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JP2016094127A - 車両の乗員保護構造 - Google Patents

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JP2016094127A JP2014232129A JP2014232129A JP2016094127A JP 2016094127 A JP2016094127 A JP 2016094127A JP 2014232129 A JP2014232129 A JP 2014232129A JP 2014232129 A JP2014232129 A JP 2014232129A JP 2016094127 A JP2016094127 A JP 2016094127A
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Abstract

【課題】側突時に乗員を適切に保護することができるようにした、車両の乗員保護構造を提供する。
【解決手段】車両のサイドドア20と乗員1との間に展開されるサイドエアバッグ11と、サイドドア20の車室側に取り付けられて車室の内装面をなす板状のドアトリム30と、ドアトリム30において他部よりも板厚が薄く形成されるとともに、乗員1の肩部2aよりも後方で上下方向に延設される薄板部41を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の乗員を保護する構造に関するものである。
車両の乗員を保護する装置の一つとして、車両の衝突時に展開されるエアバッグによって乗員を衝撃から保護するエアバッグ装置が開発されている。エアバッグは、衝撃作用時における乗員の挙動を想定してさまざまな箇所に設けられている。このようなエアバッグの一つとして、乗員の座席側部に収容されるサイドエアバッグが知られている。
このサイドエアバッグは、車両の側面衝突(以下、「側突」という)時に乗員とサイドドアとの間の空間に膨出し展開される。
ここで、乗員の胴部と腕部とが車両側面視で重複(オーバーラップ)して位置していると、展開時のサイドエアバッグによって腕部が胴部に押し付けられ、腕部に対向する胴部(胸部)や腕部自身が損傷するおそれがある。つまり、腕部と胴部との干渉が、サイドエアバッグによる乗員保護機能を低下させるおそれがある。
そこで、サイドエアバッグ自体の膨出動作を利用して乗員の腕部を上方へ押し上げることにより、側突時における乗員保護性能を向上させる技術が提案されている。このような技術が、例えば特許文献1および2に示されている。
特開2014−88073号公報 特開2014−31051号公報
ところで、乗員の腕部は、その上部に位置する肩部を軸にして揺動可能であり、肩部を介して胴部に連結されている。このことから、胴部に対する腕部の位置は、肩部の位置を基準に定まり、腕部の動きは肩部の位置や向きによって制約されるものといえる。したがって、側突時において、特許文献1および2に示される技術のように乗員の腕部を単に上方へ押し上げるだけでは、腕部と胴部との干渉を十分に小さくすることができない場合があり、乗員の保護に関して改善の余地がある。一方、特に腕部のうちの肩部近傍を前方へ移動させることができれば、車両側面視における胴部と腕部との重複領域を十分に小さくすることが可能となる。
本発明の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、側突時に乗員を適切に保護することができるようにした、車両の乗員保護構造を提供することである。
なお、ここでいう目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の車両の乗員保護構造は、車両のサイドドアと乗員との間に展開されるサイドエアバッグと、前記サイドドアの車室側に取り付けられて前記車室の内装面をなす板状のドアトリムと、前記ドアトリムにおいて他部よりも板厚が薄く形成されるとともに、前記乗員の肩部よりも後方で上下方向に延設される薄板部と、を備える。すなわち、前記薄板部は、前記サイドドアへの側突荷重に対し前記ドアトリムを前記車室側に山折り変形させる折れ線となる。敷衍して言えば、前記薄板部は、前記ドアトリムにおいて他部よりも折れやすくされている。
(2)前記ドアトリムは、上下に二分割されていることが好ましい。すなわち、前記ドアトリムが、前記肩部に対向する部位を含む上トリムと、前記上トリムよりも下方に配置される下トリムと、を有することが好ましい。また、前記薄板部が、前記上トリムに設けられることが好ましい。
(3)前記下トリムにおいて他部よりも板厚が薄く形成されるとともに、前記肩部よりも前方で上下方向に延設される第二薄板部を備えることが好ましい。前記第二薄板部の配置について換言すれば、前記薄板部の位置と前記第二薄板部の位置とが相違しており、前記薄板部が前記第二薄板部よりも後方に配置されていることが好ましい。また、前記第二薄板部の板厚について換言すれば、前記第二薄板部が、前記サイドドアへの側突荷重に対し前記下トリムを前記車室側に山折り変形させる折れ線となることが好ましい。敷衍して言えば、前記第二薄板部は、前記下トリムにおいて他部よりも折れやすくされていることが好ましい。
