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JP2016087172A - 尿素含有液処理方法、処理液および尿素含有液処理装置 - Google Patents

尿素含有液処理方法、処理液および尿素含有液処理装置 Download PDF

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JP2016087172A JP2014226398A JP2014226398A JP2016087172A JP 2016087172 A JP2016087172 A JP 2016087172A JP 2014226398 A JP2014226398 A JP 2014226398A JP 2014226398 A JP2014226398 A JP 2014226398A JP 2016087172 A JP2016087172 A JP 2016087172A
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竹田 敏郎
Toshiro Takeda
敏郎 竹田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】尿素含有液から高効率に尿素を除去するとともに、および尿素由来のアンモニアの残存を回避可能な尿素含有液の処理方法を提供する。
【解決手段】尿素含有液処理方法は、強酸性陽イオン交換樹脂が、平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下であり、強酸性陽イオン交換樹脂と未処理の尿素含有液とを接触させて尿素含有液に含まれる尿素を強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる第一吸着工程と、強酸性陽イオン交換樹脂と第一吸着工程を経た処理中間液とを接触させて処理中間液に含まれる尿素を強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる第二吸着工程と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、尿素含有液処理方法、処理液および尿素含有液処理装置に関する。
従来から、尿素を含有する液体から尿素を除去する処理方法の検討が行われている。たとえば人工透析に用いる透析液には、透析処置を受けた被験者の血液から除去された尿素が当該透析液に移行するため、使用済み透析液には一定の尿素が含有されている。上記使用済み透析液から尿素を除去するいくつかの技術が提案されている。
たとえば、下記特許文献1には、特定のポリオキシアルキレングリコール誘導体を構成成分として含むポリマーからなる尿素吸着材(以下、引用発明1ともいう)が開示されている。同文献1実施例1によれば、100mg尿素/dlの水溶液50mlに引用発明1を入れて処理したところ、尿素濃度が60mg尿素/dlまで減少したことが記載されている。
また下記特許文献2には、尿素除去層(以下、引用発明2ともいう)を備える着用型の人工腎臓透析システムが開示されている。
引用発明2は、腹膜透析溶液に含まれる尿素を除去するための層であり、尿素を通過させることができるがカチオンを反発する構成物を含むことが同文献段落[0012]に記載されている。同文献段落[0034]には、引用発明2が採り得る複数の態様が列挙されている。具体的には、一つの態様(以下、第一態様)として、引用発明2が、尿素を除去するための強酸カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂、または二重特性樹脂といったイオン交換樹脂からなることが挙げられている。また引用発明2の異なる態様(以下、第二態様)として、尿素分解酵素およびイオン交換樹脂または無機吸着材から構成される態様が挙げられている。
特開昭62−33539号公報 特表2010−536473号公報
使用済み透析液は、廃液として廃棄されることが一般的である。これに対し、廃棄前に尿素の含有濃度を低減することによって、上記使用済み透析液の廃棄を容易にしたいという要望があった。またさらには、使用済み透析液から実質的に尿素を取り除いて透析液として再利用したいという要望があった。
しかし、特許文献1または2に例示されるように液体中の尿素を除去するための検討は種々行われているものの、使用済み透析液の廃棄を容易にし、または再利用可能な程度に高い除去率で尿素を除去することができる技術は未だ提案されていなかった。したがって、使用済み透析液は、再利用されずにそのまま廃棄されることが一般的であった。
たとえば従来技術1は、上述のとおり、100mg尿素/dlの水溶液50mlに含有される尿素を40%程度除去した結果が開示されるに過ぎず、再利用の観点からは程遠い除去率が示されているに過ぎない。
また従来技術2の第一態様に関連し、引用発明2に用いられる強酸カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂の具体例が、特許文献2に複数列挙されているものの、公知のイオン交換樹脂が列挙されているに過ぎず、また尿素の除去率も示されてはいない。即ち、上記第一態様は、従来知られる範囲でイオン交換樹脂により尿素が吸着除去されることが記載されているに過ぎず、高効率な尿素除去という観点では、さらなる改良を必要とする。
また従来技術2の第二態様は、液体中の尿素を尿素分解酵素(ウレアーゼ)でアンモニアに加水分解し、当該アンモニアをアンモニア捕捉剤で捕捉して、結果として尿素の含有率を低減させる従来から知られた公知手法を基本とする。しかしかかる公知手法を使用済み透析液に適用した場合には、以下の問題があった。即ち、アンモニアは本来人体には不要であることは周知の知見である。したがって処理後の透析液に、捕捉されなかったアンモニアが残存する虞がある場合には、当該処理後の透析液を再利用することは問題があった。
従来技術2の第二態様は、カルシウム等のカチオンを受けつけず尿素を選択的に通過させる材料を用い、通過させた尿素をアンモニアに分解し、当該アンモニアを捕捉する。このように、カルシウム等のカチオンを受け付けない特殊な材料に尿素を通過させる必要があるため、通過し切れなかった尿素が使用済み透析液に残り、結果として引用文献2段落[0086]の表に参照されるとおり、尿素の減少率が40%未満と低い。
上述する使用済み透析液中の尿素除去における問題点は、尿素除去率が低い点、および処理済みの液体にアンモニアが残存する虞がある点で、使用済み透析液以外の尿素含有液においても同様に問題であった。
本発明は上記問題を鑑みなされたものである。即ち、本発明は、尿素含有液から高効率に尿素を除去するとともに、および尿素由来のアンモニアの残存を回避可能な尿素含有液の処理方法および尿素含有液の処理装置を提供する。また併せて本発明は、尿素含有液から高効率に尿素を除去されるとともに、および尿素由来のアンモニアの残存が回避された処理液を提供する。
第一の本発明である尿素含有液処理方法は、強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させて分離する尿素含有液処理方法であって、上記強酸性陽イオン交換樹脂が、平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下であり、上記強酸性陽イオン交換樹脂と未処理の上記尿素含有液とを接触させて上記尿素含有液に含まれる尿素を上記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる第一吸着工程と、上記強酸性陽イオン交換樹脂と上記第一吸着工程を経た処理中間液とを接触させて上記処理中間液に含まれる尿素を上記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる第二吸着工程と、を備え、上記第二吸着工程をn回行う(ただしnは1以上の整数である)ことを特徴とする。
