以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。図1〜9に示すのは、本発明の一実施形態であって、本発明によるクランク式駆動装置を織機のイージング装置に適用した場合について示している。
図1に示すのは、本発明が前提とする織機のイージング装置の概略であって、イージング装置10は、経糸が巻き掛けられるテンションロール(図示せず)をその両端で支持するための一対のイージングレバー12a、12b(駆動対象部材)、クランク式駆動装置20、20、並びにイージングレバー12a、12bとそれに対応するクランク式駆動装置20、20とを連結するためのロッド14、14及びアーム16、16を含む。
各イージングレバー12a、12bは、それぞれの上端部に形成された支持孔12a1、12b1に嵌挿される支持軸(図示せず)を介して織機フレームに対し回動可能に支持される。また、各イージングレバー12a、12bの中間部に形成された支持孔12a2、12b2には、テンションロールの両端の軸部が嵌挿固定される。従って、テンションロールは、イージングレバー12a、12bを介し、織機フレームに対して支持孔12a1、12b1を中心に揺動自在に支持されるものとなる。
また、各イージングレバー12a、12bの下端部に形成された支持孔12a3、12b3には、軸部材18、18が嵌挿固定され、この軸部材18、18に対し、軸受等を介してアーム16、16が回転可能に連結される。そして、各アーム16、16は、ロッド14、14を介し、対応するクランク式駆動装置20、20に連結されている。すなわち、テンションロールの両端をそれぞれ支持するイージングレバー12a、12bは、軸部材18、18、アーム16、16及びロッド14、14を介し、対応するクランク式駆動装置20、20に連結され、同期して往復揺動駆動されるものとなる。そして、両イージングレバー12a、12bが往復揺動駆動されることにより、テンションロールが積極的にイージング運動を行うものとなる。なお、各クランク式駆動装置20、20は共に同じ構成であるため、以下では、その一方のみについて説明する。
図1〜図3に示すように、クランク式駆動装置20は、駆動軸34の端部に対し回転不能に組み付けられる第1の支持部材としてのクランクハブ22、クランクハブ22に組み付けられる第2の支持部材としてのホルダ24、ホルダ24に回転可能に支持される連結部材26とを含む。なお、駆動軸34は、織機フレーム32に対し軸受36を介して回転自在に支持されており、その一端が織機フレーム32から突出するように設けられている。また、駆動軸34は、駆動伝達機構等を介して織機の主軸(図示せず)に連結され、主軸と同期して回転駆動される。
クランクハブ22は、駆動軸34に固定される軸部22aと、軸部22aの軸心方向の一端側において軸部22aの半径方向の外側に拡がるように設けられた板状のフランジ部22bとを備えるものとなっている。
そして、クランクハブ22は、駆動軸34の織機フレーム32からの突出部分の先端側に組み付けられている。詳しくは、クランクハブ22には、駆動軸34が嵌挿される嵌挿孔22cがその中心を軸部22aの軸心に一致させて形成されている。また、軸部22aには、その嵌挿孔22cに連通するすり割りを含む割締め機構22a1が設けられている。そして、クランクハブ22は、軸部22aに対しフランジ部22bが織機フレーム32側に位置する向きで、嵌挿孔22c内に駆動軸34の先端部が嵌挿されることで駆動軸34と組み合わされ、割締め機構22a1により締付け固定されることで、駆動軸34に対し組み付けられている。
なお、駆動軸34に対するクランクハブ22の組み付けは、前記のように軸部22aに設けられた割締め機構22a1による締付け固定によって行われるものとなっている。従って、クランクハブ22は、駆動軸34に対し自由に位相を変えて組み付けることが可能となっている。但し、駆動軸34に対するクランクハブ22の固定位置は、駆動軸34の先端部に限らず、駆動軸34の先端部には他の部材(例えば、回転検出器、等)が取り付けられ、他の部材よりも織機フレーム32側において駆動軸34に取り付けられるものであってもよい。
ホルダ24は、板状のホルダ本体24cと、ホルダ本体24cの板厚方向の一方の端面においてその板厚方向に突出するように設けられた偏心軸部24aとを有するものであって、本実施例では、この偏心軸部24aが、本発明における偏心軸に相当するものとなっている。
また、ホルダ24には、中心を偏心軸部24aの軸心L2に一致させるかたちでホルダ本体24cと偏心軸部24aとを貫通する貫通孔24bが形成されている。そして、ホルダ24は、クランクハブ22に対する織機フレーム32側に配置され、貫通孔24bに対し駆動軸34が挿通されると共に、ホルダ24における偏心軸部24aが突出する側とは反対側の端面24eを駆動軸34に組み付けられた状態のクランクハブ22におけるフランジ部22bの織機フレーム32側の端面22dに当接させた状態で、クランクハブ22側から螺挿された複数(図示の例では3つ)のネジ部材29によってクランクハブに対し組み付けられている。このため、ホルダ24の偏心軸部24aは、織機フレーム32側に突出するかたちとなっている。
また、ホルダ24の周面の一部には、図3に示すように、クランクハブ22に対する組み付けの際に指標とする切欠き24gが形成されている。そして、ホルダ本体24c及び偏心軸部24aを貫通するかたちで形成されている貫通孔24bは、図2、3に示すように、偏心軸部24aの軸心方向に視て偏心軸部24aの軸心L2と切欠き24gの中心とを結ぶ方向と平行な方向(以下、「第1の方向」と言う。)における寸法が、駆動軸34の直径よりも大きく形成されている。従って、駆動軸34が上記貫通孔24bに挿通された状態において、ホルダ24(ホルダ本体24c及び偏心軸部24a)は、駆動軸34に対し第1の方向への移動が許容される状態となっている。
さらに、この構成においては、クランクハブ22とホルダ24とは、クランクハブ22に対するホルダ24の組み付け位置が第1の方向に調節(変更)可能となっている。より詳しくは、前記のように、ホルダ24はクランクハブ22側から螺挿される3つのネジ部材29によってクランクハブ22に対し組み付けられるものであり、そのために、クランクハブ22のフランジ部22bには、ネジ部材29を挿通させるための長孔(穿孔)22hが形成されている。そして、クランクハブ22に対するホルダ24の固定は、ホルダ24に螺挿されたネジ部材29を締め付けることにより、ネジ部材29の頭部とホルダ24とでクランクハブ22のフランジ部22bを挟持するかたちで行われるものとなっている。
その上で、クランクハブ22のフランジ部22bに形成された長孔22hは、クランクハブ22に対しホルダ24を組み付けた状態において、その延在方向がホルダ24の第1の方向と一致するように形成されている。従って、ネジ部材29を長孔22hに挿通させると共にホルダ24に螺挿させた状態において、前記の締め付けを緩めた状態では、ホルダ24に螺挿されたネジ部材29の軸部が長孔22h内で長孔22hの延在方向に移動可能な状態、すなわち、クランクハブ22に対するホルダ24の位置が第1の方向に移動可能な状態となる。よって、その構成により、クランクハブ22に対するホルダ24の組み付け位置が第1の方向に調節(変更)可能となっている。