(4)前記ドアトリムは、たたまれて形成されるとともに、前記薄板部よりも後方で上下方向に延設されるたたみ部を有することが好ましい。前記たたみ部は、前記ドアトリムが前記車室側に山折れ変形したときに展開され、この山折れ変形の伸び代となることが好ましい。
(5)前記薄板部よりも後方に設けられ、前記ドアトリムと前記サイドドアとを固定する固定部を備え、前記固定部が前記サイドドアに対して前後方向にスライド移動自在に設けられることが好ましい。
(6)前記薄板部よりも前方の前記ドアトリムを補強する補強材を備えることが好ましい。
(7)前記サイドドアから前記薄板部に向けて突出して設けられ、前記サイドドアに固定された突出部を備えることが好ましい。なお、前記突出部は、前記サイドドアと前記ドアトリムとの間に設けられ、前記薄板部に沿って上下方向に配置されることが好ましい。
本発明の車両の乗員保護構造では、ドアトリムの薄板部が、ドアトリムの他部よりもその板厚を薄く形成され、乗員の肩部よりも後方で上下方向に延設される。これにより、サイドドアへの側突荷重の作用時に、乗員の肩部よりも後方でドアトリムの折れ線が形成され、折れ線よりも前方でドアトリムに支持されるサイドエアバッグによって、乗員の肩部が前方に押し出される。そのため、車両側面視における胴部と腕部との重複領域を小さくすることができ、側突時に乗員を適切に保護することができる。
本発明の一実施形態にかかる車両の乗員保護構造を示す三面図であり、(a)は側面図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面に対応する前面断面図であり、(c)は(a)のB−B矢視断面に対応する上面断面図である。 本発明の一実施形態にかかる車両の乗員保護構造の第一薄板部およびたたみ部に着目して示す拡大斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる車両の乗員保護構造のクリップおよびクリップ座に着目して示す拡大斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる車両の乗員保護構造の作用を示す上面断面図であり、(a)〜(c)の順に側突が進行する様子を示す。 側突時におけるドアトリムの変形状態とサイドエアバッグの展開状態と乗員の姿勢とを示す上面断面図であり、(a)は本発明の一実施形態にかかる車両の乗員保護構造のものを示し、(b)は既存の乗員保護構造のものを示す。 側突時における乗員の姿勢を示す側面図であり、(a)は本発明の一実施形態にかかる車両の乗員保護構造のものを示し、(b)は既存の乗員保護構造のものを示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
本発明にかかる乗員保護構造は、乗員の側方に配置されたドアを備えたものであればさまざまな車両に適用することができる。ここでは、自動車に適用された乗員保護構造を例示し、そのドアとして車体側部に設けられたサイドドアに着目して説明する。
本実施形態では、車両の前進方向を前方とし、その逆方向を後方とし、前方を基準に左右を定め、重力の作用方向を下方とし、その逆方向を上方とし、これらの前後方向及び上下方向の何れの方向にも直交する方向を車幅方向とする。また、車幅方向においては、車幅方向中心に向かう側を車室側とし、その逆側を車外側とする。
なお、図中の矢視「F」は前方を示し、矢視「R」は後方を示し、矢視「D」は下方を示し、矢視「U」は上方を示し、矢視「I」は車室側を示し、矢視「O」は車外側を示す。また、図中の板状部材は、理解を容易とするために、厚みを誇張して示している。
〔一実施形態〕
車両の乗員保護構造は、車両の側面に他の車両やポールが衝突する側突にそなえて配備されたものであり、側突時にサイドドアの車室側で変形するドアトリムと乗員のシート側部から展開されるサイドエアバッグとが協働することにより乗員の保護を図るものである。保護対象の乗員は、サイドドアの車室側に着座する者である。例えば、運転席や助手席、後部座席における窓側の席のそれぞれに着座する乗員が保護対象となる。
[1.構成]
[1−1.基本構成]
はじめに、図1を参照して、車両の乗員保護構造の基本構成を説明する。
車両の乗員保護構造は、乗員1が着座するシート5と、シート5に収容されたサイドエアバッグ装置10(破線で示す)と、乗員1に対して車外側の側方に設けられたサイドドア20と、サイドドア20の車室側に取り付けられるドアトリム30とを備えている。
以下、シート5,サイドエアバッグ装置10,サイドドア20,ドアトリム30の順に説明する。
なお、図1(a)では、車外側からの側面視でドアトリム30に着目し、サイドドア20の図示を省略している。図1(c)では、サイドドア20およびドアトリム30ならびに車体周辺構造に着目し、乗員1およびシート5を二点鎖線で示し、乗員1の詳細部位の符号付けを省略している。
また、各部材においては、前端およびその周辺の部位を前端部と呼び、部材の後端およびその周辺の部位を後端部と呼び、前後方向の中間点およびその周辺の部位を前後方向中間部と呼ぶ。
[1−1−1.シート]
シート5は、乗員1が座るシートクッション5aと、乗員1が背中3aをもたせかけるシートバック5bとを有する。図1(a)に示すように、シートクッション5aは、乗員1の腰部3dおよび臀部から太股にかけての範囲の脚部4を支持する部位(座部分)である。一方、シートバック5bは乗員1の背中3aや頭部1aを支持する部位(背もたれ部分)である。
