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JP2016041774A - 表面処理された無機粒子及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents

表面処理された無機粒子及び硬化性樹脂組成物 Download PDF

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JP2016041774A
JP2016041774A JP2014165109A JP2014165109A JP2016041774A JP 2016041774 A JP2016041774 A JP 2016041774A JP 2014165109 A JP2014165109 A JP 2014165109A JP 2014165109 A JP2014165109 A JP 2014165109A JP 2016041774 A JP2016041774 A JP 2016041774A
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宗直 廣神
Munenao Hirokami
宗直 廣神
土田 和弘
Kazuhiro Tsuchida
和弘 土田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

【解決手段】式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理された無機粒子。[nは1〜3、mは1〜10、Xはアルコキシ基、R1はアルキル基、R2は直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10の2〜6価の炭化水素基で、酸素原子又は窒素原子を介在してもよいが、それ以外のヘテロ原子は含まない有機連結基を含む(メタ)アクリロイルオキシ基]【効果】本発明の無機粒子は、上記有機ケイ素化合物により表面処理されており、分散性に優れ、また前記無機粒子を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させることで高硬度を有する硬化物を得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリル基を有する有機ケイ素化合物で表面処理された無機粒子、無機粒子分散体、及びこの無機粒子を含有する硬化性樹脂組成物に関する。更に、前記硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物に関する。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化塗膜の硬度や耐候性、耐熱性等の向上のため、組成物に無機金属酸化物微粒子を分散させる方法がある。例えば、広く工業的に使用されている金属酸化物微粒子として、シリカ微粒子が知られている。シリカ微粒子には湿式法で製造されるコロイダルシリカや、乾式法で製造されるフュームドシリカがある。シリカ微粒子の表面にはシラノール基があり、金属酸化物微粒子は親水性である。そのため、活性エネルギー線硬化型モノマーやオリゴマー等の組成物中の主成分である有機相となじみが悪い。また、シリカ微粒子は有機相に比較して比重が大きい。そのため、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中にシリカ微粒子を長期間にわたり安定して分散させることは一般に困難であり、シリカ微粒子を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、長期間放置するとシリカ微粒子が凝集や沈降するなど、貯蔵安定性に劣る。加えて、シリカ微粒子は、通常、一次粒子間に働く分子間力や静電気力などにより強く凝集しており、このことも貯蔵安定性に悪影響を与えている。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中にシリカ微粒子を安定して分散させる方法として、例えば、シリカ等のナノ微粒子を効果的な分散剤と共に、効果的な分散機を用いて活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に分散させる方法が知られている(例えば、特許文献1:特開2008−169233号公報)。しかしながら、当方法により得られるシリカ分散体は、分散安定性は付与されているものの、その硬化物の塗膜硬度は不十分である。
一方、表面硬度を高める手法として、分子内に一つの(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理したシリカを利用する手法(例えば、特許文献2:特開2007−91825号公報)が開示されている。しかし、当手法ではシリカ表面に結合しうるシランカップリング剤の量に限界があり、即ち、硬度を向上させる効果があると考えられるシリカ表面の(メタ)アクリロイル基の濃度に限界があることから、この分子内に一つの(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたシリカを活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に分散させた分散液の硬化塗膜の硬度は不十分であった。
更に、前記問題を解決する手段として、分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤にて表面処理したシリカを用いる手法が開示されている(例えば、特許文献3〜5:特許第3035402号公報、特許第3972347号公報、特開2013−35768号公報)。しかしながら、特許文献3では、水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートと酸無水物、エポキシ基を有する有機ケイ素化合物の反応物を、特許文献4では、水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートとポリイソシアネート化合物とメルカプト基を有する有機ケイ素化合物の反応物を用いており、複数の官能基を有しているため、分子量が必然的に大きくなる。従って、これらのシランカップリング剤の(メタ)アクリロイル基の官能基濃度が低いために、塗膜硬度の向上のための「(メタ)アクリロイル基の多官能化による官能基濃度の増加」効果が限定的で、その結果、これらのシランカップリング剤で表面修飾されたシリカ等を活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に分散させた分散液の硬化塗膜についても、硬度が不十分であることが問題となっていた。
また、特許文献5ではエーテル結合で結合された3個の(メタ)アクリレート基を有する有機ケイ素化合物を用いているが、本有機ケイ素化合物の合成方法が5ステップの反応工程を有するため複雑であるいう問題点があった。
また、特許文献6(特開2014−77063号公報)ではウレタン結合と(メタ)アクリレート基を有するシランカップリング剤を活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に混合しているが、事前にシリカ処理を行うことなく使用しているため、分散安定性が悪く、硬化塗膜の外観や硬度が不十分であった。
特開2008−169233号公報 特開2007−91825号公報 特許第3035402号公報 特許第3972347号公報 特開2013−35768号公報 特開2014−77063号公報
以上の背景技術を鑑みると、分散安定性に優れ、高硬度を有する硬化物を調製する際に好ましく用いることのできる簡便に合成可能なシラン化合物で表面処理された無機粒子はこれまで存在していなかった。
そこで、本発明の課題は、分散安定性に優れ、高硬度を有する硬化物を調製する際に好ましく用いることのできる簡便に合成可能なシラン化合物で表面処理された無機粒子を提供することにある。更には、当該無機粒子が分散された分散体を含む硬化性樹脂組成物を提供することにより、高い硬度を有する該組成物の硬化物の提供も課題とする。
前記課題は下記発明により達成することができる。
〔1〕
下記一般式(1)
Figure 2016041774

