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JP2016062414A - 車内監視装置及び車内監視システム - Google Patents

車内監視装置及び車内監視システム Download PDF

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JP2016062414A
JP2016062414A JP2014191145A JP2014191145A JP2016062414A JP 2016062414 A JP2016062414 A JP 2016062414A JP 2014191145 A JP2014191145 A JP 2014191145A JP 2014191145 A JP2014191145 A JP 2014191145A JP 2016062414 A JP2016062414 A JP 2016062414A
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永井 徹
Toru Nagai
徹 永井
將裕 清原
Masahiro Kiyohara
將裕 清原
渉一 渡邉
Shoichi Watanabe
渉一 渡邉
啓二 佐藤
Keiji Sato
啓二 佐藤
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Abstract

【課題】多数の乗客の輸送を目的とする公共交通機関の車両内での乗客の転倒を防止することができる車内監視装置を提供する。
【解決手段】車両制御装置1は、乗客の乗車状態を把握する乗車状態把握手段11と、車両の走行状態を把握する走行状態把握手段12と、乗車状態及び走行状態に基づいて乗客の安全に関する報知を行う報知手段13と、を備える。
【選択図】図1A

Description

本発明は、例えば、公共旅客輸送における車両内の乗客の転倒を防止する車両制御装置及び車内監視システムに関する。
近年、人口に占める高齢者の割合の増加、二酸化炭素の排出量規制などに伴って、安全で手軽に利用することができ、環境負荷の小さい公共旅客輸送の重要性が見直されている。例えばタクシー等の公共旅客輸送において、特別な画像解析を必要とすることなく、車両内での犯罪の発生を抑制することのできる車両内犯罪防止システムが知られている(下記特許文献1を参照)。
特許文献1に記載の車両内犯罪防止システムでは、車両の走行の際に車両に乗っている者の犯罪に対する危険度を判別し、その結果に基づいて車両内部情報収集手段の収集する情報の密度を調整している。これにより、情報の効率的な収集だけでなく、情報を収集したことによって犯罪の発生を抑止する効果が得られるとしている。
特開2010−113494号公報
例えば、バスや電車等、着席又は起立した状態の多数の乗客の輸送を目的とする車両では、運転士や係員等がミラーやモニタを用いて乗客の安全を確認しながら車両の運行を行っている。しかし、例えば混雑時の乗客や車両の構造等によって、車両内で死角が生じて安全確認を十分に行うことができない虞がある。また、乗客が着席せず、吊革や手すりに掴まっていない場合には、例えば、乗客の転倒等の車内事故が発生する虞がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、乗客の転倒を防止することができる車内監視装置及び車内監視システムを提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明の車内監視装置は、着席又は起立した状態の乗客を輸送する車両に搭載される車内監視装置であって、前記乗客の乗車状態を把握する乗車状態把握手段と、前記車両の走行状態を把握する走行状態把握手段と、前記乗車状態及び前記走行状態に基づいて前記乗客の安全に関する報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の車内監視装置によれば、乗車状態把握手段によって乗客の乗車状態を把握し、走行状態把握手段によって車両の走行状態を把握し、把握した乗車状態と走行状態に基づいて報知手段が乗客の安全に関する報知を行うことで、乗客の転倒を防止することができる。
前記した以外の本発明の構成、作用及び効果は、以下の発明を実施するための形態の説明によって明らかにされる。
本発明の実施形態に係る車内監視装置の構成要素の一例を示すブロック図。 図1Aに示す車内監視装置の構成要素の他の例を示すブロック図。 図1Aに示す車内監視装置の構成要素の他の例を示すブロック図。 図1Aに示す車内監視装置の構成要素の他の例を示すブロック図。 図1に示す車内監視装置を実現する車両の具体的な構成の一例を示すブロック図。 車両内のモニタの配置例を示す車両内の斜視図。 車両の一部を透視して車内カメラの配置の一例を示す斜視図。 図4に示す車内カメラによって撮影可能な範囲を示す車両の平断面図。 発券機に顔認識用カメラを設置した例を示す概略的な斜視図。 顔認識用カメラのテンプレートマッチングによる追跡例を示す説明図。 車内センサの一例としての超音波センサを示す説明図。 車内センサの一例としての超音波センサを示す説明図。 車内センサの一例としての超音波センサを示す説明図。 車内センサの一例としての超音波センサを示す説明図。 停留所間の乗客の乗車率の一例を示すグラフ。 乗客の転倒が発生する危険度を判定する判定基準の一例を示す表。 車両の進行方向の速度と加速度の一例を示すグラフ。 モニタに表示された各乗客の乗車状態の一例を示す画像図。 モニタに表示された各乗客の乗車状態と危険度の一例を示す画像図。 本発明の実施形態に係る車内監視システムの構成要素の一例を示すブロック図。 図12Aに示す車内監視システムの構成要素の他の例を示すブロック図。 図12Aに示す車内監視システムの構成要素の他の例を示すブロック図。 図12Aに示す車内監視システムの構成要素の他の例を示すブロック図。 図12に示す車両制御システムを実現する車両及び運行管理部の具体的な構成の一例を示すブロック図。 運行管理部のモニタに表示される情報の一例を示す画像図。 運行管理部のモニタに表示される情報の一例を示す画像図。 各車両のモニタに表示される情報の一例を示す画像図。 本実施形態に係る車両制御方法の一例を示すフローチャート。 図17Aに示す車両制御方法の他の例を示すフローチャート。
(車両制御装置)
以下、図面を参照して本発明の車内監視装置の実施の形態を説明する。
図1Aから図1Dは、本発明の実施形態1に係る車内監視装置1の構成要素を示すブロック図である。図2は、図1に示す車内監視装置1の各構成を実現する車両100の具体的な構成の一例を示すブロック図である。本発明において車両100の種類は特に限定はされないが、本実施形態では、一般的な乗合バスを例に挙げて説明する。
本実施形態の車内監視装置1は、例えば、バス、電車、新交通システム等、多数の乗客の輸送を目的とする公共旅客輸送用の車両100に搭載される。車内監視装置1は、車両100内の乗客の乗車状態を把握する乗車状態把握手段11と、車両100の走行状態を把握する走行状態把握手段12と、前記の乗車状態及び走行状態に基づいて車両100を前記乗客の安全に関する報知を行う報知手段13と、を備える。
車内監視装置1は、図1Bに示すように、前記の乗車状態及び走行状態に基づいて車両100を制御する車両制御手段14を備えてもよい。また、車内監視装置1は、図1C及び図1Dに示すように、乗客の乗車状態及び車両100の走行状態に基づいて乗客が転倒する危険度を判定する危険度判定手段15をさらに備えてもよい。また、図1A及び図1Bに示すように、危険度判定手段15を省略し、報知手段13又は車両制御手段14が前記の危険度を判定するようにしてもよい。いずれの場合にも、報知手段13は、判定された危険度に応じて乗客の安全に関する報知を行い、車両制御手段14は、判定された危険度に応じて車両100を制御する。以下では、報知手段13及び車両制御手段14と危険度判定手段15とを別の手段として説明する。
