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JP2015219289A - トナー粒子の製造方法およびトナーの製造方法 - Google Patents

トナー粒子の製造方法およびトナーの製造方法 Download PDF

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JP2015219289A JP2014100912A JP2014100912A JP2015219289A JP 2015219289 A JP2015219289 A JP 2015219289A JP 2014100912 A JP2014100912 A JP 2014100912A JP 2014100912 A JP2014100912 A JP 2014100912A JP 2015219289 A JP2015219289 A JP 2015219289A
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Abstract

【課題】 芯粒子および外殻を有するトナー粒子において、外殻における樹脂微粒子由来の隆起部分を少なくしつつ、芯粒子からの外殻の脱落が抑制されたトナー粒子を製造する方法を提供する。【解決手段】 芯粒子となる重合体粒子Aの表面を処理して表面自由エネルギーが重合体粒子Aの表面自由エネルギーよりも小さい重合体粒子Bを含有する分散液Bを得る工程を有し、重合体粒子Aの表面自由エネルギーの値をEA、重合体粒子Bの表面自由エネルギーの値をEB、外殻となる樹脂微粒子Cの表面自由エネルギーの値をEC、水の表面自由エネルギーの値をEWとする場合、EW>EA>EC、EA>EB、EW>EC>EBを満足する。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方法および静電印刷方法などの画像形成方法に用いられる静電荷像を現像するためのトナー粒子の製造方法およびトナーの製造方法に関する。
近年、プリンターや複写機に対して、高速化や低消費電力化が要求されている。その要求を満たすため、低温で定着し、かつ、高耐久なトナーが求められている。低温定着が可能なトナーを実現するためには、トナーを低温で軟化させる必要があるが、低温で軟化するトナーは、耐熱保存性や耐久性が低下しやすい。そこで、低温定着性に優れた芯粒子と、芯粒子の表面を樹脂微粒子で被覆させることで形成した外殻とから構成されるカプセル構造(コアシェル構造)を有するトナー粒子を有するトナーが提案されている。
しかしながら、カプセル構造のトナー粒子を有するトナーの場合、芯粒子と外殻との密着性が弱いと、外殻の剥離により、耐久性が低いトナーとなってしまう。そのため、芯粒子と外殻との密着性を高める取り組みがなされてきた。
特許文献1には、芯粒子の形成途中に樹脂微粒子を添加し、芯粒子の表面に樹脂微粒子を付着させる方法が開示されている。この方法では、形成途中の芯粒子内に存在する重合性単量体に樹脂微粒子をわずかに溶解させることで、芯粒子と樹脂微粒子との密着性を高め、芯粒子と外殻との密着性を高めている。
また、特許文献2には、結晶性ポリエステルによって可塑させた非晶性ポリエステルを芯粒子の表面に偏析させ、芯粒子の表面のみを軟化させることにより、芯粒子と樹脂微粒子との密着性を高め、芯粒子と外殻との密着性を高める方法が開示されている。
また、特許文献3には、芯粒子のガラス転移点以上の熱を与えることにより、外殻における樹脂微粒子由来の隆起部分を少なくする技術が開示されている。
特開2011−17864号公報 特開2012−2833号公報 特開2000−112174号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示された方法では、外殻に樹脂微粒子由来の隆起部分が多く残りやすく、プリンターや複写機を高速化した場合、隆起部分に強い負荷がかかり、外殻が芯粒子から脱落しやすくなることがわかった。
また、特許文献3に開示された方法では、外殻の隆起部分は少なくなるものの、長時間にわたり芯粒子に熱を与えているため、芯粒子と樹脂微粒子との相溶が進み、良好な耐熱保存性を有するトナーを得ることが困難であった。
本発明の目的は、芯粒子および外殻を有するトナー粒子において、外殻における樹脂微粒子由来の隆起部分を少なくしつつ、芯粒子からの外殻の脱落が抑制されたトナー粒子およびトナーを製造する方法を提供することにある。
本発明は、
(i)重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加えて、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物の粒子を形成する工程と、
(ii)前記粒子に含有される前記重合性単量体を重合させて、重合体粒子Aを含有する分散液Aを得る工程と、
(iii)前記分散液Aに含有される前記重合体粒子Aの表面を処理して、表面自由エネルギーが前記重合体粒子Aの表面自由エネルギーよりも小さい重合体粒子Bを含有する分散液Bを得る工程と、
(iv)前記分散液Bに樹脂微粒子Cを添加して、前記重合体粒子Bの表面に前記樹脂微粒子Cを付与して分散液Cを得る工程と、
(v)前記分散液Cを前記樹脂微粒子Cのガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、トナー粒子を得る工程と
をこの順に有するトナー粒子の製造方法であって、
前記重合体粒子Aの表面自由エネルギーの値をEAとし、前記重合体粒子Bの表面自由エネルギーの値をEBとし、前記樹脂微粒子Cの表面自由エネルギーの値をECとし、水の表面自由エネルギーの値をEWとする場合に、下記式(1)〜(3):
EW>EA>EC(1)
EA>EB(2)
EW>EC>EB(3)
の関係を満足することを特徴とするトナー粒子の製造方法である。
また、本発明は、トナー粒子および前記トナー粒子に外添された無機微粒子を有するトナーを製造するトナーの製造方法であって、
前記本発明のトナー粒子の製造方法により、前記トナー粒子を製造する工程と、
前記トナー粒子に前記無機微粒子を外添する工程と
をこの順に有することを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明によれば、芯粒子および外殻を有するトナー粒子において、外殻における樹脂微粒子由来の隆起部分を少なくしつつ、芯粒子からの外殻の脱落が抑制されたトナー粒子およびトナーを製造することができる。
芯粒子および外殻を有するトナー粒子、すなわち、カプセル構造を有するトナー粒子の製造方法は種々知られている。その中でも、水系媒体中で重合体粒子を芯粒子として、芯粒子の表面を樹脂微粒子で被覆することでカプセル構造を形成する方法が、均一な外殻を形成できるため、特に優れている。
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、上記カプセル構造を形成する方法において、芯粒子の表面と樹脂微粒子の表面の表面自由エネルギーが特定の関係を満たすことで、隆起部分が少なく平滑性の高い外殻が形成可能であることを見出した。その関係とは、次の2点を満たす関係である。
1点目は、樹脂微粒子の表面自由エネルギーが重合体粒子の表面自由エネルギーよりも水の表面自由エネルギーに近い点である。2点目は、重合体粒子と樹脂微粒子の表面自由エネルギーがともに水の表面自由エネルギーよりも低い点である。すなわち、表面自由エネルギーが、水>樹脂微粒子>重合体粒子の関係を満たす場合であることが、平滑性の高い外殻の形成に重要であることがわかった。この関係を満たす場合、過度な加熱の必要がないため、相分離性(芯粒子と樹脂微粒子の相溶のしにくさ)を保ちつつ、平滑性の高い外殻が形成可能である。
このメカニズムに関して、本発明者は以下のように考えている。
水系媒体中で重合体粒子の表面を樹脂微粒子で被覆する方法において、樹脂微粒子はその粒子状態を維持したまま重合体粒子の表面に付着し、その後、熱によって平滑化が進行する。ここで、重合体粒子の表面に樹脂微粒子が付着した状態は、重合体粒子と樹脂微粒子のそれぞれが水と界面を形成しており、系全体の界面エネルギーが高い状態にあると言える。特に、樹脂微粒子は、重合体粒子よりも小粒径のものが多数存在するため、表面積が大きく、系全体が高いエネルギー状態にあると言える。そのため、その後の平滑化工程では、樹脂微粒子同士が融合し、表面積を減らすことで低エネルギー化が進行すると考えられる。ここで、樹脂微粒子が単独で凝集塊を作るか、重合体粒子の表面を被覆するかは、系全体のエネルギーのどちらが低いかによると考えられる。したがって、水分散体中では、水との表面自由エネルギー差の小さな樹脂の表面を生成するように系が変化することになる。すなわち、樹脂微粒子の表面自由エネルギーが重合体粒子の表面自由エネルギーよりも水の表面自由エネルギーに近いことが重要である。また、樹脂微粒子が水よりも表面自由エネルギーが高い場合は、低表面自由エネルギー化するために、トナー粒子の表面に水を吸着しやすくなり、帯電性への影響が懸念される。また、重合体粒子が水よりも表面自由エネルギーが高い場合は、重合体粒子の製造面にも課題を生じやすい。したがって、重合体粒子と樹脂微粒子の表面自由エネルギーがともに水の表面自由エネルギーよりも低いことが重要である。
しかしながら、重合体粒子を形成させる場合、この表面自由エネルギーの関係を満たす材料が、必ずしも所望の粒径のトナー粒子を形成可能で、性能が十分なものではなかった。
そこで、粒子形成における製造性の良い材料を使用して、平滑性を満足させる方法を鋭意検討した結果、重合体粒子Aの表面を低表面自由エネルギー化させ、規定のエネルギー範囲に制御することで課題が解決できる。
すなわち、
(i)重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加えて、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物の粒子を形成する工程と、
(ii)前記粒子に含有される前記重合性単量体を重合させて、重合体粒子Aを含有する分散液Aを得る工程と、
(iii)前記分散液Aに含有される前記重合体粒子Aの表面を処理して、表面自由エネルギーが前記重合体粒子Aの表面自由エネルギーよりも小さい重合体粒子Bを含有する分散液Bを得る工程と、
(iv)前記分散液Bに樹脂微粒子Cを添加して、前記重合体粒子Bの表面に前記樹脂微粒子Cを付与して分散液Cを得る工程と、
(v)前記分散液Cを前記樹脂微粒子Cのガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、トナー粒子を得る工程と
をこの順に有するトナー粒子の製造方法であって、
前記重合体粒子Aの表面自由エネルギーの値をEAとし、前記重合体粒子Bの表面自由エネルギーの値をEBとし、前記樹脂微粒子Cの表面自由エネルギーの値をECとし、水の表面自由エネルギーの値をEWとする場合に、下記式(1)〜(3):
EW>EA>EC(1)
EA>EB(2)
EW>EC>EB(3)
の関係を満足することを特徴とするトナー粒子の製造方法によって達成される。
以下、この製造方法について(i)〜(v)を順に説明する。
上記工程(i)では、重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加えて、上記水系媒体中で上記重合性単量体組成物の粒子を形成する。より具体的には、まず、トナー粒子の主構成材料(結着樹脂)となる重合性単量体に着色剤を加え、分散機を用いてこれらを均一に溶解または分散させた重合性単量体組成物を調製する。分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機などが挙げられる。上記重合性単量体組成物中には、必要に応じて多官能性単量体、連鎖移動剤、離型剤としてのワックスや荷電制御剤、可塑剤、分散剤などの添加剤を適宜加えることができる。
