JP2015225909A - ウエーハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエーハの加工面が梨地のように微細な起伏を有していてもチャックテーブルに保持されたウエーハの加工面の高さ位置を適正に検出してレーザー加工を施すことができるウエーハの加工方法を提供する。【解決手段】レーザー光線を照射する加工面が梨地のように微細な起伏を有しているウエーハの加工方法であって、ウエーハを加工面を上にしてチャックテーブルに保持するウエーハ保持工程と、チャックテーブルに保持されたウエーハの加工面に検査光を照射し、加工面で反射した反射光によって加工面の高さ位置を検出する高さ位置検出工程と、高さ位置検出工程によって検出された加工面の高さ位置に従ってレーザー光線を照射してレーザー加工を施すレーザー加工工程とを含み、高さ位置検出工程を実施する前に、ウエーハの加工面を平坦化する液状樹脂を被覆する平坦化工程を実施する。【選択図】図8
Description
本発明は、チャックテーブルに保持された半導体ウエーハ等のウエーハの高さ位置を正確に検出してウエーハの上面から所定の位置にレーザー加工を施すことができるウエーハの加工方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体デバイスを製造している。
上述した半導体ウエーハ等の分割予定ラインに沿って分割する方法として、ウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線を用い、分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光線を照射するレーザー加工方法が試みられている。このレーザー加工方法を用いた分割方法は、ウエーハの一方の面側から内部に集光点を合わせてウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射し、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を連続的に形成し、この改質層が形成されることによって強度が低下した分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、被加工物を分割するものである(例えば、特許文献1参照)。このように被加工物に形成された分割予定ラインに沿って内部に改質層を形成する場合、被加工物の上面から所定の深さ位置にレーザー光線の集光点を位置付けることが重要である。
また、半導体ウエーハ等を分割する方法として、ウエーハに対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を分割予定ラインに沿って照射することによりレーザー加工溝を形成し、このレーザー加工溝に沿ってメカニカルブレーキング装置によって割断する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このようにウエーハに形成された分割予定ラインに沿ってレーザー加工溝を形成する場合にも、被加工物の所定高さ位置にレーザー光線の集光点を位置付けることが重要である。
しかるに、半導体ウエーハ等の板状の被加工物にはウネリがあり、その厚さにバラツキがあるため、均一なレーザー加工を施すことが難しい。即ち、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する場合、ウエーハの厚さにバラツキがあるとレーザー光線を照射する際に屈折率の関係で所定の深さ位置に均一に改質層を形成することができない。また、ウエーハに形成された分割予定ラインに沿ってレーザー加工溝を形成する場合にもその厚さにバラツキがあると、均一な深さのレーザー加工溝を形成することができない。
上述した問題を解消するために、チャックテーブルに保持された半導体ウエーハ等のウエーハの上面高さを検出することができる高さ位置検出装置が例えば下記特許文献3、4、5に開示されている。これらの高さ位置検出装置は、チャックテーブルに保持されたウエーハの加工面である上面に検査光を照射し、ウエーハの上面で反射した反射光によってウエーハの上面の高さ位置を検出する。
而して、ウエーハの加工面が梨地のように微細な起伏を有していると、チャックテーブルに保持されたウエーハの加工面に照射された検査光が乱反射して加工面の高さを適正に検出することができないという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ウエーハの加工面が梨地のように微細な起伏を有していてもチャックテーブルに保持されたウエーハの加工面の高さ位置を適正に検出してレーザー加工を施すことができるウエーハの加工方法を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、レーザー光線を照射する加工面が梨地のように微細な起伏を有しているウエーハの加工方法であって、
ウエーハを加工面を上にしてチャックテーブルに保持するウエーハ保持工程と、
チャックテーブルに保持されたウエーハの加工面に検査光を照射し、加工面で反射した反射光によって加工面の高さ位置を検出する高さ位置検出工程と、
該高さ位置検出工程によって検出された加工面の高さ位置に従ってレーザー光線を照射してレーザー加工を施すレーザー加工工程と、を含み、
該高さ位置検出工程を実施する前に、ウエーハの加工面を平坦化する液状樹脂を被覆する平坦化工程を実施する、
ことを特徴とするウエーハの加工方法が実施される。
ウエーハを加工面を上にしてチャックテーブルに保持するウエーハ保持工程と、