シートクッション5aは前後方向に延びて設けられ、また、シートバック5bは上下方向に延びて設けられている。なお、シート5の位置調整によるが、シートクッション5aは、前方から後方へ向けて下方に位置するように傾斜し、また、シートバック5bは、下方から上方へ向けて後方に位置するように傾斜している。
[1−1−2.サイドエアバッグ装置]
サイドエアバッグ装置10は、側突時に乗員1とドアトリム30との間の空間にサイドエアバッグ11を展開し、乗員1を衝撃から保護するものである。図1中に破線で示すように、サイドエアバッグ装置10には、サイドエアバッグ11とインフレータ12とが設けられる。
サイドエアバッグ11は、折り畳まれた状態でシート5の側部に収容され、車両衝突等の際に乗員1の側方に展開される布製の袋である。例えば、同一形状の二枚の基布を重ね合わせた状態で周囲を縫い合わせることでサイドエアバッグ11が形成される。
また、インフレータ12は、車両に側突が発生したときに、サイドエアバッグ11を膨張させるためのガスを発生させる装置である。なお、側突の有無は、図示しない側突センサで検知あるいは予知される。以下、これらの検知あるいは予知をまとめて単に「検知」という。
インフレータ12で発生したガスがサイドエアバッグ11の内部に供給されると、サイドエアバッグ11がシートバック5bから瞬時に飛び出し、乗員1とドアトリム30との間の空間に膨張し展開される。これにより、乗員1に作用する衝撃が吸収され、衝撃による乗員1の挙動が抑えられることで、乗員1が保護される。
インフレータ12におけるガスの供給方式は任意であり、さまざまな方式のものを用いることができる。例えば、固体のガス発生剤を燃焼させてガスを生成するパイロ方式,予め容器内に封入された加圧ガスを放出するストアード方式,これらの方式を組み合わせたハイブリッド方式といったさまざまな方式のものをインフレータ12に用いることができる。
以下、サイドエアバッグ11について、収容位置,展開方向,展開範囲の順に説明する。
サイドエアバッグ11は、シートバック5bにおける車外側の側部であって、乗員1の脇部(腕部2の胴部3に対する付け根の下部)の直下方に対応する高さ位置に収容されている。このため、サイドエアバッグ11がシートバック5bから展開される初期の位置は、乗員1の脇部の直下方となる。
サイドエアバッグ11の展開方向は、前方および側方に向かう方向である。具体的に言えば、サイドエアバッグ11は、シートバック5bから前方に向けて膨張し展開されるとともに、乗員1とドアトリム30との間の空間を埋めるように側方に向けて膨張し展開される。
上記のように、サイドエアバッグ11が乗員1の脇部の直下方から前方に向けて膨張し展開されることで、乗員1の腕部2は、前方に押されるとともに肩部2aを中心に回転し、押し上げられる。
サイドエアバッグ11の展開範囲は、乗員1の腕部2および胴部3の位置する領域が含まれるように上下の範囲が設定されている。この上下範囲には、もちろん乗員1の肩部2aが位置する領域が含まれる。なお、一般的なサイドエアバッグの展開範囲は、乗員の肩部よりも下方に高さ位置の上限が設定されている。
[1−1−3.サイドドア]
サイドドア20は、乗員1の車外側に対向して設けられる。このサイドドア20は、車体の一部をなしている。また、サイドドア20は開閉自在に設けられ、サイドドア20が開放されることで車室の出入口が形成される。なお、ここでいう「対向」とは、車幅方向基準で空間をおいて互いに向きあうことを意味する。以下の説明で用いる「対向」も同様の意味とする。
ここでは、図1(c)に示すように、サイドドア20がAピラー28とBピラー29との間に設けられたフロントサイドドアであり、車両左方に設けられたものを取り上げて説明する。この場合、保護対象となる乗員1は、右ハンドル車であれば助手席に着座する者であり、左ハンドル車であれば運転者である。なお、ピラー28,29は、要求される強度や剛性などによってさまざまな形状をとりうる。
このサイドドア20では、車外側のアウタパネル21と車室側のインナパネル22とを有する。パネル21,22は、板状の部材であり、例えば鋼板をプレス加工して形成される。これらのパネル21,22は、それぞれ板厚が均一または略均一に形成される。このため、パネル21,22は、側突荷重が作用した際に前後方向中間部21c,22cで折れ曲がりやすく設計されたものといえる。
アウタパネル21とインナパネル22とは、互いに間隔を空けて車幅方向に並んで配置されている。また、アウタパネル21の前端部21aとインナパネル22の前端部22aとが接合されるとともに、アウタパネル21の後端部21bとインナパネル22の後端部22bとが接合されている。
このように、互いに間隔を空けて並んで配置されたパネル21,22の前端部21a,22aおよび後端部21b,22bが互いに接合されることから、サイドドア20には中空の空間が形成されている。この中空空間には、図示省略するサイドインパクトバー,パワーウィンドウユニット,ドアロック機構,音響装置といった他の構成が装備されてもよい。
