JP2016081848A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 寿命の長いリチウムイオン二次電池を提供すること。【解決手段】 本発明のリチウムイオン二次電池は,負極活物質層が,正極活物質層と対面している負極対面部と,正極活物質層の端部よりも外側へ向けて突出していることにより正極活物質層と対面していない負極非対面部とを有するものである。また,正極板は,正極活物質層の端部における正極集電箔と正極活物質層との間に絶縁層を有するものである。そして,負極非対面部の正極活物質層の端部からの突出方向について,絶縁層の長さは,負極非対面部の長さ以上,かつ,負極非対面部の長さの2倍以下である。【選択図】図3
Description
本発明は,リチウムイオン二次電池に関する。さらに詳細には,正負の電極板を,これらの間にセパレータを挟み込みつつ積層してなる電極体を有するリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は,電極体を,電解液とともにケースの内部に封入してなるものである。電極体は,集電箔の表面に活物質を含む活物質層を形成してなる帯状の正極板および負極板を,セパレータを間に挟み込みつつ捲回または平積みにより積層してなるものである。そして,リチウムイオン二次電池においては,負極板におけるリチウムの析出を抑制することが重要である。リチウムの析出が生じやすいリチウムイオン二次電池においては,早期に充電容量が低下してしまうことで,寿命が短くなってしまうからである。
例えば,特許文献1には,負極活物質層を,その幅方向について,中央の表面側における結着剤の含有濃度が両端の表面側における結着剤の含有濃度よりも大きくなるように形成したリチウムイオン二次電池が記載されている。このように形成した負極活物質層について,リチウムの受け入れ性を幅方向の中央部において両端部よりも低くすることができるとされている。さらに,負極板全体として見たときには,幅方向の中央部と両端部とにおけるリチウムの受け入れ性の差を小さくすることができるとされている。そして,このような負極活物質層については,リチウムイオン二次電池に低温かつハイレートの充放電を繰り返し行わせても,両端部にリチウムの析出を生じにくく,電池寿命を向上させることができるとされている。
ところで,リチウムイオン二次電池の負極板としては,負極活物質層が,正極板における正極活物質層の幅よりも幅広に形成されたものが用いられがちである。すなわち,負極活物質層の幅方向の両端には,対面する正極活物質層のない,非対面部が設けられていることがある。そして,負極活物質層が非対面部を有するリチウムイオン二次電池では,上記の従来技術のように負極活物質層の中央部でのリチウムの受け入れ性を端部よりも低くすることで,充電時における負極活物質層の端部の電位が低下し過ぎてしまうおそれがあった。よって,負極活物質層の端部付近にリチウムの析出が生じやすくなってしまうことにより,リチウムイオン二次電池においては,充電容量が早期に低下しやすく,電池寿命が短くなってしまうという問題があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,寿命の長いリチウムイオン二次電池を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のリチウムイオン二次電池は,正極集電箔に正極活物質層を形成してなる正極板および負極集電箔に負極活物質層を形成してなる負極板を,これらの間にセパレータを挟み込みつつ積層してなる電極体を有するリチウムイオン二次電池であって,負極活物質層は,正極活物質層と対面している負極対面部と,正極活物質層の端部よりも外側へ向けて突出していることにより正極活物質層と対面していない負極非対面部とを有するものであり,正極板は,正極活物質層の端部における正極集電箔と正極活物質層との間に絶縁層を有するものであり,負極非対面部の正極活物質層の端部からの突出方向について,絶縁層の長さは,負極非対面部の長さ以上,かつ,負極非対面部の長さの2倍以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池は,正極板の正極活物質層の端部において,正極集電箔と正極活物質層との間に絶縁層を有する。そして,絶縁層が設けられている領域では,充電時における抵抗値が高いため,それほど大きな電流が流れることがない。このため,ハイレート充電時に電位が低下してしまいやすい負極対面部の負極非対面部に近い箇所でも,リチウムが析出してしまうほど電位が低下してしまうことがない。よって,リチウムの析出が抑制されており,容量維持率を高くすることができる。
