JP2016069557A - ポリアミドペレットの貯蔵方法 - Google Patents
ポリアミドペレットの貯蔵方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016069557A JP2016069557A JP2014201621A JP2014201621A JP2016069557A JP 2016069557 A JP2016069557 A JP 2016069557A JP 2014201621 A JP2014201621 A JP 2014201621A JP 2014201621 A JP2014201621 A JP 2014201621A JP 2016069557 A JP2016069557 A JP 2016069557A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- storage
- polyamide
- pressure
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Polyamides (AREA)
Abstract
【課題】ジカルボン酸と1,5−ペンタンジアミンとを重縮合してなる、均一かつ優れた色調のポリアミド樹脂を得る為のポリアミド樹脂の貯蔵方法の提供。
【解決手段】主として1,5−ペンタンジアミンを含むジアミンとジカルボン酸を重縮合してなるポリアミドペレットの貯蔵において、貯蔵雰囲気での酸素濃度及び温度を規定することで色調変化を抑制する。
【選択図】なし
【解決手段】主として1,5−ペンタンジアミンを含むジアミンとジカルボン酸を重縮合してなるポリアミドペレットの貯蔵において、貯蔵雰囲気での酸素濃度及び温度を規定することで色調変化を抑制する。
【選択図】なし
Description
本発明は、1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸を重縮合してなるポリアミドペレットの貯蔵に関するものである。
環境問題への意識の高まりから、近年従来の石油由来原料の代替として植物由来原料を用いた環境配慮型ポリマーの開発が盛んに進められている。例えば、モノマー成分に植物由来原料から得られた1,5−ペンタンジアミンを用いたポリペンタメチレンアジパミド樹脂を製造した例が特許文献1に開示されている。この方法では、従来の課題であった高重合度化が達成されている。
1,5−ペンタンジアミンを原料としたポリアミド樹脂は、高分子材料としての期待が高まりつつある一方、ナイロン66やナイロン6のような汎用ナイロンと比較して着色しやすい課題があり、特許文献2には、重縮合時に比較的低い加熱温度でポリペンタメチレンアジパミド樹脂を製造した例が開示されている。また、特許文献3には重縮合装置と重縮合時の圧力条件などを限定することで、前バッチから残存するポリマーの量とその着色を抑え、得られるポリペンタメチレンアジパミド樹脂の色調を改善する方法が示されている。
また、特許文献4にはポリアミドを含む一般的な熱可塑性樹脂の数ヶ月という長期間の保存方法が記載されている。ナイロン6やナイロン66といった一般的なポリアミドの色調は、長期間では色調悪化するが、1ヶ月程度の保管は大気中、常温保管でも実用上問題なく使用できる。
しかしながら、1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸との重縮合において得られたペレットは、14日間常温保管によって色調が大きく変化するため、1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸のポリマは保管中に色調を悪化させない技術が望まれていた。
本発明は、1,5−ペンタンジアミンを原料としたポリアミドペレットの着色を抑制する技術に関する。
本発明では、1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸との重縮合において得られたペレットを貯蔵する工程において、温度管理および酸素濃度管理することにより、優れた色調のポリアミド樹脂を繊維や樹脂用途の製造工程へ提供することを可能にする。
上記課題を解決するための、本発明は以下の構成からなる。
(1)主として1,5−ペンタンジアミンを含むジアミンとジカルボン酸との反応により製造したポリアミドペレットを貯蔵する方法において、貯蔵雰囲気での酸素濃度をC〔vol%〕、温度をT〔℃〕としたとき、下記式の条件を満足するポリアミドペレットの貯蔵方法。
1≦(−1.5C+55)/T(0≦C)
(2)ポリアミドペレット中の水分率が10質量%以下であることを特徴とする(1)記載のポリアミドペレットの貯蔵方法。
(3)ジカルボン酸がアジピン酸および/またはセバシン酸であることを特徴とする(1)または(2)記載ポリアミドペレットの貯蔵方法。
(4)前記(1)〜(2)記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がアジピン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度ΔYIが5.0以下であるポリアミドペレット。
(5)前記(1)〜(2)記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がアジピン酸であり、かつ貯蔵14日後の黄色度YIが5.0以下であるポリアミドペレット。
(6)前記(1)〜(2)記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がセバシン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度ΔYIが3.0以下であるポリアミドペレット。
(7)前記(1)〜(2)記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がセバシン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度YIが2.0以下であるポリアミドペレット。