第二の本発明である処理液は、本発明の尿素含有液処理方法を実施して得られたことを特徴とする。
第三の本発明である尿素含有液処理装置は、強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させて分離する尿素含有液の処理装置であって、平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下である上記強酸性陽イオン交換樹脂が収容されるとともに、未処理の尿素含有液が給液される第一処理槽と、
上記強酸性陽イオン交換樹脂が収容されるとともに、上記第一処理槽を通過した処理中間液が給液される第二処理槽と、を備え、上記第二処理槽をn個(ただしnは1以上の整数である)有することを特徴とする。
本発明の尿素含有液処理方法および尿素含有液処理装置によれば、尿素含有液から高効率に尿素を除去することが可能である。本発明は、尿素をアンモニアに加水分解することなく、尿素自体を強酸性陽イオン交換樹脂で吸着するため、尿素由来のアンモニアが処理後の液体に残存することがない。
本発明に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂の吸着等温線を示すグラフである。 本発明の第二実施形態に用いられる尿素含有液処理装置の概略図である。 本発明の第三実施形態に用いられる尿素含有液処理装置の概略図である。
本発明者は、使用済み透析液をはじめとする尿素含有液を再利用し、または尿素含有液の廃液処理をより容易にする程度に尿素を除去可能とすることを念頭に鋭意研究に取り組んだ。尿素含有液の再利用または廃液処理の容易化という課題を達成するためには、従来技術1および2に示される尿素除去率に対し飛躍的な向上を果たす必要がある。また処理済みの液に尿素由来のアンモニアを実質的に残存させないという要求もある。そこで本発明者は、尿素をアンモニアに加水分解することなく吸着可能な種々の材料について詳細に検討を行った。具体的には以下に述べる尿素の吸着試験を行った。その結果、ごく限られた条件を備える材を用いることにより、尿素含有液から尿素を著しく高い吸着率で吸着除去することができることを見出した。本検討における典型的な例を表1に示す。
(尿素の吸着試験)
即ち、複数の吸着材(表中の吸着材1〜8)を10gずつ準備し、それぞれ容量200mlの共栓付三角フラスコに収容した。
市販の尿素を純水に添加し、尿素濃度360mg/lの尿素含有液を調製し、上記尿素含有液50mlを上記共栓付三角フラスコにそれぞれ添加した。
上述のとおり吸着材と尿素含有液とが添加された共栓付三角フラスコに撹拌子を投入し、室温にて500回転/分の撹拌条件で3時間撹拌して吸着処理を行った。撹拌後、遠心分離を行い、その後に50μmフィルターで吸着材と液体とをろ過により分離し、ろ液(処理液)を窒素定量用の試験液とした。窒素の定量および尿素濃度の分析は後述する実施例の(評価)に記載するケルダール法およびイオンクロマト法と同様の方法で行った。
表1に尿素の吸着試験に用いられた吸着材1から8それぞれの平均細孔径(nm)、比表面積(m/g)、用いた吸着材の量(g)、撹拌時間(処理時間(hr))、尿素含有液の尿素濃度(処理前尿素濃度(mg/l))、処理液の尿素濃度(処理後尿素濃度(mg/l))、吸着処理によって尿素含有液から除去された尿素の除去率(尿素除去率(%))、用いた吸着材に対する尿素吸着量(mg/g)を示した。また尿素除去率(%)が50%以上であったものを○と評価し、50%未満であったものを×と評価した。尚、用いた吸着材1、2は、乾燥物であり、吸着剤3から8は含水物であり、吸着剤1から8に含まれる強酸性陽イオン交換樹脂の乾燥重量はいずれも10gとなるように調整した。表1には乾燥物である吸着材1、2、および含水物である吸着剤3から8の重量を示した。
表1に示すとおり、本検討により、種々のイオン交換樹脂の中でも、所定の範囲の平均細孔径および比表面積である強酸性陽イオン交換樹脂は、他の吸着材に比べて、著しく高い尿素除去率を示すことが見出された。そこで本発明者は、所定の範囲の平均細孔径および比表面積である強酸性陽イオン交換樹脂を用い、極めて高い除去率を実現するためにさらに検討を行い、本発明の完成に至った。以下に、本発明の第一実施形態にかかる尿素含有液処理方法について詳細に説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態にかかる尿素含有液処理方法(以下、本処理方法ともいう)は、強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させて分離する尿素含有液処理方法であって、平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下である強酸性陽イオン交換樹脂を用いる。
本実施形態の尿素含有液処理方法は、第一吸着工程と、第二吸着工程と、を備える。
第一吸着工程は、強酸性陽イオン交換樹脂と未処理の尿素含有液とを接触させて上記尿素含有液に含まれる尿素を上記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる工程である。
第二吸着工程は、強酸性陽イオン交換樹脂と第一吸着工程を経た処理中間液とを接触させて上記処理中間液に含まれる尿素を上記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる工程である。二吸着工程はn回行われる(ただしnは1以上の整数である)。
所定の範囲の平均細孔径および比表面積である強酸性陽イオン交換樹脂を用いることで著しく高い尿素除去率が示される理由は明らかではない。ただし本発明者は、適度なポーラス構造を備える強酸性陽イオン交換樹脂を用いることによって尿素の吸着が飛躍的に向上するものと推察する。
本処理方法は、かかる最適な強酸性陽イオン交換樹脂を用い、吸着工程を複数回繰り返すことにより、極めて高い尿素除去率が実現可能である。極めて高いとは、たとえば尿素除去率が、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特には94%以上、理想的には実質的に98%以上である。尚、尿素除去率は、本処理方法に供される尿素含有液の尿素濃度に対する、本処理方法により処理された処理後の液の尿素濃度から換算される尿素の減少率(%)である。
本処理方法は、上述のとおり尿素をアンモニアに加水分解することなく上記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させるので、処理液に尿素由来のアンモニアが残存することがない。
本処理方法に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂は、所定の範囲の平均細孔径および比表面積を備える範囲において、公知の強酸性陽イオン交換樹脂から適宜選択して用いることができる。たとえば、上記強酸性陽イオン交換樹脂としては、交換基にスルホン酸基プロトン型(−SOH)、スルホン酸基ナトリウム型(−SONa)、カルボン酸基カルシウム型(−COOCa)を持つものが好ましい。これらの交換基によればは、交換基におけるプロトン(H)、ナトリウム(Na)またはカルシウム(Ca)と尿素とを交換し、または交換基におけるプロトン(H)、ナトリウム(Na)またはカルシウム(Ca)に尿素に含有される窒素が結びつくことで、尿素がスムーズに吸着されるからである。
