JP2015209043A - 車両の排気構造 - Google Patents
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Abstract
Description
図7に示すように、燃料電池車両100に搭載される比較例の排気管200は、前端部210が、車体前部に配置された燃料電池300に接続され、後端部220が、車体後部に配置された希釈器400を介して車両後方に向けて開口した状態に配置されている。
なお、車両の前進方向を「前」、後退方向を「後」、鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、車幅方向を「左」、「右」として説明する。
まず、本発明の実施形態に係る車両の排気構造を説明する前に、本発明の車両の排気構造が適用される車両Cについて説明する。図1に示すように、車両Cは、燃料を用いる装置から排出される排気を車体後部8bに向けて送る排気管6と、排気管6内に気体を導入させる送風手段3と、を搭載した自動車であれば、その形式及び種類は特に限定されない。つまり、車両Cは、排気管6と送風手段3とを有していればよい。
また、車両Cは、水素や石油系の燃料や代替燃料を使用して排ガスを排出するエンジンや、排ガスを排出する電源からの電力で駆動させるパワーユニット等を搭載して走行するものであれば、その形式・種類は特に限定されない。つまり、車両Cは、乗用車、バス、トラック、作業車等であってもよい。
以下、車両Cの一例として、水素オフガスを排出する燃料電池10を搭載した乗用車タイプの燃料電池車両Vを例に挙げて本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、燃料電池車両Vは、燃料電池10の発電電力によって走行用の走行モータ(図示省略)を回転させて走行する電気自動車であり、燃料電池システム1を搭載している。燃料電池車両V(車両C)は、車体後部8bよりも前方に、水素を利用して発電を行う燃料電池10を設置している。燃料電池車両Vの車体前部8aには、ラジエータ2、燃料電池10、走行モータ(図示省略)、コンプレッサ31(送風手段3)等が収納されるモータルームMRが設置されている。燃料電池車両Vの車体後部8bには、水素タンク4と、希釈器5と、が設けられている。車体前部8aから車体後部8bに亘って、排気管6が設置されている。また、車室の床下空間85には、排気管6と、排気用サイレンサ11と、が配置されている。
ラジエータ2は、燃料電池車両Vの走行によって発生する走行風を車体前方から吸引して取り入れて、熱媒である冷却水を冷却する。ラジエータ2は、例えば、燃料電池10や走行モータ(図示省略)を冷却する冷却水を空気によって冷却するファン付きのラジエータから成る。
図2に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池10と、燃料電池10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、燃料電池10の発電を制御する電力制御系と、それらを電子制御する電子制御装置(図示省略)と、を備えている。
燃料電池10は、アノード極に水素が供給され、カソード極に酸化剤ガスとしての空気(酸素)が供給されることで、水素と酸素との電気化学反応によって発電するように構成されている。燃料電池10では、発電する際に、水素ガスと酸化剤ガスとが電気化学反応して水が生成される。生成された生成水は、水素オフガス循環路43内に滞留する。
アノード系は、水素タンク4(燃料ガス供給源)と、熱交換器41と、圧力センサP1と、遮断弁V1と、エゼクタ42と、キャッチタンク44と、循環ポンプ45と、逆止弁46と、オリフィス47,49と、パージ弁V2と、水位センサ48と、ドレン弁V3と、を主に備えている。
遮断弁V1は、電子制御装置(図示省略)の指令で開弁して、水素ガスを燃料電池10に供給させるためのバルブである。
圧力センサP1は、水素ガス供給路40を流れて燃料電池10に供給される水素ガスの圧力を計測する計測器である。圧力センサP1は、熱交換器41と遮断弁V1との間に介在されている。
エゼクタ42は、遮断弁V1からの水素ガスを噴射することで負圧を発生させるノズル(図示省略)と、その負圧で吸引されたオリフィス47(水素オフガス循環路43)からの水素オフガスとノズルから噴射された水素ガスとを混合させて燃料電池10に向けて供給するディフューザ(図示省略)と、を備えている。