また、本実施例では、前記のようにクランクハブ22に対するホルダ24の組み付け位置を第1の方向に調節(変更)可能とするためにホルダ24がクランクハブ22に対し第1の方向に移動可能に成り得る構成において、その第1の方向への移動を案内するための構成として、クランクハブ22には、フランジ部22bの織機フレーム32側の端面22dから突出するように形成されたガイド部22eが設けられており、一方で、ホルダ24には、反織機フレーム側の端面24e(より詳しくは、上記のフランジ部22bの端面22dに対し当接するホルダ24の端面24e)に開口すると共にガイド部22eを受け入れるように形成された溝24fが設けられている。そして、このガイド部22e及び溝24fにより、ホルダ24の第1の方向以外への移動を防ぐ構成となっている。
なお、クランクハブ22に形成されるガイド部22eは、第1の方向において軸部22aと重複する位置に形成されており、前記した嵌挿孔22cがこのガイド部22eをも貫通するものとなっている。また、その外周面のうちの、軸部22aの軸心方向に視て第1の方向と直交する方向(以下、「第2の方向」という。)における両側の面が、長孔22hの延在方向(第1の方向)と平行に延在するように形成されている。
また、ホルダ24の溝24fは、その第2の方向で対向する両内側面が、第1の方向と平行に延在すると共に、その間隔がクランクハブ22のガイド部22eにおける外周面のうちの前記両側の面と摺接しつつガイド部22eを受け入れるような大きさに形成されている。さらに、溝24fは、その第2の方向における中心を通って第1の方向と平行な直線が、偏心軸部24aの第2の方向における中心を通るような位置に形成されている。その上で、溝24fは、クランクハブ22のガイド部22eを受け入れた状態において、前記のようなクランクハブ22に対する第1の方向へのホルダ24の移動を許容すべく、その第1の方向の寸法がガイド部22eの同じ方向(第1の方向)の寸法よりも大きく形成されている。
従って、そのようなクランクハブ22にガイド部22eが形成されると共にホルダ24に溝24fが形成される構成により、クランクハブ22に対するホルダ24の組み付け位置を第1の方向に調節(変更)するためのホルダ24の移動時において、ガイド部22eの前記両側の面と溝24fの前記内側面との摺接により、そのホルダ24への移動が第1の方向に沿って案内されるものとなっている。
また、ホルダ24は、第1の方向においてクランクハブ22を挟む位置で、反織機フレーム側の端面24eからクランクハブ22側へ突出するように形成された一対の係止部a、bを有している。
より詳しくは、両係止部a、bは、ホルダ24の端面24e上において、クランクハブ22のフランジ部22bの第1の方向における両側の端面X、Yのうちの対応する端面と第1の方向において対向するように設けられると共に、前記したクランクハブ22に対する第1の方向へのホルダ24の移動を許容すべく、両者の間隔がクランクハブ22の両端面X、Yの間隔よりも大きく設定されている。また、各係止部a、bは、その端面A、Bが、クランクハブ22における両端面X、Yと平行を為すように形成されている。
従って、クランクハブ22に対する第1の方向におけるホルダ24の移動は、係止部aの端面Aがクランクハブ22における端面Xに当接する、又は、係止部bの端面Bがクランクハブ22における端面Yに当接することによって規制されるものとなっており、両係止部a、bによってその移動範囲が規定されるものとなっている。
なお、本実施例では、ホルダ24をクランクハブ22に組み付けた状態において、クランクハブ22における上記の端面X、Yが第1の方向と直交する方向、すなわち、第2の方向に延在するものとなる。より詳しくは、以下の通り。
クランクハブ22におけるフランジ部22bは、平面視において略正方形状の角部を面取りしたような形状を有している。従って、フランジ部22bは、その周面に、互いに平行に延在する一対の端面を二組、具体的には、上記の端面X、Yと、端面V、Wとを有するものとなっている。なお、この端面X、Yと端面V、Wとは、互いに直交する方向に延在するものとなっている。
その上で、クランクハブ22(フランジ部22b)においては、前記したホルダ24をクランクハブ22に組み付けるためのネジ部材29が挿通される長孔22hは、前記二組の端面X、Y、V、Wのうちの一方の端面V、Wの延在方向に対し平行に延在するように形成されている。また、前記したように、クランクハブ22においては、長孔22hは、クランクハブ22に対しホルダ24を組み付けた状態において、その延在方向が第1の方向と一致するように形成されたものとなっている。従って、クランクハブ22におけるフランジ部22bは、クランクハブ22に対しホルダ24を組み付けた状態において、前記一方の端面V、Wも第1の方向に延在するものとなり、それに伴い、前記二組の端面X、Y、V、Wのうちの他方の端面X、Yは、第1の方向に対し直交する方向、すなわち、第2の方向に延在するものとなっている。因みに、本実施例では、クランクハブ22において、嵌挿孔22cの中心からフランジ部22bの両端面X、Yまでの第1の方向における距離については、同じ距離hであるものとする。
以上のような構成によるクランク式駆動装置20においては、前記したように、クランクハブ22に対しホルダ24が組み付けられた状態において、駆動軸34は、偏心軸部24aに形成された貫通孔24bに挿通されており、且つ、貫通孔24bの第1の方向における寸法が駆動軸34の直径よりも大きく形成されていてホルダ24の第1の方向への移動が許容される構成となっているので、偏心軸部24aの軸心L2を駆動軸34の軸心(=嵌挿孔22cの中心線)L1に対して偏心した状態とすることができるものとなっており(図2の状態では駆動軸34の軸心L1に対する偏心軸部24aの軸心L2の偏心量はeとなる)。なお、以下で言う「偏心方向」とは、そのように駆動軸34の軸心L1に対し偏心軸部24aの軸心L2が偏心した状態における駆動軸34の軸心L1に対する偏心軸部24aの軸心L2の方向を指す。因みに、前記した第1の方向とこの偏心方向とは平行ではあるが、第1の方向は向きを特定しない方向であるのに対し、偏心方向は向きが駆動軸34の軸心L1に対する偏心軸部24aの軸心L2の向きに特定された方向である。
そして、駆動軸34の軸心(=嵌挿孔22cの中心線)L1に対する偏心軸部24aの軸心L2の偏心量(以下、単に「偏心量」とも言う。)を変更する場合には、先ずは、クランクハブ22とホルダ24との両部材を固定状態としているネジ部材29による固定力を緩め、駆動軸34に対し相対回転不能に組み付けられたクランクハブ22(第1の支持部材)に対し、ホルダ24(第2の支持部材)が第1の方向に移動可能な状態とする。その上で、ホルダ24を第1の方向に移動させてクランクハブ22に対するホルダ24の位置を所望の偏心量となる位置に調節(変更)すると共に位置決めし、その位置決めした状態でネジ部材29を締め付けてクランクハブ22に対しホルダ24が再び固定された状態とすることにより、偏心量が変更された状態となる。
なお、本実施例では、一対の係止部a、bのうちの一方の係止部(図2、3における右側の係止部、以下、「第1の係止部」とも言う。)aにクランクハブ22が当接した場合(図8)に最も小さい偏心量(図示の例では偏心量e0(=0mm、すなわち、駆動軸34の軸心L1と偏心軸部24aの軸心とが一致した状態))に設定され、また、他方の係止部(図2、3における左側の係止部、以下、「第2の係止部」とも言う。)bにクランクハブ22が当接した場合(図9)に最も大きい偏心量(図示の例では偏心量e5(=10mm))に設定されるものとなっている。
