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JP2016040071A - 工具異常検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用し、加工中における工具異常(欠損、激しい摩耗)の発生を、精度よく検知することができる、工具異常検知方法を提供する。
【解決手段】
切削工具を送る電力値をサンプリングし続けて蓄積する、電力値データ作成ステップと、電力値の分散値である第1の電力分散値を求め続けて蓄積する、第1の電力分散値データ作成ステップと、第1の電力分散値の分散値である第2の電力分散値を求め続けて蓄積する、第2の電力分散値データ作成ステップと、最新の第2の電力分散値と最新から所定個前のタイミングにおける第2の電力分散値との比を基に、電力値に異常が発生したと判定する、電力値異常判定ステップとを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用する工具異常検知方法に関する。
エンドミル、ドリル、正面フライス等の工作機械に用いられる工具は、切粉等の噛込みや、使用限界に起因する過負荷により、工具異常(欠損、激しい摩耗)を発生することがある。工具異常は、工作機械の破損・故障、或いは、ワークの加工不良に繋がる可能性があり、特に、一つのワークを長時間に渡り連続加工する工作機械では、重大な装置の故障、或いは、重大な加工不良の発生に繋がる可能性がある。そこで、工具の状態を常時監視し、工具異常の発生を検知する方法が、種々提案されている。
例えば、一つの方法として、工具を駆動するモータの供給電力波形を用いて、工具異常の発生を検知する方法がある。図13に示すように、モータの供給電力は、駆動初期に大きな値を示し、その後空転して、安定した低電力値を示す。そして、工具がワークに接触し、加工を開始すると、波形は工具の加工負荷を反映し、ピーク値Pを有する電力波形(基準グラフG)を示す。そこで、基準グラフGに対し、ピーク値上限判定値Aとピーク値下限判定値Bに挟まれる正常域Dを設定し、ピーク値Pが正常域D内にあるとき、工具は正常であると判定し、ピーク値Pが正常域D外に出たとき、工具異常が発生したと判定する。(例えば、特許文献1参照)
また、他の方法として、工作機械の主軸モータの電力値の実績を用いて、工具異常の発生を検知する方法がある。この方法では、ワークを加工するごとに主軸モータの電力データを測定・記憶し、今回測定した電力データと前回測定した電力データとの変化率を求める。そして、その変化率が、予め設定した上限値を超えたとき、工具異常が発生したと判定する。(例えば、特許文献2参照)
特許3291677号公報 特許3783191号公報
モータの供給電力は、工具の摩耗に従って、徐々に大きくなることが知られている。そのため、供給電力波形を用いる方法では、ピーク値上限判定値Aを、予め大きな値に設定し、誤検知を防止することが必要になる。また、工具交換直後の工具異常は、モータの供給電力波形に、小さなピーク値Pを形成することが知られている。そのため、供給電力波形を用いる方法では、ピーク値下限判定値Bを、予め小さな値に設定し、検出漏れを防止することが必要になる。しかし、以上のような設定すると、正常域Dの幅が広くなり、工具異常の発生を精度よく検知できなくなる可能性がある。
また、主軸モータの電力値を用いる方法では、電力値の変化量が小さく、変化率を精度よく算出できないことがある。そこで、異常判定の閾値を小さくし、検出漏れを防止しようとすると、工具異常に関係のない電力値のピーク、例えば、切粉等の噛込みやワークの溶着等に起因する電力値のピークを、工具異常の発生と誤検知し、工具異常の発生を精度よく検知できなくなる可能性がある。
特に、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置では、送り軸モータの仕事量における加工寄与分が極めて小さく、定格容量の数%にも満たないことがある。そのため、工具異常の発生に起因する電力値変化を、精度よく得られないことがあり、工具異常の発生を精度よく検知できない可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用し、加工中における工具異常(欠損、激しい摩耗)の発生を精度よく検知できる、工具異常検知方法を提供することを目的とする。
本発明は、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用する工具異常検知方法であって、前記切削工具を送る電力値を、時間tpのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積し、電力値データとする、電力値データ作成ステップと、前記電力値データにおいて、最新から時間ΔT1前までの前記電力値の分散値を求めて第1の電力分散値とし、これを、時間t1のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の電力分散値データとする、第1の電力分散値データ作成ステップと、前記第1の電力分散値データにおいて、最新から時間ΔT2前までの前記第1の電力分散値の分散値を求めて第2の電力分散値とし、これを、時間t2のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の電力分散値データとする、第2の電力分散値データ作成ステップと、前記第2の電力分散値データにおいて、最新の第2の電力分散値Vp1と、最新から所定個数Np個前のタイミングにおける第2の電力分散値Vp2との比(Vp1/Vp2)を逐次求め、その比が閾値αを所定回数m回続けて越えたとき、前記電力値に異常が発生したと判定する、電力値異常判定ステップとを有し、前記電力値異常判定ステップにおける異常判定の情報を基に、前記切削工具に工具異常が発生したと判定する工具異常検知方法である。