オリフィス49は、キャッチタンク44から排出される生成水を含む水素オフガスの流量を調整するものである。
ドレン弁V3は、開弁することによって、キャッチタンク44に貯留した水(結露水)を排水路71から排水させるための電磁弁である。
オリフィス47は、水素オフガス循環路43からエゼクタ42に流れる水素オフガスの流量を規制して調整するためのものであり、逆止弁46に対して並列に接続されている。オリフィス47は、上流側が循環ポンプ45に接続され、下流側がエゼクタ42に接続されている。
カソード系は、エアクリーナAcと、流量計Q1と、第1温度センサT1と、コンプレッサ31(送風手段3)と、サイレンサ32と、インタクーラー33と、圧力センサP2と、第1封止弁V4と、加湿器34と、を主に備えている。
流量計Q1は、空気供給流路30に取り入れる大気の流量を計測する計測器であり、検出した流量を電子制御装置(図示省略)に出力するようになっている。
第1温度センサT1は、空気供給流路30に取り入れる大気の温度を計測する計測器であり、検出した温度を電子制御装置(図示省略)に出力するようになっている。
送風手段3は、後記する導入管60を介して排気管6に圧縮空気(気体)を導入させるための送風源である。また、送風手段3は、空気を空気供給流路30を介して燃料電池10に供給する送風源でもある。つまり、送風手段3は、排気管6を搭載した車両Cで利用されるものである。送風手段3の下流側には、導入管60が接続されている。送風手段3は、例えば、コンプレッサ31から成る。
第1封止弁V4は、例えば、電磁作動式の開閉弁であり、下流側が加湿器34を介して燃料電池10のカソード流路に接続されている。この第1封止弁V4は、空気供給流路30の圧力センサP2と加湿器34との間に設けられて、閉状態において燃料電池10の空気供給側を締め切る機能を果たす。
第2温度センサT2は、燃料電池10から排気管6に排出された酸素オフガスの温度を計測する計測器であり、燃料電池10と加湿器34との間の排気管6に設けられている。第2温度センサT2は、検出した温度を電子制御装置(図示省略)に出力するようになっている。
導入管60は、コンプレッサ31(送風手段3)からの気体を排気管6に導入するための配管である。導入管60は、上流側がコンプレッサ31に連通する空気供給流路30に接続され、下流側が排気管6の駆け下がり部6cの上流側に接続されている。導入管60は、第1導入管61と、第2導入管62と、から成り、モータルームMR内に配置されている(図1参照)。
逆止弁37は、酸素オフガス循環路35を流れる酸素オフガスの方向を、排気管6側から空気供給流路30側に一方向に流れるように規制するバルブである。
排気管6は、燃料電池10から排出された酸素オフガスを希釈器5に送るための酸素オフガス排出路である。排気管6は、上流側の前端部6aがモータルームMRに配置された燃料電池10に接続され、下流側の後端部6bが車体後部8bに配置された希釈器5に接続されている。排気管6の途中には、前記第2温度センサT2、加湿器34、第2封止弁V7、背圧弁V8が設けられている。
図2に示すように、希釈器5は、パージ弁V2及びドレン弁V3を通って排出された水素オフガス(水素)を、燃料電池10から排気管6を介して排出された酸素オフガスと合流させた排気の流れに、大気を吸引して混合することでさらに希釈して排出する装置である。希釈器5は、排気管6で送られてきた水素オフガスと酸素オフガスとの混合流を噴出させる排気管6の後端部6bと、後端部6bよりも外径が大きく形成されて後端部6bとの間に隙間(吸込口)が形成され、後端部6bからの排気の流れによる負圧を利用して周囲の大気を吸込口から吸引することが可能な筐体51と、を備えている。この筐体51内で排気と吸引した大気とが混合されることで、希釈器5では、混合された排気が所定の水素濃度以下とされ、その後、筐体51の後端の排出口から大気中へと排出される。筐体51の排出口は、車両後方へ向けて斜め下向きに形成されて、後方下向きに排気が排出されるようになっている。
次に、図1〜図5を参照して本実施形態に係る車両の排気構造の作用について説明する。
