JP2016004707A - ツイスト電線及びツイスト電線の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ツイスト電線の特性インピーダンスの変動を抑制することを目的とする。
【解決手段】ツイスト電線10は、中心線状体12と、間に中心線状体12を介在させた状態で、中心線状体12周りの螺旋に沿って配設された複数の線状導体14と、中心線状体12の外周側で、複数の線状導体14を一括して覆う絶縁被覆18と、を備える。ツイスト電線は、間に中心線状体を介在させた状態で、中心線状体周りの螺旋に沿って配設された複数の周囲線状体をさらに備えていてもよい。複数の周囲線状体は、中心線状体の周りにおいて、複数の線状導体の各間に分散して配設されているとよい。
【選択図】図1
【解決手段】ツイスト電線10は、中心線状体12と、間に中心線状体12を介在させた状態で、中心線状体12周りの螺旋に沿って配設された複数の線状導体14と、中心線状体12の外周側で、複数の線状導体14を一括して覆う絶縁被覆18と、を備える。ツイスト電線は、間に中心線状体を介在させた状態で、中心線状体周りの螺旋に沿って配設された複数の周囲線状体をさらに備えていてもよい。複数の周囲線状体は、中心線状体の周りにおいて、複数の線状導体の各間に分散して配設されているとよい。
【選択図】図1
Description
この発明は、撚り合わされた複数の線状導体を含むツイスト電線に関する。
自動車などの車両に搭載されるワイヤーハーネスが、2本の絶縁電線を撚り合わせたツイスト電線を含むことがある。
ツイスト電線は、2本の絶縁電線相互間でノイズを打ち消し合う効果を示すため、ノイズの影響を受けにくい。そのため、ツイスト電線は、有線通信ネットワーク等の通信媒体として採用されることがある。
特許文献1は、撚り合わされた2本の絶縁電線が絶縁電線の表面に形成された接着層で接着された構造を有するツイスト電線を開示している。
上記のようなツイスト電線では、撚り合わされた2本の絶縁電線間の隙間の精度が悪いと、特性インピーダンス等の伝送特性がツイスト電線の延在方向において変化してしまう。
そこで、本発明は、ツイスト電線の特性インピーダンスの変動を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様によると、中心線状体と、間に前記中心線状体を介在させた状態で、前記中心線状体周りの螺旋に沿って配設された複数の線状導体と、前記中心線状体の外周側で、前記複数の線状導体を一括して覆う絶縁被覆と、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係るツイスト電線であって、前記中心線状体の横断面形状が、円形状に形成されているものである。
第3の態様は、第1又は第2の態様ツイスト電線であって、前記中心線状体は絶縁性を有するものとされている。
第4の態様は、第3の態様に係るツイスト電線であって、前記中心線状体は、前記絶縁被覆と同じ材料で形成されているものである。
第5の態様は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係るツイスト電線であって、間に前記中心線状体を介在させた状態で、前記中心線状体周りの螺旋に沿って配設された複数の周囲線状体をさらに備え、前記中心線状体の周りにおいて、前記複数の周囲線状体が、前記複数の線状導体の各間に分散して配設されているものである。
第6の態様は、第5の態様に係るツイスト電線であって、前記複数の周囲線状体は、絶縁性を有するものとされている。
第7の態様は、第6の態様に係るツイスト電線であって、前記複数の周囲線状体が、前記絶縁被覆と同じ材料で形成されているものである。
第8の態様に係るツイスト電線の製造方法は、(a)中心線状体の周りに、複数の線状導体を螺旋状に配設する工程と、(b)前記工程(a)の後に、前記中心線状体の外周側に流動状の合成樹脂を供給することにより、前記複数の線状導体を一括して覆うように絶縁被覆を押出成形する工程と、を備える。
