不純物の濃度Nとのアクセプタ不純物の濃度Nの差(N−N)に起因すると考えられ、この差(N−N)は試料体Eが9.4×1018/cm、試料体Fが2.2×1018/cm、試料体Gが1.6×1018/cm、試料体Hが5.4×1018/cm、試料体Iが7.7×1018/cm33、試料体Jが1.2×1019/cm、試料体Kが1.4×1019/cmである。従って、ドナー不純物の濃度Nとのアクセプタ不純物の濃度Nの差(N−N)を2.2×1018/cm以下とすれば、全波長領域で吸収係数が低くなり好ましい。また、ドナー不純物の濃度Nとのアクセプタ不純物の濃度Nの差(N−N)を調整することにより、n型のSiC材料同士であっても吸収係数の差を大きくすることができる。また、p型のSiC材料同士であっても、アクセプタ不純物の濃度Nとドナー不純物の濃度Nとの差(N−N)を調整することにより吸収係数の差を大きくすることができる。すなわち、吸収層は、非吸収層よりも、ドナー不純物濃度とアクセプタ不純物濃度の差の絶対値が大きければよい。
具体的に、吸収層の吸収係数を1/cm以下、非吸収層の吸収係数を10/cm以上とすることが好ましい。吸収係数の差を大きく確保することができない場合は、ビームを絞る等してレーザ光のパワー密度を上げたり、材料の温度を吸収係数の差がより大きくなる温度として加工することが好ましい。
図8は、エネルギー吸収工程及び剥離工程の説明図であり、(a)は第nの吸収層に焦点を合わせてレーザを照射している状態を示し、(b)は第nの非吸収層が剥離された後の状態を示している。図9は、エネルギー吸収工程及び剥離工程の説明図であり、(a)は第2の吸収層に焦点を合わせてレーザを照射している状態を示し、(a)は第1の吸収層に焦点を合わせてレーザを照射している状態を示している。
非吸収層220,240,260の剥離にあたっては、まず、図8(a)に示すように、種結晶基板110から最も離れた第nの吸収層250にレーザ光の集光点を合わせ、第nの非吸収層260を通じて第nの吸収層250にレーザ光を吸収させて変質領域を形成する。図8(a)に示すように、SiC積層体1へのレーザ光を非吸収層260側から入射する場合、入射面の荒れによりレーザ光の入射が妨げられないように、非吸収層260の表面を研磨しておくことが好ましい。また、SiC積層体1へレーザ光を種結晶基板110側から入射する場合も、入射面の荒れにより入射面の荒れによりレーザ光の入射が妨げられないように、種結晶基板110の裏面(成長面と反対側の面)を研磨しておくことが好ましい。SiC積層体1へのレーザ光を種結晶基板110側から入射させるようにすると、種結晶基板110の裏面は非吸収層260の表面と比較してうねりが少なく平坦であることから、レーザ光の入射位置によるレーザの集光状態のばらつきを抑制することができる。
本実施形態においては、レーザ光の集光点を直線的に移動させることで変質領域12を形成する。すなわち図10に示すように、互いに平行な複数の直線状の変質領域12が所定間隔で並んだ状態となる。ここで、図10は、変質領域の形成部分を示すSiC材料の平面図である。各変質領域12同士の間隔は、変質領域12から生じた割れが6H型SiC結晶のc面に沿って延びるようなピッチに設定される。このピッチは、変質領域12から生じた割れが他の方向に比べてc面に沿った方向に最も長く延びるようなピッチであり、変質領域12からc面に沿って延びる割れがSiC積層体1に好適に生じるようなピッチである。具体的に、このようなピッチは10μm以上500μm以下である。特に、各変質領域12同士のピッチが50μm以下とすると、割れを連続的に形成しやすい。尚、このピッチが10μmよりも小さいと、切断予定面の全体に対するレーザ光の照射の回数を多くする必要があるため、スループットが低下して好ましくない。c面割れは、SiC積層体1の内部にのみ生じていてもよいし、SiC積層体1の側面6に到達していてもよい。
また、本実施形態においては、各変質領域12は、パルスレーザ光であることから、そのワンパルスショットで形成される変質スポットの集合として形成されている。具体的には、隣接する変質スポットを互いの一部が重なるようにして連続的に形成することにより、線状の各変質領域12が形成される。尚、隣接する変質スポットが互いの一部が重ならないように、各変質スポットを間隔をおいて形成することもできる。
尚、変質領域12は、図10に示すような直線状の他、図11に示すような曲線状とすることもできる。図11では、変質領域12が渦巻き状に形成されている。この他、変質領域12を所定間隔の同心円状とすることもできる。
このように変質領域12を形成した後、SiC積層体1の種結晶基板110側を固定し、第nの非吸収層260側に種結晶基板110側から離間させる方向に力を加える。これにより、吸収層250におけるc面割れ同士を接続するように割れが進展してSiC積層体1が切断される。これにより、図8(b)に示すように、第nの非吸収層260が種結晶基板110側から剥離される(剥離工程:S8)。剥離後は、研磨等により非吸収層260側及び種結晶基板110側から吸収層250の残部を除去することが望ましい。特に、吸収層250と非吸収層260の界面がc面と平行でないと、剥離面がギザギザとなるので、研磨等により吸収層250の残部を除去しつつ平坦化を図ることが好ましい。
