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JP2015207022A - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP2015207022A JP2015141826A JP2015141826A JP2015207022A JP 2015207022 A JP2015207022 A JP 2015207022A JP 2015141826 A JP2015141826 A JP 2015141826A JP 2015141826 A JP2015141826 A JP 2015141826A JP 2015207022 A JP2015207022 A JP 2015207022A
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Abstract

【課題】表示の均一性を実現する。【解決手段】フレーム周波数30Hz以下のA波形、B波形、C波形、MLS波形であるオン駆動波形を印加したとき、画素内部に、面状に発生する、流動する暗領域を生じる、斜め電界配向制御マルチドメイン垂直配向型の液晶セルと、液晶セルにマルチプレックス駆動波形を印加する駆動装置であって、(i)フレーム周波数が60Hz以上のA波形、(ii)フレーム周波数が300Hz以上のB波形、(iii)極性反転ライン数Mが1以上で、分子を1として表したデューティ比の分母の1/2以下であり、フレーム周波数が200Hz以上のC波形、(iv)極性反転ライン数Mが1以上で、分子を1として表したデューティ比の分母以下であり、フレーム周波数が300Hz以上のC波形、及び、(v)同時選択ライン数Nが2以上4以下であり、フレーム周波数が150Hz以上のMLS波形のいずれかの駆動波形を印加する駆動装置とを有する液晶表示装置。【選択図】図6

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、特に、垂直配向型液晶セルを有する液晶表示装置に関する。
液晶セルの液晶層内の液晶分子配向を基板に対して垂直とする「垂直配向型」液晶表示素子は、電圧無印加時における黒レベルが非常に良好で、液晶セルの片方、または両方の上下偏光板間に、適切なパラメータを持つ負の光学異方性を有する光学補償板を導入することにより、非常に良好な視角特性を有する。
垂直配向型液晶表示素子の1つのタイプとして、モノドメイン垂直配向型液晶表示素子がある。モノドメイン垂直配向型素子では、電圧印加の有無に関わらず、液晶層内における配向状態が一様となるように配向制御される。電圧印加時の配向欠陥を防止するため、電圧無印加時においても液晶分子が基板に対して垂直からわずかに傾斜するように、プレティルト角を付与する必要がある。
このような配向制御の方法としては、上下基板内面に配置されている配向膜に、基板の斜め方位からSiOx膜を蒸着する「金属酸化物斜め蒸着法」や、ポリイミドなどの高分子配向膜を基板上に塗布後ラビング処理する方法などが考えられる。生産上有利なのはラビング処理であるが、TN型液晶表示素子の製造過程と同様なラビング処理では、ラビング方向に対して筋状の傷が生じることが多く、表示品位を著しく低下させる懸念がある。
本願発明者らは、特許文献1において、ラビング時の傷が抑制された配向処理技術を提案している。同文献の開示する方法により、例えば、プレティルト角が88.5°〜89.5°の、欠陥が抑制されたモノドメイン垂直配向型液晶表示素子が実現可能である。
垂直配向型液晶表示素子の他のタイプとして、マルチドメイン垂直配向型液晶表示素子がある。マルチドメイン垂直配向型素子では、1画素内で複数の液晶分子配向方位が付与され、電圧印加時における表示素子の視角特性の改善が図られる。
マルチドメイン配向制御の方法としては、例えば、特許文献2や特許文献3に、画素を構成する上下基板内面の電極の一部に矩形状の開口部を設け、この開口部近辺に電圧印加時に生じる斜め電界により、液晶分子の配向方位を制御する「斜め電界配向制御法」が提案されている。
垂直配向型液晶表示素子の駆動方法の1つとして、マルチプレックス駆動法がある。現在の(ダイレクト)マルチプレックス駆動法について、主な具体的方法の概要が、例えば文献「LCDの電気的駆動法」(杉山貴、小林駿介著、雑誌:ディスプレーアンドイメージング、1994、Vol.3、pp117−131、出版:サイエンス・コミュニケーションズ・インターナショナル)に解説されている。
最も一般的な駆動法は、「最適バイアス法」である。液晶ディスプレイ(LCD)においては、素子の電気光学応答が実効値電圧で決まることと、素子の性能劣化を防ぐ交流駆動(電圧平均は0になる)が基本であるため、これを実現する駆動波形として、図9(A)に示すような、1ライン選択中に極性反転を行う「フレーム内反転駆動(または、1ライン反転駆動)」(以下、この駆動波形をA波形と呼ぶ)や、図9(B)にしめすような、フレームごとに極性反転を行う「フレーム反転駆動」(以下、この駆動波形をB波形と呼ぶ)や、図9(C)に示すように、B波形をベースとして、高デューティ駆動時に発生する表示パタンに対するクロストーク(上記解説文献では第2種クロストーク)を低減するためNラインごとに極性反転を行う「Nライン反転駆動」(以下、この駆動波形をC波形と呼ぶ)が挙げられる。
