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JP2016094160A - 自動運転装置 - Google Patents

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JP2016094160A
JP2016094160A JP2014232767A JP2014232767A JP2016094160A JP 2016094160 A JP2016094160 A JP 2016094160A JP 2014232767 A JP2014232767 A JP 2014232767A JP 2014232767 A JP2014232767 A JP 2014232767A JP 2016094160 A JP2016094160 A JP 2016094160A
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JP2014232767A
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市川 誠
Makoto Ichikawa
誠 市川
晃弘 冨田
Akihiro Tomita
晃弘 冨田
祐子 小野田
Yuko Onoda
祐子 小野田
高野 寿男
Toshio Takano
寿男 高野
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JTEKT Corp
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Abstract

【課題】自動運転中に車両に何らかの異常状態が生じた場合には、その異常状態を判定して、自動運転システム自体が、最適な操舵系を構成することにより、車両の異常状態をできる限り回避することができる、自動運転装置を提供すること。【解決手段】EPS用マイコン50は、操舵機構のアクチュエータ24の位置制御部51、速度制御部53、及び電流制御部55から構成される第1の構成手段と、操舵機構のアクチュエータ24の速度制御部53、及び電流制御部55から構成される第2の構成手段と、操舵機構のアクチュエータ24の電流制御部55から構成される第3の構成手段の3つの構成手段を有し、自動運転用マイコン30は、車両の状態判定条件に応じて、第1の構成手段、又は、第2の構成手段、又は、第3の構成手段を選択するとともに、所定周期毎に入力される指令状態量を生成する構成とした。【選択図】図4

Description

本発明は、自動運転装置に関するものである。
従来自動運転を行う場合には、自動運転可能な乗用車の「自動」と「マニュアル」との切り替えには、スイッチ等が必要であった。しかし、このような構成では、「自動」から「マニュアル」へスイッチ等を切り替えるのは、機械誤動作等、緊急時に対応が遅れる可能性があり、また、「マニュアル」から「自動」にスイッチを切り替えるのは、そのスイッチ操作自体を運転操舵中におこなわなければならないこととなり、望ましくない。
例えば、特許文献1に記載の自動操舵装置では、トルクセンサを備えており、自動操舵中に、操舵トルク値が所定値以上になった場合には、運転者が意図的に操舵したと判断して、自動運転から手動運転に切り替える。
特開平09−240502号公報
しかし、上記方法では、自動運転中に車両に何らかの異常が生じた場合には、運転者が操舵系を操作するしか、異常状態から抜け出す手段がない。そのため、運転者が何の異常により、車両状態が異常状態になったか判断できない場合でも、無闇に操舵を繰り返す虞があった。
本発明の目的は、自動運転中に車両に何らかの異常状態が生じた場合には、その異常状態を判定して、自動運転システム自体が、最適な操舵系を構成することにより、車両の異常状態をできる限り回避することができる、自動運転装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、所定周期毎に入力される指令状態量に基づいて、操舵機構の状態量制御を行う自動運転装置において、前記指令状態量に基づいて、前記操舵機構の状態量制御を行う第1の制御手段、及び車両の状態判定条件に応じて前記状態量制御を選択する第2の制御手段を備え、前記第1の制御手段は、操舵機構のアクチュエータの位置制御部、速度制御部、及び電流制御部から構成される第1の構成手段と、操舵機構のアクチュエータの速度制御部、及び電流制御部から構成される第2の構成手段と、操舵機構のアクチュエータの電流制御部から構成される第3の構成手段の3つの構成手段を有し、前記第2の制御手段は、車両の状態判定条件に応じて、前記第1の構成手段、又は、前記第2の構成手段、又は、前記第3の構成手段を選択するとともに、所定周期毎に入力される指令状態量を生成することを、要旨とする。
