JP2015224373A - ガスバリア性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主基材の一方の面に真空成膜法によりガスバリア層を形成するガスバリア層形成工程を含むガスバリア性フィルムの製造方法であって、
保護フィルム基材と粘着層とを有する保護フィルムが前記粘着層を介して前記主基材のガスバリア層を形成する面とは反対側の面に配置された状態で、前記ガスバリア層形成工程を行い、
前記ガスバリア層形成工程前の前記主基材と前記保護フィルムとの間の剥離力をA[N/25mm]とし、前記ガスバリア層形成工程後の前記主基材と前記保護フィルムとの間の剥離力をB[N/25mm]としたときに、A<B、0.03<A<0.25、および0.05<B<0.30を満足することを特徴とする、ガスバリア性フィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明に係るガスバリア性フィルムの製造方法は、主基材の一方の面に真空成膜法によりガスバリア層を形成するガスバリア層形成工程を含む。
本発明に係るガスバリア性フィルムの製造方法においては、ガスバリア層形成工程を、保護フィルムが主基材のガスバリア層を形成する面とは反対側の面に配置された状態で行う。このように、主基材の一方の面に保護フィルムが配置された状態で、基材の他方の面に真空成膜法によりガスバリア層を形成することで、屈曲性および屈曲後のガスバリア性に優れるガスバリア性フィルムが得られる。これは、基材が薄い場合でも基材に負荷のかかる真空成膜条件の設定が可能となり、CVD条件の設定域が広がることによるものと推定されている。
保護フィルム基材としては、通常、樹脂材料が用いられる。この樹脂材料としては、特に制限はないが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム・ヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド系フィルム;ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリフルオロエチレン等の含ハロゲン系フィルム;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ピニル共重合体等の酢酸ビニルおよびその誘導体フィルム等のプラスチックフィルムが、紙とは異なり微細塵を発生しないことから好ましい。なお、本発明においては、耐熱性および、入手の容易性の観点からポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
粘着層は、粘着剤を含む層である。粘着層に用いられる粘着剤の種類としては特に制限はないが、アクリル系粘着剤が、耐久性、透明性、粘着特性の調整の容易さなどの面から好ましい。ただし、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤、紫外線硬化型粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)系粘着剤などが用いられてもよい。
主基材への保護フィルムの貼合の手法は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。好ましい一実施形態としては、保護フィルムの貼合と連続して後述する真空成膜法によるガスバリア層の形成を行うオンライン方式が例示される。また、主基材へ保護フィルムを貼合した後に、一旦、巻き取り軸で保護フィルムと主基材との積層体を巻き取った後、別工程で、当該積層体を巻き出してガスバリア層の形成を行うオフライン方式であってもよい。
本発明に係るガスバリア性フィルムの製造方法においては、ガスバリア層形成工程前およびガスバリア層形成工程後のそれぞれにおける主基材と保護フィルムとの間の剥離力(上記工程前の剥離力をA[N/25mm]とし、上記工程後の剥離力をB[N/25mm]とする)の絶対値が制御される。また、AよりもBの方が大きくなる(A<Bを満たす)ように構成される。
上述したように、本発明に係るガスバリア性フィルムの製造方法においては、ガスバリア層形成工程を、保護フィルムが主基材のガスバリア層を形成する面とは反対側の面に配置された状態で、真空成膜法により行う。真空成膜法としては、化学気相蒸着法(CVD法)または物理蒸着法(PVD法)が挙げられる。なお、真空成膜法によるガスバリア層の形成は2層以上行ってもよく、真空成膜法によって2層のガスバリア層を形成することが好ましい。また、真空成膜法によってガスバリア層(以下、「第一無機層」とも称する)を少なくとも1層形成した後、さらにこのガスバリア層上に、ケイ素化合物を含有する溶液を塗布してなる塗膜を改質することによりガスバリア層(以下、「第二無機層」とも称する)を形成してもよい。