(1)主として1,5−ペンタンジアミンを含むジアミンとジカルボン酸との反応により製造したポリアミドペレットを貯蔵する方法において、貯蔵雰囲気での酸素濃度をC〔vol%〕、温度をT〔℃〕としたとき、下記式の条件を満足するポリアミドペレットの貯蔵方法。
1≦(−1.5C+55)/T(0≦C)
(2)ポリアミドペレット中の水分率が10質量%以下であることを特徴とする(1)記載のポリアミドペレットの貯蔵方法。
(3)ジカルボン酸がアジピン酸および/またはセバシン酸であることを特徴とする(1)または(2)記載ポリアミドペレットの貯蔵方法。
(4)前記(1)〜(2)記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がアジピン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度ΔYIが5.0以下であるポリアミドペレット。
(5)前記(1)〜(2)記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がアジピン酸であり、かつ貯蔵14日後の黄色度YIが5.0以下であるポリアミドペレット。
(6)前記(1)〜(2)記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がセバシン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度ΔYIが3.0以下であるポリアミドペレット。
(7)前記(1)〜(2)記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がセバシン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度YIが2.0以下であるポリアミドペレット。
本発明により、優れた色調の1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸を原料にしたポリアミド樹脂を得ることができる。
本発明で用いるジアミンは、本発明の効果を損なわない範囲で、1,5−ペンタンジアミンを除く他のジアミンを含んでも良い。ジアミンとして、主に含む1,5−ペンタンジアミンは70モル%以上が好ましく、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上である。
その他のジアミンとして、例えばエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどを含むことができる。
本発明で用いるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ、なかでもアジピン酸および/またはセバシン酸が工業的に入手し易く、また得られた塩水溶液を重縮合してなるポリアミド樹脂において耐熱性等のポリマー特性が優れるため好適に用いられる。
本発明のポリアミド樹脂の相対粘度は、サンプル濃度0.01g/mLの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度として、好ましくは2.0以上であるとよい。より好ましくは、2.05〜7.0、さらに好ましくは2.1〜6.5、特に好ましくは2.15〜6.0である。相対粘度は2.0以上であればポリアミド樹脂の機械物性が十分に発現し、8.0以下であれば成形が困難とならず好ましい。
本発明のポリアミドペレットには、さらに分子量調節のために公知の末端封止剤を添加することができる。末端封止剤としては、モノカルボン酸が好ましい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノカルボン酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げることができる。末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸などを挙げることができる。これらのモノカルボン酸を1種以上用いても良い。
本発明においてポリアミド樹脂の重縮合方法は特に限定されない。ポリアミド樹脂の重縮合方法には一般に連続重合法およびバッチ重合法があるが、バッチ重合法によるポリアミド樹脂の重縮合法をポリペンタメチレンアジパミドおよびポリペンタメチレンセバカミドを例にとり製造法の概略を示す。
ジアミン(1,5−ペンタンジアミン)とジカルボン酸(アジピン酸またはセバシン酸)の等モル塩の水溶液を調製し、耐圧容器で加熱による濃縮を行う(濃縮工程)。濃縮は、一旦重縮合装置とは別の装置で任意の水分率とすることもでき、この場合の濃縮後水分率は10質量%以上、30質量%以下が好ましく、10質量%以上、20質量%以下がさらに好ましい。
濃縮後のジアミン−ジカルボン酸塩水溶液は、目標とする圧力となるまで密閉加熱を行う(昇圧工程)。容器内の圧力(絶対圧)の最大は、1.0MPa以上で実施する。1.0MPa以上であれば、モノマー成分である1,5−ペンタンジアミンの蒸発量が多くなりすぎず、モルバランスが崩れることなくポリアミド樹脂の重合度やアミノ基量が低くなりすぎることがない。上限は特にないが、重縮合装置の耐圧などを考慮して、好ましくは3.0MPa以下、さらに好ましくは2.0MPa以下が採用される。
上記圧力を維持しながら、濃縮後のジアミン−ジカルボン酸塩水溶液の缶内温度が240〜260℃となるまで水分を留去させた後(制圧工程)、さらに加熱を継続しながら内圧を徐々に0.1MPa(大気圧)まで放圧する(放圧工程)。放圧開始する温度は、240℃以上であれば、放圧工程で内液が固化することなく重縮合ができ、また、260℃以下であれば、熱劣化によるポリマーの着色が抑制できる点で好ましい。
放圧工程の後、耐圧の反応容器内を減圧し、重縮合を進めた後(減圧工程)、加圧し、重縮合したポリマーを吐出する。
減圧工程終了後のポリマーの温度は重縮合するポリアミド樹脂の種類によって好ましい温度が異なる。ポリペンタメチレンアジパミドの場合、260〜285℃が好ましく、より好ましくは265〜280℃である。260℃以上であれば、ポリマーの溶融粘度が上がりすぎることがなく容器内での流動性を良好に保つことができる。また、285℃以下であればポリマーの色調悪化も抑制できる。
