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JP2016098296A - インナーライナー用未加硫ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

インナーライナー用未加硫ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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JP2016098296A
JP2016098296A JP2014235692A JP2014235692A JP2016098296A JP 2016098296 A JP2016098296 A JP 2016098296A JP 2014235692 A JP2014235692 A JP 2014235692A JP 2014235692 A JP2014235692 A JP 2014235692A JP 2016098296 A JP2016098296 A JP 2016098296A
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裕平 山城
Yuhei Yamashiro
裕平 山城
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】未加硫のインナーライナー用ゴム組成物の良好な加工性や成形接着性を保持しつつ、加硫時の気体発生量の抑制、および加硫後の良好な耐空気透過性能をバランス良く両立させたインナーライナー用未加硫ゴム組成物、ならびにこれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】ハロゲン化ブチルゴムおよび/またはブチルゴムを合計60質量%以上含むゴム成分100質量部と、プロセスオイル0.5〜6質量部、混合樹脂0〜8質量部および粘着樹脂0〜4質量部を含む可塑剤1〜14質量部とを含有するインナーライナー用未加硫ゴム組成物、ならびにこれを用いた空気入りタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、インナーライナー用未加硫ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤに関する。
インナーライナー層は、空気入りタイヤの内部に配され、タイヤ内部から外部への空気漏れの量(空気透過量)を低減して耐空気透過性を向上させるはたらきを担うタイヤ部材である。
インナーライナー層には、高い空気気密性が求められ、空気透過性の低いブチルゴムやハロゲン化ブチルゴムなどのブチル系ゴムの組成物が用いられることが多い。しかし、ブチル系ゴムは加工性が悪いことや、他部材との接着性が十分でないという問題があり、これらの問題への対処として、プロセスオイル等の可塑剤を添加することが通常行われている(特許文献1)。
また、プロセスオイルとして、耐熱性、耐候性に優れたものとするため、引火点が250℃以上のプロセスオイルの開発がなされており、これを配合したゴム組成物についても、混練・配合した場合の油蒸気の発生が少なく作業性にすぐれることが記載されている(特許文献2)。
特開2008−111109号公報 特開2007−112824号公報
特許文献1において配合されるプロセスオイルは蒸発性が高く、配合量が高くなるとタイヤ製造時の加硫中に気化し、空気中に飛散し、大気汚染の問題が生じる。
特許文献2においては、プロセスオイルの配合量を抑制することは記載されていない。
そこで、本発明の目的は、未加硫のインナーライナー用ゴム組成物の良好な加工性や成形接着性を保持しつつ、加硫時の気体発生量の抑制、および加硫後の良好な耐空気透過性能をバランス良く両立させたインナーライナー用未加硫ゴム組成物、ならびにこれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明は、
[1]ハロゲン化ブチルゴムおよび/またはブチルゴムを合計60質量%以上、好ましくは80質量%以上含むゴム成分100質量部と、プロセスオイル0.5〜6質量部、好ましくは1〜3質量部、より好ましくは1.5〜2.5質量部、混合樹脂0〜8質量部、好ましくは3〜7質量部、より好ましくは4〜6質量部、および粘着樹脂0〜4質量部、好ましくは1〜3.5質量部、より好ましくは1.5〜3質量部、さらに好ましくは2〜2.5質量部を含む可塑剤1〜14質量部、好ましくは4〜12質量部とを含有するインナーライナー用未加硫ゴム組成物、および
[2]上記[1]記載のインナーライナー用未加硫ゴム組成物を加硫して得られるインナーライナーを備えた空気入りタイヤ
に関する。
本発明によれば、ハロゲン化ブチルゴムおよび/またはブチルゴムを合計60質量%以上含むゴム成分100質量部と、プロセスオイル0.5〜6質量部、混合樹脂0〜8質量部および粘着樹脂0〜4質量部を含む可塑剤1〜14質量部とを含有するインナーライナー用未加硫ゴム組成物とすることで、未加硫での加工性や成形接着性を保持しつつ、加硫時の気体発生量の抑制、および加硫後の良好な耐空気透過性能をバランス良く両立させたインナーライナー用未加硫ゴム組成物を提供することができる。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、ハロゲン化ブチルゴムおよびブチルゴムの合計含有量が60質量%以上であるゴム成分100質量部と、プロセスオイル0.5〜6質量部、混合樹脂0〜8質量部および粘着樹脂0〜4質量部を含む可塑剤1〜14質量部とを含有することを特徴とする。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物に用いるゴム成分において、ハロゲン化ブチルゴムおよびブチルゴムの合計含有量は、加硫後のゴム組成物の空気透過性を大幅に低減することができ、タイヤのインナーライナーに好適なゴム組成物が得られることから60質量%以上とするものであり、さらに高い耐空気透過性を担保できる点から80質量%以上であることが好ましい。