真空成膜法により形成されるガスバリア層(第一無機層)は、無機化合物を含む。第一無機層に含まれる無機化合物としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素、アルミニウムおよびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物の少なくとも1種を含む。ケイ素、アルミニウムおよびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物としては、具体的には、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素(SiON)、酸炭化ケイ素(SiOC)、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびアルミニウムシリケートなどのこれらの複合体が挙げられる。このうち好ましくは酸窒化ケイ素(SiON)、窒化ケイ素(SiN)、酸炭化ケイ素(SiOC)、酸化ケイ素(SiO2)、アルミニウムシリケート(SiAlO)および酸窒化炭化ケイ素(SiONC)である。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
また、本発明の第一無機層の他の好適な一実施形態として、構成元素に炭素、ケイ素、および酸素を含む層がある。より好適な形態は、以下の(i)〜(ii)の要件を満たす第一無機層である。
(ii)炭素分布曲線における炭素の原子比の最大値と最小値との差の絶対値が3at%以上である。
(炭素平均原子比率)<(ケイ素平均原子比率)<(酸素平均原子比率)
式(B)
(酸素平均原子比率)<(ケイ素平均原子比率)<(炭素平均原子比率)
以下、上記好適な実施形態について説明する。
エッチングイオン種:アルゴン(Ar+);
エッチング速度(SiO2熱酸化膜換算値):0.05nm/sec;
エッチング間隔(SiO2換算値):10nm;
X線光電子分光装置:Thermo Fisher Scientific社製、機種名”VG Theta Probe”;
照射X線:単結晶分光AlKα
X線のスポット及びそのサイズ:800×400μmの楕円形。
本発明に係る製造方法により製造されるガスバリア性フィルムは、ガスバリア層/主基材/保護フィルム(粘着層+保護フィルム基材)の順に積層されてなる構成を有している。ただし、本発明に係る製造方法は、適宜その他の層(中間層)を形成する工程を有していてもよい。中間層としては、アンカーコート層、平滑層、ブリードアウト防止層およびクリアハードコート層等が挙げられる。これらのうち、主基材上にクリアハードコート層を形成することが好ましい。特に、主基材の両面にクリアハードコート層を有することが好ましい。
クリアハードコート層は、主基材とガスバリア層との密着性向上、高温高湿下での主基材とガスバリア層との膨張・収縮の差から生じる内部応力の緩和、ガスバリア層を設ける下層の平坦化、主基材からのモノマー、オリゴマー等の低分子量成分のブリードアウト防止等の機能を有する。このような機能を有するクリアハードコート層は、感光性樹脂組成物(通常、感光性樹脂、光重合開始剤、および溶媒を含む)を主基材上に塗布した後、硬化させることによって形成されうる。
平滑層は、突起等が存在する主基材の粗面を平坦化するために、または、主基材に存在する突起に起因してガスバリア層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。このような平滑層は、いずれの材料で形成されてもよいが、炭素含有ポリマーを含むことが好ましく、炭素含有ポリマーから構成されることがより好ましい。すなわち、本発明に係るガスバリア性フィルムの製造方法においては、主基材とガスバリア層との間に、炭素含有ポリマーを含む平滑層をさらに設けてもよい。
本発明に係る主基材の表面には、接着性(密着性)の向上を目的として、アンカーコート層を易接着層として形成してもよい。このアンカーコート層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、およびアルキルチタネート等を、1種または2種以上併せて使用することができる。上記アンカーコート剤は、市販品を使用してもよい。具体的には、シロキサン系UV硬化型ポリマー溶液(信越化学工業株式会社製、「X−12−2400」の3%イソプロピルアルコール溶液)を用いることができる。なお、アンカーコート層の厚さは、特に制限されないが、0.5〜10μm程度が好ましい。
表面に平滑層が形成された主基材は、加熱処理の際にその内部から表面に未反応のオリゴマー等が移行して、表面が汚染されうる。ブリードアウト防止層は、当該主基材表面の汚染を抑制する機能を有する。当該ブリードアウト防止層は、通常、平滑層が配置された主基材の当該平滑層とは反対側の面に設けられる。
上記したような本発明の製造方法によって製造されるガスバリア性フィルムは、優れたガスバリア性、透明性、屈曲性を有する。このため、本発明に係るガスバリア性フィルムは、電子デバイス等のパッケージ、光電変換素子(太陽電池素子)や有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示素子等の等の電子デバイスに用いられるガスバリア性フィルムおよびこれを用いた電子デバイスなど、様々な用途に使用することができる。
