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JP2015536929A - スタフィロコッカス・アウレウスsdrecnabドメイン及びワクチン接種のためのその使用 - Google Patents

スタフィロコッカス・アウレウスsdrecnabドメイン及びワクチン接種のためのその使用 Download PDF

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JP2015536929A
JP2015536929A JP2015538490A JP2015538490A JP2015536929A JP 2015536929 A JP2015536929 A JP 2015536929A JP 2015538490 A JP2015538490 A JP 2015538490A JP 2015538490 A JP2015538490 A JP 2015538490A JP 2015536929 A JP2015536929 A JP 2015536929A
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aureus
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グイド オレステ マネッティ,アンドレーア
グイド オレステ マネッティ,アンドレーア
フィアスキ,ルイージ
ベケレッリ,マルコ
ドゥバイ,プラーキ
ビアジーニ,マッシミリアーノ
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グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
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Abstract

S.aureus Ser-Aspリッチフィブリノーゲン/骨シアロタンパク質結合タンパク質は、三つのCnaBドメインを含み、これらの第三がS.aureus感染に対して有意な保護を提供する。したがって、有用なS.aureusワクチンは、SdrE CnaBドメインを含み得る。さらに、SdrEタンパク質が、トリプシン消化に対して相対的に耐性であることが示され、これは、SdrEが第三のCnaBドメイン内のイソペプチド結合を含むという観察と関連し得る。【選択図】図4

Description

この出願は、2012年10月29日に出願されたUK仮出願1219420.5の利益を主張し、その全ての完全な内容を、全ての目的のために、参照により本明細書に組込む。
本発明は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)免疫原の分野に属する。
S.aureusに対する様々なワクチンが、現在研究されている(例えば、特許文献1を参照されたい)。特許文献2に開示されている様に、一つのアプローチは、CnaBドメインを含むポリペプチドを使用する。このドメインは、S.aureusコラーゲン結合表面タンパク質において、コラーゲン結合を媒介しない領域として、最初は記載された。特許文献2の図28は、S.aureus SdrDタンパク質由来のCnaBドメインが、マウスモデルにおいて、USA300株の感染に対する防御を与えることを示している。
WO2010/119343 WO2010/079464
本発明の目的は、S.aureusに対する免疫応答を誘発するためのさらなる、かつ改善された免疫原を提供することである。
特許文献2は、S.aureusのSdrDタンパク質を、CnaBドメインを含むものとして同定している。本発明者は、S.aureusのSer-Aspリッチフィブリノーゲン/骨シアロタンパク質結合タンパク質(SdrE)が、三つのCnaBドメイン(「CnaBE1」、「CnaBE2」、及び「CnaBE3」)を含むこと、及び、これらのドメインの第三が、腎臓の膿瘍形成の減少によって示される様に、S.aureus感染に対する有意な保護を提供することを見出した。さらに、本発明者は、SdrEを発現しない株にさえ対する交差保護を示した。さらに、SdrEタンパク質は、トリプシン消化に対して比較的耐性であることが示され、これは、SdrEがその第三のCnaBドメイン内(すなわち、CnaBE3内)にイソペプチド結合を含むという観察と関係し得る。
第一の態様において、本発明は、SdrE CnaBE3ドメインを含むポリペプチドであって、全長SdrEタンパク質を含まない、前記ポリペプチドを提供する。
第二の態様において、本発明は、SdrE CnaBE3ドメインを含むポリペプチドであって、500より少ないアミノ酸を有する、前記ポリペプチドを提供する。
第三の態様において、本発明は、S.aureus SdrEタンパク質のフラグメントを含むポリペプチドであって、(a)該フラグメントがSdrE CnaBE3ドメインを含み、(b)該ポリペプチドが全長SdrEタンパク質を含まない、前記ポリペプチドを提供する。
第四の態様において、本発明は、S.aureus CnaBドメインを含むポリペプチドであって、CnaBドメインがイソペプチド結合を含む、前記ポリペプチドを提供する。CnaBドメインは、好ましくはCnaBE3である。
第五の態様において、本発明は、変異体S.aureus SdrE CnaBE3ドメインを含むポリペプチドであって、天然のS.aureus SdrE CnaBE3ドメインがアスパラギン残基を有する一以上のアミノ酸位置において、該変異体が、(i)アミノ酸欠失、又は(ii)アミノ酸置換のいずれかを有する前記ポリペプチドを提供する。
同様に、本発明は、変異体S.aureus SdrE CnaBE3ドメインを含むポリペプチドであって、天然のS.aureus SdrE CnaBE3ドメインがアスパラギン酸残基を有する一以上のアミノ酸位置において、該変異体が、(i)アミノ酸欠失、又は(ii)アミノ酸置換のいずれかを有する前記ポリペプチドを提供する。
同様に、本発明は、変異体S.aureus SdrE CnaBE3 ドメインを含むポリペプチドであって、天然のS.aureus SdrE CnaBE3 ドメインがリシン残基を有する一以上のアミノ酸位置において、該変異体が、(i)アミノ酸欠失、又は(ii)アミノ酸置換のいずれかを有する、
前記ポリペプチドを提供する。
第六の態様において、本発明は、少なくとも二つのCnaBドメインを含むポリペプチドであって、(a)少なくとも一つのCnaBドメインがSdrE CnaBE3ドメインであり、少なくとも一つのCnaBドメインがSdrE CnaBドメインではないか、又は(b)該ポリペプチドが、少なくとも二つのSdrE CnaBE3ドメインを含むかのいずれかである、前記ポリペプチドを提供する。かかるポリペプチドは、特許文献2に開示されるアミノ酸配列A(LB)nを含み得る(例えば、特許文献2の第13〜第19頁を参照されたい)、ただし、少なくとも一つのA及び/又はBがCnaBE3である。
本発明のこれらのポリペプチドは、例えば、S.aureus感染に対して保護するための免疫応答を生じさせるための免疫原組成物の成分として有用である。
SdrE
S.aureus SdrEタンパク質は、参考文献3〜8においてより詳細に議論されている様に、Ser-Aspリッチフィブリノーゲン/骨シアロタンパク質結合タンパク質である。S.aureus細菌では、それは細胞壁に固着している。Newman NWMN_0525株において、そのアミノ酸配列は、配列番号1である:
Figure 2015536929
さらに多くの株由来のSdrE配列が、本分野において知られている。S.aureusのSdrE配列に対する、NCBIポリペプチド配列データベースの出願時のサーチは、73ヒットを明らかにし、配列番号1を用いるBLINKサーチは、少なくともCOL(配列アクセッション番号AAW37719)、ATCC BAA-39(EFM05571)、CIG1612(EHT61800)、CIG2018(EHT70059)、USA300_TCH1516(ABX28583)、USA300_FPR3757(ABD22410)、CIG547(EHT48726)、CIGC345D(EHT90441)、21340(EHM84415)、CIG1770(EHT65828)、CIG1114(EHT20837)、TW20(CBI48512)、21272(EHP00675)、A8819(EFG44197)、ATCC 51811(EFH25573)、Newbould 305(EJE56337)、JKD6008(ADL64631)、T0131(AEB87697)、等の株について、SdrE配列を与える。
BLINKは、1131〜1166のアミノ酸をヒットし、この長さのバリエーションのほとんどは、Ser-Aspリピートの長さの差から生じる。このバリエーション、及び5-merのPSTSE配列(配列番号44)の存在又は不存在は別として、他は、該配列は多くの株間で非常によく保存されている。したがって、新生の配列は、一般に以下の通り表され得る:
[配列番号2]-X1-[配列番号3]-X2-[配列番号4] (式「A」)
式中、配列番号2は:
Figure 2015536929
であり、
配列番号3は:
Figure 2015536929
であり、
配列番号4は:
Figure 2015536929
であり、
X1は、任意のPSTSE配列(配列番号44)であり、かつ
X2は、20〜250アミノ酸長であり、(i)SDの複数リピートであるか、又は(ii)SD及びAD配列の両方の混合物である。
配列番号1は式「A」の例であり、式中、X1が存在し、X2がSDの83反復である。
本発明は、任意のこれらの公知のSdrE配列を使用し得る。一般には、本発明により使用されるSdrEは、配列番号3と少なくとも90%の同一性(例えば、≧91%同一性、≧92%同一性、≧93%同一性、≧94%同一性、≧95%同一性、≧96%同一性、≧97%同一性、≧98%同一性、≧99%同一性、又は100%同一性)を有する配列を含み、かつ、ヒト又はマウスに投与されたときに、配列番号1として発現される野生型S.aureusタンパク質を認識する抗体を誘発するだろう。
本発明の実施形態が、S.aureus SdrEタンパク質のフラグメントを利用する場合、該フラグメントは、一般に、配列番号3と少なくとも90%の同一性(例えば、≧91%同一性、≧92%同一性、≧93%同一性、≧94%同一性、≧95%同一性、≧96%同一性、≧97%同一性、≧98%同一性、≧99%同一性、又は100%同一性)を有する配列のフラグメントであろう。該フラグメントを含むポリペプチドは、ヒト又はマウスに投与されたときに、配列番号1として発現される野生型S.aureusタンパク質を認識する抗体を誘発するだろう。
S.aureus SdrEの一つの有用なフラグメントは、CnaBE3ドメイン(以下参照)を含むが、20より少ないSer-Asp反復を含む。
本発明の実施形態が、全長SdrEタンパク質を利用しない場合、式「A」を有するタンパク質を利用しない。
また、本発明のポリペプチドは、通常式「B」のアミノ酸配列を含まない、ここで式「B」は:
[配列番号5]-X1-[配列番号3]-X2-[配列番号6]
であり、式中、
配列番号5は:
Figure 2015536929
であり、
配列番号3は:
Figure 2015536929
であり、
配列番号6は:
Figure 2015536929
であり、
X1は、任意のPSTSE配列(配列番号44)であり(好ましくは存在する)、かつ
X2は、20〜250アミノ酸長であり、(i)SDの複数リピートであるか、又は(ii)SD及びAD配列の両方の混合物である(かつ、好ましいX2は、SDの83リピートからなる166-merである)。
したがって、式「B」の好ましい例は、1076-merの配列番号7:
Figure 2015536929
であり、それゆえ、本発明のポリペプチドは通常、配列番号7を含まないだろう。
CnaBドメイン
CnaBドメインは、プレアルブミン様の、グリークキートポロジーを有する二つのシート間に七つの鎖のベータ−サンドイッチフォールドを有する周知のタンパク質構造(参考文献9)である。SCOPデータベース(参考文献10)は、「Cnaタンパク質B型ドメイン」を、ファミリー(49479)及びスーパーファミリー(49478)の両方として含む。Pfamデータベースでは(参考文献11)、CnaBドメインはエントリーPF05738である。CnaBドメインは、二次タンパク質構造に基づいて規定されるが、簡単に解析されるアミノ酸のパターン由来のこの構造の基部、及びCnaBドメインの存在は、アミノ酸配列のみに基づいて比較的簡単に予測され得、それらは参考文献12において報告されている様に、例えばCDD(保存ドメインデータベース、Conserved Domain Database)を用いて、保存されたドメインの検索によって比較的簡単に同定される。
CnaBドメインの例は、参考文献2に、様々な菌種において開示されている。本発明は、CnaBドメインを含むS.aureusタンパク質に関する。S.aureusには、原型CNAコラーゲンアドへシン(本発明の実施形態としては典型的に除外される)をはじめとする、かかるタンパク質の幾つかの例があるが、本発明の主な焦点は、Sdrタンパク質(Ser-Aspリッチタンパク質、例えば、SdrA、B、C、D、E及び/又はF)、及び特にSdrEである。
S.aureus SdrEは上記の通りである。それは参考文献3において「B反復」として同定される三つのCnaBドメインを含む。三つのCnaBドメインの境界は、参考文献3の図3において、Newman株に基づいて示されており、配列番号1における第三のCnaBドメイン(「CnaBE3」)は以下の通り(配列番号8):