次いで、あらかじめ用意しておいた分散安定剤を含有する水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、分散機を用いて懸濁させ、造粒(粒子の形成)を行う。分散機としては、例えば、高速撹拌機、超音波分散機などが挙げられる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合してもよく、水系媒体中に重合性単量体組成物を加える(懸濁させる)直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解させた状態で加えることもできる。
このようにして、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を形成する。
次に、上記工程(ii)では、上記工程(i)を終えた懸濁液を50℃以上90℃以下の温度まで加熱し、懸濁液中の重合性単量体組成物の粒子が粒子状態を維持し、かつ、粒子の浮遊や沈降が生じることのないよう、撹拌しながら重合反応を行う。
上記重合開始剤は、加熱によって分解し、遊離基(ラジカル)を生成する。生成したラジカルは、重合性単量体の不飽和結合に付加し、付加体のラジカルを新たに生成する。そして、生成した付加体のラジカルは、さらに重合性単量体の不飽和結合に付加する。このような付加反応を連鎖的に繰り返すことによって重合反応が進行し、上記重合性単量体の重合物を主構成材料(結着樹脂)とする重合体粒子Aが形成され、重合体粒子Aの分散液Aが得られる。必要に応じて、この後に蒸留工程を行い、残留している重合性単量体を取り除いてもよい。
次に、上記工程(iii)では、上記分散液Aに含有される上記重合体粒子Aの表面を処理して、表面自由エネルギーが上記重合体粒子Aの表面自由エネルギーよりも小さい重合体粒子Bを含有する分散液Bを得る。表面処理は、重合性単量体を取り除くための蒸留工程の前でもよいし、蒸留工程の後であってもよい。上記式(1)〜(3)を満たすよう表面処理が可能であれば、いかなる方法を用いてもよいが、好ましい方法として、次の方法が挙げられる。
表面自由エネルギーがECより小さい材料を上記重合体粒子Aの表面に付与することにより、上記重合体粒子Bを含有する上記分散液Bを得る方法である。
さらに好ましい表面処理方法としては、次の3つの方法が挙げられる。
1つ目の方法は、低表面自由エネルギー材料である有機ケイ素重合体を付与する方法である。上記分散液Aにアルコキシシランを添加し、その後、上記分散液Aを加熱し、上記アルコキシシラン由来の有機ケイ素重合体を上記重合体粒子Aの表面に付与することにより、上記重合体粒子Bを含有する上記分散液Bを得る方法である。アルコキシシランは、下記式(Z)で示される化合物が好ましい。
Figure 2015219289
(式(Z)中、Rは、メチル基、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メタクリロイル基、または、メルカプト基を示す。R、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、または、アルコキシ基を示す。ただし、R、RおよびRのうち、1つ以上は、アルコキシ基である。)
分散液Bにアルコキシシラン添加すると、R、RおよびR(以下「反応基」ともいう。)が加水分解することにより、シラノールとアルコールを生じる。その後、シラノール同士が徐々に縮合してシロキサン結合となり、有機ケイ素重合体が生成する。この際、重合体粒子Aの表面のヒドロキシ基とも縮合し、共有結合が形成されるため、重合体Aの表面に有機ケイ素重合体が付与され、重合体粒子Bと、それを含有する分散液Bを得ることができる。一般的に、有機ケイ素重合体は、表面自由エネルギーの低い材料であるが、加水分解と縮合反応の進み具合によって、その表面自由エネルギーの値は異なる。この反応は、反応温度、反応時間、pHなどによって制御することが可能であり、重合体粒子Bの表面自由エネルギーを確認して条件を決めることが好ましい。表面自由エネルギーは、後述する方法により測定することができる。
添加するアルコキシシランの量は、重合体A100質量部に対して1.0質量部〜15.0質量部であることが好ましい。1.0質量部であれば、表面自由エネルギーを十分に低下させることができ、15.0質量部以下であれば、アルコキシシランが樹脂微粒子Cの付着を阻害しにくくなる。
アルコキシシランは、加水分解性が穏やかであり、重合体粒子Aの表面に対する被覆性の観点から、上記式(Z)中のR、RおよびRは、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
以下に、上記式(Z)で示されるアルコキシシランの好ましい具体例を示す。以下の具体例は、上記式(Z)中のRがメチル基のものであるが、Rが、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メタクリロイル基、メルカプト基のものも同様に好ましい。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン。
アルコキシシランは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、上記式(Z)で示されるアルコキシシランとともに、併用してもよいものとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、テトライソシアネートシラン、メチルトリイソシアネートシラン、ビニルトリイソシアネートシラン。
2つ目の方法は、分散液Aに表面自由エネルギーがECより小さい樹脂微粒子Bを添加し、上記樹脂微粒子Bを上記重合体粒子Aの表面に付与することにより、上記重合体粒子Bを含有する上記分散液Bを得る方法である。
樹脂微粒子Bを構成する樹脂は、表面自由エネルギーがECより低いもので、トナー粒子の結着樹脂として使用可能なものであることが好ましい。具体的には、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。芯粒子との密着性を考慮すると、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂であることがより好ましい。
樹脂微粒子Bは分散液Aに添加すると、重合体粒子Aの表面に静電的に付着する。その後、重合体粒子Aのガラス転移点以上の温度で加熱することにより、重合体粒子Aの表面に付与することができる。このとき、樹脂微粒子Bのガラス転移点以上の温度で加熱し、付与することがより好ましい。樹脂微粒子Bは添加する際、水系媒体に分散させた状態で添加することが付着均一性の観点から好ましい。水分散液中の樹脂微粒子の濃度は、10.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。
樹脂微粒子Bは重合体粒子Aの表面に存在する分散剤の隙間に入り込み、重合体粒子Aの表面に付着する。そのため、樹脂微粒子Bは、隙間に入ることが可能な粒径であることが好ましく、体積基準のメジアン径(D50)で10nm以上100nm以下であることが好ましい。樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)の測定方法については後述する。
また、表面自由エネルギーの低下の効果を持たせるために、樹脂微粒子Bの使用量は、重合体粒子A100質量部に対して0.3質量部〜2.5質量部であることが好ましい。
樹脂微粒子Bの製造方法は、後述する樹脂微粒子Cと同様の製法で製造可能である。
3つ目の方法は、表面自由エネルギーがECより小さい水溶性樹脂を上記重合体粒子Aの表面に付与することにより、上記重合体粒子Bを含有する上記分散液Bを得る方法である。
水溶性樹脂としては、例えば、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ロジン変性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、コラーゲン、ゼラチン、デンプン、キトサンなどが挙げられる。これらの中から、表面自由エネルギーECに応じて適宜選択して使用することが好ましい。これらの中でも、アルカリ性で中和して可溶化させるものが好ましい。
水溶性樹脂は、上記工程(ii)を終えた分散液Aに添加する。水溶性樹脂を添加する際、水溶性樹脂が可溶なpHで加えることが好ましい。その後、水溶性樹脂が析出するpHに調整すると、水溶性樹脂が析出するとともに重合体粒子Aの表面に付着し、重合体粒子Aの表面に水溶性樹脂が付与された重合体粒子を含有する分散液Bを得ることができる。水溶性樹脂によって、可溶なpHは異なるため、適宜調整することが好ましいが、本発明では、pH8.0以上で可溶な樹脂が好適に用いられる。
水溶性樹脂の使用量は、表面自由エネルギーの低下効果と、後工程での樹脂微粒子Cの付着性を考慮すると、重合体粒子A100質量部に対して0.1質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。
上記工程(iv)では、上記分散液Bに樹脂微粒子Cを添加して、上記重合体粒子Bの表面に上記樹脂微粒子Cを付与し、分散液Cを得る。
上記工程(iii)で得られた重合体粒子Bは、表面に分散安定剤が吸着している状態にある。この分散液Bを撹拌しながら、上記分散安定剤に対する極性が上記重合体粒子Bと同じである樹脂微粒子Cを水系媒体に分散させた状態で、樹脂微粒子Cを添加する。このようにして表面に上記分散安定剤を吸着した状態の重合体粒子Bに、上記樹脂微粒子Cを緻密かつ均一に付着させることが可能となる。
上記樹脂微粒子の単独凝集を抑制し、より均一に付着させるため、樹脂微粒子の水系分散体の添加はゆっくり行うことが好ましい。好適な添加速度は、芯粒子の分散液の固形分100質量部に対して0.1質量部/分以上5.0質量部/分以下(樹脂微粒子Cの固形分として)である。
樹脂微粒子Cを分散液Bに添加する際の温度は、樹脂微粒子Cの単独凝集が起きにくい温度であることが好ましい。
本発明において、上記樹脂微粒子Cの平均粒子径は、レーザー散乱法による粒度分布測定によって求められるメジアン径の値で、10nm以上200nm以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは、30nm以上130nm以下の範囲である。
平均粒子径が10nm以上であれば、十分な耐熱性が得られやすい。また、平均粒子径が200nm以下であれば、不均一な固着が起きにくい。
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)と、体積分布における累積粒子数が10%となる粒子径(D10)との比(D50/D10)が、1.0以上3.0以下にあることが好ましい。さらに、樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)と、体積分布における累積粒子数が90%となる粒子径(D90)との比(D90/D50)が、1.0以上3.0以下にあることが好ましい。これらの範囲にあることは、樹脂微粒子の粒度分布が均一であることを意味し、その結果、形成される外殻のトナー粒子間のばらつきが少なく、トナーとして安定した性能を得ることができる。
樹脂微粒子Cの添加量は、重合体粒子Bの表面を均一に被覆可能な量であることが好ましい。均一に被覆可能な量は、重合体粒子Bと樹脂微粒子Cの粒子径が変わると変化し、また、平滑化時の広がり方は、樹脂の種類などによって異なるため、使用する材料と粒子径によって、最適量をSEMなどで被覆状態を観察しながら適宜調整することが好ましい。
その後、上記工程(v)において、上記分散液Cを上記樹脂微粒子Cのガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、トナー粒子を得る。