また、本発明では、前記閾値αを、前記第2の電力分散値Vp2に応じて設定することが好ましい。
また、本発明では、前記切削工具の振動にかかる加速度値を、時間taのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積し、加速度値データとする、加速度値データ作成ステップと、前記加速度値データにおいて、最新から時間ΔT3前までの前記加速度値の分散値を求めて第1の加速度分散値とし、これを、時間t3のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の加速度分散値データとする、第1の加速度分散値データ作成ステップと、前記第1の加速度分散値データにおいて、最新から時間ΔT4前までの前記第1の加速度分散値の分散値を求めて第2の加速度分散値とし、これを、時間t4のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の加速度分散値データとする、第2の加速度分散値データ作成ステップと、前記第2の加速度分散値データにおいて、最新の第2の加速度分散値Va1と、最新から所定個数Na個前のタイミングにおける第2の加速度分散値Va2との比(Va1/Va2)を逐次求め、その比が閾値βを所定回数n回続けて越えたとき、前記加速度値に異常が発生したと判定する、加速度値異常判定ステップとを有し、前記電力値異常判定ステップにおける異常判定と、前記加速度値異常判定ステップにおける異常判定の、両方の情報を基に、前記切削工具に工具異常が発生したと判定してもよい。
また、本発明では、前記閾値βを、前記第2の加速度分散値Va2に応じて設定することが好ましい。
本発明によれば、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置において、モータの供給電力値を基に、工具異常の発生を精度よく検知することができる。
本発明の実施形態で外形加工をするロールの一例を示す断面模式図である。 第1実施形態における、ロール旋盤加工機とその周辺機器の概略図である。 第1実施形態において、電力値の異常を判定するフローチャートである。 第2実施形態における、ロール旋盤加工機とその周辺機器のを示す概略図である。 図4のロール旋盤加工機における、切削工具と加速度センサの配置を示す概略図である。 第2実施形態において、加速度値の異常を判定するフローチャートである。 実施例1における、加工開始直後の電力値の変化を示すグラフである。 実施例1における、閾値αと第2の電力分散値Vp2との関係を示すグラフである。 実施例1において、電力値に異常が発生したと判定した前後の、(a)電力値の変化、(b)第1の電力分散値の変化、(c)第2の電力分散値の変化、を示すグラフである。 実施例2において、電力値に異常が発生したと判定した前後の、(a)電力値の変化、(b)第2の電力分散値の変化、を示すグラフである。 実施例2における、閾値βと第2の加速度散値Va2との関係を示すグラフである。 実施例2において、加速度値に異常が発生したと判定した前後の、(a)加速度値の変化、(b)第1の加速度分散値の変化、(c)第2の加速度分散値の変化を示すグラフである。 工具を駆動するモータの供給電力波形の一例を示すグラフである。
以下、本発明の第1実施形態として、本発明をロールの外形加工に適用した例について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
本発明は、例えば、図1に示すように、内径面R1と外径面R2を有する円筒状のロールRの外形加工に適用することができる。このロールRは、円柱状の軸体Sを、内径面R1の内側軸方向に貫通させている。
そして、ロールRの外形加工では、軸体Sを軸S1周りに回転し、切削工具TをロールR表面に送るようにする。図1では、切削工具Tの加工位置の種々の例を○で示しており、例えば、ロールRの外径面R2の加工では、切削工具Tを、外径面R2の垂直方向(図のX方向)に加工分だけ切り込みつつ、ロールRの軸方向(図のZ方向)に送るようにする。また、ロールRの側面F1、F2の加工では、切削工具Tを、側面F1、F2の垂直方向(図のZ方向)に加工する分だけ切り込みつつ、ロールRの垂直方向(図のX方向)に送るようにする。