図1(c)では、アウタパネル21が前後方向に直線状に延びて設けられるものを例示し、また、インナパネル22の前後方向中間部22cが前後方向に直線状に延びるとともに前端部22aおよび後端部22bが車外側に折り曲げられたものを例示する。ただし、パネル21,22には、要求される強度や剛性などによってさまざまな形状の板材が用いられる。アウタパネル21については、車両の外観や空力設計によっても形状が左右されうる。
[1−1−4.ドアトリム]
ドアトリム30は、車室を内装する板状の部材である。すなわち、ドアトリム30は車室の内装面の一部をなしている。なお、ドアトリム30は、サイドドア20を車室側から覆うように取り付けられており、サイドドア20の車室への露出を防止するカバーとしても機能する。
ドアトリム30は、前端部30aおよび後端部30bがそれぞれインナパネル22に結合されている。また、ドアトリム30は、前端部30a,後端部30bだけでなく、詳細を後述するクリップ(固定部)70によってもインナパネル22に対して固定されており、この固定力よりもドアトリム30の後端部30bとインナパネル22との結合力の方が小さく設定されている。一方、ドアトリム30の前端部30aとインナパネル22との結合力は、クリップ70の固定力よりも大きく設定されている。
[1−2.詳細構成]
ドアトリム30は、側突時にサイドドア20が変形して車外側から車室側に向かう荷重(以下、「サイドドア20への側突荷重」という)が作用した際における折れ曲がりの前後方向位置が設定されている。つまり、ドアトリム30の変形モードが設定されている。そのために、ドアトリム30およびその周辺に種々の構成が設けられている。以下、かかる構成に着目して説明する。
ここでは、ドアトリム30が、上下に二分割されており、上トリム40とこれよりも下方に配置される下トリム50とを有している。上トリム40と下トリム50との分割ラインは、図1(a)に示すように前後方向に伸びる直線状であり、その上下方向の位置は、乗員1の肩部2aよりもやや下方に設定される。これらトリム40,50のそれぞれにおいて変形モードが設定されている。なお、トリム40,50の前端部40a,50aおよび後端部40b,50bは、それぞれインナパネル22に結合されている。
まず、上トリム40にかかる構成を説明し、続いて下トリム50にかかる構成を説明する。
[1−2−1.上トリム]
上トリム40は、乗員1の肩部2aに対向する部位を含んでいる。言い換えれば、上トリム40は、乗員1の肩部2aや胸部3bと車両側面視で重複する高さ位置に設けられている。
この上トリム40は、サイドドア20への側突荷重に対して乗員1の肩部2aよりも後方で上下に折れ線が形成されるように、変形モードが設定されている。
そのため、上トリム40には、図1(a),(c),図2に示すように、他部よりも板厚が薄く形成されるとともに乗員1の肩部2aよりも後方で上下方向に延設された第一薄板部41が設けられている。すなわち、第一薄板部41は、他部よりも折れやすくされている。したがって、第一薄板部41は、サイドドア20への側突荷重に対しドアトリム30を車室側に山折り変形させる折れ線となる。
この第一薄板部41は、上トリム40における前後方向中間部40cよりも後方に設けられている。
なお、図1(c)および図2では、第一薄板部41が丸溝状のものを例示するが、三角溝状や矩形溝状などの他の形状であってもよい。更に言えば、第一薄板部41は、樹脂材を破損せずに折り曲げ可能な機構であるリビングヒンジ(薄板状ヒンジ)として構成されていてもよい。
さらに、上トリム40を第一薄板部41で確実に山折りするための構成として、上トリム40において第一薄板部41以外の他部を補強する補強材49と、サイドドア20への側突荷重によって第一薄板部41を突き押す突出部60とが設けられている。
また、上トリム40の山折れ変形に対応するための構成として、山折れ変形の伸び代となるたたみ部42と、上トリム40とサイドドア20とを固定するクリップ70とが設けられている。
以下、補強材49,突出部60,たたみ部42,クリップ70の順に説明する。
補強材49は、上トリム40の車外側の面(車室の内装面の裏側)において少なくとも前後方向中間部40cを補強するものである。ここでは、補強材49が第一薄板部41よりも前方に設けられている。このため、上トリム40では、第一薄板部41よりも前方の強度が向上している。
この補強材49には、板金が用いられている。具体的には、上トリム40に沿って前後方向に延びる平板状の板金が補強材49として用いられている。この補強材49は、上トリム40の車外側に結合されている。
なお、補強材49の形状は、平板状に限らず、チャンネル材やアングル材のように平板とは異なる形状を有するリブであってもよい。なおまた、補強材49の材料は、金属材に限らず、樹脂材を用いることができる。この場合には、上トリム40と一体に成形されたリブを補強材49とすることができる。かかる補強材49は、上下に複数並んで設けられてもよいし、一本だけ設けられてもよい。
突出部60は、サイドドア20から第一薄板部41に向けて突出して設けられている。この突出部60は、サイドドア20と上トリム40との間の空間内に設けられ、サイドドア20に固定されている。
以下、ここで例示する突出部60について、具体的に説明する。
突出部60は、基端部61がインナパネル22に固定され、先端部62が第一薄板部41に臨んで配置されている。この先端部62は、図1(b)に示すように、第一薄板部41に沿って上下方向に配置されている。
