JP2015220665A - 動電型電気音響変換器、及びその振動板、並びに動電型電気音響変換器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、振動板54は、複数の前部音響端子59aを有するユニットキャップ(レゾネータ)59によって覆われている。
このように構成されたマイクロホンユニット50にあっては、音波により振動板54が振動すると、同時にボイスコイル55が上下に振動する。これによりコイルに起電力が生じ、マイクロホンユニット50は音波に基づく音声信号を出力する。尚、このようなダイナミックマイクロホンの構成は、例えば特許文献1に開示されている。
一般に振動板54は、プラスチックフィルムを加圧加熱成型することにより作製される。そして、振動板54にボイスコイル55が取り付けられ(振動板組立56と呼ぶ)、前記振動板組立体56はユニットハウジング57に装着される。
また、この取り付け作業にあっては、振動板の縁部をユニットハウジング57の周縁部に接着剤を用いて接着する。そのため、接着剤が固化するまで錘を用いて振動部の縁部を上から押さえ付ける必要がある。
また、この錘によって押さえられた振動板にあっては、錘が振動板の周縁部に対し均一に接しない。そのため、振動板54にストレスがかかった状態で振動板54とユニットハウジング57とが固定される。マイクロホンにおいて、このストレスは低域の周波数応答を低下させる。またヘッドホンの場合では、このストレスがビリ音発生の原因であった。
尚、前記ユニットハウジングの開口縁部に形成された凹部は、該ユニットハウジングの周方向に沿って形成された環状の凹部であって、前記振動板の周縁部に形成された係合部は、該振動板の周縁端部であることが望ましい。
さらには、従来のように振動板とユニットハウジングの周縁部との間に錘を配置するための隙間を必要としない。そのため、従来構成よりも振動板の有効面積を大きくできるという効果も得ることができる。
例えば、本発明の動電型電気音響変換器をダイナミックヘッドホンに適用する場合には、振動板の径が大きくなるため、振幅も大きくなる。そのため、振動板とユニットハウジングとの係合に加えて、前記のように接着剤を用いて振動板をユニットハウジングに固定することが好ましい。また、その場合も、振動板はユニットハウジングとの係合により固定されているため、接着剤が固化するまで従来のように錘で振動板を固定する必要はない。
このような方法によれば、振動板の周縁部に上向きの弾力を持たせた状態で周縁端部をユニットハウジングの凹部に係合させるため、振動板をユニットハウジングに対ししっかりと固定することができる。また、それにより振動板が歪んで変形することがないため、振動板の中心とユニットハウジングの中心とを自動的に合わせることができ、振動板をスチフネスが安定した状態で取り付けることができる。また、振動板の変形によるストレスがないため、マイクロホンの低域周波数応答の低下が発生しない。また、本構成をヘッドホンに適用した場合には、振動板の変形によるストレスがないため、ビリ音の発生を防止することができる。
さらには、従来のように振動板とユニットハウジングの周縁部との間に錘を配置するための隙間を必要としないため、従来構成よりも振動板の有効面積を大きくできるという効果も得ることができる。
図1のダイナミックマイクロホンユニット1は、磁気回路を備えている。この磁気回路は、円板状のポールピース2と磁石3とが重ねられ、これらの底部及び側部がヨーク4によって囲われることにより構成されている。前記ポールピース2とヨーク4との間には、所定の隙間5が形成されている。また、前記ヨーク4の底面には、複数の音孔4aが形成されている。
尚、振動板6とボイスコイル7とにより、振動板組立8が構成される。
また、前記ボイスコイル7は前記隙間5内を上下に振動可能なように配置されている。
尚、ユニットフレーム10の上下面には、それぞれ音孔10a、10bが穿孔され、後部音響端子として機能している。また、ユニットフレーム10の内部空間は空気室としてよいが、ダンパー材を充填して音響抵抗を変更可能にしてもよい。
