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JP2015139966A - 脆性材料基板のスクライブ装置 - Google Patents

脆性材料基板のスクライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マザー基板のたるみやうねりの発生をなくして上下のカッターホイールで精度よくスクライブすることができるスクライブ装置を提供する。
【解決手段】同一平面上で所定の間隙Pをあけて直列に配置され、加工対象となる脆性材料基板Mを載せて搬送する前部コンベア1a並びに後部コンベア1bと、これら前部コンベア1a、後部コンベア1bの間隙Pに配置された上部カッターホイール2a並びに下部カッターホイール2bと、間隙P内で上部カッターホイール2a並びに下部カッターホイール2bのそれぞれの脇部分に配置され、脆性材料基板Mの上下両面に向かってエアを噴出する上部エア噴出部材8a並びに下部エア噴出部材8bとから構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス基板、半導体基板等の脆性材料基板のスクライブ装置に関する。特に本発明は、ガラス基板を貼り合わせた液晶表示パネル用マザー基板のスクライブ装置に関する。
液晶表示パネル用マザー基板は、2枚の大面積ガラス基板を使用し、一方の基板上にカラーフィルタを形成し、他方の基板上に液晶を駆動するTFT(Thin Film Transistor)及び端子領域を形成して、これら2枚の基板を貼り合わせてある。そして、スクライブ工程並びにブレイク工程を経ることにより、一つ一つの単位表示パネルに分断され、製品としての液晶表示パネルが切り出される。
一般に、マザー基板から単位表示パネルを切り出す工程では、マザー基板の表面並びに裏面に対し、スクライブ予定ラインに沿ってカッターホイール(スクライビングホイールともいう)を圧接しながら相対移動させることにより、互いに直交するX方向並びにY方向のスクライブラインを形成するスクライブ工程を行う。その後、当該スクライブラインに沿って外力を印加して基板を撓ませることにより、マザー基板を単位表示パネルごとに完全分断するブレイク工程を行う。
上記のスクライブ工程を、上下二面で同時に行うようにして、大面積の基板を反転させることなく、かつ、効率よく行えるようにしたスクライブ装置が、例えば特許文献1並びに特許文献2に開示されている。
図6は、スクライブ工程を上下二面で同時に行うようにした従来のスクライブ装置を概略的に示す正面図である。
このスクライブ装置では、マザー基板Mを載置してY方向に搬送するための前後一対のベルトコンベア21a、21bが間隔をあけて直列に配置されている。前後のベルトコンベア21a、21bの間には、互いに直交するスクライブラインをマザー基板Mの表裏両面に加工するための上部カッターホイール22a並びに下部カッターホイール22bが配置されている。これら上部カッターホイール22a並びに下部カッターホイール22bを、マザー基板Mの表面並びに裏面に同時に押し付けながらX方向(図6の前後方向)に転動させることにより、マザー基板Mの表裏両面に図7(a)に示すようなX方向のスクライブラインS1を加工する。その後、マザー基板Mを90度回転して上記同様にカッターホイール22a、22bを転動させて、図7(b)に示すようなY方向のスクライブラインS2を加工するようにしている。Y方向のスクライブラインS2の加工は、X方向のスクライブラインS1を加工した後、カッターホイール22a、22bの向きを90度回転して転動させることによっても加工することができる。また、この場合には、Y方向のスクライブラインS2を加工した後、カッターホイール22a、22bの向きを90度回転させてX方向のスクライブラインS1を加工するようにしてもよい。
このようにしてX方向並びにY方向のスクライブラインS1、S2が形成されたマザー基板Mは、ブレイク装置に送られて各スクライブラインから分断され、単位製品M1が取り出された後に端縁部の端材領域M2は廃棄される。
