以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の直下には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するよう構成されている。
そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、LEDランプ等で構成され、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
すなわち、遊技制御装置100が、当該遊技機に停電が発生した場合に、停電発生時点での遊技制御に関する遊技制御情報を停電発生中においても記憶保持可能な遊技制御情報記憶保持手段をなす。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5及び図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図6のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図6のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図6のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図7には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS19、S43)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップS51)、繰り返し数を設定し(ステップS52)、算出値として「0」を設定する(ステップS53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップS54)、算出アドレスを+1更新して(ステップS55)、繰り返し数を−1更新し(ステップS56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップS57)。算出が終了していない場合(ステップS57;N)は、ステップS54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップS57;Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図8には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS35)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(ステップS61)、小当り図柄初期値乱数を+1更新する(ステップS62)。そして、当り初期値乱数を+1更新し(ステップS63)、当り図柄初期値乱数を+1更新して(ステップS64)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図9のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS103)の詳細について説明する。図10に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS121)。そして、8ビットのポート(入力ポート1)のうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS122)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)し(ステップS123)、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備して(ステップS124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップS125)。その後、8ビットのポート(入力ポート2)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS126)、8ビットのポート(入力ポート2)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS127)、スイッチ読み込み処理(ステップS128)を行う。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備して(ステップS129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップS130)。その後、8ビットのポート(入力ポート3)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS131)、8ビットのポート(入力ポート3)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS132)、スイッチ読み込み処理(ステップS133)を行い、入力処理を終了する。
なお、未使用のビットデータや反転するビットデータは、入力ポート毎に準備されている。
したがって、ステップS126で準備する入力ポート2の未使用ビットデータと、ステップS131で準備する入力ポート3の未使用ビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
また、ステップS127で準備する入力ポート2の反転するビットデータと、ステップS132で準備する入力ポート3の反転するビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読み込み処理(ステップS128、S133)の詳細について説明する。図11に示すように、スイッチ読み込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS142)、反転の必要なビットを反転(ステップS143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS144)。その後、2回目の読み込みまでのディレイ時間(例えば約100μ秒)が経過するのを待つ(ステップS145)。
ディレイ時間が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読み込みを行う(ステップS146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS147)、反転の必要なビットを反転(ステップS148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS149)。その後、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップS150)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS151)。
次に、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS152)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回の確定状態としてセーブして(ステップS154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブし(ステップS155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読み込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2m秒)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読み込みを行って前回の読み込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行えないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読み込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図12に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS161)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS164)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS165)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS166)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS167)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS168)。本実施形態では、例えば、特図1表示器51及び特図2表示器52と、普図表示器53と、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55と、普図保留表示器56と、ラウンド表示部60と、第2遊技状態表示部58及び第3遊技状態表示部59とをダイナミック点灯させる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS169)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS170)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS174)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップS176)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。図13に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図14には、タイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS211)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS211;N)は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS211;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS212)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS213)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS214;N)は、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS214;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS215)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS216)。その後、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。
普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS217;N)は、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS217;Y)は、次回初期値として当り初期値乱数をロードし(ステップS218)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS219)。その後、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。
普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS220;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS220;Y)は、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS221)、ロードした普図の当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS222)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図15には、タイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップS107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS231)。本実施形態の場合、乱数更新スキャンカウンタの値は0から3の範囲で更新される。そして、乱数更新スキャンカウンタの値が「0」のときは変動パターン乱数1(上位)が更新され、「1」のときは変動パターン乱数1(下位)が更新され、「2」のときは変動パターン乱数2が更新され、「3」のときは変動パターン乱数3が更新される。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップS232)。
次いで、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS234)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているCPUには、DRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、「Rレジスタ」と称する)が設けられておらず、その代わりに、Rレジスタと同等の動作をする「M1カウンタ」というカウンタを内蔵しているが、そのM1カウンタの値をロードする(ステップS234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得し、M1カウンタの値をマスクする(ステップS235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップS236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップS236;Y)は、加算値として、上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これを「マスクした値」と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップS237)、ステップS239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップS236;N)は、加算値として、上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップS238)、ステップS239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数領域が2バイト乱数かを判定し(ステップS239)、2バイト乱数である場合(ステップS239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップS240)、ステップS242に進む。また、更新する乱数領域が2バイト乱数でない場合(ステップS239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップS241)、ステップS242へ進む。
ステップS242では、乱数値にステップS237又はS238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップS233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップS243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップS243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップS243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップS244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。
次に、更新した乱数領域が2バイト乱数であるかを判定し(ステップS246)、2バイト乱数でない場合(ステップS246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップS246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップS247)、乱数更新処理2を終了する。
本実施形態の場合、演出乱数更新テーブル上に、上限判定値や、M1カウンタのマスク値、更新する乱数領域の種別情報(1バイト乱数、2バイト乱数(上位)、2バイト乱数(下位))、更新領域のアドレスなどが、更新する乱数の種類分(4ブロック)定義されている。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図16には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、の状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図17には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS302,S304,S306)を示した。この不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38の二つの大入賞口スイッチ38aの各々及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行われる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS324)、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上であるかを判定する(ステップS325)。