まず、運転者が燃料電池車両Vのイグニッションスイッチ(図示省略)をONにすると、図2に示すコンプレッサ31が駆動される。また、水素タンク4内の水素は、水素ガス供給路40を介して燃料電池10のアノード極に供給され、コンプレッサ31から空気供給流路30を介して、加湿器34で加湿された空気が燃料電池10のカソード極に供給される。これにより、燃料電池10内において水素と加湿空気中の酸素とが電気化学反応によって発電が行われ、走行モータ(図示省略)等の負荷に電力(発電電流)が供給されて、走行モータの回転動力によって燃料電池車両Vの駆動輪が駆動される。
このため、排気管6は、厳冬期や寒冷地で、排気管6内の生成水が凍結して閉塞状態になったり、希釈器5内の生成水が凍結して希釈器5の容積が減少したりすることによって、水素オフガスが流れに難くなったり、希釈性能が悪化したりするのを解消させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
つまり、第1導入管61及び第2導入管62は、排気管6の駆け下がり部6c、または、駆け上がり部6dの上流側に接続して、少なくとも、後側の駆け上がり部6dに貯留する生成水を圧縮空気によって排出するようにすればよい。
このようにすれば、排気管6は、送風手段3からの冷却用ガスによって蓄電装置91を冷却することで熱交換で温風となった冷却用ガスが、開閉弁(図示省略)を開くことにより、吐出管3d及び配管3eを介して排気管6内に送り込まれるので、駆け上がり部6d等に貯留した生成水を確実に排出させることができ、また、凍結した水分の解凍を早めることもできる。
また、配管3eは、上流側を配管3aに接続して、下流側を排気管6の駆け上がり部6dと排気用サイレンサ11との間に接続してもよい。
この場合、送風手段3は、例えば、車両CのモータルームMRに配置されたファン付きのラジエータ2のファン(送風手段3)から成る。送風手段3には、車体前方から吸引して取り入れた外気が排気管6の駆け下がり部6c、または、駆け上がり部6dの上流側に導入されるように、吸引した外気を排気管6に流すための外気導入配管(導入管60)を設ける。外気導入配管(導入管60)の下流側端部には、排気管6を接続する。
このように、ファン(送風手段3)によって生成した風を排気管6内の上流部に送り込んでも、排気管6内に貯留する生成水を排出させることができる。
5 希釈器
6 排気管
6d 駆け上がり部
6c 駆け下がり部
8a 車体前部
8b 車体後部
11 排気用サイレンサ
31 コンプレッサ
60 導入管
61 第1導入管61(導入管)
62 第2導入管62(導入管)
91 蓄電装置
C 車両
FC 燃料電池
MR モータルーム
V 燃料電池車両
Claims (7)
- 車体後部において、前方からの排気を通し、上方向に向けて形成された駆け上がり部、または、下方向に向けて形成された駆け下がり部を有する排気管と、
前記排気管を搭載した車両で利用される送風手段と、
前記排気管の上流から、前記駆け上がり部、または、前記駆け下がり部までの間のいずれかの位置に接続されて、前記送風手段からの気体を導入する導入管と、
を備えていることを特徴とする車両の排気構造。 - 前記排気管の後端部側には、前記排気管によって送られた前記排気が送り込まれる希釈器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両の排気構造。
- 前記送風手段は、コンプレッサであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の排気構造。
- 前記送風手段は、燃料電池に対して酸素含有ガスを供給することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の排気構造。
- 前記送風手段は、蓄電装置に対して冷却用ガスを供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の排気構造。
- 前記送風手段は、前記車両のモータルームに配置されて車体前方から吸引して取り入れた外気を供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の排気構造。
- 前記排気管の上流から前記駆け上がり部、または、前記駆け下がり部までの間のいずれかの位置は、前記車両が走行可能な地形で最も前傾した場合に、前記排気管のうちで最も低くなる部分に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両の排気構造。
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