Figure 2015536929
である。
配列番号1と任意の他のS.aureus株由来のSdrE配列とのアライメントを用いると、配列番号8は、その他の株においてCnaBE3ドメインが位置していることを容易に可能にする。Newman株が好ましいが、本発明は、任意のかかる株由来のCnaBE3ドメインを用い得る。
したがって、一般に、本発明により利用されるCnaBE3ドメインは、配列番号8と少なくとも95%の同一性(例えば、≧96%同一性、≧97%同一性、≧98%同一性、≧99%同一性、又は100%同一性)を有し、ヒト又はマウスに投与されたときに、(i)配列番号8中のものであるか、又は(ii)配列番号8中のアミノ酸を含むエピトープを認識する抗体を誘発するだろう。換言すれば、CnaBE3ドメインは、上記の野生型CnaBE3ドメインと交差反応する抗体を誘発するだろう。幾つかの実施形態では、エピトープは、配列番号27中のものであるか、又は配列番号27中のアミノ酸を含む。
配列番号8のCnaBE3ドメインは111-merであり、したがって、全SdrEタンパク質の約9.5%を表す。したがって、CnaBE3ドメインを含む本発明のポリペプチドは、全長SdrEタンパク質よりも実質的に短いものであり得る。したがって、本発明のCnaBE3含有ポリペプチドは、500より少ないアミノ酸、例えば400より少ないaa、350より少ないaa、300より少ないaa、250より少ないaa、200より少ないaa、又は150より少ないaaを有し得る。
本発明のポリペプチドがCnaBE3ドメインを含む場合、該ドメインの任意のアミノ酸上流及び/又は下流は、S.aureus SdrEタンパク質における上流/下流残基と同一であり得るか、又はそれらは異なるものであり得る。例えば、ポリペプチドが配列{A}-{B}-{C}を含み、{B}がCnaBE3ドメインである場合:(a){A}のC末端は、配列番号1の残基102〜111と同一であるか又は異なるものであり得;及び/又は(b){C}のN末端は、配列番号1の残基941〜951と同一であるか又は異なるものであり得る。したがって、{B}のCnaBE3ドメインは、SdrE由来の特定のフラグメントとして採用され得るか、又はSdrE由来のより大きなフラグメントの一部として含まれ得る。配列{C}が存在する場合には、これは理想的には20より少ない、例えば10より少ない、5より少ない、又はさらにはゼロのSer-Asp反復を含む。一つの有用な実施形態では、配列{A}は、例えば、20アミノ酸までのCnaBE2ドメイン内の対応する領域の短い部分を含む。例えば、一つの有用な配列(配列番号27)は、CnaBE2由来の最後の15アミノ酸を保持し、配列番号1の126-merのフラグメントを与える:
Figure 2015536929
SdrE由来の各CnaBドメインは、カルシウムの高いアフィニティー結合をもたらし得るEFハンドループを含む。したがって、本発明のポリペプチドは、CnaBドメイン内にCa++を含み得る。
CnaBE3ドメインは、参考文献1において開示されている「SdrE53-632」タンパク質のより下流である。
配列番号8は、参考文献2において配列番号134〜138として開示されているSdrD由来の五つのCnaBドメインと(CLUSTALWによって計算される)以下の配列同一性を有する:
Figure 2015536929
同様に:配列番号8をSdrDの対応する領域(例えば、Newman株については、SdrDのアミノ酸1013〜1123)とアライメントした場合、それは六つのアミノ酸の相違を有し、94.6%の同一性を有し;配列番号8をSdrCの対応する領域(例えば、参考文献1におけるSdrCのアミノ酸607〜717)とアライメントした場合、それはまた、六つのアミノ酸の相違を有し、94.6%の同一性を有する。
イソペプチド結合及び変異体CnaBE3ドメイン
本発明により利用されるCnaBドメイン(及び特にCnaBE3ドメイン)は、有用にはイソペプチド結合、すなわち二つのアミノ酸の側鎖間、又は一つのアミノ酸の側鎖とペプチド鎖の遊離末端との間の結合を含み得る。典型的には、これは一つの側鎖のアミノ基と他の側鎖のカルボキシル又はカルボキサミド基との間、例えばLysのアミノ基とGln又はAsnのカルボキサミドとの間、又はLysのアミノ基とGlu又はAspのカルボキシルとの間で形成される。イソペプチド結合を形成する二つのアミノ酸は、通常両方同じCnaBE3ドメインに存在し得る。
しかしながら、幾つかの実施形態では、CnaBドメイン(及び特にCnaBE3ドメイン)は、野生型のアスパラギン及び/又はリシン残基を除くように変異しており、それによってイソペプチド結合の形成が破壊されている。かかる変異体CnaBドメインでは、天然のドメインがアスパラギン/リシン残基を有する一以上のアミノ酸位置において、該変異体が、(i)アミノ酸欠失、又は(ii)アミノ酸置換のいずれかを有する。配列番号9〜14は、野生型のAsn残基が変異しているCnaBE3ドメインの例であり、配列中、「X」は「N」ではない(及び理想的には、「N」、「Q」、「D」、又は「E」ではない):
Figure 2015536929
同様に、配列番号15〜26は、野生型のLys残基が変異しているCnaBE3ドメインの例であり、配列中、「X」は「K」ではない:
Figure 2015536929
これらの変異体はイソペプチド結合の形成に抵抗し得る。
しかしながら、本発明のいくつかの実施形態では、イソペプチド結合の形成が維持される様に、天然のリシン及び/又はアスパラギン及び/又はアスパラギン酸が保持されている。特に、配列番号8中のAsn-104に対応する位置(すなわち、配列番号14の下線の位置)でアスパラギンを保持することが有用である。
S.aureus糖との組み合わせ
本発明のポリペプチドは、コンジュゲートしたS.aureus糖抗原と組み合わせて用い得る。したがって、本発明は、(1)本発明のポリペプチド;及び(2)S.aureusエキソポリサッカライド及びキャリアタンパク質の一以上のコンジュゲートの組合せを含む免疫原組成物を提供する。
この組み合わせの成分(2)において用いられるコンジュゲートは、糖部分及びキャリア部分を含む。糖部分は、ポリ-N-アセチルグルコサミン(PNAG)である、S.aureusのエキソポリサッカライドに由来する。糖は、細菌からのエキソポリサッカライドの精製の間に生じるサイズを有する多糖であり得るか、又はかかる多糖のフラグメント化により得られるオリゴ糖であり得、例えば、サイズは400kDaより大きいものから75〜400kDa又は10〜75kDaまで、又は30反復単位まで変動し得る。糖部分は様々な程度のN-アセチル化を有し得、参考文献13に記載される様に、PNAGは40%未満N-アセチル化され得る(例えば35、30、20、15、10又は5%未満N-アセチル化され得;脱アセチル化PNAGはまた、dPNAGとしても知られる)。PNAGの脱アセチル化エピトープは、オプソニン殺傷を媒介することができる抗体を誘発し得る。PNAGは、O-スクシニル化されても、されなくてもよく、例えば、それは25、20、15、10、5、2、1又は0.1%未満の残基においてO-スクシニル化され得る。
本発明は、(1)本発明のポリペプチド;及び(2)S.aureus莢膜糖及びキャリアタンパク質の一以上のコンジュゲートの組合せを含む免疫原組成物もまた提供する。
この組み合わせの成分(2)において用いられるコンジュゲートは、糖部分及びキャリア部分を含む。糖部分は、S.aureusの莢膜糖に由来する。糖は、細菌からの莢膜糖の精製の間に生じるサイズを有する多糖であり得るか、又はかかる多糖のフラグメント化により得られるオリゴ糖であり得る。莢膜糖は、S.aureusの任意の好適な株(又は類似の若しくは同一の糖を有する任意の細菌)、例えば5型及び/又は8型S.aureus株、及び/又は336型S.aureus株に由来する株から得られ得る。感染性のS.aureusのほとんどの株は、5型又は8型莢膜糖のいずれかを含む。両方が、その反復単位内に連結のためのスルフヒドリル基を導入するのに用いられ得るManNAcAだけでなくFucNAcpを有する。5型糖の反復単位は、→4)-β-D-ManNAcA-(1→4)-α-L-FucNAc(3OAc)-(1→3)-β-D-FucNAc-(1→であるのに対し、8型糖の反復単位は→3)- β-D-ManNAcA(4OAc)-(1→3)-α-L-FucNAc(1→3)-α-D-FucNAc(1→である。336型の糖は、O-アセチル化を有さないβ結合したヘキソサミンであり(参考文献14、15)、336株(ATCC 55804)に対して生じる抗体と交差反応する。5型及び8型の糖の組合せは典型的であり、336型の糖はこのペアに添加され得る(参考文献16)。
これらのコンジュゲートのキャリア部分は、通常タンパク質であろうが、通常(1)の抗原の一つではないだろう。典型的なキャリアタンパク質は、ジフテリア又は破傷風毒素等の細菌毒素、又はそのトキソイド若しくは変異体若しくはフラグメントである。CRM197ジフテリアトキシン変異体(参考文献17)は有用である。他の好適なキャリアタンパク質として、髄膜炎菌(N.meningitidis)外膜タンパク質複合体(参考文献18)、合成ペプチド(参考文献19、20)、熱ショックタンパク質(参考文献21、22)、百日咳タンパク質(参考文献23、24)、サイトカイン(参考文献25)、リンホカイン(参考文献25)、ホルモン(参考文献25)、成長因子(参考文献25)、様々な病原菌由来の抗原由来の複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質(参考文献26)、例えばN19(参考文献27)、インフルエンザ菌(H.influenzae)由来のタンパク質D(参考文献28〜30)、ニューモリシン(参考文献31)、又はその非毒性誘導体(参考文献32)、肺炎球菌表面タンパク質PspA(参考文献33)、鉄取り込みタンパク質(参考文献34)、C.difficile由来の毒素A又はB(参考文献35)、組換え緑膿菌(P.aeruginosa)菌体外タンパク質(rEPA)(参考文献36)等が挙げられる。幾つかの実施形態では、キャリアタンパク質は、第一、第二、第三、又は第四の抗原群から選択される抗原等のS.aureusタンパク質である。
組成物が一以上のコンジュゲートを含む場合、各コンジュゲートは同じキャリアタンパク質、又は異なるキャリアタンパク質を用い得る。
コンジュゲートは過剰のキャリア(w/w)又は過剰の糖(w/w)を有し得る。幾つかの実施形態では、コンジュゲートはそれぞれを、実質的に等しい重量含み得る。
キャリア分子は、キャリアに直接、又はリンカーを介して、共有結合的にコンジュゲートされ得る。タンパク質への直接の連結は、例えば、参考文献37及び38に記載される様に、例えば糖とキャリアの間の還元的アミノ化により達成され得る。糖は、最初、例えば酸化により活性化される必要があり得る。リンカー基を介する連結は、任意の公知の手順、例えば参考文献39及び40に記載される手順を用いてなされ得る。連結の好適なタイプは、(例えば、アミノ化によりグルカンに導入される)遊離のNH2基と(例えば、ジイミド活性化を用いる)アジピン酸とのカップリング、及びその後の形成された糖−アジピン酸中間体へのタンパク質のカップリングにより形成され得るアジピン酸リンカーである(参考文献41、42)。連結の他の好適なタイプは、糖CDIの遊離のヒドロキシル基の反応(参考文献43、44)、及びそれに続くカルバメート連結を形成するタンパク質との反応により形成され得るカルボニルリンカーである。他のリンカーとして、β−プロピオンアミド(参考文献45)、ニトロフェニル−エチレンアミン(参考文献46)、ハロアシルハライド(参考文献47)、グリコシド結合(参考文献48)、6−アミノカプロン酸(参考文献49)、ADH(参考文献50)、C4〜C12部分(参考文献51)等が挙げられる。カルボジイミド縮合もまた用いられ得る(参考文献52)。
PNAGコンジュゲートは、様々な方法で、例えば、a)マレイミド基を含むリンカーを添加することによってPNAGを活性化し、活性化されたPNAGを形成すること;b)スルフヒドリル基を含むリンカーを添加することによってキャリアタンパク質を活性化し、活性化されたキャリアタンパク質を形成すること;及びc)活性化されたPNAGと活性化されたキャリアタンパク質を反応させ、PNAG−キャリアタンパク質コンジュゲートを形成することを含む方法によって、又はa)スルフヒドリル基を含むリンカーを添加することによってPNAGを活性化し、活性化されたPNAGを形成すること;b)マレイミド基を含むリンカーを添加することによってキャリアタンパク質を活性化し、活性化されたキャリアタンパク質を形成すること;及びc)活性化されたPNAGと活性化されたキャリアタンパク質を反応させ、PNAG−キャリアタンパク質コンジュゲートを形成することを含む方法によって、又はa)スルフヒドリル基を含むリンカーを添加することによってPNAGを活性化し、活性化されたPNAGを形成すること;b)スルフヒドリル基を含むリンカーを添加することによってキャリアタンパク質を活性化し、活性化されたキャリアタンパク質を形成すること;及びc)活性化されたPNAGと活性化されたキャリアタンパク質を反応させ、PNAG−キャリアタンパク質コンジュゲートを形成することを含む方法、によって調製され得る。
