JP2016091625A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】発電量によらず、常時高効率で発電することができる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】発電効率がそれぞれ異なる複数の燃料電池12、13と、燃料電池12、13にそれぞれ直列に接続されるスイッチ14、15と、燃料電池12、13の少なくとも1つから電力を供給される被電力供給部21と、被電力供給部21からの出力要求である出力電流値に対する発電効率が最大となる、複数の燃料電池12、13の1つまたは燃料電池12、13の両方により被電力供給部21に電力を供給させるようスイッチ14、15を制御するスイッチ制御部16と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】発電効率がそれぞれ異なる複数の燃料電池12、13と、燃料電池12、13にそれぞれ直列に接続されるスイッチ14、15と、燃料電池12、13の少なくとも1つから電力を供給される被電力供給部21と、被電力供給部21からの出力要求である出力電流値に対する発電効率が最大となる、複数の燃料電池12、13の1つまたは燃料電池12、13の両方により被電力供給部21に電力を供給させるようスイッチ14、15を制御するスイッチ制御部16と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関し、特に、複数の燃料電池を選択的に用いる燃料電池システムに関する。
燃料電池は、セルと呼ばれる最小構成単位を多数積層してスタックを構成している。セルは、水素を供給されるアノード極と、空気中の酸素を供給されるカソード極と、のそれぞれの片側面に拡散層、触媒層、が順に積層され、拡散層、触媒層、が積層された面を内側にして中央に電解質を挟み込む構造になっている。
アノード極に供給された水素分子は、アノード極側の触媒層において活性な水素原子となり、さらに水素イオンとなって電子を放出する。この水素イオンは、電解質に含まれる水分を伴ってアノード極からカソード極側へと電解質中を移動し、放出された電子はアノード極に接続された外部回路を通じてカソード極へ移動する。この電子の移動により外部回路に接続された負荷に電流が流れる。一方、カソード極に供給された酸素分子は、触媒層において外部回路から移動してきた電子を受け取り酸素イオンとなり、電解質を移動してきた水素イオンと結合して水となる。
このようなセルからなる燃料電池スタックを備える燃料電池システムにおいて、燃料電池システムの発電量を増やそうとする場合には、複数の燃料電池スタックを備えるようにする。
特許文献1には、複数の燃料電池スタックを備える燃料電池システムにおいて、燃料電池システムの発電量に応じて、水素ガス供給系及び酸素ガス供給系の両方またはどちらか一方と、複数の燃料電池スタックとの接続状態を並列または直列に切り替えることが提案されている。
しかしながら、上述の化学反応において、セル内部では、電解質膜や電極の電気抵抗に起因する抵抗過電圧、水素と酸素が電気化学反応を起こすための活性化過電圧、拡散層中を水素や酸素が移動するための拡散過電圧などの様々な損失が発生するため、積層されるセル数が異なる燃料電池スタックは、それぞれ発電効率が異なる。
このため、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、発電量に応じて水素ガス供給系及び酸素ガス供給系の接続状態を切替えているだけなので、燃料電池スタックの発電効率の悪い発電量で運転される場合は、高効率で発電できなかった。
そこで、本発明は、発電量によらず、常時高効率で発電することができる燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決する燃料電池システムの発明の一態様は、発電効率がそれぞれ異なる複数の燃料電池と、複数の燃料電池の少なくとも1つから電力を供給される被電力供給部と、被電力供給部からの出力要求に対する発電効率が最大となる、複数の燃料電池の1つまたは複数の燃料電池の任意の組み合わせにより被電力供給部に電力を供給させるスイッチ制御部と、を備えるものである。
このように本発明の一態様によれば、発電量によらず、常時高効率で発電することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1において、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを搭載した車両1は、電力供給部11と、被電力供給部21とを含んで構成される。
図1において、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを搭載した車両1は、電力供給部11と、被電力供給部21とを含んで構成される。
電力供給部11は、並列に接続される燃料電池12、13と、燃料電池12、13にそれぞれ直列に接続されるスイッチ14、15と、スイッチ14、15を接続および遮断するように制御するスイッチ制御部16とを含んで構成される。