チャックテーブルに保持されたウエーハの加工面に検査光を照射し、加工面で反射した反射光によって加工面の高さ位置を検出する高さ位置検出工程と、
該高さ位置検出工程によって検出された加工面の高さ位置に従ってレーザー光線を照射してレーザー加工を施すレーザー加工工程と、を含み、
該高さ位置検出工程を実施する前に、ウエーハの加工面を平坦化する液状樹脂を被覆する平坦化工程を実施する、
ことを特徴とするウエーハの加工方法が実施される。
上記平坦化工程において用いる液状樹脂は、水溶性樹脂であることが望ましい。
本発明によるウエーハの加工方法においては、チャックテーブルに保持されたウエーハの加工面に検査光を照射し、加工面で反射した反射光によって加工面の高さ位置を検出する高さ位置検出工程を実施す前に、ウエーハの加工面を平坦化する液状樹脂を被覆する平坦化工程を実施するので、ウエーハの加工面には樹脂被膜が形成され、加工面の微細な起伏が吸収され平坦化されているので、高さ位置検出工程においてウエーハの加工面に被覆された樹脂被膜に照射された検出光は乱反射することがないため、高さ位置を適正に検出することができる。従って、高さ位置検出工程において検出された高さ位置に従ってウエーハの加工面から所定の位置にレーザー加工を施すことができる。
以下、本発明によるウエーハの加工方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1の(a)および(b)には、被加工物であるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1の(a)および(b)に示す半導体ウエーハ10は、例えば厚みが200μmのシリコンウエーハからなっており、表面10aには格子状に形成された複数の分割予定ライン101によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス102が形成されている。このように形成された半導体ウエーハ10は、図1(b)に示すようにレーザー光線が照射される加工面である裏面10bが梨地のように微細な起伏を有する梨地面となっている。このように形成された半導体ウエーハ10は、図2に示すように環状のフレームFに装着されたポリオレフィン等の合成樹脂シートからなるダイシングテープTに表面10a側を貼着する(ウエーハ支持工程)。従って、半導体ウエーハ10は、加工面である裏面10bが上側となる。
上記ウエーハ支持工程を実施したならば、半導体ウエーハ10の加工面である梨地状の裏面10bを平坦化する液状樹脂を被覆する平坦化工程を実施する。この平坦化工程について図3を参照して説明する。
上記ウエーハ支持工程が実施された半導体ウエーハ10は、図3の(a)に示すように液状樹脂被覆装置11のスピンナーテーブル111上にダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ10をチャックテーブル111上にダイシングテープTを介して吸引保持する。なお、半導体ウエーハ10が貼着されたダイシングテープTが装着されている環状のフレームFは、スピンナーテーブル111に配設された図示しないクランプによって固定される。
上記ウエーハ支持工程が実施された半導体ウエーハ10は、図3の(a)に示すように液状樹脂被覆装置11のスピンナーテーブル111上にダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ10をチャックテーブル111上にダイシングテープTを介して吸引保持する。なお、半導体ウエーハ10が貼着されたダイシングテープTが装着されている環状のフレームFは、スピンナーテーブル111に配設された図示しないクランプによって固定される。
次に、液状樹脂供給ノズル112から半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bの中央領域に所定量の液状樹脂100を滴下する。なお、液状樹脂100は、ポリビニールアルコール(PVA)等の水溶性樹脂が望ましい。このようにして、半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bの中央領域へ所定量の液状樹脂100を滴下したならば、図3の(b)に示すようにスピンナーテーブル111を矢印で示す方向に例えば100rpmで5秒間程度回転する。この結果、半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bの中央領域に滴下された液状樹脂100は、遠心力の作用で外周に向けて流動し半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bの全面に拡散せしめられる。この結果、半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bには、図3の(b)および(c)に示すように樹脂被膜110が形成され、加工面である裏面10bの微細な起伏が吸収され平坦化されている。なお、半導体ウエーハ10の裏面10bの微細な起伏は1μm未満であることから、樹脂被膜110の厚みは1μmに設定されている。