なお、図9(A)〜図9(C)では、1画素の上下電極間に印加される駆動波形を示した。現在のマルチプレックス駆動LCDでは、駆動時に消費電力が最も低くなるB波形が広く用いられている。
また、液晶表示素子の応答速度が速い場合に生じる「フレームレスポンス」現象を低減する方法として、1フレーム内で複数の選択時間が割り当てられるアクティブアドレッシング法や、例えば特許文献4に開示される1フレーム内でN本のラインを同時に選択する「複数ライン同時選択法」(以下、この駆動波形をMLS波形と呼ぶ)が挙げられる。これは、特に、1/32デューティ超(デューティ数が32より大)の高速応答STN−LCDの駆動に用いられることが多い。
特開2005−234254号公報 特開平3−259121号公報 特許3834304号公報 特許3119737号公報
モノドメイン垂直配向型液晶表示素子において、配向欠陥を抑制して良好な表示状態を得るために、プレティルト角は90°未満にする必要がある。また、図10(A)に示すように、プレティルト角が89.5°より大きい場合、特に89.7°より大きい場合は、電気光学特性における最大透過率Tmaxが、プレティルト角が90°に向かって大きくなるにつれ低下する傾向が見られる。
一方、図10(B)に示すように、マルチプレックス駆動時において、プレティルト角が90°に近づくほど、素子のコントラストCRが高くなる傾向が見られる。これは、電気光学特性における閾値付近の急峻性が改善されるためであると考えられる。なお、図10(A)及び図10(B)のデータは特許文献1(特開2005−234254号公報)に開示されている。
コントラスト向上の観点からは、プレティルト角は90°に近づけることが好ましいと考えられるものの、実際は明表示時の透過率がプレティルト角を90°に近づけるに従って低下するので、表示品位が低下してしまう。
図11に、プレティルト角を89.6°に設定したセグメント表示タイプの垂直配向型液晶表示素子の外観表示状態例を示す。なお、上側基板のラビング方位が、紙面下向きであり、下側基板のラビング方位が、紙面上向きである。駆動波形としてはB波形を印加し、1/8デューティ、1/4バイアス駆動条件で、フレーム周波数80Hzにて動作させた。セグメントの有効表示領域内に部分的に暗状態になっている領域があり、表示均一性が著しく低下していることがわかった。上記の電気光学特性における透過率低下は、このような現象によるものと考えられる。
一方、特許文献3(特許3834304号公報)の開示するような、斜め電界配向制御法を用いた垂直配向型液晶表示素子においても、モノドメイン型と同様に、表示均一性が低下し透過率が減少する場合がある。
本発明の一目的は、マルチプレックス駆動されるマルチドメイン垂直配向型液晶表示装置であって、表示均一性の改善が図られた液晶表示装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、フレーム周波数30Hz以下の、(i)1ライン反転駆動であるA波形、(ii)フレーム反転駆動であるB波形、(iii)Nライン反転駆動であるC波形、(iv)複数ライン同時選択法であるMLS波形であるオン駆動波形を印加したとき、画素内部に、明表示であるオン表示と異なる状態である、面状に発生する、流動する暗領域を生じる、斜め電界配向制御マルチドメイン垂直配向型の液晶セルと、前記液晶セルにマルチプレックス駆動波形を印加し、前記面状の暗領域の発生を防止する駆動装置であって、(i)フレーム周波数が60Hz以上の前記A波形、(ii)フレーム周波数が300Hz以上の前記B波形、(iii)極性反転ライン数Mが1以上で、分子を1として表したデューティ比の分母の1/2以下であり、フレーム周波数が200Hz以上の前記C波形、(iv)極性反転ライン数Mが1以上で、分子を1として表したデューティ比の分母以下であり、フレーム周波数が300Hz以上の前記C波形、及び、(v)同時選択ライン数Nが2以上4以下であり、フレーム周波数が150Hz以上の前記MLS波形のいずれかの駆動波形を、前記液晶セルに印加する駆動装置とを有する液晶表示装置が提供される。
斜め電界配向制御マルチドメイン垂直配向型液晶セルに、例えばA波形を、充分に高いフレーム周波数で印加することにより、暗領域発生を抑制することができるので、表示均一性の改善が図られる。
図1は、モノドメイン垂直配向型液晶表示装置の代表的な構造例を示す概略断面図である。 図2は、第1の実験の結果を示す顕微鏡写真である。 図3は、第2の実験の結果を示す顕微鏡写真である。 図4は、第3の実験の結果を示す顕微鏡写真である。 図5は、各駆動波形で安定表示が行える条件を1つにまとめたグラフである。 図6は、斜め電界配向制御によるマルチドメイン垂直配向型液晶表示装置の代表的な構造例を示す概略断面図である。 図7は、表示素子表面法線方位から観察した、上下電極の開口の配置例を示す平面図である。 図8は、第4の実験の結果を示す顕微鏡写真である。 図9(A)〜図9(C)は、それぞれ、A波形、B波形、C波形を示すグラフである。 図10(A)は、最大透過率Tmaxのプレティルト角に対する関係を示すグラフであり、図10(B)は、コントラストCRのプレティルト角に対する関係を示すグラフである。 図11は、セグメント表示タイプの垂直配向型液晶表示素子の、表示均一性が低下した状態の例を示す写真である。