本実施形態の場合、エラー監視対象の入賞口スイッチの種類にかかわらず、不正発生判定個数を5個に設定しているが、不正発生個数は、入賞口スイッチの種類毎に異なる個数を定義することもできる。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上でない場合(ステップS325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップS330)。また、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上である場合(ステップS325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000m秒)をセーブする(ステップS327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップS322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップS330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可されない。これにより、特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000m秒)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS335)、値が0でない場合(ステップS335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図18には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS308,S331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS352)。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS352;N)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS353)、ロードした値を+1更新して(ステップS354)、オーバーフローするか判定する(ステップS355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップS356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。本実施形態の場合、ステップS354では、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは2バイト(0〜65535の範囲)である。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップS357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップS358)、オーバーフローするか判定する(ステップS359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップS360)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS359;Y)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。本実施形態の場合、ステップS358では、メイン賞球信号のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは1バイト(0〜255の範囲)である。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS362;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔遊技機状態チェック処理〕
図19には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS311,S313,S316)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップS371)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップS372)。
状態監視テーブル(入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備した遊技機状態監視テーブル)には、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備して(ステップS373)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップS374)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS375)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備して(ステップS376)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(ステップS377)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS378)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS379;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS379;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップS380)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS381)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS383;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップS383;Y)は、状態監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS384)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS385)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS385;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS385;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップS386)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS387)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップS374で準備した状態オフコマンド又はS377で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図20には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップS391)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンである場合(ステップS391;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップS392)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS393)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。また、払出ビジー信号がオンでない場合(ステップS391;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップS394)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS395)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。これにより、同じ状態が、複数回のタイマ割込み分継続しているかチェックすることができる。
ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致しない場合(ステップS396;N)には、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップS397)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップS398)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。また、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致する場合(ステップS396;Y)には、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、ステップS393又はステップS395で設定した監視タイマ比較値以上であるかを判定し(ステップS400)、監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS400;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、監視タイマ比較値以上である場合(ステップS400;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS401)、ステップS392又はステップS394で準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブし(ステップS402)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータスが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号ステータスを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号ステータスを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号ステータスがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号ステータスは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図21に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図22に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について説明する。図23に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図24に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶する第1始動記憶手段をなすとともに、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する第2始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図25に示すように、まず、ステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する先読み大当り判定処理(ステップA154)を行う。
後述するように先読み大当り判定処理では、結果及び当該結果をもたらす確率状態を識別可能な判定結果が生成される。この判定結果は、低確率状態(通常確率状態)と高確率状態の何れでもはずれ、低確率状態と高確率状態の何れでも大当り、高確率状態でのみ大当りの三種類の何れかである。
そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)、すなわち判定結果が低確率状態と高確率状態の何れでも大当り又は高確率状態でのみ大当りの場合は、対象の始動口スイッチ及び判定結果に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、ステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)、すなわち判定結果が低確率状態と高確率状態の何れでもはずれである場合は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
なお、低確率状態で用いる大当り判定値は高確率状態で用いる大当り判定値に含まれ、小当り判定値は高確率状態で用いる大当り判定値には含まれないものとされている。よって、判定結果が低確率状態と高確率状態の何れでも大当り又は高確率状態でのみ大当りの場合に小当りとなることはない。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により設定された情報は、事前判定結果情報として演出制御装置300に送信され、演出制御装置300ではこの情報に基づき先読み演出を行う。
すなわち、遊技制御装置100が、主制御手段(遊技制御装置100)における制御情報を演出制御手段(演出制御装置300)に送信する制御情報送信手段をなす。
〔先読み大当り判定処理〕
図26には、上述の特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(ステップA154)の詳細を示した。この先読み大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA171)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA172)。
なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。また、低確率状態で用いる大当り判定値の範囲と高確率状態で用いる大当り判定値の範囲は下限判定値が同じである。この先読み大当り判定処理で用いられる低確率中の判定値及び高確率中の判定値は、特図変動表示ゲームの開始時に実行される大当り判定処理における低確率中の判定値及び高確率中の判定値と同じ判定値である。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA172;Y)は、判定結果としてはずれ(低確率状態と高確率状態の何れでもはずれ)を設定し(ステップA177)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA172;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA173)、対象の大当り乱数の値が低確率中の上限判定値より大きいかを判定する(ステップA174)。
対象の大当り乱数の値が低確率中の上限判定値より大きくない場合(ステップA174;N)は、判定結果として低/高確率時大当り(低確率状態と高確率状態の何れでも大当り)を設定して(ステップA178)、先読み大当り判定処理を終了する。
また、対象の大当り乱数の値が低確率中の上限判定値より大きい場合(ステップA174;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA175)、対象の大当り乱数の値が高確率中の上限判定値より大きいかを判定する(ステップA176)。
対象の大当り乱数の値が高確率中の上限判定値より大きくない場合(ステップA176;N)は、判定結果として高確率時のみ大当り(高確率状態でのみ大当り)を設定して(ステップA179)、先読み大当り判定処理を終了する。
また、対象の大当り乱数の値が高確率中の上限判定値より大きい場合(ステップA176;Y)は、判定結果としてはずれ(低確率状態と高確率状態の何れでもはずれ)を設定し(ステップA177)、大当り判定処理を終了する。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図27に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA205;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。
小当り中処理中である場合は(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。
そして、入賞カウンタに「0」をセットして(ステップA205)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチ1に入力がない場合(ステップA206;N)は、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。
大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップA210;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップA210;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA211)、演出コマンド設定処理(ステップA212)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA213)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