上述したように平坦化工程を実施したならば、レーザー加工装置のチャックテーブルに保持された半導体ウエーハ10の加工面に検査光を照射し、加工面で反射した反射光によって加工面の高さ位置を検出する高さ位置検出工程および該高さ位置検出工程によって検出された加工面の高さ位置に従ってレーザー光線を照射してレーザー加工を施すレーザー加工工程を実施する。この高さ位置検出工程およびレーザー加工工程は、図4に示すレーザー加工装置1を用いて実施する。図4に示すレーザー加工装置1は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向であるX軸方向に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、静止基台2に上記矢印Xで示すX軸方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向であるY軸方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット支持機構4と、該レーザー光線照射ユニット支持機構4に矢印Zで示す集光点位置調整方向であるZ軸方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット5とを具備している。
上記チャックテーブル機構3は、静止基台2上にX軸方向に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上にX軸方向に移動可能に配設された第1の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上にY軸方向に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持されたカバーテーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備しており、吸着チャック361上に被加工物である例えば円盤状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。このように構成されたチャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。なお、チャックテーブル36には、後述する環状のフレームを固定するためのクランプ362が配設されている。
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面にY軸方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動させるためのX軸移動手段37を具備している。X軸移動手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第1の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿ってX軸方向に移動せしめられる。
図示のレーザー加工装置1は、上記チャックテーブル36のX軸方向位置を検出するためのX軸方向位置検出手段374を備えている。X軸方向位置検出手段374は、案内レール31に沿って配設されたリニアスケール374aと、第1の滑動ブロック32に配設され第1の滑動ブロック32とともにリニアスケール374aに沿って移動する読み取りヘッド374bとからなっている。このX軸方向位置検出手段374の読み取りヘッド374bは、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。そして後述する制御手段は、入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル36のX軸方向位置を検出する。
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、Y軸方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動させるための第1のY軸移動手段38を具備している。第1のY軸移動手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿ってY軸方向に移動せしめられる。
図示のレーザー加工装置1は、上記第2の滑動ブロック33のY軸方向位置を検出するためのY軸方向位置検出手段384を備えている。Y軸方向位置検出手段384は、案内レール322に沿って配設されたリニアスケール384aと、第2の滑動ブロック33に配設され第2の滑動ブロック33とともにリニアスケール384aに沿って移動する読み取りヘッド384bとからなっている。このY軸方向位置検出手段384の読み取りヘッド384bは、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。そして後述する制御手段は、入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル36のY軸方向位置を検出する。
上記レーザー光線照射ユニット支持機構4は、静止基台2上に矢印Yで示す割り出し送り方向(Y軸方向)に沿って平行に配設された一対の案内レール41、41と、該案内レール41、41上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された可動支持基台42を具備している。この可動支持基台42は、案内レール41、41上に移動可能に配設された移動支持部421と、該移動支持部421に取り付けられた装着部422とからなっている。装着部422は、一側面に矢印Zで示すZ軸方向(集光点位置調整方向)に延びる一対の案内レール423、423が平行に設けられている。図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット支持機構4は、可動支持基台42を一対の案内レール41、41に沿ってY軸方向に移動させるための第2のY軸移動手段43を具備している。