また、本発明は、図2に示すようなロール旋盤加工機1(以下、加工機1と略す)に適用することができる。加工機1は、ロールRの外形加工をする装置であり、ロールRを軸体Sの軸S1周りに回転するモータ2と、ロールRの外径面R2を加工する切削工具Tと、切削工具Tを保持する工具ホルダ3と、工具ホルダ3を図のX軸方向に移動する(別の言い方をすれば、切削工具TをロールRに押し当てる)X軸サーボモータ4と、工具ホルダ3を図のZの方向に送るZ軸サーボモータ5と、加工機1の制御配電盤6を備えている。
そして、X軸サーボモータ4とZ軸サーボモータ5は、それぞれ、X軸サーボアンプ7とZ軸サーボアンプ8に接続し、これらサーボアンプが、X軸サーボモータ4とZ軸サーボモータ5を駆動制御するようにしている。
また、加工機1は、電力計9、データ収集機10、パソコン11、I/Oユニット12を、周辺に配置している。
電力計9は、X軸サーボアンプ7およびZ軸サーボアンプ8の2次側のU、V、W相配線から、電流値、電圧値を計測し、これら計測値から、切削工具Tの切削負荷を電力値として求め続けるようにしている。電力計9は、計測した電力値を、アナログ電圧に変換し、データ収集機(DAC:Data acquisition)10に出力するようにしている。データ収集機10は、電力計9から送られた電圧値を収集して蓄積した後、A/D変換してパソコン11に出力するようにしている。パソコン11は、電圧値を電力値に変換し、電力値データにしている。
また、加工機1の制御配電盤6は、幾つかのリレー接点を備え、接点からの信号を、逐次、I/O(Input/Output)ユニット12を通して、パソコン11に出力するようにしている。これにより、パソコン11が、加工機1を常時監視して、自動加工運転状態か否か、送り軸の駆動状態、どの送り軸が加工に寄与しているか、を確認できるようにしている。
なお、制御配電盤6は、ロールRの材質等を把握するためのリレー接点を備え、加工機1のNCプログラムに、ロールRの材質を示すコードを記載できるようにしてもよい。これにより、ロールRの材質等をパソコン11により自動的に把握し、ロールRの材質に最適な条件にて、工具異常の発生を検知することができる。
次に、本実施形態の手順について、図3のフローチャートに従って説明する。なお、本実施形態は、電力値の異常判定の情報を基に、工具異常の発生を判定して検知するものである。
(電力値データ作成ステップ:S1−S3)
図3に示すように、本実施形態は、ステップS1からフローを開始し、ステップS2に進み、電力計9により電力値を計測し電圧値として出力する。そして、ステップS3に進み、データ収集機10により、電圧値に変換した電力値を、時間tpのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積する。蓄積したデータは、パソコン11に送り、電力値に変換して電力値データとする。以降のステップは、パソコン11にて処理を行う。
なお、本実施形態では、装置の構成により、電力値を電圧値に変換する操作を経由しているが、電力値のまま処理を行うことと、フローは実質同等である。
(第1の電力分散値データ作成ステップ:S4,S5)
次に、ステップS4に進み、電力値データにおける最初から時間ΔT1前までの電力値の分散値を求めて第1の電力分散値とし、ステップS5に進み、第1の電力分散値を、時間t1のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の電力分散値データとする。
(第2の電力分散値データ作成ステップ:S6,S7)
次に、ステップS6に進み、第1の電力分散値データにおける最初から時間ΔT2前までの第1の電力分散値の分散値を求めて第2の電力分散値とし、ステップS7に進み、第2の電力分散値を時間t2のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の電力分散値データする。
なお、ステップS7では、時間t1と時間t2が等しい場合、第2の電力分散値を求めた第1の電力分散値のデータ群に対し、続けて求めた第1の電力分散値1つをデータ群に加えると共に、時間ΔT2前の第1の電力分散値1つをデータ群から削除し、その後、再びデータ群の分散値を求めて第2の電力分散値とすることができる。そして、この手順を繰り返すことにより、第2の電力分散値データを求め続けてもよい。
(電力値異常判定ステップ:S8−S12)
次に、ステップS8に進み、第2の電力分散値データにおける最新の第2の電力分散値Vp1と、最新から所定個数Np個前のタイミングにおける第2の電力分散値Vp2との比(Vp1/Vp2)を逐次求める。Npの値は、電力値に異常が発生したと判定する精度が高くなるよう、正の整数値を適宜設定する。
次に、ステップS9に進み、予め第2の電力分散値Vp2に応じて設定した閾値αを参照し、ステップS10に進み、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2の比が、閾値αを、所定回数m回続けて越えたとき、ステップS11進み、電力値に異常が発生したと判定する。
本実施形態では、ステップS11において電力値に異常が発生したと判定したとき、その異常判定の情報を基に、切削工具Tに工具異常が発生したと判定し、工具異常の発生を検知する。また、ステップ11において、電力値に異常が発生したと判定しなかったとき、ステップ12に進み、比(Vp1/Vp2)と閾値αとの比較を継続する。