本発明に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂の母体構造は特に限定されないが、たとえばスチレン系、メタクリル系、アクリル系、テフロン系、ピリジン系などの母体構造を挙げることができる。
本処理方法に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂は、所謂ポーラス型のイオン交換樹脂である。
本処理方法に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂は、平均細孔径が1nm以上90nm以下である。平均細孔径が1nm以上であることにより、尿素が吸着するための適度のポーラスが提供されるものと思われる。また平均細孔径が90nm以下であることにより、尿素が吸着するために充分な表面積が得られやすいものと思われる。
本処理方法に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂は、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下である。比表面積が10m/gdry以上であることにより、尿素が吸着するための吸着面が充分に提供されるものと思われる。また比表面積が800m/gdry以下であることにより、尿素の吸着を阻害する程度に、強酸性陽イオン交換樹脂のポーラス型の構造が微細化することを防止することができる。
上記観点から、上記平均細孔径の下限は5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましく、15nm以上であることが特に好ましい。また平均細孔径の上限は、80nm以下であることがより好ましく、60nm以下であることがさらに好ましく、40nm以下であることが特に好ましい。
上記観点から、上記比表面積の下限は、10m/g以上であることがより好ましく、20m/g以上であることがさらに好ましく、30m/g以上であることが特に好ましい。
強酸性陽イオン交換樹脂の平均細孔径および比表面積の測定方法は特に限定されるものではなく公知の方法で適宜測定することができるが、例えば、ガス吸着法により吸着等温線を決定し、該吸着等温線からそれぞれ算出することができる。
本処理方法に供される尿素含有液は、少なくとも尿素を含有する液状物のことを意味する。実質的に含有物(溶質)として尿素のみが含有される液状物、または尿素および他の任意の物質が含有物(溶質)として含有される液状物のいずれであってもよい。
上記尿素含有物は、工場や実験室からの廃液、または使用済み人工透析液などが例示されるがこれに限定されない。
本処理方法に供される尿素含有液の尿素濃度は特に限定されない。たとえば本処理方法の好ましい態様の一つにおいて、第一吸着工程に用いる尿素含有液の尿素濃度は1200mg/L以下である。
本処理方法によれば、尿素濃度が非常に低い尿素含有液(低濃度尿素含有液)であっても、極めて高い尿素除去率を実現することが可能である。したがって本態様によれば、残存する尿素が極めて微量であって、廃液処理が容易であり、または再使用可能な処理液を提供し得る。本処理方法によれば、さらに第一吸着工程に用いる尿素含有液の尿素濃度が800mg/L以下、特には400mg/L以下であっても、極めて高い尿素除去率を実現することが可能である。
本発明者は、低濃度尿素含有液に関し、本処理方法に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂に対する尿素の吸着の関係を示す吸着等温線を作成した。より具体的には、本処理方法において特定する所定の範囲の平均細孔径および比表面積を示す強酸性陽イオン交換樹脂(表1で示す吸着材1)を用い、以下のとおり測定1から3を行った。
測定1は、強酸性陽イオン交換樹脂の量を20gとしたこと以外は、上述する尿素の吸着試験と同様の方法を実施した。
測定2は、表1に示す吸着材1の実験区と同じ内容で実施した。
測定3は、含有させる尿素の量を増量し、尿素含有液の尿素濃度(処理前尿素濃度(mg/l))を1007(mg/l)としたこと以外は、上述する尿素の吸着試験と同様の方法を実施した。
そして、測定1から3において尿素の吸着試験を行い、処理後尿素濃度(mg/l)を求めるとともに、単位重量当たりの吸着材に対する尿素の吸着量(mg/g)を算出した。結果は、表2に示した。また、縦軸に単位重量当たりの吸着材に対する尿素の吸着量(mg/g)、横軸に処理後尿素濃度を尿素平衡濃度(mg/l)として測定1から3の結果をプロットし、これらから吸着等温線を求めた。当該吸着等温線を図1に示す。尚、窒素の定量および尿素濃度の分析は後述する実施例の(評価)に記載するケルダール法およびイオンクロマト法と同様の方法で行った。また、測定1から3は、処理時間が3時間であれば充分に尿素濃度が平衡に達していることを予め確認した。
図1から、低濃度尿素含有液と本処理方法に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂とにより示される吸着等温線は、直線で示されることが確認された。この結果、本処理方法により低濃度尿素含有液から尿素を吸着除去する場合には、吸着量を予め計算により求めることができるため、除去処理を管理し易いことが確認された。また、本検討により測定2および測定3の結果から、一定の強酸性陽イオン交換樹脂に対し、尿素含有液における尿素濃度が増減しても、尿素除去率が一定であることが示された。この結果、低濃度尿素含有液を本処理方法において処理する際、第一吸着工程および第二吸着工程における尿素の吸着量を予め計算により算出することが可能であり、処理工程の設計が容易であることが確認された。
以上に示すとおり、本処理方法が低濃度尿素含有液から尿素を除去する方法として有効であることから、本処理方法における尿素含有液として、使用済み人工透析液を選択することは好ましい態様といえる。
一日の人工透析で体重50kgから80kgの成人の透析処置を受けた被験者から排除される尿素は約20gから32gであり、使用される透析液は約100Lから150Lである。したがって、使用済み透析液には、約133mg/lから約320mg/lの濃度の尿素が含まれる。かかる濃度は上述する低濃度尿素含有液に含まれる濃度レベルである。換言すると、使用済み透析液に含まれる尿素は、本処理方法によって、廃棄が容易な程度、さらには再利用が可能な程度に除去することが可能である。
次に本処理方法における第一吸着工程と第二吸着工程について説明する。本処理方法は、吸着工程を複数回繰り返すことによって、極めて高い尿素除去率を達成可能とするという特徴を有する。
所定量の尿素含有液に対し、一度の吸着工程に使用する吸着材の量を増量することによって除去される尿素の量は増大する。これは、たとえば、上述する測定1および測定2の結果(表2参照)をみれば明らかである。しかし、本発明者は種々の検討の結果、一度の吸着工程で使用する吸着材の量を増大するのではなく、吸着工程を複数回繰り返すことによって除去される尿素の量をさらに増大させ得ることを見出した。
本処理方法における第一吸着工程は、強酸性陽イオン交換樹脂と未処理の尿素含有液とを接触させて上記尿素含有液に含まれる尿素を上記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる工程である。ここで未処理の尿素含有液とは、本処理方法における第一吸着工程または第二吸着工程により処理される前の尿素含有液を意味する。
強酸性陽イオン交換樹脂と尿素含有液とを接触させるとは、強酸性陽イオン交換樹脂の交換基に当該尿素含有液に含有される尿素が吸着可能な程度に両者を混合させることを意味する。
本処理方法は、たとえば第一吸着工程で、尿素含有液における尿素濃度が略平衡に達するまで、強酸性陽イオン交換樹脂と尿素含有液とを接触させることが好ましい。
