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JP2016074256A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2016074256A
JP2016074256A JP2014204275A JP2014204275A JP2016074256A JP 2016074256 A JP2016074256 A JP 2016074256A JP 2014204275 A JP2014204275 A JP 2014204275A JP 2014204275 A JP2014204275 A JP 2014204275A JP 2016074256 A JP2016074256 A JP 2016074256A
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正剛 久保田
Masataka Kubota
正剛 久保田
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】タイヤの騒音性能を維持しつつウェット性能を向上できる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21〜24と、これらの周方向主溝21〜24に区画されて成る複数の陸部31〜35とを備える。また、セカンド陸部34が、一方の端部にてセカンド陸部34の内部で終端すると共に他方の端部にて最外周方向主溝24側のエッジ部に開口する複数のセカンドラグ溝44と、タイヤ周方向に隣り合う一方のセカンドラグ溝44の終端部から他方のセカンドラグ溝44の終端部まで延在するサイプ5と、タイヤ幅方向内側のエッジ部に形成されたジグザグ形状の面取部6とを備える。【選択図】図3

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの騒音性能を維持しつつウェット性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤでは、優れた静粛性を確保する一方で、タイヤのウェット性能(操縦安定性および排水性)を高めることが要求される。このような課題に関する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2010−247795号公報
この発明は、タイヤの騒音性能を維持しつつウェット性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とを備える空気入りタイヤであって、タイヤ幅方向の最も外側にある一方の前記周方向主溝を最外周方向主溝と呼ぶと共に、前記最外周方向に区画されたタイヤ幅方向内側の前記陸部をセカンド陸部と呼ぶときに、前記セカンド陸部が、一方の端部にて前記セカンド陸部の内部で終端すると共に他方の端部にて前記最外周方向主溝側のエッジ部に開口する複数のセカンドラグ溝と、タイヤ周方向に隣り合う一方の前記セカンドラグ溝の終端部から他方の前記セカンドラグ溝の終端部まで延在するサイプと、タイヤ幅方向内側のエッジ部に形成されたジグザグ形状の面取部とを備えることを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、セカンド陸部がセカンドラグ溝、サイプおよび面取部を備えることにより、セカンド陸部のエッジ成分が増加して、ウェット路面での操縦安定性が向上する。これにより、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。また、セカンドラグ溝が一方の端部にてセカンド陸部の内部で終端するセミクローズド構造を有することにより、ラグ溝が陸部を貫通するオープン構造を有する構成と比較して、パターンノイズが低減されて、タイヤの騒音性能が向上する利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図3は、図2に記載したトレッドパターンの一方のセカンド陸部を示す平面図である。 図4は、図3に記載したセカンド陸部の面取部を示す説明図である。 図5は、図3に記載したセカンド陸部の面取部を示す説明図である。 図6は、図2に記載したトレッドパターンの一方のショルダー陸部を示す平面図である。 図7は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図8は、従来例の試験タイヤを示すトレッド平面図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。また、車幅方向内側および車幅方向外側とは、タイヤを車両に装着したときの車幅方向に対する向きを示す。ここでは、タイヤ赤道面を境界とする左右の領域のうち、タイヤの車両装着時にて車幅方向外側にある領域を外側領域と呼び、車幅方向内側にある領域を内側領域と呼ぶ。
この空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、複数のビードワイヤを束ねて成る環状部材であり、左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を構成する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの繊維方向の傾斜角)を有する。