なお、切削工具Tに工具異常が発生したと判定したとき、パソコン11から作業者に対して、視覚的あるいは聴覚的に信号を発生し、工具異常が発生したことを知らせるようにしてもよい。また、パソコン11から加工機1に信号を送り、切削工具TをロールRから自動的に退避させ、切削作業を停止するようにしてもよい。
本実施形態では、第2の電力分散値データを用いて、電力値に異常が発生したと判定するので、工具異常の発生に起因する電力値変化を強調して検知することができる。これにより、切粉等の噛込みやワークの溶着等に起因する電力値の変化から、工具異常の発生に起因する電力値変化を判別しやすくすることができ、工具異常の発生を精度よく検知することができる。
また、本実施形態では、閾値αを、第2の電力分散値Vp2に応じて設定している。すなわち、閾値αを、電力値の変化に応じて動的に設定している。これにより、第2の電力分散値Vp2が小さく、且つ、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2の比(Vp1/Vp2)が大きい電力値変化、例えば、切粉等の噛込みやワークの溶着等に起因する電力値変化から、工具異常の発生に起因する電力変化をより判別しやすくすることができ、工具異常の発生をより精度よく検知することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態として、第1実施形態と同じく、本発明をロールRの外形加工に適用した例について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の第1実施形態と同じ部分については、第1実施形態と同じ符号を付している。
本発明は、図4に示すようなロール旋盤加工機20(以下、加工機20と略す)に適用することができる。加工機20は、第1実施形態の加工機1と同じく、ロールRの外径加工をする装置であり、図2の加工機1の構成に加え、切削工具Tの近傍に加速度センサ13を備えている。
そして、図5に示すように、加工機20では、工具ホルダ3が切削工具Tを保持し、筐体14が工具ホルダ3を保持するようにしていて、筐体14の内部に加速度センサ13を配している。図5の矢印は、円筒断面で示すロールRの回転方向を示していて、加速度センサ13の感度方向は、図のY方向、すなわち、ロールRの周方向にしている。なお、加速度センサ13は、ロールRと干渉しない範囲において切削工具T近くに配することが好ましい。このようにすることで、切削工具Tの振動をより検出しやすくすることができる。
そして、図4に示すように、加工機20は、第1実施形態の構成に加え、アンプユニット15、データ収集機16を、周辺に配置している。
アンプユニット15は、加速度センサ13から出力した加速度値(アナログ電圧信号)を増幅し、データ収集機16に出力するようにしている。データ収集機16は、加速度センサ13から送られた加速度値を収集して蓄積した後、A/D変換してパソコン11に出力するようにしている。なお、データ収集機16は、無線通信機能を有するものにしていて、パソコン11が加工機20から離れていても、データを無線送信できるようにしている。
次に、本実施形態の手順について、図6のフローチャートに従って説明する。本実施形態は、電力値の異常判定と、加速度値の異常判定の、両方の情報を基に、工具異常の発生を判定して検知するものである。電力値に異常が発生したことを判定するフローは、図3のフローチャートと同じあり、図6のフローチャートは、加速度値に異常が発生したことを判定するフローを示している。
(加速度値データ作成ステップ:S21−S23)
図6に示すように、本実施形態において加速度値に異常が発生したことを判定するフローは、ステップS21からフローを開始し、ステップS22に進み、加速度センサ13により加速度値を計測し出力する。そして、ステップS23に進み、データ収集機16により、加速度値を時間taのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積する。蓄積したデータは、パソコン11に送り、加速度値データとする。以降のステップは、パソコン11にて処理を行う。
(第1の加速度分散値データ作成ステップ:S24,S25)
次に、ステップS24に進み、加速度値データにおける最初から時間ΔT3前までの加速度値の分散値を求めて第1の加速度分散値とし、ステップS25に進み、第1の加速度分散値を、時間t3のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の加速度分散値データとする。
(第2の加速度分散値データ作成ステップ:S26,S27)
次に、ステップS26に進み、第1の加速度分散値データにおける最初から時間ΔT4前までの第1の加速度分散値の分散値を求めて第2の加速度分散値とし、ステップS27に進み、第2の加速度分散値を時間t4のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の加速度分散値データとする。
ステップS27では、第2の加速度分散値を求めた第1の加速度分散値のデータ群に対し、続けて求めた第1の加速度分散値1つをデータ群に加えると共に、時間ΔT2前の第1の加速度分散値1つをデータ群から削除し、その後、再びデータ群の分散値を求めて第2の加速度分散値とすることができる。そして、この手順を繰り返すことにより、第2の加速度分散値データを求め続けることができる。