まず、モノドメイン垂直配向型液晶表示装置の表示状態を調べた第1〜第3の実験について説明する。
図1は、モノドメイン垂直配向型液晶表示装置の代表的な構造例を示す概略断面図である。相互に対向する上側ガラス基板3及び下側ガラス基板13の内面に、それぞれ、基板側から、所望のパタンの形成された透明電極4及び14、絶縁膜5及び15、垂直配向膜6及び16が形成されている。上下の垂直配向膜6及び16の間に、誘電率異方性Δε<0の液晶材料からなる液晶層7が挟まれている。なお、必要に応じて、上下の絶縁膜5及び15の一方を省いた構造とすることもでき、両方とも省いた構造とすることもできる。
上下の垂直配向膜6及び16に、上側垂直配向膜6のラビング方向8と下側垂直配向膜16のラビング方向18とが反平行(アンチパラレル)となるように、ラビング処理が施されている。ラビング処理により、配向膜6、16と液晶層7との界面での液晶分子の傾斜角であるプレティルト角θpが制御される。プレティルト角θpは、配向膜表面からの傾きで定められ、プレティルトがない場合、θpは90°となる。ラビング処理により、88.5°〜89.9°の範囲内の所望のプレティルト角θpを付与して、モノドメイン垂直配向の液晶セルとする。なお、上下の配向膜の片側のみラビング処理することによって、モノドメイン配向とすることもできる。
垂直配向膜6及び16として、表面自由エネルギが35N/m〜39N/mを示す高分子材料を用いることが好ましい。垂直配向膜としてこのような材料を用いることにより、配向膜表面のラビング傷が抑制される。なお、このようなラビング処理の方法は、特許文献1(特開2005−234254号公報)の「発明を実施するための最良の形態」の欄に開示されている。
上下のガラス基板3及び13の外側に、それぞれ、視角補償板2及び12を介して、偏光板1及び11が貼り合わされている。偏光板1及び11は、吸収軸が、それぞれ、表示面内でラビング方向に対して略45°をなすように、クロスニコル配置されている。なお、必要に応じて、上下の視角補償板2及び12のうち、一方を省いた構造とすることもできる。
ガラス基板3及び13、透明電極4及び14、垂直配向膜6及び16、液晶層7、そして、必要に応じて絶縁膜5及び15を含んで、液晶セル21が構成される。駆動装置31が、液晶セル21の透明電極4及び14に駆動波形を印加して、表示状態を制御する。
次に、第1〜第3の実験に用いた具体的な装置構成について説明する。表示素子として、セグメント表示タイプのものを用いた。透明電極と垂直配向膜との間の絶縁膜を設けない構造とした。垂直配向膜は、チッソ石油化学製垂直配向膜Aを用い、フレキソ印刷により形成した。ラビング処理には、綿製のラビング布を用い、ラビング条件を適宜変化させてラビング強度を調整することにより、プレティルト角θpを88.5°〜89.9°の値とした。上下基板のラビング方向は、上下基板の貼り合わせ時に、アンチパラレルとなるようにした。
液晶層厚が4μmとなるように調整して、上下基板を貼り合わせ、空セルを作製した。液晶材料は、メルク製の誘電率異方性Δε<0で屈折率異方性Δn=0.15の材料を用い、空セルに真空注入した。その後、注入口を封止して、液晶材料の等方相温度以上の温度で約1時間熱処理を行った。上下偏光板の吸収軸は、液晶層厚さ方向中央の液晶分子配向方位に対して略45°となるように配置した。
第1〜第3の実験では、それぞれ、表示状態のフレーム周波数に対する依存性が、デューティ比、駆動波形、プレティルト角を変化させたとき、どのように変化するかについて調べた。駆動波形は、任意波形発生装置Biomation2202AよりFLC製アンプを介して、上下電極間に印加した。全てのセグメントにオン波形が印加されるような波形とした。S字状のセグメントの約上半分を顕微鏡で観察した。なお、プレティルト角として、クリスタルローテーション法による測定値を用いている。
はじめに、デューティ比を変化させた第1の実験について説明する。第1の実験では、プレティルト角を89.6°とした液晶セルに、B波形を、デューティ比を変化させて印加した。なお、デューティ比に応じてバイアス比も変化させている。
図2に、第1の実験の結果を示す。フレーム周波数及びデューティ比の条件ごとに、S字状セグメントの約上半分の顕微鏡写真を並べて示す。なお、写真ではS字が逆となっているが、これは液晶表示素子を裏面から観察した為である。
行方向について、左側から、フレーム周波数が30Hz、60Hz、100Hz、150Hz、200H、300Hzと並んでおり、列方向について、上側から、デューティ比及びバイアス比が、1/4デューティで1/3バイアス、1/8デューティで1/4バイアス、1/16デューティで1/5バイアス、1/32デューティで1/6バイアス、1/64デューティで1/9バイアス、1/120デューティで1/11バイアスと並んでいる。なお、デューティ比の分母であるデューティ数が大きいほど(走査線本数が多いほど)、高いデューティ(または高いデューティ比)と呼ぶこととする。