本明細書においては、ハロゲン化ブチルゴムおよびブチルゴム(IIR)をあわせてブチル系ゴムとも称する。
本明細書において、「ハロゲン化ブチルゴム」は、ハロゲン化されたブチルゴムを意味し、たとえば、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、イソブチレンおよびp−メチルスチレンのハロゲン化共重合体(特にイソブチレンおよびp−メチルスチレンの臭素化共重合体)などがあげられる。これらのハロゲン化ブチルゴムは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ブチルゴムとハロゲン化ブチルゴムとはいずれか一方を単独で用いてもよく、また併用してもよい。ブチルゴム系ゴムの中でもハロゲン化ブチルゴムを用いることが加硫速度、耐空気透過性などの点からより好ましい。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物に用いるその他のゴム成分としては、特に制限されるものではない。たとえば、ジエン系ゴムとして、天然ゴム(NR)やジエン系合成ゴムがあげられる。ジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられる。これらのゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特に、ゴム成分は、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムを合計で80質量%〜100質量%と、ジエン系ゴム0〜20質量%とから構成されることがより好ましい。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、プロセスオイル0.5〜6質量部、混合樹脂0〜8質量部および粘着樹脂0〜4質量部を含む可塑剤を1〜14質量部含有するものであり、プロセスオイルの配合量を抑制し、プロセスオイルよりも引火点の高い可塑剤を組み合わせることにより、未加硫時の加工性および成形接着性を保持しつつ、加硫前後の質量変化、すなわち、加硫時の気体の発生を抑制し、さらに加硫後の所望の耐空気透過性をバランス良く両立させることができる。可塑剤の含有量は、4質量部以上がより好ましく、12質量部以下がより好ましい。
プロセスオイルとしては、特に限定されるものではなく、通常この分野で使用するものを好適に使用することができる。一般にプロセスオイルは、パラフィン成分、ナフテン成分およびアロマ成分からなるものである。プロセスオイルの具体例としては、出光興産(株)製のダイアナプロセスPA32(パラフィン成分:67質量%、ナフテン成分:28質量%、アロマ成分:5質量%)の他、AC−12、AC−460、AH−24、AH−58など、あるいはH&R社製のVivaTec40(TDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)オイル;パラフィン成分:49質量%、ナフテン成分:27質量%、アロマ成分:23質量%)などがあげられる。プロセスオイルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロセスオイルは、アロマ成分の含有量の少ないものが好ましい。アロマ成分の含有量が少ないものを使用することにより、ブチルゴムとの相溶性が良好となり、ゴムシート表面へのブリードが抑えられ、成形粘着性の低下を抑えられる傾向がある。この場合において、プロセスオイル中のアロマ成分の含有量は、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
インナーライナー用未加硫ゴム組成物におけるプロセスオイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上であり、1質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましい。プロセスオイルの含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.5質量部未満であると、ゴム組成物の加工性を十分に改善できない傾向がある。また、プロセスオイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、6質量部以下であり、3質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましい。プロセスオイルの含有量が、ゴム成分100質量部に対して6質量部を超えると、加硫中にプロセスオイルが気化し、気体が多量に発生し、大気汚染の一因となるおそれがある。
本明細書において、「混合樹脂」とは、2種以上の樹脂の混合物をいう。混合樹脂に使用する樹脂としては、たとえば、フェノール性粘着樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、クマロンインデン樹脂などの芳香族炭化水素系樹脂、C5、C8、C9などの脂肪族炭化水素系樹脂などがあげられ、これらのなかから2種以上を選択して混合したものを使用することができる。なかでも、芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂との組み合わせが好ましい。