第1の態様に係るツイスト電線によると、複数の線状導体は、間に前記中心線状体を介在させた状態で、前記中心線状体周りの螺旋に沿って配設されている。そして、この状態で、絶縁被覆が、中心線状体の外周側で、複数の線状導体を一括して覆う。このため、複数の線状導体間の隙間の精度が良好となり、ツイスト電線の特性インピーダンスの変動を抑制することができる。
第2の態様によると、前記中心線状体の横断面形状は、円形状に形成されているため、中心線状体周りの螺旋に沿って配設された複数の線状導体の間の隙間をより一定にすることができ、ツイスト電線の特性インピーダンスの変動をより抑制することができる。
第3の態様によると、複数の線状導体の間に絶縁性を有する中心線状体を介在させることができる。
第4の態様によると、前記中心線状体が、前記絶縁被覆と同じ材料で形成されているため、中心線状体と絶縁被覆とが境目無く一体化し易い。このため、絶縁被覆除去時に中心線状体を容易に一括して除去し易くなる。
第5の態様によると、前記中心線状体の周りにおいて、前記複数の周囲線状体が、前記複数の線状導体の各間に分散して配設されている。このため、前記中心線状体の周りにおいて、複数の線状導体間の隙間がより一定に保たれ、これにより、ツイスト電線の特性インピーダンスの変動をより抑制することができる。
第6の態様によると、中心線状体の周りで、複数の線状導体間に絶縁性を有する周囲線状体を介在させることができる。
第7の態様によると、前記周囲線状体が、前記絶縁被覆と同じ材料で形成されているため、周囲線状体と絶縁被覆とが境目無く一体化し易い。このため、絶縁被覆除去時に周囲線状体を容易に一括して除去し易くなる。
第8の態様に係るツイスト電線の製造方法によると、複数の線状導体は、間に前記中心線状体を介在させた状態で、前記中心線状体周りに螺旋状に配設される。そして、この状態で、絶縁被覆が、中心線状体の外周側で、複数の線状導体を一括して覆う。このため、複数の線状導体間の隙間の精度が良好となり、ツイスト電線の特性インピーダンスの変動を抑制することができる。
以下、実施形態に係るツイスト電線及びツイスト電線の製造方法について説明する。
<ツイスト電線について>
図1はツイスト電線10を示す平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。なお、図1において、ツイスト電線10の端部では、絶縁被覆18が除去され、線状導体14が露出している。
図1はツイスト電線10を示す平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。なお、図1において、ツイスト電線10の端部では、絶縁被覆18が除去され、線状導体14が露出している。
このツイスト電線10は、例えば、車両等に搭載され、CAN(Controller Area Network)又はIEEE(the Institute of Electrical and Electronics Engineers, inc.)等の通信ネットワークにおける通信媒体として用いられる。
ツイスト電線10は、中心線状体12と、複数の線状導体14と、絶縁被覆18とを備える。
中心線状体12は、線状に形成された部分である。中心線状体12の横断面形状(中心線状体12の延在方向に対して直交する方向における断面形状)は、円形状であることが好ましい。中心線状体12の外径は、例えば、0.7mmである。もっとも、中心線状体は、偏平な帯状であってもよいし、横断面方形状等の線状をなしていてもよい。
中心線状体12は、絶縁性を有する部材であることが好ましい。ここでは、中心線状体12は、絶縁被覆18と同じ絶縁樹脂材料で形成されている。
もっとも、中心線状体12が絶縁性を有する部材である場合には、中心線状体12の全体が絶縁性を有する場合だけでなく、その外周囲が絶縁性を有する場合を含む。後者の例としては、金属芯線周りに樹脂等の絶縁層が被覆されている場合が考えられる。
例えば、複数の線状導体のそれぞれの外周囲に絶縁層が形成されている場合等には、中心線状体として、金属線等の導電性線状体を用いてもよい。
複数の線状導体14は、導電性を有する金属(銅、銅合金(特に軟銅)、アルミニウム、アルミニウム合金等)の線材である。線状導体14は、複数の細い金属の線材が撚り合わされた撚り線であってもよいし、このような撚り線が圧縮されることにより得られる圧縮導体であってもよいし、1本の金属の線材であってもよい。線状導体14の断面積は、例えば、0.35mm2であり、また、線状導体14の外径は、例えば、0.7mmである。