フレーム周波数が30Hzの場合、1/16デューティ以上の高デューティでは、流動している暗領域(写真では判別できないが、セグメント表示部分に発生する影が流動しているような現象)が観察されたが、1/4デューティ及び1/8デューティでは、固定した暗領域が観察された。フレーム周波数30Hzでの観察では、暗領域の面積は1/4デューティで最も広く、高デューティになるに従って狭くなっているように見受けられた。しかし、いずれの暗領域も外観上は表示不均一性を引き起こす原因となっている。
フレーム周波数を60Hzとすることにより、全てのデューティ条件において、暗領域が固定された。やはり、暗領域は高デューティになるほど面積が狭くなる傾向が見られた。
さらにフレーム周波数を高くすると、1/120デューティでは100Hz以上で、1/32デューティ及び1/64デューティでは150Hz以上で、1/4〜1/16デューティでは200Hz以上で暗領域が除去できることがわかった。
このように、どのデューティ比においても、フレーム周波数を充分に高く設定することにより、暗領域が除去されて、良好な安定的表示状態が得られることがわかった。暗領域が除去されるフレーム周波数は、高デューティになるほど低くなっている。
次に、駆動波形を変化させた第2の実験について説明する。第2の実験では、プレティルト角を89.6°とした液晶セルに、1/16デューティ、1/5バイアス駆動条件のA波形、B波形、C波形、及び、1/16デューティ条件のMLS波形を印加した。なお、C波形は、極性反転ライン数M=7で極性反転するようにし、MLS波形における同時選択ライン数N=2とした。
ここで、1/16デューティを選択した理由は、第1の実験において1/4〜1/16デューティ駆動時が最も表示不均一性の原因となる暗領域が広かったためで、1/4〜1/16デューティを代表して1/16デューティを選択した。
図3に、第2の実験の結果を示す。フレーム周波数及び駆動波形の条件ごとに、S字状セグメントの約上半分の顕微鏡写真を行列状に並べて示す。行方向について、左側から、フレーム周波数が30Hz、60Hz、100Hz、150Hz、200Hz、300Hzと並んでおり、列方向について、上側から、駆動波形がA波形、B波形、C波形、MLS波形と並んでいる。
フレーム周波数が30Hzでは、全ての波形において、流動している暗領域が見られ、常時明暗が変化している様子が見られた。
フレーム周波数が60Hzになると、駆動波形によって明らかな違いが現れた。B波形、C波形、MLS波形では、固定した暗領域が観察されたが、A波形ではこのような暗領域が全く観察されなかった。B波形、C波形、MLS波形でも、波形ごとに暗領域の現れる場所が異なっており、暗領域は、B波形で最も広く分布し、C波形、MLS波形の順に狭くなっている。
C波形及びMLS波形では、フレーム周波数を100Hzにすると、暗領域がほぼ観察されなくなり、B波形については、フレーム周波数を200Hzにすると、暗領域を除去することが可能であった。
暗領域が除去されたフレーム周波数以上の周波数領域では、表示の均一性が保持される。すなわち、A波形ではフレーム周波数を60Hz以上にすることにより、C波形及びMLS波形ではフレーム周波数を100Hz以上にすることにより、B波形ではフレーム周波数を200Hz以上とすることにより、暗領域の観察されない状態が保たれる。
1/4デューティ、1/8デューティ条件でも同様な実験を行ったが、フレーム周波数30Hz時に固定した暗領域が発生する以外は、1/16デューティとほぼ同じ傾向が確認できた。
暗領域は、液晶層内の液晶分子配向方位が、表示面内について、ラビング方向で規定された方位からずれる為に生じると考えられる。どの駆動波形においても、フレーム周波数を充分に高く設定することにより、暗領域の観察されない良好な表示状態が得られることがわかった。暗領域を生じさせないために必要なフレーム周波数は、駆動波形によって異なり、A波形が最も低く、C波形及びMLS波形がそれについで低く、B波形が最も高いこともわかった。
なお、A波形、C波形(極性反転ライン数M=7)、及び、MLS波形(同時選択ライン数N=2、ただし1/64デューティ以上の高デューティではN=4)でも、デューティ比を変化させた第1の実験と同様な検討を行ったところ、デューティ比を変化させた場合においても、表示均一化に必要なフレーム周波数が最も高いのはB波形であることがわかった。C波形、MLS波形、A波形の順に、表示均一化に必要なフレーム周波数を低くすることができ、第2の実験と同様な結果が得られた。
以上説明した第1及び第2の実験の結果より、駆動波形の高周波成分が多くなることにより、暗領域が減少する傾向があると考えられる。低フレーム周波数においても、できるだけ周波数成分が高い駆動波形を用いることにより、表示状態の均一化を図ることが可能となる。特に、A波形、C波形、MLS波形が好ましいと考えられる。
次に、アンチパラレル配向の液晶表示素子のプレティルト角を変化させた第3の実験について説明する。第3の実験では、プレティルト角の異なる各液晶セルに、1/16デューティ、1/5バイアス駆動条件のB波形を印加した。