第一吸着工程において尿素平衡濃度となるまで強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させることによって、第二次吸着工程の吸着率を上げることができる。
ここで平衡とは、強酸性陽イオン交換樹脂に対し吸着する尿素の量と、強酸性陽イオン交換樹脂に吸着した尿素が液相に乖離する量とが釣り合った状態を意味する。本発明において略平衡とは、第一吸着工程の持続によっても尿素含有液における尿素の濃度の低下が実質的にないか、または充分に低い状態を意味する。
本処理方法における第二吸着工程は、所定の範囲の平均細孔径および比表面積を有する強酸性陽イオン交換樹脂と第一吸着工程を経た処理中間液とを接触させて当該処理中間液に含まれる尿素を上記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる工程である。第二吸着工程は、n回行う(ただしnは1以上の整数である)。たとえば第二吸着工程は1回でもよいし、2回以上繰り返してもよい。
尿素含有液(または処理中間液)と強酸性陽イオン交換樹脂との接触工程を繰り返すことによって、液中に微量に残存する尿素を確実に除去することができ、結果として非常に高効率の尿素除去を実現可能とする。
第一吸着工程と第二吸着工程との間、または複数回繰り返される第二吸着工程間には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜任意の工程を実施することができる。たとえば、第一吸着工程の終了後に、尿素含有液と強酸性陽イオン交換樹脂とを分離するための遠心分離工程またはろ過分離工程などを適宜実施してよい。強酸性陽イオン交換樹脂から分離されて得た処理中間液は、続く第二吸着工程に許与される。
第一吸着工程および第二吸着工程のそれぞれに用いられる強酸性陽イオン交換樹脂は、それぞれ同一または同種の樹脂であってもよいし、異種の樹脂であってもよい。同一の樹脂とは、強酸性陽イオン交換樹脂の化学組成、平均細孔径および比表面積が同じである樹脂を意味する。同種の樹脂とは、上記化学組成、平均細孔径および比表面積のいずれかまたは全てが異なるが、交換基が同一である樹脂を意味する。異なる樹脂とは、上記化学組成、平均細孔径、比表面積、および交換基がいずれも異なる樹脂を意味する。
また、第一吸着工程および第二吸着工程に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂は、それぞれ同一の強酸性陽イオン交換樹脂のみから構成されてもよいし、同種また異種の強酸性陽イオン交換樹脂の混合から構成されてもよい。
たとえば、第一吸着工程に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂と第二吸着工程に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂とは同一の樹脂を含み、第一吸着工程に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂の総量よりも、第二吸着工程に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂の総量を少なくすることができる。
ここで、たとえば、第一吸着工程に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂と第二吸着工程に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂とが実質的に同一の樹脂であってもよい。
第二吸着工程に供与される処理中間液は、第一吸着工程に供与される未処理の尿素含有液よりも確実に尿素濃度が低くなっているため、第二吸着工程に用いられる吸着材の量を第一吸着工程に比して減量しても、充分に高い尿素除去率が示され得る。
以上に述べるとおり、本処理方法を実施することにより、従来技術における尿素除去率と比較して飛躍的に高い尿素除去率を実現するに至り、極めて尿素残存量の低い処理液を提供することができる。
即ち、以上に述べる本処理方法を実施して得られた処理液が、第二の本発明である。
第二の本発明は、未処理の尿素含有液に対し極めて高い除去率で尿素が除去されているため、廃棄することなく再利用し、または異なる用途における液状物として使用することが可能である。
たとえば、未処理の尿素含有液が、使用済み透析液である場合に、第二の本発明である処理液は、再度、透析液として使用することが可能である。もちろん、最適な透析液とするために透析に必要とする有効成分などの濃度調整を、処理液に対し行ってもよい。
また廃棄の観点からも、上記処理液は、尿素の量が極めて少なく、また尿素由来のアンモニアを含まないので廃棄作業を容易にし、廃液としても有利な点を備える。
したがって、本処理方法の変形例としては、第二吸着工程により得られた処理液を廃棄する廃棄工程をさらに備えることによって、尿素含有液の廃棄方法として利用することもできる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態として、本発明のバッチ式の尿素含有液処理方法について説明する。第二実施形態の説明では、適宜、図2を用い、尿素含有液処理装置100を例に説明する。図2は、本発明の第二実施形態に用いられる尿素含有液処理装置100の概略図である。第二実施形態にかかる尿素含有液処理方法の基本的事項は、第一実施形態において説明した本処理方法の記載事項が適宜参照される。
第二実施形態にかかる尿素含有液処理方法は、第一吸着工程および第二吸着工程が、給液処理、接触処理、分離処理、および排出処理を含む複数の処理を有し、上記複数の処理を1サイクルとして行うバッチ式処理により実施される。給液処理は、強酸性陽イオン交換樹脂に対し上記尿素含有液または上記処理中間液を給液する処理である。接触処理は、給液処理により給液された上記尿素含有液または上記処理中間液と上記強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させる処理である。分離処理は、接触処理によって互いに接触した上記尿素含有液または上記処理中間液と上記強酸性陽イオン交換樹脂とを分離する処理である。排出処理は、分離処理によって分離された上記尿素含有液または前記処理中間液を排出する処理である。
所定の処理を含む第一吸着工程および第二吸着工程をバッチ式処理で実施することによって、各吸着工程における吸着条件を一定に管理することが容易である。たとえば、第一吸着工程および第二吸着工程をバッチ式処理することによって、各吸着工程における尿素含有液(処理中間液)の尿素の濃度平衡を管理することが容易である。
第二実施形態にかかる本処理方法は、第一吸着工程を実施する間に、第一吸着工程と第二吸着工程との間で処理中間液の行き来を行なわない。第一吸着工程において吸着処理を終了した後、第一吸着工程から排出された処理中間液と新たな強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させ第二吸着工程を行う。ただし本実施形態においてバッチ式処理とは、第一吸着工程の実施中に、第一吸着工程および第二吸着工程の処理に影響を与えないほどの微量な処理中間液が第二吸着工程に移行することまでを排除するものではない。
以下に、図2に示す尿素含有液処理装置100を用い、第二実施形態にかかる本処理方法についてさらに説明する。図2示す尿素含有液処理装置100は、第三の本発明である尿素含有液処理装置(以下、本処理装置ともいう)の一例である。