また、ポリヘキサメチレンアジパミドの場合、減圧工程終了後のポリマーの温度は270〜295℃が好ましく、より好ましくは275〜295℃である。270℃以上であれば、ポリマーの溶融粘度が上がりすぎることなく容器内での流動性を良好に保つことができる。また、295℃以下であればポリマーの色調悪化も抑制できる。
また、ポリペンタメチレンセバカミドの場合、減圧工程終了後のポリマーの温度は245〜275℃が好ましく、より好ましくは250〜265℃である。245℃以上であれば、ポリマーの溶融粘度が上がりすぎることなく容器内での流動性を良好に保つことができる。また、275℃以下であればポリマーの色調悪化も抑制できる。
また、ポリヘキサメチレンアジパミドの場合、減圧工程終了後のポリマーの温度は270〜295℃が好ましく、より好ましくは275〜295℃である。270℃以上であれば、ポリマーの溶融粘度が上がりすぎることなく容器内での流動性を良好に保つことができる。また、295℃以下であればポリマーの色調悪化も抑制できる。
また、ポリペンタメチレンセバカミドの場合、減圧工程終了後のポリマーの温度は245〜275℃が好ましく、より好ましくは250〜265℃である。245℃以上であれば、ポリマーの溶融粘度が上がりすぎることなく容器内での流動性を良好に保つことができる。また、275℃以下であればポリマーの色調悪化も抑制できる。
また、加熱重縮合後のポリアミド樹脂は、反応容器からストランド状に押し出し、カッティングして、ペレットとすることが好ましい。
このペレットを固相重合することによって、分子量を上昇させることも可能である。固相重合は、100℃〜融点の温度範囲で、真空中、あるいは不活性ガス中で加熱することにより進行し、加熱重縮合では分子量が不十分なポリアミド樹脂を高分子量化することができる。
一般的なポリアミド樹脂であるポリカプロアミドの製造原料として用いられているε−カプロラクタムを重縮合して得られるポリアミドペレット、あるいはヘキサメチレンアジパミドの製造原料として用いられているヘキサメチレンジアミン(1,6−ジアミノヘキサン)とアジピン酸の塩を重縮合して得られるポリアミドペレット、あるいはヘキサメチレンジアミン(1,6−ジアミノヘキサン)とセバシン酸の塩を重縮合して得られるポリアミドペレットは、14日間常温保管による色調の悪化小さい。
一方で、1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸との重縮合において得られたペレットは、14日間常温保管によって色調が大きく悪化する。
よって、1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸との重縮合において得られたペレットは、一般的なポリアミド樹脂でN6、N66は貯蔵期間1ヶ月程度であれば常温、大気条件下で放置しても問題ないが、1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸との重縮合において得られたペレットは着色しやすく、短期的な貯蔵においても管理された条件下で行う必要があった。
鋭意検討した結果、1,5−ペンタンジアミンとジカルボン酸との重縮合において得られたペレットを貯蔵する方法において、貯蔵雰囲気での酸素濃度をC〔vol%〕、温度をT〔℃〕としたとき、下記式を満足する条件において色調悪化が抑制されることを見いだした。
1≦(−1.5C+55)/T(0≦C)、より好ましくは、2≦(−1.5C+55)/T(0≦C)である。
1≦(−1.5C+55)/T(0≦C)、より好ましくは、2≦(−1.5C+55)/T(0≦C)である。
ポリアミドペレットを保管の際の温度Tは、上限が55℃以下である上記式を満たす範囲であることが必要である。好ましい範囲は、上限が20℃以下、さらに好ましい範囲は10℃以下である。下限は特に制限はないが、冷却に要するコストの面から0℃以上が好ましい。
また、ポリアミドペレットを保管する際の酸素濃度Cは上記式を満たす範囲であることが必要である。好ましい範囲は、21vol%以下であり、さらに好ましいのは10vol%以下である。下限は特に制限はないが、管理の煩雑さより、0.1vol%以上が好ましい。
容器内の酸素を除去もしくは低下させる方法としては、特に限定されないが、窒素、炭酸ガス等の不活性ガスによるガス置換、または脱酸素剤による酸素の捕集等、真空による酸素濃度の低下が挙げられる。この中でも、窒素によるガス置換することが好ましい。
また、酸素濃度を管理する上で密閉された状態で保存しても良い。密閉する方法は、密閉機能を備えた空間で貯蔵しておく方法、密閉機能を備えた袋に貯蔵しておく方法、窒素流通下のサイロに貯蔵しておく方法等が挙げられる。この中でも、密閉機能を備えた袋に入れ、貯蔵することが好ましい。
袋の材質としては、気密性の高いものが好ましく、この様な特性を持った包装材は種々市販されているが、ヒートシールにより簡便に密封できるものがよく、熱融着及び/または縫製などの手段で包装袋に成型される。
包装袋の形状は特に制限はなく、平袋、ガゼット袋、角底袋、フレコンなどのフレキシブル容器等公知の包装袋形状を採用することができる。
水分率は、ペレット中の水分量が質量比でペレットに対して、上限は10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、最も好ましいのは1質量%以下である。水分率が1〜5質量%程度であれば、遠心脱水等による水分除去が可能であり、加熱乾燥等の必要がないため、ペレット色調が良好に保たれる。また、貯蔵時のYIは良好である。水分率が1質量%以下であれば、乾燥による水分除去が必要となり、加熱乾燥によってペレットのYIが悪化するが、貯蔵後のΔYIは小さくなる。下限に制限はないが0.01質量%以上が好ましい。0.01質量%未満の場合、設備や管理工程が煩雑となり経済的に不利になる傾向があるばかりでなく、乾燥時間に多大な時間を要するため着色や熱分解、異物の生成等の劣化が引き起こされる傾向がある。
かくして得られる本発明の保管14日後のポリアミドペレットは、色調に優れるので、ポリアミドペレットの黄色度YIを低減させることができる。好ましい態様においては、ポリペンタメチレンアジパミドペレットの黄色度YIは5.0以下であり、より好ましい態様においては、3.0以下である。さらに好ましくは1.5以下であり、下限値としては特にないが−15以上であることが実用上好ましい。