燃料電池12、13は、セルと呼ばれる最小構成単位が複数積層されたスタックから構成されている。燃料電池12、13は、それぞれ異なる数のセルを積層して構成されており、このため、燃料電池12、13は、それぞれ異なる出力特性を有する。
図2は、燃料電池12、13の出力電圧と出力電流の関係を示す出力特性と、燃料電池12、13が出力する電圧値に対応する発電効率と、を示している。図2に示すように、燃料電池12は、出力電圧が低い場合に発電効率が高くなるように設定され、燃料電池13は、燃料電池12よりも出力電圧が高い場合に発電効率が高くなるように設定される。すなわち、燃料電池12のセルの数は、燃料電池13のセルの数より少なく構成される。ここで、発電効率とは、(出力電圧)/(化学変化による反応熱量)であり、燃料である水素に対してどれだけ電力エネルギーを取り出すことができたかを表す。
スイッチ制御部16は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等からなるコンピュータから構成されている。メモリには後述する閾値などが記憶されている。
スイッチ制御部16は、被電力供給部21から要求される出力要求に基づいてスイッチ14、15の接続状態を制御する。スイッチ14、15は、スイッチ制御部16によって選択的に制御されることにより、燃料電池12、13のいずれか一方または両方から被電力供給部21に電力を供給したり、燃料電池12、13のいずれか一方または両方と被電力供給部21とを遮断したりする。
被電力供給部21は、DC(direct current)DCコンバータ22、二次電池23、インバータ24、走行用モータ25、制御回路26およびアクセル開度センサ27を含んで構成される。
走行用モータ25は、変速機やディファレンシャル装置等からなる動力伝達装置を介して駆動輪に動力を伝達するものであり、走行用モータ25の運転状態に応じて電力供給部11に対する出力要求が変動する。
具体的には、走行用モータ25の低負荷運転時には要求する出力電力値が小さく、走行用モータ25の運転状態が低負荷運転から中負荷運転および高負荷運転に移行するに従って要求する出力電力値が大きくなる。
DCDCコンバータ22は、電力供給部11から直流出力される電力を変圧する。インバータ24は、DCDCコンバータ22によって変圧された電力を交流に変換して走行用モータ25に供給する。二次電池23は、DCDCコンバータ22によって変圧された電力の一部を蓄電し、また、車両の減速時に走行用モータ25によって発電される電力を蓄電する。
制御回路26は、CPU26aやメモリ26b等からなるコンピュータから構成されている。メモリ26bには運転手によって操作されるアクセルペダル28の開度とその開度に応じた出力電力値が関連付けられた出力電力値の要求マップが記憶されている。
アクセル開度センサ27は、アクセルペダル28の開度、すなわち、アクセルペダル28の踏み込み量を検知して、制御回路26にアクセルペダル28の開度に応じたアクセル開度信号を送信する。
CPU26aは、アクセル開度信号に基づいてメモリ26bに記憶された出力電力値の要求マップを参照し、出力要求として出力電力値を含んだ要求信号をスイッチ制御部16に出力する。
スイッチ制御部16は、要求信号に含まれる出力電力値に基づいてスイッチ14、15を選択的に接続また遮断することにより、被電力供給部21と燃料電池12、13とを選択的に接続または遮断するようにスイッチ14、15を制御する。
図3は、燃料電池12単独使用の場合、燃料電池13単独使用の場合、燃料電池12、13複合使用の場合、それぞれの発電効率を示す。図3において、走行用モータ25の低負荷運転時には走行用モータ25が要求する出力電力値が低く、出力電力値が低い状態においては、燃料電池12の発電効率が高い。
走行用モータ25の中負荷運転時には走行用モータ25が要求する出力電力値が低負荷運転時よりも高く、出力電力値が低負荷運転時よりも高い状態においては、燃料電池13の発電効率が高い。
走行用モータ25の高負荷運転時には走行用モータ25が要求する出力電力値が中負荷運転時よりも高く、出力電力値が中負荷運転時よりも高い状態においては、燃料電池12、13の両方を用いると発電効率が高い。
このため、スイッチ制御部16は、要求信号に含まれる出力電力値が予め設定された第1閾値以下である場合、スイッチ15をオフにするとともに、スイッチ14をオンにして、燃料電池12と被電力供給部21を接続させる。ここで、第1閾値は、燃料電池12の発電効率と燃料電池13の発電効率が等しくなる出力電力値であり、予め実験等により求められスイッチ制御部16のメモリに記憶されている。出力電力値が第1閾値以下の領域では、燃料電池12の発電効率が最も高くなっており、出力電力値が第1閾値を超えると、燃料電池13の発電効率のほうが高くなる。