図1(c)に示すように、突出部60は、その基端部61が先端部62よりも前後方向に長い形状を有している。具体的には、突出部60が上面視でT字状に設けられ、T字の上部である基端部61が車外側に配置されてインナパネル22に固定され、T字の下部である先端部62が車室側となるように配置されている。この突出部60は、例えば樹脂材や高分子材などから成形することができる。
たたみ部42は、上トリム40の一部がたたまれて形成されたものである。このたたみ部42は、上トリム40の他部(たたみ部42以外の部位)に対して車外側に突出して設けられている。すなわち、たたみ部42の車幅方向位置が、上トリム40の他部とインナパネル22との間に設定されている。また、たたみ部42は、第一薄板部41よりも後方で上下方向に延設されている。すなわち、たたみ部42は、上トリム40の山折れ変形時に展開され、この山折れ変形の伸び代となる上トリム40の部位である。
図1(c)および図2では、たたみ部42が上面視でU字状に折り畳まれているものを例示する。ただし、たたみ部42は、上面視でS字状,V字状,W字状や波型などの他の形状にたたまれていてもよい。
このたたみ部42は、第一薄板部41が後方に設けられるほど、長い伸び代が確保されることが好ましい。これは、上トリム40が第一薄板部41で山折り変形される場合に、第一薄板部41が後方に設けられるほど、上トリム40において第一薄板部41よりも後方でインナパネル22と結合するのに必要な長さが山折り変形前後で大きく変化する傾向にあるからである。伸び代の長短は、たたみ部42のたたみ込む深さやたたみ込む回数などによって調整することができる。
図1(c)に示すように、クリップ70は、第一薄板部41およびたたみ部42よりも後方に設けられている。このクリップ70は、上トリム40に結合されており、サイドドア20に設けられたクリップ座71に取り付けられる。このようにして、上トリム40とサイドドア20とが固定される。
また、クリップ70は、サイドドア20におけるインナパネル22の前後方向中間部22cに対して前後方向にスライド移動自在に設けられている。
以下、図3を参照して、ここで例示するクリップ70およびクリップ座71について、具体的に説明する。
クリップ70は、上トリム40(図1参照)に結合されるとともにインナパネル22に対して車室側に設けられる本体部70aと、インナパネル22に対して車外側に設けられる抜け止め部70bと、本体部70aと抜け止め部70bとを接続する接続部70cとを有する。このクリップ70は、例えば樹脂材や高分子材などで成形することができ、微小に変形可能に設けられている。
ここでは、本体部70aが円錐台形状をなしており、抜け止め部70bおよび接続部70cが互いに外径の異なる円柱形状をなす。また、抜け止め部70bおよび接続部70cは、例えば対応するネジ山およびネジ溝を有しており、互いに着脱可能に設けられている。
クリップ座71は、インナパネル22が穿設された二つの孔部71a,71bと、これらの孔部71a,71bを連結する連結部71cとを有する。ここでは、孔部71a,71bは、何れも車両側面視で円形に設けられている。以下の説明では、二つの孔部71a,71bのうち、後方のものを後方孔部71aとし、前方のものを前方孔部71bとする。この後方孔部71aには、通常時(車両衝突前)にクリップ70の接続部70cが挿通されている。
クリップ70の本体部70aおよび抜け止め部70bは、車両側面視でクリップ座71の孔部71a,71bを覆うように設けられている。言い換えれば、車両側面視での投影面積は、孔部71a,71bよりも本体部70aおよび抜け止め部70bのほうが大きい。なお、車両側面視での投影面積は、孔部71a,71bのよりも接続部70cのほうが小さい。
ここで、クリップ70の取り付けの一例を説明する。まず、クリップ70において抜け止め部70bを接続部70cから取り外す。そして、車室側から車外側へ向けて接続部70cをクリップ座71の後方孔部71aに挿通し、その次に、接続部70cに再び抜け止め部70bを取り付ける。これにより、クリップ70がクリップ座71に取り付けられる。
クリップ70における接続部70cの外径(最大外寸)W1は、クリップ座71の連結部71cの幅(上下方向長さ)W2よりもやや大きく設計されている。このため、クリップ70に対して前方に向かう所定値以上の力が作用すると、接続部70cがやや縮径しながらクリップ座71の前方孔部71bへ向けての連結部71cをスライド移動することができる。なお、ここでいう所定値以上の力が作用すると、クリップ70とともに上トリム40の後端部40bがインナパネル22から外れる。
[1−2−2.下トリム]
図1(a)および(b)に示すように、下トリム50は、乗員1の胴部3のうち腹部3cおよび腰部3dに対向する部位を含んでいる。言い換えれば、下トリム50は、乗員1の腹部3cおよび腰部3dと車両側面視で重複する高さ位置に設けられている。
この下トリム50は、サイドドア20への側突荷重に対して乗員1の肩部2aよりも前方で上下に折れ線が形成されるように、変形モードが設定されている。