本発明のポリペプチドは、共有結合コンジュゲートを形成するために、S.aureus糖のためのキャリアタンパク質として用いられ得る。したがって、本発明は、(1)本発明のポリペプチド、及び(2)S.aureus菌体外多糖又はS.aureus莢膜糖のコンジュゲートを含む免疫原組成物を提供する。かかるコンジュゲートのさらなる特徴は、上記の通りである。
S.aureusポリペプチド抗原との組合せ
本発明のポリペプチドは、他の(非SdrE)S.aureusポリペプチド抗原と組み合わせて用いられ得る。例えば、免疫原組成物は、参考文献1に開示される任意のS.aureus抗原、例えば参考文献1に規定される以下の抗原:(1)clfA抗原;(2)clfB抗原;(3)esxA抗原;(4)esxB抗原;(5)Hla抗原;(6)isdA抗原;(7)isdB抗原;(8)isdC抗原;(9)isdG抗原;(10)isdH抗原;(11)isdI抗原;(12)sasF抗原;(13)sdrC抗原;(14)sdrD抗原;(15)spa抗原;(16)sta006抗原;及び/又は (17)sta011抗原の一以上と組み合わせて、本発明のポリペプチドを含み得る。
一実施形態では、本発明は、(a)変異体ヘモライシン;(b)sta006抗原;(c)sta011抗原;(d)EsxA抗原及び/又は(e)EsxB抗原の一以上と組み合わせて、CnaBE3ドメインを含む本発明のポリペプチドを含む免疫原組成物を提供する。
S.aureusヘモライシン(「Hla」)は、「α毒素」としても知られる。NCTC 8325株において、Hlaはアミノ酸配列 配列番号28(GI:88194865):
Figure 2015536929
を有する。
Hlaは、孔形成及び溶血活性を有する、S.aureusのほとんどの株によって産生される重要な病原性決定基である。抗Hla抗体は、動物モデルにおいて毒素の有害な効果を中和し得、Hlaは肺炎に対する保護にとって特に有用である。
Hlaの天然の毒性は、(例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、又は他の架橋結合試薬を用いる)化学的不活性化によって、本発明の組成物において妨げられ得るが、Hlaの天然の毒性活性を欠く一方で、その免疫原性を維持している変異体Hlaを用いることが好ましい。かかる無害化変異体は、本分野において既に知られている。好適なHla抗原は、成熟抗原の(すなわち、最初の26のN末端アミノ酸を除いた後の)残基35である、配列番号28の残基61において変異を有する変異体S.aureusヘモライシンである。したがって、残基61はヒスチジンでないものであり得、代わりに、例えばIle、Val又は好適にはLeuであり得る。この位置におけるHis-Arg変異もまた用いられ得る。例えば、配列番号29:
Figure 2015536929
は成熟変異体Hla−H35L配列であり、有用なHla抗原は配列番号29を含む。他の有用な変異体は、参考文献1に開示されている。
本発明により用いられるHla変異体は、(ヒトに投与されたとき)配列番号28を認識する抗体を誘発し得、及び/又は(a)配列番号28に対し50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)を有する、及び/又は(b)、配列番号28の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメントを含み、「n」が7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、又は250以上)である、アミノ酸配列を含み得る。これらのHla抗原は、配列番号28の変異体を含む。(b)の好適なフラグメントは、配列番号28由来のエピトープを含む。他の好適なフラグメントは、配列番号28のC末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸、及び/又はN末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸を欠く一方で、配列番号28の少なくとも一つのエピトープを維持している。配列番号28の最初の26のN末端アミノ酸は、通常除かれ得る。例えば、50アミノ酸(配列番号28の残基27〜76)のみを残す(参考文献53)、C末端でのトランケーションもまた用いられ得る。さらなる有用なHla抗原は、参考文献54及び55に開示されている。
一つの有用なHla配列は、配列番号30:
Figure 2015536929
である。
これは、N末端Met、その後発現ベクターに由来するAla-Serジペプチド、その後配列番号29を有する。
「Sta006」抗原は、「フェリクローム結合タンパク質」として注釈を付けられ、「FhuD2」としても言及されている(参考文献56)。NCTC 8325株において、Sta006はアミノ酸配列 配列番号31(GI:88196199):
Figure 2015536929
を有する。
本発明により用いられるSta006は、(ヒトに投与されたとき)配列番号31を認識する抗体を誘発し得、及び/又は(a)配列番号31に対し50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)を有する、及び/又は(b)配列番号31の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメントを含み、「n」が7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、又は250以上)である、アミノ酸配列を含み得る。これらのSta006ポリペプチドは、配列番号31の変異体を含む。(b)の好適なフラグメントは、配列番号31由来のエピトープを含む。他の好適なフラグメントは、配列番号31のC末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸、及び/又はN末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸を欠く一方で、配列番号31の少なくとも一つのエピトープを維持している。配列番号31の最初の17のN末端アミノ酸は、通常除かれ得る。Sta006の変異形態は、参考文献57において報告されている。一つの有用なSta006配列は、N末端にMet-Ala-Ser-配列を有し、配列番号31のN末端を除いた、配列番号32:
Figure 2015536929
である。
配列番号33は、他のかかる配列であるが、配列番号32に存在するシステインを欠く:
Figure 2015536929
「Sta011」抗原は、NCTC 8325において、アミノ酸配列 配列番号34(GI:88193872):
Figure 2015536929
を有する。
本発明により用いられるSta011抗原は、(ヒトに投与されたとき)配列番号34を認識する抗体を誘発し得、及び/又は(a)配列番号34に対し50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)を有する、及び/又は(b)配列番号34の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメントを含み、「n」が7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、又は250以上)である、アミノ酸配列を含み得る。これらのSta011ポリペプチドは、配列番号34の変異体を含む。(b)の好適なフラグメントは、配列番号34由来のエピトープを含む。他の好適なフラグメントは、配列番号34のC末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸、及び/又はN末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸を欠く一方で、配列番号34の少なくとも一つのエピトープを維持している。配列番号34の最初の23のN末端アミノ酸は、通常除かれ得る。一つの有用なSta011配列は、N末端メチオニンを有し、配列番号34のN末端を除いた、配列番号35:
Figure 2015536929
である。
配列番号36は、他のかかる配列であるが、配列番号35に存在するシステインを欠く:
Figure 2015536929
Sta011は、モノマー、又はオリゴマー化を支持するCa++イオンと共にオリゴマーとして存在し得る。本発明は、Sta011のモノマー及び/又はオリゴマーを用い得る。
NCTC 8325株において「EsxA」抗原は、アミノ酸配列 配列番号37(GI:88194063):
Figure 2015536929
を有する。
本発明により用いられるEsxA抗原は、(ヒトに投与されたとき)配列番号37を認識する抗体を誘発し得、及び/又は(a)配列番号37に対し50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)を有する、及び/又は(b)配列番号37の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメントを含み、「n」が7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、又は90以上)である、アミノ酸配列を含み得る。これらのEsxAポリペプチドは、配列番号37の変異体を含む。(b)の好適なフラグメントは、配列番号37由来のエピトープを含む。他の好適なフラグメントは、配列番号37のC末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸、及び/又はN末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸を欠く一方で、配列番号37の少なくとも一つのエピトープを維持している。
NCTC 8325株において、「EsxB」抗原は、アミノ酸配列 配列番号38(GI:88194070):
Figure 2015536929
を有する。
本発明により用いられるEsxB抗原は、(ヒトに投与されたとき)配列番号38を認識する抗体を誘発し得、及び/又は(a)配列番号38に対し50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)を有する、及び/又は(b)配列番号38の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメントを含み、「n」が7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、又は100以上)である、アミノ酸配列を含み得る。これらのEsxBポリペプチドは、配列番号38の変異体を含む。(b)の好適なフラグメントは、配列番号38由来のエピトープを含む。他の好適なフラグメントは、配列番号38のC末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸、及び/又はN末端から一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、又は25以上)のアミノ酸を欠く一方で、配列番号38の少なくとも一つのエピトープを維持している。
組成物がEsxA及びEsxB抗原の両方を含む場合、これらは単一のポリペプチドとして(すなわち、融合ポリペプチドとして)存在し得る。したがって、単一のポリペプチドは、(ヒトに投与されたとき)配列番号37及び配列番号38の両方を認識する抗体を誘発し得る。該単一のポリペプチドは、(i)配列番号37に対し50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)を有し、及び/又はEsxAについて上で定義した配列番号37の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメントを含む、第一のポリペプチド配列、並びに(ii)配列番号38に対し50%以上の同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)を有し、及び/又はEsxBについて上で定義した配列番号38の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメントを含む、第二のポリペプチド配列を含み得る。第一及び第二のポリペプチド配列は、NからC末端のいずれの順序でもあり得る。配列番号39(「EsxAB」)は、ヘキサペプチドリンカーASGGGS(配列番号40)を有する、かかるポリペプチドの例である:
Figure 2015536929
他の「EsxAB」ハイブリッドは、配列番号41:
Figure 2015536929
を含み、これはさらにN末端メチオニンを含んで提供され得る(配列番号42):
Figure 2015536929
EsxABの有用な変異体は、EsxBの内部のシステイン残基を欠く、例えば配列番号43:
Figure 2015536929
したがって、有用なポリペプチドは、(a)配列番号41に対し80%以上(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)の同一性を有し、及び/又は、配列番号41のアミノ酸1〜96の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメント、及び配列番号41のアミノ酸103〜205の少なくとも「n」の連続するアミノ酸のフラグメントの両方を含み、「n」が7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、又は250以上)である、アミノ酸配列を含む。これらのポリペプチド(例えば配列番号42)は、(ヒトに投与されたとき)配列番号37を含む野生型ブドウ球菌タンパク質、及び配列番号38を含む野生型ブドウ球菌タンパク質の両方を認識する抗体を誘発し得る。したがって、免疫応答は、抗原EsxA及びEsxBの両方を認識するだろう。(b)の好適なフラグメントは、配列番号37由来のエピトープ、及び配列番号38由来のエピトープを提供する。