連結部材26は、環状の部分を有する部材であって、ロッド14等を介してイージングレバー12a(12b)と連結されるものである。そして、連結部材26は、その前記環状の部分において軸受(ベアリング)28を介して偏心軸部24aに対し嵌装され、偏心軸部24aを介してホルダ24によって回転可能に支持されている。そして、クランク式駆動装置20は、この連結部材26と偏心軸部24aとホルダ24とによってクランクが構成されるものとなっている。
このような構成によるクランク式駆動装置20では、偏心量により、イージングレバー12a(12b)の往復揺動駆動における駆動量が決定される。また、駆動軸34の回転位相に対するクランクハブ22の角度関係により、イージングレバー12a(12b)におけるアーム16との連結部がクランク式駆動装置20から最も遠い揺動限、すなわち、イージングレバー12a(12b)の往復揺動中の上死点に達するタイミングが決定される。因みに、イージングレバー12a(12b)が前記上死点に達した状態では、駆動軸34の軸心L1と偏心軸部24aの軸心L2とを結ぶ直線と、偏心軸部24aの軸心L2とイージングレバー12a(12b)のアーム16との連結中心とを結ぶ直線とが一直線状になる状態であり、言い換えれば、前記の偏心方向がロッド14及びアーム16の延在方向と一致した状態である。
従って、ホルダ24をクランクハブ22に組み付けた状態で、駆動軸34に対するクランクハブ22の角度関係を調節することにより、駆動軸34の1回転中のどの回転位相において駆動対象であるイージングレバー12a(12b)が上死点に達するかを設定することができる。そこで、織機上の他の装置(例えば、開口装置)の動作との関係において、イージングレバー12a(12b)が上死点に達するべき織機主軸の回転角度に対応する駆動軸34の回転位相において、前記の偏心方向がロッド14の方を向くと共に、ロッド14の延在方向に一致するようにクランクハブ22を駆動軸34に対し組み付けることにより、テンションロールに対し所望のイージング動作を与えることができる。
そして、クランク式駆動装置20においては、前記のようにクランクハブ22に対する第1の方向におけるホルダ24の位置が変更されて駆動軸34の軸心(=嵌挿孔22cの中心線)L1に対する偏心軸部24aの軸心L2の偏心量が変更されることにより、イージングレバー12a(12b)の駆動量が変更(調節)されるものとなっている。
以上で説明したクランク式駆動装置20(以下、「前提装置」とも言う。)において、本発明では、そのクランク式駆動装置20が、第1の支持部材(クランクハブ22)及び第2の支持部材(ホルダ24)の一方の支持部材に設けられる第1の偏心量指標部であって偏心方向(第1の方向)において異なる位置に形成された3以上の第1の偏心量指標部と、第1の支持部材及び第2の支持部材の他方の支持部材に設けられる第2の偏心量指標部であって一方の支持部材における第1の偏心量指標部に対し偏心方向において位置を合わせることが可能に形成された第2の偏心量指標部とを備えるものである。なお、第1の偏心量指標部と第2の偏心量指標部とは、偏心方向(第1の方向)において両者の位置が合わせられることにより、偏心量が第1の偏心量指標部のそれぞれに応じた予め設定された設定偏心量となるようなクランクハブ22の嵌挿孔22cの中心(=駆動軸34の軸心L1)又はホルダ24の偏心軸部24aの軸心L2からの距離の位置に形成されるものである。
そして、本実施例では、前記の一方の支持部材が第2の支持部材であるホルダ24であり、他方の支持部材が第1の支持部材であるクランクハブ22であるものとし、その上で、第1の偏心量指標部がホルダ24の第1の方向における3以上の異なる位置であって偏心方向(第1の方向)に対し交差する方向(第2の方向)に延在する端面として形成されるものであり、また、第2の偏心量指標部がクランクハブ22において第1の偏心量指標部の前記端面に対し平行な方向(第2の方向)に延在する端面として形成されるものである。
なお、本実施例における前述の前提装置においては、ホルダ24が一対の係止部a、bを備えると共に、その係止部a、bが、第2の方向に延在する端面A、Bであってクランクハブ22のフランジ部22bの周面における端面(以下、「基準面」と言う。)X、Yのうちの対応する基準面と対向すると共に当接可能に設けられた端面(以下、「係止面」と言う。)A、Bを備えている。そして、前述のように、ホルダ24における係止面A、Bのいずれか一方とクランクハブ22における基準面X、Yのうちの対応する方とが当接することによってクランクハブ22に対するホルダ24の移動範囲(移動限)が規定されると共に、それぞれの当接状態において偏心量が最大又は最小に設定されるものとなっている。
このように、前提装置においても、一方の支持部材であるホルダ24における係止面A、Bのいずれか一方と他方の支持部材であるクランクハブ22における基準面X、Yのうちの対応する方とが当接して偏心方向(第1の方向)において両者の位置が合わせられることにより、偏心量が各当接に応じた所定の偏心量が設定されるものとなっている。従って、そのホルダ24の係止面A、Bも本発明における第1の偏心量指標部として機能するものであり、また、クランクハブ22の基準面X、Yが本発明における第2の偏心量指標部として機能するものとなっている。すなわち、前提装置も、2つの第1の偏心量指標部とそれに対応する第2の偏心量指標部とを備えたものとなっている。
但し、本発明では、前記一方の支持部材に対し3以上の第1の偏心量指標部が設けられるものであり、従って、本実施例では、一方の支持部材であるホルダ24は、前提装置における2つの第1の偏心量指標部(係止面A、B)に加え、その周面上(ホルダ本体24cの周面上)に第1の偏心量指標部として機能する4つの端面(以下、「指標面」と言う。)a1、a2、b1、b2を有するものとなっている。すなわち、本実施例の一方の支持部材(ホルダ24)は、2種類の第1の偏心量指標部であって、前提装置における2つの係止面A、Bと、周面に形成された4つの指標面a1、a2、b1、b2との6つの第1の偏心量指標部を有するものとなっている。
なお、第2の偏心量指標部について、前記のように、クランクハブ22における基準面X、Yがホルダ24における係止面A、B(第1の偏心量指標部)に対応する第2の偏心量指標部として機能するものであるが、本実施例では、この基準面X、Yは、第1の偏心量指標部としての4つの指標面a1、a2、b1、b2に対応する第2の偏心量指標部としても機能するものとなっている。言い換えると、クランクハブ22における基準面X、Yは、前記の係止面による第1の偏心量指標部と指標面による第1の偏心量指標部とに共通の第2の偏心量指標部となっている。従って、本実施例においては、前述の前提装置に対し本発明を適用するにあたり、第2の偏心量指標部が設けられるクランクハブ22については、第2の偏心量指標部として機能する新たな構成が追加されるものではなく、前述の前提装置で説明した構成のままである。そこで、以下では、第1の偏心量指標部として機能する4つの指標面a1、a2、b1、b2を含むホルダ24についてのみ説明すると共に、その指標面a1、a2、b1、b2による偏心量の設定(作用)について説明する。
前記のように、ホルダ24は、その周面上に、本発明で言う第1の偏心量指標部として機能する4つの指標面a1、a2、b1、b2を有している(図2、3)。