(加速度値異常判定ステップ:S28−S32)
次に、ステップS28に進み、第2の加速度分散値データにおける最新の第2の加速度分散値Va1と、最新から所定個数Na個前のタイミングにおける第2の加速度分散値Va2との比(Va1/Va2)を逐次求める。Naの値は、加速度値に異常が発生したと判定する精度が高くなるよう、正の整数値を適宜設定する。
次に、ステップ29に進み、予め第2の加速度分散値Va2に応じて設定した閾値βを参照し、ステップ30に進み、第2の加速度分散値Va1と第2の加速度分散値Va2の比が、閾値βを、所定回数n回続けて越えたとき、ステップS31に進み、加速度値に異常が発生したと判定する。
本実施形態では、ステップS31において加速度値に異常が発生したと判定し、且つ、図3のフローチャートにおいて電力値に異常が発生したと判定したとき、両方の情報を基に、切削工具Tに工具異常が発生したと判定し、工具異常の発生を検知する。例えば、電力値に異常が発生したとする判定と、加速度値に異常が発生したとする判定とを、同時に判定したとき、工具異常が発生したと判定する。また、ステップS31において、加速度値に異常が発生したと判定しなかったとき、ステップ32に進み、比(Va1/Va2)と閾値βとの比較を継続する。
本実施形態では、第2の加速度分散値データを用いて、加速度値に異常が発生したと判定するので、工具異常の発生に起因する加速度値変化を強調して検知することができる。そして、加速度に基づく判定は、切削工具Tに発生する変化を、電力に基づく判定より敏感に検知することができる。このため、電力値の異常判定を、加速度値の異常判定により補完し、工具異常の発生を判定することにより、工具異常の発生をより精度よく検知することができる。
また、本実施形態では、閾値βを、第2の加速度分散値Va2に応じて設定している。すなわち、閾値βを、加速度値の変化に応じて動的に設定している。これにより、第2の加速度分散値Va2が小さく、且つ、第2の加速度分散値Va1と第2の加速度分散値Va2の比(Va1/Va2)が大きい加速度値変化から、工具異常の発生に起因する加速度値変化をより判別しやすくすることができ、工具異常の発生をより精度よく検知することができる。
[実施例1]
次に、本発明の実施例1について説明する。本実施例は、第1実施形態を、ロールR外径面に形成された熱処理肌面の除去加工(粗加工)に適用した例である。
本実施例には、仕上げ外形寸法が1200mmになるロールRを用いた。加工では、ロールRを、軸周りに周速115m/minにて回転しつつ、切削工具Tを、軸方向に0.25mm/rotの速度で送るようにした。切削工具Tには、円板型のcBNチップを用いた。
また、図2に示した電力計9には、エルファイ社製V382VFDモータロードコンバータを用い、切削工具Tを駆動するZ軸サーボモータ5の電力値を計測した。
図7に示すように、電力計9が計測した電力値は、加工初期において、切削工具Tを加工開始位置まで高速送りしたことに起因するピーク71と、切削工具TをロールRに接触するまで空転したことに起因するエアカット区間72とを示した。そして、電力値は、切削工具TがロールRに接触して電力値が上昇し、区間73から定常加工状態となった後、多少の増減を繰り返しながら、ほぼ安定した波形を示した。
そして、本実施例では、図3に示したフローチャートのパラメータを、パソコン11において、
ステップS3の時間tp : 1/30秒
ステップS4の時間ΔT1 : 0.5秒
ステップS5の時間t1 : 0.5秒
ステップS6の時間ΔT2 : 30秒
ステップS7の時間t2 : 0.5秒
ステップS8の所定個数Np : 60個
ステップS10の所定回数m : 5回
と設定した。
なお、ステップS7では、第2の電力分散値を求めた第1の電力分散値のデータ群に対し、続けて求めた第1の電力分散値1つをデータ群に加えると共に、30秒前の第1の電力分散値1つをデータ群から削除し、その後、再びデータ群の分散値を求めて第2の電力分散値とした。そして、この手順を繰り返すことにより、第2の電力分散値を求め続けて蓄積し、第2の電力分散値データとした。
また、図8に示すように、ステップS9では、第2の電力分散値Vp2が大きくなるに従って、閾値αが小さくなるように設定した。
図9は、電力値に異常が発生したと判定した前後の、(a)電力値の変化、(b)第1の電力分散値の変化、(c)第2の電力分散値の変化、を示したものである。なお、図9(c)中には、電力値の異常判定ラインJをあわせて示していて、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2の比が、閾値αを5回続けて越えたとき、電力値の異常判定ラインJが、ゼロを示すようにしている。
図9に示すように、図9(a)の電力値の波形には、周辺よりも高いピーク91aとピーク92aとを計測していた。そして、ピーク92aは、図9(b)の第1の電力分散値の波形において、ピーク92bに強調され、図9(c)の第2の電力分散値の波形において、さらにピーク92cに強調されていた。そして、ピーク92cにおいて電力値の異常判定ラインJがゼロを示し、電力値に異常が発生したと判定した。この判定後、切削工具TをロールRから退避し、切削工具Tの状態を確認したところ、切削工具Tのエッジに僅かな欠損が発生していた。