尿素含有液処理装置100は、強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させて分離する尿素含有液の処理装置である。尿素含有液処理装置100は、第一処理槽10と第二処理槽20とを、備える。第一処理槽10は、平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下である強酸性陽イオン交換樹脂30が収容されるとともに、未処理の尿素含有液110が給液される処理槽である。第二処理槽20は、強酸性陽イオン交換樹脂40が収容されるとともに、第一処理槽10から排出された処理中間液(図示省略)が給液される処理槽である。尿素含有液処理装置100において、第二処理槽20はn個(ただしnは1以上の整数である)設けられる。本実施形態では具体的には、第二処理槽20は1個である。
尿素含有液処理装置100によれば、第一処理槽10および第二処理槽20を備えることから、本発明の処理方法を実施することができる。第一処理槽10および第二処理槽20は、強酸性陽イオン交換樹脂30および強酸性陽イオン交換樹脂40がそれぞれ収容されるとともに、未処理の尿素含有液または処理中間液が給液されるというシンプルな構成であるため、メンテナンスが容易である。
以下に尿素含有液処理装置100についてさらに詳細に説明する。尿素含有液処理装置100は第一処理槽10の上流側に原液槽112を有している。原液槽112には、未処理の尿素含有液110が貯留されている。原液槽112に貯留された尿素含有液110は、送水ポンプ114によって送水され、送水管116を通じ、第一処理槽10に設けられた給液口12から第一処理槽10に給液される。第一処理槽10の内部には強酸性陽イオン交換樹脂30が収容されており、給液口12から給液された尿素含有液110は、強酸性陽イオン交換樹脂30に対し給液される。これにより本処理方法における給液処理が行われる。給液処理は、第一処理槽10に尿素含有液110が給液された後に、強酸性陽イオン交換樹脂30が収容されてもよい。尚、本明細書において、原液槽112側を上流側とし、処理済液槽128側を下流側として尿素含有液処理装置100を説明する場合がある。
上記給液処理の後、接触処理が行われる。即ち、第一処理槽10において、強酸性陽イオン交換樹脂30における交換基に対し尿素含有液110が吸着可能な程度に、尿素含有液110と強酸性陽イオン交換樹脂30とを、接触させる。
上記接触処理は、たとえば攪拌混合処理、固定床式処理、移動床式処理または流動床式処理のいずれかである。具体的には尿素含有液処理装置100の第一処理槽10および第二処理槽20は、接触処理として攪拌混合処理を行う攪拌混合槽である。
撹拌混合処理は、第一処理槽10に収容された強酸性陽イオン交換樹脂30と尿素含有液110とを所定時間攪拌する処理である。尿素含有液処理装置100における第一処理槽10は、撹拌混合処理を実施するための撹拌混合手段を有する。具体的には撹拌混合手段として、天板117から内部に向けて延在する撹拌羽18が設けられている。撹拌羽18を回転させて第一処理槽10に給液された尿素含有液110と強酸性陽イオン交換樹脂30とを撹拌混合し撹拌混合処理を行う。上記攪拌混合処理により、所定の範囲の平均細孔径および比表面積を備える強酸性陽イオン交換樹脂30に対し、尿素含有液110を短時間に効率よく接触させて高効率に尿素を強酸性陽イオン交換樹脂30に吸着させることができる。第二処理槽20も、同様に撹拌羽18を有し、上述する攪拌混合処理が実施される。
撹拌混合条件は、用いられる強酸性陽イオン交換樹脂30、尿素含有液110の尿素濃度を勘案して適宜決定することができる。たとえば、予め、尿素含有液110の尿素濃度が平衡に達する撹拌条件を確認し、その撹拌条件にて撹拌混合処理を行ってもよい。あるいは、第一処理槽10に尿素濃度を観察する尿素濃度測定機を設けておき、尿素濃度が平衡に達したことを確認することによって撹拌混合を終了してもよい。攪拌混合手段の攪拌速度は、特に限定されないが、50から2000回転/分程度とすることができる。
尿素含有液処理装置100において、上記攪拌混合処理を、適宜、固定床式処理、移動床式処理または流動床式処理に代替してもよい。即ち、攪拌混合槽である第一処理槽10および/または第二処理槽20を、適宜、固定床式槽、移動床式槽または流動床式槽に代替してもよい(図示省略)。
固定床式槽は、第一処理槽10に収容された強酸性陽イオン交換樹脂30の収容位置が第一処理槽10に対し実質的に固定され、その固定された強酸性陽イオン交換樹脂30に対し、尿素含有液110を通過させる構成を備える。ここで、実質的に固定されるとは、通過する尿素含有液110に接触することによって強酸性陽イオン交換樹脂30の少なくとも一部が多少の位置の変動を生じることを含む。
移動床式槽は、第一処理槽10において尿素含有液110に接触した強酸性陽イオン交換樹脂30を連続的に第一処理槽10から抜き出すとともに、新しい強酸性陽イオン交換樹脂30を連続的に第一処理槽10に充填する構成を備える。
流動床式槽は、第一処理槽10において、上向きに尿素含有液110を給液するとともに第一処理槽10に収容された強酸性陽イオン交換樹脂30を内部に流動させる構成を備える。流動床式処理は、固体と流体との接触率を高めることが可能である。
以上に説明する接触処理が終了した後、分離処理が行われ、次いで排出処理が行われる。尿素含有液処理装置100では、第一処理槽10の下部に排出口14が設けられている。排出口14は、強酸性陽イオン交換樹脂30を通さず、尿素含有液110を通過させる。これによって、尿素含有液110と強酸性陽イオン交換樹脂30とを分離する分離処理と、第一処理槽10から尿素含有液110を排出する排出処理が同時に行われる。
尿素含有液処理装置100は、第一処理槽10から第二処理槽20に連続する送水管122を有している。送水管122の排出口14よりの中間部には送水管122の流路を開閉可能な開閉弁118が設けられている。第一処理槽10において第一吸着工程が行われているとき、開閉弁118を閉じた状態とし、第一吸着工程が終了し、処理中間液が第二吸着工程に移行する際、開閉弁118が開放される。これによって、尿素含有液処理装置100において、バッチ式処理が実施される。
排出口14から排出された処理中間液は、送水管122を通じて給液口12から第二処理槽20に給液される。第二処理槽20には強酸性陽イオン交換樹脂40が収容されており、第一処理槽10において実施される第一吸着工程と同様に第二吸着工程が実施される。本実施形態では、第二処理槽20にも、撹拌混合処理を実施するための撹拌混合手段(撹拌羽18)が設けられている。ただし、尿素含有液処理装置100はこれに限定されず、第一処理槽10と第二処理槽20とは異なる接触処理を行うための異なる構成が設けられていてもよい。
第二処理槽20の下流側には、処理済液槽128が設けられている。第二処理槽20と処理済液槽128とは送水管126により通じている。第二処理槽20において第二吸着工程が実施された後、第二処理槽20に設けられた排出口14から排出された処理液120は、送水管126を通じて、処理済液槽128に導かれ貯留される。
送水管126の排出口14寄りの任意の箇所には、開閉弁124が設けられている。開閉弁124は、第二吸着工程が実施されているときは閉じられており、第二吸着工程が終了した後に開放され、極めて低い尿素濃度となるよう処理された処理液120が第二処理槽20から排出される。
処理済液槽128に直接に、または処理済液槽128に連続して第二処理槽20から排出された処理液120を廃棄する廃棄装置を設けることにより、尿素含有液処理装置100を廃液処理装置とすることもできる。
尚、本処理方法の終了後、第一処理槽10および第二処理槽20に収容された強酸性陽イオン交換樹脂30、40を、第一処理槽10および第二処理槽20のそれぞれに設けられた取出口16から取り出す。そして、新しい強酸性陽イオン交換樹脂30、40を第一処理槽10および第二処理槽20に収容することによって、再度、本処理方法を尿素含有液処理装置100で実施することができる。