本実施形態のバスの車両100は、内燃機関を備え、例えば、自車両100の加速を制御する加速制御装置としての電子制御スロットル101と、自車両100の制動を行うブレーキ装置102とを備えている。また、車両100は、車両100内の表示装置としてのモニタ103と、音声案内装置としてのスピーカ104とを備えている。なお、電車等の内燃機関を有しない車両100は、電子制御スロットル101の代わりにその他の加速制御装置を備えてもよい。
電子制御スロットル101は、例えば、運転士によるアクセルペダルの操作量に基づいて内燃機関に対する燃料の供給量を調節し、車両100の速度を調節する。また、電子制御スロットル101は、後述する所定の場合には、運転士によるアクセルペダルの操作量によらず、内燃機関への燃料の供給量を、演算制御部109の制御に基づく所定の供給量に制御し、車両100の速度を調節する。
ブレーキ装置102は、例えば、運転士によるブレーキペダルの操作量に基づいてブレーキパッドとホイールシリンダとの間に摩擦力を作用させて車両100の制動を行い、車両100を減速させる。また、ブレーキ装置102は、後述する所定の場合には、運転士によるブレーキペダルの操作量によらず、演算制御部109の制御に基づく制動を行って車両100を減速させ、又は、車両100が停車した状態を維持する。
図3は、モニタ103の配置例を示す車両100内の斜視図である。モニタ103は、例えば、液晶表示装置、ヘッドアップディスプレイ装置等によって構成されて車両100内に配置され、演算制御部109の制御の下で演算制御部109によって処理された転倒防止に資する情報を表示する。モニタ103は、運転席の運転士が見やすく運転の妨げにならない位置に1つだけ配置してもよく、運転席に加えて車両100内の乗客が見やすい位置に1つ以上配置してもよい。
スピーカ104は、例えば運転席又はその近傍に配置され、演算制御部109の制御の下で運転士に対して転倒防止に資する情報を音声で案内する。スピーカ104は、例えば車両100の天井や壁等、運転席又はその近傍以外にも配置して、乗客に対して転倒防止に資する情報を音声で案内するようにしてもよい。また、音声案内装置として、スピーカ104に代えて、又はスピーカ104と共に、運転士に対して情報を音声で案内するイヤホン又はヘッドホンを用いてもよい。
また、図2に示すように、本実施形態の車両100は、例えば、撮像装置である車内カメラ105及び車外カメラ106と、各種のセンサを含む車内センサ107及び車両センサ108を備えている。また、車両100は、車両100内の乗客や手荷物などを検出する車内センサ107と、車両100の三次元の速度、加速度及び角速度等を計測可能な車両センサ108とを備えている。
図4は、車両100の一部を透視して車内カメラ105の配置の一例を示す斜視図である。車両100内の死角を無くす観点から、車両100の天井に複数の車内カメラ105を配置することが好ましい。車内カメラ105は、車両100内の座席、乗客、手荷物等の画像を撮影する。また、撮影可能な範囲を広くするために、車内カメラ105は魚眼レンズや雲台制御を備え、カメラ1台で車内全体を撮影してもよい。
図5Aは、図4に示す車内カメラ105によって撮影可能な範囲を示す車両100の平断面図である。図5Bは、車内に設置される発券機Tに顔認識用カメラ105aを設置した例を示す概略的な斜視図である。図5Cは、顔認識用カメラ105aのテンプレートマッチングによる追跡例を示す説明図である。
本実施形態では、複数の車内カメラ105は、隣接する車内カメラ105と撮影可能な範囲の一部が重複するように配置されている。より詳細には、車内カメラ105は、車両100の前後方向において、車両100の天井の前方部分、中間部分、後方部分に一つずつ配置され、それぞれ車両100内の前方領域R1、中間領域R2、後方領域R3を撮影する。
また、車内カメラ105として、例えば、公知の顔認証システムを用いて乗客Pの顔を認識するための顔認識用カメラ105aを備えてもよい。顔認識用カメラ105aは、車両100の乗車口に対向する位置に配置され、例えば、車両100入口の発券機Tに設置され、又は、車両100内の天井又は壁に固定され、乗車時の乗客Pを正面から撮影する。乗客Pの年齢や性別などの属性情報の識別には、顔認識カメラ105aを用いた顔認証システムを用いる。一般に、バスの乗車時点で顔認証する際、乗客Pが発券機Tに設置されたICカード読み取り機CRにICカードを翳すと、乗客Pの視線が固定される。そのため、この乗客Pの性質に着目し、ICカード読み取り機CR付近に顔認識用カメラ105aを設置することが望ましい。なお、顔認識カメラ105aを含む車内カメラ105の数は、車両100内の死角を無くすことができる数であれば特に限定されない。また、車内カメラ105は、固定式であっても、例えば首振り等が可能な可動式であってもよい。
車内カメラ105を用いて、乗客Pが乗車してから乗車位置に到達するまで追跡を行う場合には、図5Cに示すテンプレートマッチングによる追跡方法を用いることができる。テンプレートマッチングでは、乗客Pの乗車時に、乗客Pの体の輪郭の一部(例えば、頭部や肩を含む輪郭Pfなどの特徴量)をn×mピクセルのテンプレートPtとして登録する。そして、時系列に取得される画像メモリに対し、画像f(a,b)上でテンプレートPtがどこに存在するか、メモリ上を画像幅方向a及び画像高さ方向bにスキャンする。ここで、画像メモリ上で登録したテンプレートPtが見つかった場合、フレーム(t−1)のテンプレートPtの位置T(a,b)とフレーム(t)のテンプレートTpの見つかった位置T(a,b)の差から移動量の情報が得られる。この処理を乗客Pが乗車してから乗車が確定して乗車位置に到達するまで繰り返し実行することで、車内の乗客Pの移動軌跡情報を得ることができる。
車外カメラ106は、例えば、フロントガラスの内側の車両100の天井に固定され、前方車両や前方の障害物を撮影する。また、車外カメラ106は、車両100の外側で車両100の側部にも設置して、乗客の乗降時の様子を撮影するようにしてもよい。さらに、車外カメラ106をリヤガラスの内側の車両100の天井に設置し、後方車両を撮影するようにしてもよい。車両100の前方又は後方を撮影する車外カメラ106は、前後の車両又は障害物と自車両100との距離や相対速度を測定可能なステレオカメラを用いることができる。
図6Aから図6Dは、車内センサ107の一例としての超音波センサ107Aを示す説明図である。車内センサ107は、車内の乗客Pの乗車状態を検知するセンサである。車内センサ107としての超音波センサ107Aは、乗客Pの乗車状態として、例えば、乗客Pの車内での位置及び姿勢を検出すると共に、車両100内の手荷物Lを認識してその位置を検出する。具体的には、超音波センサ107Aは、座席Sの上方又は座席Sの間の通路Aの上方に配置され、座席Sの座面又は通路Aの床面に向けて超音波を発して反射波を検出する。
超音波センサ107Aによる乗客Pと手荷物Lの検出は、例えば、予め超音波センサ107Aから乗客Pまでの距離の範囲と、超音波センサ107Aから手荷物Lまでの距離の範囲とをそれぞれ所定の範囲に設定しておき、超音波センサ107Aが検出した反射波に基づいて計測された距離が、どちらの距離の範囲に入るかを判定することで行うことができる。なお、車内センサ107としては、超音波センサ107Aに代えて、又は超音波センサ107Aと共に、例えば、赤外線センサ、圧力センサ、接触センサ、3D距離画像センサ等を用いることができる。
赤外線センサは、例えば、車両100の天井に前記の車内カメラ105と同様に設置され、乗客Pの体温を検出して乗客Pの位置、人数等を計測する。圧力センサは、例えば、座席Sの座面に配置され、乗客Pが着席したことを検出する。また、圧力センサ又は接触センサは、例えば、吊革や手すりに設置され、各乗客Pの吊革又は手すりの把持の有無及び吊革又は手すりを把持した位置を検出する。3D距離画像センサは、TOF(Time of Flight)方式を用いて、対象までの距離を計測する。
車両センサ108は、車両100の走行状態に関する情報を検知するセンサであり、例えば、速度センサ、加速度センサ及び角速度センサを含む。速度センサの速度検出方法は、特に限定されないが、例えば、車両100が備える車輪の角速度から速度を求めることができる。また、加速度センサ及び角速度センサは、例えば、車両100の前後方向、左右方向、上下方向の三軸方向における加速度及び角速度を計測する公知のセンサを用いることができる。また、車両センサ108は、アクセル及びブレーキの操作量を検知するセンサを含んでもよい。