[式中、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は下記式(2)又は(2’)で示される構造基である。
Figure 2016041774

(Aは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10の2〜6価の炭化水素基で、酸素原子又は窒素原子を介在してもよいが、それ以外のヘテロ原子は含まない有機連結基であり、R3は独立に水素原子又はメチル基であり、pは1〜5の整数である。)
Figure 2016041774

(Bは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10の3〜6価の炭化水素基で、酸素原子又は窒素原子を介在してもよいが、それ以外のヘテロ原子は含まない有機連結基であり、R3は独立に水素原子又はメチル基であり、p’、p”はそれぞれ1以上の整数で、p’+p”は2〜5の整数である。)]
で表される有機ケイ素化合物で表面処理された無機粒子。
〔2〕
式(1)で表される有機ケイ素化合物が、下記式(3)〜(7)
Figure 2016041774

(式中、R3、X、nは上記と同義である。)
からなる群より選択されるいずれか1種又はその2種以上の組み合わせである〔1〕に記載の無機粒子。
〔3〕
無機粒子がシリカ粒子である〔1〕又は〔2〕に記載の無機粒子。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の無機粒子を活性エネルギー線硬化性化合物及び有機溶剤の一方又は双方の混合物に分散させてなる無機粒子分散体。
〔5〕
活性エネルギー線硬化性化合物が、2個以上の重合性不飽和基を有するものである〔4〕に記載の無機粒子分散体。
〔6〕
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の無機粒子又は〔4〕又は〔5〕に記載の無機粒子分散体を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
〔7〕
〔6〕に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
本発明の無機粒子は、分子内に(1)加水分解性シリル基、(2)ウレタン構造、(3)(メタ)アクリル基を有する有機ケイ素化合物により表面処理されており、分散性に優れ、また前記無機粒子を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させることで高硬度を有する硬化物を得ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。なお、本発明において「シランカップリング剤」は「有機ケイ素化合物」に含まれる。
本発明は、下記一般式(1)
Figure 2016041774

[式中、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は下記式(2)又は(2’)で示される構造基である。
Figure 2016041774

(Aは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10の2〜6価の炭化水素基で、酸素原子又は窒素原子を介在してもよいが、それ以外のヘテロ原子は含まない有機連結基であり、R3は独立に水素原子又はメチル基であり、pは1〜5の整数である。)
Figure 2016041774

(Bは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10の3〜6価の炭化水素基で、酸素原子又は窒素原子を介在してもよいが、それ以外のヘテロ原子は含まない有機連結基であり、R3は独立に水素原子又はメチル基であり、p’、p”はそれぞれ1以上の整数で、p’+p”は2〜5の整数である。)]
で表される有機ケイ素化合物で表面処理された無機粒子である。
より好ましくは、下記式(3)〜(7)
Figure 2016041774