図4に、第3の実験の結果を示す。フレーム周波数及びプレティルト角の条件ごとに、第1及び第2の実験と同様に、S字状セグメントの約上半分の顕微鏡写真を並べて示す。行方向について、左側から、フレーム周波数が30Hz、60Hz、100Hz、150Hz、200Hz、300Hzと並んでおり、列方向について、上側から、プレティルト角が、89.9°、89.6°、89.3°、89.0°、88.5°と並んでいる。
フレーム周波数が30Hzの場合、プレティルト角89.0°〜89.9°では、第1及び第2の実験のフレーム周波数30Hzの条件でも観察されたような、流動している暗領域が観察されたが、88.5では、暗領域が全く観察されず、均一な表示状態が得られた。
フレーム周波数を60Hzとすることにより、暗領域は全て固定された。プレティルト角が90°に近い方が、暗領域の面積が広いことがわかった。フレーム周波数100Hzにおいて、プレティルト角89.0°では暗領域が除去され、他のプレティルト角でも暗領域が徐々に狭くなっていく様子が見られた。
プレティルト角89.3°、89.6°では、フレーム周波数200Hzで暗領域が除去された。しかし、プレティルト角89.9°では、フレーム周波数300Hzでも暗領域を除去することができなかった。
このように、プレティルト角が大きいほど、暗領域が生じやすく、また、暗領域を除去できるフレーム周波数が高くなる傾向があることがわかった。
さらに、他の駆動波形についてもプレティルト角を変化させた実験を行い、上記実験の結果も合わせ、モノドメイン垂直配向型液晶表示素子について、暗領域が観察されず安定な表示が行える条件を検討した。
なお、上記で説明したように、B波形のプレティルト角89.9°では、フレーム周波数300Hzでも暗領域を除去することができなかったが、380Hz以上とすれば暗領域を除去できることがわかった。
図5は、各駆動波形で安定表示が行える条件を1つにまとめたグラフである。このグラフには、1/16デューティで1/5バイアスの、A波形、B波形、及びC波形(極性反転ライン数M=7)と、1/16デューティのMLS波形(同時選択ライン数N=2)の結果を示す。横軸が度単位のプレティルト角θpを示し、縦軸がHz単位のフレーム周波数を示す。なお、横軸のプレティルト角θpは、右方に向かって減少するように表示されている。
A波形、B波形、C波形、及びMLS波形のそれぞれについて示されたグラフ(境界線)の上側が、暗領域の発生を抑制して表示を行える領域である。
上述のように、フレーム周波数30Hz程度で、流動的な暗領域が発生しやすく、フレーム周波数を60Hz以上とすることで、暗領域が固定される傾向がある。流動的な暗領域の発生を抑制するために、一般に、フレーム周波数は60Hz以上とするのが好ましいと考えられる。すなわち、A波形、B波形、C波形、及びMLS波形の全てについて、フレーム周波数の下限を60Hzとするのがよいと考えられる。
なお、通常の液晶表示素子の駆動においては、駆動周波数を50Hz以下にすることは稀であり、60Hz以上に設定することが多い。このような観点からも、フレーム周波数の下限を60Hzとするのが適当と考えられる。
上述のように、暗領域は、プレティルト角が88.5°程度と充分に小さいときは発生しないが、プレティルト角がある角度以上に大きくなる(90°に近づく)と観察されるようになる。フレーム周波数を充分に高くすることにより、暗領域を除去できるが、暗領域除去に必要なフレーム周波数は、プレティルト角が大きくなるにつれ高くなる。
従って、良好な表示を行える領域の境界となるフレーム周波数は、暗領域の発生しないプレティルト角の範囲では60Hzとし、暗領域が発生するプレティルト角の範囲では、プレティルト角の増加に応じて60Hzから高くしていけばよい。暗領域の発生し始めるプレティルト角(図5のグラフでフレーム周波数が60Hzから立ち上がるプレティルト角)と、フレーム周波数を増加させる傾きとが、駆動波形ごとに異なる。
大きなプレティルト角まで暗領域が発生しにくく、また、暗領域を除去するためのフレーム周波数を低く抑えられるという観点からは、A波形が最も好ましく、次いで、MLS波形(同時選択ライン数N=2)、C波形(極性反転ライン数M=7)、B波形の順に好ましい。
図5に示す各駆動波形のグラフは、1/16デューティのものである。ただし、第1、第2の実験で示したように、1/4デューティ、1/8デューティにおいても、フレーム周波数依存性はほぼ同じである。また、プレティルト角に対する依存性も同等であることを確認している。上述のように、高デューティになるほど、暗領域を抑制しやすいので、暗領域抑制のためプレティルト角増加につれて大きくするフレーム周波数の傾きが小さくてすむ。
次に、各駆動波形の、暗領域発生を抑制して均一な表示を行える条件について説明する。まず、A波形について説明する。1/4デューティ以上において(特に、1/4〜1/31デューティにおいて)、88.5°≦θp<89.6°のとき、略60Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られ、89.6°≦θp≦89.9°のとき、略[120×(θp−89.6)+60]Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られる。