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの繊維方向の傾斜角)を有し、ベルトコードの繊維方向を相互に交差させて積層される(クロスプライ構造)。ベルトカバー143は、コートゴムで被覆されたスチールあるいは有機繊維材から成る複数のコードを圧延加工して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー143は、交差ベルト141、142のタイヤ径方向外側に積層されて配置される。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、リムフランジに対する左右のビード部の接触面を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、オールシーズン用タイヤのトレッドパターンを示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端である。
図2に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21〜24と、これらの周方向主溝21〜24に区画された複数の陸部31〜35と、これらの陸部31、32、34、35に配置された複数のラグ溝41、42、44、45とをトレッド部に備える。
周方向主溝とは、摩耗末期を示すウェアインジケータを有する周方向溝であり、一般に、4.0[mm]以上の溝幅および7.5[mm]以上の溝深さを有する。また、ラグ溝とは、2.0[mm]以上の溝幅および3.0[mm]以上の溝深さを有する横溝をいう。また、後述するサイプとは、陸部に形成された切り込みであり、一般に1.5[mm]以下のサイプ幅を有することにより、タイヤ接地時に閉塞する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を基準として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を基準として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
サイプ幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
例えば、図2の構成では、4本の周方向主溝21〜24がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。また、4本の周方向主溝21〜24により、5列の陸部31〜35が区画されている。また、中央の陸部33が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。
しかし、これに限らず、3本あるいは5本以上の周方向主溝が配置されても良い(図示省略)。また、周方向主溝21〜24がタイヤ赤道面CLを中心として左右非対称に配置されても良い(図示省略)。また、いずれかの周方向主溝が、タイヤ赤道面CL上に配置されても良い(図示省略)。このため、陸部33が、タイヤ赤道面CLから外れた位置に配置され得る。
ここでは、タイヤ幅方向の最も外側にある左右の周方向主溝21、24を最外周方向主溝と呼ぶ。また、左右の最外周方向主溝21、24を境界として、トレッド部センター領域およびトレッド部ショルダー領域を定義する。
また、左右の最外周方向主溝21、24に区画されたタイヤ幅方向外側の左右の陸部31、35をショルダー陸部と呼ぶ。左右のショルダー陸部31、35は、左右のタイヤ接地端T、T上にそれぞれ配置される。また、左右の最外周方向主溝21、24に区画されたタイヤ幅方向内側の左右の陸部32、34をセカンド陸部と呼ぶ。したがって、セカンド陸部32、34は、最外周方向主溝21、24に隣接する。また、左右のセカンド陸部32、34のタイヤ幅方向内側にある陸部33をセンター陸部と呼ぶ。図2の構成では、1列のセンター陸部33のみが存在するが、5本以上の周方向主溝を備える構成では、複数のセンター陸部が定義される。
[車幅方向外側のセカンド陸部]
図3は、図2に記載したトレッドパターンの一方のセカンド陸部を示す平面図である。同図は、タイヤの車両装着状態にて車幅方向外側に位置するセカンド陸部34の拡大平面図を示している。
図3に示すように、車幅方向外側のセカンド陸部34は、複数のセカンドラグ溝44と、複数のサイプ5とを備える。
複数のセカンドラグ溝44は、セミクローズド構造を有し、一方の端部にてセカンド陸部34の内部で終端すると共に、他方の端部にて最外周方向主溝24側のエッジ部に開口する。また、セカンドラグ溝44が、上記のセミクローズド構造を有することにより、セカンド陸部34が、タイヤ幅方向内側領域にてタイヤ周方向に連続するリブとなる。これにより、セカンド陸部34の剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能が確保される。