但し、指標面a1、a2と指標面b1、b2とは、第1の方向において、偏心軸部24aを挟んで両側に位置するように形成されている。すなわち、第1の方向において、第1の係止部a側には2つの指標面a1、a2が形成されており、第2の係止部b側には、2つの指標面b1、b2が形成されている。また、指標面a1と指標面a2とは、第2の方向において、第1の係止部aを挟んで両側に位置するように形成されている。同様に、指標面b1と指標面b2とは、第2の方向において、第2の係止部bを挟んで両側に位置するように形成されている。
さらに、各指標面a1、a2、b1、b2は、第1の係止部aの係止面(以下、「第1の係止面」とも言う。)A及び第2の係止部bの係止面(以下、「第2の係止面」とも言う。)Bと平行を為すように形成されている。従って、第1の方向において、2つの指標面a1、a2は、第1の係止面Aと反対方向を向く(第2の係止面Bと同じ方向を向く)と共に、2つの指標面b1、b2は、第2の係止面Bと反対の方向を向く(第1の係止面Aと同じ方向を向く)ものとなっている。なお、図3に示すように、第2の方向において、指標面a1と指標面b1とは、対応する側の係止部a、bに対し同じ側に位置しており、同様に、指標面a2と指標面b2とは、対応する側の係止部a、bに対し同じ側に位置している。
このように、各指標面a1、a2、b1、b2は、各係止面A、Bと平行を為すように形成されているため、ホルダ24をクランクハブ22に組み付けた状態において、クランクハブ22における基準面X、Yと平行を為すものとなる。従って、各指標面a1、a2、b1、b2は、平面視において、ホルダ24をクランクハブ22に対し第1の方向へ移動させることにより、対応する側の基準面X、Yに対し第1の方向における位置を一致させることが可能なものとなっている。
なお、前述のように、2種類の第1の偏心量指標部の一方である第1、第2の係止面A、Bは、それぞれ第1、第2の係止部a、bの端面であることから、第1の方向において偏心軸部24aを挟んで離間した位置に形成されたもの、すなわち、偏心方向(第1の方向)において異なる位置に形成されたものとなっている。
因みに、前記したように本実施例では、クランクハブ22における嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)から各基準面X、Yまでの第1の方向における距離(絶対値)は、同じ距離hである。また、クランクハブ22が一方の基準面(以下、「第1の基準面」と言う。)Xにおいてホルダ24の第1の係止面Aと当接した状態で偏心量がe0(=0mm)となるように設定されている。そして、そのような前記偏心量が0mmとなっている状態、すなわち、第1の基準面Xと第1の係止面Aとが位置を合わせられた(当接した)状態となっているときに駆動軸34の軸心L1と偏心軸部24aの軸心L2とが一致した状態となることから、ホルダ24における偏心軸部24aの軸心L2から第1の係止面Aまでの距離は、クランクハブ22における嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)から第1の基準面Xまでの距離hと一致したものとなっている。
一方で、偏心量が0mmとなっている状態では、クランクハブ22における他方の基準面Y(以下、「第2の基準面」と言う。)とホルダ24における第2の係止部bとは偏心方向(第1の方向)において離間した状態となっている。すなわち、偏心方向(第1の方向)において、ホルダ24における偏心軸部24aの軸心L2(駆動軸34の軸心L1)から第2の係止面Bまでの距離は、クランクハブ22における嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)から第2の基準面Yまでの距離hよりも大きくなっている。そして、クランクハブ22においては、偏心方向(第1の方向)における嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)から第1の基準面Xまでの距離と第2の基準面Yまでの距離とが同じであることから、ホルダ24における偏心軸部24aの軸心L2から第2の係止面Bまでの距離は、第1の係止面Aまでの距離よりも大きくなっており、その距離はh+10mmとなっている。
また、2種類の第1の偏心量指標部の他方である指標面a1、a2、b1、b2について、第1の方向に関し、2つの指標面a1、a2は第1の係止部a(第1の係止面A)側に設けられており、2つの指標面b1、b2は第2の係止部b(第2の係止面B)側に設けられている。従って、2つの指標面a1、a2と2つの指標面b1、b2とは、偏心方向(第1の方向)において異なる位置に形成されたものとなっている。さらに、指標面a1と指標面a2とは、第1の係止面Aからの第1の方向における距離が異なるように形成されており、また、指標面b1と指標面b2とは、第2の係止面Bからの第1の方向における距離が異なるように形成されたものとなっている。
より詳しくは、2つの指標面a1、a2は、第1の方向において、第1の係止面Aよりも第2の係止部b側に位置しており、第1の方向における第1の係止面Aからの距離について、指標面a1はその距離がe1となる位置に形成され、指標面a2はその距離がe2となる位置に形成されている。従って、指標面a1と指標面a2とは、偏心方向(第1の方向)において第1の係止面Aとは異なる位置であって互いに異なる位置に形成されたものとなっている。因みに、この距離e1、e2は、図示の例では、e1=2mm、e2=4mm(e1<e2)である。そして、これらの距離e1、e2は、偏心量がe0(=0mm)となる第1の係止面Aからの偏心量が大きくなる方向の距離であるため、その距離が偏心量に相当するものとなる。従って、第1の方向において第1の基準面Xと指標面a1との位置が合わせられることにより、偏心量はe1、すなわち、2mmとなり、第1の基準面Xと指標面a2との位置が合わせられることにより、偏心量はe2、すなわち、4mmとなる(図4、5)。
なお、このように第1の基準面Xと指標面a1との位置が合わせられることにより偏心量がe1(=2mm)となることから、指標面a1は、予め設定された前記の設定偏心量e1(=2mm)に対応する第1の偏心量指標部となる。同様に、指標面a2は、設定偏心量e2(=4mm)に対応する第1の偏心量指標部となる。さらに、第1の基準面Xと第1の係止面Aとの位置が合わせられることにより偏心量がe0(=0mm)となることから、第1の係止面Aは、設定偏心量e0(=0mm)に対応する第1の偏心量指標部となる。
また、2つの指標面b1、b2は、第1の方向において、第2の係止面Bよりも第1の係止部a側に位置しており、第1の方向における第2の係止面Bからの距離について、指標面b1は、その距離がe3’となる位置に形成され、指標面b2は、その距離がe4’となる位置に形成されている。従って、指標面b1と指標面b2とは、偏心方向(第1の方向)において第2の係止面Bとは異なる位置であって互いに異なる位置に形成されたものとなっている。
なお、この距離e3’、e4’については、偏心量がe5(=10mm)となる第2の係止面Bに対する偏心量が小さくなる方向の距離である。そして、第2の基準面Yと第2の係止面Bとの位置が合わせられたときに偏心量がe5(=10mm)となるものであるから、各指標面b1、b2に位置を合わせられたときの偏心量e3、e4は、e3=10−e3’、e4=10−e4’となる。因みに、この距離e3’、e4’は、図6、7の例では、e3’=4mm、e4’=2mmとされている。従って、第1の方向において第2の基準面Yと指標面b1との位置が合わせられることにより、偏心量はe3=10−4=6mmとなり、第2の基準面Yと指標面b2との位置が合わせられることにより、偏心量はe4=10−2=8mmとなる(e3<e4)。