また、89.6°≦θp≦89.9°について、1/32デューティ以上では(特に、1/32〜1/119デューティでは)、略[60×(θp−89.6)+60]Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られ、1/120デューティ以上では、略60Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られる。
次に、B波形について説明する。1/4デューティ以上において(特に、1/4〜1/31デューティにおいて)、88.5°≦θp<88.8°のとき、略60Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られ、88.8°≦θp≦89.9°のとき、略[312×(θp−88.8)+60]Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られる。
また、88.8°≦θp≦89.9°について、1/32デューティ以上では、略[160×(θp−88.8)+60]Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られる。
なお、B波形は他の波形に比べ最も暗領域が生じやすいので、フレーム周波数の下限を60Hzよりも高く、例えば100Hzに設定しておいてもよいであろう。フレーム周波数の下限を100Hzに設定すると、1/4デューティ以上において(特に、1/4〜1/31デューティにおいて)、88.5°≦θp<89.0°のとき、略100Hz以上のフレーム周波数が均一表示を得る条件となり、89.0°≦θp≦89.9°のとき、略[312×(θp−89.0)+100]Hz以上のフレーム周波数が均一表示を得る条件となる。
また、89.0°≦θp≦89.9°について、1/32デューティ以上では(特に、1/32〜1/119デューティでは)、略[160×(θp−89.0)+100]Hz以上のフレーム周波数が均一表示を得る条件となり、1/120デューティ以上では、略100Hz以上のフレーム周波数が均一表示を得る条件となる。
次に、C波形について説明する。C波形は、極性反転ライン数M=1とすれば、A波形とほぼ同等な条件で表示均一化を実現でき、極性反転ライン数Mをデューティ数(走査線本数)と等しい16とすれば、B波形と同等な条件で表示均一化を実現できることがわかった。なお、実際には不可能であるが、極性反転ライン数M=1/2に設定できた場合がA波形に等しい条件となる。
また、極性反転ライン数Mをデューティ数の1/2とすると、A波形とB波形の中間的な特性が得られることがわかった。極性反転ライン数Mが小さくなるほど、A波形に近い特性となるので、暗領域の発生し始めるプレティルト角を大きくでき、暗領域抑制に必要なフレーム周波数を低くできることになる。
極性反転ライン数M=7の場合の、均一表示が得られる条件について説明する。1/4デューティ以上において(特に、1/4〜1/31デューティにおいて)、88.5°≦θp<89.2°のとき、略60Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られ、89.2°≦θp≦89.9°のとき、略[216×(θp−89.2)+60]Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られる。
また、89.2°≦θp≦89.9°について、1/32デューティ以上では(特に、1/32〜1/119デューティでは)、略[110×(θp−89.2)+60]Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られ、1/120デューティ以上では、略60Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られる。
極性反転ライン数Mの大きい場合の方が、極性反転ライン数Mの小さい場合に比べて、均一表示の得られる条件が厳しくなる。従って、極性反転ライン数M=7で均一表示が得られる条件であれば、1≦M≦6でも均一表示が得られることになる。ここで、デューティ数が16であるので、極性反転ライン数M=7の場合について説明した条件は、極性反転ライン数Mがデューティ数の1/2以下である場合に均一表示が得られる条件であると考えることができる。
また、B波形で均一表示が得られる条件であれば、極性反転ライン数が1以上デューティ数以下のC波形でも均一表示を得ることができることになる。
次に、MLS波形について説明する。なお、MLS波形では、1/4〜1/63デューティにおいて、同時選択ライン数N=2とし、1/64デューティ以上において、同時選択ライン数N=4とする。
1/4デューティ以上において(特に、1/4〜1/31デューティにおいて)、88.5°≦θp<89.3°のとき、略60Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られ、89.3°≦θp≦89.9°のとき、略[150×(θp−89.3)+60]Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られる。