また、ポリペンタメチレンセバカミドペレットの保管14日後の黄色度YIは、2.0以下であることが好ましく、より好ましい態様においては、0.5以下である。さらに好ましくは0以下であり、下限値としては特にないが−15以上であることが実用上好ましい。
なお、ここでいうYI値は後述する方法により測定された値をいう。YIが低いことは、着色の少ないことを表す。着色が大きいと用途範囲が限定され、また製品価値の低下につながるため、YIは低いほうが好ましい。
本発明のポリアミドペレットには、本発明の効果を阻害しない範囲で用途に応じて添加剤を配合することができる。これら添加剤は、ポリアミド樹脂の重合時に添加、もしくはポリアミド樹脂と溶融混合することにより配合することができる。溶融混合する際には押出機を用いて溶融混合することもできる。さらにこれら添加剤を含むマスターチップをチップブレンドすることもできる。ポリアミドペレットと物理的に混合したりした後、紡糸、押出成形、射出成形などの成形に供することにより配合することもできる。
このような添加剤の例として、例えば6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムといったラクタムが挙げられる。
また、酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(酸化チタン、硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホン酸アミド等)、帯電防止剤(4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組合せ等)、充填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ベントナイト、モンモリロナイト、合成雲母等の粒子状、繊維状、針状、板状充填剤等)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等)を挙げることができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
[相対粘度(ηr)]
試料0.25gを濃度98重量%の硫酸100mlに対してサンプル濃度0.01g/mLになるように溶解し、オストワルド型粘度計を用いて25℃での流下時間(T1)を測定した。引き続き、濃度98重量%の硫酸のみの流下時間(T2)を測定した。T2に対するT1の比、すなわちT1/T2を硫酸相対粘度(ηr)とした。
試料0.25gを濃度98重量%の硫酸100mlに対してサンプル濃度0.01g/mLになるように溶解し、オストワルド型粘度計を用いて25℃での流下時間(T1)を測定した。引き続き、濃度98重量%の硫酸のみの流下時間(T2)を測定した。T2に対するT1の比、すなわちT1/T2を硫酸相対粘度(ηr)とした。
[アミノ基量]
試料1gを50mLのフェノール/エタノール混合溶液(体積比;フェノール/エタノール=80/20)に、30℃で振とう溶解させて溶液とし、この溶液を0.02Nの塩酸で中和滴定し、要した0.02N塩酸の量を求めた。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸の量を求める。そしてその差から試料1gあたりのアミノ基量を求めた。
試料1gを50mLのフェノール/エタノール混合溶液(体積比;フェノール/エタノール=80/20)に、30℃で振とう溶解させて溶液とし、この溶液を0.02Nの塩酸で中和滴定し、要した0.02N塩酸の量を求めた。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸の量を求める。そしてその差から試料1gあたりのアミノ基量を求めた。
[融点(Tm)]
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、試料10mgを完全に溶融させて3分保持した。その後15℃/分で30℃まで降温し、3分保持した後、昇温速度15℃/分にて測定して得た示差熱量曲線において吸熱側に極値を示すピークを融解ピークと判断し、極値を与える温度を融点Tm(℃)とした。
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、試料10mgを完全に溶融させて3分保持した。その後15℃/分で30℃まで降温し、3分保持した後、昇温速度15℃/分にて測定して得た示差熱量曲線において吸熱側に極値を示すピークを融解ピークと判断し、極値を与える温度を融点Tm(℃)とした。
[黄色度(YI)]
スガ試験機(株)製のカラーコンピューターを用いてペレットのYI値を測定した。該測定方法はJIS規格K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に従って測定した。
スガ試験機(株)製のカラーコンピューターを用いてペレットのYI値を測定した。該測定方法はJIS規格K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に従って測定した。
[水分量]
水分量の測定方法としては、水分気化装置(三菱化学株式会社製VA−100型)を用いて0.5gの試料を200℃で加熱溶融させて試料中の水を気化させた後、気化した全水分量を、微量水分測定装置(三菱化学株式会社製CA−100型)を用いてカール・フィッシャー反応の原理に基づく電量滴定法により定量することにより試料中の水分量を測定した。
水分量の測定方法としては、水分気化装置(三菱化学株式会社製VA−100型)を用いて0.5gの試料を200℃で加熱溶融させて試料中の水を気化させた後、気化した全水分量を、微量水分測定装置(三菱化学株式会社製CA−100型)を用いてカール・フィッシャー反応の原理に基づく電量滴定法により定量することにより試料中の水分量を測定した。
(実施例1〜9)
1,5−ペンタンジアミン(関東化学社製)576.1gをイオン交換水1400g中に溶解したジアミン水溶液を、氷浴に浸して撹拌しているところに823.9gのアジピン酸(関東化学社製)を少量ずつ添加していき、1,5−ペンタンジアミン−アジピン酸塩の50重量%水溶液2800gを調製した。