本請求項の自動運転装置では、第1の制御手段は、操舵機構のアクチュエータの位置制御部、速度制御部、及び電流制御部から構成される第1の構成手段と、操舵機構のアクチュエータの速度制御部、及び電流制御部から構成される第2の構成手段と、操舵機構のアクチュエータの電流制御部から構成される第3の構成手段の3つの構成手段を有し、第2の制御手段は、車両の状態判定条件に応じて、第1の構成手段、又は、第2の構成手段、又は、第3の構成手段を選択するとともに、所定周期毎に入力される指令状態量を生成する構成とした。
即ち、車両状態量が正常な場合には、本来の自動運転装置としての操舵機構のアクチュエータの位置データを指令状態量とする位置制御部、速度制御部、及び電流制御部から構成される第1の構成手段で制御する。そして、車両状態量が異常な状態になった場合には、位置データを指令状態量とする代わりに、速度データを指令状態量とする速度制御部、及び電流制御部から構成される第2の構成手段で制御する。更に、電流データを指令状態量とする電流制御部から構成される第3の構成手段でも制御可能となる。
その結果、自動運転中に車両に何らかの異常状態が発生した場合には、その異常状態を判定して、自動運転システム自体が、最適な操舵系を構成することにより、車両の異常状態をできる限り回避することができる。
請求項2に記載の発明は、前記車両の指令状態量は、指令位置データ、又は、指令速度データ、又は、指令電流データであり、前記車両の状態判定条件は、ヨーレート、及び路面摩擦力によって決定されることを、要旨とする。
即ち、車両状態量が正常な場合には、本来の自動運転装置としての位置データを指令状態量とする第1の構成手段で制御する。そして、車両状態量が異常な状態になった場合には、位置データを指令状態量とする代わりに、速度データを指令状態量とする第2の構成手段で制御する。更に、電流データを指令状態量とする第3の構成手段でも制御可能となる。
その結果、自動運転中に車両の路面摩擦力が極端に小さくなった場合には、第2の構成手段で制御することで、車両がスリップする危険を回避できる。又、自動運転中に車両が急旋回して、ヨーレートが極端に大きくなった場合には、第3の構成手段で制御することで、車両の急旋回の危険を回避できる。
本発明によれば、自動運転中に車両に何らかの異常状態が生じた場合には、その異常状態を判定して、自動運転システム自体が、最適な操舵系を構成することにより、車両の異常状態をできる限り回避することができる、自動運転装置を提供することができる。
本実施形態における自動運転装置の概略構成図。 本実施形態における自動運転装置の自動運転ECUの制御ブロック図。 本実施形態における自動運転装置のEPSECUの制御ブロック図。 本実施形態における自動運転ECUの処理手順を示すフローチャート図。 本実施形態における自動運転指令電流データ生成マップ図。 本実施形態における自動運転指令速度データ生成マップ図。
以下、コラム型の電動パワーステアリング装置(以下、EPSという)を備えた自動運転装置1に具体化した本発明の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、所定周期毎に入力される指令操舵角(指令状態量)に基づいて操舵機構の操舵角制御を行う本実施形態の自動運転装置は、所定周期毎に入力される指令操舵角θp*を車内ネットワーク90(CAN)を介して、EPSECU27に送信する上位コントローラである自動運転ECU29を有している。
次に、本実施形態のEPSについて説明する。図1に示すように、本実施形態のEPSにおいて、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。
尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の操舵角が変更されるようになっている。
また、EPSは、モータ21を駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ24と、EPSアクチュエータ24の作動を制御するEPSECU27とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ24は、コラム型のEPSアクチュエータであり、その駆動源であるモータ21は、減速機構23を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。そして、同モータ21の回転を減速機構23により減速してコラムシャフト8に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、EPSECU27には、車速センサ25、モータ回転角センサ22、及び操舵角センサ26が接続されており、EPSECU27は、これら各センサの出力信号に基づいて、車速V、モータ回転角θr、及び操舵角θsを検出する。又、自動運転ECU29には、ヨーレートセンサ28が接続されており、車両のヨーレートγを検出する。