また、スイッチ制御部16は、要求信号に含まれる出力電力値が予め設定された第1閾値を超えていて、かつ、予め設定された第2閾値以下である場合、スイッチ14をオフにするとともに、スイッチ15をオンにして、燃料電池13と被電力供給部21を接続させる。ここで、第2閾値は、燃料電池13の発電効率と燃料電池12及び燃料電池13を並列接続したときの発電効率が等しくなる出力電力値であり、予め実験等により求められスイッチ制御部16のメモリに記憶されている。出力電力値が第1閾値を超えて第2閾値以下の領域では、燃料電池13の発電効率が最も高くなっており、出力電力値が第2閾値を超えると、燃料電池12、13を並列接続した発電効率のほうが高くなる。
また、スイッチ制御部16は、要求信号に含まれる出力電力値が予め設定された第2閾値を超えた場合、スイッチ14、15をオンにして、燃料電池12、13と被電力供給部21を接続させる。出力電力値が第2閾値を超えた領域では、燃料電池12、13を並列接続した場合の発電効率が最も高くなる。
このように、上述の実施形態では、発電効率がそれぞれ異なる複数の燃料電池12、13と、燃料電池12、13の少なくとも1つから電力を供給される被電力供給部21と、被電力供給部21からの出力要求である出力電力値に対する発電効率が最大となる、燃料電池12、13の1つまたは燃料電池12、13の両方により被電力供給部21に電力を供給させるスイッチ制御部16と、を備える。
これにより、被電力供給部21の要求する出力電力値を出力するのに発電効率が最大となる燃料電池12、13の1つまたは両方が選択されて、被電力供給部21に電力が供給される。このため、発電量によらず、常時高効率で発電することができる。
また、燃料電池12、13は、それぞれ異なるセル数で構成されている。
これにより、様々なサイズのスタック構造が作成可能となり、レイアウトの自由度を高くすることができる。
これにより、様々なサイズのスタック構造が作成可能となり、レイアウトの自由度を高くすることができる。
また、燃料電池12、13それぞれと被電力供給部21を接続または遮断するスイッチ14、15を備え、スイッチ制御部16は、スイッチ14、15を制御することにより燃料電池12、13の1つまたは燃料電池12、13両方を用いて被電力供給部21に電力を供給させる。
これにより、簡易な構成で選択された燃料電池12、13を被電力供給部21に接続させることができ、燃料電池システムを小型化させることができる。
なお、本実施形態の燃料電池システムにおいて、電力供給部11がそれぞれ2つの燃料電池12、13とスイッチ14、15とを有しているが、燃料電池およびスイッチの数は、これに限定されるものではない。
また、本実施形態の燃料電池システムは、被電力供給部21からの出力要求として出力電力値を使用したが、これに限定されるものではなく、出力電流値や出力電圧値であってもよい。
また、本実施形態の燃料電池システムは、走行用モータ25の出力電力値に基づいて燃料電池12、13を選択するので、DCDCコンバータ22、二次電池23およびインバータ24を備えていない装置に適用することもできる。
また、本実施形態の燃料電池システムは、走行用モータ25の要求電力値に基づいて燃料電池12、13を選択しているが、走行用モータ25とエアコンやウォータポンプ等の補機の要求電力値に基づいて燃料電池12、13を選択してもよく、走行用モータ25以外の負荷の要求電力値に基づいて燃料電池12、13を選択してもよい。
また、本実施形態の燃料電池システムは、例えば、内燃機関とモータとによって駆動輪に動力を伝達するハイブリッド車両や、モータのみで走行される電気自動車などに適用されるとよい。また、本実施形態の燃料電池システムは、車両以外の装置に適用されてもよい。すなわち、負荷が要求する出力電力値が変化する装置であれば、如何なる装置にも適用できる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 車両
11 電力供給部
12、13 燃料電池
14、15 スイッチ
16 スイッチ制御部
21 被電力供給部
11 電力供給部
12、13 燃料電池
14、15 スイッチ
16 スイッチ制御部
21 被電力供給部
Claims (3)
- 発電効率がそれぞれ異なる複数の燃料電池と、
前記複数の燃料電池の少なくとも1つから電力を供給される被電力供給部と、
前記被電力供給部からの出力要求に対する発電効率が最大となる、前記複数の燃料電池の1つまたは前記複数の燃料電池の任意の組み合わせにより前記被電力供給部に電力を供給させるスイッチ制御部と、を備える燃料電池システム。 - 前記複数の燃料電池は、それぞれ異なるセルの数で構成される請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記複数の燃料電池それぞれと前記被電力供給部を接続または遮断するスイッチを備え、
前記スイッチ制御部は、前記スイッチを制御することにより前記複数の燃料電池の1つまたは前記複数の燃料電池の組み合わせにより前記被電力供給部に電力を供給させる請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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