そのため、下トリム50には、他部よりも板厚が薄く形成されるとともに乗員1の肩部2aよりも前方で上下方向に延設された第二薄板部51が設けられている。言い換えれば、第一薄板部41の位置と第二薄板部51の位置とが相違しており、第一薄板部41が第二薄板部51よりも後方に配置されている。ここでは、図1(a)に示すように、第二薄板部51が下トリム50の前後方向中間部50cに設けられている。
この第二薄板部51は、前後方向位置を除いて上記の第一薄板部41と同様に構成されており、下トリム50において他部よりも折れやすくされており、サイドドア20への側突荷重に対しドアトリム30を車室側に山折り変形させる折れ線となる。
なお、下トリム50およびこの周辺には、上述した補強材49,突出部60,たたみ部42,クリップ70に対応する構成が設けられていない。
[2.作用及び効果]
本発明の一実施形態にかかる車両の乗員保護構造は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
[2−1.作用]
はじめに、図4を参照して、本実施形態にかかる乗員保護構造を備えた車両が側突した際の作用を説明する。ここでは、ポール80がサイドドア20に側方から衝突する側突を例に挙げ、上トリム40の変形に着目して説明する。
図4(a)に示すように、ポール80がサイドドア20に衝突すると、サイドドア20に側突荷重が作用し、パネル21,22の前後方向中間部21c,22cが車外側から車室側に向かって山折れ変形する。そして、インナパネル22に固定された突出部60の先端部62が、上トリム40の第一薄板部41を突き押す。いわば、上トリム40は、インナパネル22によって直接的に変形されるのではなく、突出部60を介して間接的に変形させられる。
このように、インナパネル22が上トリム40に接触して直接的に上トリム40を変形させるまでは、インナパネル22の車室側への変形が進行していないため、突出部60が設けられていないものと比較すれば、突出部60が第一薄板部41を先行して折り曲げる。すなわち、側突の初期段階で第一薄板部41が山折り変形される。
図4(b)に示すように、側突が進行してポール80が車室側に移動すると、パネル21,22の山折れ変形量が大きくなり、パネル21,22によって上トリム40の前後方向中間部40cが補強材49を介して車室側に押圧される。
上トリム40は、前後方向中間部40cが補強材49に補強されているため形状を保持する。この上トリム40では、第一薄板部41の折れ角が大きくなり、車室側に向かっての山折れ変形量(車室側への突出量)が大きくなる。このとき、上トリム40では、たたみ部42が展開され、山折れ変形の伸び代となる。
図4(c)に示すように、更に側突が進行してポール80が車室側に移動すると、パネル21,22の山折れ変形量が更に大きくなり、これによって上トリム40の山折れ変形量も大きくなる。このとき、上トリム40では、たたみ部42が大きく展開され、山折れ変形の更なる伸び代が少なくなる。また、上トリム40の後端部40bがインナパネル22から外れ、クリップ70がクリップ座71をスライド移動する。
このようにして、車両の乗員保護構造に側突荷重が作用する。
次に、図5を参照して、側突時の乗員1と上トリム40の変形状態とサイドエアバッグ11の展開状態とについて説明する。
なお、図5(a)は、図4(c)に対応しており、図4(c)の上トリム40に着目して示すとともに車室側に展開されたサイドエアバッグ11と乗員1の姿勢とを追記したものである。一方、図5(b)は、既存の乗員保護構造において図5(a)に対応する箇所を示している。
図5(a)に示すように、サイドドア20への側突荷重の作用時には、第一薄板部41が上トリム40を乗員1の肩部2aよりも後方で車室側に山折り変形させる折れ線41aとなり、また、サイドエアバッグ11が膨張し展開される。
このとき、上トリム40には、折れ線41aに対して前方に前斜面40Aが形成される。この前斜面40Aは、前端よりも後端が車室内に侵入し、展開されたサイドエアバッグ11を支える支持面として機能する。
このため、サイドエアバッグ11が上トリム40の山折れ変形後に展開されるのであれば、サイドエアバッグ11が斜め後方から支えられつつ斜め前方に向けて展開される。あるいは、サイドエアバッグ11が上トリム40の山折れ変形前に展開されるのであれば、サイドエアバッグ11が斜め前方に向けて押し出される。
また、サイドエアバッグ11は、展開範囲が乗員1の肩部2aが位置する領域を含むように上下の範囲が設定されており、上記のように展開方向が前方へ向かう成分を有するため、乗員1の肩部2aが前方に押し出される。
一方、第一薄板部41や補強材49を備えていない既存の乗員保護構造では、図5(b)に示すように、側突時にドアトリム300の前後方向中間部301が折れ曲がり、また、サイドエアバッグ110が膨張し展開される。
このとき、ドアトリム300には、前後方向中間部301よりも後方に後斜面30Aが形成される。この後斜面30Aは、前後方向中間部301が最も車室側に侵入し、後方に向かうほど車外側に位置する。このため、サイドエアバッグ110は、斜め前方から支えられつつ斜め後方に押される。よって、乗員9の肩部9cを前方に移動させる力は作用しない。