入賞カウンタの値が「0」であるかの判定(ステップA268)において、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図28に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA306)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA306;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2変動開始処理(ステップA302)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA303)、演出コマンド設定処理(ステップA304)を行う。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA305)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA306にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA306;N)は、特図1変動開始処理(ステップA307)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA302)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)、後述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)の詳細について説明する。図29に示すように、特図普段処理移行設定処理1では、まず、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA321)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップA322)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA323)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA324)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA307)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図30に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA331)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA334)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA336)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA302)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図30に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図31に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図32には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップA351)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA352)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA353)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA354)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA355)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りである場合(ステップA356;Y)は、ステップA352にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA357)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りでない場合(ステップA356;N)は、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA358)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りである場合(ステップA359;Y)は、ステップA351にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA360)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りでない場合(ステップA359;N)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第1特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図33には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA371)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA372)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA372)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA374)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りである場合(ステップA375;Y)は、ステップA371にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA375)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)は、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第2特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
図34には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA355、A374)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA357)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段及び第2始動記憶手段に記憶された所定の乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行時の確率状態に対応する判定値に基づいて判定することが可能な実行時判定手段をなす。
なお、実行時判定手段は、特図変動表示ゲームの開始時に判定するものでなくても良い。例えば先読み結果と当該結果をもたらす確率状態の情報から、特図変動表示ゲーム開始時の確率状態に応じた特図変動表示ゲームの結果を選択するものでも良い。
〔小当り判定処理〕
図35には、上述の特図保留情報判定処理及び大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(ステップA159、A358)を示した。この小当り判定処理では、まず、小当り下限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA391)。なお、大当り判定と同一の乱数(大当り乱数)を用いて小当り判定を行う。すなわち、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。無論、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は被らないよう設定されている。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA391;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA391;N)は、小当り上限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA392)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA392;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA392;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA394)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図36には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA401)、大当りである場合(ステップA401;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA404)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA407)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA409)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。本実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類、又は小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。また、特図1における大当りのうち特定の大当り図柄(例えば、4R確変図柄)となる場合は、遊技状態が確変中であるか否かに応じて、移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)は、小当りフラグが小当りかを判定し(ステップA410)、小当りである場合(ステップA411;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップA411)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA413)。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA414)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA415)。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(ステップA410;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA416)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA419)、演出コマンド設定処理(ステップA420)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA421)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップA422)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA423)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図37には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示した。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA433)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。また、本実施形態の場合、特図2における大当りにおいては、何れの大当り図柄であっても移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA431;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA440)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA441)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA443)、演出コマンド設定処理(ステップA444)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA445)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA446)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA166、A334、A344)の詳細について説明する。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
図38に示すように特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。
次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。
次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA167、A336、A346)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図39に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA337、A347)の詳細について説明する。図40に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA504)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
図41には、特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA310)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図1)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA511)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA512)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA513)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA514)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA515)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100m秒)を設定して(ステップA516)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
図42には、特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA305)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図2)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA521)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA522)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA523)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA524)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA525)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100m秒)を設定して(ステップA526)、特図変動中処理移行設定処理(特図2)を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図43に示すように、特図変動中処理では、まず、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA601)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA602)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定する。
次いで、特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を行って、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
図44には、上述の特図変動中処理での特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を示した。この特図表示中処理移行設定処理では、まず、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA611)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA612)。