1,5−ペンタンジアミン(関東化学社製)576.1gをイオン交換水1400g中に溶解したジアミン水溶液を、氷浴に浸して撹拌しているところに823.9gのアジピン酸(関東化学社製)を少量ずつ添加していき、1,5−ペンタンジアミン−アジピン酸塩の50重量%水溶液2800gを調製した。
その後、得られた1,5−ペンタンジアミン−アジピン酸塩水溶液を、螺旋帯撹拌翼をもった撹拌機と熱媒ジャケットを装備した内容積5Lのバッチ式重合缶に仕込んだ(原料調製工程)。
次に重合缶内を密閉化し、充分に窒素置換した後に熱媒を加熱して水溶液を濃縮した(濃縮工程)。このとき缶内温度を200℃、缶内圧力(ゲージ圧)を0.2MPaに制圧しながら、水溶液中の原料の濃度が85重量%(濃縮後水分率15%)となるまで濃縮した。缶内の水溶液の濃度は留出水量から判断した。
そして濃縮が終了後、缶内圧力(ゲージ圧)1.7MPaに到達するまで昇圧した(昇圧工程)。この後缶内圧力(ゲージ圧)を1.7MPaで制圧し、缶内温度が255℃となるまで維持した(制圧工程)。さらに缶内温度255℃到達後、50分間かけて大気圧まで放圧した(放圧工程)。減圧終了時のポリマーの温度が272℃となるよう加熱温度を調節し、さらに缶内圧力(ゲージ圧)を−13kPaまで減じ30分間維持して重縮合反応を停止した(減圧工程)。その後缶内に0.5MPa(絶対圧)の窒素圧をかけ、重縮合により得られたポリアミド樹脂を直径約3mmのストランド状に押し出し、長さ約4mmにカッティングし、ペレットを得た(吐出工程)。得られたポリアミドペレットを貯蔵温度T、酸素濃度C、水分率をかえて貯蔵前後(14日間)のYIの変化を表1に示す。
(実施例10)
ジアミンとして1,5−ペンタンジアミン515.0gと1,6−ジアミノヘキサン(関東化学社製)65.1gを用いた以外は、実施例1〜9と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例1〜9と同様に貯蔵した結果を表1に示す。
ジアミンとして1,5−ペンタンジアミン515.0gと1,6−ジアミノヘキサン(関東化学社製)65.1gを用いた以外は、実施例1〜9と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例1〜9と同様に貯蔵した結果を表1に示す。
(実施例11)
ジカルボン酸としてアジピン酸736.5gとセバシン酸(関東化学社製)113.3gを用いた以外は、実施例1〜9と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例1〜9と同様に貯蔵した結果を表1に示す。
ジカルボン酸としてアジピン酸736.5gとセバシン酸(関東化学社製)113.3gを用いた以外は、実施例1〜9と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例1〜9と同様に貯蔵した結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1〜9記載の方法にて調製した1,5−ペンタンジアミン−アジピン酸塩水溶液へε−カプロラクタム(関東化学社製)を12.0g添加して混合した。その後、得られた原料を、実施例1〜9と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例1〜9と同様に貯蔵した結果を表1に示す。
実施例1〜9記載の方法にて調製した1,5−ペンタンジアミン−アジピン酸塩水溶液へε−カプロラクタム(関東化学社製)を12.0g添加して混合した。その後、得られた原料を、実施例1〜9と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例1〜9と同様に貯蔵した結果を表1に示す。
(実施例13〜14)
1,5−ペンタンジアミン281.9gをイオン交換水1960g中に溶解したジアミン水溶液を、氷浴に浸して撹拌しているところに、558.1gのセバシン酸を加えていき、1,5−ペンタンジアミン−セバシン酸塩の30重量%水溶液2800gを調製した。
1,5−ペンタンジアミン281.9gをイオン交換水1960g中に溶解したジアミン水溶液を、氷浴に浸して撹拌しているところに、558.1gのセバシン酸を加えていき、1,5−ペンタンジアミン−セバシン酸塩の30重量%水溶液2800gを調製した。
その後、得られた1,5−ペンタンジアミン−セバシン酸塩水溶液を、螺旋帯撹拌翼をもった撹拌機と熱媒ジャケットを装備した内容積5Lのバッチ式重合缶に仕込んだ(原料調製工程)。
次に重合缶内を密閉化し、充分に窒素置換した後に熱媒を加熱して水溶液を濃縮した(濃縮工程)。このとき缶内温度を200℃、缶内圧力(ゲージ圧)を0.2MPaに制圧しながら、水溶液中の原料の濃度が85重量%(濃縮後水分率15%)となるまで濃縮した。缶内の水溶液の濃度は留出水量から判断した。
そして濃縮が終了後、缶内圧力(ゲージ圧)1.7MPaに到達するまで昇圧した(昇圧工程)。この後缶内圧力(ゲージ圧)を1.7MPaで制圧し、缶内温度が255℃となるまで維持した(制圧工程)。さらに缶内温度255℃到達後、50分間かけて大気圧まで放圧した(放圧工程)。減圧終了時のポリマーの温度が256℃となるよう加熱温度を調節し、さらに缶内圧力(ゲージ圧)を−13kPaまで減じ30分間維持して重縮合反応を停止した(減圧工程)。その後缶内に0.5MPa(絶対圧)の窒素圧をかけ、重縮合により得られたポリアミド樹脂を直径約3mmのストランド状に押し出し、長さ約4mmにカッティングし、ペレットを得た(吐出工程)。得られたポリアミドペレットを貯蔵温度T、酸素濃度C、水分率をかえて貯蔵前後(14日間)のYIの変化を表2に示す。
(実施例15)
ジアミンとして1,5−ペンタンジアミン257.5gと1,6−ジアミノヘキサン32.5gを用いた以外は、実施例13〜14と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例13〜14と同様に貯蔵した結果を表2に示す。