また、89.3°≦θp≦89.9°について、1/32デューティ以上では(特に、1/32〜1/63デューティでは)、略[75×(θp−89.3)+60]Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られ、1/64デューティ以上では、略60Hz以上のフレーム周波数で均一表示が得られる。
なお、同時選択ライン数が大きい方が、高周波成分が増えると考えることができる。1/4〜1/63デューティにおいて、同時選択ライン数Nを3または4としても、上記条件で均一表示を得ることができるであろう。
以上説明したように、モノドメイン垂直配向型液晶表示素子において、駆動波形ごとに、均一表示の得られる条件を見積もることができる。大きなプレティルト角において表示均一性が低下して透過率が低下する不具合の改善が図られる。特に、89.5°以上のプレティルト角、さらに、特に89.7°以上のプレティルト角での透過率低下抑制に有効である。低いフレーム周波数で表示均一化を実現するという観点からは、A波形、MLS波形、C波形を用いることが好ましい。
なお、デューティの上限は、例えば1/240デューティ程度である。また、フレーム周波数の上限は、例えば500Hz程度である。
次に、斜め電界配向制御によるマルチドメイン垂直配向型液晶表示装置の表示状態を調べた第4の実験について説明する。
図6は、斜め電界配向制御によるマルチドメイン垂直配向型液晶表示装置の代表的な構造例を示す概略断面図である。相互に対向する上側ガラス基板103及び下側ガラス基板113の内面に、それぞれ、基板側から、所望のパタンの形成された透明電極104及び114、絶縁膜105及び115、垂直配向膜106及び116が形成されている。上下の垂直配向膜106及び116の間に、誘電率異方性Δε<0の液晶材料からなる液晶層107が挟まれている。なお、必要に応じて、上下の絶縁膜105及び115の一方を省いた構造とすることもでき、両方とも省いた構造とすることもできる。
垂直配向膜106及び116として、好ましくは表面自由エネルギが35N/m〜39N/mを示す高分子材料を用い、垂直配向膜106及び116には、配向処理を行わない。従って、プレティルト角は90°である。
上下の透明電極104及び114の有効表示エリアには、それぞれ、電極の一部に矩形状スリット開口108及び118が設けられており、表示面内で、上側電極104の開口108と下側電極114の開口118とが、互い違いに一方向に一定周期で並んでいる。
図7は、表示素子表面法線方位から観察した、上下電極の開口108及び118の配置例を示す。上側電極の開口108を太線で示し、下側電極の開口118を細線で示す。上側電極の開口108は、その長さ方向(紙面左右方向)に複数個一定周期で並べられて列をなす。開口108の複数の列が、長さ方向に直交する方向(紙面上下方向)に一定周期で並んでいる。
1つの開口108の長さは、例えば90μmであり、列内で隣り合う開口108同士の隙間は例えば10μmである。開口108は、列内で、例えば100μm周期で並んでいる。1つの開口108の幅は、例えば20μmであり、開口108の列同士の中心間隔は、例えば120μmである。下側電極上の開口118の配置も同様である。
表示面内で、上下の開口108及び118は、上側の開口108の列と、下側の開口118の列とが、開口の長さ方向に直交する方向に、一定周期で交互に並ぶように配置される。相互に隣接する開口108の列と開口118の列との中心間隔は、例えば60μmである。開口の長さ方向については、例えば、隣り合う開口108同士の隙間の中心に、開口118の中心が配置される。なお、開口の長さ方向については、隣接する開口同士を連結してもよい。
このように、上下透明電極に開口を形成することにより、上下基板間に、基板法線方位に対して斜め方位の電界を印加することができ、斜め方位の電界によって、液晶分子の配向を制御することができる。
図6に戻って説明を続ける。上下のガラス基板103及び113の外側に、それぞれ、視角補償板102及び112を介して、偏光板101及び111が貼り合わされている。偏光板101及び111は、吸収軸が、それぞれ、表示面内でスリット状開口108及び118の長さ方向に対して略45°をなすように、クロスニコル配置されている。なお、必要に応じて、上下の視角補償板102及び112のうち、一方を省いた構造とすることもできる。
ガラス基板103及び113、透明電極104及び114、垂直配向膜106及び116、液晶層107、そして、必要に応じて絶縁膜105及び115を含んで、液晶セル121が構成される。駆動装置131が、液晶セル121の透明電極104及び114に駆動波形を印加して、表示状態を制御する。
次に、第4の実験に用いた具体的な装置構成について説明する。表示素子として、セグメント表示タイプのものを用いた。透明電極と垂直配向膜との間の絶縁膜を設けない構造とした。垂直配向膜は、チッソ石油化学製垂直配向膜Aを用い、フレキソ印刷により形成した。ラビング処理は行わない。透明電極上の開口配置は、図7に示したようなものとした。
液晶層厚が4μmとなるように調整して、上下基板を貼り合わせ、空セルを作製した。液晶材料は、メルク製の誘電率異方性Δε<0で屈折率異方性Δn=0.15の材料を用い、空セルに真空注入した。その後、注入口を封止して、液晶材料の等方相温度以上の温度で約1時間熱処理を行った。上下偏光板の吸収軸は、スリット状開口の長さ方向に対して略45°となるように配置した。