本発明によれば,寿命の長いリチウムイオン二次電池が提供されている。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,捲回型の電極体を有するリチウムイオン二次電池について本発明を適用したものである。
まず,本形態に係る電池100(図1参照)について説明する。図1は,本形態に係る電池100の断面図である。電池100は,図1に示すように,電極体110および電解液120を電池ケース130の内部に収容してなるリチウムイオン二次電池である。電解液120は,リチウム塩を溶解させた有機溶剤よりなるものである。電池ケース130は,ケース本体131と封口板132とを備えている。また,封口板132は,絶縁部材133を備えている。
図2は,電極体110の斜視図である。図2に示すように,本形態の電極体110は,扁平形状をした捲回型の電極体である。また図3は,電極体110を構成する負極板N,正極板P,セパレータSの重ね合わせについて説明するための図である。図3において,奥行き方向が負極板N,正極板P,セパレータSの長手方向であり,左右方向が幅方向である。図2に示す電極体110は,負極板N,正極板P,セパレータSを重ね合わせつつ円筒形状に捲回後,その円筒形状の捲回体を径方向に圧迫することにより,扁平形状に成形したものである。
図3に示すように,負極板Nは,負極集電箔N1の表面に,負極活物質やバインダーなどの負極材料によって負極活物質層N2を形成してなるものである。負極板Nは,負極活物質層N2が形成されている部分と,形成されていない部分とを有している。図3に示すように,負極板Nにおける負極活物質層N2が形成されていない部分では,負極集電箔N1が露出している。
正極板Pは,正極集電箔P1の表面に,正極活物質やバインダーなどの正極材料によって正極活物質層P2を形成してなるものである。正極板Pは,正極活物質層P2が形成されている部分と,形成されていない部分とを有している。図3に示すように,正極板Pにおける正極活物質層P2が形成されていない部分では,正極集電箔P1が露出している。
なお,図3では,負極板Nについて,負極集電箔N1の上側の表面に形成された負極活物質層N2のみを示している。しかし,実際の負極板Nでは,負極集電箔N1の下側の表面にも負極活物質層N2が形成されている。また,正極板Pについては,正極集電箔P1の下側の表面に形成された正極活物質層P2のみを示している。しかし,実際の正極板Pでは,正極集電箔P1の上側の表面にも正極活物質層P2が形成されている。
そして,図3に示すように,負極板Nおよび正極板Pはともに,それぞれの負極活物質層N2,正極活物質層P2が形成されている部分においてセパレータSと重ね合わせた状態で捲回される。このため,図2に示す電極体110の中央部111は,負極板N,正極板P,セパレータSが重なり合う部分である。
一方,図3に示すように,負極板Nの負極集電箔N1の露出部分は,セパレータSよりもその幅方向の右側に突き出ている。正極板Pの正極集電箔P1の露出部分は,セパレータSよりもその幅方向の左側に突き出ている。このため,捲回後を示す図2の電極体110は,負極集電箔N1のみからなる部分である負極端部112と,正極集電箔P1のみからなる部分である正極端部113とを,中央部111の左右の両側にそれぞれ有している。
なお,図3に示すように,セパレータSの幅方向の長さは,同方向における負極活物質層N2および正極活物質層P2よりも長いものである。正極板Pと負極板Nとを確実に絶縁するためである。また,本形態において,負極活物質層N2の幅方向の長さは,正極活物質層P2の幅方向の長さよりもわずかに長いものである。さらに,正極板Pについては,正極活物質層P2の幅方向の端部において,正極集電箔P1と正極活物質層P2との間に絶縁層Iを有している。この点については,後に詳述する。
また,図1に示す電池100において,電極体110の負極端部112には負極端子150が,正極端部113には正極端子160が接続されている。負極端子150および正極端子160は,それぞれ電極体110と接続されていない側の端を,絶縁部材133を介し,電池ケース130の外部に突出させている。
そして,電池100は,負極端子150および正極端子160を介し,電極体110の中央部111において,充電および放電を行うものである。具体的に,電池100は,充放電時において,電極体110の中央部111に位置する負極板Nと正極板Pとの間で,多孔質部材であるセパレータSの細孔に保持されている電解液120を介してリチウムイオンの授受を行う。
ここで,上記のように,本形態の負極活物質層N2は,幅方向の長さが,正極活物質層P2よりも長いものである。このため,負極活物質層N2は,図3の重ね合わせにおいて示すように,正極活物質層P2と対面している部分である負極対面部N21と,正極活物質層P2と対面していない部分である負極非対面部N22とを有している。つまり,負極非対面部N22は,正極活物質層P2の幅方向における端部よりも外側へ向けて突出している部分である。また,図3には,負極非対面部N22の幅方向における長さを,長さLNとして示している。