このとき、第2の基準面Yと指標面b1との位置が合わせられることにより偏心量がe3(=6mm)となることから、指標面b1は、設定偏心量e3(=6mm)に対応する第1の偏心量指標部となり、同様に、指標面b2は、設定偏心量e4(=8mm)に対応する第1の偏心量指標部となる。さらに、第2の基準面Yと第2の係止面Bとの位置が合わせられたときの前記偏心量がe5(=10mm)となることから、第2の係止面Bは、設定偏心量e5(10mm)に対応する第1の偏心量指標部となる。
以上で述べたように、本実施例では、第1の偏心量指標部としての4つの指標面a1、a2、b1、b2及び2つの係止面A、Bと、第2の偏心量指標部としての2つの基準面X、Yとは、偏心方向(第1の方向)において両者の位置が合わせられることによって偏心量が予め設定された6つの設定偏心量のいずれかとなるようなクランクハブ22の嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)又はホルダ24の偏心軸部24aの軸心L2からの距離の位置に形成されるものとなっている。
言い換えれば、一方の支持部材である第2の支持部材としてのホルダ24に形成される3以上(6つ)の第1の偏心量指標部(4つの指標面a1、a2、b1、b2及び2つの係止面A、B)のうちの、ホルダ24の偏心軸部24aの軸心L2に対し相対偏心方向側に位置する2つの指標面a1、a2及び第1の係止面Aは、第1の方向に関し、他方の支持部材である第1の支持部材としてのクランクハブ22における当該第1の偏心量指標部に対応する第2の偏心量指標部(第1の基準面X)の嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)からの距離に対し、偏心軸部24aの軸心L2からその第1の偏心量指標部が対応する設定偏心量だけ短い距離の位置に形成されるものとなる。また、第1の偏心量指標部のうち、ホルダ24の偏心軸部24aの軸心L2に対し相対偏心方向とは反対側に位置する指標面b1、b2及び第2の係止面Bは、第1の方向に関し、他方の支持部材(クランクハブ22)における当該第1の偏心量指標部に対応する第2の偏心量指標部(第2の基準面Y)の嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)からの距離に対し、偏心軸部24aの軸心L2からその第1の偏心量指標部が対応する設定偏心量だけ長い距離の位置に形成されるものとなる。
但し、ここで言う「相対偏心方向」とは、ホルダ24における偏心軸部24aの軸心L2とクランクハブ22における嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)とが偏心した状態にあるときの、他方の支持部材(第2の偏心量指標部が設けられる側の支持部材(クランクハブ22))側の軸心(本実施例では、クランクハブ22側の駆動軸34の軸心L1)に対する一方の支持部材(第1の偏心量指標部が設けられる側の支持部材(ホルダ24))側の軸心(本実施例では、ホルダ24側の偏心軸部24aの軸心L2)の方向である。因みに、図示の例では相対偏心方向は右方向であり、偏心方向も右方向である。
すなわち、一方の支持部材(ホルダ24)における各第1の偏心量指標部は、第1の方向に関し、一方の支持部材側の軸心(偏心軸部24aの軸心L2)からの距離が、その第1の偏心量指標部が対応する他方の支持部材(クランクハブ22)における第2の偏心量指標部の他方の支持部材側の軸心(駆動軸34の軸心L1)からの距離に対し、その第1の偏心量指標部が駆動軸34の軸心L1よりも相対偏心方向側に設けられる場合には、その第1の偏心量指標部が対応する設定偏心量だけ短い距離の位置に設けられるものとなっており、また、その第1の偏心量指標部が駆動軸34の軸心L1よりも相対偏心方向側とは反対の側に設けられる場合には、その第1の偏心量指標部が対応する設定偏心量だけ長い距離の位置に設けられるものとなっている。
また、本実施例では、第1の基準面Xが各指標面a1、a2と位置を合わせられたとき、及び第2の基準面Yが各指標面b1、b2と位置を合わせられたときに設定される偏心量を作業者が視認して容易に把握できるように、クランクハブ22における各基準面X、Yにおけるホルダ24の指標面a1、a2、b1、b2と位置を合わせられる部分の近傍に、設定偏心量e1、e2、e3、e4を示す数字が刻印されたものとなっている。
具体的には、クランクハブ22(フランジ部22b)の反織機フレーム側の面には、第1の基準面Xにおける指標面a1と位置を合わせられる部分の近傍の位置に、指標面a1に対応する設定偏心量e1(=2mm)を示す数字「2」が刻印されている。同様に、指標面a2と位置を合わせられる第1の基準面Xの部分の近傍には指標面a2に対応する設定偏心量e2(=4mm)を示す数字「4」が刻印されており、また、指標面b1と位置を合わせられる第2の基準面Yの部分の近傍には指標面b2に対応する設定偏心量e3(=6mm)を示す数字「6」が刻印されている。さらに、指標面b2と位置を合わせられる第2の基準面Yの部分の近傍には指標面b2に対応する設定偏心量e4(=8mm)を示す数字「8」が刻印されている。
なお、この各数字と第1、第2の基準面X、Yとの関係について、言い換えれば、第1の基準面Xに対応して数字「2」及び「4」が刻印されると共に、第1の基準面Xにおける数字「2」の近傍に位置する部分は指標面a1とのみ位置を合わせることが可能となっており、数字「4」の近傍に位置する部分は指標面a2とのみ位置を合わせることが可能となっている。同様に、第2の基準面Yに対応して数字「6」及び「8」が刻印されると共に、第2の基準面Yにおける数字「6」の近傍に位置する部分は指標面b1とのみ位置を合わせることが可能となっており、数字「8」の近傍に位置する部分は指標面b2とのみ位置を合わせることが可能となっている。
さらに、クランクハブ22に刻印される数字と同じように、ホルダ24における第1、第2の係止部a、bにも、第1、第2の係止面A、Bに対し第1、第2の基準面X、Yが合わせられる(当接される)場合に設定される偏心量、すなわち、第1、第2の係止面A、Bに対応する設定偏心量を示す数字が刻印されている。具体的には、第1の係止部aの反織機フレーム側の面には、第1の係止面Aに対応する設定偏心量e0(=0mm)を示す数字「0」が刻印され、第2の係止部bの反織機フレーム側の面には、第2の係止面Bに対応する設定偏心量e5(=10mm)を示す数字「10」が刻印されている。
以上で構成を説明した本実施例におけるクランク式駆動装置20について、図4〜9に基づき、その作用を説明する。
本実施例におけるイージング装置10のクランク式駆動装置20において、イージング装置10の駆動量である偏心量の変更(調節)は、前述のように、ホルダ24をクランクハブ22に対し第1の方向へ移動させると共に、偏心量が所望の値となった位置で位置決めすることにより行われるものである。そして、このクランクハブ22に対するホルダ24の位置決めが、2つの係止面A、B及び4つの指標面a1、a2、b1、b2と、2つの基準面X、Yとの位置合わせによって行われるものである。具体的には、以下の1)〜6)の通りである。