例えば、図3の構成では、セカンド陸部34が、タイヤ幅方向外側(車幅方向外側)のエッジ部に開口する複数のセカンドラグ溝44を備え、これらのセカンドラグ溝44が、タイヤ周方向に所定間隔で配置されている。また、セカンドラグ溝44が、傾斜ラグ溝であり、セカンドラグ溝44のタイヤ周方向に対する傾斜角の最大値が、10[deg]以上50[deg]以下の範囲にある。また、セカンドラグ溝44の溝幅の最大値が、2[mm]以上4[mm]以下の範囲内にある。
また、セカンド陸部34の最外周方向主溝24側のエッジ部からセカンドラグ溝44の終端部までのタイヤ幅方向の距離W3と、セカンド陸部34の幅W2とが、0.15≦W3/W2≦0.60の関係を有する。これにより、セカンド陸部34内におけるセカンドラグ溝44のタイヤ幅方向の距離W3が適正化される。
セカンドラグ溝44の距離W3およびセカンド陸部34の幅W2は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態としたときの、セカンドラグ溝44の終端位置および周方向主溝23、24の溝幅の測定点を基準として測定される。したがって、周方向主溝23側のエッジ部が面取部6を有する構成では、面取部6を除外した溝開口部のエッジ部の仮想線が測定点となる。
サイプ5は、周方向サイプであり、タイヤ周方向に隣り合う一方のセカンドラグ溝44の終端部から他方のセカンドラグ溝44の終端部まで延在する。サイプ5は、例えば、ストレート形状、円弧形状、ジグザグ形状(V字、Z字、W字を含む。)などを有し得る。
例えば、図3の構成では、サイプ5が、タイヤ幅方向内側に凸となる屈曲形状を有している。具体的には、サイプ5が、タイヤ周方向に対して相互に異なる傾斜角をもつ一対の直線部を接続して成るV字形状を有し、V字形状の頂部をタイヤ幅方向内側に向けて配置されている。また、サイプ5の屈曲形状の屈曲角θが、100[deg]≦θ≦160[deg]の範囲にある。また、サイプ5の屈曲形状の振幅Wsと、セカンド陸部34の幅W2とが、0.10≦Ws/W2≦0.40の関係を有する。これにより、サイプ5の屈曲部により、セカンド陸部34のエッジ成分が増加し、また、最外周方向主溝24と一対のセカンドラグ溝44、44とサイプ5とに区画されたセカンド陸部34の部分の剛性が高められている。
サイプ5の屈曲形状の振幅Wsは、サイプ5のタイヤ幅方向にかかる延在領域の幅として測定される。
また、サイプ5のV字形状の1つの直線部が、セカンドラグ溝44の延長線上に配置されている。これにより、セカンド陸部34のタイヤ周方向の剛性変化が低減されている。
また、サイプ5のV字形状の1つの直線部が、後述する面取部6のジグザグ形状の直線部に対して平行に配置されている。具体的には、面取部6の直線部に対するV字形状の直線部の傾斜角が、±5[deg]の範囲内にある。これにより、サイプ5と面取部6との間のトレッド踏面の幅が均一化されて、セカンド陸部34のタイヤ周方向の剛性変化が低減されている。
また、サイプ5の両端部とラグ溝44の終端部との間に、微少な隙間が空けられている。したがって、サイプ5が、ラグ溝44に連通することなく、ラグ溝44の終端部の近傍で終端している。また、サイプ5の終端部とラグ溝44の終端部との距離(微少な隙間)Gが、1.0[mm]≦G≦4.0[mm]の範囲にある。これにより、タイヤ加硫成形時にて、サイプ5の成形金型とラグ溝44の成形金型との間に空気の逃げ道が確保されて、セカンド陸部34の加硫成形不良が低減される。
また、サイプ5の屈曲形状の屈曲部と、セカンドラグ溝44の終端部とのタイヤ周方向の距離L2(L21、L22)が、隣り合うセカンドラグ溝44、44の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L2/L1の関係を有することが好ましく、0.20≦L2/L1の関係を有することがより好ましい。すなわち、サイプ5の屈曲部とセカンドラグ溝44の終端部とが、タイヤ周方向にセカンドラグ溝44の配置間隔(距離L1)の10%以上ずれて配置されることが好ましい。これにより、タイヤ転動時における打音が分散されて、タイヤのパターンノイズが低減される。なお、比L2/L1の上限は、特に限定がないが、サイプ5の屈曲部と他方のセカンドラグ溝44の終端部との位置関係や、後述する面取部6の最大幅位置との関係により、制約を受ける。
また、サイプ5の屈曲形状の屈曲部と、後述する面取部6の最大幅位置とのタイヤ周方向の距離L3が、隣り合うセカンドラグ溝44、44の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L3/L1の関係を有することが好ましく、0.20≦L3/L1の関係を有することがより好ましい。すなわち、サイプ5の屈曲部と面取部6の最大幅位置とが、タイヤ周方向にセカンドラグ溝44の配置間隔(距離L1)の10%以上ずれて配置されることが好ましい。これにより、タイヤ転動時における打音が分散されて、タイヤのパターンノイズが低減される。なお、比L3/L1の上限は、特に限定がないが、サイプ5の屈曲部および面取部6の最大幅位置とセカンドラグ溝44の終端部との位置関係により、制約を受ける。