次に、本実施形態の自動運転装置における電気的構成について説明する。
図2は、本実施形態の自動運転装置の自動運転ECU29の制御ブロック図である
同図に示すように、自動運転ECU29は、GPS又はカーナビ等から転送されて
くる上位位置情報θcon、モータ21に流れる実電流Ir、車速センサ25から検出
される車速V、及びヨーレートセンサ28から検出されるヨーレートγを入力とする。
そして、自動運転ECU29は、自動運転指令位置データθr*、自動運転指令速度データωr1*、及び自動運転指令電流データIr1*、自動運転モード切替フラグFLG1(自動速度制御)、及び自動運転モード切替フラグFLG2(自動電流制御)を車内ネットワーク90(CAN)を介して、EPSECU27に送信する。
次に、自動運転ECU29の各機能を詳述する。第2の制御手段である自動運転用マイコン30は、自動運転指令位置データθr*生成部30において、上位位置情報θconを受信した後、路面摩擦力異常フラグFLGAB1がOFF、且つ、ヨーレート異常フラグFLGAB2がOFFの場合には、車両及び路面状態を正常と判断して、所定の周期で自動運転指令位置データθr*を生成する。そして、自動運転用マイコン30は、生成された自動運転指令位置データθr*を、自動運転指令位置データθr*出力部32を介して、EPSECU27へ出力する。
次に、自動運転用マイコン30は、路面摩擦力推定部35において、モータ21に流れる実電流Ir、車速センサ25から検出される車速Vに基づいて、路面摩擦力μを推定する。そして、自動運転用マイコン30は、路面摩擦力判定部36において、路面摩擦力μが自動運転指令位置データθr*による自動運転継続が可能か否かを判定する。
そして、自動運転用マイコン30は、車両の状態判定条件である路面摩擦力μが小さくて、自動運転指令位置データθr*による自動運転継続が危険であると判定した場合には、路面摩擦力異常フラグFLGAB1をONにして、自動運転指令位置データθr*生成部31の機能を停止し、自動運転モード切替部37(速度制御+電流制御)をアクテイブにする。
更に、自動運転用マイコン30は、自動運転モード切替フラグFLG1をONにし、自動運転モード切替フラグFLG1を、EPSECU27へ出力する。
そして、自動運転用マイコン30は、所定の周期で最適な自動運転指令速度データωr1*を自動運転指令速度データωr1*生成部38で生成する。そして、自動運転用マイコン30は、自動運転指令速度データωr1*生成部38で生成した自動運転指令速度データωr1*を自動運転指令速度データωr1*出力部39を介して、EPSECU27へ出力する。
そして、自動運転用マイコン30は、車両の状態判定条件であるヨーレートセンサ28で検出したヨーレートγが大きく、自動運転指令位置データθr*による自動運転継続が危険であると判定した場合には、ヨーレート異常フラグFLGAB2をONにして、自動運転指令位置データθr*生成部31の機能を停止し、自動運転モード切替部41(電流制御)をアクテイブにする。更に、自動運転用マイコン30は、自動運転モード切替フラグFLG2をONにし、自動運転モード切替フラグFLG2を、EPSECU27へ出力する。
そして、自動運転用マイコン30は、所定の周期で最適な自動運転指令電流データIr1*を自動運転指令電流データIr1*生成部42で生成する。そして、自動運転用マイコン30は、自動運転指令電流データIr1*生成部42で生成した自動運転指令電流データIr1*を自動運転指令電流データIr1*出力部43を介して、EPSECU27へ出力する。
図3は、本実施形態のEPSECU27の制御ブロック図である
同図に示すように、EPSECU27は、自動運転時の制御系を構築するEPS用マイコン50と、モータ21の実電流を検出する電流センサ60で構成されている。
EPSECU27は、自動運転ECU29よりCAN90を介して送信されてくる、自動運転指令位置データθr*、自動運転指令速度データωr1*、自動運転指令電流データIr1*、自動運転モード切替フラグFLG1(自動速度制御)、及び自動運転モード切替フラグFLG2(自動電流制御)を入力し、モータ21を回転させるモータ回転制御指令を生成し、モータ21に出力する。
更に、EPSECU27は、電流センサ60で検出した実電流Irを自動運転ECU29へCAN90を介して送信する。自動運転用マイコン30は、実電流Irを使用して、路面摩擦力推定部35で路面摩擦力を推定する。