ジアミンとして1,5−ペンタンジアミン257.5gと1,6−ジアミノヘキサン32.5gを用いた以外は、実施例13〜14と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例13〜14と同様に貯蔵した結果を表2に示す。
(実施例16)
ジカルボン酸としてアジピン酸40.9gとセバシン酸509.7gを用いた以外は、実施例13〜14と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例13〜14と同様に貯蔵した結果を表2に示す。
ジカルボン酸としてアジピン酸40.9gとセバシン酸509.7gを用いた以外は、実施例13〜14と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例13〜14と同様に貯蔵した結果を表2に示す。
(実施例17)
実施例13〜14記載の方法にて調製した1,5−ペンタンジアミン−セバシン酸塩水溶液へε−カプロラクタムを7.4g添加して混合した。その後、得られた原料を、実施例13〜14と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例13〜14と同様に貯蔵した結果を表2に示す。
実施例13〜14記載の方法にて調製した1,5−ペンタンジアミン−セバシン酸塩水溶液へε−カプロラクタムを7.4g添加して混合した。その後、得られた原料を、実施例13〜14と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを実施例13〜14と同様に貯蔵した結果を表2に示す。
(比較例1〜3)
実施例1〜9と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを表1に記載の条件(貯蔵温度T、酸素濃度C、水分率)で貯蔵した結果を示す。
実施例1〜9と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを表1に記載の条件(貯蔵温度T、酸素濃度C、水分率)で貯蔵した結果を示す。
(参考例1〜2)
1,6−ジアミノヘキサン620.1gをイオン交換水1400g中に溶解したジアミン水溶液を、撹拌しているところに779.9gのアジピン酸を加えていき、1,6−ジアミノヘキサン−アジピン酸塩の50重量%水溶液2800gを調製した。
1,6−ジアミノヘキサン620.1gをイオン交換水1400g中に溶解したジアミン水溶液を、撹拌しているところに779.9gのアジピン酸を加えていき、1,6−ジアミノヘキサン−アジピン酸塩の50重量%水溶液2800gを調製した。
その後、得られた1,6−ジアミノヘキサン−アジピン酸塩水溶液を、螺旋帯撹拌翼をもった撹拌機と熱媒ジャケットを装備した内容積5Lのバッチ式重合缶に仕込んだ(原料調製工程)。
次に重合缶内を密閉化し、充分に窒素置換した後に熱媒を加熱して水溶液を濃縮した(濃縮工程)。このとき缶内温度を200℃、缶内圧力(ゲージ圧)を0.2MPaに制圧しながら、水溶液中の原料の濃度が85重量%(濃縮後水分率15%)となるまで濃縮した。缶内の水溶液の濃度は留出水量から判断した。
そして濃縮が終了後、缶内圧力(ゲージ圧)1.7MPaに到達するまで昇圧した(昇圧工程)。この後缶内圧力(ゲージ圧)を1.7MPaで制圧し、缶内温度が255℃となるまで維持した(制圧工程)。さらに缶内温度255℃到達後、50分間かけて大気圧まで放圧した(放圧工程)。減圧終了時のポリマーの温度が285℃となるよう加熱温度を調節し、さらに缶内圧力(ゲージ圧)を−13kPaまで減じ30分間維持して重縮合反応を停止した(減圧工程)。その後缶内に0.5MPa(絶対圧)の窒素圧をかけ、重縮合により得られたポリアミド樹脂を直径約3mmのストランド状に押し出し、長さ約4mmにカッティングし、ペレットを得た(吐出工程)。得られたポリアミドペレットを貯蔵温度T、酸素濃度C、水分率をかえて貯蔵前後(14日間)のYIの変化を表1に示す。
(比較例4〜5)
実施例13〜14と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを表2に記載の条件(貯蔵温度T、酸素濃度C、水分率)で貯蔵した結果を示す。
実施例13〜14と同様の方法でポリアミドペレットを得た。得られたポリアミドペレットを表2に記載の条件(貯蔵温度T、酸素濃度C、水分率)で貯蔵した結果を示す。
(参考例3〜4)
1,6−ジアミノヘキサン306.5gをイオン交換水1960g中に溶解したジアミン水溶液を、撹拌しているところに533.5gのセバシン酸を加えていき、1,6−ジアミノヘキサン−セバシン酸塩の30重量%水溶液2800gを調製した。
1,6−ジアミノヘキサン306.5gをイオン交換水1960g中に溶解したジアミン水溶液を、撹拌しているところに533.5gのセバシン酸を加えていき、1,6−ジアミノヘキサン−セバシン酸塩の30重量%水溶液2800gを調製した。
その後、得られた1,6−ジアミノヘキサン−セバシン酸塩塩水溶液を、螺旋帯撹拌翼をもった撹拌機と熱媒ジャケットを装備した内容積5Lのバッチ式重合缶に仕込んだ(原料調製工程)。
次に重合缶内を密閉化し、充分に窒素置換した後に熱媒を加熱して水溶液を濃縮した(濃縮工程)。このとき缶内温度を200℃、缶内圧力(ゲージ圧)を0.2MPaに制圧しながら、水溶液中の原料の濃度が85重量%(濃縮後水分率15%)となるまで濃縮した。缶内の水溶液の濃度は留出水量から判断した。
そして濃縮が終了後、缶内圧力(ゲージ圧)1.7MPaに到達するまで昇圧した(昇圧工程)。この後缶内圧力(ゲージ圧)を1.7MPaで制圧し、缶内温度が255℃となるまで維持した(制圧工程)。さらに缶内温度255℃到達後、50分間かけて大気圧まで放圧した(放圧工程)。減圧終了時のポリマー温度が256℃となるよう加熱温度を調節し、さらに缶内圧力(ゲージ圧)を−13kPaまで減じ30分間維持して重縮合反応を停止した(減圧工程)。その後缶内に0.5MPa(絶対圧)の窒素圧をかけ、重縮合により得られたポリアミド樹脂を直径約3mmのストランド状に押し出し、長さ約4mmにカッティングし、ペレットを得た(吐出工程)。得られたポリアミドペレットを貯蔵温度T、酸素濃度C、水分率をかえて貯蔵前後(14日間)のYIの変化を表2に示す。
Claims (7)