電子素子本体は電子デバイスの本体であり、ガスバリア性フィルムのガスバリア層側に配置される。電子素子本体としては、ガスバリア性フィルムによる封止が適用されうる公知の電子デバイスの本体が使用できる。例えば、有機EL素子、太陽電池(PV)、液晶表示素子(LCD)、電子ペーパー、薄膜トランジスタ、タッチパネル等が挙げられる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、該電子素子本体は、有機EL素子または太陽電池であることが好ましい。これらの電子素子本体の構成についても、特に制限はなく、従来公知の構成を有しうる。
ガスバリア性フィルムを用いた有機EL素子の例は、特開2007−30387号公報に詳しく記載されている。
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明におけるガスバリア性フィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN型(Twisted Nematic)、STN型(Super Twisted Nematic)またはHAN型(Hybrid Aligned Nematic)、VA型(Vertically Alignment)、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、IPS型(In−Plane Switching)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
本発明のガスバリア性フィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。ここで、本発明のガスバリア性フィルムは、バリア層が太陽電池素子に近い側となるように封止することが好ましい。本発明のガスバリア性フィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、またはタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報に記載の薄膜トランジスタ、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報に記載の電子ペーパー等が挙げられる。
本発明のガスバリア性フィルムは、光学部材としても用いることができる。光学部材の例としては円偏光板等が挙げられる。
本発明におけるガスバリア性フィルムを基板としλ/4板と偏光板とを積層し、円偏光板を作製することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角が45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−86554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
《ガスバリア性フィルム1の作製》
(主基材)
両面に易接着加工された厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製)を長尺で1000m用意し、主基材として用いた。
上記で用意した主基材の片面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材(OPSTAR Z7535)を、乾燥後の膜厚が4μmになるようにダイコーターで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気下で高圧水銀ランプ使用して硬化条件;1.0J/cm2で硬化を行い、ブリードアウト防止層を形成した。
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコン系剥離剤を塗布し、その上層に、アクリル系粘着剤(ブチルアクリレートを主モノマーとする重合体100質量部、架橋剤として75質量%濃度のヘキサメチレンジイソシアネート・トリメチロールプロパンアダクト溶液(商品名コロネートHL、固形分濃度75質量%、日本ポリウレタン株式会社製))1質量部を、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥装置により100℃で3分間乾燥させて粘着層を形成した。その直後、当該粘着層を、上記主基材のブリードアウト防止層が形成されていない面に貼り合わせて、成膜用基材を作製した。その後、50℃、50%RHの条件下で10分間のシーズニング処理を施すことにより、主基材と保護フィルムとの間の剥離力(A)を下記の表1に示す値に調整した。なお、本実施例において「成膜用基材」とは、主基材に有機層や保護フィルム等が積層されてなる積層体を意味するものとする。また、上記剥離力(A)および後述する剥離力(B)は、以下の測定方法により測定される値である。