配列番号30、32、35、及び42は組み合わせにおいて有用なアミノ酸配列であるが、本発明はこれらの正確な配列に限定されない。したがって、これら4つの配列の1、2、3、又はすべてが、独立に、5までの単一アミノ変化(すなわち、1、2、3、4、又は5の単一アミノ酸置換、欠失及び/又は挿入)によって改変され得、ただし、改変された配列は、未改変配列からなるポリペプチドに依然として結合する抗体を誘発し得る。例えば、配列番号33、36、及び43は、配列番号32、35、及び42のかかる変異体である。
好適な実施形態では、本発明は、(a)CnaBE3ドメインを含む本発明のポリペプチド;(b)配列番号30を含む変異体ヘモライシン;(c)配列番号32を含むsta006抗原;(d)配列番号35を含むsta011抗原;及び(d)配列番号42を含むEsxAB抗原を含む免疫原組成物を提供する。
他の好適な実施形態では、本発明は、(a)CnaBE3ドメインを含む本発明のポリペプチド;(b)配列番号30を含む変異体ヘモライシン;(c)配列番号33を含むsta006抗原;(d)配列番号36を含むsta011抗原;及び(d)配列番号43を含むEsxAB抗原を含む免疫原組成物を提供する。
非ブドウ球菌抗原との組合せ
本発明の抗原群において特定した各抗原は、非ブドウ球菌抗原と組み合わせて、及び特に院内感染に関連する細菌由来の抗原と共に用いられ得る。したがって、本発明は、
(1)本発明のポリペプチド;及び
(2)クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile);緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa);カンジダ・アルビカンス(Candida albicans);及び腸外病原性大腸菌(Escherichia coli)からなる群より選択される一以上の抗原、
の組合せを含む免疫原組成物を提供する。
本発明のブドウ球菌抗原と組合せて用いるためのさらなる好適な抗原は、参考文献58の33〜46頁に列挙されている。
本発明により用いられるポリペプチド
本発明により用いられるポリペプチドは、様々な形態(天然、融合、グリコシル化、非グリコシル化、脂質付加、非脂質付加、リン酸化、非リン酸化、ミリストイル化、非ミリストイル化、単量体、多量体、粒子、変性等)をとり得る。
本発明により用いられるポリペプチドは、様々な手段(例えば、組換え発現、細胞培養液からの精製、化学合成等)によって調製され得る。組換え発現されたタンパク質が好適である。
本発明により用いられるポリペプチドは、好適には精製された、又は実質的に精製された形態で提供され、すなわち実質的に他のポリペプチドを含まず(例えば、天然のポリペプチドを含まず)、特に他のブドウ球菌又は宿主細胞ポリペプチドを含まず、一般に(重量で)少なくとも約50%純粋であり、通常少なくとも約90%純粋であり、すなわち、組成物の約50%未満、及びより好適には約10%(例えば5%)未満が、他の発現されるポリペプチドで構成される。したがって、組成物中の抗原は、分子が発現される生物全体から分離される。
本発明により用いられるポリペプチドは、好適にはブドウ球菌ポリペプチドである。
用語「ポリペプチド」は、任意の長さのアミノ酸ポリマーを指す。ポリマーは直鎖又は分岐鎖であり得、それは修飾アミノ酸を含み得、それは非アミノ酸によって中断され得る。該用語は、天然で又は処置;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、又は、ラベル化成分とのコンジュゲーション等の任意の他の操作又は改変によって改変されたアミノ酸ポリマーもまた包含する。例えば、一以上の(例えば、非天然アミノ酸等をはじめとする)アミノ酸アナログ、及び本分野で知られる他の修飾を含むポリペプチドもまた、含まれる。ポリペプチドは、単一の鎖又は結合した鎖として生じ得る。
本発明は、配列-P-Q又は-Q-P-(配列中、-P-は上で定義したアミノ酸配列であり、-Q-は上で定義した配列ではない)を含むポリペプチドを提供する、すなわち本発明は、融合タンパク質を提供する。-P-のN末端コドンがATGでないが、このコドンがポリペプチドのN末端に存在しない場合、それはMetとしてではなく、そのコドンの標準アミノ酸として翻訳されるだろう。しかしながら、このコドンがポリペプチドのN末端に存在する場合、それはMetとして翻訳されるだろう。-Q-部分の例として、限定するものではないが、ヒスチジンタグ(すなわち、nが3、4、5、6、7、8、9、又は10以上であるHisn(配列番号45))、マルトース結合タンパク質、又はグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)が挙げられる。
本発明は、本発明の核酸により形質転換した宿主細胞を、ポリペプチド発現を誘導する条件下で培養する工程を含む、本発明のポリペプチドを生産するための方法もまた提供する。
本発明のポリペプチドの発現は、ブドウ球菌で生じ得るが、本発明は、通常、発現のために異種の宿主を用いるだろう(組換え発現)。異種の宿主は、原核生物(例えば細菌)又は真核生物であり得る。それは大腸菌であり得るが、他の好適な宿主として、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、ナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、マイコバクテリア(Mycobacteria)(例えば、結核菌(M.tuberculosis))、酵母等が挙げられる。本発明のポリペプチドをコードする野生型のS.aureus遺伝子と比較して、コードされるアミノ酸に影響を与えずに、かかる宿主において発現効率を最適化するためにコドンを変化させることが有益である。
本発明は、化学的手段によってポリペプチドの少なくとも一部を合成する工程を含む、本発明のポリペプチドを生産するための方法を提供する。
核酸
本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸もまた提供する。それは、本発明の一以上のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸もまた提供する。
本発明の核酸は、好適には精製された又は実質的に精製された形態で提供され、すなわち実質的に他の核酸を含まず(例えば、天然の核酸を含まず)、特に他のブドウ球菌又は宿主細胞核酸を含まず、一般に少なくとも(重量で)約50%純粋、及び通常少なくとも約90%純粋である。本発明の核酸は、好適にはブドウ球菌核酸である。
本発明の核酸は、例えば全部又は一部の化学合成(例えば、DNAのホスホロアミダイト合成)によって、ヌクレアーゼ(例えば、制限酵素)を用いるより長い核酸の消化によって、(例えば、リガーゼ又はポリメラーゼを用いる)より短い核酸又はヌクレオチドの連結によって、ゲノム又はcDNAライブラリーから、等、多くの方法によって調製され得る。
用語「核酸」は、一般的な意味において、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及び/又はそれらのアナログを含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を含む。それはDNA、RNA、DNA/RNAハイブリッドを含む。それは、例えば修飾骨格(例えば、ペプチド核酸(PNA)又はホスホロチオエート)又は修飾塩基を含むもの等のDNA又はRNAアナログもまた含む。したがって、本発明は、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、DNA、cDNA、組換え核酸、分岐鎖核酸、プラスミド、ベクター、プローブ、プライマー等を含む。本発明の核酸がRNAの形態をとる場合、それは5’キャップを有しても有さなくてもよい。
本発明の核酸は、ベクターの一部、すなわち、一以上の細胞タイプの形質導入/トランスフェクションのために設計される核酸構築物の一部であり得る。ベクターは、例えば、挿入されたヌクレオチドの単離、伝播、及び複製のために設計される「クローニングベクター」、宿主細胞におけるヌクレオチド配列の発現のために設計される「発現ベクター」、組換えウイルス又はウイルス様粒子の産生をもたらすために設計される「ウイルスベクター」、又は一つのタイプのベクターよりも多い性質を含む「シャトルベクター」であり得る。好適なベクターはプラスミドである。「宿主細胞」は、外来性の核酸のレシピエントであり得る又はレシピエントとなった個々の細胞又は細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一宿主細胞の子孫を含み、該子孫は、自然、偶発性、又は計画的な変異及び/又は変化により、元の親細胞と(形態において、又は全DNA量において)必ずしも同一でなくてもよい。宿主細胞は、in vivoで又はin vitroで本発明の核酸によりトランスフェクトした又は感染させた細胞を含む。
本発明の核酸は、例えば、ポリペプチドを生産するために、生物学的サンプルにおける核酸の検出のためのハイブリダイゼーションプローブとして、核酸のさらなるコピーを生成するために;リボザイム又はアンチセンスオリゴヌクレオチドを生成するために、単鎖DNAプライマー又はプローブとして、又は三本鎖形成オリゴヌクレオチドとして、用いられ得る。
本発明は、核酸が部分的に又は全体において、化学的手段を用いて合成される、本発明の核酸を生産するための方法を提供する。
本発明は、本発明のヌクレオチド配列を含むベクター(例えば、クローニング又は発現ベクター)、及びかかるベクターにより形質転換された宿主細胞を提供する。
本発明に従う核酸増幅は、定量的及び/又はリアルタイムであり得る。
株及び変異体
MRSA株N315及びMu50(参考文献59)、MW2、N315、COL、MRSA252、MSSA476、RF122、USA300(強い病原性)、JH1及びJH9をはじめとする、S.aureusの幾つかの株のゲノム配列が利用可能である。標準的なサーチ及びアライメント技術が、任意のこれらの(又は他の)更なるゲノム配列において、Newman株に由来するSdrE(配列番号1)のホモログを同定するために用いられ得る。さらに、Newman株に由来する利用可能な配列は、他の株由来のホモログ配列の増幅のためのプライマーを設計するために用いられ得る。したがって、本発明はこの株に限定されず、むしろ他のS.aureus株、及び非天然変異体由来のかかる変異体及びホモログを包含する。一般に、配列番号1の好適な変異体は、その対立遺伝子変異体、その多形形態、そのホモログ、そのオルソログ、そのパラログ、その変異体等を含む。
したがって、例えば、本発明により用いられるポリペプチドは、本明細書の配列番号と比較して、一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9等)のアミノ酸置換、例えば保存的置換(すなわち、一つのアミノ酸の、関連する側鎖を有する他への置換)を含み得る。遺伝的にコードされるアミノ酸は、一般に四つのファミリー:(1)酸性、すなわちアスパラギン酸、グルタミン酸:(2)塩基性、すなわちリシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)無極性、すなわちアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)非電荷無極性、すなわちグリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシンに分けられる。フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンは時に、一緒に芳香族アミノ酸として分類される。一般に、単一アミノ酸のこれらのファミリー内での置換は、生物学的活性に大きな影響を与えない。ポリペプチドは、配列番号の配列と比べて一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9等)の単一アミノ酸の欠失もまた含み得る。ポリペプチドは、配列番号の配列と比べて一以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9等)の挿入(例えば、1、2、3、4又は5アミノ酸のそれぞれ)もまた含み得る。
同様に、本発明により用いられるポリペプチドは:
・配列表に開示される配列と同一(すなわち100%同一)である;
・配列表に開示される配列と配列同一性(例えば、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上)を有する;
・(a)又は(b)の配列と比較して、別々の位置において存在し得るか又は連続し得る、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10(又はそれ以上)の単一アミノ酸変化(欠失、挿入、置換)を有する;及び