分散液Cを樹脂微粒子Cのガラス転移温度(Tg)以上の温度で加熱処理すると、重合体粒子Bと分散安定剤との間に樹脂微粒子Cが入り込み、重合体粒子Bの表面に接する。そのまま加熱を続けると、平滑化が進み、重合体粒子Bと樹脂微粒子Cとの密着性や、隣接する樹脂微粒子同士の密着性が高まることにより固着する。この平滑性と密着性を十分高めることで、トナーの良好な耐久性が実現可能となる。重合体粒子Bや樹脂微粒子Cの凝集を抑制し、より製造安定性を高めるために、分散安定剤を別途追加して添加してもよい。また、少量の界面活性剤を添加することもできる。
上記工程(v)の後は、上記樹脂微粒子Cのガラス転移温度(Tg)よりも低い温度で上記分散安定剤を除去する。その後、濾過し、洗浄し、乾燥させて、トナー粒子を得る。
本発明のトナー粒子は、高い平滑性を有している。平滑性は、SPM(走査型プローブ顕微鏡)を用い、表面粗さとして数値化することにより評価することが可能である。本発明において、表面粗さはトナー粒子の表面をSPMでスキャンした画像を解析し、平均面粗さRa値によって評価する。本発明において、トナー粒子の表面の平均面粗さRaは、20nm以下であることが好ましい。より好ましくは10nm以下である。この範囲であれば、平滑性が高く、十分な耐久性が発揮される。SPMの測定方法は後述する。
本発明における表面自由エネルギーは、重合体粒子Aの値をEAとし、重合体粒子Bの値をEBとし、樹脂微粒子Cの値をECとし、水の表面自由エネルギーの値をEWとする場合に、下記式(1)〜(3):
EW>EA>EC(1)
EA>EB(2)
EW>EC>EB(3)
の関係を満足する。
本発明における表面自由エネルギーとしては、北崎、畑らが考案した(日本接着協会紙8(3)、131〜141(1972))拡張Fowkesの理論により求めた表面自由エネルギーを用いている。この拡張Fowkesの理論によると、各物質の表面自由エネルギーγは、下記式(4)に示すように、分散成分γと双極子成分γと水素結合成分γの和によって与えられる。
γ=γ+γ+γ (4)
さらに、接触角と各成分との間には、下記式(5)の関係が成立する。
Figure 2015219289
上記式(5)中、γは、γ +γ +γ で表される液体の表面自由エネルギーを表す。γ は、液体の表面自由エネルギーの分散成分を表す。γ は、液体の表面自由エネルギーの双極子成分を表す。γ は、液体の表面自由エネルギーの水素結合成分を表す。γ は、固体の表面自由エネルギーの分散成分を表す。γ は、固体の表面自由エネルギーの双極子成分を表す。γ は、固体の表面自由エネルギーの水素結合成分を表す。θは、接触角を表す。
ここで、下記式(6)を満たす液体試料1、下記式(7)を満たす液体試料2、下記式(8)を満たす液体試料3を用いて固体の表面上での接触角θを測定し、式(5)を三元連立方程式として解くことにより、γを導出することができる。
γ ≠0,γ =γ =0 (6)
γ ≠0,γ ≠0,γ =0 (7)
γ ≠0,γ ≠0,γ ≠0 (8)
本発明で用いた液体試料とその表面自由エネルギーを表1に示す。
Figure 2015219289
本発明における重合体粒子Aの表面自由エネルギーEAは、上記工程(ii)を終えた重合体粒子Aに吸着している分散剤を除去するため、酸処理を行い、その後、濾過し、乾燥させた重合体粒子Aを用いて測定する。測定には、乾燥させた重合体粒子Aをペレット化したものを用いるのが好ましい。また、重合体粒子Bの表面自由エネルギーEBは、上記工程(iii)を終えた重合体粒子Bに吸着している分散剤を除去するため、酸処理を行い、その後、濾過し、乾燥させた重合体Bを用いて測定する。測定には、乾燥させた重合体粒子Bをペレット化したものを用いるのが好ましい。さらに、樹脂微粒子Cの表面自由エネルギーECは、樹脂微粒子Cに用いた樹脂を有機溶媒に溶解させ、ガラス板などにスピンコートし、乾燥させたものを測定する。または、樹脂微粒子Cの水分散体を乾燥させ、それをペレット化したものを用いてもよい。水の表面自由エネルギーEWは、表1の水の表面自由エネルギーの値である72.8mJ/mを用いる。表面自由エネルギーの測定に用いるサンプルの調製方法と測定方法は後述する。
次に、本発明に用いることができる材料について説明する。
重合性単量体としては、例えば、以下のものが挙げられる。
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン系単量体や、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル類や、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル類や、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
などが挙げられる。
これらの重合性単量体の中でも、スチレン系単量体と他の重合性単量体とを混合して使用することが、トナーの現像特性および耐久性の点から好ましい。そして、これら重合性単量体の混合比率は、所望する重合体粒子のガラス転移温度(Tg)を考慮して、適宜選択することが好ましい。
上記重合体粒子の製造には、重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、例えば、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤などが挙げられる。
過酸化物系重合開始剤には、有機系のものと無機系のものがある。
有機系の過酸化物系重合開始剤としては、例えば、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドなどが挙げられる。
無機系の過酸化物系重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。
より具体的には、
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;
ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;
1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;
ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;
t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート
などが挙げられる。
また、アゾ系重合開始剤としては、例えば、
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)
などが挙げられる。
重合開始剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。重合開始剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.100質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、磁性トナーとして用いることも可能であり、その場合には、以下に挙げられる磁性体が好適に用いられる。
マグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの酸化鉄や、他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niなどの金属や、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Ca、Mn、Se、Tiなどの金属との合金や、これらの混合物。より具体的には、四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄ネオジウム(NdFe)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe)、酸化鉄マンガン(MnFe)。
これらの中でも、特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄、γ−三二酸化鉄である。
磁性体は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
これらの磁性体は、平均粒径が0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることがさらに好ましい。795.8kA/m(10Kエルステッド)印加での磁気特性は、抗磁力(Hc)が1.6kA/m以上12kA/m以下(20エルステッド以上150エルステッド以下)、飽和磁化(σs)が5Am/kg以上200Am/kg以下である。好ましくは50Am/kg以上100Am/kg以下である。残留磁化(σr)は、2Am/kg以上20Am/kg以下のものが好ましい。
磁性体の使用量は、重合性単量体100質量部に対して10.0質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20.0質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
本発明のトナーにおいて使用される着色剤としては、種々の染料や顔料などの着色剤を用いることができる。
イエロー用着色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、55、74、83、93、94、95、97、98、109、110、154、155、166、180,185などが挙げられる。これらは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
マゼンタ用着色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド3、5、17、22、23、38、41、112、122、123、146、149、178、179、190、202、C.I.ピグメントバイオレット19、23などが挙げられる。これらは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
シアン用着色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3またはフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、チタンブラックおよび上記イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い、黒色に調色されたものが挙げられる。これらは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、本発明のトナーは離型剤を含有してもよい。
離型剤としては、例えば、
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;
酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;
脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;
カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス;
脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したもの、ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;
植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物
などが挙げられる。