国際公開WO2005/087458号公報 特開2010−052995号公報
上記したスクライブ装置において、マザー基板Mを搬送する前部ベルトコンベア21aと後部ベルトコンベア21bとの間には、上下のカッターホイール22a、22bを配置するための一定の間隔が必要である。スクライブ時にマザー基板Mはこの間隔を跨がって前後のベルトコンベア21a、21bにより支持されることになるので、マザー基板Mの厚みが薄い場合には下方へのたるみが生じる場合がある。また、ベルトコンベアのベルトを橋架する輪体やベルトの表面は加工精度を高めることが困難であって微細な凹凸が残っており、そのためコンベア間を跨がるマザー基板Mが薄い場合にはベルトの凹凸の影響を受けてうねり等が発生することがある。
マザー基板Mにたるみやうねりが生じた状態で上下のカッターホイール22a、22bによりスクライブすると、亀裂が不規則に走ったり、カケなどの損傷が生じたりして不良品の原因となる。特に近年では、加工対象となる液晶表示パネル用マザー基板は、低電力、高機能、コンパクト化のために、例えば0.1〜0.15mmといった薄板のものが要求されており、この問題の解決が課題となっている。
そこで本発明は、例えば厚みが0.1mm程度の薄板のマザー基板であっても、上記したようなたるみやうねりの発生をなくして上下のカッターホイールで精度よくスクライブすることができるスクライブ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のスクライブ装置は、同一平面上で所定の間隔をあけて直列に配置され、加工対象となる脆性材料基板を載せて搬送する前部コンベア並びに後部コンベアと、これら前部コンベア並びに後部コンベアの間に配置された上部カッターホイール並びに下部カッターホイールと、前記前部コンベアと後部コンベアの間で、前記上部カッターホイール並びに下部カッターホイールのそれぞれの脇部分に配置され、前記脆性材料基板の上下両面に向かってエアを噴出する上部エア噴出部材並びに下部エア噴出部材とから構成される。
上下のエア噴出部材によるエア噴出圧は、加工対象となる脆性材料基板が浮上した状態で安定するように、前記下部エア噴出部材によるエアの噴出圧が、前記上部エア噴出部材によるエアの噴出圧よりも基板の自重に抗する圧力相当分だけ強く設定されるようにして、脆性材料基板が無接触で水平に保持できるようにするのが望ましい。
本発明によれば、上下のカッターホイールによってスクライブラインを加工する際、前後のコンベア間にあるマザー基板は、上下のエア噴出部材からの噴出エアによって挟み込まれるようにして無接触で水平に支持されるので、マザー基板が自重で垂れ下がるような薄板のものであっても、水平姿勢を保持して精度よくスクライブすることが可能となる。また、隣接する前後のコンベアの加工や調整の精度によって受ける悪影響を緩和することができる。さらに、基板をクランプせず浮上させたことにより、クランプ付近に不均一の応力が発生するおそれがなくなり、精度の高い加工が可能になる。
上記発明において、上下のエア噴出部材は、前部コンベアと後部コンベアの間の間隙に沿って形成され、スクライブ装置のフレームに固定されるようにしてもよく、あるいは前記カッターホイールの周辺に噴出する長さとし、当該カッターホイールと共に移動するように、カッターホイールを保持するスクライブヘッドに取り付けられている構成としてもよい。特に後者の場合は、位置調整が困難な大面積基板に向いており、エア消費量を抑制することができるといった効果もある。
本発明に係るスクライブ装置の一例を示す斜視図。 図1に示すスクライブ装置の正面図。 図1に示すスクライブ装置の平面図。 本発明のスクライブ装置の別実施例を示す要部断面正面図。 図4に示すスクライブ装置の平面図。 従来のスクライブ装置の一例を示す正面図。 脆性材料基板(マザー基板)に対するスクライブライン加工手順の平面図。
以下において、本発明のスクライブ装置の詳細を、図1〜3に基づいて説明する。