次に、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA613)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA614)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA615)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA616)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA617)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図45及び図46に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について説明する。図47に示すように、高確率変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA751)。特図高確率中でない場合(ステップA751;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中である場合(ステップA751;Y)は、高確率変動回数を−1更新して(ステップA752)、高確率変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA753)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA753;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が「0」となった場合(ステップA753;Y)には、高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA754)、高確率終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする。
次いで、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。なお、「高確率&時短あり」の状態と「高確率&時短なし」の状態とがあり、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA757)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA758)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA759)。
次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA760)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA761)、高確率変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、上述の特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA727、A736)の詳細について説明する。図48に示すように、演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(ステップA771)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA771;Y)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップA771;N)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(ステップA772)、演出残り回転数が「0」となったかを判定する(ステップA773)。演出残り回転数が「0」となっていない場合(ステップA773;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が「0」となった場合(ステップA773;Y)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA774)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA775)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA677)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA678)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA779)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA780)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA780;Y)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA780;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA782)、演出コマンド設定処理(ステップA782)を行う。
次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA783)、演出コマンド設定処理(ステップA784)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA785)、演出コマンド設定処理(ステップA786)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA787)、左打ちするモードでない場合(ステップA787;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(ステップA787;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA788)、演出コマンド設定処理(ステップA789)を行って、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)の詳細について説明する。図49に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA793)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部59)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(ステップA802)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA803)、演出残り回転数領域をクリアして(ステップA804)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(ステップA805)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA806)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA807)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について説明する。
図50に示すように、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA811)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA812)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA813)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA814)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA816)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA817)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA818)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA819)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図51に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)を行う。
その後、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA907)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA908)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
ここで、本実施形態においては、大当りパターンとして、(1)4R、大入賞口開放情報1(全て短開放)、(2)16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)、(3)16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、(4)4R、大入賞口開放情報4(全て長開放)、(5)16R、大入賞口開放情報5(全て長開放)、(6)16R、大入賞口開放情報6(1〜8Rは長開放、9〜16Rは短開放)、(7)16R、大入賞口開放情報7(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)が設定されている。
したがって、大入賞口動作判定テーブルには、大入賞口開放情報1データと開放切替判定値「0」とが、大入賞口開放情報2データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報3データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報4データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報5データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報6データと開放切替判定値「8」とが、大入賞口開放情報7データと開放切替判定値「4」とが対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作を行うようになっている。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
図52には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA911)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA912)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA913)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA914)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA915)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図53に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1001)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1003)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA1004)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)は、最終用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA1009)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
図54には上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を示した。この大入賞口残存球処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定して(ステップA1021)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1022)。そして、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA1023)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図55に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1101)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(ステップA1104)。
次いで、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報はランクダウン演出系の値であるかを判定する(ステップA1106)。
ここで、ランクダウン演出とは、大当りラウンドが継続するか否かを報知するラウンド継続報知演出を実行し、該ラウンド継続報知演出において大当りラウンドが継続されないことを報知する演出が該当する。具体的には、大当りパターンとして、「16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)」と「16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)」との何れかが選択された場合に、大当りラウンドの1R〜3Rまで表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、4R目でラウンド継続報知演出を実行する。選択された大当りパターンが「16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)」であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放され、選択された大当りパターンが「16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)」であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、4R)であるかを判定する(ステップA1107)。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)、例えばラウンド数が4Rである場合は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行する。なお、特殊ラウンド数は1種類に限らず、例えば4Rと8Rというように複数種類設けても良い。
そして、ステップA1104又はA1108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1111)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(ステップA1112)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1113)。その後、大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
図56には、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA1121)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1122)。
次に、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1123)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図57には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップA1131)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1132)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1133)。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1134)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップA1135)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップA1136)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップA1137)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップA1138)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図58に示すように、この大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データが、時短作動データかを判定する(ステップA1201)。