(式中、R3、X、nは上記と同義である。)
からなる群より選択されるいずれか1種又はその2種以上の有機ケイ素化合物で表面処理された無機粒子である。
上記式(1)、式(3)〜(7)の有機ケイ素化合物は、イソシアネート基を有する有機ケイ素化合物と(メタ)アクリル基とアルコール基を同一分子中に有する化合物を反応させることにより、得ることができる。
上記イソシアネート基を有する有機ケイ素化合物としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランが挙げられ、原料の入手のしやすさから3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランもしくは3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましい。
上記(メタ)アクリル基とアルコール基を同一分子中に有する化合物としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどの1官能(メタ)アクリルアルコール、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートなどの2官能(メタ)アクリルアルコール、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリルアルコールが挙げられる。
上記有機ケイ素化合物の製造時には、必要に応じて触媒を使用してもよい。触媒は一般に使用されるイソシアネートの反応触媒でよく、好ましくはスズ化合物である。触媒の使用量はイソシアネート基を有する有機ケイ素化合物1molに対して1〜0.0000001molであり、より好ましくは0.01〜0.000001molである。1molを超えて使用する場合に効果が飽和し、非経済的である。0.0000001molを下まわる場合には触媒効果が不足し、反応速度が低く、生産性が低下するおそれがある。
上記有機ケイ素化合物の製造時において、反応は発熱反応であり、高温になりすぎると副反応が生じるおそれがある。そのため製造にあたり好ましい反応温度は20〜150℃であり、より好ましくは30〜130℃、更に好ましくは40〜110℃の範囲である。20℃より低い場合は、反応速度が低く、生産性が低下する。一方、150℃を超える場合には、イソシアネート基を有する有機ケイ素化合物の重合反応、アクリル基の重合等の副反応が生じるおそれがある。
本発明で使用される無機粒子としては、特に限定されないが、ジルコニア(Zr)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、インジウム(In)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、セリウム(Ce)、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)などの元素の酸化物が用いられる。
これらの元素の酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化鉄(Fe23、FeO、Fe34)、酸化銅(CuO、Cu2O)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化モリブデン(MoO3)、酸化インジウム(In23、In2O)、酸化スズ(SnO2)、酸化タンタル(Ta25)、酸化タングステン(WO3、W25)、酸化鉛(PbO、PbO2)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化セリウム(CeO2、Ce23)、酸化アンチモン(Sb23、Sb25)酸化ゲルマニウム(GeO2、GeO)などが挙げられ、反応性に優れる点から特にシリカ粒子(酸化ケイ素)が好ましい。
無機粒子に特に制限はないが、好ましい平均粒径は、10〜300nmの範囲を挙げることができる。10nm未満であると、分散体中の無機粒子の分散が不十分となる場合があり、300nmを超えると、硬化膜の十分な強度が保持できない場合がある。なお、平均粒径は動的光散乱法又はレーザー回折・散乱法により得られた体積基準粒度分布におけるメジアン径(d50)として求めることができるほか、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて観測された粒子像から算出することができる。
本発明では、一般式(1)で表される化合物で無機粒子の表面を処理することに特徴を有する。そのため、無機粒子の表面には、一般式(1)で表される化合物のアルコキシシリル基と反応し、化学結合を形成する基を有することが必要である。化学結合を形成するための反応条件は、公知慣用の反応条件でよく、反応を促進させるために触媒を用いてもよい。用いられる触媒に制限はないが、酸、塩基、金属錯体を添加してもよい。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸を、塩基としては、例えば、アンモニア水、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の1級、2級又は3級脂肪族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド類等を、また、金属錯体としては、アセチルアセトネートのアルミニウム、コバルト、マンガン等の金属錯体を挙げることができる。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物で無機粒子の表面を処理する場合の具体的方法としては、無機粒子粉体に一般式(1)で表される化合物を噴霧し反応させる方法や、溶媒中で反応を行う方法を用いることができる。溶媒としては、一般に入手が容易な材料で良く、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールのようなアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン系溶媒、ヘキサン、トルエン、キシレンのような炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アセテート系溶媒、エステル系溶媒が挙げられる。
無機粒子と一般式(1)で表される有機ケイ素化合物との反応割合は、質量比で無機粒子:一般式(1)で表される有機ケイ素化合物=100:0.1〜100:100であり、好ましくは100:0.1〜100:10である。一般式(1)で表される有機ケイ素化合物が少なすぎると十分に無機粒子に対する表面処理がなされない場合があり、多すぎると処理に関与しない余剰の有機ケイ素化合物が多くなり非経済的である。
無機粒子の表面処理において、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物以外の有機ケイ素化合物を併用してもよい。具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、n−プロピルジメチルメトキシシラン、n−プロピルジエチルメトキシシラン、iso−プロピルジメチルメトキシシラン、iso−プロピルジエチルメトキシシラン、プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−ヘキシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキシルジメチルエトキシシラン、n−ペンチルジメチルメトキシシラン、n−ペンチルジメチルエトキシシラン、n−ヘキシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキシルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシランのほか、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物を挙げることができる。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物以外の有機ケイ素化合物を用いる場合、無機粒子との反応割合は、質量比で無機粒子:一般式(1)で表される有機ケイ素化合物以外の有機ケイ素化合物=100:0.1〜100:100が好ましく、より好ましくは100:0.1〜100:10である。上記有機ケイ素化合物が多すぎると処理に関与しない余剰の有機ケイ素化合物が多くなり非経済的である。
触媒の使用量は、反応液全体に対して0.00001〜10質量%でよく、好ましくは0.0001〜1質量%である。
化学結合を形成するための反応条件は、慣用の反応条件でよいが、具体的には、反応温度は0〜100℃、反応時間は1〜24時間とすることができる。