第2のY軸移動手段43は、上記一対の案内レール41、41の間に平行に配設された雄ネジロッド431と、該雄ネジロッド431を回転駆動するためのパルスモータ432等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド431は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ432の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド431は、可動支持基台42を構成する移動支持部421の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ432によって雄ネジロッド431を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台42は案内レール41、41に沿ってY軸方向に移動せしめられる。
図示のレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51と、該ユニットホルダ51に取り付けられたレーザー光線照射手段52を具備している。このユニットホルダ51は、上記装着部422に設けられた一対の案内レール423、423に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を上記案内レール423、423に嵌合することにより、Z軸方向に移動可能に支持される。
図示のレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51を一対の案内レール423、423に沿ってZ軸方向に移動させるためのZ軸移動手段53を具備している。このZ軸移動手段53は、一対の案内レール423、423の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでおり、パルスモータ532によって図示しない雄ネジロッドを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ51およびレーザー光線照射手段52を案内レール423、423に沿ってZ軸方向に移動せしめる。なお、図示の実施形態においてはパルスモータ532を正転駆動することによりレーザー光線照射手段52を上方に移動し、パルスモータ532を逆転駆動することによりレーザー光線照射手段52を下方に移動するようになっている。
図示のレーザー光線照射ユニット5は、レーザー光線照射手段52のZ軸方向位置を検出するためのZ軸方向位置検出手段55を具備している。このZ軸方向位置検出手段55は、上記案内レール423、423と平行に配設されたリニアスケール551と、上記ユニットホルダ51に取り付けられユニットホルダ51とともにリニアスケール551に沿って移動する読み取りヘッド552とからなっている。このZ軸方向位置検出手段55の読み取りヘッド552は、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。
図示のレーザー光線照射手段52は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング521を含んでいる。このケーシング521内には図5に示すように加工用パルスレーザー光線発振手段61が配設されており、ケーシング521の先端には加工用パルスレーザー光線発振手段61が発振する加工用パルスレーザー光線を上記チャックテーブル36に保持される被加工物Wに照射せしめる集光器62が配設されている。なお、加工用パルスレーザー光線発振手段61は、波長が1064nmの加工用パルスレーザー光線LB1を発振する。
上記集光器62は、上記加工用パルスレーザー光線発振手段61から発振された加工用パルスレーザー光線LB1を図5において下方に向けて方向変換する方向変換ミラー621と、該方向変換ミラー621によって方向変換された加工用パルスレーザー光線LB1を集光する集光レンズ622とを具備しており、集光レンズ622は方向変換ミラー621によって方向変換された加工用パルスレーザー光線LB1を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射する。
図5を参照して説明を続けると、図示のレーザー加工装置1は、チャックテーブル36に保持された被加工物Wの高さ位置を検出するための高さ位置検出手段7を具備している。この高さ位置検出手段7は、検査光としての検査用レーザー光線を発振する検査用レーザー光線発振手段71と、上記加工用パルスレーザー光線発振手段61と集光器62との間の経路に配設され検査用レーザー光線発振手段71から発振された検査用レーザー光線を集光器62に向けて方向変換するとともに加工用パルスレーザー光線LB1を通過させるダイクロックミラー72と、検査用レーザー光線発振手段71とダイクロックミラー72との間に配設され検査用レーザー光線発振手段71から発振された検査用レーザー光線をダイクロックミラー72に向ける第1の経路73aに導くビームスプリッター73を具備している。
検査用レーザー光線発振手段71は、例えば波長が620nmの検査用レーザー光線LB2を発振する発振器を用いることができる。ダイクロックミラー72は、加工用パルスレーザー光線LB1は通過するが検査用レーザー光線発振手段71から発振された検査用レーザー光線LB2を集光器62に向けて反射せしめる。上記ビームスプリッター73は、検査用レーザー光線発振手段71から発振された検査用レーザー光線LB2を上記ダイクロックミラー72に向けた第1の経路73aに導くとともに、ダイクロックミラー72によって方向変換された後述する反射光を第2の経路73bに導く。