・ペアワイズアライメントアルゴリズムを用いて、(アライメントについて、pアミノ酸まで伸長し、ここでp>xであり、p−x+1のかかるウインドウが存在するように)N末端からC末端までxアミノ酸のウインドウをそれぞれ動かしながら、配列表の特定の配列とアライメントした場合、少なくともx・yの同一アライメントアミノ酸を有し、ここで、xは20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200から選択され;yは0.50、0.60、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99から選択され;x・yが整数でない場合には、それを最も近い整数まで切り上げる。好適なペアワイズアライメントアルゴリズムは、デフォルトパラメーター(例えば、EBLOSUM62スコアリングマトリックスを用いて、ギャップオープニングペナルティ=10.0、及びギャップ伸長ペナルティ=0.5)を用いるNeedleman-Wunschグローバルアライメントアルゴリズム(参考文献60)である。このアルゴリズムは、EMBOSSパッケージにおいて、needleツールに好都合に実装されている(参考文献61);
アミノ酸配列を含み得る。
群(c)において、欠失又は置換はN末端及び/又はC末端に、又は二つの末端の間に存在し得る。したがって、トランケーションは欠失の例である。トランケーションは、N末端及び/又はC末端の40(又はそれ以上)までのアミノ酸の欠失を含み得る。N末端トランケーションは、例えば、異種宿主における組換え発現を促すために、リーダーペプチドを除去し得る。C末端トランケーションは、例えば、異種宿主における組換え発現を促すために、アンカー配列を除去し得る。
一般に、抗原が、配列表の完全なS.aureus配列と同一でない配列を含む場合(例えば、抗原がそれに対し<100%の配列同一性を有する配列表を含む場合、又は抗原がそのフラグメントを含む場合)、それぞれの個々の場合において、抗原が各完全なS.aureus配列を認識する抗体を誘発し得ることが好適である。
免疫原組成物及び薬剤
本発明のポリペプチドは、免疫原組成物における成分として有用である。本発明の免疫原組成物は、ワクチンとして有用である。本発明に従うワクチンは、予防的(すなわち、感染を防ぐ)又は治療的(すなわち、感染を治療する)のいずれかであり得るが、典型的には予防的であろう。
したがって、組成物は薬学的に許容し得る。それらは通常、抗原に加えて成分を含むだろう、例えばそれらは典型的に一以上の医薬担体及び/又は賦形剤を含む。かかる成分の完全な議論は、参考文献62において利用可能である。
組成物は、特に投与の時点において一般に水性形態であろうが、それらは非水性液体形態又は乾燥形態において、例えば凍結乾燥物として提供され得る。幾つかのワクチンは水性形態で製造され、その後水性形態においても充填され、流通され、投与されるが、他のワクチンは製造中に凍結乾燥され、使用時に水性形態に再構成される。したがって、本発明の組成物は、凍結乾燥製剤等として、乾燥され得る。
組成物は、チオメルサール又は2-フェノキシエタノール等の保存料を含み得る。しかしながら、ワクチンは、水銀物質を実質的に含まない(すなわち、5μg/ml未満)、例えばチオメルサールを含むべきでないことが好適である。水銀を含まないワクチンは、さらに好適である。保存料を含まないワクチンは、特に好適である。
熱安定性を改善するために、組成物は温度保護材を含み得る。
浸透圧を調節するために、例えば浸透圧を調節するためのナトリウム塩等の生理的塩を含むことが好適である。1〜20mg/ml、例えば約10±2mg/mlのNaCl、又は9mg/mlで存在し得る塩化ナトリウム(NaCl)が好適である。存在し得る他の塩として、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、無水リン酸二ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
組成物は、一般に200 mOsm/kg〜400 mOsm/kg、好ましくは240〜360 mOsm/kg、又は290〜310 mOsm/kgの重量モル浸透圧濃度を有するだろう。
組成物は、単純な水(例えば、w.f.i.)の中にポリペプチドを含み得るが、通常一以上のバッファーを含むだろう。典型的なバッファーとして、リン酸バッファー;トリスバッファー;ホウ酸バッファー;コハク酸バッファー;(特に水酸化アルミニウムアジュバントを有する)ヒスチジンバッファー;又はクエン酸バッファーが挙げられる。バッファーは、典型的に5〜20mMの範囲で含まれるだろう。
組成物のpHは、5.0〜8.1、及びより典型的には6.0〜8.0、例えば6.5〜7.5、又は7.0〜7.8であろう。
組成物は、好適には無菌である。組成物は、好適には非発熱性であり、例えば投与量あたり<1 EU(エンドトキシン単位、標準的手段)、及び好ましくは投与量当たり<0.1EUを含む。組成物は、好適にはグルテンを含まない。
組成物は、動物(及び、特にヒト)患者への投与に好適であるべきであり、したがって、ヒト及び獣医学的使用の両方を含む。それらは、患者に組成物を投与する工程を含む、患者において免疫応答を生じさせる方法において用いられ得る(以下参照)。組成物は、患者が病原体に暴露される前に、及び/又は患者が病原体に暴露された後に、投与され得る。
医薬組成物は、単位投与量形態で調製され得る。幾つかの実施形態では、単位投与量は、0.1〜1.0ml、例えば約0.5mlの容量を有し得る。
組成物は、一回免疫のための物質を含み得るか、又は複数回免疫のための物質を含み得る(すなわち、「複数投与」キット)。複数投与配置においては、保存料の包含が好適である。複数投与組成物に保存料を含ませることの代わりとして(又は加えて)、組成物は、物質の除去のための無菌的アダプターを有する容器に含まれ得る。
ヒトワクチンは、典型的に約0.5mlの投与容量で投与されるが、半分の投与量(すなわち、約0.25ml)が子供に投与され得る。
本発明は、本発明の免疫原組成物を含む、例えば単位投与量を含む送達デバイス(例えば、シリンジ、噴霧吸入器(nebuliser)、噴霧器(sprayer)、吸入器、経皮パッチ等)もまた提供する。このデバイスは、哺乳動物に組成物を投与するために用いられ得る。
本発明は、本発明の免疫原組成物を含む、例えば単位投与量を含む無菌容器(例えば、バイアル)もまた提供する。
本発明は、本発明の免疫原組成物の単位投与量もまた提供する。
本発明は、本発明の免疫原組成物を含む密封された容器もまた提供する。好適な容器として、例えばバイアルが挙げられる。
S.aureus感染は体の様々な領域に影響を与え得、したがって本発明の組成物は様々な形態で調製され得る。例えば、組成物は、溶液又は懸濁液のいずれかとして、注射剤として調製され得る。注射の前に、液体媒体中の溶液、又は懸濁液にするための好適な固体形態(例えば、凍結乾燥組成物又は噴霧凍結乾燥組成物)もまた、調製され得る。組成物は、局所投与のために調製され得る。組成物はまた、経口投与のために調製され得る。組成物はまた、例えばスプレーとして、経鼻投与のために調製され得る。組成物はまた、組み合わせた組成物が、患者への投与の直前に再構成されるように設計された、キット形態であり得る。かかるキットは、液体形態中の一以上の抗原、及び一以上の凍結乾燥抗原を含み得る。
組成物が、使用の前に即座に調製され(例えば、組成物が凍結乾燥形態において提示される場合)、キットとして提示される場合には、該キットは、二つのバイアルを含み得るか、又はそれは一つの充填準備シリンジ及び一つのバイアルを含み得、ここでシリンジの内容物は、注射の前にバイアルの内容物を再活性化するために用いられる。
ワクチンとして用いられる免疫原組成物は、免疫学的に有効な量の抗原だけでなく、必要に応じて任意の他の成分を含む。「免疫学的に有効な量」は、個体に対するその量の投与が、一回投与において又は連続の一部として、治療又は予防に有効であることを意味する。この量は、治療される個体の健康及び生理条件、年齢、治療される個体の分類学的な群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類等)、抗体を合成する個体の免疫系の能力、望ましい保護の程度、ワクチンの製剤化、医学的状況の治療医師の評価、及び他の関連因子に応じて異なる。この量は、日常的な試験を介して決定され得る、比較的広い範囲内に収まるであろうと予測される。一より多い抗原が組成物中に含まれる場合、二つの抗原は、互いに同じ量で、又は異なる量で存在し得る。
本発明の免疫原組成物は、典型的に一以上の免疫学的アジュバントを含むだろう。本発明の組成物において用いられ得るアジュバントとして、限定するものではないが、(i)水中油型エマルション、(ii)少なくとも一つのアルミニウム塩、又は(iii)少なくとも一つのTLRアゴニストが挙げられる。幾つかの実施形態では、組成物は、アルミニウム塩及びTLRアゴニストの混合物を含み、TLRアゴニストはアジュバント効果を改善するためにアルミニウム塩に吸着され得る(参考文献86)。これは、より良い(より強い、又はより早く達成される)免疫応答をもたらし得、及び/又は同等のアジュバント効果を維持しながら、組成物中のアルミニウムの量の減少させることを可能とし得る。
組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合、本発明のポリペプチドは該塩に吸着され得る。組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合、それは好適には水中油型エマルションアジュバントを含まない。反対に、組成物が水中油型エマルションアジュバントを含む場合、それは好適にはアルミニウム塩アジュバントを含まない。
水中油型エマルションアジュバント
免疫原組成物は、水中油型エマルションによりアジュバント化され得る。かかる様々なエマルションが知られ、例えば、MF59及びAS03は、両方ヨーロッパにおいて認可されている。
有用なエマルションアジュバントは、典型的に少なくとも一つの油及び少なくとも一つの界面活性剤を含み、該オイル及び界面活性剤は、生分解性(代謝可能)及び生体適合性である。エマルション中の油滴は、一般にサブミクロン直径を有し、これらの小さなサイズは、安定なエマルションを提供するために、マイクロフルダイザーにより、又は代替的な方法、例えば転相により、容易に達成され得る。濾過滅菌に供し得るため、(数により)少なくとも80%の液滴が220nm未満の直径を有するエマルションが好適である。
エマルションは、(魚等の)動物及び/又は植物供給源由来の油を含み得る。植物の供給源として、ナッツ、種子及び穀物が挙げられる。ピーナッツオイル、ダイズオイル、ココナッツオイル、及びオリーブオイル、最も一般に利用可能なナッツオイルが例示される。例えば、ホホバマメから得られるホホバ油が用いられ得る。種子油として、ベニバナ油、綿実油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油等が挙げられる。穀物群においては、コーン油が最も容易に利用可能であるが、小麦、オートムギ、ライムギ、コメ、テフ、及びライコムギ等の他の穀物の油もまた用いられ得る。グリセロール、及び種子油において自然には生じない1,2-プロパンジオールの6〜10炭素脂肪酸エステルが、ナッツ又は種子油を出発物質とする適切な物質の加水分解、分離及びエステル化によって調製され得る。哺乳動物の乳由来の脂肪及び油は代謝可能であり、したがって、本発明により用いられ得る。分離、精製、鹸化、及び動物供給源から純粋な油を得るために不可欠な他の手段は、本分野において周知である。
ほとんどの魚は、容易に回収され得る代謝可能な油を含む。例えば、タラ肝油、サメ肝油、及び鯨蝋等の鯨油が、本発明において用いられ得る魚油の幾つかを例示している。多くの分岐鎖油が、5-炭素イソプレン単位において生化学的に合成され、一般にテルペノイドと呼ばれる。サメ肝油は、スクアレン、2,6,10,15,19,23-ヘキサメチル-2,6,10,14,18,22-テトラコサヘキサエンとして知られ、本発明による使用のために特に好適である分岐鎖不飽和テルペノイドを含む(以下参照)。スクアレンの飽和アナログであるスクアランもまた、有用な油である。スクアレン及びスクアランを含む魚油は、商業的供給源から容易に利用可能であるか、又は本分野で知られる方法によって得られ得る。他の好適な油は、トコフェロール(以下参照)である。油の混合物もまた用いられ得る。
アジュバントエマルションにおける全油の好適な量(容量%)は、1〜20%、例えば2〜10%である。5容量%のスクアレン量が、特に有用である。
界面活性剤は、その「HLB」(親水性/親油性バランス)によって分類され得る。本発明の好適な界面活性剤は、少なくとも10、例えば約15のHLBを有する。本発明は、限定するものではないが、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般にTweenと呼ばれる)、特にポリソルベート20又はポリソルベート80;DOWFAXTM 商標として販売される、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、及び/又はブチレンオキシド(BO)のコポリマー、例えば直鎖EO/POブロックコポリマー;特に興味深いオクトキシノール-9(Triton X-100、又はt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)を含む、エトキシ(オキシ-1,2-エタンジイル)基の反復数において異なり得るオクトキシノール;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA-630/NP-40);ホスファチジルコリン(レシチン)等のリン脂質;TergitolTM NPシリーズ等のノニルフェノールエトキシレート;ラウリル、セチル、ステアリル、及びオレイルアルコール由来のポリオキシエチレン脂肪酸エーテル(Brij界面活性剤として知られる)、例えばトリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij 30);及びソルビタンエステル(一般にSpanとして知られる)、例えばソルビタントリオレエート(Span 85)又はソルビタンモノラウレートをはじめとする界面活性剤と共に用いられ得る。