ここでは、ツイスト電線10が、2つの線状導体14を備える例で説明する。2つの線状導体14は、間に中心線状体12を介在させた状態で、当該中心線状体12周りの螺旋に沿って配設されている。螺旋を描くピッチ(線状導体14が中心線状体12を1周する際に中心線状体12の延在方向に沿って進む距離)は、例えば、25mmである。
各線状導体14は、中心線状体12の外周囲に接した状態で、当該中心線状体12の外周囲で螺旋を描いている。また、中心線状体12の延在方向において、一方の線状導体14が描く螺旋に対して、他方の線状導体14が描く螺旋は、当該螺旋の半周期分ずれている。
このため、中心線状体12の延在方向に対して直交する任意の断面で切断すると、一対の線状導体14の間に中心線状体12が介在している。従って、一対の線状導体14の間には、中心線状体12の直径とほぼ同じ隙間が形成されており、中心線状体12の延在方向において、一対の線状導体14の隙間が安定している。
一対の線状導体14は、中心線状体12の周りで螺旋を描いているため、一対の線状導体14のそれぞれに生じるノイズが相互に打ち消される。
絶縁体である絶縁被覆18は、中心線状体12の外周側で、複数の線状導体14を一括して覆っている。ここでは、絶縁被覆18は、複数の線状導体14の外周側に設けられて、本ツイスト電線10の最外周層を形成している。また、絶縁被覆18は、中心線状体12の周りで、複数の線状導体14の間を埋めている。これにより、一対の線状導体14が、中心線状体12周りで一定の螺旋形態を描く状態に維持されている。
この絶縁被覆18は、例えば、線状導体14の外周側で、0.85mmの厚みの被覆層を形成し、ツイスト電線10全体としてみると外径が3.8mmとなるように、複数の線状導体14を一括して覆う。
絶縁被覆18の材料は、車両搭載時の温度環境又は耐薬品性などの要求仕様に応じて選定される。例えば、絶縁被覆18の材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル又はポリアミド系ナイロンなどを主成分とする合成樹脂等が考えられる。
このように構成されたツイスト電線10によると、複数の線状導体14は、間に中心線状体12を介在させた状態で、当該中心線状体12周りの螺旋に沿って配設されている。そして、この状態で、絶縁被覆18が、中心線状体12の外周側で、複数の線状導体14を一括して覆っている。このため、複数の線状導体14の隙間は、中心線状体12の外径に応じて可及的に一定に保たれ、複数の線状導体14間の隙間の精度が良好となる。このため、ツイスト電線10の特性インピーダンスの変動を抑制することができる。例えば、ツイスト電線10単独では、特性インピーダンスを、100±3Ωにできることが期待でき、また、本ツイスト電線10を他の電線と束ねたワイヤーハーネスの形態とした場合でも、特性インピーダンスを100±5Ωにできることが期待できる。
また、中心線状体12の横断面形状は円形状に形成されているため、中心線状体12周りの螺旋に沿って配設された複数の線状導体14間の隙間をより確実に一定にすることができる。特に、中心線状体12が捻られた場合においても、中心線状体12の外径は、その延在方向に沿って変化し難いため、複数の線状導体14間の隙間をより確実に一定にすることができる。これにより、複数の線状導体14間の隙間の精度が良好となり、ツイスト電線10の特性インピーダンスの変動をより確実に抑制することができる。
また、複数の線状導体14間に、絶縁性を有する中心線状体12が介在しているため、複数の線状導体14をより確実に絶縁状態に保つことができる。特に、周囲に絶縁層が形成されていない線状導体14を、中心線状体12の周りに直接的に螺旋状に配設する構成において有効である。
また、中心線状体12が、絶縁被覆18と同じ材料で形成されているため、中心線状体12と絶縁被覆18とはそれらの間に境目を形成すること無く一体化し易い。このため、絶縁被覆18の端部でその外周に切れ目を形成して当該端部を引っ張って除去する皮剥処理を行うと、中心線状体12は絶縁被覆18と共に容易に除去される。これにより、ツイスト電線10の端部に、線状導体14の端部を容易に露出させることができる。