図示の高さ位置検出手段7は、第2の経路73bに配設されビームスプリッター73によって反射された反射光に基づいて高さ位置信号を生成し、生成した高さ位置信号を後述する制御手段に出力する高さ位置信号生成手段74を具備している。なお、高さ位置検出手段7の高さ位置信号生成手段74は、上記特許文献に開示されている技術を用いることができる。
図4に戻って説明を続けると、上記レーザー光線照射手段52を構成するケーシング521の先端部には、レーザー光線照射手段52によってレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段8が配設されている。この撮像手段8は、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を後述する制御手段に送る。
図示のレーザー加工装置1は、図6に示す制御手段9を具備している。制御手段9はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)91と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)92と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)93と、入力インターフェース94および出力インターフェース95とを備えている。制御手段9の入力インターフェース94には、上記X軸方向位置検出手段374、Y軸方向位置検出手段384、Z軸方向位置検出手段55、高さ位置検出手段7の高さ位置信号生成手段74、撮像手段8等からの検出信号が入力される。そして、制御手段9の出力インターフェース95からは、上記パルスモータ372、パルスモータ382、パルスモータ432、パルスモータ532、レーザー光線照射手段52、高さ位置検出手段7の検査用レーザー光線発振手段71等に制御信号を出力する。
図示のレーザー加工装置1は以上のように構成されており、以下レーザー加工装置1を用いて実施する高さ位置検出工程およびレーザー加工工程について説明する。
即ち、上述した平坦化工程が実施された半導体ウエーハ10のダイシングテープT側をチャックテーブル36上に載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、半導体ウエーハ10をチャックテーブル36上にダイシングテープTを介して吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル36上にダイシングテープTを介して保持された半導体ウエーハ10は、加工面である裏面10bに被覆された樹脂被膜110が上側となる。なお、半導体ウエーハ10が貼着されたダイシングテープTが装着されている環状のフレームFは、クランプ362によって固定される。このようにして、ウエーハ保持工程を実施したならば、X軸移動手段37を作動して半導体ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル36を撮像手段8の直下に位置付ける。
即ち、上述した平坦化工程が実施された半導体ウエーハ10のダイシングテープT側をチャックテーブル36上に載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、半導体ウエーハ10をチャックテーブル36上にダイシングテープTを介して吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル36上にダイシングテープTを介して保持された半導体ウエーハ10は、加工面である裏面10bに被覆された樹脂被膜110が上側となる。なお、半導体ウエーハ10が貼着されたダイシングテープTが装着されている環状のフレームFは、クランプ362によって固定される。このようにして、ウエーハ保持工程を実施したならば、X軸移動手段37を作動して半導体ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル36を撮像手段8の直下に位置付ける。
チャックテーブル36が撮像手段8の直下に位置付けられると、撮像手段8および制御手段9によって半導体ウエーハ10のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段8および制御手段9は、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されている分割予定ライン101がX軸方向と平行に位置付けられているか否かのアライメントを遂行する。また、半導体ウエーハ10に形成されている所定方向と直交する方向に形成されている分割予定ライン101に対しても、同様にアライメントが遂行される。このとき、半導体ウエーハ10の分割予定ライン101が形成されている表面10aは下側に位置しているが、撮像手段8が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、樹脂被膜110および裏面10bから透かして分割予定ライン101を撮像することができる。
上述したようにアライメントが行われると、チャックテーブル36上の半導体ウエーハ10は、図7の(a)に示す座標位置に位置付けられた状態となる。なお、図7の(b)はチャックテーブル36即ち半導体ウエーハ10を図7の(a)に示す状態から90度回転した状態を示している。