表面処理された無機粒子は、例えば、反応後の粉体(分散液の場合は、溶媒を濾過や減圧濃縮により除いて得られる)を一般的な熱風乾燥装置に供した後、塊状の乾燥固形物を粉砕装置に供して適度に粉砕することによって得ることができる。好ましくはスプレードライヤー等を用いて前記表面処理無機粒子の分散液を噴霧乾燥する方法であり、噴霧乾燥することにより、前記固形分の乾燥と粒状化を同時に行うことができる。
また、この噴霧乾燥は、従来公知の方法を用いて前記表面処理無機粒子の分散液(スラリー)を熱風気流中に噴霧することによって行われる。スプレードライヤー装置としては、公知のもの(ディスク回転式やノズル式等のスプレードライヤー)を使用することができ、例えば、大川原化工機(株)製のCNL−03や、藤崎電機(株)製のMDL−015などが挙げられるが、これらに限らない。
噴霧乾燥条件としては、噴霧速度0.1〜17,000ml/分、乾燥温度25〜250℃であり、噴霧速度は使用する装置の規模に応じて異なるが、乾燥温度は80〜150℃が好ましい。
本発明は、上記表面処理された無機粒子を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供するが、かかる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得るには、一般式(1)で表される化合物で表面処理された無機粒子を活性エネルギー線硬化性化合物及び/又は有機溶剤に分散させた分散体を調製する。
活性エネルギー線硬化性化合物としては、例えば(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有する化合物が好ましく、例えば、以下の活性エネルギー線硬化型モノマー又は活性エネルギー線硬化型オリゴマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールにカプロラクトンを付加した化合物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールメタン、及びそれらに1〜20モルのアルキレンオキサイドを付加させた水酸基含有化合物などの水酸基を3つ以上有する化合物に(メタ)アクリル酸が3分子以上エステル結合した化合物等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等からなる群から選ばれる1種以上の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソシアネート化合物を水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と反応せしめてなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで用いるイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂肪族もしくは脂環式のジイソシアネート化合物;トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ジイソシアネート化合物の3量体であるイソシアヌレート型イソシアネートプレポリマー等が挙げられる。また、該多官能ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際に、イソシアネート化合物と反応せしめる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の一部を2〜4価のアルコール又はポリオール化合物で置換して重合せしめたものでもよい。
また、エステル(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化水添ビスフェノールA、プロポキシ化ビスフェノールA、プロポキシ化水添ビスフェノールA及び2価以上の多価アルコールから選ばれる1種以上と、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などに代表される多塩基酸から選ばれる1種以上をエステル化反応せしめて得られる水酸基を有するエステルポリオールを更に(メタ)アクリレート化した多官能エステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
更に、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールAなどの2価のアルコールのトリグリシジルエーテル化物等のジエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られる2価のエポキシ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパン、エトキシ化トリメチロールプロパン、プロポキシ化トリメチロールプロパン、グリセリンなどの3価アルコールをエポキシ化して得られるエポキシ化合物に、(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られる平均3個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するエポキシトリ(メタ)アクリレート化合物;少なくとも1個の芳香環を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体にグリシジルエーテルを反応せしめたエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られるフェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能芳香族(メタ)エポキシアクリレート;これら多官能芳香族エポキシ(メタ)アクリレートの水添タイプである多官能脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;更に分子中に存在する2級の水酸基とジイソシアネート化合物の片方のイソシアネート基でウレタン化した後、残存する片末端のイソシアネート基と水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン変性エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、それぞれ2個以上、特に平均3個以上の重合性不飽和基を有するエステル(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートは、硬化物の硬度が良好なため、特に好ましい。
上記活性エネルギー線硬化性化合物の使用量は、表面処理無機粒子と活性エネルギー線硬化性化合物とが質量比で10:90〜90:10、特に20:80〜60:40の割合となる量で使用することが好ましい。活性エネルギー線硬化性化合物の割合が少なすぎると硬化物の成形性が損なわれる場合があり、多すぎると無機粒子に由来する硬化物の補強性が得られない場合がある。
無機粒子分散体の製造方法としては、例えば、活性エネルギー線硬化性化合物10〜90質量部と表面処理無機粒子90〜10質量部とを、これら活性エネルギー線硬化性化合物と表面処理無機粒子との合計の濃度が1〜50質量%となるように分散媒(有機溶剤)で希釈して、機械的手段を用いて分散させる方法が挙げられる。また、表面処理シリカ粒子の濃度が1〜80質量%となるように分散媒(有機溶剤)で希釈して、機械的手段を用いて分散させた後に、重合性基を有する活性エネルギー線硬化性化合物を上記配合割合で加える方法も例示できる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等の環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類が挙げられ、これらを単独又は併用して使用可能であるが、中でも、(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する化合物が可溶な有機溶剤が好ましい。
機械的手段としては、例えば、ディスパー、タービン翼等攪拌翼を有する分散機、ペイントシェイカー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等が挙げられる。
前記ビーズミルとしては、例えば、アシザワ・ファインテック(株)製のスターミル;三井鉱山(株)製のMSC−MILL、SC−MILL、アトライター MA01SC;浅田鉄工(株)製のナノグレンミル、ピコグレンミル、ピュアグレンミル、メガキャッパーグレンミル、セラパワーグレンミル、デュアルグレンミル、ADミル、ツインADミル、バスケットミル、ツインバスケットミル:寿工業(株)製のアペックスミル、ウルトラアペックスミル、スーパーアペックスミル等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られた分散体は、必要により他の化合物と混合することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とすることができる。これらの化合物としては前記した活性エネルギー線硬化型モノマー、活性エネルギー線硬化型オリゴマー、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、2−(2’−キサンテンカルボキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−o−ニトロベンジロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。