また,上記のように,本形態の正極板Pは,正極集電箔P1と正極活物質層P2との間に絶縁層Iを有している。本形態の正極板Pは,正極集電箔P1の表面における正極活物質層P2が形成される領域の端部に沿って絶縁層Iを配置した状態で,正極活物質層P2を形成したものである。
絶縁層Iは,その位置での電気の流れを遮ることのできるものである。絶縁層Iとして,例えば,ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),ポリフッ化ビニリデン(PVdF),酸化アルミニウムを焼結した焼結体(セラミックス)等を用いることができる。また,本形態の絶縁層Iは,正極板Pの正極活物質層P2の幅方向の端部に沿って長手方向に設けられており,その長手方向の長さは正極活物質層P2の長さと同じである。
そして,図3には,絶縁層Iの幅方向における長さを,長さLIとして示している。本形態において,絶縁層Iの長さLIは,負極非対面部N22の長さLN以上,かつ,負極非対面部N22の長さLNの2倍以下とされている。
また,図3には,電極体110において負極板Nの負極活物質層N2と正極板Pの正極活物質層P2とが重なる領域を,活物質層積層領域PNとして示している。さらに,活物質層積層領域PNのうち,正極板Pに絶縁層Iが設けられていない幅方向における中央の領域を,非絶縁領域PN1として示している。加えて,活物質層積層領域PNのうち,正極板Pに絶縁層Iが設けられている幅方向における端部の領域を,絶縁領域PN2として示している。
そして,本形態の電池100では,正極板Pに絶縁層Iが設けられていることにより,充電時における正極板Pの正極活物質層P2の幅方向の端部に流れる電流の電流値を制限することができる。具体的には,図4に示すように,充電時において,正極板Pの絶縁領域PN2に流れる電流の電流値が,正極板Pの非絶縁領域PN1に流れる電流の電流値よりも低くなるようにされている。正極板Pの絶縁領域PN2では,絶縁層Iが設けられていることにより,充電時における電子の,正極活物質層P2から正極集電箔P1への移動が妨げられる。これにより,正極板Pの絶縁領域PN2では,非絶縁領域PN1よりも充電時における抵抗値が高くなるようにされているからである。
また図5に,充電時における負極板Nおよび正極板Pの電位について示す。図5には,負極板Nおよび正極板Pの非絶縁領域PN1における電位を破線により,絶縁領域PN2における電位を実線により示している。図5に示すように,正極板Pでは充電時において,絶縁領域PN2における電位が,非絶縁領域PN1における電位よりも高くなる。図4において説明したように,正極板Pの絶縁領域PN2では,絶縁層Iが設けられていることにより,非絶縁領域PN1よりも充電時における抵抗値が高いからである。
また,図5に示すように,負極板Nについても,充電時には,絶縁領域PN2における電位が,非絶縁領域PN1における電位よりも高くなる。負極板Nの絶縁領域PN2では,対面する正極板Pの絶縁領域PN2における抵抗値が高いことにより,非絶縁領域PN1よりも充電時に流れる電流の電流値が低いからである。
次に,図6により,充放電に伴う負極活物質層N2のリチウムイオン濃度および電位の変化について説明する。図6の上段には,最初の充電により変化した負極活物質層N2のリチウムイオン濃度および電位を示している。中段には,最初の充電後の放電により変化した負極活物質層N2のリチウムイオン濃度および電位を示している。下段には,その放電後のリチウムイオンの拡散により変化した負極活物質層N2のリチウムイオン濃度および電位を示している。
そして,図6の上段の左に示すように,まず,電池100が充電されると,負極活物質層N2においては,リチウムイオン濃度が上昇する。充放電反応は,基本的には,負極活物質層N2と正極活物質層P2とが重なることにより対面している活物質層積層領域PNにおいて生じる。このため,負極活物質層N2のうち,正極活物質層P2と対面している負極対面部N21については,充電時において正極板Pの正極活物質層P2から放出されたリチウムイオンを吸蔵することにより,リチウムイオン濃度が一様に上昇する。
一方,対面する正極活物質層P2がない負極非対面部N22については,充電により,その負極対面部N21に近い位置ほど,リチウムイオン濃度が上昇している。これは,負極非対面部N22におけるリチウムイオン濃度の上昇が,正極板Pの正極活物質層P2から放出されたリチウムイオンの吸蔵によるものではなく,充電時にリチウムイオンを吸蔵した負極対面部N21からのリチウムイオンの拡散によるものだからである。