なお、図7の(a)および図7の(b)に示す座標位置に位置付けられた状態における半導体ウエーハ10に形成された各分割予定ライン101の送り開始位置座標値(A1,A2,A3・・・An)と送り終了位置座標値(B1,B2,B3・・・Bn)および送り開始位置座標値(C1,C2,C3・・・Cn)と送り終了位置座標値(D1,D2,D3・・・Dn)は、その設計値のデータが制御手段9のランダムアクセスメモリ(RAM)93に格納されている。
上述したようにチャックテーブル36上に保持されている半導体ウエーハ10に形成された分割予定ライン101を検出し、検出位置のアライメントが行われたならば、チャックテーブル36を移動して図7の(a)において最上位の分割予定ライン101を集光器62の直下に位置付ける。そして、更に図8示すように半導体ウエーハ10の分割予定ライン101の一端(図8において左端)である送り開始位置座標値(A1)(図7の(a)参照)を集光器62の直下に位置付ける。そして、高さ位置検出手段7を作動し検出光LB2を加工面である裏面10bに被覆された樹脂被膜110に照射するとともに、チャックテーブル36を図8において矢印X1で示す方向に所定の送り速度(例えば、200mm/秒)で移動し、X軸方向位置検出手段374からの検出信号に基づいて送り終了位置座標値(B1)まで移動する(高さ位置検出工程)。この結果、半導体ウエーハ10の図7の(a)において最上位の分割予定ライン101における高さ位置を検出することができる。そして、制御手段9は、最上位の分割予定ライン101のXY座標における高さ位置を上記ランダムアクセスメモリ(RAM)93に格納する。このようにして、半導体ウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン101に沿って高さ位置検出工程を実施し、各分割予定ライン101のXY座標における高さ位置を上記ランダムアクセスメモリ(RAM)93に格納する。この高さ位置検出工程を実施する際には、上述したように平坦化工程が実施され半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bには上記図3の(b)および(c)に示すように樹脂被膜110が形成され、加工面である裏面10bの微細な起伏が吸収され平坦化されているので、半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bに被覆された樹脂被膜110に照射された検出光LB2は乱反射することがないため、分割予定ライン101に沿った高さ位置を適正に検出することができる。
以上のようにして半導体ウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン101に沿って高さ位置検出工程を実施したならば、半導体ウエーハ10の内部に分割予定ライン101に沿って改質層を形成するレーザー加工工程を実施する。
レーザー加工工程を実施するには、先ずチャックテーブル36を移動して図7の(a)において最上位の分割予定ライン101をレーザー光線照射手段52の集光器62の直下に位置付ける。そして、更に図9の(a)で示すように分割予定ライン101の一端(図9の(a)において左端)である送り開始位置座標値(A1)(図7の(a)参照)を集光器62の直下に位置付ける。制御手段9は、Z軸移動手段53を作動して集光器62から照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bから所定の深さ位置に合わせる。次に、制御手段9は、レーザー光線照射手段52を作動し、集光器62からパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル36を矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる(レーザー加工工程)。そして、図9の(b)で示すように集光器62の照射位置が分割予定ライン101の他端(図9の(b)において右端)に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともに、チャックテーブル36の移動を停止する。このレーザー加工工程においては、制御手段9はランダムアクセスメモリ(RAM)93に格納されている分割予定ライン101のXY座標に対応した高さ位置に従って、Z軸移動手段53のパルスモータ532を制御し、図9の(b)で示すように集光器62を半導体ウエーハ10の分割予定ライン101における高さ位置に対応して上下方向に移動せしめる。この結果、半導体ウエーハ10の内部には、図9の(b)で示すように加工面である裏面10bから所定の深さ位置に裏面10b(上面)と平行に改質層120が形成される。
レーザー加工工程を実施するには、先ずチャックテーブル36を移動して図7の(a)において最上位の分割予定ライン101をレーザー光線照射手段52の集光器62の直下に位置付ける。そして、更に図9の(a)で示すように分割予定ライン101の一端(図9の(a)において左端)である送り開始位置座標値(A1)(図7の(a)参照)を集光器62の直下に位置付ける。制御手段9は、Z軸移動手段53を作動して集光器62から照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bから所定の深さ位置に合わせる。次に、制御手段9は、レーザー光線照射手段52を作動し、集光器62からパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル36を矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる(レーザー加工工程)。そして、図9の(b)で示すように集光器62の照射位置が分割予定ライン101の他端(図9の(b)において右端)に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともに、チャックテーブル36の移動を停止する。このレーザー加工工程においては、制御手段9はランダムアクセスメモリ(RAM)93に格納されている分割予定ライン101のXY座標に対応した高さ位置に従って、Z軸移動手段53のパルスモータ532を制御し、図9の(b)で示すように集光器62を半導体ウエーハ10の分割予定ライン101における高さ位置に対応して上下方向に移動せしめる。この結果、半導体ウエーハ10の内部には、図9の(b)で示すように加工面である裏面10bから所定の深さ位置に裏面10b(上面)と平行に改質層120が形成される。