100mm×100mmの試料を25℃50%RHの条件下に2時間放置後、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)に規定される180度剥離試験法により、300mm/minの条件で、剥離力を測定した。
上記で作製した成膜用基材のブリードアウト防止層上に、図1に示す真空プラズマCVD装置を用い、下記成膜条件にて膜厚300nmのガスバリア層(1)を形成し、ロールに巻き取った:
成膜条件
・成膜ガスの混合比(HMDSO/酸素):1/10
・真空チャンバ内の真空度:2.0Pa
・プラズマ発生用電源からの印加電力:1.5kW
・プラズマ発生用電源の周波数:80kHz
・基板温度(ロール表面温度):B値が下記の表1に示す値になるように調整した
・フィルムの搬送速度:5m/min
※「HMDSO」はヘキサメチルジシロキサンの略である。
上記でガスバリア層(1)を形成した後に巻き取ったロールからガスバリア層(1)付き成膜用基材を再度巻き出しながら、上記で形成したガスバリア層(1)上に、上記と同様の装置を用い、上記と同様の成膜条件にて膜厚300nmのガスバリア層(2)を形成した。このようにして、成膜用基材のブリードアウト防止層上に、ガスバリア層(1)およびガスバリア層(2)がこの順に積層されてなるガスバリア層を形成して、ガスバリア性フィルム1を作製した。
「保護フィルムの貼合」におけるシーズニング処理の条件を変化させる(具体的には、80℃50%RHの条件下で処理時間を変化させる)ことで主基材と保護フィルムとの間の剥離力(A)を下記の表1に示す値に調整したこと以外は、上述したガスバリア性フィルム1の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム2を作製した。
「保護フィルムの貼合」におけるシーズニング処理の条件を変化させる(具体的には、80℃50%RHの条件下で処理時間を変化させる)ことで主基材と保護フィルムとの間の剥離力(A)を下記の表1に示す値に調整し、かつ、ガスバリア層(1)および(2)の形成時における成膜条件を変化させることで主基材と保護フィルムとの間の剥離力(B)を下記の表1に示す値に調整したこと以外は、上述したガスバリア性フィルム1の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム3を作製した。
ガスバリア層(1)および(2)の形成時における成膜条件を変化させる(具体的には、印加電力および搬送速度を変化させる)ことで主基材と保護フィルムとの間の剥離力(B)を下記の表1に示す値に調整したこと以外は、上述したガスバリア性フィルム3の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム4を作製した。
ガスバリア層(1)および(2)の形成時における成膜条件を変化させる(具体的には、印加電力および搬送速度を変化させる)ことで主基材と保護フィルムとの間の剥離力(B)を下記の表1に示す値に調整したこと以外は、上述したガスバリア性フィルム3の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム5〜11を作製した。
「保護フィルムの貼合」におけるシーズニング処理の条件を変化させる(具体的には、80℃50%RHの条件下で処理時間を変化させる)ことで主基材と保護フィルムとの間の剥離力(A)を下記の表1に示す値に調整し、かつ、ガスバリア層(1)および(2)の形成時における成膜条件を変化させることで主基材と保護フィルムとの間の剥離力(B)を下記の表1に示す値に調整したこと以外は、上述したガスバリア性フィルム4の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム12〜18を作製した。
《ガスバリア性フィルム19〜22の作製》
保護フィルムとして、下記の表2に示す厚みを有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、それぞれ上述したガスバリア性フィルム1〜4の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム19〜22を作製した。
保護フィルムとして、下記の表2に示す厚みを有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、場合によってはさらに下記の表2に示す材質の主基材を用いたこと以外は、上述したガスバリア性フィルム10の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム23〜33を作製した。
《ガスバリア性フィルム34〜39の作製》
主基材として、下記の表3に示す厚みを有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、上述したガスバリア性フィルム10の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム23〜39を作製した。