また、本実施形態の車両100は、前記した電子制御スロットル101、ブレーキ装置102、モニタ103、スピーカ104、車内カメラ105、車外カメラ106、車内センサ107及び車両センサ108等を制御する演算制御部109と、演算制御部109の制御の下で情報を記憶する情報記憶部110とを備えている。演算制御部109は、例えば、中央演算処理装置(CPU)等の電子回路によって構成されている。情報記憶部110は、例えば、CPUが直接アクセスすることができる主記憶装置によって構成され、各種のプログラムや情報が記憶されている。
なお、車両100は、全地球測位システム(GPS)を備えてもよい。この場合、演算制御部109の制御の下、GPSに基づく車両100の走行履歴情報が情報記憶部110に記憶される。また、車両センサ108が検知したアクセルペダル及びブレーキペダルの操作量は、CAN(Controller Area Network)及び演算制御部109を介して情報記憶部110に記憶される。
本実施形態の車内監視装置1は、図1Aから図1Dに示すように構成要素の一つとして乗車状態把握手段11を備えている。乗車状態把握手段11は、例えば、前記した車内カメラ105、車内センサ107、演算制御部109、及び情報記憶部110を備えている。乗車状態把握手段11は、車内カメラ105から得られた画像、及び車内センサ107から得られた情報を、演算制御部109によって処理すると共に、演算制御部109によって必要な情報を情報記憶部110から読み出し、又は情報記憶部110に記憶させる。これにより、乗車状態把握手段11は、乗客Pの乗車状態を把握する。ここで、乗客Pの乗車状態には、車両100内の乗客Pの立ち居振舞いすなわち起居動作及び属性を含んでもよく、例えば、乗客Pの乗車率、乗客Pの年齢、性別及び身長、乗客Pの車両100内での位置及び着席又は起立の状態を含む姿勢、並びに、車内での移動の有無等を含むことができる。
図7は、縦軸を乗客Pの乗車率、横軸を車両100の走行距離として、走行中の車両100の乗客Pの乗車率の変遷を示すグラフの一例である。乗車状態把握手段11は、停留所毎に乗車する乗客Pと降車する乗客Pを計測することで、停留所間の乗客Pの乗車率を把握することができる。具体的には、乗車状態把握手段11は、演算制御部109を用い、車内カメラ105の画像に基づいて乗客Pの乗降時に乗車人数と降車人数を計測し、情報記憶部110に予め記憶された車両100の乗車定員に基づいて乗車率を算出して情報記憶部110に記憶する。
また、乗車状態把握手段11は、車内カメラ105が顔認識用カメラ105aを含む場合には、顔認識用カメラ105aの画像を演算制御部109によって処理し、乗客Pの推定年齢、性別及び身長を特定して情報記憶部110に記憶する。ここで、乗客Pのプライバシーに配慮して、個人を特定可能な画像を情報記憶部110に記憶しないようにすることができる。このように、車内カメラ105が顔認証カメラ105aを含む場合には、演算制御部109によって年齢層別の乗車率を算出し、比較的転倒しやすい高齢者の乗車率等を得ることができる。
また、乗車状態把握手段11を構成する演算制御部109は、車内カメラ105の画像及び車内センサ107が検出した情報に基づいて、乗客Pの車両100内での位置及び姿勢を特定して情報記憶部110に記憶する。演算制御部109は、例えば、車内カメラ105の画像を処理して車両100内を上方から見た俯瞰画像すなわち図5Aに示す車両100の平断面図に相当する画像に変換し、変換した俯瞰画像に基づいて、乗客Pの位置及び姿勢を特定する。ここで、乗客Pの姿勢とは、着席している状態と起立している状態とを含む。乗客Pが起立した状態には、通路に立って吊革又は手すりに掴まっている状態、及び、通路に立ってどこにも掴まっていない状態を含む。
さらに、乗車状態把握手段11は、演算制御部109によって情報記憶部110に記憶されたプログラムを実行し、所定の時間間隔で連続的に撮影された車内カメラ105の画像に基づいて、乗客Pや手荷物Lの車両100内での移動の有無を認識する。ここで、乗客Pや手荷物Lの車両100内での移動の有無は、例えば、ブロックマッチング法又は勾配法によるオプティカルフロー方式等、公知の画像処理によって認識することが可能である。
図6Aから図6Dに示すように、車内センサ107が超音波センサ107Aを含む場合には、乗車状態把握手段11が備える演算制御部109は、各超音波センサ107Aの検出した反射波の情報に基づいて、特定の超音波センサ107Aの下方の位置で、座席Sに乗客Pが座っていること、座席Sが空席であること、及び座席S又は通路に手荷物が置いてあることを特定して、情報記憶部110に記憶する。ここで、座席Sに乗客Pが座っているか否かの判定は、例えば、各超音波センサ107Aからその下方の座席Sの座面又は通路Aの床面までの距離と、各超音波センサ107Aによって得られた各超音波センサ107Aからその下方の乗客P又は荷物までの距離とに基づいて判定することができる。
具体的には、演算制御部109は、超音波センサ107Aによって得られた距離が、超音波センサ107Aから座席Sの座面又は通路Aの床面までの距離と等しければ、座席Sは空席であり、又は通路に乗客Pは立っておらず、座席S又は通路Aに手荷物Lは置かれていないと判定する。また、演算制御部109は、超音波センサ107Aによって得られた距離が、所定の閾値よりも短い場合には、座席Sに乗客Pが座っており、通路に乗客Pが立っており、或いは、座席S又は通路Aに手荷物Lが置かれていると判定する。なお、距離の閾値は、車内カメラ105の画像から得られた各乗客Pの身長等の属性情報に応じて適宜異ならせてもよい。
また、車内センサ107が、赤外線センサを含む場合には、乗車状態把握手段11が備える演算制御部109は、赤外線センサの情報に基づいて、乗客Pの位置、人数等を特定し、情報記憶部110に記憶する。
また、車内センサ107が、各座席Sに配置された圧力センサを含む場合には、乗車状態把握手段11が備える演算制御部109は、各座席Sに配置された圧力センサの情報に基づいて、乗客Pの着席の有無を判定する。ここで、圧力に所定の閾値を設定し、圧力センサによって検出した圧力がその閾値を超えたときに乗客Pが座席Sに着席したと判定するようにしてもよい。なお、圧力の閾値は、車内カメラ105の画像から得られた各乗客Pの身長等の属性情報に応じて適宜異ならせてもよい。
また、車内センサ107が、各乗客Pの吊革又は手すりの把持の有無及び吊革又は手すりを把持した位置を検出する圧力センサ又は接触センサを含む場合には、乗車状態把握手段11が備える演算制御部109は、圧力センサ又は接触センサに基づいて、乗客Pが把持している吊革と手すりの位置を特定する。ここで、演算制御部109は、車内カメラ105の画像とその他の車内センサ107の情報の少なくとも一方から得られる各乗客Pの位置情報と、乗客Pが把持している吊革と手すりの位置とを関連付けてもよい。この場合、演算制御部109は、通路Aに立った状態で吊革又は手すりを把持している乗客Pと、通路Aに立った状態でどこにも掴まっていない乗客Pとを識別し、情報記憶部110に記憶する。
以上のように、乗車状態把握手段11は、演算制御部109によって車内カメラ105及び車内センサ107から得られた画像及び情報を処理し、必要な情報を情報記憶部110から読み出し又は情報記憶部110に記憶させる。これにより、乗車状態把握手段11は、車両100内の乗客Pの乗車率、属性情報、位置及び姿勢、乗客Pの移動の有無の少なくとも一つを含む乗客Pの乗車状態を把握する。
本実施形態の車内監視装置1は、図1Aから図1Dに示すように、構成要素の一つとして走行状態把握手段12を備えている。走行状態把握手段12は、図2に示す車両100の速度又は加速度を計測する車両センサ108と、この車両センサ108を制御する演算制御部109と、演算制御部109を介して車両センサ108の計測結果を記憶する情報記憶部110と、を備えている。また、走行状態把握手段12は、車両センサ108に代えて、又は車両センサ108と共に、車両100外の画像を撮影する車外カメラ106を備えてもよい。本実施形態の走行状態把握手段12は、車両センサ108と共に車外カメラ106を備えている。