前記シリコーン系添加剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体などのアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン類が挙げられる。
上記の添加剤の使用量としては、その効果を十分発揮し、また紫外線硬化を阻害しない範囲であることから、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の活性エネルギー線硬化性化合物100質量部に対し、それぞれ0.01〜10質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の分散体に加えることができる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;
キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのキサントン、チオキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;
ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィドなどのスルフィド類;4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸類;
3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフオリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリルニ量体、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−[ジ−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−エトキシ)フェニル−S−トリアジンアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン等が挙げられる。
前記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。その使用量は特に制限はないが、感度を良好に保ち、結晶の析出、塗膜物性の劣化等を防止するため、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対して0.05〜20質量部用いることが好ましく、0.1〜10質量部が特に好ましい。
前記光重合開始剤の市販品としては、例えば、Irgacure−184、同149、同261、同369、同500、同651、同754、同784、同819、同907、同1116、同1664、同1700、同1800、同1850、同2959、同4043、Darocur−1173(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA(日本化薬(株)製)、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD製)、SANDORY 1000(SANDOZ Co.LTD製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、QUANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP Co.LTD製)等が挙げられる。
更に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物では、前記光重合開始剤に種々の光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、例えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物又はニトリル類もしくはその他の含窒素化合物等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、フィルム基材への接着性改良等を目的としてその他の樹脂を併用することができる。
その他の樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート系共重合物等のアクリル樹脂;ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン系共重合物;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリブタジエンやブタジエン−アクリロニトリル系共重合物などのポリブタジエン樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られる分散体を用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、特に、フィルム基材等の薄膜のプラスチック基材へ塗工した際にも硬度が得られる特徴を有し、フィルム基材のコーティングに好適に用いることができる。
前記フィルム基材に塗布する際の塗布量としては、例えば、各種フィルム基材上に、乾燥後の質量が0.1〜30g/m2、好ましくは1〜20g/m2になるように塗布するのが好ましい。また、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して3%以上であるフィルムがハードコートとしての硬度を達成しやすいことから好ましい。中でも、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して3〜100%であるフィルムがより好ましく、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して5〜100%であるフィルムが更に好ましく、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して5〜50%であるフィルムが特に好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布するフィルム状基材としては、各種公知の基材を用いることができる。具体的には、例えば、プラスチックフィルム状基材等が挙げられる。プラスチックフィルム状基材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン、ポリイミド樹脂等のフィルム基材等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されず公知の方法を採用することができ、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
照射する活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線により硬化させる場合、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整されるが、高圧水銀灯を使用する場合、通常80〜160W/cmの光量を有したランプ1灯に対して搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合、通常10〜300kVの加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前述の通り、硬化時の収縮性が少なく、且つ、硬度も高い。そのため、該組成物を用いることにより、フィルム基材上に該組成物の硬化層を設けたフィルムを提供することができる。このようなフィルムは、例えば、偏光板保護フィルム、タッチパネル等の光学物品用ハードコートフィルムに代表される各種保護フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルムやプリズムシートのバックコーティング等に好適に使用できる。
加えて、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は上記偏光板、タッチパネル等の平面状の物品を保護する保護フィルムとしてだけでなく、上記平面状の物品以外のプラスチック物品、例えば、携帯電話等の家電製品や自動車のバンパー等の成形品の表面を保護するためにも好適に用いられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて成形品の表面を保護する保護層を形成する方法には塗装法、転写法、シート接着法等が挙げられる。