また、中心線状体12と絶縁被覆18とが除去される際に、複数の線状導体14は、直線的に引っ張られるため、互いに平行に近い直線状態となってツイスト電線10の端部に露出する。この場合、複数の線状導体14のそれぞれを、容易に端子等に圧着或いは溶接することが可能となる。
また、引用文献1のように、複数の絶縁電線のそれぞれの表面に接着層を付与した上で撚るといった煩雑な工程を要しないため、簡易にツイスト電線10を製造することが可能となる。
<ツイスト電線の製造方法について>
上記ツイスト電線10の製造方法について説明する。ツイスト電線10の製造方法は、中心線状体12の周りに複数の線状導体14を螺旋状に配設する工程(a)と、この工程(a)の後に、中心線状体12の外周側に流動状の合成樹脂を供給することにより、複数の線状導体14を一括して覆うように絶縁被覆18を押出成形する工程(b)とを備える。
上記ツイスト電線10の製造方法について説明する。ツイスト電線10の製造方法は、中心線状体12の周りに複数の線状導体14を螺旋状に配設する工程(a)と、この工程(a)の後に、中心線状体12の外周側に流動状の合成樹脂を供給することにより、複数の線状導体14を一括して覆うように絶縁被覆18を押出成形する工程(b)とを備える。
このようなツイスト電線10の製造方法は、次に説明する製造装置100を用いて行うことができる。図3は本ツイスト電線10を製造するための製造装置100を示す説明図であり、図4は同製造装置100における撚り合せ機構120を示す説明図であり、図5は同製造装置100における押出被覆機構130を示す説明図である。
この製造装置100は、中心線状体供給部102と、線状導体供給部110と、撚り合せ機構120と、押出被覆機構130と、巻取部160とを備えており、これらの各部がツイスト電線10の製造ラインLに沿って上流側から下流側に向けて配設されている。
中心線状体供給部102は、リール103に中心線状体12が巻回収容された構成とされている。そして、このリール103を回転可能に支持した状態で、中心線状体12を引っ張ることで、中心線状体供給部102から中心線状体12が連続的に供給される。
線状導体供給部110は、複数の線状導体14に対応する複数のリール111を備えており、複数のリール111のそれぞれに線状導体14が巻回収容されている。
複数のリール111は、回転支持部112によって、中心線状体12の供給ライン周りに間隔をあけて支持されている。ここでは、2つのリール111が、中心線状体12の供給ラインを挟んで対向する位置で、回転支持部112によって支持されている。そして、回転支持部112が回転することによって、複数のリール111が中心線状体12の供給ライン周りに回転される。また、個々のリール111は、線状導体14を引出し可能とする方向に回転可能に支持されている。
従って、複数のリール111は、中心線状体12の供給ライン周りに回転しつつ、線状導体14を連続的に供給することができる。
撚り合せ機構120は、中心線状体12の周りに複数の線状導体14を螺旋状に配設するための機構である。
ここでは、撚り合せ機構120は、回転板122と、集合部材124とを備える。
回転板122は、板状(ここでは、円板状)に形成されている。この回転板122は、中心線状体12の供給ラインと一致する回転軸周りに回転可能に支持されている。回転板122には、中心線状体12の供給ラインと一致する第1ガイド孔122aと、その第1ガイド孔122a周りに形成された複数の第2ガイド孔122bとが形成されている。
第1ガイド孔122aは、中心線状体12を挿通可能な孔径に形成されている。複数の第2ガイド孔122bは、複数の線状導体14に応じた数設けられ、上記第1ガイド孔122a周りに均等間隔で設けられている。ここでは、2つの第2ガイド孔122bが、第1ガイド孔122aを挟んで対向する位置に形成されている。各第2ガイド孔122bは、線状導体14を挿通可能な孔径に形成されている。