1)所望の偏心量が2mmの場合には、図4に示すように、クランクハブ22において設定偏心量2mmを示す数字「2」の近傍に位置する第1の基準面Xの部分とホルダ24における指標面a1との偏心方向(第1の方向)における位置を合わせて位置決めを行う。これにより、偏心量が2mmに設定された状態となる。2)同様に、所望の偏心量が4mmの場合には、図5に示すように、クランクハブ22において設定偏心量4mmを示す数字「4」の近傍に位置する第1の基準面Xの部分とホルダ24における指標面a2との偏心方向(第1の方向)における位置を合わせて位置決めを行う。これにより、偏心量が4mmに設定された状態となる。
3)また、所望の偏心量が6mmの場合には、図6に示すように、クランクハブ22において設定偏心量6mmを示す数字「6」の近傍に位置する第2の基準面Yの部分とホルダ24における指標面b1との偏心方向(第1の方向)における位置を合わせて位置決めを行う。これにより、偏心量が6mmに設定された状態となる。4)さらに、所望の偏心量が8mmの場合には、図7に示すように、クランクハブ22において設定偏心量8mmを示す数字「8」の近傍に位置する第2の基準面Yの部分とホルダ24における指標面b2との偏心方向(第1の方向)における位置を合わせて位置決めを行う。これにより偏心量が8mmに設定された状態となる。
5)また、所望の偏心量が10mmの場合には、図9に示すように、数字「10」が刻印されたホルダ24の第2の係止部bの第2の係止面Bと、該第2の係止面Bと対向するクランクハブ22の第2の基準面Yとの位置合わせを行う、すなわち、第2の係止面Bと第2の基準面Yとを当接させた状態で位置決めを行う。これにより、偏心量が10mmに設定された状態となる。6)さらに、所望の偏心量が0mm、すなわち、ホルダ24をクランクハブ22に対し偏心させない場合には、図8に示すように、数字「0」が刻印されたホルダ24の第1の係止部aの第1の係止面Aと、該第1の係止面Aと対向するクランクハブ22の第1の基準面Xとの位置合わせを行う、すなわち、第1の係止面Aと第1の基準面Xとを当接させた状態で位置決めを行う。これにより偏心量が0mmに設定された状態となる。
このように、本実施例のクランク式駆動装置20では、一方の支持部材であるホルダ24が、第1、第2の係止面A、Bと4つの指標面a1、a2、b1、b2を備えた構成となっており、第1、第2の係止面A、Bが、他方の支持部材であるクランクハブ22における第1、第2の基準面X又はYと当接状態とされることによって偏心量が最小又は最大の値に設定されるものとなり、4つの指標面a1、a2、b1、b2が、第1、第2の基準面X又はYと偏心方向(第1の方向)において位置を合わせられることにより、クランクハブ22がホルダ24における両係止部a、b(第1、第2の係止面A、B)のいずれにも当接しない中間の位置であって偏心量を最小の値と最大の値との間の中間の値に設定することができる位置でクランクハブ22に対しホルダ24を位置決めすることができるようになっている。それにより、作業者は、クランクハブ22に対するホルダ24の前記中間の位置(偏心量が前記中間の値となる位置)での位置決めを容易に行うことができる構成となっている。従って、本実施例のクランク式駆動装置20によれば、3以上(6つ)の偏心量の設定を容易に行うことが可能となる。
しかも、本実施例では、前述の前提装置の構成に対し、ホルダ24の周面に偏心軸部24aの軸心L2の第1の方向における距離が異なる4つの指標面a1、a2、b1、b2を形成しただけであって、クランクハブ22に対しては特に変更を加えないものとなっており、公知の構成に対し簡単な変更を加えただけの構成によって前記効果が実現できるものとなっている。また、本実施例では、第1の偏心量指標部及び第2の偏心量指標部を前記した指標面a1、a2、b1、b2及び基準面X、Yのように偏心方向に対し直交する方向に延在する端面で構成されたものとしているため、前記中間の位置における位置合わせが、例えば、平面を有する別部材を使用することにより、より容易に且つ正確に行うことができる。
なお、本発明については、以上で説明した実施例(前記実施例)に限定されるものではなく、以下の(1)〜(6)のような変形した実施形態でも実施が可能である。
(1)前記実施例では、第1の偏心量指標部が第2の支持部材(ホルダ24)に形成されると共に、第2の偏心量指標部が第1の支持部材(クランクハブ22)に形成される構成、すなわち、第2の支持部材(ホルダ24)が本発明における一方の支持部材であると共に、第1の支持部材(クランクハブ22)が他方の支持部材である構成としたが、これに代えて、図10、11に示すように、第1の偏心量指標部が第1の支持部材(クランクハブ22)に形成されると共に、第2の偏心量指標部が第2の支持部材(ホルダ24)に形成される構成、すなわち、第1の支持部材(クランクハブ22)が一方の支持部材となり、また、第2の支持部材(ホルダ24)が他方の支持部材となる構成としてもよい。
具体的には、図10、11に示す例では、駆動軸34の軸心方向におけるクランクハブ22に対するホルダ24の配置は前記実施例と同じものである。但し、この例では、前記実施例とは逆に、クランクハブ22に対し第1の偏心量指標部として機能する第1、第2の2つの係止面M、N及び4つの指標面m1、m2、n1、n2が形成されると共に、ホルダ24に対し第2の偏心量指標部として機能する第1、第2の基準面S、Tが形成される構成となっている。
より詳しくは、ホルダ24は、その外周面(ホルダ本体24cの外周面)における第1の方向において偏心軸部24aの両側に位置する2つの部分が、第2の方向に延在する端面S、Tとして形成されている。そして、この2つの端面が、第1、第2の基準面S、Tとなる。
また、クランクハブ22は、そのフランジ部22bの織機フレーム側の端面22dに、クランクハブ22に対しホルダ24が組み付けられた状態で第1の方向においてホルダ24(ホルダ本体24c)を挟む位置にホルダ24側へ突出するかたちで形成された一対の係止部m、nであって、ホルダ24の第1、第2の基準面S、Tと対向する端面M、Nが第2の方向に延在するように形成された一対の係止部m、nを有する構成となっている。そして、一対の係止部m、nのうち、ホルダ24の第1の基準面Sと対向する係止部(第1の係止部(図示の例での右側の係止部))mの端面Mが第1の係止面Mとなり、第2の基準面Tと対向する係止部(第2の係止部)nの端面Nが第2の係止面Nとなる。
さらに、クランクハブ22は、その周面に、前記実施例におけるホルダ24に形成された4つの指標面に相当する4つの指標面m1、m2、n1、n2が形成されたものとなっている。より詳しくは、クランクハブ22は、その周面(フランジ部22bの周面)に、第1の方向において嵌挿孔22cを挟んで2つずつ形成されると共に第2の方向に延在する指標面m1、m2と指標面n1、n2とを有し、2つの指標面m1、m2は第2の方向において第1の係止部mを挟むかたちで両側に形成され、2つの指標面n1、n2は第2の方向において第2の係止部nを挟むかたちで両側に形成されたものとなっている。
なお、この例における第1、第2の基準面S、Tと、他方の支持部材(ホルダ24)側の軸心(偏心軸部24aの軸心L2)との位置関係は、前記実施例における第1、第2の基準面X、Yと、他方の支持部材(クランクハブ22)側の軸心(嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1))との位置関係と同様であって、図11に示すように、ホルダ24における偏心軸部24aの軸心L2から第1の基準面Sまでの第1の方向における距離と該偏心軸部24aの軸心L2から第2の基準面Tまでの第1の方向における距離とは同じ距離dとなっている。