また、他方のピーク91aは、図9(b)の第1の分散値の波形において、ピーク91bとなり、図9(c)第2の分散値の波形において、周囲と区別がつきにくいピーク91cとなっていた。そして、ピーク91cにおいて、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2の比は、閾値αを2回しか続けて越えず、電力値の異常判定ラインJはゼロを示さなかった。
図9(a)の波形は、ピーク91aの後、ピーク前と同じレベルで推移していることから、ピーク91は、切削工具Tに、ロールRの異物や欠陥、切粉等を噛込んだことに起因するピークであり、工具異常ではないと考えられる。
以上から、第1実施形態の工具異常検知方法により、工具異常の発生に起因する電力値のピークと、他に起因する電力値のピークとを判別し、工具異常の発生を検知できることを確認できた。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について説明する。本施例も、第1実施形態を、ロールRの外径面に形成された熱処理肌面の除去加工に適用した例であり、実施例1よりも硬い材質のロールRを加工した例である。
本実施例には、仕上げ外径寸法が900mmになるロールRを用いた。加工では、このロールRを、軸周りに周速80m/minにて回転しつつ、切削工具Tを、軸方向に0.16mm/rotでの速度で送るようにした。切削工具Tには、実施例1と同じ工具を用いた。
その他、加工機1および周辺機器の構成、図3のフローチャートにおける時間tp、時間ΔT1、時間t1、時間ΔT2、時間t2、所定個数Np、所定回数mの条件は、実施例1と同じにし、閾値αは、第2の電力分散値Vp2が大きくなるに従って小さくなるよう、別途設定した。
図10は、電力値に異常が発生したと判定した前後の、(a)電力値の変化、(b)第2の電力分散値の変化、を示したものである。そして、図中には、電力値に異常が発生したと判定した位置をAとして示した。このAの位置の後、切削工具TをロールRから退避し、切削工具Tの状態を確認したところ、切削工具Tのエッジに僅かな欠損が発生していた。
本実施例は、実施例1よりも硬い材質のロールRを加工しており、実施例1よりも切削工具Tの送り速度を遅くしている。そのため、図10(a)の電力値の波形は、S/N比が小さく、電力値とノイズとの判別が難しいので、閾値との比較にて電力値に異常が発生したと判定することは困難である。
しかし、このような波形の電力値であっても、第2の電力分散値をとって波形にすることにより、図10(b)に示すように、Aの位置に明確なピークを形成することができ、電力値に異常が発生したと判定することができた。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例は、第2実施形態を、ロールR外径面に形成された熱処理肌面の除去加工に適用した例である。
なお、ロールRおよび切削工具T、切削工具Tの送り速度は、実施例1と同じである。
そして、本実施例では、図6に示したフローチャートのパラメータを、パソコン11において、
ステップS23の時間ta : 1/200秒、
ステップS24の期間ΔT3 : 0.5秒、
ステップS25の時間t3 : 0.5秒、
ステップS26の時間ΔT4 : 30秒、
ステップS27の時間t4 : 0.5秒、
ステップS28の所定個数Na : 60個
ステップS30の所定回数n : 5回
と設定した。
なお、ステップS27では、第2の加速度分散値を求めた第1の加速度分散値のデータ群に対し、続けて求めた第1の加速度分散値1つをデータ群に加えると共に、30秒前の第1の加速度分散値1つをデータ群から削除し、その後、再びデータ群の分散値を求めて第2の加速度分散値とした。そして、この手順を繰り返すことにより、第2の加速度分散値を求め続けて蓄積し、第2の加速度分散値データとした。
また、図11に示すように、ステップS29では、第2の加速度分散値Vaa2が大きくなるに従って、閾値βが小さくなるように設定した。
図12は、加速度値に異常が発生したと判定した前後の、(a)加速度値の変化、(b)第1の加速度分散値の変化、(c)第2の加速度分散値の変化、を示したものである。なお、図12の測定は、図9の測定と同時に行ったものであり、図12には、図9の電力値ピーク91a、92aの位置を、それぞれ、B、Cとして示した。
図12(a)の電力値の波形には、図9のピーク92aの位置Cに、小さなピーク93aを計測していた。そして、ピーク93aは、図12(b)の第1の加速度分散値の波形において、ピーク93bに強調され、図12(c)の第2の加速度分散値の変化において、さらにピーク93cと強調されていた。そして、ピーク93cにおいて、第2の加速度分散値Va1と第2の加速度分散値Va2との比(Va1/Va2)が、閾値βを5回続けて越え、加速度値に異常が発生したと判定した。