集合部材124には、中心線状体12と複数の線状導体14とを挿通可能な集合ガイド孔125が形成されている。集合ガイド孔125の内径は、例えば、中心線状体12の外径に、線状導体14の外径2つ分を加算した寸法又はこれよりも大きい(僅かに大きい)寸法に設定されている。これにより、中心線状体12の周りに複数の線状導体14が螺旋状に配設された撚り合せ体が、当該集合ガイド孔125で集合されつつ当該集合ガイド孔125を円滑に通っていくことができる。
なお、集合部材124が省略され、上記回転板122を通った中心線状体12及び複数の線状導体14が、直接押出被覆機構130に導かれてもよい。
上記回転支持部112及び回転板122は、回転駆動機構112d、122dによって同期して回転駆動される。回転駆動機構112d、122dとしては、例えば、モータと、当該モータの回転駆動力を回転支持部112及び回転板122に伝達するギヤ等の回転伝達機構等によって構成される。
そして、回転支持部112によって支持された複数のリール111及び回転板122が同期して回転することによって、複数のリール111より供給されて回転板122の第2ガイド孔122bを通った複数の線状導体14が、回転板122の下流側であって集合部材124に導かれる部分で、中心線状体12周りに螺旋状に撚り合わされることになる。
このように撚り合わされた撚り合せ体が、押出被覆機構130に導かれる。
押出被覆機構130は、樹脂供給部132と、押出ヘッド140とを備える。
樹脂供給部132は、押出ヘッド140に対して流動状態となった樹脂材料を供給する部分である。この樹脂供給部132は、絶縁被覆18を形成するための樹脂材料を加熱して溶融させて流動状態とし、この流動状態となった樹脂材料をスクリューにより押出ヘッドに向けて送る構成等を採用することができる。ここでは、樹脂供給部132は、押出ヘッド140に対して上下2箇所から流動状態となった樹脂材料を供給する。
押出ヘッド140は、内側ダイ142と、外側ダイ144とを備える。
内側ダイ142は、上記撚り合せ体を通過させてガイド可能に構成されている。すなわち、内側ダイ142には、撚り合せ体を通過可能なガイド孔143が形成されている。
内側ダイ142の先端側部分は、先端部に向けて徐々に小径となる円錐状に形成されている。上記ガイド孔143の中心軸は、内側ダイ142の円錐状部分の中心と一致している。従って、ガイド孔143は、内側ダイ142の先端側部分の頂点に対応する位置で開口している。
外側ダイ144内には、円錐状の空間が形成されている。この外側ダイ144の円錐状の空間を囲む周面と、内側ダイ142の円錐状の外周面との間には、円錐周面状の流路146が形成されている。
上記流路146のうち基端部には、樹脂供給部132からの樹脂材料を当該流路146に向けて導くための導入路147が形成されている。
また、外側ダイ144の先端部であって、ガイド孔143の延長上には、吐出口148が形成されている。吐出口148を、ガイド孔143の軸方向に沿って外側から視ると、円形状を呈している。この外側ダイ144の外形状が、絶縁被覆18の外形状を規定する。
そして、上記撚り合せ体が、ガイド孔143から吐出口148を通って引出される。この際、流路146を通って供給された流動状態の樹脂が撚り合せ体の外周に押出被覆される。そして、流動状態の樹脂が、吐出口148によって所定(ここでは、円形状)の断面形状をなすように形作られつつ、吐出口148から外部に引出される。
撚り合せ体周りに押出被覆された樹脂は、その下流側で冷却槽等によって冷却された後、巻取部160によって巻取られて収容される。
この製造装置100を用いたツイスト電線10の製造方法について説明する。
まず、中心線状体供給部102のリール103から引出された中心線状体12を、回転板122の第1ガイド孔122a、集合部材124の集合ガイド孔125、内側ダイ142のガイド孔143、外側ダイ144の吐出口148に通して、外方に引出す。また、線状導体供給部110の複数のリール111のそれぞれから引出された複数の線状導体14を、回転板122の複数の第2ガイド孔122bにそれぞれ通し、さらに、集合部材124の集合ガイド孔125、内側ダイ142のガイド孔143、外側ダイ144の吐出口148に通して、外方に引出す。そして、中心線状体12及び複数の線状導体14の各開始端部を巻取部160に巻付ける。