本実施形態の車両100は、車両センサ108として、速度センサ、加速度センサ及び角速度センサを備えている。走行状態把握手段12は、演算制御部109によって車両センサ108及び情報記憶部110を制御し、必要な情報を読み出し、自車両100の走行状態として速度、加速度及び角速度を測定し、必要な情報を情報記憶部110に記憶させる。
本実施形態の車両100は、車外カメラ106として、車両100の前方を撮影するステレオカメラと、車両100の後方を撮影するステレオカメラを備えている。なお、車両100の後方を撮影するステレオカメラは省略してもよい。走行状態把握手段12は、演算制御部109によって車外カメラ106及び情報記憶部110を制御し、必要な情報を読み出して画像を処理し、自車両100の走行状態として前方車両、前方の障害物、又は後方車両との距離及び相対速度を算出し、必要な情報を情報記憶部110に記憶させる。
以上のように、走行状態把握手段12は、演算制御部109によって車両センサ108又は車外カメラ106から得られた情報又は画像を処理し、必要な情報を情報記憶部110から読み出し又は情報記憶部110に記憶させる。これにより、走行状態把握手段12は、自車両100の3軸方向の速度、加速度、角速度、前方車両との車間距離及び相対速度、前方の障害物との距離及び相対速度、後方車両との距離及び相対速度の少なくとも一つを含む走行状態を把握する。
本実施形態の車内監視装置1は、図1C及び図1Dに示すように、構成要素の一つとして危険度判定手段15を備えている。危険度判定手段15は、図2に示す車両100の乗車状態及び走行状態を記憶する情報記憶部110と、乗車状態及び走行状態に基づいて乗客が転倒する危険度を判定する演算制御部109とを備えている。また、情報記憶部110には、乗車状態及び走行状態に基づいて危険度を判定するためのプログラムが記憶されている。
図8は、乗客が転倒する危険度を判定する判定基準の一例を示す表である。危険度判定手段15は、演算制御部109によって情報記憶部110に記憶されたプログラム、乗客Pの乗車状態及び車両100の走行状態を読み出し、例えば図8に示す判定基準に従って、乗客が転倒する危険度を判定する。具体的には、危険度判定手段15は、演算制御部109によって情報記憶部110から、例えば、乗客Pの車両100内での位置と姿勢及び60歳以上の高齢者の乗車率を、乗客Pの乗車状態として読み出す。
また、危険度判定手段15は、演算制御部109によって情報記憶部110から、例えば、車両100の前後方向、左右方向、及び上下方向の3軸方向の速度、加速度、角速度を車両100の走行状態として読み出す。
図9は、車両100の進行方向の速度と加速度の一例を示すグラフである。グラフ中、実線が速度を示し、破線が加速度を示している。車両100が停車した状態から発進し、速度が増加して定速走行に移行するまでの間に、比較的大きな加速度が生じる。また、車両100が定速走行から減速して停車するまでの間に、逆方向の比較的大きな加速度が生じる。また、低速走行時に前方車両との車間を確保するために減速した場合や、前方車両との車間を詰めるために加速した場合にも加速度が生じる。さらに、図示は省略するが、転回中、急勾配走行中、又は、急カーブ走行中には、車両100の前後方向だけでなく、左右方向や上下方向の加速度が生じる場合がある。
危険度判定手段15は、演算制御部109によって情報記憶部110に記憶されたプログラムを実行し、速度、加速度、角速度、路線地図、走行経路等の情報に基づいて、自車両100の走行状態が、例えば、停車から発進までの間、走行中、転回中、急勾配走行中、又は、急カーブ走行中のいずれかにあることを判定する。さらに、演算制御部109は、情報記憶部110から必要な情報を読み出して、乗客Pの車両100内での位置と姿勢、60歳以上の高齢者の乗車率、及び自車両100の走行状態に基づいて危険度を判定して情報記憶部110に記憶する。
具体的には、例えば、乗客P全員が着席し、高齢者の乗車率が0%であり、車両100が停車から発進までの間である場合には、危険度を最も低いレベル1と判定し、情報記憶部110に記憶する。また、乗客P全員が着席し、高齢者の乗車率が20%以下であり、車両100が走行中である場合には、危険度を2番目に低いレベル2と判定し、情報記憶部110に記憶する。また、通路に立っている乗客P全員が吊革又は手すりに掴まっており、高齢者の乗車率が0%であり、車両100が停車から発進までの間にある場合には、危険度を3番目に低いレベル3と判定し、情報記憶部110に記憶する。
また、通路に立っている乗客P全員が吊革又は手すりに掴まっており、高齢者の乗車率が40%以下であり、車両100が転回中である場合には、危険度を3番目に高いレベル4と判定し、情報記憶部110に記憶する。また、乗車定員を超えて通路に立っている乗客Pが密集し、高齢者の乗車率が10%以下であり、車両100が急こう配を走行中の場合には、危険度を2番目に高いレベル5と判定し、情報記憶部110に記憶する。また、乗車定員を超えて通路に立っている乗客Pが密集し、高齢者の乗車率が40%以下であり、車両100が急カーブを走行中の場合には、危険度を最も高いレベル6と判定し、情報記憶部110に記憶する。
以上の危険度の判定基準は、あくまでも一例であり、他の様々な情報を加味して危険度を判定することができる。例えば、車外カメラ106の画像から、先行車両との車間距離と相対速度が所定の閾値を超え、自車両100を減速させなければ先行車両との衝突の危険がある場合には、危険度を高く設定することができる。また、車外カメラ106の画像から、後方車両の追突の危険が判定された場合に、危険度を高くしてもよい。
実際には、立っている乗客Pの乗車状態、すなわち、位置、人数、属性等を、運転士が正確に把握している場合には、危険度を低くすることができる。しかし、例えば、運転士が着席していると認識していた乗客Pが、運転士の気付かないうちに起立し、運転士の認識している乗客Pの乗車状態と実際の乗客Pの乗車状態とにずれが生じた場合には、乗客Pの転倒等の危険性が高くなる。したがって、乗客Pの乗車状態に変化が生じた場合に、運転士がその変化を認識するまでの間は、危険度を高くすることが好ましい。運転士が乗車状態の変化、例えば着席した状態の乗客Pが起立したことを認識したか否かは、例えば、運転士が乗車状態の変化を認識してタッチパネル等を操作することによる確認操作の有無によって判定することができる。
前記の例では、主に乗客Pが図5Aに示す車両100内の座席Sや通路Aにどの程度存在するかを検知することを目的としていたが、さらに乗客Pの安全性を確保するために、顔認識システムと乗客Pの追跡とを組み合わせて危険度を判定してもよい。例えば、危険度判定手段15は、乗客Pの乗車時に、演算制御部109を用い、顔認識用カメラ105aの画像に基づいて、乗客Pの年齢や性別を識別し、高齢者や年少者などの危険度を高く設定する。そして、危険度判定手段15は、演算制御部109と車内カメラ105等を用い、画像処理を行って危険度が高い乗客Pの追跡処理を行い、最終的に乗客Pの乗車状態が確定した位置及び時点を特定する。その後、危険度判定手段15は、例えば、車両100の走行中に乗客Pが起立したり、通路A上を移動したりするなどの乗車状態を検知した場合には、危険度を高くする。
以上のように、危険度判定手段15は、情報記憶部110に記憶されたプログラム、乗車状態及び走行状態に基づいて、演算制御部109によって乗客Pが転倒する危険度を判定して情報記憶部110に記憶する。なお、危険度判定手段15は、報知手段13又は車両制御手段14に含めてもよい。
本実施形態の車内監視装置1は、図1Aから図1Dに示すように、構成要素の一つとして報知手段13を備えている。報知手段13は、図2に示す車両100の乗車状態及び走行状態を記憶する情報記憶部110と、乗車状態及び走行状態に基づいてモニタ103及びスピーカ104等を制御する演算制御部109とを備えている。より具体的には、情報記憶部110は、乗車状態及び走行状態に基づく危険度を記憶し、演算制御部109は、危険度に基づいて車両100のモニタ103及びスピーカ104等を制御する。