次に、EPSECU27の各機能を詳述する。第1の制御手段であるEPS用マイコン50は、所定の周期で送信されてくる自動運転指令位置データθr*と、モータ回転角θrを位置減算器70で減算し、位置偏差Δθrを生成する。
そして、EPS用マイコン50は、位置偏差Δθrを後段の状態量制御を行う位置制御部51に入力し、比例制御(P制御)を実行し、位置制御部51より生成された指令速度データωr0*を出力する。
位置制御部51より生成された指令速度データωr0*は、後段の速度制御用の自動運転モード切替部52の自動運転モード切替a接点52aに入力される。速度制御用の自動運転モード切替部52は、入力用として、自動運転モード切替a接点52aと、自動運転モード切替b接点52b、及び出力用として自動運転モード切替c接点52cを有している。
位置制御部51より生成された指令速度データωr0*は、自動運転モード切替a接点52aに入力され、自動運転ECU29からCAN90を介して、所定の周期で送信されてくる自動運転指令速度データωr1*は、自動運転モード切替b接点52bに入力される。
そして、自動運転モード切替部52は、自動運転ECU29からCAN90を介して送信されてくる自動運転モード切替フラグFLG1にて切り替えられる。即ち、自動運転モード切替フラグFLG1がONの場合は、自動運転モード切替部52は、自動運転モード切替b接点52bと自動運転モード切替c接点52cが接続される。
次に、EPS用マイコン50は、自動運転モード切替部52から入力される最終指令速度データωr*と、モータ回転角センサ22から検出されたモータ回転角θrを微分器58で微分して得られた実速度ωrを速度減算器71で減算し、速度偏差Δωrを生成する。
そして、EPS用マイコン50は、速度偏差Δωrを後段の状態量制御を行う速度制御部53に入力し、比例制御+積分制御+微分制御(PID制御)を実行し、速度制御部53より生成された指令電流データIr0*を出力する。
速度制御部53より生成された指令電流データIr0*は、後段の電流制御用の自動運転モード切替部54の自動運転モード切替a接点54aに入力される。電流制御用の自動運転モード切替部54は、入力用として、自動運転モード切替a接点54aと、自動運転モード切替b接点54b、及び出力用として自動運転モード切替c接点54cを有している。
速度制御部53より生成された指令電流データIr0*は、自動運転モード切替a接点54aに入力され、自動運転ECU29からCAN90を介して、所定の周期で送信されてくる自動運転指令電流データIr1*は、自動運転モード切替b接点54bに入力される。
そして、自動運転モード切替部54は、自動運転ECU29からCAN90を介して送信されてくる自動運転モード切替フラグFLG2にて切り替えられる。即ち、自動運転モード切替フラグFLG2がONの場合は、自動運転モード切替部54は、自動運転モード切替b接点54bと自動運転モード切替c接点54cが接続される。
次に、EPS用マイコン50は、自動運転モード切替部54から入力される最終指令電流データIr*と、電流センサ60から検出された実電流Irを電流減算器72で減算し、電流偏差ΔIrを生成する。
そして、EPS用マイコン50は、電流偏差ΔIrを後段の状態量制御を行う電流制御部55に入力し、比例制御+積分制御+微分制御(PID制御)を実行し、モータ電圧指令V*を生成する。電流制御部55で生成されたモータ電圧指令V*は、後段のPWM出力部56に入力される。PWM出力部56は、後段の駆動回路部57を駆動するモータ制御信号を生成してモータ21に出力する。
次に、本実施形態における自動運転用マイコン30による自動運転ECU29の処理手順について図4に基づいて説明する。
最初に、自動運転用マイコン30は、自動運転指令位置データθr*を生成する(ステップS101)。次に、自動運転用マイコン30は、自動運転指令位置データθr*を出力する(ステップS103)。次に、自動運転用マイコン30は、路面摩擦力μを推定する(ステップS104)。次に、自動運転用マイコン30は、実ヨーレートを読み込む(ステップS105)。
そして、自動運転用マイコン30は、実ヨーレートが第1ヨーレートγ1以上、且つ、第2ヨーレートγ2以下か否かを判定する(ステップS110)。そして、自動運転用マイコン30は、実ヨーレートが、第1ヨーレートγ1以上、且つ、第2ヨーレートγ2以下の場合(ステップS110:YES)には、自動運転用マイコン30は、路面摩擦力μが、第1路面摩擦力μ1以上、且つ、第2路面摩擦力μ2以下か否かを判定する(ステップS111)。
そして、自動運転用マイコン30は、路面摩擦力μが、第1路面摩擦力μ1以上の場合(ステップS111:YES)には、位置制御+速度制御+電流制御で構成される自動運転を継続する(ステップS112)。
一方、自動運転用マイコン30は、路面摩擦力μが、第1路面摩擦力μ1以上でない場合(ステップS111:NO)には、速度制御+電流制御で構成される自動運転モードに切り替える(ステップS120)。