塗装法は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる塗装剤をスプレーコートするか、もしくはカーテンコーター、ロールコーター、グラビアコーター等の印刷機器を用いて成形品にトップコートとして塗装せしめた後、活性エネルギー線を照射してトップコートを架橋する方法である。
転写法は、離型性を有する基体シート上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が塗装された転写材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離することにより成形品表面にトップコートを転写し、次いで活性エネルギー線を照射して架橋塗膜を作製する、あるいは、該転写材を成形品表面に接着させた後、活性エネルギー線を照射して架橋塗膜を作製し、次いで基体シートを剥離することにより成形品表面にトップコートを転写する方法である。
そして、シート接着法は、基体シート上に保護層と必要に応じて加飾層とを有する保護シートをプラスチック成形品に接着することにより成形品表面に保護層を形成する方法である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において、Meはメチル基を示し、部は質量部を示す。
[合成例1]
有機ケイ素化合物(8)の合成例
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.06gを納め、80℃まで加温した。その中にヒドロキシエチルアクリレート116g(1mol)を滴下し、80℃にて2時間攪拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。濾過精製し、得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記有機ケイ素化合物(8)であることを確認した。得られた生成物をシランAとする。
Figure 2016041774
[合成例2]
有機ケイ素化合物(9)の合成例
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.06gを納め、80℃まで加温した。その中に2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(新中村化学工業(株)製、701A)214g(1mol)を滴下し、80℃にて2時間攪拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。濾過精製し、得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記有機ケイ素化合物(9)であることを確認した。得られた生成物をシランBとする。
Figure 2016041774
[合成例3]
有機ケイ素化合物(10)の合成例
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.06gを納め、80℃まで加温した。その中にペンタエリスリトールテトラアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合品(新中村化学工業(株)製、A−TMM−3L)542g(トリアクリレート体が1mol)を滴下し、80℃にて2時間攪拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。濾過精製し、得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記有機ケイ素化合物(10)を含有していることを確認した。得られた生成物をシランCとする。
Figure 2016041774
[合成例4]
有機ケイ素化合物(11)の合成例
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205g(1mol)、ジオクチルスズオキサイド0.06gを納め、80℃まで加温した。その中にジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合品(新中村化学工業(株)製、A−TMM−3L)1,156g(ペンタアクリレート体が1mol)を滴下し、80℃にて2時間攪拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失したことを確認し、反応終了とした。濾過精製し、得られた生成物は、淡黄色透明液体であり、1H−NMRにより下記有機ケイ素化合物(11)を含有していることを確認した。得られた生成物をシランDとする。
Figure 2016041774
[実施例1]
ナノシリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200)を100部、シランAを20部、酸性リン酸エステル(SC有機化学(株)製、PhoslexA−3)を1部、水を2部、MIBKを180部、及びジルコニアビーズ(粒径0.1mm)1,000部を混合し、ペイントシェイカーにて2時間混合してシリカ表面のシランカップリング剤による修飾を行った。続いて、ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)製、UA−306T)を60部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートDPE−6A)を50部添加し、ペイントシェイカーにて更に2時間混合し、ジルコニアビーズを濾別してシリカ分散体を得た。分散体中のシリカの粒径を動的光散乱法にて測定したところ、平均粒径130nmであった。シリカ分散体にMIBKを添加して不揮発分40%の濃度に調製した分散体100部に、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、Irgacure−184)を2部加えて、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
下記条件にて評価用の硬化塗膜を作製し、下記方法にて塗膜の外観及び鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1]
実施例1と同様にして、表1に示す組成で実施例2〜4及び比較例1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製し、硬化塗膜を作製し、実施例1と同様にして塗膜の外観及び鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
<塗膜作製方法>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(膜厚40μm)上にバーコーターで塗布し(膜厚10μm)、70℃で5分乾燥させ、窒素雰囲気下で高圧水銀灯により200mJ/cm2の光を照射して硬化させることにより評価用の硬化塗膜を作製した。
<塗膜評価方法>
1.外観
TACフィルム上の硬化塗膜を、目視にて外観を評価した。
2.鉛筆硬度
硬化塗膜をJIS K5400に従い荷重500gの鉛筆引っかき試験によって評価した。
Figure 2016041774
*シランE:アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM
−5103)
[比較例2]
ナノシリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200)を100部、シランAを20部、MIBKを180部、ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)製、UA−306T)を60部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートDPE−6A)を50部添加し、ペイントシェイカーにて2時間混合しシリカ分散体を得た。分散体中のシリカの粒径を動的光散乱法にて測定したところ、平均粒径130nmであった。シリカ分散体にMIBKを添加して不揮発分40%の濃度に調製した分散体100部に、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、Irgacure−184)を2部加えて、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
上記方法にて評価用の硬化塗膜を作製し、塗膜の外観及び鉛筆硬度を測定した。外観(目視)は微濁、鉛筆硬度は4Hであった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2016041774