時短作動データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA902)、時短作動データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行う(ステップA903)。そして、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1204)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1205)。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA1206)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1207)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1208)。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1209)、コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1210)、演出コマンド設定処理(ステップA1211)を行う。ここで、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり」、「高確率・時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。本実施形態の場合、大当りが終了すると必ず確変状態になる(所謂ST状態)ので、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり・演出モードA」、「高確率・時短あり・演出モードB」、「高確率・時短あり・演出モードC」、「高確率・時短なし・演出モードA」があり、この処理では使われないが、他に「低確率・時短なし・演出モードA」、「低確率・時短なし・演出モードB」、「低確率・時短なし・演出モードC」がある。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1212)、演出コマンド設定処理(ステップA1213)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備し(ステップA1214)、演出コマンド設定処理(ステップA1215)を行って、大当り終了後に時短状態が発生するかを判定する(ステップA1216)。
大当り終了後に時短状態が発生する場合(ステップA1216;Y)は、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1219)、大当り終了処理を終了する。
また、大当り終了後に時短状態が発生しない場合(ステップA1216;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA1217)、演出コマンド設定処理(ステップA1218)を行った後に、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1219)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図59には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短状態なしに関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1221)、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(ステップA1223)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA1224)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1225)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブし(ステップA1226)、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1227)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1228)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
図60には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1231)。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、高確率状態と時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1233)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1234)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1235)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブして(ステップA1256)、大当り終了設定処理2を終了する。なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定を行わない。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図61には上記した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)を示した。この特図普段処理移行設定処理2においては、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA1241)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1242)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1243)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1244)。続いて、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1245)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1246)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1247)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1248)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1249)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。図62(a)に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)を行う。
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について説明する。図62(b)に示すように、小当り中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。
次いで、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1315)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1316)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。図63に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1406)。これにより、特図高確率中での小当りかを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1406;Y)には、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について説明する。図64に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1411)を行う。
ステップA1411にて、制御ポインタが「0」,「2」,「4」の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1412)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1411にて、制御ポインタが「1」,「3」,「5」の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1414)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300m秒の小当りファンファーレ時間の後に、200m秒の開放と1500m秒の閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。
具体的には、1回目の200m秒開放の終了時(すなわち、1回目の200m秒開放から1回目の1500m秒閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「0」に更新され、1回目の1500m秒閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500m秒閉鎖から2回目の200m秒開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「1」に更新され、2回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「2」に更新され、2回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「3」に更新され、3回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「4」に更新され、3回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「5」に更新される。そして、4回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「6」に更新され、1900m秒の小当り残存球時間と、その後の100m秒の小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200m秒開放の後に、2000m秒間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000m秒となる。
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)の詳細について説明する。図65に示すように、小当り残存球処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(ステップA1421)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1422)。
次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1423)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1424)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。図66(a)に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)を行う。
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について説明する。図66(b)に示すように、小当り終了処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1511)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1512)。
次いで、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。
次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1516)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。図67に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1619の処理に移行する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA1616)、左打ちするモードでない場合(ステップA1616;N)には、ステップA1619の処理に移行する。また、左打ちするモードである場合(ステップA1616;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA1617)、演出コマンド設定処理(ステップA1618)を行った後に、ステップA1619の処理に移行する。
そして、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1619)、ロードしたフラグが特図時短中(時短状態中)に関するフラグであるかを判定する(ステップA1620)。
ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグである場合(ステップA1620;Y)には、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行って、小当り終了処理を終了する。
また、ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(ステップA1620;N)には、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1621)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1622)、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行い、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)の詳細について説明する。図68に示すように、特図普段処理移行設定処理では、まず、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1631)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1632)。
次いで、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1633)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1634)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1635)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1636)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1637)。
次いで、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1638)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、タイマ割込み処理中に実行される各処理における演出コマンド設定処理の詳細について説明する。図69に示すように、演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2001)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2002)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2002;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2001)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2002;N)は、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップA2003)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2004)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2005)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2005;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2004)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2005;N)は、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込んで(ステップA2006)、演出コマンド設定処理を終了する。
なお、演出コマンド設定処理のことを、単に「コマンド設定処理」と称することもある。
〔図柄変動制御処理〕
図70に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA20,A22)を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(ステップA2101)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレスが定義されている。