離型剤の分子量分布としては、メインピークが分子量400以上2400以下の領域にあることが好ましく、430以上2000以下の領域にあることがより好ましい。これによって、トナーに好ましい熱特性を付与することができる。離型剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して総量で2.5質量部以上40.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
また、上記重合体粒子の製造においては、分子量の調整を目的として、連鎖移動剤を使用することができる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ペンチルメルカプタン、イソペンチルメルカプタン、2−メチルブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘプチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、t−ノニルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン、n−ペンタデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、t−ヘキサデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸のアルキルエステル類、メルカプトプロピオン酸のアルキルエステル類、クロロホルム、四塩化炭素、臭化エチレン、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
これらの連鎖移動剤は必ずしも使用する必要はないが、使用する場合、好ましい使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.05質量部以上3質量部以下である。
また、上記重合体粒子の製造においては、耐高温オフセット性の改善を目的として、少量の多官能性単量体を併用することができる。
なお、ここでいう高温オフセットとは、定着時に溶融したトナーが上述した熱ローラーや定着フィルムの表面に付着し、これが後続の被定着シートを汚染する減少である。
多官能性単量体としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどの二重結合を2個有するカルボン酸エステル、または、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物、さらに、3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。
これらの多官能性単量体は必ずしも使用する必要はないが、使用する場合、好ましい使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上1.00質量部以下である。
また、本発明においては、上述した重合性単量体組成物中に樹脂を添加して重合を行ってもよい。例えば、ポリエステル樹脂はエステル結合を数多く含む、比較的極性の高い樹脂である。このポリエステル樹脂を重合性単量体組成物中に溶解させて重合を行った場合、水系媒体中では樹脂が液滴の表面層に移行する傾向を示し、重合の進行とともに粒子の表面部に偏在しやすくなるため、造粒性が向上し、上述した離型剤の内包化が容易となる。
上記ポリエステル樹脂には、例えば、アルコール成分と酸成分とを用いて合成されたものを使用することができる。アルコール成分としては、1価のアルコール、2価のアルコール、架橋させることのできる3価以上のアルコールが挙げられる。酸成分としては、1価の酸成分、2価の酸成分、架橋させることのできる3価以上の酸成分が挙げられる。
2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、下記式(i)で示されるビスフェノール誘導体、
Figure 2015219289
(式(i)中、R11およびR12は、それぞれ独立して、エチレン基、または、プロピレン基を示す。xおよびyは、括弧内の構造の繰り返し数を示し、それぞれ独立して、1以上の整数である。x+yの平均値は、2以上10以下である。)
下記式(ii)で示されるジオール類
Figure 2015219289
(式(ii)中、R21およびR22は、それぞれ独立して、エチレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、または、2,2−ジメチルエチレン基を示す。)
が挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。
これらのアルコール成分は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
2価の酸成分としては、例えば、ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのジカルボン酸;無水フタル酸、無水マレイン酸などのジカルボン酸無水物や、テレフタル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、アジピン酸ジメチルなどのジカルボン酸の低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、アジピン酸ジメチルなどのジカルボン酸の低級アルキルエステルまたはその誘導体が好ましい。
3価以上の酸成分としては、例えば、トリメリット酸、1,2,4−トリカルボン酸トリn−エチル、1,2,4−トリカルボン酸トリn−ブチル、1,2,4−トリカルボン酸トリn−ヘキシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘキシル、トリカルボン酸などの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
1価の酸成分としては、例えば、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸などが挙げられる。
1価のアルコ−ル成分としては、例えば、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、ラウリルアルコール、2−エチルヘキサノール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコールなどが挙げられる。
1価の酸成分や1価のアルコール成分は、ポリエステル樹脂の特性を損なわない程度に使用することが好ましい。
ポリエステル樹脂の使用量は、重合性単量体100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。1質量部以上であれば使用効果を十分に得ることができ、20質量部以下であればトナーの種々の物性を設計しやすくなる。
また、本発明のトナーは、荷電特性の安定化を目的として、必要に応じて荷電制御剤を含有させることができる。含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法がある。内部に添加する場合には、重合性単量体の重合に対する阻害性が低く、水系媒体への可溶化物を実質的に含まない荷電制御剤が好ましい。荷電制御剤としては、ネガ系荷電制御剤、ポジ系荷電制御剤が挙げられる。
ネガ系荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料またはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、スルホ基(スルホン酸基ともいう。)やカルボキシ基(カルボン酸基ともいう。)を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなどが挙げられる。
ポジ系荷電制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物などが挙げられる。
荷電制御剤をトナー粒子に内部添加する場合、荷電制御剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。また、トナー粒子に外部添加する場合、荷電制御剤の使用量は、トナー粒子100質量部に対して0.005質量部以上1.0質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上0.30質量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子には、流動性向上剤(外添剤)が外部添加されていることが画質向上のために好ましい。流動性向上剤としては、例えば、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子などの無機微粒子が挙げられる。無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイル、または、それらの混合物などの疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
本発明のトナーは、そのまま一成分系現像剤として使用することもでき、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することもできる。二成分系現像剤として用いる場合、混合する磁性キャリアの平均粒径は、10μm以上100μm以下であることが好ましい。二成分系現像剤中のトナーの量は、二成分系現像剤全質量に対して2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明に係る樹脂微粒子Cおよび樹脂微粒子Bに用いられる樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂は、シャープメルト性や、芯粒子に用いられる重合性単量体への溶解性の観点から好ましい。また、上記樹脂を複数併用したものや、結晶化されたもの、ハイブリッド化させたものも用いることができる。さらに、樹脂の一部が変性されたものを用いることもでき、帯電などの機能を持たせた樹脂を用いることもできる。
樹脂微粒子Cおよび樹脂微粒子BのD50、D10およびD90は、樹脂微粒子を構成する樹脂の物性や、樹脂微粒子の製造条件によって制御することが可能である。樹脂微粒子Cおよび樹脂微粒子Bの物性は、樹脂微粒子を構成する樹脂の酸価、官能基の種類、分子量で制御することが可能である。
樹脂微粒子を構成する樹脂には、樹脂微粒子の水分散安定性や、トナーの帯電性の観点から、親水性官能基を含有させるのが好ましい。親水性官能基としては、トナーの製造安定性の観点から、カルボキシ基、スルホ基が好ましい。このときの酸価は、樹脂微粒子の分散安定性や、トナーの帯電安定性の観点から、5.0mgKOH/g以上50.0mgKOH/g以下であることが好ましい。5.0mgKOH/g以上であると、分散安定剤への十分な付着力が得られ、十分な被覆率が得られるため、耐熱性の悪化が抑制される。また、50.0mgKOH/g以下であれば、高湿環境下におけるトナーの帯電量変化が起きにくく、帯電性の環境差が抑制される。
上記した樹脂微粒子を構成する樹脂に含有される親水性官能基の種類や酸価は、樹脂微粒子を構成する樹脂に、親水性官能基を含有する単量体や、その他の構成材料を使用することで制御することが可能である。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、転相乳化法などの方法によって製造することができる。これらの製造方法の中でも、転相乳化法は、乳化剤や分散安定剤を必要とせず、より小粒径の樹脂微粒子が容易に得られるため、好ましい。
転相乳化法では、自己分散性を有する樹脂、または、中和によって自己分散性を発現し得る樹脂を使用する。ここで、自己水分散性有する樹脂とは、水系媒体中で自己分散が可能な官能基を分子内に含有する樹脂であって、例えば、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、もしくはこれらの塩を含有する樹脂である。また、中和によって自己分散性が発現し得る樹脂とは、中和によって親水性が増大し、水系媒体中での自己分散が可能となり得る官能基を、分子内に含有する樹脂である。