本発明により用いられるエマルションは、好適には非イオン界面活性剤を含む。エマルションに含まれる好適な界面活性剤は、ポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;Tween 80)、Span 85(ソルビタントリオレエート)、レシチン又はTriton X-100である。界面活性剤の混合物、例えば、ポリソルベート80とソルビタントリオレエートの混合物が、用いられ得る。ポリソルベート80(Tween 80)等のポリオキシエチレンソルビタンエステルとt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Triton X-100)等のオクトキシノールの組合せもまた、有用である。他の有用な組み合わせは、ラウレス9とポリオキシエチレンソルビタンエステル及び/又はオクトキシノールを含む。界面活性剤の混合物が用いられる場合、混合物のHLBは、(容量による)それらの相対重み付けに従って計算され、例えば、ポリソルベート80とソルビタントリオレエートの好適な1:1容量混合物は、8.4のHLBを有する。
アジュバントエマルションにおける全界面活性剤の好適な量(容量%)は、0.1〜2%、例えば0.25〜2%である。1容量%の全量、例えば、0.5容量%のポリソルベート80及び0.5容量%のソルビタントリオレエートが、特に有用である。
有用なエマルションは、公知の技術を用いて調製され得る、例えば参考文献63〜646984を参照されたい。
本発明による有用な特定の水中油型エマルションアジュバントとして、限定するものではないが:
・スクアレン、ポリソルベート80、及びソルビタントリオレエートのサブミクロンエマルション。該エマルションの組成は、容量で約5%スクアレン、約0.5%ポリソルベート80、及び約0.5%ソルビタントリオレエートであり得る。重量の点では、これらの割合は、4.3%スクアレン、0.5%ポリソルベート80、及び0.48%ソルビタントリオレエートであり得る。このアジュバントは、参考文献83の第10章及び参考文献84の第12章においてより詳細に記載されている様に、「MF59」として知られる(参考文献70〜72)。MF59エマルションは、有利にはクエン酸イオン、例えば10mMクエン酸ナトリウムバッファーを含む。
・スクアレン、トコフェロール、及びポリソルベート80のエマルション。該エマルションは、リン酸緩衝生理食塩水を含み得る。これらのエマルションは、2〜10%スクアレン、2〜10%トコフェロール、及び0.3〜3%ポリソルベート80を含み得、スクアレン:トコフェロールの重量比は、これがより安定なエマルションを提供し得るため、好適には1(例えば0.90)である。スクアレン及びポリソルベート80は、約5:2の容量比、又は約11:5の重量比で存在し得る。したがって、三つの成分(スクアレン、トコフェロール、ポリソルベート80)は、1068:1186:485又は約55:61:25の重量比で存在し得る。このアジュバントは、「AS03」として知られる。このタイプの他の有用なエマルションは、ヒトの投与量あたり、0.5〜10mgのスクアレン、0.5〜11mgのトコフェロール、及び0.1〜4mgのポリソルベート80を(参考文献73)、例えば上記の比で含み得る。
・サポニン(例えば、QuilA又はQS21)及びステロール(例えば、コレステロール)が、らせんミセルとして会合するエマルション(参考文献74)。
・0.5〜50%の油、0.1〜10%のリン脂質、及び0.05〜5%の非イオン界面活性剤を有するエマルション。参考文献75に記載される様に、好適なリン脂質成分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリン及びカルジオリピンである。サブミクロンの液滴サイズが有利である。
・スクアレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)、及び疎水性非イオン界面活性剤(例えば、ソルビタンエステル又はマンニドエステル、例えばソルビタンモノオレエート又は「Span80」)を含むエマルション。該エマルションは好適には熱可逆性であり、及び/又は油滴の少なくとも90(容量)%が、200nm未満のサイズを有する(参考文献76)。該エマルションは、アルジトール;凍結保護剤(例えば、ドデシルマルトシド及び/又はスクロース等の糖);及び/又はアルキルポリグリコシドの一以上もまた含み得る。それは、TLR4アゴニスト、例えばその化学構造が糖環を含まないもの(参考文献77)、もまた含み得る。かかるエマルションは、凍結乾燥され得る。「AF03」製品は、かかるエマルションの一つである。
が挙げられる。
本発明により用いられる好適な水中油型エマルションは、スクアレン及びポリソルベート80を含む。
エマルションはワクチン製造の間に抗原と混合され得るか、又はそれらは送達時に即座に混合され得る。したがって、幾つかの実施形態では、アジュバントと抗原は、使用時の最終製剤化のための準備ができた、包装した又は流通したワクチンにおいて別々に保たれ得る。混合時(バルク製造中か、又は使用時)、抗原は、最終ワクチンが二つの液体の混合によって調製されるように、一般に水性形態になるだろう。混合のための二つの液体の容量比は異なり得るが(例えば、5:1〜1:5)、一般に約1:1である。エマルションと抗原が、キットにおいて別々に保管される場合、製品は、アジュバント化された液体ワクチン(単回投与又は複数投与)を与えるために混合される、エマルションを含むバイアル及び水性抗原を含むバイアルとして提示され得る。
本発明の好適なエマルションは、スクアレン油を含む。これは、通常サメ油から調製されるが、代替供給源が知られる、例えば参考文献78(酵母)及び79(オリーブ油)を参照されたい。参考文献80に開示される様に、スクアレン(TEQ)のグラム当たり661ピコグラム未満のPCBを含むスクアレンは、本発明による使用にとって好適である。エマルションは、好適には高純度のスクアレンから作られ、例えば、参考文献81に開示される様に、2回蒸留によって調製される。
組成物がトコフェロールを含む場合、α、β、γ、δ、ε又はζトコフェロールのいずれかが用いられ得るが、α-トコフェロールが好適である。トコフェロールは、様々な塩及び/又は異性体等の幾つかの形態をとり得る。塩として、有機酸塩、例えば、スクシネート、アセテート、ニコチネート等が挙げられる。D-α-トコフェロール及びDL-α-トコフェロールが両方用いられ得る。トコフェロールは、エマルションを安定化するのに役立ち得る抗酸化特性を有する(参考文献82)。好適なα-トコフェロールは、DL-α-トコフェロールであり、このトコフェロールの好適な塩は、スクシネートである。
アルミニウム塩アジュバント
本発明の組成物は、アルミニウム塩アジュバントを含み得る。現在使用されているアルミニウム塩アジュバントは、典型的に、「水酸化アルミニウム」又は「リン酸アルミニウム」のいずれかと呼ばれる。しかしながら、どちらも存在する実際の化学化合物の正確な記載ではないため、これらは便宜的な名前である(例えば、参考文献83の第9章、及び参考文献84の第10章を参照されたい)。本発明は、アジュバントして有用な「水酸化物」又は「リン酸」塩のいずれも用い得る。水酸化物イオンは、TLRアゴニストの吸着のためのリガンド交換を容易に起こし得るため、TLRアゴニストの吸着が望ましい場合には、水酸化物イオンを含むアルミニウム塩が好適である。したがって、TLRアゴニストの吸着に好適な塩は、水酸化アルミニウム及び/又はヒドロキシリン酸アルミニウムである。これらは、リンを含む官能基(例えば、リン酸、ホスホナート)と容易にリガンド交換を起こし、安定な吸着を提供し得る、表面のヒドロキシル部分を有する。したがって、水酸化アルミニウムアジュバントが最も好適である。
「水酸化アルミニウム」として知られるアジュバントは、典型的に、通常部分的に結晶性である、オキシ水酸化アルミニウム塩である。式AlO(OH)で表され得るオキシ水酸化アルミニウムは、水酸化アルミニウムAl(OH)3等の他のアルミニウム化合物から、赤外(IR)分光法、特に1070 cm-1の吸収帯及び3090〜3100cm-1の強い肩部の存在によって区別され得る(参考文献83の第9章)。水酸化アルミニウムアジュバントの結晶化度の程度は、半重量での回折バンドの幅(WHH)によって反映され、ほとんど結晶性でない粒子は、より小さな結晶サイズのために、広がるより大きなラインを示す。表面積は、WHHが増加するほど増加し、より高いWHH値を有するアジュバントは、抗原吸着においてより高い能力を有することが観察される。(例えば、透過型電子顕微鏡によって観察される)例えば、直径約2nmの針様粒子を有する繊維状形態は、水酸化アルミニウムアジュバントについて典型的である。水酸化アルミニウムアジュバントのPZCは、典型的に約11であり、すなわち、アジュバントはそれ自身、生理学的pHで正の表面電荷を有する。pH 7.4でのAl+++のmgあたりの1.8〜2.6mgタンパク質の吸着能力が、水酸化アルミニウムアジュバントについて報告されている。
「リン酸アルミニウム」として知られるアジュバントは、典型的に、しばしば少量の硫酸も含む、ヒドロキシリン酸アルミニウムである。それらは沈殿によって得られ得、反応条件及び沈殿中の濃縮が、塩におけるヒドロキシルのリン酸への置換の程度に影響する。ヒドロキシルリン酸は、一般に0.3〜0.99のPO4/Alモル比を有する。ヒドロキシルリン酸は、厳密なALPO4から、ヒドロキシル基の存在によって区別され得る。例えば、(200℃まで熱したときの)3164cm-1のIRスペクトルバンドは、ヒドロキシル構造の存在を示す(参考文献83の第9章)。
リン酸アルミニウムアジュバントのPO4/Al3+モル比は、一般に0.3〜1.2、好適には0.8〜1.2、及びより好適には0.95±0.1であろう。リン酸アルミニウムは、特にヒドロキシリン酸塩については、一般にアモルファスであろう。典型的なアジュバントは、0.84〜0.92のPO4/Al3+モル比を有し、Al3+/mlを0.6mgで含む、アモルファスヒドロキシリン酸アルミニウムである。リン酸アルミニウムは、一般に粒子であろう。粒子の典型的な直径は、任意の抗原吸着の後、0.5〜20μm(例えば、約5〜10μm)の範囲である。pH 7.4でのAl+++のmgあたりの0.7〜1.5mgタンパク質の吸着能力が、リン酸アルミニウムアジュバントについて報告されている。
リン酸アルミニウムのPZCは、ヒドロキシルのリン酸への置換の程度に逆相関しており、この置換の程度は、反応条件、及び沈殿によって塩を調製するために用いられる反応物質の濃度に応じて異なり得る。PZCは、溶液中の遊離のリン酸イオンの濃度を変更することによって(より多いリン酸=より酸性のPZC)、又はヒスチジンバッファー等のバッファーを加える(PZCをより塩基性にする)ことによっても変化する。本発明に従って用いられるリン酸アルミニウムは、一般に4.0〜7.0、より好適には5.0〜6.5、例えば約5.7のPZCを有するだろう。
溶液において、リン酸及び水酸化アルミニウムアジュバントの両方とも、直径1〜10μmの安定な多孔質の凝集物を形成する傾向がある(参考文献85)。
組成物は、水酸化アルミニウム及びリン酸アルミニウムの両方の混合物を含み得、成分はこれらの塩の一方又は両方に吸着し得る。
本発明の組成物を調製するために用いられるリン酸アルミニウム溶液は、バッファー(例えば、リン酸又はヒスチジン又はトリスバッファー)を含み得るが、これは常に必要なものではない。リン酸アルミニウム溶液は、好適には無菌であり、発熱物質を含まない。リン酸アルミニウム溶液は、例えば1.0〜20mM、好適には5〜15mM、及びより好適には約10mMの濃度で存在する、遊離の水性リン酸イオンを含み得る。リン酸アルミニウム溶液は、塩化ナトリウムもまた含み得る。塩化ナトリウムの濃度は、好適には0.1〜100 mg/ml(例えば、0.5〜50mg/ml、1〜20mg/ml、2〜10mg/ml)の範囲であり、より好適には、約3±1mg/mlである。NaClの存在は、抗原の吸着前のpHの正確な測定を容易にする。
本発明の組成物は、理想的には単位投与量当たり0.85mg未満のAl+++を含む。本発明の幾つかの実施形態では、組成物は単位投与量当たり0.5mg未満のAl+++を含む。Al+++の量は、これより低いもの、例えば、<250μg、<200μg、<150μg、<100μg、<75μg、<50μg、<25μg、<10μg等であり得る。
本発明の組成物がアルミニウムベースのアジュバントを含む場合、成分の沈降が、保管中に生じ得る。したがって、組成物は、患者への投与の前に振盪されるべきである。この浸透された組成物は、濁った白い懸濁液となるだろう。
TLRアゴニスト
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、TLRアゴニスト、即ちToll様受容体を刺激し得る化合物を含む。最も好適には、TLRアゴニストは、ヒトTLRのアゴニストである。TLRアゴニストは、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9又はTLR11のいずれかを活性化し得;好ましくは、TLRアゴニストはヒトTLR4又はヒトTLR7を活性化し得る。