あるいは本処理方法の終了後、第一処理槽10および第二処理槽20に収容された強酸性陽イオン交換樹脂30、40に適当な処理液を流すことで、交換基に吸着された尿素を洗い流して再生し、再度、本処理方法を尿素含有液処理装置100で実施してもよい。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態として、本発明の連続式の尿素含有液処理方法について説明する。第三実施形態の説明では、適宜、図3を用い、連続式の尿素含有液処理装置200を例に説明する。図3は、本発明の第三実施形態に用いられる尿素含有液処理装置200の概略図である。第三実施形態にかかる尿素含有液処理方法は、第一実施形態において説明した本処理方法の記載事項が適宜参照される。
第三実施形態にかかる本処置方法は、第一吸着工程および第二吸着工程が、給液処理、接触処理、分離処理、および排出処理を含む複数の処理を有し、上記複数の処理を並行して連続的に行う連続式処理により実施される。給液処理は、強酸性陽イオン交換樹脂に対し上記尿素含有液または上記処理中間液を給液する処理である。接触処理は、給液処理により給液された上記尿素含有液または上記処理中間液と上記強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させる処理である。分離処理は、接触処理によって互いに接触した上記尿素含有液または上記処理中間液と上記強酸性陽イオン交換樹脂とを分離する処理である。排出処理は、分離処理によって分離された上記尿素含有液または上記処理中間液を排出する処理である。
第三実施形態にかかる本処理方法は、第一吸着工程から第二吸着工程までが連続して行われる。第一吸着工程に含まれる複数の処理は、処理工程の上流から下流に向けて連続的に行われるとともに、第一吸着工程の最後処理から第二吸着工程までが連続して行われる。第二吸着工程に含まれる複数の処理工程は、処理工程の上流から下流に向けて連続的に行われる。本処理方法は、第一吸着工程の最初の処理と、第二吸着工程の最後の処理が、並行して行われる場合、および、いずれか一方が開始または終了しているため並行して行われない場合を含む。
第三実施形態のごとく、第一吸着工程から第二吸着工程までを連続して行う本処理方法において、第一吸着工程で、尿素含有液における尿素濃度が略平衡に達するまで、強酸性陽イオン交換樹脂と尿素含有液とを接触させてもよい。たとえば、第一吸着工程において流される尿素含有液の流速や用いられる強酸性イオン交換樹脂の量等を適宜調整することで、上記略平衡を達成させることができる。
連続式である本処理方法の第一吸着工程において略平衡に達するとは、第一吸着工程から初期に排出される処理中間液が尿素平衡濃度であることを意味する。このとき通常は、第一吸着工程から最後に排出される処理中間液も尿素平衡濃度に達していることが好ましい。
連続式である本処理方法の第一吸着工程において上記略平衡を達成するためには、たとえば、予め、所定濃度の尿素含有液を強酸性イオン交換樹脂に吸着させた場合の尿素平衡濃度をバッチ処理にて確認するとよい。そして連続式である本処理方法の第一吸着工程から最初に排出される処理中間液が、確認された上記尿素平衡濃度となるよう、尿素含有液の流速や用いられる強酸性イオン交換樹脂の量を予備的に確認する。確認された処理条件により連続式である本処理方法を実施することで、上記略平衡を達成することができる。
尿素含有液処理装置200は、第三の本発明である尿素含有液処理装置の一例である。尿素含有液処理装置200は、接触処理を行う槽として強酸性陽イオン交換樹脂30、40それぞれが充填されたイオン交換樹脂カラムである第一処理槽50および第二処理槽60を備える点で、尿素含有液処理装置100とは異なる。
尿素含有液処理装置200は、強酸性陽イオン交換樹脂30、40の収容位置が第一処理槽50、60に対し実質的に固定され、その固定された強酸性陽イオン交換樹脂30に対し、尿素含有液110を通過させる構成を備える。即ち、尿素含有液処理装置200における接触処理は、固定床式処理の一態様である。
尿素含有液処理装置200において、第二処理槽60はn個(ただしnは1以上の整数である)設けられる。本実施形態では具体的には、第二処理槽60は1個である。
尿素含有液処理装置200は、原液槽112と第一処理槽50とを繋ぐ送水管116の中間に開閉弁132を備える。開閉弁132を開放し、送水ポンプ114から尿素含有液110を送水することによって、原液槽112から送水管116を通じて第一処理槽50に尿素含有液110が送られる。
第一処理槽50に送られた尿素含有液110は適度な速度で第一処理槽50に充填された強酸性陽イオン交換樹脂30の間を通過し尿素含有液110と強酸性陽イオン交換樹脂30とが接触する。これにより強酸性陽イオン交換樹脂30における交換基に尿素が吸着し、イオン交換が行われる。尿素含有液110に流速は、特に限定されず、第一処理槽50において、尿素含有液110と強酸性陽イオン交換樹脂30とが充分に接触してイオン交換が実施される範囲で適宜決定することができる。
第一処理槽50と第二処理槽60とは送水管122により連係されており、第一処理槽50から排出された処理中間液(図示省略)が第二処理槽60に連続して流れるよう構成されている。図示省略するが、尿素含有液処理装置200は送水管122を省略し、第一処理槽50と第二処理槽60とを直接に連係させてもよい。第一処理槽50から排出された処理中間液が連続して第二処理槽60に流れるよう構成されることにより、連続処理がなされる。
第一処理槽50および第二処理槽60に連続して尿素含有液110(処理中間液)を通して第一吸着工程および第二吸着工程を連続して処理することによって、処理時間を短縮するとともに装置をコンパクト化することができる。
以上に本発明の第一実施形態から第三実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。本明細書において示すすべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。本発明の尿素含有液処理装置の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、1つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
(実施例1)
以下のとおり以下のとおり本発明の尿素含有液処理方法を実施した。
即ち、平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下であり強酸性陽イオン交換樹脂が10gずつ収容された容量200mlの共栓付三角フラスコを2つ準備し、それぞれ第一フラスコ、第二フラスコとした。
市販の尿素を純水に添加し、尿素濃度360mg/lの尿素含有液を調製し、上記尿素含有液50mlを上記第一フラスコに添加した。
上述のとおり吸着材と尿素含有液とが添加された第一フラスコに撹拌子を投入し、室温にて500回転/分の撹拌条件で3時間撹拌して吸着処理を行った。撹拌後、遠心分離を行い、その後に50μmフィルターで吸着材と液体(処理液)とをろ過により分離して第一吸着工程を終了し、処理中間液を得た。
上記処理中間液の全量を上記第二フラスコに添加し、第一フラスコと同様の処理を行い第二吸着工程を終了し、処理液を得て実施例1とした。
(実施例2)
底部に二方コック付きの送水管を備えた内径12mmで長さ300mmのガラス製クロマト管に10gの吸着材1を充填したものを2本用意し、図3に示すように2本を直列に
連結した。上部のクロマト管へ尿素濃度345.7mg/lの尿素含有液50mlを約1時間かけて滴下させ、下部のクロマト管より排出された処理液を得て実施例2とした。上部のクロマト管に尿素含有液が給液され、下部のクロマト管から処理液が排出終了するまで約2時間となるよう流速を調製した。