- 主として1,5−ペンタンジアミンを含むジアミンとジカルボン酸との反応により製造したポリアミドペレットを貯蔵する方法において、貯蔵雰囲気での酸素濃度をC〔vol%〕、温度をT〔℃〕としたとき、下記式の条件を満足するポリアミドペレットの貯蔵方法。
1≦(−1.5C+55)/T(0≦C) - ポリアミドペレット中の水分率が10質量%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリアミドペレットの貯蔵方法。
- ジカルボン酸がアジピン酸および/またはセバシン酸であることを特徴とする請求項1または2記載ポリアミドペレットの貯蔵方法。
- 請求項1または2記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がアジピン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度ΔYIが5.0以下であるポリアミドペレット。
- 請求項1または2記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がアジピン酸であり、かつ貯蔵14日後の黄色度YIが5.0以下であるポリアミドペレット。
- 請求項1または2記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がセバシン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度ΔYIが3.0以下であるポリアミドペレット。
- 請求項1または2記載の貯蔵方法で得られたポリアミドペレットであって、前記ジカルボン酸がセバシン酸であり、かつ貯蔵14日間の黄色度YIが2.0以下であるポリアミドペレット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014201621A JP2016069557A (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | ポリアミドペレットの貯蔵方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014201621A JP2016069557A (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | ポリアミドペレットの貯蔵方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016069557A true JP2016069557A (ja) | 2016-05-09 |
Family
ID=55866104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014201621A Pending JP2016069557A (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | ポリアミドペレットの貯蔵方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016069557A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019203063A (ja) * | 2018-05-23 | 2019-11-28 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂ペレット及びその製造方法、並びに、ポリアミド組成物の製造方法 |
CN112239537A (zh) * | 2019-07-17 | 2021-01-19 | 华峰集团有限公司 | 长效耐高温嵌段聚酰胺组合物和纤维及其制备方法 |
CN114249888A (zh) * | 2020-09-25 | 2022-03-29 | 华润化学材料科技股份有限公司 | 聚酰胺弹性体及其制备方法和应用 |
WO2024219347A1 (ja) * | 2023-04-18 | 2024-10-24 | Ube株式会社 | 共重合ポリアミド樹脂並びにそれを含む組成物、成形品、フィルム及びモノフィラメント |
WO2024219348A1 (ja) * | 2023-04-18 | 2024-10-24 | Ube株式会社 | 共重合ポリアミド樹脂並びにそれを含む組成物、成形品、フィルム及びモノフィラメント |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03239508A (ja) * | 1990-02-15 | 1991-10-25 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 熱可塑性樹脂および熱可塑性樹脂の貯蔵方法 |
JP2003252987A (ja) * | 2002-02-28 | 2003-09-10 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | ポリアミドの固相乾燥および固相重合方法 |
JP2010275516A (ja) * | 2008-07-03 | 2010-12-09 | Mitsubishi Chemicals Corp | 精製ペンタメチレンジアミンの製造方法及びポリアミド樹脂の製造方法 |
WO2013129371A1 (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-06 | 東レ株式会社 | 色調に優れたポリアミド樹脂組成物 |
-
2014
- 2014-09-30 JP JP2014201621A patent/JP2016069557A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03239508A (ja) * | 1990-02-15 | 1991-10-25 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 熱可塑性樹脂および熱可塑性樹脂の貯蔵方法 |