好適な実施形態では、本発明の組成物は、ホスホナート基を含む(TLR7アゴニスト等の)TLRアゴニストを含む。このホスホナート基は、不溶性のアルミニウム塩へのアゴニストの吸着を可能し得る(参考文献86)。
治療方法、及びワクチンの投与
本発明は、有効量の本発明の免疫原組成物を投与する工程を含む、哺乳動物において免疫応答を生じさせるための方法もまた提供する。免疫応答は、好適には保護的であり、好適には抗体及び/又は細胞媒介免疫を含む。本方法は、追加応答を生じさせ得る。
本発明は、療法における使用のための、例えば、(上記の通りの)哺乳動物において免疫応答を生じさせるための方法における使用のための本発明の免疫原組成物もまた提供する。
本発明は、(上記の通りの)哺乳動物において免疫応答を生じさせるための薬剤の製造における本発明のポリペプチドの使用もまた提供する。
これらの使用及び方法によって哺乳動物において免疫応答を生じさせることによって、哺乳動物は、院内感染を含むS.aureus感染に対して保護され得る。より具体的には、哺乳動物は、皮膚感染、肺炎、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、毒素ショック症候群及び/又は敗血症に対して保護され得る。
本発明は、第一の成分及び第二の成分を含むキットであって、第一の成分も第二の成分も上記の本発明の組成物ではないが、第一の成分と第二の成分が組み合わされて上記の本発明の組成物を提供し得る上記キットもまた提供する。本キットは、以下:説明書、シリンジ又は他の送達デバイス、アジュバント、又は薬学的に許容可能な製剤化溶液、の一以上を含む第三の成分をさらに含み得る。
哺乳動物は好適にはヒトである。ワクチンが予防的用途のためのものである場合、ヒトは好適には子供(例えば、幼児又は小児)又は十代の若者であり;ワクチンが治療的用途のためのものである場合、ヒトは好適には十代の若者又は大人である。子供に対して意図されるワクチンはまた、例えば、安全性、投与量、免疫原性等を評価するために、大人にも投与され得る。本発明に従って免疫化され得る他の哺乳動物は、ウシ、イヌ、ウマ、およびブタである。
治療的処置の有効性を確かめる一つの方法は、本発明の組成物の投与後のS.aureus感染をモニタリングすることを含む。予防的処置の有効性を確かめる一つの方法は、組成物の投与後の本発明の組成物中の抗原に対する免疫応答を、全身的に(例えば、IgG1及びIgG2a産生のレベルのモニタリング)及び/又は粘膜的に(例えば、IgA産生のレベルのモニタリング)モニタリングすることを含む。典型的に、抗原特異的血清抗体応答は、免疫化後、チャレンジ前に決定されるのに対し、抗原特異的粘膜抗体応答は、免疫化後及びチャレンジ後に決定される。
本発明の組成物の免疫原性を評価する他の方法は、免疫ブロット及び/又はマイクロアレイによって患者血清又は粘膜分泌をスクリーニングするために、タンパク質を組み換えて発現させることである。タンパク質と患者サンプルの陽性反応は、患者が問題のタンパク質に対する免疫応答を起こしたことを示唆する。この方法は、抗原中の免疫優勢抗原及び/又はエピトープを同定するためにも用いられ得る。
ワクチン組成物の有効性はまた、ワクチン組成物を用いて、S.aureus感染のチャレンジング動物モデル、例えばモルモット又はマウスによってin vivoでも決定され得る。特に、S.aureus感染疾患の研究のために三つの有用な動物モデル、すなわち:(i)マウス膿瘍モデル(参考文献87)、(ii)マウス致死感染モデル(参考文献87)、及び(iii)マウス肺炎モデル(参考文献88)、が存在する。膿瘍モデルは、静脈内チャレンジ後のマウス腎臓における膿瘍を考慮に入れる。致死感染モデルは、静脈内又は腹腔内経路によってS.aureusを通常の致死投与量によって感染させた後に生存するマウスの数を考慮に入れる。肺炎モデルもまた、生存率を考慮に入れるが、経鼻感染を用いる。有用なワクチンは、これらのモデルの一以上において有効であり得る。例えば、いくつかの臨床状況において、血液伝播を妨げ、又はオプソニン化を促進する必要なしに、肺炎に対して保護することが望ましいものであり得るが、他の状況では、主に望ましいのは、血液伝播を防ぐことであり得る。様々な抗原、及び様々な抗原組成物が、有効なワクチンの様々な側面に貢献し得る。
本発明の組成物は、一般に直接患者に投与されるだろう。直接送達は、(例えば、皮下、皮内、腹腔内、静脈内、筋肉内、又は組織の間質空間への)非経口注射によって、又は粘膜的に、例えば、直腸、経口(例えば、錠剤、スプレー)、膣、局所、経皮、経鼻、眼、耳、肺、又は他の粘膜投与によって達成され得る。筋肉内注射が好適である。
本発明はまた、全身性及び/又は粘膜免疫を誘発するために、好適には高められた全身性及び/又は粘膜免疫を誘発するためにも用いられ得る。
好適には、高められた全身性及び/又は粘膜免疫は、高められたTH1及び/又はTH2免疫応答に反映される。好適には、高められた免疫応答は、IgG1及び/又はIgG2a及び/又はIgA産生の増加を含む。
投与量は、一回投与スケジュール又は複数回投与スケジュールによるものであり得る。複数回投与は、初回免疫スケジュール及び/又は追加免疫スケジュールにおいて用いられ得る。複数回投与スケジュールでは、同じ又は異なる経路、例えば非経口初回及び粘膜追加、粘膜初回及び非経口追加等による、様々な投与がなされ得る。複数回投与は、典型的には少なくとも1週間(例えば、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約16週間等)離して投与されるだろう。
本発明に従って調製されるワクチンは、子供及び大人の両方を治療するために用いられ得る。したがって、ヒト患者は、1歳未満、1〜5歳、5〜15歳、15〜55歳、又は少なくとも55歳であり得る。ワクチンを受ける好適な患者は、高齢者(例えば、≧50歳、≧60歳、及び好適には≧65歳)、若年者(例えば、≦5歳)、入院患者、医療従事者、軍隊及び軍人、妊婦、慢性疾患、又は免疫不全の患者である。しかしながら、ワクチンはこれらの群に好適なだけではなく、より一般的に集団において用いられ得る。
本発明により産生されるワクチンは、他のワクチンと実質的に同時(例えば、同じ医療相談又は医療専門家若しくはワクチンセンターへの訪問の間)に、例えば、インフルエンザワクチン、麻疹ワクチン、おたふく風邪(mumps)ワクチン、風疹ワクチン、MMRワクチン、水痘ワクチン、MMRVワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、DTPワクチン、コンジュゲートb型インフルエンザ菌ワクチン、不活性化ポリオウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、(四価のA-C-W135-Yワクチン等の)髄膜炎菌コンジュゲートワクチン、呼吸器多核体ウイルスワクチン等と実質的に同時に、患者に投与され得る。共投与に好適なさらなる非ブドウ球菌ワクチンは、参考文献58の第33〜46頁に列挙される一以上の抗原を含み得る。
核酸免疫
上記免疫原組成物は、S.aureus由来のポリペプチド抗原を含む。しかしながら、全ての場合において、ポリペプチド抗原は、核酸免疫に基づく組成物、方法及び使用を与える、それらのポリペプチドをコードする核酸(典型的にDNA又はRNA)によって置換され得る。核酸免疫は、現在発展した分野である(例えば、参考文献89〜96等を参照されたい)。
免疫原をコードする核酸は、患者への送達後にin vivoで発現され、その後、発現された免疫原は免疫系を刺激する。活性成分は、典型的に(i)プロモーター;(ii)プロモーターに機能可能に連結された免疫原をコードする配列;及び任意に(iii)選択マーカーを含む核酸ベクターの形態をとるだろう。好適なベクターは、さらに(vi)複製起点;及び(v)(ii)の下流に機能的に連結された転写ターミネーターを含み得る。一般に、(i)及び(v)は真核生物であり、(iii)及び(vi)は原核生物であろう。
好適なプロモーターは、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来のウイルスプロモーターである。ベクターは、プロモーターに加えて、プロモーターと機能的に相互作用する転写調節配列(例えばエンハンサー)もまた含み得る。好適なベクターは、最初期CMVエンハンサー/プロモーターを含み、より好適なベクターは、CMVイントロンAもまた含む。プロモーターは、免疫原コード配列の発現がプロモーターに制御される様に、免疫原をコードする下流配列に機能的に連結される。
マーカーが用いられる場合、マーカーは好適には微生物宿主において(例えば、原核生物において、細菌において、酵母において)機能する。マーカーは好適には原核生物選択マーカー(例えば、原核生物プロモーターの制御下で転写される)である。便宜上、典型的なマーカーは抗生物質耐性遺伝子である。
本発明のベクターは、好適には、プラスミド等の自律複製エピソームの又は染色体外ベクターである。
本発明のベクターは、好適には複製起点を含む。複製起点は、原核生物では活性であるが、真核生物では活性でないことが好適である。
したがって、好適なベクターは、ベクターの選択のための原核生物マーカー、原核生物複製起点を含むが、免疫原コード配列の転写の駆動のための真核生物プロモーターを含む。したがって、ベクターは、(a)ポリペプチドの発現なしに原核宿主において増幅及び選択されるが、(b)増幅なしに真核宿主において発現される。この配置が、核酸免疫ベクターにとって理想的である。
本発明のベクターは、コード配列の下流に真核生物転写ターミネーター配列を含み得る。これは、転写レベルを高め得る。コード配列がそれ独自のものを有さない場合、本発明のベクターは、好適にはポリアデニル化配列を含む。好適なポリアデニル化配列は、ウシ成長ホルモンに由来する。
本発明のベクターはマルチプルクローニングサイト(multiple cloning site)を含み得る。
免疫原及びマーカーをコードする配列に加えて、ベクターは第二の真核生物コード配列を含み得る。ベクターは免疫原と同じ転写物由来の、第二の真核生物ポリペプチドの翻訳を可能とするために、前記第二の配列の上流にIRESもまた含み得る。あるいは、免疫原コード配列は、IRESの下流に存在し得る。
本発明のベクターは、非メチル化CpCモチーフ、例えば、二つの5'プリン及び二つの3'ピリミジンによって挟まれる、グアノシンに先行するシステインを共通に有する非メチル化DNA配列を含み得る。その非メチル化形態において、これらのDNAモチーフは、幾つかの種類の免疫細胞の強力な刺激剤となることが示されている。
一般
用語「含む」は、「含む」だけでなく「からなる」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、排他的にXからなってもよいし、又は何か追加を含んでもよい、例えばX+Y。
単語「実質的に」は、「完全に」を排除せず、例えばYを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まないものであり得る。必要に応じて、単語「実質的に」は、本発明の定義から除かれ得る。
数値xに関する用語「約」は、任意および手段であり、例えばx±10%である。
特に記載しない限り、二つ以上の成分を混合する工程を含む方法は、いずれかの特定の混合順序を必要としない。したがって、組成物は任意の順序で混合され得る。三つの成分が存在する場合、二つの成分が互いに組み合わされ、その後組み合わせが第三の成分と組み合わされ得る、等である。
動物(及び特にウシ)材料が、細胞の培養において用いられる場合、それらは、伝達性海綿状脳症(TSE)を含まない、及び特にウシ海綿状脳症(BSE)を含まない供給源から得られるべきである。概して、動物由来の材料の全く存在しない状態で細胞を培養することが好適である。
化合物が、組成物の一部として生体に投与される場合、化合物は、代替的に好適なプロドラッグによって置換され得る。
一般に、本発明は、参考文献1又は2に開示された組成物を用いないだろう。さらに、幾つかの実施形態では、本発明は、野生型のSdrC又はSdrDタンパク質中に見られるCnaBドメインを利用しない。
図1は、Newman株のチャレンジ後の免疫化マウスの腎臓におけるlog10 CFU/mlを示す。データの三つの群は、左から右に向かって、アジュバント単独;アジュバント化SdrE;又はアジュバント化CnaBE3で免疫化した。各点は、単一のマウス由来のデータを示す。水平線は平均である。 図2は、NCTC8325株のチャレンジ後の免疫化マウスの腎臓におけるlog10 CFU/mlを示す。データの二つの群は、左から右に向かって、アジュバント単独;アジュバント化CnaBE3で免疫化した。 図3は、ポリクローナル抗CnaBE3血清を用いたウエスタンブロットを示す。ブロットの下の表は、試験した株、及びそれらの株におけるSdrC、SdrD及びSdrEの分子量を示す。 図4は、示した血清を用いた、オプソニン作用殺傷の%(Y軸は、-40%〜40%の範囲)を示す。 図5は、健常(左)又は感染(右)ドナー由来の血清のELISA力価(lnAU)を示す。
SdrEタンパク質研究
SdrE抗原のコード配列を、そのN末端にヒスチジンタグ(配列番号46)を有するタンパク質をコードするために、pET15b+ベクターにクローニングした。
SdrEがトリプシン消化に対して耐性を示すことが、見出された。タンパク質を、0.1%(wt/vol)のRapigest(WatersTM)を含む50mM炭酸水素アンモニウム、pH8において、1/25(wt/wt)の酵素/基質比を用いて、37℃で、配列決定グレードの改変トリプシン(PromegaTM)で一晩消化した。