また、報知手段13は、演算制御部109によって情報記憶部110に記憶された現在の乗客Pの乗車状態と車両100の走行状態を読み出し、モニタ103に各乗客Pの乗車状態を表示する。報知手段13は、演算制御部109によって情報記憶部110から危険度を読み出し、モニタ103に危険度を表示するようにしてもよい。すなわち、報知手段13は、乗車状態と危険度の少なくとも一方を表示装置としてのモニタ103に表示させ、乗客Pの安全に関する報知を行う。危険度が高くなった場合の警告手段としては、運転士の前方への注意や集中を極力妨げない観点から、音声アラームなどでの警告が望ましい。
図10は、モニタ103に表示された各乗客Pの乗車状態の一例を示す画像図である。報知手段13は、演算制御部109によって情報記憶部110に記憶された車内カメラ105の画像を俯瞰画像に変換し、モニタ103に表示させる。ここで、乗客Pの乗車状態の表示方法としては、例えば、着席中の乗客Pを丸印で表示し、通路Aに立っている乗客Pを四角印で表示し、長時間移動していない乗客Pを三角印で表示することができる。また、例えば、高齢者、通路に立った状態で吊革又は手すりに掴まっていない乗客P又は手荷物Lを、異なる形状の印や異なる色で区別して表示するようにしてもよい。
図11は、モニタ103に表示された各乗客Pの乗車状態と危険度の一例を示す画像図である。報知手段13は、演算制御部109によって情報記憶部110に記憶された車内カメラ105の画像を俯瞰画像に変換し、モニタ103に表示させると共に、例えば、乗客Pの移動の有無、危険度、全体の乗車率、高齢者と子供の乗車率、女性の乗車率などをモニタ103に表示させる。
また、報知手段13は、演算制御部109によって情報記憶部110から読み出した危険度が低い場合には、演算制御部109によって情報記憶部110に記憶された乗客Pの属性情報及び広告情報を読み出し、乗客用のモニタ103に乗客Pの年齢層に応じた広告情報を表示させるようにしてもよい。
また、報知手段13は、演算制御部109によって、情報記憶部110に記憶された乗客Pの現在の乗車状態と車両100の現在の危険度を読み出し、その危険度が所定の危険度よりも高い場合に、スピーカ104に乗客Pの現在の乗車状態と危険度の少なくとも一方を出力させる。また、報知手段13は、演算制御部109によって、乗車状態又は危険度に応じた警告をスピーカ104に音声で出力させてもよい。なお、報知手段13は、スピーカ104に代えて、又はスピーカ104と併用して、音声案内装置としてのイヤホンに音声を出力させるようにしてもよい。このように、報知手段13は、スピーカ104等の音声案内装置によって、運転士又は乗客Pに対して乗客Pの安全に関する報知を行う。
なお、報知手段13は、乗客Pの安全に関する報知を、車両100の走行中に行い、車両100の停車中に行わないようにしてもよい。具体的には、報知手段13は、スピードメーターの情報、又は、情報記憶部110に記憶された車両100の現在の走行状態を読み出す。そして、演算制御部109によって車両100が走行中か否かを判定し、車両100が停車中である場合に、前記した危険度に応じた報知を行う。また、報知手段13は、単に、通路Aなどに立っている乗客Pがいないかを判定し、立っている乗客Pがいる場合に、運転士にその旨、すなわち乗客の安全に関する報知をするようにしてもよい。
本実施形態の車内監視装置1は、図1B及び図1Dに示すように、構成要素の一つとして車両制御手段14を備えている。車両制御手段14は、図2に示す車両100の乗車状態及び走行状態を記憶する情報記憶部110と、乗車状態及び走行状態に基づいて車両100の電子制御スロットル101及びブレーキ装置102等を制御する演算制御部109とを備えている。より具体的には、情報記憶部110は、乗車状態及び走行状態に基づく危険度を記憶し、演算制御部109は、危険度に基づいて車両100の電子制御スロットル101及びブレーキ装置102等を制御する。
車両制御手段14は、演算制御部109によって、情報記憶部110に記憶された車両100の現在の危険度を読み出し、その危険度が所定の危険度よりも高い場合に、電子制御スロットル101を制御して車両100の加速を制限する。より具体的には、例えば、危険度がレベル4以上の場合に、運転士のアクセルペダルの操作によらず、車両100が加速しないように電子制御スロットル101を制御する。すなわち、車両制御手段14は、危険度に応じて加速制御装置としての電子制御スロットル101を制御して車両100の速度を制御する。
また、車両制御手段14は、演算制御部109によって、情報記憶部110に記憶された車両100の現在の危険度を読み出し、その危険度が所定の危険度よりも高い場合に、ブレーキ装置102を制御して車両100を減速させる。より具体的には、例えば、危険度がレベル5以上の場合に、運転士のブレーキペダルの操作によらず、車両100が所定の速度以下になるようにブレーキ装置102を制御して車両100を減速させ、危険度を低下させる。すなわち、車両制御手段14は、危険度に応じてブレーキ装置102を制御して車両100の速度を制御する。
また、車両制御手段14は、演算制御部109によって情報記憶部110に記憶された現在の乗客Pの乗車状態と車両100の走行状態を読み出し、乗客Pが移動中で車両100が停車から発進までの間であることが確認された場合に、電子制御スロットル101とブレーキ装置102を制御して、運転士のアクセルペダル及びブレーキペダルの操作によらず、車両100の停止を維持するようにしてもよい。
以下、本実施形態の車内監視装置1の作用について説明する。本実施形態の車内監視装置1は、前記したように、乗車状態把握手段11と、走行状態把握手段12と、報知手段13とを備えている。これにより、車両100内の乗客Pの乗車状態と車両100の走行状態を把握してこれら乗車状態と走行状態に基づいて運転士や乗客Pに、乗客Pの安全に関する情報を報知することができる。これにより、運転士や乗客Pに転倒等の危険を報知し、車両100内における乗客Pの転倒を防止し、車内事故を抑制することができる。
また、本実施形態の車内監視装置1は、車両制御手段14をさらに備えている。これにより、車両100内の乗客Pの乗車状態と車両100の走行状態を把握してこれら乗車状態と走行状態に基づいて車両100を制御することができる。すなわち、乗客Pの乗車状態に応じて車両100の走行状態を最適化することで、車両100内における乗客Pの転倒を防止し、車内事故を抑制することができる。
また、本実施形態の車内監視装置1は、乗車状態及び走行状態に基づいて乗客が転倒する危険度を判定する危険度判定手段15をさらに備えている。これにより報知手段13は、前危険度に応じて報知を行う。そのため、例えば、高齢者や年少者等、乗客Pの属性に応じて危険度を設定し、走行中の車両100内で乗客Pが着席した状態から急に立ち上がった場合など、特定の危険度に応じて、乗客Pの安全に関する報知を行うことができる。
また、車内監視装置1が危険度判定手段15を備えることで、車両制御手段14は、危険度に応じて車両100を制御する。そのため、例えば、危険度が高い場合には、車両100内の加速度又は角速度が小さくなるように車両100を制御して乗客Pの転倒を防止することができ、危険度が低い場合には、加速度又は角速度を必要以上に小さくすることなく安全に車両100を走行させることができる。
また、本実施形態の車両100は、モニタ103を備えている。そして、車内監視装置1の構成要素である報知手段13は、乗車状態と危険度の少なくとも一方をモニタ103に表示させる。これにより、運転士の注意を喚起して車両100の安全運転に寄与するだけでなく、車両100内の死角を無くして安全確認を容易かつ確実に行うことが可能になる。また、報知手段13によって乗客用のモニタ103に乗客Pの年齢層に応じた広告情報を表示させることで、より効果の高い広告宣伝効果を得ることができる。
また、本実施形態の車両100は、音声案内装置としてのスピーカ104を備えている。そして、車内監視装置1の一部である報知手段13は、乗車状態と危険度の少なくとも一方をスピーカ104に音声で出力させる。これにより、運転士又は乗客Pは、視覚に頼ることなく乗車状態又は危険度を知ることができ、モニタ103を見ることができない場合でも乗客の転倒を未然に防ぐ対応が可能になる。