混合樹脂としては、具体的には、ストラクトール社製のストラクトール40MS、ラインケミー社(Rhein Chemie Corp.)のレノジン145A、フローポリマー社(Flow Polymers Inc.)のプロミックス400などがあげられる。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物中の混合樹脂の含有量は、可塑剤としてゴムの加工性を担保することや、ゴムの均質性を向上させ、耐空気透過性を向上させることができるという理由から、ゴム成分100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましく、また、8質量部以下であり、7質量部以下が好ましく、6質量部以下がより好ましい。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して粘着樹脂0〜4質量部を含有させるものである。粘着樹脂としては、たとえば(株)日本触媒製のSP1068などがあげられる。インナーライナー用未加硫ゴム組成物は、粘着樹脂を含有することにより、タイヤ成形時の他部材との接着性が向上する。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物中の粘着樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2質量部以上がさらに好ましい。粘着樹脂の含有量をゴム成分100質量部に対して1質量部以上とすることにより、粘着樹脂を添加した効果を十分に得ることができる傾向がある。また、粘着樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、4質量部以下であり、3.5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下がさらに好ましい。粘着樹脂の含有量が、ゴム成分100質量部に対して4質量部を超えると、コストが高くなる傾向にある。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、上記成分以外にも、インナーライナー用ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、たとえば、補強性フィラー、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、架橋剤、硫黄、加硫促進剤を含有することができる。
補強性フィラーとしては、カーボンブラックまたはシリカなどがあげられ、カーボンブラックが好ましく、カーボンブラックにシリカを併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、20m2/g以上が好ましく、25m2/g以上がより好ましい。カーボンブラックのN2SAを20m2/g以上とすることにより、十分な補強性が得られる傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは、40m2/g以下が好ましく、35m2/g以下がより好ましい。カーボンブラックのN2SAを40m2/g以下とすることにより、ゴムが硬くなり過ぎず、耐亀裂成長性や破断伸びの低下を抑えられる傾向がある。なお、本明細書におけるカーボンブラックのN2SAは、ASTM D 3037−81に準拠してBET法で測定される値である。
カーボンブラックの具体的な例としては、コロンビアケミカルズ社製のStatex(商標)N762(N2SA:29m2/g)や、Jiangix Black Cat社製のN660(N2SA:35m2/g)などがあげられる。これらのカーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
補強性フィラーの含有量は、良好な補強性が得られるという点から、ゴム成分100質量部に対して、20質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましい。また、補強性フィラーの含有量は、フィラー分散の悪化による応力集中を防ぐ点から、ゴム成分100質量部に対して、90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましい。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有することが好ましい。酸化亜鉛は、イソプレンゴムやブチル系ゴム中のイソプレン部での架橋を促進する効果があり、これにより、複素弾性率E*を向上し、かつ損失正接tanδを低減できる。E*が向上すると、操縦安定性が良好となり、tanδが低減すると燃費が向上する。酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.8質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。酸化亜鉛の含有量を、ゴム成分100質量部に対して0.8質量部以上とすることにより、E*の向上効果、tanδの低減効果が十分に得られる傾向がある。酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2.9質量部以下が好ましく、2.6質量部以下がより好ましく、2.3質量部以下がさらに好ましい。酸化亜鉛の含有量を、ゴム成分100質量部に対して2.9質量部以下とすることにより、酸化亜鉛の未分散塊が亀裂成長起点となることを防ぎ、良好な耐亀裂成長性および良好なシート加工性が得られる傾向がある。また、酸化亜鉛の未分散塊が多いと、酸化亜鉛の未分散塊の周囲には空隙が存在し、該空隙から空気が流れてしまうため、空気遮断性が悪化する傾向もある。なお、酸化亜鉛は、ハロゲン化ブチルゴムの架橋を促進し、ゴム焼けの原因となるため、いわゆるベース練りではなく、架橋系を投入するファイナル練りで投入する。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、ステアリン酸を含有することが好ましい。ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましい。ステアリン酸の含有量をゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上とすることにより、酸化亜鉛の分散が良好となり、シート加工性や破断伸びが良好なものとなる傾向がある。ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましい。ステアリン酸の含有量をゴム成分100質量部に対して3.0質量部以下とすることにより、混練り時の滑性の上昇を抑えられ、フィラーの分散性、破断伸びが良好となる傾向がある。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、老化防止剤を含有することが好ましい。老化防止剤としては特に限定されず、ゴム組成物の製造において一般に使用されているものが使用可能であり、たとえば、キノリン系、キノン系、フェノール系、フェニレンジアミン系老化防止剤などがあげられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、酸化劣化を抑制する効果が高く、かつゴム焼けを起こしにくいという点から、キノリン系老化防止剤を好適に使用することができる。また、キノリン系老化防止剤としては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(RD)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどがあげられ、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を好適に使用することができる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましい。老化防止剤の含有量をゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上とすることにより、インナーライナーや隣接部材の酸化劣化を抑制する効果が十分に得られる傾向がある。キノリン系老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましい。キノリン系老化防止剤の含有量をゴム成分100質量部に対して3.0質量部以下とすることにより、ロータースリップが起こりにくくなり、フィラーの分散性、破断伸び、混練効率が良好なものとなる傾向がある。
N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどの、フェニレンジアミン系老化防止剤を配合すると、混練り中にブチル系ゴムの焼けが発生しやすくなるおそれがある。そのため、本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物においては、フェニレンジアミン系老化防止剤の含有量をできるだけ少なくすることが好ましい。このような観点から、フェニレンジアミン系老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以下が好ましく、0.3質量部以下がより好ましく、0質量部、すなわち実質的に含有しないことがさらに好ましい。
架橋剤としては、硫黄の他、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物などを好適に使用することができる。特に、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を含有することにより、通常の硫黄架橋に比べて熱的に安定な架橋構造を形成することができ、低燃費性やタイガムなどのジエン系ゴム主体の隣接部材との共架橋接着性の向上に寄与するため好ましい。
硫黄としては、特に限定されるものではなく、タイヤ製造において一般的に使用されているものをいずれも使用することができる。
架橋剤の含有量は、良好な架橋構造を形成するという観点から、ゴム成分100質量部に対して、硫黄換算で0.3質量部以上が好ましく、0.4質量部以上がより好ましく、2.5質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましい。
加硫促進剤としては、たとえば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系もしくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤などがあげられる。なかでも、融点が高く、ゴム焼けが発生しにくいという点から、チアゾール系加硫促進剤が好ましく、ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィドがより好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、0.8質量部以上がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を、ゴム成分100質量部に対して0.2質量部以上とすることにより、十分な加硫速度を確保できる傾向がある。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を、ゴム成分100質量部に対して5質量部以下とすることにより、加硫速度が速すぎるものとなるのを防ぐことができる傾向がある。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、一般的な方法で製造することができる。たとえば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される公知の混練機で、上記各成分のうち、架橋剤、酸化亜鉛および加硫促進剤以外の成分を混練り(いわゆる、ベース練り)した後、これに架橋剤、酸化亜鉛および加硫促進剤を加えてさらに混練り(いわゆる、ファイナル練り)して製造することができる。