また、第1、第2の係止面M、Nと、一方の支持部材(クランクハブ22)側の軸心(嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1))との位置関係も前記実施例と同様であって、第1の方向における嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)から第1の係止面Mまでの距離はホルダ24における偏心軸部24aの軸心L2から第1の基準面Sまでの距離と同じ距離dであり、嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)から第2の係止面Nまでの距離はd+10mmとなっている。すなわち、第1の係止面Mは設定偏心量0mmに対応する第1の偏心量指標部となり、第2の係止面Nは設定偏心量10mmに対応する第1の偏心量指標部となっている。
さらに、一方の支持部材(クランクハブ22)における各指標面m1、m2、n1、n2と、第1、第2の係止面M、Nとの位置関係についても、前記実施例における一方の支持部材(ホルダ24)の指標面a1、a2、b1、b2と、第1、第2の係止面A、Bとの位置関係と同様となっている。すなわち、指標面m1は、設定偏心量e1(=2mm)に対応するものであって嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)からの距離がd−e1=d−2mmの位置に形成されており、指標面m2は、設定偏心量e2(=4mm)に対応するものであって嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)からの距離がd−e2=d−4mmの位置に形成されている。また、指標面n1は、設定偏心量e3(=6mm)に対応するものであって嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)からの距離がd+10−e3’(=4mm)=d+6mmの位置に形成されており、指標面n2は、設定偏心量e4(=8mm)に対応するものであって嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)からの距離がd+10−e4’(=2mm)=d+8mmの位置に形成されている。
以上のように、この例においても、各第1の偏心量指標部(2つの係止面M、N及び4つの指標面m1、m2、n1、n2)は、前記実施例と同様に、偏心方向において互いに異なる位置に形成されている。そして、この図10、11に示す例では、上記で述べたように、第1の偏心量指標部(4つの指標面m1、m2、n1、n2及び2つの係止面M、N)と第2の偏心量指標部(2つの基準面S、T)とは、偏心方向において位置が合わせられることによって偏心量が、第2の偏心量指標部と位置が合わせられた第1の偏心量指標部に対する設定偏心量となるように、クランクハブ22における嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)又はホルダ24における偏心軸部24aの軸心L2からの距離の位置に形成されるものとなっている。
言い換えれば、この例においても、前記実施例と同様に、一方の支持部材(クランクハブ22)における各第1の偏心量指標部は、第1の方向に関し、その第1の偏心量指標部が駆動軸34の軸心L1よりも相対偏心方向側に設けられる場合には、その第1の偏心量指標部が対応する他方の支持部材(ホルダ24)における第2の偏心量指標部の他方の支持部材側の軸心(偏心軸部24aの軸心L2)からの距離に対し、一方の支持部材側の軸心(駆動軸34の軸心L1)からその第1の偏心量指標部が対応する設定偏心量だけ短い距離の位置に設けられるものとなっており、また、その第1の偏心量指標部が駆動軸34の軸心L1よりも相対偏心方向側とは反対の側に設けられる場合には、その第1の偏心量指標部が対応する設定偏心量だけ長い距離の位置に設けられるものとなっている。ちなみに図10、図11では、相対偏心方向は右方向であり、偏心方向は左方向である。
(2)前記実施例では、第2の偏心量指標部として機能する基準面を他方の支持部材(クランクハブ22)が2つ有する場合において、各基準面X、Yの他方の支持部材側の軸心(嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1))からの第1の方向における距離が同じ距離hとなっている構成としたが、本発明においては、前記実施例のように第2の偏心量指標部の他方の支持部材側の軸心(前記実施例では駆動軸34の軸心L1)からの距離については、前記実施例のように同じである必要はなく、異なる距離であってもよい。なお、その場合においても、一方の支持部材における第1の偏心量指標部については、偏心方向において、対応する第2の偏心量指標部と位置が合わせられることにより、偏心量がその第1の偏心量指標部に応じた設定偏心量となるような一方の支持部材側の軸心からの距離の位置の形成されたものとなる。
具体的には、例えば、前記実施例の場合で言うと、前記実施例では、その構成において、他方の支持部材であるクランクハブ22側の前記軸心(駆動軸34の軸心L1)からの第1、第2の基準面X、Y(第2の偏心量指標部)までの距離を同じ距離hとしているが、これを、一方の基準面(第1の基準面X)については前記距離が距離hの位置に形成され、他方の基準面(第2の基準面Y)については前記距離が距離h−距離k(又は、h+k)の位置に形成されるものとしてもよい。但し、前記実施例の構成の場合では、駆動軸34が挿通される偏心軸部24aの貫通孔24bを形成するために、他方の基準面(第2の基準面Y)の前記距離は、駆動軸34の半径よりも大きい距離である必要がある。
そして、その場合、一方の支持部材であるホルダ24に形成される第1の偏心量指標部のうち、第1の係止面A及び指標面a1、a2は、前記実施例と同じ位置であるが、第2の係止面Bは、前記実施例では距離h+10mmであったのに対し、距離h+10mm−k(又は、h+10mm+k)の位置に形成されるものとなる。そして、指標面b1、b2は、この第2の係止面Bに対する前記実施例と同様の位置に形成されるものとなる。なお、その場合において、一方の支持部材(ホルダ24)側の前記軸心(偏心軸部24aの軸心L2)からの各係止面A、Bでの距離は、前記実施例のように異なっている必要は無く、同じであってもよい。
(3)また、一方の支持部材に設けられる第1の偏心量指標部について、以上で説明した例では、一方の支持部材が一対の係止部を有し、その係止部の端面である係止面も第1の偏心量指標部として機能する構成としたが、本発明においては、一方の支持部材は、そのような係止部を備えるものには限定されず、係止部を備えないものであってもよい。すなわち、前記実施例では、一方の支持部材に設けられる第1の偏心量指標部について、係止面(係止部における端面)と指標面(一方の支持部材の周面上に形成された端面)との2種類の端面がその第1の偏心量指標部として機能するものとしたが、本発明においては、3以上の第1の偏心量指標部がそのような2種類の端面からなる構成である必要はなく、第1の偏心量指標部が同じ種類の端面のみによって構成されるものであってもよい。但し、その場合は、係止部の係止面による第1の偏心量指標部は2つしか存在しないため、3以上の第1の偏心量指標部は、前記指標面、すなわち、周面上の端面のみによって構成されるものとなる。