また,負極活物質層N2の電位は,充電により,図6の上段の右に示すようになる。すなわち,充電によりリチウムイオン濃度が上昇した箇所ほど,電位は低下している。具体的には,負極対面部N21においては一様に低い電位であり,負極非対面部N22においては負極対面部N21に近い位置ほど低い電位である。
また,図6の負極活物質層N2の電位を示すグラフには,リチウム析出電位を示している。負極活物質層N2において,図6に示すリチウム析出電位よりも電位が低下してしまった箇所では,リチウムが析出してしまうおそれがある。なお,充電後の負極活物質層N2の電位は,負極対面部N21および負極非対面部N22のいずれにおいても,リチウム析出電位よりも高い。このため,この充電により負極板Nにリチウムが析出してしまうことはない。
次に,図6の中段の左に示すように,充電後の放電により,負極対面部N21においてはリチウムイオン濃度が低下する。負極対面部N21においては,対面する正極活物質層P2があるため,放電に伴ってリチウムイオンが放出されたからである。
一方,負極非対面部N22においては,対面する正極活物質層P2がないため,リチウムイオン濃度がほとんど低下していない。つまり,放電後においても,負極非対面部N22の負極対面部N21に近い位置ほど,リチウムイオン濃度が高い状態となっている。
また,負極活物質層N2の電位は,放電により,図6の中段の右に示すようになる。すなわち,放電によりリチウムイオン濃度が低下した箇所ほど,電位は上昇している。具体的には,負極対面部N21においては一様に高い電位であり,負極非対面部N22においては負極対面部N21に近い位置ほど低い電位である。なお,放電後においても,負極対面部N21の電位および負極非対面部N22の電位はいずれも,リチウム析出電位ほど低い電位ではない。
続いて,図6の下段の左に示すように,放電後の負極活物質層N2内では,リチウムイオンの拡散が生じる。すなわち,放電後においてもリチウムイオン濃度が高い状態であった負極非対面部N22の負極対面部N21に近い位置から,負極対面部N21へリチウムイオンが拡散する。この拡散により,負極活物質層N2では,負極対面部N21と負極非対面部N22との境目で,リチウムイオン濃度が最も高い状態となる。
また,負極活物質層N2の電位は,リチウムイオンの拡散により,図6の下段の右に示すようになる。すなわち,負極対面部N21と負極非対面部N22との境目で,電位が最も低い状態となる。このため,負極対面部N21においては,その負極非対面部N22に近い位置ほど,電位が低い状態となる。
一方,負極対面部N21の負極非対面部N22から遠い中央部の電位については,高い状態で維持されている。リチウムイオンが拡散した後にも,リチウムイオン濃度が低いからである。なお,この拡散が生じた後においても,負極対面部N21の電位および負極非対面部N22の電位はいずれも,リチウム析出電位ほど低い電位ではない。
次に,図7により,ハイレートで電池100の充電がなされた場合の負極活物質層N2の電位について説明する。図7には,図6の下段の状態で,ハイレートで充電がなされたときの負極活物質層N2の電位を示している。
図6において説明したように,充電により,負極対面部N21の電位は低下する。この点,ハイレートで充電がなされた場合にも同様である。よって,図7に示すように,負極対面部N21の電位は,図6の下段の右に示す状態から低下している。
すなわち,ハイレートで充電がなされることにより,負極対面部N21の負極非対面部N22に近い位置では,負極非対面部N22から遠い中央部よりも電位が低い状態となる。前述したように,負極対面部N21の負極非対面部N22に近い位置では,ハイレートで充電がなされる前の拡散により,負極非対面部N22から遠い中央部よりも電位が低い状態となっていたからである。
しかし,図7に示すように,ハイレートで充電がなされた後にも,負極活物質層N2の電位は,負極対面部N21および負極非対面部N22のいずれにおいても,リチウム析出電位よりも高い状態である。これは,本形態の正極板Pが,絶縁層Iを有しているからである。
つまり,本形態において,リチウムイオンの拡散により電位が低下してしまう負極対面部N21の負極非対面部N22に近い箇所では,対面する正極板Pに絶縁層Iが設けられている。そして,絶縁層Iが設けられている絶縁領域PN2においては,前述したように,充電時に正極活物質層P2から正極集電箔P1への電子の移動が生じにくい。このため,絶縁領域PN2においては,対面する正極板Pと負極板Nとの間の抵抗値が高く,ハイレートで充電がなされた場合にも,それほど大きな電流が流れないようにされている。