なお、上記レーザー加工工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
レーザー :YVO4 パルスレーザー
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :200kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :300mm/秒
レーザー :YVO4 パルスレーザー
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :200kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :300mm/秒
以上のようにして、半導体ウエーハ10の所定方向に延在する全ての分割予定ライン101に沿って上記レーザー加工工程を実行したならば、チャックテーブル36を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直交する方向に延びる各分割予定ライン101に沿って上記レーザー加工工程を実行する。このようにして、半導体ウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン101に沿って上記レーザー加工工程を実行したならば、半導体ウエーハ10を保持しているチャックテーブル36は、最初に半導体ウエーハ10を吸引保持した位置に戻され、ここで半導体ウエーハ10の吸引保持を解除する。そして、半導体ウエーハ10は、図示しない搬送手段によって分割工程に搬送される。なお、レーザー加工工程が実施された半導体ウエーハ10の加工面である裏面10bに被覆されている樹脂被膜110はポリビニールアルコール(PVA)等の水溶性樹脂によって形成されているので、水で洗い流すことができ、加工面である裏面10bから容易に除去することができる。
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変形は可能である。例えば、上述した実施形態においては、加工用パルスレーザー光線として半導体ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射して半導体ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する例を示したが、加工用パルスレーザー光線として半導体ウエーハに対して吸収性を有する波長(例えば355nm)のパルスレーザー光線を照射して半導体ウエーハの加工面にアブレーション加工を施してもよい。
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:X軸移動手段
38:第1のY軸移動手段
43:第2のY軸移動手段
5:レーザー光線照射ユニット
52:レーザー光線照射手段
61:加工用パルスレーザー光線発振手段
62:集光器
7:高さ位置検出装置
71:検査用レーザー光線発振手段
72:ダイクロックミラー
73:ビームスプリッター
74:高さ位置信号生成手段
8:撮像手段
9:制御手段
10:半導体ウエーハ
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:X軸移動手段
38:第1のY軸移動手段
43:第2のY軸移動手段
5:レーザー光線照射ユニット
52:レーザー光線照射手段
61:加工用パルスレーザー光線発振手段
62:集光器
7:高さ位置検出装置
71:検査用レーザー光線発振手段
72:ダイクロックミラー
73:ビームスプリッター
74:高さ位置信号生成手段
8:撮像手段
9:制御手段
10:半導体ウエーハ
Claims (2)
- レーザー光線を照射する加工面が梨地のように微細な起伏を有しているウエーハの加工方法であって、
ウエーハを加工面を上にしてチャックテーブルに保持するウエーハ保持工程と、
チャックテーブルに保持されたウエーハの加工面に検査光を照射し、加工面で反射した反射光によって加工面の高さ位置を検出する高さ位置検出工程と、
該高さ位置検出工程によって検出された加工面の高さ位置に従ってレーザー光線を照射してレーザー加工を施すレーザー加工工程と、を含み、
該高さ位置検出工程を実施する前に、ウエーハの加工面を平坦化する液状樹脂を被覆する平坦化工程を実施する、
ことを特徴とするウエーハの加工方法。 - 該平坦化工程において用いる液状樹脂は、水溶性樹脂である、請求項1記載のウエーハの加工方法。
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- 2014-05-27 JP JP2014108756A patent/JP2015225909A/ja active Pending
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