距離L1、L2、L3は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。また、距離L2は、1つのサイプ5の屈曲部と隣り合う一対のセカンドラグ溝44の終端部との距離L21、L22としてそれぞれ定義される。
図4および図5は、図3に記載したセカンド陸部の面取部を示す説明図である。これらの図において、図4は、セカンド陸部34のタイヤ幅方向内側にある周方向主溝23の溝幅方向の断面図を示し、図5は、周方向主溝23の溝開口部の斜視図を示している。なお、図5の仮想線は、周方向主溝23の溝幅の測定点(面取部6を除外したときの溝開口部の輪郭線)を示している。
図3〜図5に示すように、この空気入りタイヤ1では、タイヤ幅方向外側領域にあるセカンド陸部34が、面取部6を有する。
面取部6は、トレッド平面視にてタイヤ周方向に延在するジグザグ形状を有し、セカンド陸部34のタイヤ幅方向内側のエッジ部に形成される。これにより、車幅方向外側領域のエッジ成分が増加して、特に車両旋回時におけるタイヤのウェット操縦安定性能が向上する。
例えば、図3の構成では、セカンド陸部34のタイヤ幅方向内側にある周方向主溝23が、ストレート形状の溝壁を有し、その溝開口部の左右のエッジ部に面取部6をそれぞれ備えている。また、面取部6が、トレッド面にて、相互に異なる傾斜角をもつ長尺部と短尺部とをタイヤ周方向に交互に接続して成るジグザグ形状を有している。具体的には、図5に示すように、周方向主溝23の溝開口部のエッジ部が、ストレート形状のエッジ部(図5の破線部)に、三角錐形状を有する複数の面取部6をタイヤ周方向に連続して形成した形状を有している。このため、図3および図4に示すように、面取部6が、所定の幅Wcおよび深さHcを有している。また、これらの面取部6の幅Wcおよび深さHcが、タイヤ周方向に向かうに連れて周期的に変化している。
また、図3において、面取部6の最大幅Wcと、セカンド陸部34を区画するタイヤ幅方向内側の周方向主溝23の溝幅W1とが、0.10≦Wc/W1≦0.50の関係を有することが好ましく、0.30≦Wc/W1≦0.40の関係を有することがより好ましい。これにより、面取部6の最大幅Wcが適正化される。
面取部6の最大幅Wcは、面取部6のタイヤ幅方向の最大幅であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態としたときの周方向主溝23の溝幅の測定点を基準として測定される。
また、図4において、面取部6の最大深さHcと、セカンド陸部34を区画するタイヤ幅方向内側の周方向主溝23の溝深さH1とが、0.10≦Hc/H1≦0.50の関係を有することが好ましく、0.20≦Hc/H1≦0.30の関係を有することがより好ましい。
面取部6の最大深さHcは、周方向主溝23の溝深さ方向の面取部6の最大深さであり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態としたときの周方向主溝23の溝幅の測定点を基準として測定される。
また、図3において、面取部6の最大幅位置とセカンドラグ溝44の終端部とのタイヤ周方向の距離L4(L41、L42)が、隣り合うセカンドラグ溝44、44の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L4/L1の関係を有することが好ましく、0.20≦L4/L1の関係を有することがより好ましい。すなわち、面取部6の最大幅位置とセカンドラグ溝44の終端部とが、タイヤ周方向にセカンドラグ溝44の配置間隔(距離L1)の10%以上ずれて配置されることが好ましい。これにより、タイヤ転動時における打音が分散されて、タイヤのパターンノイズが低減される。なお、比L4/L1の上限は、特に限定がないが、サイプ5の屈曲部および他方のセカンドラグ溝44の終端部との位置関係により、制約を受ける。
距離L4は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。また、距離L4は、面取部6の1つの最大幅位置と隣り合う一対のセカンドラグ溝44、44の終端部との距離L41、L42としてそれぞれ定義される。
[車幅方向外側領域のショルダー陸部]
図6は、図2に記載したトレッドパターンの一方のショルダー陸部を示す平面図である。同図は、タイヤの車両装着状態にて車幅方向外側に位置するショルダー陸部35の拡大平面図を示している。
図6に示すように、車幅方向外側のショルダー陸部35は、複数のショルダーラグ溝45と、1本の周方向細溝26とを備える。
ショルダーラグ溝45は、セミクローズド構造を有し、一方の端部にて陸部35の内部で終端し、タイヤ接地端Tを越えてトレッド端まで延在する。また、ショルダーラグ溝45が、上記のセミクローズド構造を有することにより、ショルダー陸部35がタイヤ周方向に連続して延在するリブとなる。これにより、車幅方向外側領域の陸部の剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能が確保される。このショルダーラグ溝45は、2[mm]以上4[mm]以下の溝幅を有する。