《ガスバリア性フィルム40の作製》
図3に示す対向ロール型のロール・トゥ・ロール真空成膜装置を用いたプラズマCVD法によりガスバリア層を形成したこと以外は、上述したガスバリア性フィルム10の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム40を作製した。
・原料ガス(HMDSO)の供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)、
・反応ガス(O2)の供給量:500sccm、
・真空チャンバ内の真空度:3Pa、
・プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW、
・プラズマ発生用電源の周波数:70kHz、
・フィルムの搬送速度:0.8m/min。
ガスバリア層(2)を形成せず、ガスバリア層(1)のみからなるガスバリア層を形成したこと以外は、上述したガスバリア性フィルム10の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム41を作製した。
下記成膜条件にて、スパッタリング法により単層からなるガスバリア層を形成したこと以外は、上述したガスバリア性フィルム10の作製と同様にして、ガスバリア性フィルム42を作製した。
成膜用基材をスパッタ装置の真空槽内にセットして10−4Pa台まで真空引きし、反応ガスとして酸素を分圧0.015Paで導入し、さらに系全体の圧力が0.13Paになるように放電ガスとしてアルゴンを導入した。雰囲気圧力が安定したところで放電を開始し、Siターゲット上にプラズマを発生させて、スパッタリングプロセスを開始した。プロセスが安定したところでシャッターを開き基板への酸化珪素(SiO2)層の形成を開始した。250nmの膜が堆積したところでシャッターを閉じて、ガスバリア層の成膜を終了した。
上記のようにして作製したガスバリア性フィルム1〜42について、以下の評価を行った。
ガスバリア性フィルムの幅1m×長さ10mの領域を視認にて観察し、基材変形の有無を以下の基準に従って評価した。なお、以下の基準に基づく補間評価の結果を下記の表1〜4に示す:
5:変形なし
4:若干の変形と認められる部分が分かる程度
3:変形は認められるが問題ないレベル
2:平面性が良い部分は面積領域で50%未満
1:面積領域で80%以上に変形が見られる。
ガスバリア性フィルムの幅1m×長さ10mの領域を視認にて観察し、保護フィルムの剥離の有無を以下の基準に従って評価した。なお、以下の基準に基づく補間評価の結果を下記の表1〜4に示す:
5:剥離なし
4:20%以下の領域に点状の剥離が認められる
3:20%超30%以下の領域に点状の剥離が認められる
2:30%超45%以下の領域に点状の剥離が認められる
1:45%超の領域に点状の剥離が認められる。
ガスバリア性フィルムから保護フィルムを剥離した後、以下の手法により水蒸気バリア性の評価を実施した。
2、110 主基材、
3 ガスバリア層、
21 装置チャンバ、
22 Xeエキシマランプ、
23 ホルダー、
24 試料ステージ、
25 試料、
26 遮光板、
31 製造装置、
32 送り出しローラー、
33、34、35、36 搬送ローラー、
39、40 成膜ローラー、
41 ガス供給管、
42 プラズマ発生用電源、
43、44 磁場発生装置、
45 巻取りローラー、
101 プラズマCVD装置、
102 真空槽、
103 カソード電極、
105 サセプタ、
106 熱媒体循環系、
107 真空排気系、
108 ガス導入系、
109 高周波電源、
160 加熱冷却装置。
Claims (4)
- 主基材の一方の面に真空成膜法によりガスバリア層を形成するガスバリア層形成工程を含むガスバリア性フィルムの製造方法であって、
保護フィルム基材と粘着層とを有する保護フィルムが前記粘着層を介して前記主基材のガスバリア層を形成する面とは反対側の面に配置された状態で、前記ガスバリア層形成工程を行い、
前記ガスバリア層形成工程前の前記主基材と前記保護フィルムとの間の剥離力をA[N/25mm]とし、前記ガスバリア層形成工程後の前記主基材と前記保護フィルムとの間の剥離力をB[N/25mm]としたときに、A<B、0.03<A<0.25、および0.05<B<0.30を満足することを特徴とする、ガスバリア性フィルムの製造方法。 - B≧1.1Aをさらに満足する、請求項1に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
- 前記主基材の厚みが10〜60μmである、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
- 前記真空成膜法が、対向ロール型のロール・トゥ・ロール真空成膜装置を用いたプラズマCVD法である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
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