(4)さらに、第1の偏心量指標部について、前記実施例及び図10、11に示す例では、一方の支持部材に4つの指標面と2つの係止面との6つの第1の偏心量指標部が設けられる構成としたが、本発明においては、第1の偏心量指標部は3以上であればよい。従って、例えば、前記実施例の構成において、前記のように係止部を省略し、周面上の端面(指標面)のみが第1の偏心量指標部として機能する構成であってもよい。但し、その場合において、その周面上における第1の偏心量指標部は前記実施例のように4つである必要はなく、1つを省略(例えば、一方の基準面に対応する指標面を前記第1の方向において同じ位置に形成する等)して3つとしてもよい。また、前記実施例の構成における一対の係止部による2つの端面(係止面)に加え、周面上に1以上の第1の偏心量指標部として機能する端面(指標面)が形成される構成としてもよい。さらに、前記実施例の構成における一対の係止部の一方を省略し、第1の偏心量指標部として機能する係止面を1つとした上で、それに加え、周面上に2以上の第1の偏心量指標部として機能する端面(指標面)が形成される構成としてもよい。
(5)また、第1の偏心量指標部及びそれに対応する他方の支持部材側に設けられる第2の偏心量指標部について、前記実施例及び図10、11に示す例では、第1の偏心量指標部及び第2の偏心量指標部が、第1の方向において、両支持部材の軸心を挟んで両側に設けられる構成となっているが、本発明においては、両偏心量指標部がこのように両側に設けられるものに限らず、各支持部材の軸心に対し、第1の方向において片側にのみ設けられる構成であってもよい。すなわち、前記実施例の構成を例に挙げるとすると、ホルダ24に設けられる第1の偏心量指標部について、第1の方向において偏心軸部24aの軸心L2に対し一方の側に設けられる第1の偏心量指標部(第1の係止面A、2つの指標面a1、a2)及び他方の側に設けられる第1の偏心量指標部(第2の係止面B、2つの指標面b1、b2)のうちの例えば一方の側の第1の偏心量指標部のみがホルダ24に設けられる構成としてもよい。なお、その場合、クランクハブ22における第1の方向において嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)を挟んで両側に位置する2つの端面X、Yのうち、第1の偏心量指標部が設けられる側の端面Xが第2の偏心量指標部(基準面)となる。(クランクハブ22におけるもう一方の端面Yについては、合わせられるべき第1の偏心量指標部が存在しないため、第2の偏心量指標部とはならない。)
(6)以上で説明した例では、第1の支持部材(クランクハブ22)及び第2の支持部材(ホルダ24)に形成された端面が第1の偏心量指標部及び第2の偏心量指標部として機能する構成、言い換えると、第1の偏心量指標部及び第2の偏心量指標部が第1の支持部材(クランクハブ22)及び第2の支持部材(ホルダ24)に端面として設けられる構成として説明したが、本発明では、第1の偏心量指標部及び/又は第2の偏心量指標部は、そのような端面によるものに限らず、下記1)、2)のように構成されたものであってもよい。
1)前記実施例及び図10、11で示す例のように一方の支持部材が2つの係止部を有する構成において、その係止部が、例えば、円形の断面を有する棒状の部材であって、第1の方向において一方の支持部材側の軸心を挟んで両側に位置する一対の部材で形成されるものとしてもよい。その場合、その棒状の部材において、他方の支持部材側の端面で形成された第2の偏心量指標部(基準面)と当接する部分が、第1の偏心量指標部として機能するものとなる。
2)また、図12に示すように、第1の偏心量指標部を目盛りPの形態で形成し、第2の偏心量指標部をその第1の偏心量指標部に合わせられるマークQとしても良い。なお、この図12の構成について、詳しくは以下の通り。
図12の例は、前記実施例と同様に、第2の支持部材であるホルダ24を一方の支持部材とすると共に、第1の支持部材であるクランクハブ22を他方の支持部材とする例である。そして、図示の例において、ホルダ24は、その周面(ホルダ本体24cの周面)上に第1の方向に延在するように形成された端面24hを有すると共に、その周面上の端面24hに6つの目盛りPが形成されるものとなっている。また、クランクハブ22は、その周面(フランジ部22bの周面)上に第1の方向に延在する端面Vであって第2の方向において前記の目盛りPが形成されるホルダ24の端面24hと同じ位置になるように形成された端面Vを有すると共に、その端面Vに三角形状のマークQが形成されるものとなっている。
なお、ホルダ24に形成される6つの目盛りPは、図示のように第1の方向において偏心軸部24aの軸心L2に対し相対偏心方向側で、それぞれ異なる位置に形成されている。ちなみに図示の例では相対偏心方向は右方向であり、偏心方向も右方向である。また、クランクハブ22に形成されるマークQは、ホルダ24側の目盛りPと同じく、嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)に対し相対偏心方向側に形成されており、その三角形の頂点の1つがホルダ24側の目盛りPを指向するものとなっている。
そして、この例では、ホルダ24に形成される目盛りPが第1の偏心量指標部として機能すると共に、クランクハブ22に形成されるマークQが第2の偏心量指標部として機能するものとなる。
より詳しくは、ホルダ24に形成される6つの目盛りPは、それぞれ設定偏心量0mm、2mm、4mm、6mm、8mm、10mmに対応するものであり、その第1の偏心量指標部としての各目盛りPは、第1の方向において、クランクハブ22における嵌挿孔22cの中心(駆動軸34の軸心L1)からマークQ(第2の偏心量指標部)までの距離に対して、偏心軸部24aの軸心L2からその第1の偏心量指標部が対応する設定偏心量だけ短い距離の位置に形成されている。
すなわち、この例においても、一方の支持部材(ホルダ24)に形成される第1の偏心量指標部(各目盛りP)は、第1の方向に関し、駆動軸34の軸心L1よりも相対偏心方向側に設けられていることから、その一方の支持部材側の軸心(偏心軸部24aの軸心L2)からの距離が、他方の支持部材(クランクハブ22)側の軸心(駆動軸34の軸心L1)から第2の偏心量指標部(マークQ)までの距離に対し第1の偏心量指標部(各目盛りP)が対応する設定偏心量だけ短い距離の位置に形成されるものとなっている。従って、この例では、第1の方向において、第2の偏心量指標部であるマークQ(三角形の前記頂点)を第1の偏心量指標部であるいずれかの目盛りPに合わせることにより、偏心量がその合わせた目盛りPに対応する設定偏心量に設定されるものとなる。
なお、図12に示す例では、目盛りPが駆動軸34の軸心L1に対し相対偏心方向側に設けられるものとしたが、この第1の偏心量指標部としての目盛りPが駆動軸34の軸心L1に対し相対偏心方向側とは反対の側に設けられる場合には、目盛りPは、第1の方向に関し、偏心軸部24aの軸心L2からの距離が、駆動軸34の軸心L1からマークQまでの距離に対し各目盛りPが対応する設定偏心量だけ長い距離の位置に設けられるものとなる。また、そのような目盛りP及びマークQについては、図12に示すようにホルダ24に目盛りPが形成されると共にクランクハブ22にマークQが形成されるものに限らず、クランクハブ22に目盛りが形成されると共にホルダ24にマークが形成されるものであってもよい。
なお本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。