制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(ステップA2102;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA2103)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(ステップA2104)、更新後の点滅制御タイマが「0」であるかを判定して(ステップA2105)、更新後の点滅制御タイマが「0」でない場合(ステップA2105;N)は、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが「0」である場合(ステップA2105;Y)は、点滅制御タイマ初期値(例えば100m秒)を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップA2106)、制御対象の変動図柄番号を+1更新して(ステップA2108)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(ステップA2102;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA2109)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA2110)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
〔振り分け処理〕
図71には、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA476、A479、A485)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて、後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択したり、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの後半変動パターン(後半変動番号)を選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、対象の選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA477にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA483にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2201)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2202;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2202;N)は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2203)。
続けて、ステップA473やA478やA484にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA2203にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2204)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2205)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2205;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2206)、ステップA2203の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2203)、その後、前回のステップA2205にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2204)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2205)。
上記の処理をステップA2205にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2205;Y)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、ステップA2205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2205;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
図72には、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA475)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2301)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2302;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2302;N)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2303)。
続けて、ステップA473にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA2303にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2304)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2305;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2306)、ステップA2303の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2303)、その後、前回のステップA2305にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2304)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2305)。
上記の処理をステップA2305にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2305;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。
そして、ステップA2305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2305;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
図71に示す振り分け処理の構成と、図72に示す2バイト振り分け処理の構成とは、基本的に同じであるが、振り分けに使用する乱数のサイズが1バイトであるか、2バイトであるかという点で異なるため、計算するためのプログラム命令が異なっている。
次に、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に図73に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図73に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では、演出ボタン25からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行い、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行う。
次いで、演出表示編集処理(ステップC13)を行い、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。演出表示編集処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46、枠装飾装置18、進行報知装置600のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図74には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップC12)を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC31)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC32)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC32;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC32;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC33)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC34)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC35)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC36)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC36で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC36;N)には、ステップC34の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC36;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC37)、受信コマンド解析処理(ステップC38)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC39)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC40)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC40;N)には、ステップC37の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC40;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図75には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップC38)を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC51)、MODEは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC52)。MODEは正常範囲であると判定した場合(ステップC52;Y)には、ACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC53)。そして、ACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC53;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC54)。
また、ステップC52で、MODEは正常範囲でないと判定した場合(ステップC52;N)、ステップC53で、ACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC53;N)、あるいは、ステップC54で、MOEDに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC54;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC54で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC54;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC55)。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC55;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC56)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC55で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC55;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC57)。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC57;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC58)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC57で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC57;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC59)。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC59;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC60)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC59で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC59;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC61)。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC61;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC62)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、単発系コマンド処理(ステップC62)には、特図1保留(第1始動記憶)に対応する飾り特図保留数コマンドを受信した場合に、発生した特図1保留に関する処理を行う特図1保留情報設定処理や、特図2保留(第2始動記憶)に対応する飾り特図保留数コマンドを受信した場合に、発生した特図2保留に関する処理を行う特図2保留情報設定処理が含まれる。これらの特図1保留情報設定処理及び特図2保留情報設定処理では、発生した保留に対応する飾り特図始動記憶表示81,82を表示装置41に表示する処理などを行う。
すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶報知手段をなす。
また、ステップC61で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC61;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC63)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC63;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC64)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC63で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC63;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC65)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC65;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC66)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。一方、ステップC65で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC65;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図76には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC64)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新保留情報は特図1保留であるかを判定する(ステップC71)。すなわち、今回受信した最新の先読みコマンドが第1始動記憶に関するものであるかを判定する。
最新保留情報は特図1保留である場合(ステップC71;Y)は、コマンドを特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC72)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC74)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
一方、最新保留情報は特図1保留でない場合(ステップC71;N)、すなわち特図2保留(第2始動記憶)に関するものである場合は、コマンドを特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC73)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC74)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