また、本実施形態の車両100は、ブレーキ装置102を備え、車内監視装置1を構成する車両制御手段14は、乗客Pの転倒の危険度に応じてブレーキ装置102を制御して車両100の速度を制御する。これにより、運転士のブレーキペダルの操作によらず、乗客Pの転倒の危険度に応じて、車両100を減速させ又は停止した状態を維持することができる。したがって、例えば、高齢者の乗車率が高い車両100の発進時及び転回中や、乗車定員を超える状態で急勾配や急カーブを走行中の車両100等、乗客Pが転倒する危険度が高い場合でも、運転士の技量によらず、車両100内での乗客Pの転倒を防止して、車内事故を抑制することが可能になる。
また、本実施形態の車両100は、加速制御装置としての電子制御スロットル101を備えている。そして、車内監視装置1を構成する車両制御手段14は、乗客Pが転倒する危険度に応じて電子制御スロットル101を制御して車両100の速度を制御する。これにより、運転士のアクセルペダルの操作によらず、乗客Pの転倒の危険度に応じて、車両100が加速しないようにすることができる。したがって、例えば、高齢者の乗車率が高い車両100の発進時及び転回時や、乗車定員を超える状態で急勾配や急カーブを走行中の車両100等、乗客Pが転倒する危険度が高い場合でも、運転士の技量によらず、車両100内での乗客Pの転倒を防止して、車内事故を抑制することが可能になる。
また、本実施形態の車内監視装置1を構成する乗車状態把握手段11は、車両100内の画像を撮影する車内カメラ105を備えている。これにより、車内カメラ105の画像に基づいて、例えば、乗客Pの乗車率、乗客Pの年齢、性別及び身長、乗客Pの車両100内での位置及び姿勢、並びに、車内での移動の有無等を含む乗客Pの乗車状態を把握することができる。したがって、乗車状態を細分化することができ、細分化された乗車状態に応じたきめ細かい車両制御を行うことが可能になり、乗客Pの転倒をより確実に抑制することができる。また、複数の車内カメラ105を、隣接する車内カメラ105同士の撮影可能な範囲の一部が重複するように配置することで、車内カメラ105の死角を無くし、乗客の転倒をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態の車内監視装置1を構成する乗車状態把握手段11は、乗客Pの位置及び姿勢を検知する車内センサ107を備えている。これにより、車内センサ107の情報に基づいて、例えば、乗客Pが着席していること、通路Aに立っていること、吊革又は手すりに掴まっていること、手荷物Lが座席Sの座面又は通路Aの床面に置かれていること等を各乗客Pの乗車状態として把握することができる。したがって、乗車状態を細分化することができ、細分化された乗車状態に応じたきめ細かい車両制御を行うことが可能になり、乗客Pの転倒をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態の車内監視装置1を構成する走行状態把握手段12は、車両100の速度又は加速度を計測する車両センサ108を備えている。これにより、危険度判定手段15又は車両制御手段14は、車両100の速度又は加速度と乗客Pの乗車状態に基づいて事故発生の危険度を判定することが可能になる。したがって、事故発生の危険度を正確に判定することができ、乗客Pの転倒をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態の車内監視装置1を構成する走行状態把握手段12は、車両100外の画像を撮影する車外カメラ106を備えている。これにより、走行状態把握手段12は、走行状態として、例えば前後の車両又は障害物と自車両100との距離や相対速度を把握することができる。そして、危険度判定手段15又は車両制御手段14は、前後の車両又は障害物と自車両100との距離や相対速度と乗客Pの乗車状態に基づいて事故発生の危険度を判定することが可能になる。したがって、例えば、前後の車両又は障害物と自車両100との距離や相対速度と基づいて急ブレーキ又は追突などが予測された場合に、乗客Pの乗車状態に応じて危険度を高くすることで、事前に運転士や乗客Pに警告を発し、乗客Pの転倒をより確実に抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の車内監視装置1によれば、多数の乗客Pの輸送を目的とする公共旅客輸送用の車両100において、乗客Pの転倒を防止して、車内事故の発生を抑制することができる。
(車内監視システム)
次に、本発明の実施形態に係る車内監視システム1Aについて、図3から図11を援用し、図12Aから図16を用いて説明する。本実施形態の車内監視システム1Aは、乗客Pの乗車状態、車両100の走行状態、及び危険度に基づいて安全管理を行う安全管理手段16をさらに備える点で、実施形態1の車内監視装置1と異なっている。本実施形態の車内監視システム1Aのその他の点は、実施形態1の車内監視装置1と同様であるので、同様の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
図12Aから図12Dは、本実施形態に係る車内監視システム1Aの構成要素を示すブロック図である。車内監視システム1Aは、乗車状態把握手段11と、走行状態把握手段12と、報知手段13に加えて、安全管理手段16を備えている。実施形態1と同様に、車内監視システム1Aは、図12B及び図12Dに示す車両制御手段14、並びに、図12C及び図12Dに示す危険度判定手段15をさらに備えてもよいが、図12Bに示すように、危険度判定手段15を省略し、車両制御手段14が前記の危険度を判定するようにしてもよい。
図13は、図12に示す車内監視システム1Aの各構成を実現する車両100Aと運行管理部200の具体的な構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の車両100Aは、情報通信部111を備えることを除いて、実施形態1の車両100と同様の構成を有している。車両100Aの情報通信部111は、演算制御部109の制御の下、情報記憶部110に記憶された情報を、例えば無線、インターネット回線等を介して、以下に説明する運行管理部200の情報通信部201と相互にデータ通信可能に設けられている。
運行管理部200は、例えば、複数の車両100Aの安全管理を行うための設備である。運行管理部200は、車両100Aの情報通信部111と相互にデータ通信可能な情報通信部201と、複数の車両100Aの安全管理に必要な情報を入力するための情報入力部202と、車両100Aから送られた情報及び情報入力部202から入力された情報を処理する演算制御部203と、演算制御部203を介して情報が記憶される情報記憶部204とを有している。また、運行管理部200は、演算制御部203の制御の下で車両100Aの走行訓練を行うシミュレータ205と、演算制御部203の制御の下で情報を表示するモニタ206とを備えている。
本実施形態の車内監視システム1Aの構成要素の一つである安全管理手段16は、運行管理部200の各構成と、車両100Aの情報通信部111とによって構成されている。すなわち、安全管理手段16は、乗車状態、走行状態、及び危険度を含む情報を複数の車両100Aとの間で通信する情報通信部201を備えている。また、安全管理手段16は、演算制御部109の制御の下、各車両100Aの乗車状態、走行状態、及び危険度を記憶する手段として、運行管理部200の情報記憶部204を備えている。
また、安全管理手段16は、情報記憶部204に記憶された各車両100Aの乗車状態、走行状態、及び危険度に基づいて車両100Aの走行訓練を行うシミュレータ205を備えている。さらに、安全管理手段16は、演算制御部203の制御の下、各車両100Aの乗客Pの乗車状態、各車両100Aの走行状態、及び各車両100Aの危険度を表示する情報表示部として運行管理部のモニタ206を備えている。