尚、SiC積層体1の切断にあたっては、必ずしも吸収層250においてc面割れが生じている必要はなく、レーザ加工により変質領域が形成され、機械的、熱的等の負荷、あるいは化学的処理により非吸収層260が剥離されればよい。
このように、種結晶基板110と反対側から順次非吸収層を剥離していく。そして、図9(a)に示すように第2の吸収層230にレーザ光を吸収させて変質領域を形成した後に第2の非吸収層240を剥離し、図9(b)に示すように第1の吸収層210にレーザ光を吸収させて変質領域を形成した後に第1の非吸収層220を剥離することにより、全ての非吸収層220,240,260が種結晶基板110側から剥離される。尚、非吸収層を剥離するたびに、種結晶基板110側の露出面を研磨して、種結晶基板110側に残った吸収層を除去しつつ次の非吸収層を露出させることが好ましい。このようにして、全ての非吸収層220,240,260が剥離された種結晶基板110は、再利用することができる。
本実施形態のSiC材料の加工方法によれば、種結晶基板110及び非吸収層220,240,260に隣接して吸収層210,230,250を形成し、レーザ光を吸収層210,230,250に吸収させることにより均一な深さに変質領域12を形成することができる。すなわち、レーザ光の集光点が設定位置から若干ずれたとしても、吸収層210,230,250に的確にエネルギーを吸収させることができる。従って、レーザ光の位置制御に高い精度が要求されることはなく、レーザ照射装置300の構成を比較的簡素にすることができる。
また、吸収層210,230,250にて確実にレーザ光が吸収されることから、吸収層210,230,250の直下の種結晶基板110又は非吸収層220,240の結晶にレーザのエネルギーが吸収されることはほとんどない。これにより、種結晶基板110又は非吸収層220,240の結晶品質の低下を抑制することができる。
さらに、吸収層210,230,250の吸収係数が大きいことから、パワー密度の比較的低いレーザ光を用いることができ、吸収層210,230,250の直下の結晶へのダメージを低減することができる。従って、これによっても、種結晶基板110又は非吸収層220,240の結晶品質の低下を抑制することができる。
さらに、吸収層210,230,250はレーザを吸収可能な厚さであればよいので、ワイヤーソーで分断して剥離する場合の切り代の厚さと比べると飛躍的に薄くすることができる。従って、SiC材料を製造する際の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。例えば、SiC材料をワイヤーソーを用いて機械的に分断する場合、400μm程度の切り代が必要であったが、各吸収層210,230,250を約1/40の10μm程度とすることができる。
尚、前記実施形態においては、不純物濃度の調整により吸収係数に差をつけるものを示したが、不純物濃度を調整する以外の方法で吸収係数に差をつけるようにしてもよい。例えば、材料成長時に水素ガスを導入してパッシベーションを形成することにより、材料中のキャリア濃度を下げて吸収係数を小さくすることができるので、吸収層の成長時には水素ガスを導入せず、非吸収層の成長時に水素ガスを導入するといったことが考えられる。
また、前記実施形態においては、吸収層及び非吸収層がともにn型SiCであるものを示したが、互いのSiC層の吸収係数の差を比較的大きくすることができれば、導電型に関わりなく吸収層及び非吸収層とすることができることは勿論である。例えば、非吸収層を吸収係数の比較的大きなドナー・アクセプタ・ペア発光によるp型の蛍光SiCとし、吸収層を吸収係数の比較的小さなn型SiCとすることもできる。
1 SiC積層体
110 種結晶基板
210 第1の吸収層
220 第1の非吸収層
230 第2の吸収層
240 第2の非吸収層
250 第nの吸収層
260 第nの非吸収層
300 レーザ照射装置
310 レーザ発振器
320 ミラー
330 光学レンズ
340 ステージ
350 ハウジング

Claims (6)

  1. 吸収層と、前記吸収層よりも所定波長の吸収係数が小さな非吸収層と、が積層されたSiC材料に対し、前記吸収層に集光点が設定された前記所定波長のレーザ光を照射することにより、前記吸収層に前記レーザ光を吸収させて変質領域を形成する変質領域形成工程と、
    前記吸収層の前記変質領域から前記非吸収層を剥離させる剥離工程と、を含むSiC材料の加工方法。
  2. 前記吸収層は、前記非吸収層よりも、ドナー不純物濃度とアクセプタ不純物濃度の差の絶対値が大きい請求項1に記載のSiC材料の加工方法。
  3. 前記吸収層及び前記非吸収層は、ともにn型SiCである請求項2に記載のSiC材料の加工方法。
  4. 吸収層と、前記吸収層よりも所定波長の吸収係数が小さな非吸収層と、が積層されたSiC材料。
  5. 前記吸収層は、前記非吸収層よりも、ドナー不純物濃度とアクセプタ不純物濃度の差の絶対値が大きい請求項4に記載のSiC材料。
  6. 前記吸収層及び前記非吸収層は、ともにn型SiCである請求項5に記載のSiC材料。
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