ウエスタンブロット解析のために、細菌の細胞壁抽出物を、以前に記載の通りに得た(参考文献97)。S.aureusの対数期培養は、5mM CaCl2を補充したTSBで、OD600=0.6まで増殖させた。細胞をPBSで一度洗浄し、30%(w/v)ラフィノース及び40μl/ml EDTAフリープロテアーゼ阻害剤カクテルを補充した100μl溶解バッファー(50 mM Tris-HCl、20 mM MgCl2、pH 7.5)に再懸濁した。リソスタフィン(200μg/ml)を、細胞壁タンパク質を回収するために、37℃で10分間適用した。サンプルを、NuPAGE LDSサンプルバッファー及びNuPAGEサンプル還元剤と共に10分間煮沸し、3〜8%(w/v)NuPAGEトリスアセテートゲルにおいて分離した。電気泳動的に分離したタンパク質サンプルを、iBlotゲルトランスファー装置を用いて、ニトロセルロース膜に移した。膜をTPBS中10%(w/v)スキムミルクにおいて2時間(25℃、700rpm)ブロッキングした。TPBSにおける三回の洗浄後、TPBS中の(1% w/vスキムミルクにおいて、1:1,000希釈した)マウスポリクローナル抗rCnaBE3を添加し、膜を1時間、25℃、700rpmでインキュベートした。膜を三回TPBSで洗浄し、TPBS中の、1%(w/v)スキムミルクにおいて、1:5,000希釈したポリクローナルウサギ抗マウス免疫グロブリンHRPを添加した。25℃、700rpmで1時間後、膜を三回洗浄し、結合した抗体を、SuperSignal West Pico化学発光基質によるECLを介して可視化し、1分間発展させた。
野生型細菌において、SdrEタンパク質は、約125kDaのバンドとしてウエスタンブロットにおいて可視であり、それは細胞壁画分に位置している。一晩のトリプシン処置は、約36kDaの強いバンドをもたらし、より小さな重さのバンドもまた可視である。しかしながら、3日の消化後でさえ、36kDaバンド(及び様々な他のバンド)が安定のままである。
主なトリプシン耐性バンドのMS及びN末端分析は、CnaBE2のC末端部分まで短い距離伸びる幾つかの配列を有する、CnaBE3領域由来のペプチドを明らかにした。BE3ドメインは、BE2ドメインの15の上流アミノ酸を含む、126mer(配列番号27)として発現された。組換えタンパク質は、約15kDaで、SDS-PAGEにより可視である。トリプシン消化は、4時間後そのサイズをわずかに減少させるが、このバンドは消化の2日後でさえも安定なままである。
MS研究は、CnaBE3ペプチドの質量が、理論的質量と17 Da異なっていたことを明らかにした。この質量は、リシンとアスパラギン残基の間のイソペプチドの結合の形成の間に生じるアンモニウムの喪失に相当する。S.aureusタンパク質中の分子内イソペプチド結合は、これまで実験的に認められたことがなかった。
可能なイソペプチド結合形成を研究するために、CnaBE3ドメイン中の六つのAsn残基を変異させた(配列番号9〜14)。CnaA及びCnaBドメインを含む表面タンパク質が分子内イソペプチド結合を形成し得、該結合が、安定剤又は触媒として作用するGlu/Aspの存在下でLys-Asp又はLys-Asn残基間で形成されるという事実に基づき、野生型のCnaBE3における全てのアスパラギンをアラニンに置換した。野生型及び変異体CnaBE3ドメイン(配列番号9〜13、配列中「X」は「A」である。)は、トリプシン消化に耐性を示し、これは、CnaBE3領域における幾つかの安定化因子の存在を示した。五つの変異体のトリプシン耐性挙動は、これらの五つのアスパラギンのいずれもが、結合形成に関与していないことを示唆している。
免疫学的研究
全長SdrE(配列番号1)及びCnaBE3ドメイン(配列番号27)を、水酸化アルミニウムによりアジュバント化し、マウスを免疫するために用いた。免疫したマウスは、Newman株によりチャレンジし、その後腎臓膿瘍形成について評価した。
図1に示すように、SdrE又はCnaBE3のいずれかによる免疫は、腎臓における細菌CFU数の有意な減少をもたらした(ネガティブコントロールに対して:SdrEについてp=0.016、CnaBE3についてp=0.032)。SdrEとCnaBE3群間のCFU数の相違は、有意ではなかった。
SdrEは、S.aureus株によって普遍的には発現されていないため、CnaBE3で免疫したマウスを、SdrE陰性株(NCTC8325)に対する保護について試験した。驚くべきことに、マウスはまた保護されたため(図2を参照されたい;p=0.017)、CnaBE3は交差保護をもたらすことができる。この効果は、Newman株のこれら三つのSdrタンパク質における「R」領域(参考文献3の図1を参照されたい)に隣接して位置するCnaBドメイン(SdrCのBC2、SdrDのBD5及びSdrEのBE3)間の高い同一性によるものであり得る。例えば、抗CnaBE3ポリクローナル血清を、S.aureusの11の異なる株由来のタンパク質抽出物とインキュベートし、それによりSdrC、SdrD及びSdrEのそれぞれに相当するMWを有するタンパク質が認められた(図3を参照されたい)。予想通り、SdrDは、SdrD-ve株MRSA252において検出されず、SdrEはSdrE-ve株NCTC8325において検出されなかった。したがって、SdrC及びSdrDの交差反応性は、CnaBE3のSdrE-ve株に対する保護の能力を説明し得る。
患者血清の交差反応
血清を、16の血清健常新生児(12〜18月齢)、30の健常な大人(21〜75歳)、及び疾患の唯一の微生物学的病因として、S.aureus感染が証明された30の患者(0〜81歳)、から血清を得た。さらに、健常な大人の血清を、3H Biomedical ABから購入した。
これらの血清をELISAにおいて用いた。手短には、Nunc MaxiSorpTM平底96ウェルプレートを、PBS中2μg/mlのrCnaBE3タンパク質により、4℃で一晩コートした(ウェル当たり100μl)。プレートを、TPBS(PBS中0.05%(v/v)Tween 20、pH 7.4)で三回洗浄し、ウェル当たり200μlの、PBS中に3%(w/v)BSA(Sigma-Aldrich)を含むブロッキングバッファーにより、37℃で2時間ブロッキングした。血清は、ウェルに二連で加えた(ウェル当たり100μl)希釈バッファー(TPBS中1%(w/v)BSA)において1:100で最初に希釈し、連続的に二倍希釈した。37℃で2時間インキュベーション後、プレートをTPBSで三回洗浄し、その後、1:2,000で希釈した、ヤギ抗ヒトIgG(λ鎖特異的)アルカリホスファターゼコンジュゲートアフィニティー単離抗体(Sigma-Aldrich)を含む希釈バッファーを、ウェル当たり100μl加えた。37℃で1時間30分インキュベーション後、プレートをTPBSで三回洗浄し、ウェル当たり100μlの、3 mg/mlのp-ニトロフェニルホスフェートを含むDEAバッファー(1Mジエタノールアミン(v/v)、0.5mM MgCl2、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム、pH9.8)の溶液を適用した。反応を、100μlの4N NaOHの添加によって、20分後に停止させた。405nmでの光学濃度を、SoftMaxTM Pro Data Acquisition & Analysisソフトウェアを有する、SpectraMax 190吸光度マイクロプレートリーダーを用いて測定した。抗体力価を、ODを参照較正曲線に挿入することによって計算し、Log任意単位(lnAU)で表した。
図5に示すように、固定化CnaBE3ドメインへの血清の平均結合値は、健常患者由来の血清よりも、感染した患者において、有意に高かった(p<0.05)。これらのデータは、CnaBE3フラグメントに対する特異的な免疫応答が、S. aureus感染の間に実際に誘導されたことを示唆し、これはSdrE中のCnaBE3ドメインが天然の免疫原であることを示している。
オプソニン化貪食作用殺傷アッセイ
ヒト前骨髄球性の白血病細胞HL-60(ATCC CCL240)を、強化培地で維持し、0.8%N,N-ジメチルホルムアミドを用いて貪食細胞へと分化させた。熱不活性化(30分、56℃)の後、マウスCnaBE3及びSdrE抗血清を、(Ca2+/Mg2+を有する)HBSSバッファーにおいて1:50に前希釈した。TSBで一晩増殖させた細菌を、PBSで一回洗浄し、その後4℃で20分間血清とインキュベートした(75000 CFU/well)。分化したHL-60細胞をウェル当たり3.7 × 106で播種し(HL-60:細菌比、50:1)、ウサギ補体を終濃度10%で添加した。その後、プレートを600rpmの撹拌下で、1時間37℃でインキュベートし、サンプルをCFU数の決定のためにTSAプレートに播種した。血清は、1:50、1:500、又は1:5000希釈で試験した。
図4に示すように、補体が存在する場合には、HL-60細胞は、抗CnaBE3血清の存在下で約20%のNewman細胞を殺傷し、抗SdrE血清の存在下で約30%を殺傷したのに対し、免疫前の血清ではNewman細胞は全く殺傷されなかった。
本発明が、例によってのみ説明されたのであって、本発明の範囲及び精神の中にとどまる限り、改変がなされ得ることが理解されるだろう。
参考文献
Figure 2015536929
Figure 2015536929

Claims (18)

  1. SdrE CnaBE3ドメインを含むポリペプチドであって、(i)全長SdrEタンパク質、又は(ii)式「B」のアミノ酸配列を含まない、前記ポリペプチド。
  2. S.aureus SdrEタンパク質のフラグメントを含むポリペプチドであって、(a)該フラグメントがSdrEのCnaBE3ドメインを含み、(b)該ポリペプチドが全長SdrEタンパク質を含まず、かつ(c)該ポリペプチドが式「B」のアミノ酸配列を含まない、前記ポリペプチド。
  3. SdrEタンパク質が、配列番号3と≧90%の同一性を有する、請求項2に記載のポリペプチド。
  4. CnaBE3ドメインが、配列番号8と少なくとも95%の同一性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  5. 配列番号8又は配列番号27を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  6. ヒト又はマウスに投与されたときに、配列番号8中又は配列番号27中のエピトープを認識する抗体を誘発する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  7. <500アミノ酸を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  8. 変異体S.aureus SdrE CnaBE3 ドメインを含むポリペプチドであって、
    天然のS.aureus SdrE CnaBE3 ドメインがアスパラギン残基を有する一以上のアミノ酸位置において、該変異体が、(i)アミノ酸欠失、又は(ii)アミノ酸置換のいずれかを有し、
    及び/又は、
    天然のS.aureus SdrE CnaBE3 ドメインがアスパラギン酸残基を有する一以上のアミノ酸位置において、該変異体が、(i)アミノ酸欠失、又は(ii)アミノ酸置換のいずれかを有し、
    及び/又は、
    天然のS.aureus SdrE CnaBE3 ドメインがリシン残基を有する一以上のアミノ酸位置において、該変異体が、(i)アミノ酸欠失、又は(ii)アミノ酸置換のいずれかを有する、
    前記ポリペプチド。
  9. 配列番号9〜26のいずれかを含む、請求項8に記載のポリペプチド。
  10. S.aureus CnaBドメインを含むポリペプチドであって、CnaBドメインが、イソペプチド結合を含む、前記ポリペプチド。
  11. S.aureus CnaBドメインが、S.aureus SdrEに由来する、請求項10に記載のポリペプチド。
  12. S.aureus CnaBドメインが、CnaBE3ドメインである、請求項11に記載のポリペプチド。
  13. 少なくとも二つのCnaBドメインを含むポリペプチドであって、(a)少なくとも一つのCnaBドメインがSdrE CnaBE3ドメインであり、少なくとも一つのCnaBドメインがSdrE CnaBドメインではないか、又は(b)該ポリペプチドが、少なくとも二つのSdrE CnaBE3ドメインを含むかのいずれかである、前記ポリペプチド。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む、免疫原組成物。
  15. (a)S.aureusエキソポリサッカライド及びキャリアタンパク質のコンジュゲート、(b)S.aureus莢膜糖及びキャリアタンパク質のコンジュゲート、(c)SdrEポリペプチド以外のS.aureusポリペプチド、及び/又は(d)非ブドウ球菌抗原、の一以上をさらに含む、請求項14に記載の組成物。
  16. 免疫学的アジュバントを含む、請求項15に記載の組成物。
  17. 有効量の、請求項14、請求項15、又は請求項16に記載の免疫原組成物を投与するステップを含む、哺乳動物において免疫応答を生じさせる方法。
  18. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸。
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