図14は、運行管理部200のモニタに表示される情報の一例を示す画像図である。安全管理手段16は、情報入力部202を介して入力した各車両100Aの運転士名、路線名、運行時間帯等を、演算制御部109の制御の下、情報記憶部110に記憶する。また、安全管理手段16は、複数の車両100Aの情報通信部111と運行管理部200の情報通信部201との間で通信を行って、各車両100Aの乗客Pの乗車状態、各車両100Aの走行状態、及び各車両100Aの危険度を受信し、演算制御部203の制御の下、情報記憶部204に記憶する。ここで、各車両100Aの走行状態には、位置情報、アクセルペダル及びブレーキペダルの操作量、速度、加速度、角速度を含む。
運行管理部200の演算制御部203は、情報記憶部204に記憶された情報に基づいて、モニタ206に、例えば、運転士名、路線名、時間帯、乗車率、危険地点情報等の情報を表示する。ここで、危険地点情報には、例えば、車両100Aの危険度が所定のレベルよりも高くなった位置情報及び車外カメラ106の映像が含まれる。
図15は、運行管理部200のモニタ206に表示される情報の一例を示す画像図である。安全管理手段16は、演算制御部203によって、モニタ206に路線地図Mを表示させる。また、安全管理手段16は、情報通信部201を介して情報記憶部204に記憶された複数の車両100Aの乗車状態、走行状態、危険度と、各車両100Aの位置情報とに基づいて、演算制御部203によって車両100Aの危険度が所定のレベルよりも高くなった危険位置Dの情報を抽出して路線地図M上に表示させる。なお、運行管理部200のモニタ206には、各車両100Aのモニタ103に表示された画像を表示させてもよい。
図16は、各車両100Aのモニタ103に表示される情報の一例を示す画像図である。運行管理部200は、例えば、危険位置Dの情報を路線地図M上に表示させた地図情報を、情報通信部201を介して各車両100Aの情報通信部111に送信することができる。各車両100Aは、情報通信部111によって受信した地図情報を、演算制御部109の制御の下でモニタ103に表示させることができる。このとき、各車両100Aの路線情報と位置情報に基づいて、注意喚起情報Nを路線地図Mに重畳させてモニタ103に表示させるようにしてもよい。また、車両100Aが危険位置Dに近付いた時に、スピーカ104やモニタ103を介して運転士に報知するようにしてもよい。これにより、運転士の注意を喚起して乗客Pの転倒を防止することができる。
次に、本実施形態の車内監視システム1Aの作用について説明する。本実施形態の車内監視システム1Aは、車両100Aの乗車状態、走行状態、及び危険度に基づいて安全管理を行う安全管理手段16を備えている。これにより、安全管理手段16によって複数の車両100Aの乗車状態、走行状態、及び危険度の情報を管理して乗客Pの転倒の危険性が高い場所を特定することができる。また、安全管理手段16によって各運転士の運行履歴を管理して、運転士の運転技術の向上に役立てることができる。
また、安全管理手段16は、乗車状態、走行状態、及び危険度を表示する情報表示部として、運行管理部200のモニタ206を備えている。これにより、運行管理部200において、各車両100Aの乗車状態、走行状態、危険度を逐次把握し、運行管理部200から各車両100Aに指示を与えて乗客Pの転倒を未然に防止することができる。
また、安全管理手段16は、各車両100Aの乗車状態、走行状態、及び危険度を記憶する情報記憶部110を備えている。これにより、複数の車両100Aの乗車状態、走行状態、及び危険度の情報を蓄積して、それぞれ分析することが可能になり、各車両100Aの乗客Pの転倒の防止に寄与することが可能になる。
また、安全管理手段16は、情報記憶部110に記憶された乗車状態、走行状態、及び危険度に基づいて車両100Aの走行訓練を行うシミュレータ205を備えている。これにより、各車両100Aで危険度が高くなった乗車状態、走行状態をシミュレータ205上で再現し、例えば、所定の危険度以下で走行できるように訓練することで、運転士の安全運転技術の向上に役立てることができる。なお、プライバシー保護の観点から、シミュレータ205に用いる画像からは、他の車両のナンバープレートや車両情報など、個人が特定される情報を取り除くことが好ましい。
ここで、乗車状態には、乗客Pの乗車率を含む。これにより、路線毎の混雑状況を運転士が事前に把握することができ、運転士の安全運転を喚起して、乗客Pの転倒を抑制することができる。なお、乗車率は、年齢や性別で分類してグラフ化してもよい。また、各車両100Aの走行状態には、位置情報、アクセルペダル及びブレーキペダルの操作量、及び速度、加速度、角速度を含む。これにより、各車両100Aが急ブレーキをかけた位置、状況等を分析して、事故防止に役立てることができる。
また、安全管理手段16は、乗車状態、走行状態、及び危険度を含む情報を車両100Aとの間で通信する情報通信部111,201を備えている。これにより、情報通信部111,201を介して複数の車両100Aの情報を受信し、各車両100Aに情報を送信することが可能になる。
(車両制御方法)
最後に、前述の実施形態1で説明した車両制御装置1を用いた車両制御方法の実施形態について、図1から図11を援用し、図17A及び図17Bを用いて説明する。図17A及び図17Bは、本実施形態の車両制御方法の工程を示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係る車両制御方法は、多数の乗客Pの輸送を目的とする車両100に用いられる車両制御方法であって、乗客Pの乗車状態を把握する工程S1と、車両100の走行状態を把握する工程S2と、乗車状態及び走行状態に基づいて車両100を制御する工程S3と、を有している。
車両制御方法は、図17Bに示すように、乗客の乗車状態及び車両の走行状態に基づいて乗客Pが転倒する危険度を判定する工程S4をさらに備えてもよいが、図17Aに示すように、車両100を制御する工程S3に危険度を判定する工程を含めてもよい。いずれの場合にも、車両100を制御する工程S3では、乗車状態及び車両の走行状態に基づいて判定された危険度に応じて車両100を制御する。以下では、車両100を制御する工程S3と危険度を判定する工程S4とを別の工程として説明する。
乗客Pの乗車状態を把握する工程S1では、乗車状態把握手段11は、車内カメラ105、車内センサ107等を用いて、乗客Pの乗車率、乗客Pの年齢、性別及び身長、乗客Pの車両100内での位置及び姿勢、並びに、車内での移動の有無等を含む乗客Pの乗車状態を把握する。
車両100の走行状態を把握する工程S2では、走行状態把握手段12は、車両センサ108、車外カメラ106等を用いて、自車両100の3軸方向の速度、加速度、角速度、前方車両との車間距離及び相対速度、前方の障害物との距離及び相対速度、後方車両との距離及び相対速度の少なくとも一つを含む走行状態を把握する。
乗客Pが転倒する危険度を判定する工程S4では、危険度判定手段15は、乗車状態及び走行状態に基づいて、例えば、図8に示す表に基づいて、危険度を判定する。さらに、車両100を制御する工程S3では、車両制御手段14は、乗車状態及び車両の走行状態に基づいて判定された危険度に応じて車両100を制御する。
以下、本実施形態の車両事故抑制方法の作用について説明する。例えば、車両100が停留所で停止して乗客Pが乗降中である場合には、乗車状態把握手段11によって、工程S1で乗客Pの乗車状態が移動中であることが把握される。また、工程S2では、走行状態把握手段12によって車両100が停止していることが把握される。この場合、工程S4では、危険度判定手段15によって、例えば危険度が高く判定される。すると、工程S3では、報知手段13によってモニタ103に乗客Pが移動中であることが表示され、又はスピーカ104が音声で案内することによって乗客Pが移動中であることが運転士に報知される。これにより、運転士の注意が喚起され、乗客Pの転倒が防止される。
また、工程S3では、危険度が高い状態で運転士が誤って車両100を発進させようとしても、電子制御スロットル101及びブレーキ装置102が演算制御部109によって制御され、運転士のアクセルペダルやブレーキペダルの操作によらず、車両100が停止した状態が維持される。これにより、乗客Pの転倒等の車内事故や乗客Pの乗降中の発車による事故が抑制される。そして、乗客Pの乗降が終了して工程S4で危険度が低く判定されるまで、工程S1、S2、S4、S3が順次繰り返される。