    [式中、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は下記式(2)又は(2’)で示される構造基である。
    Figure 2016041774

    (Aは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10の2〜6価の炭化水素基で、酸素原子又は窒素原子を介在してもよいが、それ以外のヘテロ原子は含まない有機連結基であり、R3は独立に水素原子又はメチル基であり、pは1〜5の整数である。)
    Figure 2016041774

    (Bは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜10の3〜6価の炭化水素基で、酸素原子又は窒素原子を介在してもよいが、それ以外のヘテロ原子は含まない有機連結基であり、R3は独立に水素原子又はメチル基であり、p’、p”はそれぞれ1以上の整数で、p’+p”は2〜5の整数である。)]
    で表される有機ケイ素化合物で表面処理された無機粒子。
  2. 式(1)で表される有機ケイ素化合物が、下記式(3)〜(7)
    Figure 2016041774

    (式中、R3、X、nは上記と同義である。)
    からなる群より選択されるいずれか1種又はその2種以上の組み合わせである請求項1に記載の無機粒子。
  3. 無機粒子がシリカ粒子である請求項1又は2に記載の無機粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機粒子を活性エネルギー線硬化性化合物及び有機溶剤の一方又は双方の混合物に分散させてなる無機粒子分散体。
  5. 活性エネルギー線硬化性化合物が、2個以上の重合性不飽和基を有するものである請求項4に記載の無機粒子分散体。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機粒子又は請求項4又は5に記載の無機粒子分散体を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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