なお、本発明に係るスクライブ装置が加工対象とする基板は、両面同時加工するものであれば特に限定されないが、ここではガラス基板を貼り合わせた大面積の液晶表示パネル用マザー基板を例に説明する。この液晶表示パネル用貼り合わせマザー基板を、以後は単に「マザー基板M」という。
スクライブ装置Aは、マザー基板Mを載置して図1のY方向に搬送するための一対の前部コンベア1a並びに後部コンベア1bを備えている。前部コンベア1a並びに後部コンベア1bは、後述するカッターホイール2a、2b並びにエア噴出部材8a、8bを配置する間隙Pをあけて同一平面上でY方向に直列に配置されている。前部コンベア1a並びに後部コンベア1bは、輪体間でベルトが回動するベルトコンベアとするのがよい。
前部コンベア1aと後部コンベア1bとの間に、X方向並びにY方向のスクライブラインS1、S2(図7参照)をマザー基板Mの表裏両面に加工するための上部カッターホイール2a並びに下部カッターホイール2bが配置されている。これら上部カッターホイール2a並びに下部カッターホイール2bは、それぞれホルダ3a、3bを介して上下のスクライブヘッド4a、4bに上下移動可能に取り付けられている。また、スクライブヘッド4a、4bは、門型のブリッジ5の水平なビーム(横梁)6a、6bに形成されたガイド7に沿ってX方向に往復移動できるように取り付けられている。例えば、スクライブヘッド4a、4bをビーム6a、6bに沿ってX方向に移動させるとX方向のスクライブラインを加工することができ、また、マザー基板Mを前部コンベア1aと後部コンベア1bとでビーム6a、6bに対して垂直方向(Y方向)に移動させるとY方向のスクライブラインを加工することができる。さらに、マザー基板Mがビーム6a、6bに対して斜めに配置されている場合には、スクライブヘッド4a、4bのビーム6a、6bに沿った方向の移動と、マザー基板Mのビーム6a、6bに対する垂直方向の移動とを組み合わせることによって、X方向及びY方向のスクライブラインを加工することができる。
さらに本発明では、前部コンベア1aと後部コンベア1bとの間隙P内で、上部カッターホイール2a並びに下部カッターホイール2bの両脇部分に上部エア噴出部材8a並びに下部エア噴出部材8bが設けられている。
これらのエア噴出部材8a、8bは、上下のカッターホイール2a、2bの進行方向、すなわち、間隙Pに沿ってX方向に延設され、スクライブ装置Aの左右のフレーム9に固定されている。また、加工対象となるマザー基板Mに向かってエア噴出孔10が設けられ、コンプレッサ等のエア供給源(図示略)からの高圧エアがエア噴出孔10から噴出するように形成されている。
なお、上下のエア噴出部材8a、8bのエア噴出孔10からのエアは、加工対象となるマザー基板Mに対して上下均等な噴出圧となるように設定されており、これによって前後のコンベア1a、1b間にあるマザー基板Mを無接触で水平に支持することができるようにしている。
上記の構成において、加工の際には、マザー基板Mを前部コンベア1a並びに後部コンベア1b上に載置し、上部カッターホイール2a並びに下部カッターホイール2bをマザー基板Mの表裏両面に押し付けた状態でX方向に転動させることにより、X方向のスクライブラインS1を加工する。全てのX方向のスクライブラインS1の加工が完了すると、マザー基板Mを90度回転させて再びコンベア1a、1b上に載置し、上記同様に上下のカッターホイール2a、2bをマザー基板Mの表裏両面に押し付けながら転動させることにより、Y方向のスクライブラインS2を加工する。なお、マザー基板Mを回転させることなく、カッターホイール2a、2bの向きを90度回転させて、マザー基板MをY方向へ移動することによってカッターホイール2a、2bを転動させることもできる。
このスクライブラインS1、S2の加工の際、マザー基板Mは上下のエア噴出部材8a、8bからの噴出エアによって挟み込まれるようにして無接触で水平に支持されるので、マザー基板が例えば0.1mmといった薄板のものであっても、垂れ下がることなく水平姿勢を保持することができて精度よくスクライブすることが可能となる。また、隣接するコンベア1a、1bの加工精度による影響を受けることがない。さらに、基板自体はクランプされていないためフリーな状態であり、局所的な応力の影響を受けることもない。