第4の実験では、斜め電界配向制御タイプ液晶表示素子に印加する駆動波形を、A波形、B波形、C波形(極性反転ライン数M=7)とし、1/16デューティ、1/5バイアス条件でオン電圧におけるフレーム周波数を変化させたときの表示状態を、顕微鏡観察した。
図8は、第4の実験の観察結果を示す顕微鏡写真である。フレーム周波数及び駆動波形の条件ごとに、顕微鏡写真を行列状に並べて示す。行方向について、左側から、フレーム周波数が30Hz、60Hz、100Hz、150Hz、200Hz、300Hzと並んでおり、列方向について、上側から、駆動波形がA波形、B波形、C波形と並んでいる。
フレーム周波数30Hzでは、全ての波形において、第1の実験等でも観察された、流動する暗領域が確認され、表示均一性が不充分であることがわかった。
フレーム周波数60Hzでは、A波形を用いることにより表示均一性は改善され、暗領域はほぼスリット開口部と左右方位スリット間のみとなっている。この状態では、目視でも表示均一性に問題が無いことを確認した。一方、B波形、C波形に関しては、流動する暗領域は観察されなくなったが、固定された暗領域がランダムに観察されることがわかり、目視でも表示見栄えが悪いものであった。
B波形を用いた場合、フレーム周波数を300Hz以上にすることにより、暗領域を完全に消去して均一な表示状態が得られることを、顕微鏡観察及び目視観察により確認できた。C波形においては、フレーム周波数を200Hz以上にすると均一表示が実現できた。
以上のように、A波形を用いることが表示均一化に最も有効であることがわかった。なお、MLS波形(同時選択ライン数N=2)を用いた場合は、フレーム周波数150Hz以上で均一表示が実現できることを目視にて確認した。
なお、上述のモノドメインの場合と同様に、駆動波形の高周波成分が多い方が、暗領域が抑制されるであろう。上述の1/16デューティに対する条件は、より高いデューティについても有効と考えられる。また、モノドメインの場合と同様に、1/4〜1/16デューティでは、フレーム周波数依存性はほぼ同じであることを確認している。
C波形について、上述の結果は、モノドメインの場合と同様に、極性反転ライン数Mがデューティ数の1/2以下である場合に均一表示が得られる条件であると考えることができる。また、B波形で均一表示が得られる条件であれば、極性反転ライン数が1以上デューティ数以下のC波形でも均一表示を得られると考えられる。なお、MLS波形については、同時選択ライン数Nを3または4としても、上記条件で均一表示を得ることができるであろう。
このように、斜め電界配向制御によるマルチドメイン垂直配向型液晶表示装置についても、駆動波形に応じて適切なフレーム周波数を選択することにより、良好な表示を得ることが可能である。低いフレーム周波数で表示均一化を実現するという観点からは、A波形、MLS波形、C波形を用いることが好ましい。
以上説明したように、モノドメイン垂直配向型液晶表示装置、及び、斜め電界配向制御によるマルチドメイン垂直配向型液晶表示装置において、駆動波形に応じて適切なフレーム周波数を選択することにより、表示均一性を改善することができる。
このような技術を適用可能な液晶表示素子としては、例えば、セグメント表示単純マトリクス駆動液晶表示素子、ドットマトリクス表示単純マトリクス駆動液晶表示素子、1つの液晶表示素子内に、セグメント表示単純マトリクス駆動液晶表示素子部分とドットマトリクス表示単純マトリクス駆動液晶表示素子部分とを含む液晶表示素子、等が挙げられる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1、11 偏光板
2、12 視角補償板
3、13 ガラス基板
4、14 透明電極
5、15 絶縁膜
6、16 垂直配向膜
7 液晶層
8、18 ラビング方向
θp プレティルト角
21 液晶セル
31 駆動装置

Claims (1)

  1. フレーム周波数30Hz以下の、(i)1ライン反転駆動であるA波形、(ii)フレーム反転駆動であるB波形、(iii)Nライン反転駆動であるC波形、(iv)複数ライン同時選択法であるMLS波形であるオン駆動波形を印加したとき、画素内部に、明表示であるオン表示と異なる状態である、面状に発生する、流動する暗領域を生じる、斜め電界配向制御マルチドメイン垂直配向型の液晶セルと、
    前記液晶セルにマルチプレックス駆動波形を印加し、前記面状の暗領域の発生を防止する駆動装置であって、(i)フレーム周波数が60Hz以上の前記A波形、(ii)フレーム周波数が300Hz以上の前記B波形、(iii)極性反転ライン数Mが1以上で、分子を1として表したデューティ比の分母の1/2以下であり、フレーム周波数が200Hz以上の前記C波形、(iv)極性反転ライン数Mが1以上で、分子を1として表したデューティ比の分母以下であり、フレーム周波数が300Hz以上の前記C波形、及び、(v)同時選択ライン数Nが2以上4以下であり、フレーム周波数が150Hz以上の前記MLS波形のいずれかの駆動波形を、前記液晶セルに印加する駆動装置と
    を有する液晶表示装置。
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