また、図12(a)の加速度値の変化において、図9のピーク91aが計測された位置Bに、加速度値のピークは計測されなかった。そして、図12(b)の第1の加速度分散値の変化と、図12(c)の第2の加速度分散値の変化においても、位置Bにピークは計測されなかった。
実施例1では、ピーク91aについて、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2の比(Vp1/Vp2)が、閾値αを所定回数5回続けて越えていないことにより、電力値に異常が発生したと判定しなかった。したがって、m回の設定次第では、工具異常の誤検知に繋がる可能性がある。しかし、本実施例のように、電力値を基にする異常判定と、加速度値を基にする異常判定の、両方の情報を基に、工具異常を判定する方法によれば、ピーク91aのようなピークについて、加速度値を基にする、工具異常に起因するピークでないと明確に判定することができ、工具異常の発生をより精度よく検知できることが確認できた。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明が適用することができる切削加工装置は、ロール旋盤加工機の限らず、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置であればよく、シャフトや丸棒等の表面の切削加工装置にも適用することができる。
また、本発明は、円柱体或いは円筒体の外径面加工だけでなく、側面加工の工具異常検知にも適用することができる。すなわち、実施形態における、ロールRの側面F1、F2の加工にも適用することができる。その場合、図3或いは図6のフローをそのまま適用し、閾値α、βを適宜設定すればよい。
1,20:ロール旋盤加工機
2:モータ
3:工具ホルダ
4:X軸サーボモータ
5:Z軸サーボモータ
6:制御配電盤
7:X軸サーボアンプ
8:Z軸サーボアンプ
9:電力計
10:データ収集機
11:パソコン
12:I/Oユニット
13:加速度センサ
14:筐体
15:アンプユニット
16:データ収集機

R:ロール
R1:内径面、R2:外径面
F1,F2:側面
S:軸体
T:切削工具

本発明の実施形態で外形加工をするロールの一例を示す断面模式図である。 第1実施形態における、ロール旋盤加工機とその周辺機器の概略図である。 第1実施形態において、電力値の異常を判定するフローチャートである。 第2実施形態における、ロール旋盤加工機とその周辺機器のを示す概略図で ある。 図4のロール旋盤加工機における、切削工具と加速度センサの配置を示す概 略図である。 第2実施形態において、加速度値の異常を判定するフローチャートである。 実施例1における、加工開始直後の電力値の変化を示すグラフである。 実施例1における、閾値αと第2の電力分散値Vp2との関係を示すグラフ である。 実施例1において、電力値に異常が発生したと判定した前後の、(a)電力 値の変化、(b)第1の電力分散値の変化、(c)第2の電力分散値の変化、を示す グラフである。 実施例2において、電力値に異常が発生したと判定した前後の、(a)電 力値の変化、(b)第2の電力分散値の変化、を示すグラフである。 実施例2における、閾値βと第2の加速度散値Va2との関係を示すグ ラフである。 実施例2において、加速度値に異常が発生したと判定した前後の、(a) 加速度値の変化、(b)第1の加速度分散値の変化、(c)第2の加速度分散値の変 化を示すグラフである。 工具を駆動するモータの供給電力波形の一例を示すグラフである。
(第1の電力分散値データ作成ステップ:S4,S5)
次に、ステップS4に進み、電力値データにおける最から時間ΔT1前までの電力値
の分散値を求めて第1の電力分散値とし、ステップS5に進み、第1の電力分散値を、時
間t1のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の電力分散値データとする。
(第2の電力分散値データ作成ステップ:S6,S7)
次に、ステップS6に進み、第1の電力分散値データにおける最から時間ΔT2前ま
での第1の電力分散値の分散値を求めて第2の電力分散値とし、ステップS7に進み、第
2の電力分散値を時間t2のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の電力分散値デー
タする。
なお、ステップS7では、時間t1と時間t2が等しい場合、第2の電力分散値を求め
た第1の電力分散値のデータ群に対し、続けて求めた第1の電力分散値1つをデータ群に
加えると共に、時間ΔT2前の第1の電力分散値1つをデータ群から削除し、その後、再
びデータ群の分散値を求めて第2の電力分散値とすることができる。そして、この手順を
繰り返すことにより、第2の電力分散値データを求め続けてもよい。
また、本実施形態では、閾値αを、第2の電力分散値Vp2に応じて設定している。す
なわち、閾値αを、電力値の変化に応じて動的に設定している。これにより、第2の電力
分散値Vp2が小さく、且つ、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2の比(
Vp1/Vp2)が大きい電力値変化、例えば、切粉等の噛込みやワークの溶着等に起因
する電力値変化から、工具異常の発生に起因する電力変化をより判別しやすくすること