図4並びに図5は本発明の別実施例のスクライブ装置を示すものであって、図4は要部断面図であり、図5は平面図である。
この実施例では、上下のエア噴出部材8a、8bは、カッターホイール2a、2bの周辺のみに噴出する長さとし、当該カッターホイール2a、2bと共に移動するように形成されている。具体的には、上下のエア噴出部材8a、8bは、支持アーム11a、11bを介してそれぞれ上下のスクライブヘッド4a、4bに取り付けられている。
これにより、上下のカッターホイール2a、2bの移動と共に上下のエア噴出部材8a、8bも移動して、マザー基板Mのカッターホイール2a、2bが押し付けられる部分を無接触で水平保持し、上記実施例と同様に精度よくスクライブすることができる。特に本実施例の場合は、エア消費量を抑制することができるという効果がある。また、大面積基板用の装置になると、図1〜3で説明した装置では、エア噴出部材の長さが長くなるため調整作業が困難になるが、スクライブヘッドに取り付けるようにした本実施例であればエア噴出部材を短くできるので、大面積用に好適である。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施例構造のみに特定されるものではない。例えば上記実施例では、エア噴出部材8a、8bはそれぞれ上下のカッターホイール2a、2bの両脇部分に設けたが、何れか一方を省略して片脇部分のみに設けるようにしてもよい。
また、エア噴出部材8a、8bのエア噴出孔10は、通気性のある多孔質の板材の通気孔により形成することも可能である。
その他本発明ではその目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明は、ガラス基板、半導体基板、液晶表示パネル用貼り合わせ基板等の脆性材料基板の表裏両面にスクライブラインを加工するスクライブ装置に適用することができる。
A スクライブ装置
M マザー基板(脆性材料基板)
S1 Y方向のスクライブライン
S2 X方向のスクライブライン
P 前後のコンベアの間隙
1a 前部コンベア
1b 後部コンベア
2a 上部カッターホイール
2b 下部カッターホイール
3a、3b ホルダ
4a、4b スクライブヘッド
8a 上部エア噴出部材
8b 下部エア噴出部材
9 フレーム
10 エア噴出孔
11a、11b 支持アーム

Claims (4)

  1. 同一平面上で所定の間隔をあけて直列に配置され、加工対象となる脆性材料基板を載せて搬送する前部コンベア並びに後部コンベアと、
    これら前部コンベア並びに後部コンベアの間に配置された上部カッターホイール並びに下部カッターホイールと、
    前記前部コンベアと後部コンベアの間で、前記上部カッターホイール並びに下部カッターホイールのそれぞれの脇部分に配置され、前記脆性材料基板の上下両面に向かってエアを噴出する上部エア噴出部材並びに下部エア噴出部材とからなるスクライブ装置。
  2. 加工対象となる脆性材料基板が浮上した状態で安定するように、前記下部のエア噴出部材によるエアの噴出圧が、前記上部のエア噴出部材によるエアの噴出圧よりも基板の自重に抗する圧力相当分だけ強く設定されている請求項1に記載のスクライブ装置。
  3. 前記上下のエア噴出部材は、前部コンベアと後部コンベアの間の間隙に沿って形成され、スクライブ装置のフレームに固定されている請求項1又は請求項2に記載のスクライブ装置。
  4. 前記上下のエア噴出部材は、前記カッターホイールの周辺に噴出する長さとし、当該カッターホイールと共に移動するように、カッターホイールを保持するスクライブヘッドに取り付けられている請求項1又は請求項2に請求項に記載のスクライブ装置。
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