そして、自動運転用マイコン30は、自動運転指令速度データωr1*を生成する(ステップS121)。更に、自動運転用マイコン30は、自動運転指令速度データωr1*を出力し(ステップS122)、処理を終える。
更に、自動運転用マイコン30は、実ヨーレートが、第1ヨーレートγ1以上、且つ、第2ヨーレートγ2以下でない場合(ステップS110:NO)には、電流制御で構成される自動運転モードに切り替える(ステップS130)。
そして、自動運転用マイコン30は、自動運転指令電流データIr1*を生成する(ステップS131)。更に、自動運転用マイコン30は、自動運転指令電流データIr1*を出力し(ステップS132)、処理を終える。
次に、本実施形態における自動運転指令電流データ生成マップ図について、図5を用いて説明する。
図5の横軸はヨーレート、縦軸はアシスト力を発生させる自動運転指令電流データIr1*である。ヨーレートγが第1ヨーレートγ1以上、且つ、第2ヨーレートγ2以下の場合には、車両のヨーレートには異常がないと判断して、自動運転指令電流データはゼロの状態で、位置制御の自動運転を実行する。
一方、ヨーレートγが第1ヨーレートγ1以上、且つ、第2ヨーレートγ2以下でない場合には、車両状態に異常が起こったと判断して、ヨーレートγを第1ヨーレートγ1以上、且つ、第2ヨーレートγ2以下に戻すように、位置制御、及び速度制御を切り離して、電流制御のみを生かして自動運転指令電流データIr1*を生成することによって自動運転を継続する。
次に、本実施形態における自動運転指令速度データ生成マップ図について、図6を用いて説明する。
図6の横軸は路面摩擦力μ、縦軸は自動運転指令速度データωr1*である。路面摩擦力μが第1路面摩擦力μ1以上であるときは、車両走行に異常を発生させないと判断して、自動運転指令速度データは生成せず、位置制御の自動運転を実行する。
一方、路面摩擦力μが第1路面摩擦力μ1より小さいときは、位置制御の自動運転を実行するとスリップする危険性があると判断して、位置制御を切り離して、速度制御+電流制御を実行する。自動運転指令速度データωr1*は、図6のマップ図からほぼゼロの値を生成する。
次に、上記のように構成された本実施形態の自動運転装置1の作用及び効果について説明する。
EPS用マイコン50は、操舵機構のアクチュエータ24の位置制御部51、速度制御部53、及び電流制御部55から構成される第1の構成手段と、操舵機構のアクチュエータ24の速度制御部53、及び電流制御部55から構成される第2の構成手段と、操舵機構のアクチュエータ24の電流制御部55から構成される第3の構成手段の3つの構成手段を有し、自動運転用マイコン30は、車両の状態判定条件に応じて、第1の構成手段、又は、第2の構成手段、又は、第3の構成手段を選択するとともに、所定周期毎に入力される指令状態量を生成する構成とした。
即ち、車両状態量が正常な場合には、本来の自動運転装置としての操舵機構のアクチュエータ24の自動運転指令位置データθr*を指令状態量とする位置制御部51、速度制御部53、及び電流制御部55から構成される第1の構成手段で制御する。そして、車両状態量である路面摩擦力μが異常な状態になった場合には、自動運転指令位置データθr*を指令状態量とする代わりに、自動運転指令速度データωr1*を指令状態量とする速度制御部53、及び電流制御部55から構成される第2の構成手段で制御する。更に、車両状態量であるヨーレートγが異常な状態になった場合には、自動運転指令電流データIr1*を指令状態量とする電流制御部55から構成される第3の構成手段でも制御可能となるようにした。
その結果、自動運転中に車両に何らかの異常状態が発生した場合には、その異常状態を判定して、自動運転システム自体が、最適な操舵系を構成することにより、車両の異常状態をできる限り回避することができる。
尚、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、路面摩擦力μの大きさにより、自動運転装置を第1の構成手段から第2の構成手段で制御する制御系に切り替えたが、タイヤグリップ度の大きさによって制御系を切り替えても良い。
・本実施形態では、ヨーレートγの大きさにより、自動運転装置を第1の構成手段から第3の構成手段で制御する制御系に切り替えたが、横Gの大きさによって制御系を切り替えても良い。
・本実施形態では、路面摩擦力μの大きさやヨーレートγの大きさが規定値から外れた時点で直ちに、制御系を切り替えたが、路面摩擦力μの大きさやヨーレートγの大きさが規定値から外れた時点から所定の時間が経過してから制御系を切り替えても良い。
・本実施形態では、位置制御部51をP制御、速度制御部53、及び電流制御部55をPID制御としたが、位置制御部51をPI制御としてもよい。