すなわち、演出制御装置300が、制御情報送信手段(遊技制御装置100)によって送信された事前判定結果情報を記憶保持することが可能な演出情報記憶保持手段をなす。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図77には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC66)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC81)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。そして、先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC81;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。また、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC81;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC82)。
その後、ステップC83〜C86の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンドを、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。
まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC83)により、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別(特図1又は特図2)の情報と、当該特図種別の現在の保留数に応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
そして、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC84)。
さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(ステップC85)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC86)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。
よって、判定時の保留数に影響されずに先読み演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。
例えば、「リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるもの」や、「リーチなしはずれ変動であって保留の状況に関わらず長い前半変動時間となるもの」のように、先読み演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。
しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。
このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
このような変換を行った後、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC87)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC87;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。
また、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC87;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(ステップC88)。なお、変換前のMODE及びACTについても併せて記憶するようにしても良い。
次に、MODEとACTの組み合わせ(コマンド組み合わせ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC89)を行い、コマンド組み合わせが正常でない場合(ステップC90;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。
また、コマンド組み合わせが正常である場合(ステップC90;Y)は、先読み予告演出の実行の有無や内容を抽選する先読み抽選処理(ステップC91)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC92)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC92;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。
また、先読み予告演出を発生する場合(ステップC92;Y)は、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC93)。
直ちに開始する演出とは、例えば、飾り特図始動記憶表示81,82の表示態様を変更する先読み予告演出であり、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタにより予告を行う演出などである。
直ちに開始する演出でない場合(ステップC93;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。
また、直ちに開始する演出である場合(ステップC93;Y)は、選出された先読み演出に対応するシナリオレイヤー番号を準備し(ステップC94)、選出された先読み演出に対応するシナリオ用データテーブルのアドレスを準備する(ステップC95)。その後、シナリオデータ設定処理を行い(ステップC96)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔先読み抽選処理〕
図78には、上述の先読み変動系コマンド処理における先読み抽選処理(ステップC91)を示した。この先読み抽選処理では、まず、先読み抽選の実行が可能であるかを判定する(ステップC111)。本実施形態では、先読み抽選の実行が可能である場合とは先読み演出の実行中でないことである。なお、この条件は任意に設定可能である。
先読み抽選の実行が可能である場合(ステップC111;Y)は、今回先読み変動コマンドを受信した保留である処理対象の保留についての保留情報が特図2保留(第2始動記憶)であるかを判定し(ステップC112)、特図2保留である場合(ステップC112;Y)は、特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで先読み演出可能な演出モード中であるかを判定する(ステップC113)。本実施形態での先読み演出可能な演出モードとは時短状態中の演出モードである。
特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで先読み演出可能な演出モード中でない場合(ステップC113;N)は、先読み抽選処理を終了する。
また、特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで先読み演出可能な演出モード中である場合(ステップC113;Y)や、処理対象の保留情報が特図2保留でない場合(ステップC112;N)すなわち特図1保留である場合は、先読み制御領域を全て0クリアし(ステップC114)、処理対象の保留と同種別(特図1又は特図2)の全保留の先読み変動コマンドをロードする(ステップC115)。
そして、各保留の先読み変動コマンドから各保留に基づく変動(特図変動表示ゲーム)の内容が先読み演出を実行可能であるかを確認する先読み変動組合せ確認処理を行い(ステップC116)、先読み演出を行える変動の組合せであるかを判定する(ステップC117)。
先読み演出を行える変動の組合せでない場合(ステップC117;N)は、先読み抽選処理を終了する。先読み演出を行える変動の組合せでない場合とは、今回先読み変動コマンドを受信した処理対象の保留よりも前に消化される保留の方が信頼度の高いリーチ演出を行う場合や、処理対象の保留よりも前に消化される保留で大当りになる場合、先読み演出を行うと演出上の不整合が生じる可能性がある場合などである。
また、先読み演出を行える変動の組合せである場合(ステップC117;Y)は、処理対象の保留の先読み図柄コマンドに対応する先読み抽選グループアドレステーブルを取得し(ステップC118)、取得した先読み抽選グループアドレステーブルに基づき、先読み変動コマンドのACTに対応する先読み抽選グループテーブルを取得する(ステップC119)。
先読み演出を行える変動の組合せである場合とは、処理対象の保留よりも前に消化される保留は全てリーチなしではずれとなるものである場合などである。
ステップC118で参照する先読み図柄コマンドには、当該保留に基づく特図変動表示ゲームの結果及び当該結果をもたらす確率状態を識別可能な判定結果、すなわち、低確率状態と高確率状態の何れでもはずれ、低確率状態と高確率状態の何れでも大当り、高確率状態でのみ大当りの何れかの情報が含まれており、これに基づき先読み抽選グループアドレステーブルを取得する。
また、ステップC119において先読み抽選グループアドレステーブルに基づき取得される先読み抽選グループテーブルには、実行可能な先読み演出の種類と選択確率が定義されているが、先読み抽選グループテーブルのうち高確率状態でのみ大当りであった場合に選択されるテーブルには、大当りを確定的に報知する先読み演出である特定の事前予告演出は含まれていない。
これは、高確率状態において特図1保留を対象とする先読み演出を行っている場合に、規定回数の特図変動表示ゲームを実行することで高確率状態が終了して確率状態が高確率状態から低確率状態に変化する可能性があるためである。すなわち、高確率状態でのみ大当りである特図1保留については、先読み演出の開始時点では大当りとなるものであったが、確率状態の変化によりはずれとなってしまうため、大当りを確定的に報知する先読み演出である特定の事前予告演出は行わないようにしている。
従来の遊技機では、高確率状態が規定回数で終了する等の確率状態が変化するタイミングの所定ゲーム数前から先読みを規制することで先読み演出の矛盾を防止しているが、本実施形態の遊技機では確率状態も加味した先読み結果となっているので、特定の事前予告演出以外の先読み演出を行うことはできる。
また、低確率状態及び高確率状態で大当りとなる保留については確率状態が変化するタイミングを跨ぐ特定の事前予告演出も可能である。
なお、特別遊技状態の終了後に低確率状態となる大当りが設定されている遊技機である場合には、高確率状態でのみ大当りである特図1保留について特定の事前予告演出を行わないようにすることで、高確率状態において特図1保留を対象とする先読み演出を行っている場合に特図2保留が発生し、当該特図2保留により大当りが発生して確率状態が高確率状態から低確率状態に変化する場合に矛盾が生じてしまうことを防止できる。
また、高確率状態において低確率状態への転落抽選を行う遊技機である場合は、高確率状態でのみ大当りである特図1保留及び特図2保留について大当りを確定的に報知する先読み演出である特定の事前予告演出を行わないようにすることが好ましい。
その後、取得したアドレスが未定義データであるかを判定し(ステップC120)、未定義データでない場合(ステップC120;N)は、先読み演出の実行の有無や演出の種類を抽選する予告抽選処理を行う(ステップC121)。
そして、抽選の結果、先読み予告を行わない場合(ステップC122;N)は、先読み抽選処理を終了する。なお、取得したアドレスが未定義データであるか場合(ステップC120;Y)も、先読み予告を行わない(ステップC122;N)として、先読み抽選処理を終了する。
また、先読み予告を行う場合(ステップC122;Y)は、処理対象の保留情報に基づいて先読み演出を実行する特図変動表示ゲームの実行回数である先読み演出回数を設定し(ステップC123)、決定された先読み演出の実行中フラグをセットして(ステップC124)、先読み抽選処理を終了する。
一方、先読み抽選の実行が可能でない場合(ステップC111;N)は、処理対象の保留情報が特図2保留(第2始動記憶)であるかを判定し(ステップC125)、特図2保留でない場合(ステップC125;N)は、先読み抽選を終了する。
また、特図2保留である場合(ステップC125;Y)は、特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで割込み演出を行う先読み演出の実行中であるかを判定する(ステップC126)。
特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで割込み演出を行う先読み演出とは、特図1保留(第1始動記憶)に基づく先読み演出であって割り込んで実行される特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで関連した演出を実行可能な先読み演出である。
特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで割込み演出を行う先読み演出の実行中でない場合(ステップC126;N)は、先読み抽選処理を終了する。
また、特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで割込み演出を行う先読み演出の実行中である場合(ステップC126;Y)は、特図2保留数に対応する先読み制御領域に、実行中の先読み演出情報をセーブし(ステップC127)、先読み抽選処理を終了する。
ステップC127では、特図2保留に基づく特図変動表示ゲームで行うこととなる実行中の先読み演出に関連した演出が設定される。このような演出としては、例えば実行中の先読み演出と同じ演出を設定する。
以上の処理により、始動記憶についての情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に示唆、報知することが可能な事前予告演出が設定されることとなる。すなわち、演出制御装置300が、事前予告演出を実行可能な事前予告演出手段をなす。
また、演出制御装置300が、制御情報送信手段(遊技制御装置100)によって送信された事前判定結果情報に基づき、事前予告演出に関する判定を行うことが可能な事前予告演出判定手段をなすとともに、該事前予告演出判定手段の判定結果に基づいて、事前予告演出を実行可能な事前予告演出実行手段をなす。
以上のことから、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、特別結果が発生する確率状態には、通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態と、があり、特別遊技状態の終了後、高確率状態を発生可能に構成され、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能であるとともに、該始動記憶に対応して所定の乱数を記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された所定の乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前予告演出を実行可能な事前予告演出手段(演出制御装置300)と、を備え、事前判定手段は、始動記憶に対応する所定の乱数を、通常確率状態に対応する判定値と、高確率状態に対応する判定値と、に基づいて判定することが可能なように構成され、事前予告演出手段は、事前判定手段による事前判定結果と該事前判定結果をもたらす確率状態が識別可能な情報を含めた事前判定結果情報が、高確率状態においてのみ特別結果が発生することを示す情報であった場合には、当該特別結果が発生することを示す特定の事前予告演出の実行を規制することが可能であることとなる。これにより、確率状態の変化によって演出に矛盾が生じ、遊技者の期待感や興趣を低下させてしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上することができる。
〔変動系コマンド処理〕
図79には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC56)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC131)。
特図種別とは特図1と特図2の何れかである。この特図種別が未確定である場合(ステップC131;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。
また、特図種別が未確定でない場合(ステップC131;N)は、変動パターン対応図柄判定処理を行う(ステップC132)。
変動パターン対応図柄判定処理(ステップC132)では、変動コマンドにより指定される変動パターンと、飾り特図コマンドにより指定される図柄種別が整合するかを判定する。図柄種別には、はずれ、16R確変図柄、2R確変図柄、11R確変図柄などがあり、変動パターンには、はずれ用の変動パターンや、特定の図柄種別用の変動パターンなどがあり、受信した両コマンドの内容が整合するかを判定する。
そして、変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC133;Y)は、異常である場合なので変動系コマンド処理を終了する。
不整合である場合とは、例えば、はずれの変動コマンドを受信したのに16R確変図柄の飾り特図コマンドを受信していた場合であり、演出を行う上で矛盾が生じてしまう場合である。
また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC133;N)は、変動演出設定処理を行い(ステップC134)、P機状態として特図変動中を設定し(ステップC135)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図80には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC134)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン分類処理を行い(ステップC141)、大別パターン、各種演出情報に対応する予告振分テーブル1を準備し(ステップC142)、予告抽選処理(ステップC143)を行う。
予告振分テーブル1には、リーチ予告やステップアップ予告などの変動開始時に行われる予告の種類や各予告の選択確率が定義されており、予告抽選処理ではこのテーブルに基づき予告の抽選を行う。
次に、大別パターン、各種演出情報に対応する予告振分テーブル2を準備し(ステップC144)、予告抽選処理(ステップC145)を行う。