また,負極活物質層N2の電位は,充電時に流れる電流の電流値が高い箇所ほど,低下する。このため,負極対面部N21の負極非対面部N22に近い箇所では,ハイレートで充電がなされた場合にも,大きな電流が流れないことにより,それほど大きく電位が低下してしまうことがないのである。
よって,図7に示すように,本形態の電池100では,ハイレートで充電がなされた場合にも,負極対面部N21の電位および負極非対面部N22の電位はいずれも,リチウム析出電位まで低下してしまうことはない。従って,本形態の電池100においては,ハイレートで充電がなされた場合にも,負極板Nにリチウムが析出してしまうことはない。
これに対し,本形態とは異なり,正極板Pに絶縁層Iを有していない電池についてハイレートで充電した場合の例を図8に示す。図8には,正極板Pに絶縁層Iを有していない電池について,図6の下段の状態からハイレートで充電を行った場合の負極活物質層N2の電位を示している。
図8に示すように,正極板Pに絶縁層Iを有していない電池においても,負極対面部N21の負極非対面部N22から遠い中央部については,ハイレートで充電がなされたときの電位が,リチウム析出電位まで低下していない。しかし,正極板Pに絶縁層Iを有していない電池では,ハイレートで充電がなされたときに,負極対面部N21の負極非対面部N22に近い位置において,リチウム析出電位よりも電位が低くなってしまっている。
これは,正極板Pに絶縁層Iを有していない電池では,ハイレートで充電がなされた場合に,負極対面部N21の負極非対面部N22に近い位置にも,大きな電流が流れてしまうからである。よって,正極板Pに絶縁層Iを有していない電池においては,本形態の電池100とは異なり,ハイレートで充電がなされた場合に,負極板Nの端部付近にリチウムが析出してしまうおそれがある。
続いて,本形態に係る実施例について説明する。ここでは,実施例の電池として,上記の電池100と同様の構成としつつ,その絶縁層Iの幅方向における長さLIを異なる長さとして作製した実施例1,2について説明する。具体的には,実施例1は,絶縁層Iの長さLIを,負極非対面部N22の長さLNと同じ長さとしたものである。また,実施例2は,絶縁層Iの長さLIを,負極非対面部N22の長さLNの2倍の長さとしたものである。
また,実施例と比較するための比較例の電池として,基本的には上記の電池100と同様の構成としつつ,絶縁層Iについて実施例とは異なる構成の比較例1〜3を作製した。具体的に,比較例1は,正極板Pに絶縁層Iを設けずに作製したものである。また,比較例2は,絶縁層Iの長さLIを,負極非対面部N22の長さLNの半分の長さとしたものである。比較例3は,絶縁層Iの長さLIを,負極非対面部N22の長さLNの3倍の長さとしたものである。
そして,それぞれ作製した実施例および比較例について,充放電を繰り返し行うサイクル試験を行い,負極板Nにおけるリチウムの析出の有無の確認を行った。具体的に,サイクル試験においては,温度25℃の環境で,充電および放電をそれぞれ1000回,繰り返し行った。充電および放電についてはともに,100Aの電流値で100秒の条件で行った。なお,充電後および放電後には,次の放電または充電までに10分間の間隔を空けた。このサイクル試験の結果を表1に示す。
表1に示すように,実施例1,2についてはともに,リチウムの析出は確認されなかった。一方,比較例1〜3についてはいずれも,リチウムの析出が確認された。
上記のように,比較例1は,正極板Pに絶縁層Iが設けられていないものである。このため,比較例1では,上記の図8で説明したように,充電時に負極対面部N21の負極非対面部N22に近い位置に大電流が流れることで電位が低下してしまい,その電位が低下した負極板Nの端部付近にリチウムが析出してしまったと考えられる。
比較例2についても,比較例1と同様,絶縁層Iが設けられているものの,その長さLIが短過ぎたため,充電時に負極対面部N21の負極非対面部N22に近い位置に大電流が流れてしまったと考えられる。これにより,比較例2についても,その大電流が流れた部分の電位が低下してしまい,負極板Nの端部付近にリチウムが析出してしまったと考えられる。
比較例3については,絶縁層Iの長さLIが長過ぎたと考えられる。すなわち,比較例3では,絶縁層Iの長さLIが長過ぎたため,絶縁層Iが設けられていない負極対面部N21の中央部の幅が狭くなってしまい,その部分における電流密度が上昇し過ぎてしまったと考えられる。そして,電流密度が上昇した負極板Nの部分にリチウムが析出してしまったと考えられる。
これに対し,実施例1,2においてはともに,リチウムの析出が確認されなかった。すなわち,実施例1,2ではともに,充電時に負極対面部N21の負極非対面部N22に近い位置に大電流が流れてしまうことが適切に抑制されていたと考えられる。また,絶縁層Iの長さLIが長過ぎることもなく,絶縁層Iが設けられていない負極対面部N21の中央部において電流密度が上昇し過ぎることもなかったと考えられる。