JP2003252987A (ja) * | 2002-02-28 | 2003-09-10 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | ポリアミドの固相乾燥および固相重合方法 |
JP2010275516A (ja) * | 2008-07-03 | 2010-12-09 | Mitsubishi Chemicals Corp | 精製ペンタメチレンジアミンの製造方法及びポリアミド樹脂の製造方法 |
WO2013129371A1 (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-06 | 東レ株式会社 | 色調に優れたポリアミド樹脂組成物 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019203063A (ja) * | 2018-05-23 | 2019-11-28 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂ペレット及びその製造方法、並びに、ポリアミド組成物の製造方法 |
JP7249738B2 (ja) | 2018-05-23 | 2023-03-31 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂ペレット及びその製造方法、並びに、ポリアミド組成物の製造方法 |
CN112239537A (zh) * | 2019-07-17 | 2021-01-19 | 华峰集团有限公司 | 长效耐高温嵌段聚酰胺组合物和纤维及其制备方法 |
CN112239537B (zh) * | 2019-07-17 | 2023-06-02 | 华峰集团有限公司 | 长效耐高温嵌段聚酰胺组合物和纤维及其制备方法 |
CN114249888A (zh) * | 2020-09-25 | 2022-03-29 | 华润化学材料科技股份有限公司 | 聚酰胺弹性体及其制备方法和应用 |
CN114249888B (zh) * | 2020-09-25 | 2023-07-04 | 华润化学材料科技股份有限公司 | 聚酰胺弹性体及其制备方法和应用 |
WO2024219347A1 (ja) * | 2023-04-18 | 2024-10-24 | Ube株式会社 | 共重合ポリアミド樹脂並びにそれを含む組成物、成形品、フィルム及びモノフィラメント |
WO2024219348A1 (ja) * | 2023-04-18 | 2024-10-24 | Ube株式会社 | 共重合ポリアミド樹脂並びにそれを含む組成物、成形品、フィルム及びモノフィラメント |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI518109B (zh) | 聚醯胺樹脂 | |
JPWO2015076233A1 (ja) | ポリアミド樹脂およびポリアミド樹脂ペレットならびにポリアミド樹脂の製造方法 | |
CN108291023B (zh) | 聚酰胺树脂、成形品及聚酰胺树脂的制造方法 | |
JP6328629B2 (ja) | 新規ポリアミド、その調製方法およびその使用 | |
JP2016069557A (ja) | ポリアミドペレットの貯蔵方法 | |
US8680199B2 (en) | Reinforced polyamide composition | |
KR20140007834A (ko) | 1,4-부틸렌 다이아민의 단량체 단위를 함유하는 폴리아마이드 | |
KR102679357B1 (ko) | 고 내열성 폴리아미드 성형 배합물 | |
KR20180019553A (ko) | 폴리아미드 수지 및 성형품 | |
JP5470785B2 (ja) | ポリアミド樹脂 | |
KR101969176B1 (ko) | 반-방향족 폴리아미드 | |
BRPI1010198B1 (pt) | Uso de um composto sulfonado, composição de poliamida e artigo | |
WO2019121824A1 (en) | Piperidine-containing semi-aromatic copolyamide | |
JPWO2014175169A1 (ja) | ポリアミド樹脂組成物、及び成形体 | |
EP1359179A1 (en) | Polyamide prepolymer, polyamide, and processes for producing these | |
JP2010070637A (ja) | ポリアミド樹脂 | |
JP2015178551A (ja) | ジアミン−ジカルボン酸塩水溶液の製造方法。 | |
ES2637623T3 (es) | Proceso para la producción de PA-410 y PA-410 obtenible mediante este proceso | |
JP4329292B2 (ja) | ポリアミドプレポリマーの製造方法およびポリアミドの製造方法 | |
JP4513953B2 (ja) | ポリアミドの製造方法 | |
JP5103755B2 (ja) | ポリアミドの製造方法 | |
JP5098187B2 (ja) | ポリアミドの製造方法 | |
JP2011168329A (ja) | アニソール類バリア性に優れた包装用材料 | |
JP2002322272A (ja) | ポリアミドプレポリマーおよびポリアミドの製造方法、ならびに該製造方法から得られるポリアミド | |
WO2023183553A1 (en) | Filament containing a biobased polyamide (pa) polymer and its use for additive manufacturing |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170824 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180522 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180918 |