(実施例3)
底部に二方コック付きの送水管を備えた内径12mmで長さ300mmのガラス製クロマト管に20gの吸着材4を充填したものを2本用意し、図3に示すように2本を直列に
連結した。上部のクロマト管へ尿素濃度345.7mg/lの尿素含有液50mlを約1時間かけて滴下させ、下部のクロマト管より排出された処理液を得て実施例3とした。上部のクロマト管に尿素含有液が給液され、下部のクロマト管から処理液が排出終了するまで約2時間となるよう流速を調製した。
(比較例1)
第二フラスコを用いず、実施例1における第二吸着工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に処理を行い、処理液を得て比較例1とした(即ち、実施例1における処理中間液を比較例1における処理液とした)。
(比較例2)
第二フラスコを用いず、実施例1における第二吸着工程を行わなかったこと、および攪拌時間を24時間にしたこと以外は実施例1と同様に処理を行い、処理液を得て比較例2とした。
(比較例3)
第二フラスコを用いず、実施例1における第二吸着工程を行わなかったこと、および第一フラスコに収容する強酸性陽イオン交換樹脂の量を20gにしたこと以外は実施例1と同様に処理を行い、処理液を得て比較例3とした。
(評価)実施例および比較例で得られた処理液の尿素濃度を以下のとおり分析し、尿素除去率を算出した。
[ケルダール法]
上述で得られた実施例および比較例それぞれを分解容器に採取し、規定の試薬(濃硫酸等)を添加して加熱分解し、試験液中の有機窒素化合物をアンモニウム塩の形体に変化させ、次いで、強アルカリを添加した。その後に、水蒸気蒸留によりアンモニアを水溶液として回収し、適当な濃度に希釈してイオンクロマト測定用の検液を得た。尚、上述する加熱分解および水蒸気蒸留には、日本ビュッヒ株式会社製ケルダール分解装置・蒸留装置を用いた。
[イオンクロマト法]
次に、上記ケルール法にて得られた検液およびアンモニウムイオン標準液を、イオンクロマト装置に導入し、検量線法により検液中のアンモニウムイオンの濃度を求めた。得られたアンモニウムイオン濃度から、検液(処理液)中の窒素含有量(mg/l)を算出するとともに、下記式1にて尿素濃度を換算した。尚、イオンクロマト装置は、日本ダイオネクス株式会社製ICS3000型イオンクロマトグラフを用いた。
(式1)尿素濃度(mg/l)=窒素含有量(mg/l)×(60.06/28.01)
処理前尿素濃度に対する処理後尿素濃度から、尿素除去率を算出した。
表1に上述する実施例および比較例に用いた吸着材の総量(g)、第一吸着工程、第二吸着工程の実施の有無、撹拌時間(処理時間(hr))、尿素含有液の尿素濃度(処理前尿素濃度(mg))、処理液の尿素濃度(処理後尿素濃度(mg/l))、吸着処理によって尿素含有液から除去された尿素の除去率(尿素除去率(%))を、それぞれ表3に示した。
表3に示すように、実施例1から3は、極めて高い尿素除去率が示された。処理前尿素濃度は、実施例1では360mg/l、実施例2、3では345.7mg/lである。即ち、本実施例に用いられた尿素含有液はいずれも成人の使用済み透析液における尿素濃度(約133mg/lから320mg/l)と同程度の尿素濃度である。かかる濃度の尿素含有液から98%ないし99%を超えるという極めて高い尿素除去率が示されたことから、本処理方法が、使用済み透析液の再利用を実現可能な程度に尿素を除去することができることが確認された。
比較例1から比較例3は、本発明の検討にて見出された所定範囲の平均細孔径および比表面積を備える優れた強酸性陽イオン交換樹脂を用いたことから、従来技術と比して高い吸着除去率を示したが、いずれも実施例1には及ばなかった。
即ち、実施例1と比較例1とを対比すると、第二吸着工程を実施したことで実施例1の尿素除去率が顕著に高くなることが確認された。
また実施例1の第一吸着工程に対し、処理工程時間を8倍と長くした比較例2は、比較例1と同程度の尿素除去率しか示されなかった。このことから、実施例1の第一吸着工程(または比較例1)において尿素濃度が平衡に達していることが確認された。また尿素濃度が平衡に達した状態で処理工程を長くしても尿素除去率がさらに高くなることはないことが確認された。
また実施例1と比較例3とを対比すると、使用した強酸性陽イオン交換樹脂は同量であるにもかかわらず、実施例1において明らかに高い尿素除去率が示された。この結果から、一度の吸着工程で使用する吸着材の量を増大するのではなく、吸着工程を複数回繰り返すことによって除去される尿素の量をさらに増大させることができることが確認された。
Figure 2016087172
Figure 2016087172
Figure 2016087172
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させて分離する尿素含有液処理方法であって、
前記強酸性陽イオン交換樹脂が、平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下であり、
前記強酸性陽イオン交換樹脂と未処理の前記尿素含有液とを接触させて前記尿素含有液に含まれる尿素を前記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる第一吸着工程と、
前記強酸性陽イオン交換樹脂と前記第一吸着工程を経た処理中間液とを接触させて前記処理中間液に含まれる尿素を前記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる第二吸着工程と、を備え、前記第二吸着工程をn回行う(ただしnは1以上の整数である)ことを特徴とする尿素含有液処理方法。
(2)前記第一吸着工程で、前記尿素含有液における尿素濃度が略平衡に達するまで、前記強酸性陽イオン交換樹脂と前記尿素含有液とを接触させる上記(1)に記載の尿素含有液処理方法。
(3)前記第一吸着工程に用いる前記尿素含有液の尿素濃度は、1200mg/L以下である上記(1)または(2)に記載の尿素含有液処理方法。
(4)前記尿素含有液が、使用済み人工透析液である上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
(5)前記第一吸着工程に用いられる前記強酸性陽イオン交換樹脂と前記第二吸着工程に用いられる前記強酸性陽イオン交換樹脂とは同一の樹脂を含み、
前記第一吸着工程に用いられる前記強酸性陽イオン交換樹脂の総量よりも、前記第二吸着工程に用いられる前記強酸性陽イオン交換樹脂の総量が少ない上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
(6)前記第一吸着工程および前記第二吸着工程が、
前記強酸性陽イオン交換樹脂に対し前記尿素含有液または前記処理中間液を給液する給液処理、
前記給液処理により給液された前記尿素含有液または前記処理中間液と前記強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させる接触処理、
前記接触処理によって互いに接触した前記尿素含有液または前記処理中間液と前記強酸性陽イオン交換樹脂とを分離する分離処理、および
前記分離処理によって分離された前記尿素含有液または前記処理中間液を排出する排出処理を含む複数の処理を有し、
前記複数の処理を1サイクルとして行うバッチ式処理により実施される上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
(7)前記第一吸着工程および前記第二吸着工程が、
前記強酸性陽イオン交換樹脂に対し前記尿素含有液または前記処理中間液を給液する給液処理、