周方向細溝26は、タイヤ接地面内に配置されて、タイヤ周方向に直線状に延在する。この周方向細溝26は、2[mm]以上4[mm]以下の溝幅を有する。この周方向細溝26により、タイヤ接地面における排水性が向上する。
また、図3の構成では、セカンドラグ溝44の開口部とショルダーラグ溝45の終端部とのタイヤ周方向の距離L5(L51、L52)が、隣り合うショルダーラグ溝45、45の終端部のタイヤ周方向の距離L6に対して、0.10≦L5/L6の関係を有することが好ましく、0.20≦L5/L6の関係を有することがより好ましい。すなわち、セカンドラグ溝44の開口部とショルダーラグ溝45の終端部とが、タイヤ周方向にショルダーラグ溝45の配置間隔(距離L6)の10%以上ずれて配置されることが好ましい。これにより、タイヤ転動時における打音が分散されて、タイヤのパターンノイズが低減される。なお、比L5/L6の上限は、セカンドラグ溝44の開口部とショルダーラグ溝45の終端部とがタイヤ周方向に等間隔で交互に配置されたときに、L5/L6=0.50となる。
距離L5、L6は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。また、距離L5は、1つのセカンドラグ溝44の開口部と隣り合う一対のショルダーラグ溝45の終端部との距離L51、L52としてそれぞれ定義される。
[車幅方向内側領域のショルダー陸部]
また、図2に示すように、車幅方向内側領域にあるセカンド陸部32(車幅方向内側領域にあるタイヤ幅方向の最も外側の周方向主溝21に区画されたタイヤ幅方向内側の陸部)が、タイヤ幅方向にセカンド陸部32を貫通するラグ溝42を備える。これにより、セカンド陸部32が、タイヤ周方向に複数のブロックに分断されて、ブロック列となっている。これにより、車幅方向内側領域における排水性が高められる。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21〜24と、これらの周方向主溝21〜24に区画されて成る複数の陸部31〜35とを備える(図2参照)。また、セカンド陸部34が、一方の端部にてセカンド陸部34の内部で終端すると共に他方の端部にて最外周方向主溝24側のエッジ部に開口する複数のセカンドラグ溝44と、タイヤ周方向に隣り合う一方のセカンドラグ溝44の終端部から他方のセカンドラグ溝44の終端部まで延在するサイプ5と、タイヤ幅方向内側のエッジ部に形成されたジグザグ形状の面取部6とを備える(図3参照)。
かかる構成では、セカンド陸部34がセカンドラグ溝44、サイプ5および面取部6を備えることにより、セカンド陸部34のエッジ成分が増加して、ウェット路面での操縦安定性が向上する。これにより、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。また、セカンドラグ溝44が一方の端部にてセカンド陸部34の内部で終端するセミクローズド構造を有することにより、ラグ溝が陸部を貫通するオープン構造を有する構成(図示省略)と比較して、パターンノイズが低減されて、タイヤの騒音性能が向上する利点がある。
特に、セカンドラグ溝44がセカンド陸部34のタイヤ幅方向外側のエッジ部に開口するので、ラグ溝がセカンド陸部のタイヤ幅方向内側のエッジ部に開口する構成(図示省略)と比較して、ウェット路面での排水性が向上する。さらに、セカンド陸部44がタイヤ幅方向内側のエッジ部に面取部6を備えることにより、ウェット路面での排水性がさらに向上する。これらにより、タイヤのウェット性能が大きく向上する。
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ5が、タイヤ幅方向内側に凸となる屈曲形状を有する(図3参照)。かかる構成では、最外周方向主溝24、隣り合うセカンドラグ溝44、44およびサイプ5に区画されたセカンド陸部34の部分の剛性が高められる。これにより、ウェット路面での操縦安定性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ5の屈曲形状の直線部が、セカンドラグ溝44の延長線上にある(図3参照)。これにより、セカンド陸部34のタイヤ周方向の剛性変化が低減されて、ウェット路面での操縦安定性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ5の屈曲形状の直線部が、面取部6のジグザグ形状の直線部に対して平行である(図3参照)。かかる構成では、サイプ5と面取部6との間のトレッド踏面の幅が均一化される。これにより、セカンド陸部34のタイヤ周方向の剛性変化が低減されて、ウェット路面での操縦安定性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ5の屈曲形状の屈曲角θが、100[deg]≦θ≦160[deg]の範囲にある(図3参照)。これにより、サイプ5の屈曲角θが適正化される利点がある。すなわち、100[deg]≦θであることにより、サイプが鋭角となることに起因する最外周方向主溝22、隣り合うセカンドラグ溝44、44およびサイプ5に区画されたセカンド陸部34の部分の剛性の低下が抑制されて、ウェット路面での操縦安定性能が確保される。