本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、加硫してタイヤのインナーライナーとすることができる。この際、本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物は、大気汚染の一因となる加硫時の気体発生量が低減されており、環境への負荷を抑えることができる。また、未加硫時の加工性にも優れており、成形粘着性も良好なことから、隣接する他部材との接着性にも優れ、さらに加硫後のインナーライナーは、良好な耐空気透過性を保持するものである。
本発明の1つの実施態様は、本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物を加硫して得られるインナーライナーを備えた空気入りタイヤである。このような空気入りタイヤは、本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物を用いて、タイヤ製造における通常の方法により製造することができる。すなわち、本発明のインナーライナー用未加硫ゴム組成物をタイヤのインナーライナーの形状に合わせて押出し加工し、タイヤ成形機上にて他のタイヤ部材とともに貼り合せて通常の方法にて未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱および加圧することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
空気入りタイヤは、乗用車用、重荷重用タイヤ、産業車両用タイヤなどとして使用することができ、なかでも、乗用車用タイヤとして好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。
天然ゴム(NR):マレーシア産のTSR20
ハロゲン化ブチルゴムA:エクソン化学(株)製のクロロブチルゴムHT1066
ブチルゴム:日本ブチル(株)製のブチル065
カーボンブラック(CB):Jiangix Black Cat社製のN660(N2SA:35m2/g)
プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPA32(パラフィン成分:67質量%、ナフテン成分:28質量%、アロマ成分:5質量%)
混合樹脂:ストラクトール社製のストラクトール40MS(芳香族炭化水素系樹脂および脂肪族炭化水素系樹脂の混合物、軟化点:98〜106℃)
粘着樹脂:(株)日本触媒製のSP1068
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸 椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200−5(オイル分5質量%の粉末硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド)
実施例1〜12および比較例1〜6
表1に示す配合処方にしたがい、材料中、酸化亜鉛、架橋剤および加硫促進剤以外の材料を、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、5分間、排出温度130℃になるまで混練りし、ゴム組成物を得た。次に、得られたゴム組成物に、酸化亜鉛、架橋剤および加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を所定の形状に押出し成形し、170℃で12分間プレス加硫した。なお、インナーライナー自体は、薄膜状でサンプリングが困難であるため、以下に示す各試験目的に応じて、それに合ったゴム試験片を作製し、以下の試験法に基づき評価した。
実施例および比較例で作製した試験片について以下の試験を行った。結果を表1に示す。
<加硫前後の質量測定試験>
加硫前後の質量は、JIS K6226の熱重量測定法により、170℃で12分間加熱したときの質量を測定することで求めた。加熱前の質量を100%として、つぎの式より、加熱前後での質量変化を求めた。なお、5%以下を目標値とする。
加硫による質量損失(%)=(加熱前の質量−加熱後の質量)/加熱前の質量×100
<空気透過性試験>
ASTM D−1434−75M法に従い、加硫ゴム組成物の空気透過量を測定し、つぎの計算式により、各配合の耐空気透過性を指数表示した。耐空気透過性指数が大きいほど加硫ゴム組成物の空気透過量が小さく、空気遮断性に優れることを示す。なお、110以上を性能目標値とする。
耐空気透過性指数=(比較例1の空気透過量)/(各配合の空気透過量)×100
<成形粘着性指数>
上記未加硫ゴム組成物を、ロールを用いて厚み1mmのシート状に押出し、得られたゴムシートについて、(株)東洋精機製作所の「タックテスタ」を用いて、未加硫ゴムの粘着性を測定した。比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、成形粘着性に優れることを示す。なお、80以上を性能目標値とする。
Figure 2016098296
表1の結果より、ハロゲン化ブチルゴムおよび/またはブチルゴムを合計60%以上含むゴム成分100質量部と、プロセスオイル0.5〜6質量部、混合樹脂0〜8質量部、粘着樹脂0〜4質量部を含む可塑剤1〜14質量部を特定量配合する未加硫ゴム組成物とすることで、未加硫での成形接着性を保持しつつ、加硫時の気体発生量の抑制に優れていることがわかる。

Claims (2)

  1. ハロゲン化ブチルゴムおよび/またはブチルゴムを合計60質量%以上含むゴム成分100質量部と、
    プロセスオイル0.5〜6質量部、混合樹脂0〜8質量部および粘着樹脂0〜4質量部を含む可塑剤1〜14質量部と
    を含有するインナーライナー用未加硫ゴム組成物。
  2. 請求項1記載のインナーライナー用未加硫ゴム組成物を加硫して得られるインナーライナーを備えた空気入りタイヤ。
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Cited By (4)

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