前記給液処理により給液された前記尿素含有液または前記処理中間液と前記強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させる接触処理、
前記接触処理によって互いに接触した前記尿素含有液または前記処理中間液と前記強酸性陽イオン交換樹脂とを分離する分離処理、および
前記分離処理によって分離された前記尿素含有液または前記処理中間液を排出する排出処理を含む複数の処理を有し、
前記複数の処理を並行して連続的に行う連続式処理により実施される上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
(8)前記接触処理が、攪拌混合処理、固定床式処理、移動床式処理または流動床式処理のいずれかである上記(6)または(7)に記載の尿素含有液処理方法。
(9)前記第二吸着工程により得られた処理液を廃棄する廃棄工程を備える上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
(10)上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法を実施して得られたことを特徴とする処理液。
(11)強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させて分離する尿素含有液の処理装置であって、
平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下である前記強酸性陽イオン交換樹脂が収容されるとともに、未処理の尿素含有液が給液される第一処理槽と、
前記強酸性陽イオン交換樹脂が収容されるとともに、前記第一処理槽を通過した処理中間液が給液される第二処理槽と、を備え、前記第二処理槽をn個(ただしnは1以上の整数である)有することを特徴とする尿素含有液処理装置。
10・・・第一処理槽
12・・・給液口
14・・・排出口
16・・・取出口
18・・・撹拌羽
20・・・第二処理槽
30、40・・・強酸性陽イオン交換樹脂
50、60・・・第一処理槽
100、200・・・尿素含有液処理装置
110・・・尿素含有液
112・・・原液槽
114・・・送水ポンプ
116・・・送水管
117・・・天板
118・・・開閉弁
120・・・処理液
122・・・送水管
124・・・開閉弁
126・・・送水管
128・・・処理済液槽
132・・・開閉弁

Claims (11)

  1. 強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させて分離する尿素含有液処理方法であって、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂が、平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下であり、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂と未処理の前記尿素含有液とを接触させて前記尿素含有液に含まれる尿素を前記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる第一吸着工程と、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂と前記第一吸着工程を経た処理中間液とを接触させて前記処理中間液に含まれる尿素を前記強酸性陽イオン交換樹脂に吸着させる第二吸着工程と、を備え、前記第二吸着工程をn回行う(ただしnは1以上の整数である)ことを特徴とする尿素含有液処理方法。
  2. 前記第一吸着工程で、前記尿素含有液における尿素濃度が略平衡に達するまで、前記強酸性陽イオン交換樹脂と前記尿素含有液とを接触させる請求項1に記載の尿素含有液処理方法。
  3. 前記第一吸着工程に用いる前記尿素含有液の尿素濃度は、1200mg/L以下である請求項1または2に記載の尿素含有液処理方法。
  4. 前記尿素含有液が、使用済み人工透析液である請求項1から3のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
  5. 前記第一吸着工程に用いられる前記強酸性陽イオン交換樹脂と前記第二吸着工程に用いられる前記強酸性陽イオン交換樹脂とは同一の樹脂を含み、
    前記第一吸着工程に用いられる前記強酸性陽イオン交換樹脂の総量よりも、前記第二吸着工程に用いられる前記強酸性陽イオン交換樹脂の総量が少ない請求項1から4のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
  6. 前記第一吸着工程および前記第二吸着工程が、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂に対し前記尿素含有液または前記処理中間液を給液する給液処理、
    前記給液処理により給液された前記尿素含有液または前記処理中間液と前記強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させる接触処理、
    前記接触処理によって互いに接触した前記尿素含有液または前記処理中間液と前記強酸性陽イオン交換樹脂とを分離する分離処理、および
    前記分離処理によって分離された前記尿素含有液または前記処理中間液を排出する排出処理を含む複数の処理を有し、
    前記複数の処理を1サイクルとして行うバッチ式処理により実施される請求項1から5のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
  7. 前記第一吸着工程および前記第二吸着工程が、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂に対し前記尿素含有液または前記処理中間液を給液する給液処理、
    前記給液処理により給液された前記尿素含有液または前記処理中間液と前記強酸性陽イオン交換樹脂とを接触させる接触処理、
    前記接触処理によって互いに接触した前記尿素含有液または前記処理中間液と前記強酸性陽イオン交換樹脂とを分離する分離処理、および
    前記分離処理によって分離された前記尿素含有液または前記処理中間液を排出する排出処理を含む複数の処理を有し、
    前記複数の処理を並行して連続的に行う連続式処理により実施される請求項1から5のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
  8. 前記接触処理が、攪拌混合処理、固定床式処理、移動床式処理または流動床式処理のいずれかである請求項6または7に記載の尿素含有液処理方法。
  9. 前記第二吸着工程により得られた処理液を廃棄する廃棄工程を備える請求項1から8のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載の尿素含有液処理方法を実施して得られたことを特徴とする処理液。
  11. 強酸性陽イオン交換樹脂に尿素を吸着させて分離する尿素含有液の処理装置であって、
    平均細孔径が1nm以上90nm以下であり、比表面積が10m/gdry以上800m/gdry以下である前記強酸性陽イオン交換樹脂が収容されるとともに、未処理の尿素含有液が給液される第一処理槽と、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂が収容されるとともに、前記第一処理槽を通過した処理中間液が給液される第二処理槽と、を備え、前記第二処理槽をn個(ただしnは1以上の整数である)有することを特徴とする尿素含有液処理装置。
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