なお、下トリム50には、前後方向中間部50cに第二薄板部51が設けられているため、前後方向中間部50cが最も車室側に侵入し、後方に向かうほど車外側に位置する。この点では、図5(b)に示された既存の乗員保護構造の変形モードと同様である。しかしながら、下トリム50は、乗員1の肩部2aと車両側面視で重複する高さ位置に設けられていない点で既存の乗員保護構造と異なり、乗員1の腹部3cおよび腰部3dと車両側面視で重複する高さ位置に設けられることから、車幅方向基準で下トリム50と腹部3cおよび腰部3dとの間の空間が確保される。
次に、図6を参照して、側突時の乗員1の姿勢について更に説明する。
なお、図6(a)は図5(a)に対応する側面図であり、図6(b)は図5(b)に対応する側面図である。
図6(a)に示すように、乗員1の肩部2aが前方に押し出されると、車両側面視における乗員1の腕部2と胴部3との重複領域(図中で左下方に向かう斜線を付して示す)が小さくなる。なお、以下の説明では、車両側面視を前提とする重複領域を単に「重複領域」という。
さらに、サイドエアバッグ11(図5参照)が乗員1の脇部の直下方から前方に向けて膨張し展開されるため、白抜きの矢印で示すように、乗員1の腕部2が前方に押されるとともに肩部2aを中心に回転して押し上げられる。この回転角θ1が小さな角度であったとしても、肩部2aが前方に押し出されていることにより、効果的に腕部2と胴部3との重複領域(図中で右下方に向かう斜線を付して示す)を小さくすることができる。
一方、図6(b)に示すように、乗員9の肩部9cが前方移動されない既存の乗員保護構造では、サイドエアバッグ110(図5参照)が展開されたときの腕部9aと胴部9bとの重複領域(図中で左下方に向かう斜線を付して示す)が大きい。仮に、白抜きの矢印で示すように、サイドエアバッグ110が乗員9の腕部9aが押し上げるものだとしても、肩部9cを軸にした腕部9aの回転角θ2を大きくしなければ、腕部9aと胴部9bとの重複領域(図中で右下方に向かう斜線を付して示す)を小さくすることができないおそれがある。更に言えば、肩部9cが移動されていないため、腕部9aの回転角θ2を大きくしたとしても、腕部9aと胴部9bとの干渉を回避することが困難となるおそれがある。
[2−2.効果]
次に、本実施形態にかかる車両の乗員保護構造の効果を説明する。
サイドドア20への側突荷重の作用時、即ち、サイドエアバッグ11の展開時には、第一薄板部41が上トリム40を乗員1の肩部2aよりも後方で車室側に山折り変形させる折れ線41aとなることで、サイドエアバッグ11が上トリム40の前斜面40Aに支持される。これにより、乗員1の肩部2aが前方に押し出される。したがって、乗員1の腕部2と胴部3との重複領域を十分に小さくすることができる。
さらに、サイドエアバッグ11により乗員1の腕部2が前方に押し上げられるため、乗員1の腕部2と胴部3との重複領域を効率よく小さくすることができる。これは、図6に示すように、単に腕部2を押し上げるだけよりもこれに加えて肩部2aを前方に押し出すほうが、特に腕部2のうちの肩部2a近傍の部位が十分に押し上げられ、腕部2と胴部3との重複領域を十分に小さくするのに必要な腕部2の回転角が小さく(θ1<θ2)なるからである。
上記の重複領域が小さくされることで、サイドエアバッグ11によって腕部2が胴部3に押し付けられ、腕部2に対向する胴部3(特に胸部3b)や腕部2自身が損傷するのを回避しやすくすることができる。
このようにして、乗員1の腕部2と胴部3との干渉によってサイドエアバッグ11の乗員保護機能を低下させることを抑え、側突時における乗員1の保護性を向上させることができる。
ドアトリム30が上トリム40および下トリム50の上下に二分割されるため、上トリム40の上下寸法を短くすることで折れ線41aとなる第一薄板部41の上下寸法を短くすることができる。これにより、第一薄板部41の単位長さ当たりに入力される荷重を増大させ、上トリム40を確実に山折り変形させることができる。
上トリム40の下方に配置される下トリム50に設けられた第二薄板部51は、乗員1の肩部2aよりも前方かつ下方の前後方向中間部50cで車室側に山折り変形させる折れ線となる。このことから、山折れ変形した下トリム50の車室側への突出量が乗員1の肩部2aよりも前方で最大となる。よって、下トリム50における乗員1の胴部3に対向する部位の車室側への突出量を抑えることができる。これにより、乗員1の胴部3と下トリム50との間にサイドエアバッグ11の展開空間を確保することができ、乗員1の保護性能を向上させることができる。
たたみ部42は、上トリム40がたたまれて形成されるとともに第一薄板部41よりも後方で上下に延設されているため、上トリム40において山折れ変形時の伸び代となり、上トリム40がサイドドア20から外れにくい。このたたみ部42は、第一薄板部41よりも後方に設けられている。すなわち、第一薄板部41よりも前方に形成される前斜面40Aにはたたみ部42が設けられていない。これらより、上トリム40の山折れ変形時に形成される前斜面40Aの形状が維持されやすく、サイドエアバッグ11の確実な支持に寄与しうる。
第一薄板部41が後方に設けられるほど、たたみ部42の伸び代を長く確保することで、上トリム40の山折り変形時におけるインナパネル22からの所定の突出量を確保することができ、サイドエアバッグ11を支える支持面としての機能を高めることができる。
上トリム40とサイドドア20とを固定するクリップ70が前後方向にスライド移動自在に設けられているため、上トリム40の山折れ変形にかかる伸び代を吸収することができる。仮に、山折れ変形にかかる伸び代をたたみ部42で吸収しきれなかったとしても、クリップ70のスライド移動距離分の伸び代を更に吸収することができる。