また、θ≦160[deg]であることにより、サイプ5の屈曲形状によるエッジ成分が確保されて、ウェット路面での操縦安定性能が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ5の屈曲形状の振幅Wsと、セカンド陸部34の幅W2とが、0.10≦Ws/W2≦0.40の関係を有する(図3参照)。これにより、サイプ5の振幅Wsが適正化される利点がある。すなわち、0.10≦Ws/W2であることにより、サイプ5の振幅Wsが確保されて、ウェット路面での操縦安定性能が向上する。また、Ws/W2≦0.40であることにより、サイプ5が過大となることに起因するセカンド陸部34の剛性低下が抑制されて、ウェット路面での操縦安定性能が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ5の屈曲形状の屈曲部とセカンドラグ溝44の終端部とのタイヤ周方向の距離L2(L21、L22)が、隣り合うセカンドラグ溝44、44の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L2/L1の関係を有する(図3参照)。かかる構成では、サイプ5の屈曲部とセカンドラグ溝44の終端部とがタイヤ周方向に分散して配置されて、タイヤ転動時におけるパターンノイズが低減される。これにより、タイヤの騒音性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、サイプ5の屈曲形状の屈曲部と面取部6の最大幅位置とのタイヤ周方向の距離L3が、隣り合うセカンドラグ溝44、44の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L3/L1の関係を有する(図3参照)。かかる構成では、サイプ5の屈曲部と面取部6の最大幅位置とがタイヤ周方向に分散して配置されて、タイヤ転動時におけるパターンノイズが低減される。これにより、タイヤの騒音性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、セカンド陸部34の最外周方向主溝24側のエッジ部からセカンドラグ溝44の終端部までのタイヤ幅方向の距離W3と、セカンド陸部34の幅W2とが、0.15≦W3/W2≦0.60の関係を有する(図3参照)。これにより、セカンドラグ溝44のタイヤ幅方向の延在距離W3が適正化される利点がある。すなわち、0.15≦W3/W2であることにより、セカンドラグ溝44の距離W3が確保されて、ウェット路での排水性が確保される。また、W3/W2≦0.60であることにより、セカンドラグ溝44の距離W3が過大となることに起因するセカンド陸部34の剛性低下が抑制されて、ウェット路面での操縦安定性能が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、面取部6の最大幅位置とセカンドラグ溝44の終端部とのタイヤ周方向の距離L4(L41、L42)が、隣り合うセカンドラグ溝44、44の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L4/L1の関係を有する(図3参照)。かかる構成では、面取部6の最大幅位置とセカンドラグ溝44の終端部とがタイヤ周方向に分散して配置されて、タイヤ転動時におけるパターンノイズが低減される。これにより、タイヤの騒音性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、面取部6の最大幅Wcと、セカンド陸部34を区画するタイヤ幅方向内側の周方向主溝23の溝幅W1とが、0.10≦Wc/W1≦0.50の関係を有する(図3参照)。これにより、面取部6の最大幅Wcが適正化される利点がある。すなわち、0.10≦Wc/W1であることにより、面取部6のエッジ成分が確保されて、ウェット路での操縦安定性能が確保される。また、Wc/W1≦0.50であることにより、面取部6が過大となることに起因するセカンド陸部34の剛性の低下が抑制されて、ウェット路面での操縦安定性能が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、面取部6の最大深さHcと、セカンド陸部44を区画するタイヤ幅方向内側の周方向主溝23の溝深さH1とが、0.10≦Hc/H1≦0.50の関係を有する(図4参照)。これにより、面取部6の最大深さHcが適正化される利点がある。すなわち、0.10≦Hc/H1であることにより、面取部6の最大深さHcが確保されて、ウェット路での操縦安定性能が確保される。また、Hc/H1≦0.50であることにより、面取部6が過大となることに起因するセカンド陸部34の剛性の低下が抑制されて、ウェット路面での操縦安定性能が確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部(車幅方向外側領域にあるショルダー陸部)35が、一方の端部にて陸部35の内部で終端すると共に他方の端部にてタイヤ接地端に開口する複数のショルダーラグ溝45を有する(図2参照)。