この後、巻取部160によって中心線状体12及び複数の線状導体14を巻取って、中心線状体12及び複数の線状導体14を製造ラインLに沿って送りつつ、線状導体供給部110の複数のリール111及び回転板122を回転させると共に、樹脂供給部132から押出ヘッド140に流動状態の樹脂を供給する。
すると、撚り合せ機構120では、複数のリール111より供給されて回転板122の第2ガイド孔122bを通った複数の線状導体14が、回転板122の下流側であって集合部材124に導かれる部分で、中心線状体12周りに螺旋状に撚り合わされることになる。このように撚り合わされた撚り合せ体が、押出被覆機構130に導かれる。
押出被覆機構130では、撚り合せ体がガイド孔143を通過した後吐出口148に至る手前で、流路146を通って供給された樹脂が撚り合せ体の外周に供給される。撚り合せ体の外周に供給された樹脂は、撚り合せ体と共に吐出口148を通って外部に押出される。流動状態の樹脂が、吐出口148を通過する際、撚り合せ体の外周の樹脂は、当該吐出口148に応じた形状をなすように形作られる。これにより、撚り合せ体周りに押出被覆された樹脂が、冷却された後、巻取部160によって巻取られる。これにより、ツイスト電線10が製造される。
このように、複数の線状導体14は、中心線状体12の周りで螺旋状を描くように配設されるため、当該螺旋状を描く状態をある程度安定して維持できる。このため、押出被覆機構130自体に、複数の線状導体を螺旋状に撚り合わせる構成を組込まなくてもよい。これにより、押出被覆機構130の構成の簡易化が可能となる。
もっとも、押出被覆機構自体に複数の線状導体を螺旋状に撚り合わせる構成を組込んでもよい。例えば、内側ダイに、中心線状体をガイドする孔及び複数の線状導体をガイドする孔を別々の孔として形成し、当該内側ダイを回転させて、中心線状体12周りに複数の線状導体14を螺旋状に撚り合わせつつ、上記押出被覆を行うようにしてもよい。
<変形例>
図6は、変形例に係るツイスト電線10Bを示す断面図である。このツイスト電線10Bは、次の点で、上記ツイスト電線10と異なっている。
図6は、変形例に係るツイスト電線10Bを示す断面図である。このツイスト電線10Bは、次の点で、上記ツイスト電線10と異なっている。
すなわち、このツイスト電線10Bは、複数の周囲線状体16Bを備えている。複数の周囲線状体16Bは、線状導体14と同様に、間に中心線状体12を介在させた状態で、中心線状体12の螺旋に沿って配設されている。また、中心線状体12の周りにおいて、複数の周囲線状体16Bは、複数の線状導体14の各間に分散して配設されている。つまり、複数の周囲線状体16Bは、中心線状体12の周りで、複数の線状導体14の間に分散して配設され、もって、中心線状体12の周りで、複数の線状導体14の間を仕切る役割を果している。
より具体的には、周囲線状体16Bは、線状に形成された部分である。周囲線状体16Bの横断面形状(周囲線状体16Bの延在方向に対して直交する方向における断面形状)は、円形状であることが好ましい。周囲線状体16Bの外径は、例えば、0.7mmである。もっとも、周囲線状体16Bは、偏平な帯状であってもよいし、横断面方形状等の線状をなしていてもよい。
周囲線状体16Bは、絶縁性を有する部材であることが好ましい。ここでは、周囲線状体16Bは、絶縁被覆18Bと同じ絶縁樹脂材料で形成されている。
もっとも、周囲線状体16Bが絶縁性を有する部材である場合には、周囲線状体16Bの全体が絶縁性を有する場合だけでなく、その外周囲が絶縁性を有する場合を含む。後者の例としては、金属芯線周りに樹脂等の絶縁層が被覆されている場合が考えられる。
なお、複数の線状導体のそれぞれの外周囲に絶縁層が形成されている場合等には、周囲線状体16Bとして、金属線等の導電性線状体を用いてもよい。
複数の線状導体14と、複数の周囲線状体16Bは、中心線状体12の周囲で、相互に接した状態で配設されていることが好ましい。例えば、中心線状体12と、複数の線状導体14と、複数の周囲線状体16Bとが、同じ外径の円形断面形状である場合には、1本の中心線状体12の外周囲に2つの線状導体14と4つの周囲線状体16Bとが配設されていることが好ましい。これにより、ツイスト電線10Bをその横断面で観察した場合において、1本の中心線状体12の外周囲に2つの線状導体14と4つの周囲線状体16Bとが細密充填構造で配設されることになり、1本の中心線状体12の外周囲で2つの線状導体14と4つの周囲線状体16Bとが安定した形態となる。