これらの樹脂を有機溶剤に溶解させ、必要に応じて中和剤を加え、撹拌しながら水系媒体と混合すると、上記樹脂の溶解液が転相乳化を起こして微小な粒子を生成する。有機溶剤は、転相乳化後に加熱、減圧などの方法を用いて除去することができる。
このように、転相乳化法によれば、実質的に乳化剤や分散安定剤を用いることなく、安定した樹脂微粒子の水系分散体を得ることができる。
また、自己分散性を有する樹脂、または中和によって自己分散性を発現し得る樹脂を有機溶剤に溶解させる工程において、界面活性剤を添加し、転相乳化を行う方法も好ましい。転相乳化時に界面活性剤を添加しておくと、上述の微粒子固着工程での凝集を抑制する効果が高まり、製造安定性が高まる。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系などのアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型などのカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系などのノニオン界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤は併用してもよい。
界面活性剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
界面活性剤は、自己分散性を有する樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10.0質量部以下用いることが、良好な凝集抑制効果と帯電性能のバランスが取れるため好ましい。
本発明における芯粒子を作製する際には、分散安定剤が難水溶性無機塩であり、得られたトナー粒子に含有される難水溶性無機塩が1.0質量%以下であることがより好ましい。分散安定剤として難水溶性無機塩を用いることで、洗浄処理が容易になり、トナー粒子に残存する難水溶性無機塩の量を少なくすることができる。また、1.0質量%以下であることで、難水溶性無機塩のトナーの性能への影響を抑えることが可能であり、より優れた帯電安定性、低温定着性を有するトナーを得ることができる。難水溶性無機塩の含有率は難水溶性無機塩が溶解性を示すpH条件でトナー粒子を十分に洗浄することで制御することが可能である。
また、本発明においては、難水溶性無機塩の存在下で樹脂微粒子を添加し、外殻を形成することがより好ましい。難水溶性無機塩が存在することで、トナー粒子製造時の分散安定性が向上し、製造安定性が良好になる。また、樹脂微粒子が芯粒子に対して埋没するのを抑制する効果もあり、優れた耐熱保存性を得ることができる。なお、好ましい難水溶性無機塩としては、リン酸三カルシウムが挙げられる。リン酸三カルシウムを用いたときには、水系媒体のpHを3.0以上に保つことで、リン酸三カルシウムの存在下で外殻を形成することが可能となる。
本発明により製造したトナーは、重量平均粒子径(D4)が3.0μm以上12.0μm以下であり、D4と個数平均粒子径(D1)との比(D4/D1)が1.40以下であることが好ましい。上記範囲にあることで、トナーとしての性能と優れた電子写真特性を得ることができる。D4が3.0μm以上であれば、電子写真システムにおける種々の特性が低下しにくく、電子写真感光体のクリーニング不良やトナーの転写不良が生じにくくなる。D4が12.0μm以下であれば、低温定着性を目指した軟らかいトナーにおいても、トナーの耐久性が低下しにくくなる。大きな粒子の中には、樹脂微粒子単独の凝集塊やトナー粒子同士の合一粒子が含まれている場合がある。大きな粒子は、トナーの低温定着性や種々の電子写真特性が低下させる場合がある。また、(D4/D1)が1.40以下であれば、個々のトナー粒子の外殻のばらつきが抑えられ、トナーの耐久性の低下が抑制される。なお、(D4/D1)は粒子径の分布の程度を示す指標であり、完全に単分散である場合には1.00を示す。(D4/D1)が1.00よりも大きいほど、粒子径の分布が広いことを示す。
また、本発明において、トナーの個数分布における2.0μm以下の粒子の含有量が15個数%以下であることが好ましい。該粒子の含有量が15個数%以下であれば、現像器内において該粒子が帯電部材などに蓄積されにくく、現像安定性の低下が抑えられる。本発明において、芯粒子と樹脂微粒子の密着性が十分でない場合や、樹脂微粒子同士の凝集が生じてしまった場合、樹脂微粒子および樹脂微粒子同士の凝集塊が2.0μm以下の粒子として検出されやすく、部材汚染などの問題が生じやすくなる。親水性基を含有する樹脂微粒子の凝集塊が多数存在する場合、高湿環境下において帯電量の著しい低下が見られる場合もある。
また、トナーの平均円形度は、転写性の観点から、0.945以上0.995以下であることが好ましく、0.960以上0.990以下であることが好ましい。平均円形度が0.945以上であれば、現像器内においてトナーの凹部や凸部からのトナーの割れが抑えられ、割れたトナーが帯電部材などに堆積することによる現像安定性能の低下が抑制される。本発明においては、トナー粒子の表面における上記樹脂微粒子の付着状態が均一でないとトナーの平均円形度が小さい値となりやすく、現像器内で樹脂微粒子が芯粒子から剥がれ落ちてしまう場合がある。平均円形度が0.995以下であれば、トナーの過密な充填が抑えられ、低温定着性の向上を目指した場合であっても、現像安定性の低下が抑えられる。また、形状が球形過ぎることがないため、電子写真感光体のクリーニングにおいて、クリーニングブレードをすり抜けることが生じにくくなる。
以下に本発明で用いられる測定方法について示す。
〈表面自由エネルギー〉
表面自由エネルギーの測定には、接触角計(協和界面科学(株)製)を用いる。本接触角計では、測定試料に溶液の液滴を試料の表面に着滴させ、着滴した液滴の画像から測定試料の接触角を測定することができる。使用する溶液としては、n−ヘキサデカン、ジヨードメタン、水の三種類を用い、各々の溶液に対する試料の接触角を測定する。得られた接触角の値を北崎・畑の式を用いて、表面自由エネルギーを算出する。
接触角の測定は25℃の環境下で行う。着滴させる液滴は、シリンジの針先に形成させ、その滴下量が1.0μLになるように調整する。測定試料を載せた試料台を静かに上げ、測定試料の表面に着滴させ、試料の表面にできた液滴の着滴後75m秒時の画像を取り込み、装置付属の解析ソフト「FAMAS」により接触角を測定する。また、測定回数は3回以上行い、平均値をその試料における接触角とする。さらに、上記ソフトを用い、得られた接触角から表面自由エネルギーを計算する。
測定試料は、スピンコートサンプル、または、ペレットサンプルを用いる。スピンコートサンプルは、スピンコーター(SPINCOATER 1H−D7、ミカサ(株)製)を用いて作製する。まず、任意の試料樹脂をTHFに溶解させた10質量%THF溶液を作製する。この試料溶液を用い、スピンコーター上に設置したスライドガラス上に数滴滴下した後、以下の条件で回転させ、樹脂をコートさせたスライドガラスを作製する。スピンコーター回転条件は以下のとおりである。
回転数:500rpm
時間:30秒
測定には、溶媒除去のために真空乾燥機(25℃)にて一晩乾燥させた試料を用いる。
また、ペレットサンプルは、長辺30.0mm、短辺12.5mm、厚さ2.0〜3.0mm、厚さの均一度が±0.05mmとなるよう錠剤整形器を用いて温度25℃、圧力50MPa、加圧時間30分で成形する。
〈平均面粗さRa(nm)〉
トナー粒子の平均面粗さRa(nm)は走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いて評価した。SPMはエスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製E−sweep(プローブステーションはNanonaviReal)を用いた。観察領域は1μm×1μmとし、xデータ数256、yデータ数256とした。観察にはカンチレバーDF20(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を使用した。得られたSPM像は装置付属のソフトウエア(SPIWin)にある平坦化処理を施し、表面粗さRa値を得た。なお、平坦化処理は基本的に3次傾き補正とし、必要に応じてフラット処理を施した。SPM観察は同一条件で作成したトナー粒子を3粒子以上で実施し、Ra値は平均値を用いた。
〈ガラス転移温度〉
トナーおよび樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)は、例えば、TAインスツルメント社製の示差走査熱量計(Q1000)を用い、以下のようにして求めることができる。
まず、試料6mgをアルミパンに精秤し、空のアルミパンをリファレンスパンとして用意し、窒素雰囲気下、測定温度範囲20〜150℃で、昇温速度2℃/分、モジュレーション振幅±0.6℃、周波数1回/分の条件で測定を行う。
測定によって得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線から、吸熱を示す曲線と前後のベースラインとの接線を描き、それぞれの接線の交点を結ぶ直線の中点を求めて、これをガラス転移温度とする。
〈トナー粒子の粒径〉
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンターMultisizer3、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version 3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解させて濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように上記専用ソフトの設定を行った。
上記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTONIIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
上記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに上記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに上記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra 150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)上記(2)のビーカーを上記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ上記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した上記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の上記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。なお、上記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が、重量平均粒径(D4)である。また、上記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が、個数平均粒径(D1)である。
〈樹脂微粒子の体積基準のD50〉