また、セカンドラグ溝44の開口部とショルダーラグ溝45の終端部とのタイヤ周方向の距離L5(L51、L52)が、隣り合うショルダーラグ溝45、45の終端部のタイヤ周方向の距離L6に対して、0.10≦L5/L6の関係を有する(図6参照)。かかる構成では、セカンドラグ溝44の開口部とショルダーラグ溝45の終端部とがタイヤ周方向に分散して配置されて、タイヤ転動時におけるパターンノイズが低減される。これにより、タイヤの騒音性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、最外周方向主溝24に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部35が、2[mm]以上4[mm]以下の溝幅を有する周方向細溝26を備える(図2参照)。これにより、ウェット路面での排水性が向上して、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ幅方向の最も外側にある他方の周方向主溝(車幅方向内側領域の最外周方向主溝)21に区画されたタイヤ幅方向内側の陸部(車幅方向内側領域のセカンド陸部)32が、タイヤ幅方向に陸部32を貫通するラグ溝42を備える(図2参照)。これにより、ウェット路面での排水性が向上して、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。
[タイヤ装着方向の指定]
また、この空気入りタイヤ1は、セカンド陸部34を有する側を車幅方向外側にして車両に装着すべきこと(図2参照)を指定する装着方向指定部(図示省略)を備える。かかる構成では、セカンドラグ溝44、サイプ5および面取部6を備えるセカンドラグ溝34が、車幅方向外側に配置されることにより、タイヤのウェット性能の向上効果を顕著に得られる利点がある。なお、装着方向指定部は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸によって構成される。
図7は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。図8は、従来例の試験タイヤを示すトレッド平面図である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)ウェット操縦安定性能および(2)騒音性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ205/55R16 91Vの試験タイヤがリムサイズ16×6.5JJのリムに組み付けられ、この試験タイヤに200[kPa]の空気圧およびJATMA規定の最大負荷が付与される。また、試験タイヤが、試験車両である排気量1.6[L]のFF(Front engine Front drive)乗用車の総輪に装着される。
(1)ウェット操縦安定性能に関する評価では、試験車両が水深1[mm]で散水したアスファルト路を速度40[km/h]で走行し、テストドライバーが操縦安定性に関する官能評価を行う。この評価は、従来例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
(2)騒音性能に関する評価では、試験車両が粗い路面を有するテストコースを10[km/h]〜20[km/h]で惰性走行し、テストドライバーが車内騒音に関する官能評価を行う。この評価は、従来例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。また、評価が99以上であれば、騒音性能が適性に維持されているといえる。
実施例1〜15の試験タイヤは、図1〜図3に記載した構成を有し、車幅方向外側のセカンド陸部(外側セカンド陸部)34が、セカンドラグ溝44、サイプ5および面取部6を備える。また、周方向主溝23の溝幅W1が9.0[mm]であり、溝深さH1が8.0[mm]である。また、セカンド陸部34の幅W2が24[mm]であり、セカンドラグ溝44の配置間隔(距離L1)が30[mm]である。
従来例の試験タイヤは、図8に記載した構成を有する。また、車幅方向外側のセカンド陸部では、セカンドラグ溝がセカンド陸部のタイヤ赤道面CL側のエッジ部に開口し、また、サイプが円弧形状を有している。また、セカンド陸部が面取部を備えていない。
試験結果に示すように、実施例1〜15の試験タイヤでは、タイヤの騒音性能を維持しつつウェット性能を向上できることが分かる。
1:空気入りタイヤ、21〜24:周方向主溝、25、26:周方向細溝、31〜35:陸部、41、42、44、45:ラグ溝、5:サイプ、6:面取部、11:ビードコア、12:ビードフィラー、13:カーカス層、14:ベルト層、141、142:交差ベルト、143:ベルトカバー、15:トレッドゴム、16:サイドウォールゴム、16:リムサイズ、17:リムクッションゴム

Claims (16)

  1. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とを備える空気入りタイヤであって、
    タイヤ幅方向の最も外側にある一方の前記周方向主溝を最外周方向主溝と呼ぶと共に、前記最外周方向に区画されたタイヤ幅方向内側の前記陸部をセカンド陸部と呼ぶときに、