ここでも、1本の中心線状体12を挟むように2つの線状導体14が配設されている。そして、4つの周囲線状体16Bが2つに分散され、中心線状体12の外周において各線状導体14の間に2つずつ周囲線状体16Bが配設されている。
このツイスト電線10Bでは、絶縁被覆18Bは、2つの線状導体14及び4つの周囲線状体16Bをその外周側から一括して覆うように形成されている。
この変形例に係るツイスト電線10Bによると、中心線状体12の周りにおいて、複数の線状導体14の各間に周囲線状体16Bが介在しているため、中心線状体12の周りにおいても、線状導体14間の隙間がより一定に保たれる。これにより、ツイスト電線10Bの特性インピーダンスの変動をより有効に抑制することができる。
また、複数の周囲線状体16Bが絶縁性を有するため、中心線状体12の周りにおいても、線状導体14同士をより確実に絶縁状態に保つことができる。特に、周囲に絶縁層が形成されていない線状導体14を、中心線状体12の周りに直接的に螺旋状に配設する構成において有効である。
さらに、周囲線状体16Bが絶縁被覆18Bと同材料で形成されているため、その外周囲に絶縁被覆18Bを押出被覆すると、絶縁被覆18Bと周囲線状体16Bとがそれらの間に境目を作ること無く一体化され易い。このため、上記実施形態と同様に、絶縁被覆18Bを除去すると、絶縁被覆18Bと共に周囲線状体16Bも一緒に除去されや易い。このため、ツイスト電線10Bの端部に線状導体14を露出させる端部処理を容易に行える。
なお、上記実施形態及び変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10,10B ツイスト電線
12 中心線状体
14 線状導体
16B 周囲線状体
18,18B 絶縁被覆
12 中心線状体
14 線状導体
16B 周囲線状体
18,18B 絶縁被覆
Claims (8)
- 中心線状体と、
間に前記中心線状体を介在させた状態で、前記中心線状体周りの螺旋に沿って配設された複数の線状導体と、
前記中心線状体の外周側で、前記複数の線状導体を一括して覆う絶縁被覆と、
を備えるツイスト電線。 - 請求項1に記載のツイスト電線であって、
前記中心線状体の横断面形状は、円形状に形成されている、ツイスト電線。 - 請求項1又は請求項2記載のツイスト電線であって、
前記中心線状体は絶縁性を有するツイスト電線。 - 請求項3記載のツイスト電線であって、
前記中心線状体は、前記絶縁被覆と同じ材料で形成されている、ツイスト電線。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のツイスト電線であって、
間に前記中心線状体を介在させた状態で、前記中心線状体周りの螺旋に沿って配設された複数の周囲線状体をさらに備え、
前記中心線状体の周りにおいて、前記複数の周囲線状体が、前記複数の線状導体の各間に分散して配設されている、ツイスト電線。 - 請求項5に記載のツイスト電線であって、
前記複数の周囲線状体は、絶縁性を有する、ツイスト電線。 - 請求項6に記載のツイスト電線であって、
前記複数の周囲線状体は、前記絶縁被覆と同じ材料で形成されている、ツイスト電線。 - (a)中心線状体の周りに、複数の線状導体を螺旋状に配設する工程と、
(b)前記工程(a)の後に、前記中心線状体の外周側に流動状の合成樹脂を供給することにより、前記複数の線状導体を一括して覆うように絶縁被覆を押出成形する工程と、
を備えるツイスト電線の製造方法。
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2014
- 2014-06-18 JP JP2014125162A patent/JP2016004707A/ja active Pending
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