また、上トリム40の後端部40bがサイドドア20から外れたとしても、第一薄板部41よりも後方で上トリム40をサイドドア20に固定することができ、上トリム40をサイドドア20から外れにくくすることができる。
さらに、側突時の山折れ変形が進行するにつれて、サイドドア20に結合される上トリム40の前端部40aを軸として折れ線41aが回転するように前方に移動することにより、前斜面40Aの延在平面を前方に向けることができ、サイドエアバッグ11がより前方に押し出される。したがって、サイドエアバッグ11によって乗員1の肩部2aを更に前方に押し出すことができる。
補強材49は第一薄板部41よりも前方の上トリム40を補強するため、上トリム40の前後方向中間部40cが補強される。このため、上トリム40では、第一薄板部41の強度が、第一薄板部41よりも前方の強度よりも相対的に小さくされる。よって、上トリム40を第一薄板部41において確実に山折り変形させることができる。また、補強材49が設けられていないものに比較して上トリム40の前後方向中間部40cにおける折れを抑えることができる。
突出部60は、側突時にサイドドア20が変形することで第一薄板部41を突き押すため、第一薄板部41で上トリム40を確実に折り曲げることができる。詳細には、突出部60の先端部62が第一薄板部41に沿って上下方向に配置されているため、上トリム40を第一薄板部41でより確実に折ることができる。また、突出部60は、第一薄板部41を突き押す先端部62よりもインナパネル22に固定される基端部61のほうが前後方向に長いため、インナパネル22の変形エネルギーを集中的に第一薄板部41に作用させることができる。したがって、上トリム40を第一薄板部41で確実に折ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した一実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
上述の一実施形態では、ドアトリム30の前端部30a,後端部30bがインナパネル22に結合され、また、ドアトリム30がクリップ70によってもインナパネル22に対して固定される構造を説明した。しかし、このような構造に限らず、ドアトリム30の後端部30bとインナパネル22との結合を省略し、クリップ70を後端部30bとして機能させ、ドアトリム30の前端部30aおよびクリップ70によってドアトリム30がインナパネル22に結合または固定されていてもよい。
1 乗員
2 腕部
2a 肩部
3 胴部
3b 胸部
3c 腹部
3d 腰部
5 シート
5b シートバック
10 サイドエアバッグ装置
11 サイドエアバッグ
20 サイドドア
21 アウタパネル
22 インナパネル
30 ドアトリム
40 上トリム
40c 前後方向中間部
40A 前斜面
41 第一薄板部(薄板部)
41a 折れ線
42 たたみ部
49 補強材
50 下トリム
51 第二薄板部
60 突出部
70 クリップ(固定部)
71 クリップ座
80 ポール

Claims (7)

  1. 車両のサイドドアと乗員との間に展開されるサイドエアバッグと、
    前記サイドドアの車室側に取り付けられて前記車室の内装面をなす板状のドアトリムと、
    前記ドアトリムにおいて他部よりも板厚が薄く形成されるとともに、前記乗員の肩部よりも後方で上下方向に延設される薄板部と、を備える
    ことを特徴とする、車両の乗員保護構造。
  2. 前記ドアトリムが、前記肩部に対向する部位を含む上トリムと、前記上トリムよりも下方に配置される下トリムと、を有し、
    前記薄板部が、前記上トリムに設けられる
    ことを特徴とする、請求項1に記載の車両の乗員保護構造。
  3. 前記下トリムにおいて他部よりも板厚が薄く形成されるとともに、前記肩部よりも前方で上下方向に延設される第二薄板部を備える
    ことを特徴とする、請求項2に記載の車両の乗員保護構造。
  4. 前記ドアトリムが、たたまれて形成されるとともに、前記薄板部よりも後方で上下方向に延設されるたたみ部を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の乗員保護構造。
  5. 前記薄板部よりも後方に設けられ、前記ドアトリムと前記サイドドアとを固定する固定部を備え、
    前記固定部が、前記サイドドアに対して前後方向にスライド移動自在に設けられる
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の乗員保護構造。
  6. 前記薄板部よりも前方の前記ドアトリムを補強する補強材を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の乗員保護構造。
  7. 前記サイドドアから前記薄板部に向けて突出して設けられ、前記サイドドアに固定された突出部を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の乗員保護構造。
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