乗客Pの乗降が終了して移動が完了すると、工程S1で乗車状態把握手段11によって各乗客Pの乗車状態が着席した状態、吊革又は手すりに掴まった状態、或いはどこにも掴まっていない状態と把握される。そして、工程S2で走行状態把握手段12によって車両が停止していることが把握され、乗客P全員の乗車状態が着席した状態、或いは吊革又は手すりに掴まった状態の場合には、工程S4で危険度判定手段15によって危険度が低く判定される。ここで、着席しておらず吊革又は手すりに掴まっていない乗客Pが存在する場合には、危険度が高く判定されるようにしてもよい。この場合、乗客Pが移動中である場合と同様に工程S1、S2、S4、S3が順次繰り返される。
工程S4で危険度が所定の危険度よりも低く判定された場合には、工程S3で車両制御手段14によって乗客P全員の乗車状態が着席した状態又は吊革、手すりに掴まった状態であること、或いは危険度が低下したことがモニタ103に表示され、又はスピーカ104によって報知され、工程S3が終了する。これにより、運転士が車両100を安全に発進できることを容易かつ確実に確認できる。また、工程S4で危険度が低く判定された場合には、工程S3で電子制御スロットル及びブレーキ装置の制御は行われず、運転士は、アクセルペダルやブレーキペダルの操作によって車両100を発進させることができる。
また、車両100が走行中に乗客Pが通路Aを移動中である場合には、工程S1で乗客Pの乗車状態が移動中と把握される。そして、工程S2で車両が移動中であることが把握され、工程S4で危険度が高く判定される。すると、工程S3ではモニタ103に乗客Pが移動中であることが表示され、又はスピーカ104が音声で案内することによって乗客Pが移動中であることが運転士に報知される。これにより、運転士の注意が喚起され、乗客Pの転倒が防止される。また、運転士は、マイク及びスピーカ104を用いて乗客Pに注意を呼びかけることもできる。
また、工程S3では、危険度が高い状態で、例えば運転士が車両100の速度を上昇させようとしても、電子制御スロットル101及びブレーキ装置102が演算制御部109によって制御され、運転士のアクセルペダルやブレーキペダルの操作によらず、車両100の加速が防止され、又は、急ブレーキを防止するために車両の速度を所定の速度まで緩やかに減速させる。これにより、乗客Pの転倒が防止される。そして、乗客Pの移動が終了して工程S4で危険度が低く判定されるまで、工程S1、S2、S4、S3が順次繰り返される。
工程S4で危険度が所定の危険度よりも低く判定された場合には、工程S3で乗客Pの移動が完了したことがモニタ103に表示され、又はスピーカ104によって報知され、工程S3が終了する。これにより、運転士は、車両100を通常通り加減速できることを容易かつ確実に確認できる。また、工程S4で危険度が低く判定された場合には、工程S3で電子制御スロットル及びブレーキ装置の制御は行われず、運転士は、アクセルペダルやブレーキペダルの操作によって車両100を通常通り加減速させることができる。
また、車両100の走行中に、例えば、車外カメラ106及び演算制御部109によって前方車両との衝突が予測された場合には、工程S1で乗車状態把握手段11によって乗客Pの乗車状態が把握される。また、所定時間後に車両100が減速を開始すること、及び、所定時間後の加速度等が、工程S2で走行状態把握手段12によって走行状態として把握される。そして、工程S4で危険度判定手段15によって車両100の減速時の加速度と乗客Pの乗車状態に基づいて危険度が判定される。工程S3では、判定された危険度に応じて、報知手段13によって、モニタ103に表示され、又はスピーカ104によって報知させる警報のレベルを変化させる。これにより、運転士および乗客Pが事前に車両100が減速することを把握することができ、乗客Pの転倒等の車内事故を抑制することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1,1A 車両制御装置、11 乗車状態把握手段、12 走行状態把握手段、13 報知手段、14 車両制御手段、15 危険度判定手段、16 安全管理手段、100,100A 車両、101 電子制御スロットル(加速制御装置)、102 ブレーキ装置、103 モニタ(表示装置)、104 スピーカ(音声案内装置)、105 車内カメラ、106 車外カメラ、107 車内センサ、108 車両センサ、111 情報通信部、201 情報通信部、204 情報記憶部、205 シミュレータ、206 モニタ(表示装置)、P 乗客

Claims (15)

  1. 着席又は起立した状態の乗客を輸送する車両に搭載される車内監視装置であって、
    前記乗客の乗車状態を把握する乗車状態把握手段と、
    前記車両の走行状態を把握する走行状態把握手段と、
    前記乗車状態及び前記走行状態に基づいて前記乗客の安全に関する報知を行う報知手段と、
    を備えることを特徴とする車内監視装置。
  2. 前記乗車状態及び前記走行状態に基づいて前記乗客の転倒の危険度を判定する危険度判定手段をさらに備え、
    前記報知手段は、前記危険度に応じて前記報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の車内監視装置。
  3. 前記乗車状態及び前記走行状態に基づいて前記車両を制御する車両制御手段をさらに備え、
    前記車両制御手段は、前記危険度に応じて前記車両を制御することを特徴とする請求項1に記載の車内監視装置。
  4. 前記車両は、表示装置を備え、
    前記報知手段は、前記乗車状態と前記危険度の少なくとも一方を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項2に記載の車内監視装置。
  5. 前記車両は、音声案内装置を備え、
    前記報知手段は、前記乗車状態と前記危険度の少なくとも一方を前記音声案内装置に音声で出力させることを特徴とする請求項2に記載の車内監視装置。
  6. 前記車両は、ブレーキ装置を備え、
    前記車両制御手段は、前記危険度に応じて前記ブレーキ装置を制御して前記車両の速度を制御することを特徴とする請求項3に記載の車内監視装置。
  7. 前記車両は、加速制御装置を備え、
    前記車両制御手段は、前記危険度に応じて前記加速制御装置を制御して前記車両の速度を制御することを特徴とする請求項3に記載の車内監視装置。
  8. 前記乗車状態把握手段は、前記車両内の画像を撮影する車内カメラを備えることを特徴とする請求項1に記載の車内監視装置。
  9. 前記乗車状態把握手段は、乗客の位置及び姿勢を検知する車内センサを備えることを特徴とする請求項1に記載の車内監視装置。
  10. 前記走行状態把握手段は、前記車両の速度又は加速度を計測する車両センサを備えることを特徴とする請求項1に記載の車内監視装置。
  11. 前記走行状態把握手段は、前記車両外の画像を撮影する車外カメラを備えることを特徴とする請求項1に記載の車内監視装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の車内監視装置と、
    前記乗車状態、前記走行状態、及び前記危険度に基づいて前記車両の安全管理を行う安全管理手段と、を備えることを特徴とする車内監視システム。
  13. 前記安全管理手段は、前記乗車状態、前記走行状態、及び前記危険度を表示する情報表示部と、前記乗車状態、前記走行状態、及び前記危険度を記憶する情報記憶部と、を備えることを特徴とする請求項12に記載の車内監視システム。
  14. 前記安全管理手段は、前記情報記憶部に記憶された前記乗車状態、前記走行状態、及び前記危険度に基づいて前記車両の走行訓練を行うシミュレータを備えることを特徴とする請求項13に記載の車内監視システム。
  15. 前記安全管理手段は、前記乗車状態、前記走行状態、及び前記危険度を含む情報を前記車両との間で通信する情報通信部を備えることを特徴とする請求項12に記載の車内監視システム。
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