また、ユニットハウジング9に取り付けられた振動板6を覆うように、円板状のユニットキャップ(レゾネータ)11が設けられている。このユニットキャップ11には、複数の音孔からなる前部音響端子11aが設けられている。
先ず、図2に示すように振動板6は、その周縁部が端部(周縁端部6b)に向かって下方に下凸部6aを形成しながら上向きに湾曲するように成形され、カットされる。
一方、ユニットハウジング9において、その一端の開口縁部の内側には、支持台部9bが形成される共に、その外側の内側面には、逆鈎状の凹部9aが形成される。尚、前記振動板6のカットサイズは、振動板6の周縁端部6bが前記ユニットハウジング9の凹部9aに当接するように決定される。
さらには、従来のように振動板6とユニットハウジング9の周縁部との間に錘を配置するための隙間を必要としないため、従来構成よりも振動板6の有効面積を大きくできるという効果も得ることができる。
例えば、本発明の動電型電気音響変換器をダイナミックヘッドホンに適用する場合には、振動板の径が大きくなるため、振幅も大きくなる。そのため、振動板とユニットハウジングとの係合に加えて、接着剤を用いて振動板をユニットハウジングに固定することが好ましい。また、その場合も、振動板はユニットハウジングとの係合により固定されているため、接着剤が固化するまで従来のように錘で振動板を固定する必要はない。
2 ポールピース
3 磁石
4 ヨーク
5 隙間
6 振動板
6a 下凸部
6b 周縁端部
7 ボイスコイル
8 振動板組立
9 ユニットハウジング
9a 凹部
9b 支持台部
10 ユニットフレーム
11 ユニットキャップ
Claims (5)
- 磁気回路を収容するユニットハウジングと、前記ユニットハウジングの一端の開口縁部に取り付けられる振動板とを備え、前記振動板の下面側にボイスコイルが設けられた動電型電気音響変換器であって、
前記振動板の周縁部は、その端部側に向かって下方に下凸部を形成しながら上向きに湾曲し、
前記ユニットハウジングの開口縁部には、前記振動板の下凸部に当接する支持台部が形成されるとともに、内側面には前記振動板の周縁端部が係合可能な凹部が形成され、
前記振動板は、その周縁部において、前記下凸部が前記ユニットハウジングの支持台部に支持されることにより、周縁端部が上向きの弾力を持った状態で前記ユニットハウジングの前記凹部に係合していることを特徴とする動電型電気音響変換器。 - 前記ユニットハウジングの開口縁部に形成された凹部は、該ユニットハウジングの周方向に沿って形成された環状の凹部であって、
前記振動板の周縁部に形成された係合部は、該振動板の周縁端部であることを特徴とする請求項1に記載された動電型電気音響変換器。 - 前記ユニットハウジングの開口縁部に形成された凹部に、前記振動板の周縁部に形成された係合部が係合している状態において、前記振動板の周縁部は、前記ユニットハウジングの開口縁部に対し接着剤により接着され固定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された動電型電気音響変換器。
- 前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された動電型電気音響変換器に用いられる前記振動板であって、
前記ユニットハウジングに取り付けられることを特徴とする振動板。 - 磁気回路を収容するユニットハウジングと、前記ユニットハウジングの一端の開口縁部に取り付けられる振動板とを備え、前記振動板の下面側にボイスコイルが設けられた動電型電気音響変換器の製造方法であって、
前記振動板の周縁部を、その端部側に向かって下方に凸部を形成しながら上向きに湾曲させる工程と、
前記ユニットハウジングの開口縁部において、少なくとも一部に凹部を形成する工程と、
前記振動板の周縁部に、前記凹部に係合可能な係合部を形成する工程と、
前記ユニットハウジングの開口縁部に形成された凹部に、前記振動板の周縁部に形成された前記係合部を係合させる工程とを含むことを特徴とする動電型電気音響変換器の製造方法。
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