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒径分布測定装置を用いて測定した。具体的には、JISZ8825−1(2001年)に準じて測定される。測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」((株)堀場製作所製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows(登録商標) WET(LA−920)Ver.2.02」を用いる。また、測定溶媒としては、あらかじめ不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。測定手順は、以下のとおりである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、相対屈折率を樹脂微粒子に
対応した値に設定する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行った後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
(7)ガラス製の100mL平底ビーカーに樹脂微粒子分散液を3mL入れる。さらに57mLのイオン交換水を入れて樹脂微粒子分散液を希釈する。この中に分散剤として、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「UltrasonicDispensionSystemTetora150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(9)上記(7)のビーカーを上記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(10)60秒間超音波分散処理を継続する。また、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(11)上記(10)で調製した樹脂微粒子分散液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%〜95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、D50を算出する。
〈2.0μm以下の粒子の含有量〉
フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−3000、シスメックス社製)によって、校正作業時の測定および解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。
まず、ガラス製の容器中にあらかじめ不純固形物などを除去したイオン交換水150mLを準備する。このイオン交換水150mLに、分散剤としてノニオン系界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を0.5g加えた後、トナー0.15gを加え、分散液を作製する。次に、卓上型超音波分散機(例えば「VSX−750」(SONICS&MATERIALS製)、プローブとしてタップ型プローブ1/2インチ(SONICS&MATERIALS製)を用いる。)を、発振周波数20kHz、振幅24μmになるように調整して、分散液に対して5分間分散処理を行い、第一の測定用溶液とする。一方、同上の卓上型超音波分散機を、発振周波数20kHz、振幅120μmになるように調整して、上記分散液に対して30分間分散処理を行い、第二の測定用溶液とする。なお、上記分散液を超音波処理する際には、分散液の温度が10℃以上30℃以下となるように適宜冷却する。
超音波処理によって遊離する微粒子の測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した上記フロー式粒子像分析装置を用いる。なお、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。上記手順に従って調製した第一の測定用溶液または第二の測定用溶液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、定量カウントモードにて計測して、0.500μm以上39.690μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。計測後、0.500μm以上1.985μm未満の粒子の存在比[個数%]を求め、第一の測定用溶液の結果からE1[個数%]を、第二の測定用溶液の結果からE2[個数%]の値を得る。測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「5100A」をイオン交換水で希釈する。)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
分散液に、20kHz、振幅24μmの超音波を5分間照射した場合には、主にトナー粒子の表面に付着している固着強度の弱い樹脂微粒子が遊離することにより、E1が増加する。一方、分散液に、20kHz、振幅120μmの超音波を30分間照射した場合には、付着している樹脂微粒子の他に、外殻の剥がれや、コアシェル構造を有するトナー自体が割れることによりE2が増加する。
〈酸価〉
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JISK0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1mol/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学(株)製)を用いて滴定を行う。上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業(株)製の電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100mol/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。上記0.100mol/L塩酸は、JISK8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
以下に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業(株)製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業(株)製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーターならびに制御パラメーターは以下のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
本試験;
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解させる。上記電位差滴定装置を用い、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする。)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(上記式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈合成例1:樹脂微粒子B−1〉
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器にメチルエチルケトン100.0質量部を仕込み、窒素雰囲気下、温度80℃に昇温した。次いで、以下の単量体からなる混合物に重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3.0質量部を添加し、撹拌しながら2時間かけて滴下した。
スチレン:72.2質量部
n−ブチルアクリレート(アクリル酸n−ブチル):14.0質量部
アクリル酸:7.8質量部
次いで、上記温度を保持しながら10時間重合反応を行い、冷却後、反応溶液をヘキサン中に滴下して再沈精製を行い、濾過し、乾燥させて樹脂B−1を得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、メチルエチルケトン150.0質量部を仕込み、上記樹脂B−1を100.0質量部加えて溶解させた。
次いで、ジメチルアミノエタノール9.0質量部を加え、10分間撹拌を行った後、イオン交換水500.0質量部を添加して水分散させた。
得られた水分散体を減圧蒸留して脱溶剤し、イオン交換水を加えて分散液中の樹脂濃度が20%になるように調製した。これを樹脂微粒子B−1の水分散体とした。
〈合成例2:樹脂微粒子B−2〉
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200質量部を仕込み、窒素気流下で還流した。単量体として、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:6.0質量部
スチレン:72.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート:18.0質量部
を混合し、上記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥させ、樹脂B−2を得た。
1Lのトールビーカーにテトラヒドロフラン(THF)100質量部を投入し、撹拌しながら樹脂B−260質量部を少しずつ添加し、溶解させた。そこへジメチルアミノエタノール1.50質量部を添加し、十分に混合した。撹拌を続けながら蒸留水180質量部を30分間かけて滴下した後、エバポレータにてTHFを留去し樹脂微粒子B−2の水分散体を得た。
〈合成例3:樹脂微粒子B−3〉
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に以下の単量体を仕込み、エステル化触媒としてテトラブトキシチタネート0.03質量部を添加し、窒素雰囲気下、220℃に昇温して、撹拌しながら5時間反応を行った。
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:46.5質量部
エチレングリコール:8.4質量部
テレフタル酸:23.5質量部
イソフタル酸:15.6質量部
無水トリメリット酸:2.0質量部
次いで、反応容器内を5〜20mmHgに減圧しながら、さらに5時間反応を行い、樹脂B−3を得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、得られた樹脂B−3100.0質量部とメチルエチルケトン45.0質量部、テトラヒドロフラン45.0質量部を仕込み、溶解させた。その後、トリエチルアミン8.4質量部を加え、中和した。
次いで、撹拌下、イオン交換水300.0質量部を添加して水分散させた後、得られた水分散体を蒸留装置に移し、留分温度が100℃に達するまで蒸留を行った。
冷却後、得られた水分散体にイオン交換水を加え、分散液中の樹脂濃度が20%になるように調整した。これを、樹脂微粒子B−3の水分散体を得た。
〈合成例4:樹脂微粒子C−1〉
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に以下の単量体を仕込み、エステル化触媒としてテトラブトキシチタネート0.03質量部を添加し、窒素雰囲気下、220℃に昇温して、撹拌しながら5時間反応を行った。
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:50.0質量部
エチレングリコール:10.0質量部
テレフタル酸:25.0質量部
イソフタル酸:25.0質量部
無水トリメリット酸:5.0質量部
次いで、反応容器内を5〜20mmHgに減圧しながら、さらに5時間反応を行い、樹脂C−1を得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、得られた樹脂a100.0質量部とメチルエチルケトン45.0質量部、テトラヒドロフラン45.0質量部を仕込み、溶解させた。