    前記セカンド陸部が、一方の端部にて前記セカンド陸部の内部で終端すると共に他方の端部にて前記最外周方向主溝側のエッジ部に開口する複数のセカンドラグ溝と、タイヤ周方向に隣り合う一方の前記セカンドラグ溝の終端部から他方の前記セカンドラグ溝の終端部まで延在するサイプと、タイヤ幅方向内側のエッジ部に形成されたジグザグ形状の面取部とを備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記サイプが、タイヤ幅方向内側に凸となる屈曲形状を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイプの屈曲形状の直線部が、前記セカンドラグ溝の延長線上にある請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイプの屈曲形状の直線部が、前記面取部のジグザグ形状の直線部に対して平行である請求項2または3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイプの屈曲形状の屈曲角θが、100[deg]≦θ≦160[deg]の範囲にある請求項2〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイプの屈曲形状の振幅Wsと、前記セカンド陸部の幅W2とが、0.10≦Ws/W2≦0.40の関係を有する請求項2〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記サイプの屈曲形状の屈曲部と前記セカンドラグ溝の終端部とのタイヤ周方向の距離L2が、隣り合う前記セカンドラグ溝の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L2/L1の関係を有する請求項2〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記サイプの屈曲形状の屈曲部と前記面取部の最大幅位置とのタイヤ周方向の距離L3が、隣り合う前記セカンドラグ溝の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L3/L1の関係を有する請求項2〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記セカンド陸部の前記最外周方向主溝側のエッジ部から前記セカンドラグ溝の終端部までのタイヤ幅方向の距離W3と、前記セカンド陸部の幅W2とが、0.15≦W3/W2≦0.60の関係を有する請求項1〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記面取部の最大幅位置と前記セカンドラグ溝の終端部とのタイヤ周方向の距離L4が、隣り合う前記セカンドラグ溝の終端部のタイヤ周方向の距離L1に対して、0.10≦L4/L1の関係を有する請求項1〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記面取部の最大幅Wcと、前記セカンド陸部を区画するタイヤ幅方向内側の前記周方向主溝の溝幅W1とが、0.10≦Wc/W1≦0.50の関係を有する請求項1〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記面取部の最大深さHcと、前記セカンド陸部を区画するタイヤ幅方向内側の前記周方向主溝の溝深さH1とが、0.10≦Hc/H1≦0.50の関係を有する請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の前記陸部が、一方の端部にて前記陸部の内部で終端すると共に他方の端部にてタイヤ接地端に開口する複数のショルダーラグ溝を有し、且つ、
    前記セカンドラグ溝の開口部と前記ショルダーラグ溝の終端部とのタイヤ周方向の距離L5が、隣り合う前記ショルダーラグ溝の開口部のタイヤ周方向の距離L6に対して、0.10≦L5/L6の関係を有する請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の前記陸部が、2[mm]以上4[mm]以下の溝幅を有する周方向細溝を備える請求項1〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  15. タイヤ幅方向の最も外側にある他方の前記周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向内側の前記陸部が、タイヤ幅方向に前記陸部を貫通するラグ溝を備える請求項1〜14のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記セカンド陸部を有する側を車幅方向外側にして車両に装着すべきことを指定する装着方向指定部を備える請求項1〜15のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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