また,表1には,実施例および比較例のそれぞれの容量維持率についても示している。容量維持率は,サイクル試験の前後で実施例および比較例のそれぞれについて充電容量を測定し,試験前の充電容量に対する試験後の充電容量の比率により算出したものである。
表1に示すように,リチウムの析出がなかった実施例1,2はともに,サイクル試験後の容量維持率が99%以上と高い値であった。一方,リチウムの析出が確認された比較例1〜3についてはいずれも,実施例よりも容量維持率が低いものであった。すなわち,サイクル試験により,本形態に係る実施例について,容量維持率が高く,寿命が長いものであることが確認された。
以上詳細に説明したように,本形態に係る電池100は,負極板Nが,正極活物質層P2と対面している部分である負極対面部N21と,正極活物質層P2と対面していない部分である負極非対面部N22とを有している。また,正極板Pは,幅方向の端部における正極集電箔P1と正極活物質層P2との間に絶縁層Iを有している。そして,絶縁層Iの長さLIは,負極非対面部N22の長さLN以上,かつ,負極非対面部N22の長さLNの2倍以下とされている。これにより,寿命の長いリチウムイオン二次電池が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲で種々の改良,変形が可能である。例えば,上記の実施形態で説明した扁平形状の捲回型の電極体110を有する電池100に限らず,円筒形状の捲回型電極体を有するリチウムイオン二次電池にも適用することができる。
また例えば,捲回型の電極体を有するリチウムイオン二次電池に限らず,正負の電極板を,これらの間にセパレータを挟み込みつつ平積みにより積層してなる積層型の電極体を有するリチウムイオン二次電池にも適用することができる。積層型の電極体としては,例えば,負極板と正極板とに四角形状のシート状のものを用い,負極板に,正極板の正極活物質層の4辺の端部のすべてよりそれぞれ突出した負極非対面部を有する負極活物質層を形成したものが考えられる。この場合には,正極板の正極活物質層の4辺の端部のすべてに,それぞれ絶縁層を設けておけばよい。
100 電池
110 電極体
120 電解液
130 電池ケース
I 絶縁層
N 負極板
N1 負極集電箔
N2 負極活物質層
N21 負極対面部
N22 負極非対面部
P 正極板
P1 正極集電箔
P2 正極活物質層
PN 活物質層積層領域
PN1 非絶縁領域
PN2 絶縁領域
110 電極体
120 電解液
130 電池ケース
I 絶縁層
N 負極板
N1 負極集電箔
N2 負極活物質層
N21 負極対面部
N22 負極非対面部
P 正極板
P1 正極集電箔
P2 正極活物質層
PN 活物質層積層領域
PN1 非絶縁領域
PN2 絶縁領域
Claims (1)
- 正極集電箔に正極活物質層を形成してなる正極板および負極集電箔に負極活物質層を形成してなる負極板を,これらの間にセパレータを挟み込みつつ積層してなる電極体を有するリチウムイオン二次電池において,
前記負極活物質層は,前記正極活物質層と対面している負極対面部と,前記正極活物質層の端部よりも外側へ向けて突出していることにより前記正極活物質層と対面していない負極非対面部とを有するものであり,
前記正極板は,前記正極活物質層の端部における前記正極集電箔と前記正極活物質層との間に絶縁層を有するものであり,
前記負極非対面部の前記正極活物質層の端部からの突出方向について,前記絶縁層の長さは,前記負極非対面部の長さ以上,かつ,前記負極非対面部の長さの2倍以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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---|---|---|---|
JP2014214870A JP2016081848A (ja) | 2014-10-21 | 2014-10-21 | リチウムイオン二次電池 |
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JP2014214870A JP2016081848A (ja) | 2014-10-21 | 2014-10-21 | リチウムイオン二次電池 |
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-
2014
- 2014-10-21 JP JP2014214870A patent/JP2016081848A/ja active Pending
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