次いで、ジメチルアミノエタノール9.1質量部およびイオン交換水300.0質量部を添加して水分散させた後、得られた水分散体を蒸留装置に移し、留分温度が100℃に達するまで蒸留を行った。
冷却後、得られた水分散体にイオン交換水を加え、分散液中の樹脂濃度が20%になるように調整した。このようにして、樹脂微粒子C−1の水分散体を得た。
〈合成例5:樹脂微粒子C−2〉
単量体の仕込み量を以下のように変更した以外は、合成例1と同様にして樹脂微粒子C−2の水分散体を得た。
スチレン:75.0質量部
n−ブチルアクリレート:20.0質量部
アクリル酸:5.0質量部
〈合成例6:樹脂微粒子C−3〉
単量体の仕込み量を以下のように変更した以外は、合成例1と同様にして樹脂微粒子C−3の水分散体を得た。
スチレン:70.0質量部
アクリル酸:20.0質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート:10.0質量部
得られた樹脂微粒子の粒径と物性値を表2に示す。
Figure 2015219289
〈合成例7:極性樹脂F−1〉
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器にキシレン500.0質量部を仕込み、窒素雰囲気下、昇温して還流させた。次いで、以下の単量体からなる混合物に重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.1質量部を添加し、撹拌しながら2時間かけて滴下した。
スチレン:83.8質量部
メタクリル酸メチル:2.5質量部
メタクリル酸:1.7質量部
n−ブチルアクリレート:12.0質量部
次いで、上記温度を保持しながら10時間重合反応を行い、冷却後、反応溶液をヘキサン中に滴下して再沈精製を行い、濾過し、乾燥させて、極性樹脂F−1を得た。
〈合成例8:極性樹脂F−2〉
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器にキシレン500.0質量部を仕込み、窒素雰囲気下、昇温して還流させた。次いで、以下の単量体からなる混合物に重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5質量部を添加し、撹拌しながら2時間かけて滴下した。
メタクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル:23.0質量部
ライトエステルFM−108(共栄社化学(株)製):22.0質量部
メタクリル酸:53.0質量部
アクリル酸:2.0質量部
次いで、上記温度を保持しながら10時間重合反応を行い、冷却後、反応溶液をヘキサン中に滴下して再沈精製を行い、濾過し、乾燥させて、極性樹脂F−1を得た。
得られた極性樹脂の物性値を表3に示す。
Figure 2015219289
表中のMwは、重量平均分子量を意味する。
〔実施例1〕
〈トナー1の作製〉
(重合体粒子Aを有する分散液Aの作製)
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた四つ口容器中に0.125mol/LのNaPO水溶液1000質量部と1.0mol/LのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.25mol/L−CaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
スチレン:70.0質量部
n−ブチルアクリレート:30.0質量部
極性樹脂F−1:5.0質量部
ピグメントブルー15:3:6.0質量部
サリチル酸アルミニウム化合物(商品名:ボントロンE−88、オリエント化学工業(株)製):1.2質量部
ジビニルベンゼン:0.04質量部
離型剤(フィッシャートロップシュワックス、吸熱メインピーク温度:77.1℃):9.0質量部
上記材料をアトライターで3時間分散させて得られた重合性単量体組成物1を60℃で20分保持した。その後、重合性単量体組成物1に重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート10.0質量部(トルエン溶液50%)を添加した。重合開始剤添加後の重合性単量体組成物1を水系媒体中に投入し、高速撹拌装置の回転数を12,000rpmに維持しつつ10分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら6時間反応させた。反応を終えた重合体粒子Bを有する分散液Bを少量抜き取り、室温まで冷却し、希塩酸を加えpH=1.5に調整して1時間以上撹拌した後、濾過し、水洗し、乾燥させ、重合体粒子Aの物性を測定した。ガラス転移温度(Tg)は47.2℃であった。また、重量平均粒径(D4)が6.40μm、個数平均粒径(D1)が5.66μmで、D4/D1=1.13であり、良好な粒度分布であることを確認した。さらに、表面自由エネルギーは、70.0mJ/mであった。
〈重合体粒子Bを含有する分散液Bを得る工程(表面処理工程)〉
反応を終えた重合体粒子Aを含有する分散液Aの反応装置から還流管を取り外し、蒸留装置を取り付けた。容器内の温度が100℃の蒸留を5時間行った。蒸留留分は500質量部であった。その後、蒸留温度のまま、アルコキシシランとして、メチルトリメトキシシランを6.1質量部加え2時間撹拌した。アルコールを含む留分を100質量部回収した。このようにして重合体粒子Bを含有する分散液Bを得た。分散液Bは少量抜き取り、室温まで冷却し、希塩酸を加えpH=1.5に調整して1時間以上撹拌した後、濾過し、水洗し、乾燥させ、重合体粒子Bの表面自由エネルギーを測定した。表4に示す。
〈樹脂微粒子Cを付与し、トナー粒子を得る工程(固着平滑化工程)〉
得られた重合体粒子Bを含有する分散液Bを固形分が20%となるよう調製し、500.0質量部(固形分:100.0質量部)を80℃に設定した。80℃を保持し、pHが8.5になるよう炭酸ナトリウム水溶液を添加した。次に、樹脂微粒子C−115.0質量部(固形分:3.0質量部)を緩やかに添加し、200回転/分で60分間撹拌を行った。その後、1.0℃/分の速度で20℃まで冷却した後、pHが1.5になるまで10%塩酸を加え撹拌した。その後、濾過し、水洗し、乾燥させて、トナー粒子1を得た。なお、樹脂微粒子C−1添加直後と固着平滑化工程後のサンプルを一部採取し、SEMにより表面状態を観察した。添加直後は重合体粒子B上に樹脂微粒子C−1が均一に付着している様子が観察された。また、固着平滑化工程後は、平滑化が十分に進行し、樹脂微粒子Bを樹脂微粒子C−1で被覆できていることを確認した。
(外添)
シリカ微粒子100質量部を、10質量部のヘキサメチルジシラザンで処理し、さらに10質量部のシリコーンオイルで処理して、一次粒径:12nm、BET比表面積:120m/gの疎水性シリカ微粒子を調製した。次いで、分級したトナー粒子1100.0質量部を量り取り、該疎水性シリカ微粒子1.0質量部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)を用いて混合し、トナー1を得た。
〔実施例2〜10〕
重合体粒子Aを有する分散液Aを作製するところまでは実施例1と同様に行った。その後、表4に示すように原料および製造条件を変更した以外は実施例1の製造方法と同様にしてトナー2〜10を得た。
Figure 2015219289
〔実施例11〕
重合体粒子Aを有する分散液Aを作製するところまでは実施例1と同様に行った。得られた重合体粒子Aを有する分散液Aを固形分が20%となるよう調製し、500.0質量部(固形分:100.0質量部)80℃に設定した。80℃を保持し、pHが8.5になるように炭酸ナトリウム水溶液を添加した。次に、樹脂微粒子B−15.0質量部(固形分:1.0質量部)を添加し、30分間撹拌した(表面処理工程)。このようにして重合体粒子Bを含有する分散液Bを得た。その後、樹脂微粒子C−115.0質量部(固形分:3.0質量部)を緩やかに添加し、200回転/分で60分間撹拌を行った(固着平滑化工程)。その後、1.0℃/分の速度で20℃まで冷却した後、pHが1.5になるまで10%塩酸を加え撹拌した。その後、濾過し、水洗し、乾燥させ、分級して、トナー粒子11を得た。
なお、分散液Bは少量抜き取り、室温まで冷却し、希塩酸を加えpH=1.5に調整して1時間以上撹拌した後、濾過し、水洗し、乾燥させ、重合体粒子Bの表面自由エネルギーを測定した。表4に記載する。また、樹脂微粒子C−1添加直後と固着平滑化工程後のサンプルを一部採取し、SEMにより表面状態を観察した。添加直後は重合体粒子B上に樹脂微粒子C−1が均一に付着している様子が観察された。また、固着平滑化工程後は、平滑化が十分に進行し、樹脂微粒子Bを樹脂微粒子C−1で被覆できていることを確認した。
外添は、実施例1と同様に行い、トナー11を得た。
〔実施例12〜16〕
表5に示すように原料および製造条件を変更した以外は、実施例11の製造方法と同様にしてトナー12〜16を得た。
Figure 2015219289
〔実施例17〕
重合体粒子Aを有する分散液Aを作製するところまでは実施例1と同様に行った。得られた重合体粒子Aを有する分散液Aを固形分が20%となるよう調製し、500.0質量部(固形分:100.0質量部)80℃に設定した。80℃を保持し、pHが8.5になるように炭酸ナトリウム水溶液を添加した。次に、水溶性樹脂(商品名:Joncryl61、BASF社製)1.6質量部(固形分:0.5質量部)を添加し、5分間撹拌した後、pHが6.8になるよう1%塩酸を滴下し、水溶性樹脂を析出させ、30分間撹拌した(表面処理工程)。このようにして、重合体粒子Aの表面に析出させた水溶性樹脂を付着させ、重合体粒子Bを含有する分散液Bを得た。その後、樹脂微粒子C−115.0質量部(固形分:3.0質量部)を緩やかに添加し、200回転/分で60分間撹拌を行った(固着平滑化工程)。その後、1.0℃/分の速度で20℃まで冷却した後、pHが1.5になるまで10%塩酸を加え撹拌した。その後、濾過し、水洗し、乾燥させ、分級して、トナー粒子17を得た。
なお、分散液Bは少量抜き取り、室温まで冷却し、希塩酸を加えpH=1.5に調整して1時間以上撹拌した後、濾過し、水洗し、乾燥させ、重合体粒子Bの表面自由エネルギーを測定した。表6に示す。また、樹脂微粒子C−1添加直後と固着平滑化工程後のサンプルを一部採取し、SEMにより表面状態を観察した。添加直後は重合体粒子B上に樹脂微粒子C−1が均一に付着している様子が観察された。また、固着平滑化工程後は、平滑化が十分に進行し、樹脂微粒子Bを樹脂微粒子C−1で被覆できていることを確認した。
外添は、実施例1と同様に行い、トナー17を得た。
〔実施例18〜20〕
表6に示すように原料および製造条件に変更した以外は、実施例17の製造方法と同様にしてトナー18〜20を得た。
Figure 2015219289
〔比較例1〕
重合体粒子Aを有する分散液Aを作製するところまでは実施例1と同様に行い、重合体粒子Aを有する分散液Aを得た。得られた重合体粒子Aを有する分散液Aを固形分が20%となるよう調製し、500.0質量部(固形分:100.0質量部)80℃に設定した。80℃を保持し、pHが8.5になるように炭酸ナトリウム水溶液を添加した。次に、樹脂微粒子C−115.0質量部(固形分:3.0質量部)を緩やかに添加し、200回転/分で60分間撹拌を行った(固着平滑化工程)。その後、1.0℃/分の速度で20℃まで冷却した後、pHが1.5になるまで10%塩酸を加え撹拌した。その後、濾過し、水洗し、乾燥させて、トナー粒子21を得た。トナー粒子21の表面状態をSEMにより観察したところ、樹脂微粒子C−1で重合体粒子Aを被覆しているが、樹脂微粒子C−1由来の凹凸が残っていることが確認できた。
外添は、実施例1と同様に行い、トナー21を得た。
〔比較例2〕