・本実施形態では、本発明をコラムアシストEPSに具体化したが、本発明をラックアシストEPSやピニオンアシストEPSに適用してもよい。
・本実施形態では、本発明をEPSアクチュエータ24の駆動源であるモータ21として、DCモータに具体化したが、本発明を三相のブラシレスDCモータ、誘導モータ、及びステッピングモータとしてもよい。
1:自動運転装置、2:ステアリング、3:ステアリングシャフト、
4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、8:コラムシャフト、
9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、11:タイロッド、12:転舵輪、21:モータ、22:モータ回転角センサ、23:減速機構、
24:EPSアクチュエータ、25:車速センサ、26:操舵角センサ、
27:EPSECU、28:ヨーレートセンサ、29:自動運転ECU、
30:自動運転用マイコン(第2の制御手段)、
31:自動運転指令位置データθr*生成部、
32:自動運転指令位置データθr*出力部、
35:路面摩擦力推定部、36:路面摩擦力判定部、
37:自動運転モード切替部(速度制御+電流制御)、
38:自動運転指令速度データωr1*生成部、
39:自動運転指令速度データωr1*出力部、
40:ヨーレート判定部、41:自動運転モード切替部(電流制御)、
42:自動運転指令電流データIr1*生成部、
43:自動運転指令電流データIr1*出力部、
50:EPS用マイコン(第1の制御手段)、
51:位置制御部(P制御)、52:自動運転モード切替(速度制御)、
52a:自動運転モード切替a接点、52b:自動運転モード切替b接点、
52c:自動運転モード切替c接点、
53:速度制御部(PID制御)、54:自動運転モード切替(電流制御)、
54a:自動運転モード切替a接点、54b:自動運転モード切替b接点、
54c:自動運転モード切替c接点、
55:電流制御部(PID制御)、56:PWM出力部、57:駆動回路部、
58:微分器、60:電流センサ、70:位置減算器、
71:速度減算器、72:電流減算器、90:車内ネットワーク(CAN)、
V:車速、θs:操舵角、
γ:ヨーレート、γ1:第1ヨーレート、γ2:第2ヨーレート、
μ:路面摩擦力、μ1:第1路面摩擦力、
θcon:上位位置情報(GPS、カーナビ等)、
θr*:自動運転指令位置データ、θr:モータ回転角、Δθr:位置偏差、
ωr1*:自動運転指令速度データ、
ωr0*:位置制御部より生成された指令速度データ、
ωr*:最終指令速度データ、ωr:実速度、Δωr:速度偏差、
Ir1*:自動運転指令電流データ、
Ir0*:速度制御部より生成された指令電流データ、
Ir*:最終指令電流データ、Ir:実電流、:ΔIr:電流偏差、
V*:モータ電圧指令、
FLG1:自動運転モード切替フラグ(自動速度制御)、
FLG2:自動運転モード切替フラグ(自動電流制御)、
FLGAB1:路面摩擦力異常フラグ(ONにて異常)、
FLGAB2:ヨーレート異常フラグ(ONにて異常)

Claims (2)

  1. 所定周期毎に入力される指令状態量に基づいて、操舵機構の状態量制御を行う自動運転装置において、
    前記指令状態量に基づいて、前記操舵機構の状態量制御を行う第1の制御手段、及び車両の状態判定条件に応じて前記状態量制御を選択する第2の制御手段を備え、
    前記第1の制御手段は、操舵機構のアクチュエータの位置制御部、速度制御部、及び電流制御部から構成される第1の構成手段と、
    操舵機構のアクチュエータの速度制御部、及び電流制御部から構成される第2の構成手段と、
    操舵機構のアクチュエータの電流制御部から構成される第3の構成手段の3つの構成手段を有し、
    前記第2の制御手段は、車両の状態判定条件に応じて、前記第1の構成手段、又は、前記第2の構成手段、又は、前記第3の構成手段を選択するとともに、所定周期毎に入力される指令状態量を生成すること、
    を特徴とする自動運転装置。
  2. 前記車両の指令状態量は、指令位置データ、又は、指令速度データ、又は、指令電流データであり、前記車両の状態判定条件は、ヨーレート、及び路面摩擦力によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の自動運転装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016132339A (ja) * 2015-01-19 2016-07-25 株式会社ジェイテクト 自動運転装置

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