ができ、工具異常の発生をより精度よく検知することができる。
(第1の加速度分散値データ作成ステップ:S24,S25)
次に、ステップS24に進み、加速度値データにおける最から時間ΔT3前までの加
速度値の分散値を求めて第1の加速度分散値とし、ステップS25に進み、第1の加速度
分散値を、時間t3のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の加速度分散値データと
する。
(第2の加速度分散値データ作成ステップ:S26,S27)
次に、ステップS26に進み、第1の加速度分散値データにおける最から時間ΔT4
前までの第1の加速度分散値の分散値を求めて第2の加速度分散値とし、ステップS27
に進み、第2の加速度分散値を時間t4のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の加
速度分散値データとする。
ステップS27では、第2の加速度分散値を求めた第1の加速度分散値のデータ群に対
し、続けて求めた第1の加速度分散値1つをデータ群に加えると共に、時間ΔT2前の第
1の加速度分散値1つをデータ群から削除し、その後、再びデータ群の分散値を求めて第
2の加速度分散値とすることができる。そして、この手順を繰り返すことにより、第2の
加速度分散値データを求め続けることができる。
また、図11に示すように、ステップS29では、第2の加速度分散値Va2が大きくなるに従って、閾値βが小さくなるように設定した。

Claims (4)

  1. 軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用する工具異常検知方法であって、
    前記切削工具を送る電力値を、時間tpのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積し、電力値データとする、電力値データ作成ステップと、
    前記電力値データにおいて、最新から時間ΔT1前までの前記電力値の分散値を求めて第1の電力分散値とし、これを、時間t1のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の電力分散値データとする、第1の電力分散値データ作成ステップと、
    前記第1の電力分散値データにおいて、最新から時間ΔT2前までの前記第1の電力分散値の分散値を求めて第2の電力分散値とし、これを、時間t2のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の電力分散値データとする、第2の電力分散値データ作成ステップと、
    前記第2の電力分散値データにおいて、最新の第2の電力分散値Vp1と、最新から所定個数Np個前のタイミングにおける第2の電力分散値Vp2との比(Vp1/Vp2)を逐次求め、その比が閾値αを所定回数m回続けて越えたとき、前記電力値に異常が発生したと判定する、電力値異常判定ステップと
    を有し、前記電力値異常判定ステップにおける異常判定の情報を基に、前記切削工具に工具異常が発生したと判定することを特徴とする工具異常検知方法。
  2. 前記閾値αを、前記第2の電力分散値Vp2に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の工具異常検知方法。
  3. 前記切削工具の振動にかかる加速度値を、時間taのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積し、加速度値データとする、加速度値データ作成ステップと、
    前記加速度値データにおいて、最新から時間ΔT3前までの前記加速度値の分散値を求めて第1の加速度分散値とし、これを、時間t3のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の加速度分散値データとする、第1の加速度分散値データ作成ステップと、
    前記第1の加速度分散値データにおいて、最新から時間ΔT4前までの前記第1の加速度分散値の分散値を求めて第2の加速度分散値とし、これを、時間t4のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の加速度分散値データとする、第2の加速度分散値データ作成ステップと、
    前記第2の加速度分散値データにおいて、最新の第2の加速度分散値Va1と、最新から所定個数Na個前のタイミングにおける第2の加速度分散値Va2との比(Va1/Va2)を逐次求め、その比が閾値βを所定回数n回続けて越えたとき、前記加速度値に異常が発生したと判定する、加速度値異常判定ステップと
    を有し、前記電力値異常判定ステップにおける異常判定と、前記加速度値異常判定ステップにおける異常判定の、両方の情報を基に、前記切削工具に工具異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の工具異常検知方法。
  4. 前記閾値βを、前記第2の加速度分散値Va2に応じて設定することを特徴とする請求項3に記載の工具異常検知方法。

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