比較例1の固着平滑化を60分間から180分間に変更した以外は、比較例1と同様にしてトナー22を得た。トナー粒子22をSEMにより表面状態を観察した。平滑化が進行していることが確認できた。
〔比較例3〕
樹脂微粒子C−1を樹脂微粒子B−2に変更した以外は、実施例17と同様にしてトナー23を得た。表面状態をSEMにより観察したところ、樹脂微粒子B−2由来の凹凸が残っていることが確認できた。
〔比較例4〕
トナー組成物混合液の作製:
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/テレフタル酸誘導体の共重合ポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):62℃、軟化点:102℃、重量平均分子量(Mw):21000):100質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3:5.00質量部
・パラフィンワックス(融点72.3℃):8.00質量部
・サリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE−88:オリエント化学工業(株)製):1.2質量部
・酢酸エチル:100質量部
上記材料を容器中でよくプレミックスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで6時間分散し、トナー組成物混合液を作製した。
トナー粒子の作製:
イオン交換水240質量部に0.100mol/L−NaPO水溶液78.0質量部を投入し、60℃に加温した後、クレアミクス(エム・テクニック社製)を用いて14,000rpmにて撹拌した。これに1.00mol/L−CaCl水溶液12部を添加し、Ca(POを含む分散媒体を得た。さらに、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲンBS−H、第一工業製薬(株)製)1.00質量部を添加し10分間撹拌した。
上記ホモミキサーの容器中で調製した上記分散媒体を30℃に調整し、撹拌している中に、30℃に調整したトナー組成物混合液180質量部を投入し、1分間撹拌した後停止してトナー組成物分散懸濁液を得た。得られたトナー組成物分散懸濁液を撹拌しながら40℃一定で、排気装置により懸濁液面上の気相を強制更新して、17時間そのままに保ち溶媒を除去した。このようにして、表面処理前の分散液を得た。なお、得られた分散液の一部を室温まで冷却させた後、塩酸を加えてCa(POを溶解させ、濾過し、水洗し、乾燥させて、表面処理前のトナー粒子を得た。得られた表面処理前のトナー粒子の表面自由エネルギーは、65.3mJ/mだった。
得られた表面処理前の分散液を固形分が20%となるよう調製し、500.0質量部(固形分:100.0質量部)80℃に設定した。80℃を保持し、pHが8.5になるように炭酸ナトリウム水溶液を添加した。次に、樹脂微粒子B−15.0質量部(固形分:1.0質量部)を添加し、30分間撹拌した(表面処理工程)。このようにして表面処理後の分散液を得た。その後、樹脂微粒子C−115.0質量部(固形分:3.0質量部)を緩やかに添加し、200回転/分で60分間撹拌を行った(固着平滑化工程)。その後、1.0℃/分の速度で20℃まで冷却した後、pHが1.5になるまで10%塩酸を加え撹拌した。その後、濾過し、水洗し、乾燥させて、トナー粒子20を得た。トナー粒子20の表面状態をSEMで観察したところ、樹脂微粒子C−1の付着が不均一な状態であることが確認できた。
なお、表面処理後の分散液は少量抜き取り、室温まで冷却し、希塩酸を加えpH=1.5に調整して1時間以上撹拌した後、濾過し、水洗し、乾燥させ、表面処理後のトナー粒子の表面自由エネルギーを測定した。63.5mJ/mであった。
外添は、実施例1と同様に行い、トナー24を得た。
〔比較例5〕
極性樹脂F−1を極性樹脂F−2に変更した以外は、実施例1と同様にして重合体粒子Aを有する分散液Aを得た。得られた分散液の一部を室温まで冷却させた後、塩酸を加えてCa(POを溶解させ、濾過し、水洗し、乾燥させて、トナー粒子25を得た。ガラス転移温度(Tg)は49.3℃だった。表面自由エネルギーは、23.2mJ/mであった。また、重量平均粒径(D4)が5.55μm、個数平均粒径(D1)が3.95μmで、D4/D1=1.41であり、粒度分布が悪化した。そのため、表面処理工程以降は実施しなかった。
実施例1〜20、および、比較例1〜4での表面自由エネルギーの関係と、得られたトナーの物性を表7に示す。
Figure 2015219289
得られたトナー粒子1〜24、トナー1〜24に関して以下の評価を実施した。
〈平滑性〉
トナー粒子を導電性テープ上に載せ、白金蒸着を実施した後、上述した平均面粗さRaを測定した。得られた表面粗さRa値を表8に示す。
〈耐熱性〉
トナー粒子5.0gを100mLのポリカップに量り取り、これを内部温度55℃の恒温槽に入れて5日間放置した。その後、ポリカップを取り出して、凝集度を測定した。
測定装置としては、パウダーテスター(商品名)(ホソカワミクロン(株)製)の振動台側面部分に、デジタル表示振動計(商品名:デジバイブロMODEL1332A、(株)昭和測器製)を接続したものを用いた。そして、パウダーテスターの振動台に下から、目開き250μm(60メッシュ)の篩、目開き500μm(30メッシュ)の篩、目開き710μm(22メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、23℃、60%RH環境下で、以下のようにして行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように振動台の振動幅をあらかじめ調整した。
(2)トナー5gを最上段の目開き710μmの篩上に静かに載せた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式に基づき凝集度を算出した。得られた凝集度は表8に示す。
凝集度(%)={(目開き710μmの篩上の試料質量(g)/5(g)}×100
+{(目開き500μmの篩上の試料質量(g)/5(g)}×100×0.6
+{(目開き250μmの篩上の試料質量(g)/5(g)}×100×0.2
〈2.0μm以下の粒子の含有量〉
トナー粒子1〜24に関して、上述した2.0μm以下の粒子の含有量の測定方法に従って、2.0μm以下の粒子の含有量を求めた。E1およびE2を表8に示す。
〈耐久性〉
カラーレーザープリンター(商品名:LBP−7700C,キヤノン(株)製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、これにトナーを90g充填した。該シアンカートリッジを温度30℃、湿度80%RHの環境下で10日間静置した。該カートリッジをプリンターのシアンステーションに装着し、常温常湿下(23℃、60%RH)、受像紙(キヤノン(株)製のオフィスプランナー64g/m)を用いて、印字率2%チャートを8000枚連続して画像出力し、ハーフトーン画像を出力した。8000枚画像出力後の現像ローラー上、および、ハーフトーン画像のハーフトーン部のスジの本数を確認した。結果を表8に示す。
Figure 2015219289

Claims (10)

  1. (i)重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加えて、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物の粒子を形成する工程と、
    (ii)前記粒子に含有される前記重合性単量体を重合させて、重合体粒子Aを含有する重合体粒子Aの分散液Aを得る工程と、
    (iii)前記分散液Aに含有される前記重合体粒子Aの表面を処理して、表面自由エネルギーが前記重合体粒子Aの表面自由エネルギーよりも小さい重合体粒子Bを含有する分散液Bを得る工程と、
    (iv)前記分散液Bに樹脂微粒子Cを添加して、前記重合体粒子Bの表面に前記樹脂微粒子Cを付与して分散液Cを得る工程と、
    (v)前記分散液Cを前記樹脂微粒子Cのガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、トナー粒子を得る工程と
    をこの順に有するトナー粒子の製造方法であって、
    前記重合体粒子Aの表面自由エネルギーの値をEAとし、前記重合体粒子Bの表面自由エネルギーの値をEBとし、前記樹脂微粒子Cの表面自由エネルギーの値をECとし、水の表面自由エネルギーの値をEWとする場合に、下記式(1)〜(3):
    EW>EA>EC(1)
    EA>EB(2)
    EW>EC>EB(3)
    の関係を満足することを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 前記重合性単量体が、スチレン系単量体、ならびに、アクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類の少なくとも一方を含む請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 前記樹脂微粒子Cが、ポリエステル樹脂を含む請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 前記工程(iii)が、表面自由エネルギーがECより小さい材料を前記重合体粒子Aの表面に付与することにより、前記重合体粒子Bを含有する前記分散液Bを得る工程である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 前記工程(iii)が、前記分散液Aにアルコキシシランを添加し、その後、前記分散液Aを加熱し、前記アルコキシシラン由来の有機ケイ素重合体を前記重合体粒子Aの表面に付与することにより、前記重合体粒子Bを含有する前記分散液Bを得る工程である請求項4に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 前記アルコキシシランが、下記式(Z)で示される化合物である請求項5に記載のトナー粒子の製造方法。
    Figure 2015219289

    (式(Z)中、Rは、メチル基、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メタクリロイル基、または、メルカプト基を示す。R、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、または、アルコキシ基を示す。ただし、R、RおよびRのうち、1つ以上は、アルコキシ基である。)
  7. 前記工程(iii)が、前記分散液Aに表面自由エネルギーがECより小さい樹脂微粒子Bを添加し、前記樹脂微粒子Bを前記重合体粒子Aの表面に付与することにより、前記重合体粒子Bを含有する前記分散液Bを得る工程である請求項4に記載のトナー粒子の製造方法。
  8. 前記樹脂微粒子Bが、ポリエステル樹脂である請求項7に記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 前記工程(iii)が、表面自由エネルギーがECより小さい水溶性樹脂を前記重合体粒子Aの表面に付与することにより、前記重合体粒子Bを含有する前記分散液Bを得る工程である請求項4に記載のトナー粒子の製造方法。
  10. トナー粒子および前記トナー粒子に外添された無機微粒子を有するトナーを製造するトナーの製造方法であって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法により、前記トナー粒子を製造する工程と、
    前記トナー粒子に前記無機微粒子を外添する工程と
    をこの順に有することを特徴とするトナーの製造方法。
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