予告振分テーブル2には、演出モードなどに対応した演出や、演出ボタン25の操作を伴う演出や各演出の選択確率が定義されており、予告抽選処理ではこのテーブルに基づき予告の抽選を行う。
そして、大別パターンが通常はずれであるかを判定し(ステップC146)、通常はずれである場合(ステップC146;Y)、すなわちリーチ状態とならない場合は、先読み演出昇格判定処理(ステップC149)を行う。
また、大別パターンが通常はずれでない場合(ステップC146;N)、すなわちリーチ状態となる場合は、大別パターン、各種演出情報に対応する予告振分テーブル3を準備し(ステップC147)、予告抽選処理(ステップC148)を行って、先読み演出昇格判定処理(ステップC149)を行う。
予告振分テーブル3には、リーチ中に行われる予告や各予告の選択確率が定義されており、予告抽選処理ではこのテーブルに基づき予告の抽選を行う。
先読み演出昇格判定処理(ステップC149)では、先読み演出の予告対象となっている保留が大当りとなる場合であって、当該保留に基づく特図変動表示ゲームを開始する際に、大当りを確定的に報知する演出に先読み演出を昇格させるための抽選を行う。
なお、飾り特図始動記憶表示81,82の表示態様を変化させて行う先読み演出である保留変化予告は、予告対象の保留の変動開始時に消去されてしまい昇格させることができないため対象外とされる。ただし、実行中の特図変動表示ゲームに対応していた保留の情報を表示する消化保留表示領域83を有する場合は対象としても良い(図82参照)。
その後、予告演出設定処理(ステップC150)、予告シナリオデータ設定処理(ステップC151)を行い、上記の各処理で設定された予告や演出についての各種情報を設定し、特図種別が特図2である変動であるかを判定する(ステップC152)。
特図種別が特図2である場合(ステップC152;Y)は、対応する第2飾り特図始動記憶表示82を減少させる演出を行うために、特図2保留用モーション制御テーブルのインデックスを算出してセーブし(ステップC153)、第4図柄の変動を制御するために第4図柄用(特図2変動)モーション制御テーブルのインデックスをセーブする(ステップC154)。
また、特図種別が特図2でない場合(ステップC152;N)は、対応する第1飾り特図始動記憶表示81を減少させる演出を行うために、特図1保留用モーション制御テーブルのインデックスを算出してセーブし(ステップC155)、第4図柄の変動を制御するために第4図柄用(特図1変動)モーション制御テーブルのインデックスをセーブする(ステップC156)。
そして、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄領域の値を現図柄領域にセーブし(ステップC157)、変動パターン別開始設定処理を行い(ステップC158)、飾り特図変動表示ゲームを開始する。
さらに、先読み演出を実行するゲーム数を管理する先読み演出回数が0でなければ−1更新し(ステップC159)、先読み演出回数が0になったかを判定する(ステップC160)。
更新の結果、先読み演出回数が0になっていない場合(ステップC160;N)は、変動演出設定処理を終了する。
また、更新により先読み演出回数が0になった場合(ステップC160;Y)は、先読み演出が今回の特図変動表示ゲームで最後となるので先読み演出実行中フラグをクリアし(ステップC161)、変動演出設定処理を終了する。なお、先読み演出実行中フラグは、先読み演出回数が0になった特図変動表示ゲームの終了時にクリアするようにしても良い。
以上の処理により、変動を開始する特図変動表示ゲームにおける予告演出が設定されて実行されることとなる。すなわち、演出制御装置300が、所定の予告演出を実行可能な予告演出手段をなす。
〔先読み演出昇格判定処理〕
図81には、上述の変動演出設定処理における先読み演出昇格判定処理(ステップC149)を示した。この先読み演出昇格判定処理では、まず、先読み演出の実行中であるかを判定し(ステップC171)、先読み演出の実行中でない場合(ステップC171;N)は、先読み演出昇格判定処理を終了する。
また、先読み演出の実行中である場合(ステップC171;Y)は、実行中の演出は飾り特図始動記憶表示81,82の表示態様を変化させることで行う保留変化予告であるかを判定する(ステップC172)。
そして、保留変化予告である場合(ステップC172;Y)は、先読み演出昇格判定処理を終了する。保留変化予告は予告対象の保留の変動開始時に消去されてしまい昇格させることができないため対象外とされる。
また、保留変化予告でない場合(ステップC172;N)は、当該変動は先読みの本保留(予告対象の保留)であるかを判定する(ステップC173)。
保留変化予告でない先読み演出とは、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタにより予告を行う演出などである。
当該保留は先読みの本保留でない場合(ステップC173;N)は、先読み演出昇格判定処理を終了する。
また、当該保留は先読みの本保留である場合(ステップC173;Y)は、当該変動は大当りであるかを判定する(ステップC174)。
当該変動は大当りでない場合(ステップC174;N)は、先読み演出昇格判定処理を終了する。
また、当該変動は大当りである場合(ステップC174;Y)は、実行中の先読み演出に対応する昇格抽選テーブルを設定し(ステップC175)、予告抽選処理を行い(ステップC176)、抽選結果は現在実行中の予告と同じであるかを判定する(ステップC177)。
昇格抽選テーブルには、変更なし及び複数の確定演出と、それぞれの選択確率が定義されており、予告抽選処理ではこのテーブルに基づき予告の抽選を行う。
抽選結果は現在実行中の予告と同じである場合(ステップC177;Y)、すなわち予告抽選の結果、変更なしが選択されて演出を変化しない場合は、先読み演出昇格判定処理を終了する。
また、抽選結果は現在実行中の予告と同じでない場合(ステップC177;N)は、決定された先読み演出の実行中フラグに差し替え(ステップC178)、現在表示中の予告であるかを判定する(ステップC179)。
現在表示中の予告でない場合(ステップC179;N)は、先読み演出昇格判定処理を終了する。この場合は、当該予告の実行時にステップC178で差し替えられた実行中フラグに基づき演出が設定される。
また、現在表示中の予告である場合(ステップC179;Y)は、決定された先読み演出に対応するシナリオレイヤー番号を準備し(ステップC180)、決定された先読み演出に対応するシナリオ用データテーブルのアドレスを準備する(ステップC181)。その後、シナリオデータ設定処理を行い(ステップC182)、先読み演出昇格判定処理を終了する。この場合は、これらの処理により表示中の予告が即座に変更される。
この先読み演出昇格判定処理により、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームについて予告演出を変更することが可能となる。変更後の演出としては大当りを確定的に報知する特定の予告演出を選択可能である。もちろん結果が大当りとなるものであっても特定の予告演出を選択しなくても良いし、複数種類の特定の予告演出やそれ以外の予告演出のうち、選択可能な演出が決められていても良い。
これにより、上述したように先読み結果が高確率状態でのみ大当りとなる結果であったために、予告の矛盾を防止するために大当りを確定的に報知する特定の事前予告演出を規制していた場合であっても、大当りを確定的に報知する特定の予告演出を実行可能となる。すなわち、予告対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることが確定した上で大当りを確定的に報知する特定の予告演出を実行することとなり、予告が矛盾することはない。
なお、先読み演出昇格判定処理では保留変化予告については昇格の対象外としたが、実行中の特図変動表示ゲームに対応していた保留の情報を表示する消化保留表示領域83を有する場合は対象としても良い。
図82に示す例では、表示装置41の下部の中央より左側に特図1保留に対応する第1飾り特図始動記憶表示81が表示され、中央より右側に特図2保留に対応する第2飾り特図始動記憶表示82が表示される。ここでは特図1保留は3個であるのでそれぞれに対応した第1飾り特図始動記憶表示81が3個表示され、特図2保留は0個であるので第2飾り特図始動記憶表示82は表示されていない。
そして、第1飾り特図始動記憶表示81と第2飾り特図始動記憶表示82の間に、実行中の特図変動表示ゲームに対応していた保留の情報を表示する消化保留表示領域83が設けられている。
この消化保留表示領域83には、特図変動表示ゲームの開始時に対応する第1飾り特図始動記憶表示81又第2飾り特図始動記憶表示82はが流入して表示されるような演出が行われる。消化保留表示領域83に流入した飾り特図始動記憶表示81,82は、保留変化予告を行っていた場合は当該保留変化予告を維持した状態で消化保留表示領域83に表示可能である。
また、所定のタイミングで実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を報知するための表示に変化することも可能となっている。
保留変化予告の昇格が設定された場合には、例えば図82(a)に示すように消化保留表示領域83で予告が行われていない状態から、図82(b)に示すように予告を行う状態に変化させるようにする。
このようにすることで、高確率状態でのみ大当りとなる保留について大当りを確定的に報知する特定の事前予告演出を行わないようにしていた場合に、消化保留表示領域83において大当りを確定的に報知する特定の事前予告演出と同じ演出を行うこともでき、保留変化予告に対する期待感を持たせることができる。
特に、時短状態でない場合での大当り(初当り)の場合、特別遊技状態の終了後1回目の特図変動表示ゲームは特図1保留に基づくものとなる可能性が非常に高いため、消化保留表示領域93において演出を実行可能とすることで、この特図変動表示ゲームで大当りとなる場合も確実に演出を行うことができる。
以上のことから、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、入賞可能状態と入賞不可能状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する権利を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶可能であるとともに、該始動記憶に対応して所定の乱数を記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する権利を第2始動記憶として所定の上限数まで記憶可能であるとともに、該始動記憶に対応して所定の乱数を記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置100)と、を備え、第1始動記憶手段及び第2始動記憶手段に記憶された所定の乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行時の確率状態に対応する判定値に基づいて判定することが可能な実行時判定手段(遊技制御装置100)と、第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先して実行する優先制御手段(遊技制御装置100)と、所定の予告演出を実行可能な予告演出手段と(演出制御装置300)、を備え、事前予告演出手段(演出制御装置300)は、第1始動記憶に関する前記特定の事前予告演出の実行を規制することが可能なように構成され、予告演出手段は、実行時判定手段による実行時判定結果が特別結果を発生することを示す情報であった場合には、事前予告演出手段によって第1始動記憶に関する特定の事前予告演出の実行が規制されている場合であっても、当該特別結果が発生することを示す特定の予告演出を実行することが可能であることとなる。
したがって、特定の事前予告演出の実行が規制されている場合であっても、実行時判定手段による実行時判定結果に基づき特別結果が発生することを示す特定の予告演出を実行することが可能であるので、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本実施形態の遊技機は、特別遊技状態の終了後に必ず高確率状態(ST状態)となるようになっているが、大当りの種類により特別遊技状態の終了後に高確率状態とならないようにしても良い。
また、高確率状態である場合であって優先的に消化されない特図1保留についてのみ高確率状態でのみ大当りと判定された保留について大当りを確定的に報知する特定の事前予告演出を規制するようにしても良い。
また、これに加えて、低確率状態において普通変動入賞装置37が長期間にわたって開放されること(普電ロング開放)によって特図2保留が複数個発生する可能性があるような場合にも、特図1保留について高確率状態でのみ大当りと判定された保留に対する特定の事前予告演出を規制するようにしても良い。
また、事前判定結果が高確率状態でのみ大当りである保留について、大当りを確定的に報知する特定の事前予告演出は行わない(テーブルに設定されていない)が、その他の何らかの予告演出を行う(選択される)ケースはある。
そのため、例えば高確率状態でのみ大当りであった保留については、後に昇格によって変化することを考慮した態様の先読み演出を行うようにしても良い。例えば、高確率状態でのみ大当りである保留について保留変化予告として卵が割れそうで震えている演出を行い、当該保留に基づく特図変動表示ゲームの開始時の判定により大当りとなることが確定した場合には、保留変化予告を昇格させて卵が割れて確定報知キャラクタが出現するようにしても良い。
また、表示装置41とは別に遊技に関する情報を表示するサブ表示装置を設け、先読み演出表示をサブ表示装置で行うようにしても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別遊技状態の終了後に記憶されている始動記憶についての先読み演出を再設定可能となっている。
〔大当り系コマンド処理〕
図83には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC58)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEは特別遊技状態の開始に関する情報を含むファンファーレコマンドに対応するものであるか否かを判定する(ステップC201)。そして、MODEはファンファーレコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC201;Y)には、ファンファーレ演出設定処理(ステップC202)を行って、先読み演出の実行中であるかを判定する(ステップC209)。
先読み演出の実行中でない場合(ステップC209;N)は、大当り系コマンド処理を終了する。
また、先読み演出の実行中である場合(ステップC209;Y)は、先読み演出実行中フラグをクリアする(ステップC210)。これにより実行中の先読み演出が終了することとなる。そして、特別遊技状態の終了後に先読み演出を再設定可能とするための先読み演出再抽選フラグをセットして(ステップC211)、大当り系コマンド処理を終了する。すなわち、特別遊技状態の開始時に先読み演出を実行していた場合はこれを終了し、特別遊技状態の終了後に再設定できるようにする。
なお、大当り発生時には、どの保留が先読み演出の予告対象である本保留についての情報を保存しておくようにする。そして、例えば再設定の際に本保留であるか否かによって先読み演出の実行確率や内容を変化させるようにしても良い。
また、ステップC201で、MODEはファンファーレコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC201;N)には、MODEはラウンドコマンドに対応するものであるか否かを判定する(ステップC203)。そして、MODEは特別遊技状態のラウンド数に関する情報を含むラウンドコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC203;Y)には、ラウンド演出設定処理(ステップC204)を行って、ステップC209に移行する。
また、ステップC203で、MODEはラウンドコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC203;N)には、MODEはラウンド間のインターバルに係る情報を含むインターバルコマンドに対応するものであるか否かを判定する(ステップC205)。そして、MODEはインターバルコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC205;Y)には、インターバル演出設定処理(ステップC206)を行って、ステップC209に移行する。
また、ステップC205で、MODEはインターバルコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC205;N)には、MODEは特別遊技状態の終了に係る情報を含むエンディングコマンドに対応するものであるか否かを判定する(ステップC207)。そして、MODEはエンディングコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC207;Y)には、エンディング演出設定処理(ステップC208)を行って、ステップC209に移行する。
また、MODEはエンディングコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC207;N)には、大当り系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
また、図80に示した変動演出設定処理に替えて図84に示す変動演出設定処理を行う。この変動演出設定処理では、先読み演出昇格判定処理(ステップC149)に替えて特別遊技状態の終了後に先読み演出を再設定するための先読み演出再設定処理(ステップC221)を行うようにしている。
〔先読み演出再設定処理〕
図85には、上述の変動演出設定処理における先読み演出再設定処理(ステップC221)を示した。この先読み演出再設定処理におけるステップC171〜C182までの処理は、図81に示した先読み演出昇格判定処理と同じである。
そして、先読み演出の実行中でない場合(ステップC171;N)は、先読み演出再抽選フラグがあるかを判定し(ステップC231)、先読み演出再抽選フラグがない場合(ステップC231;N)は、先読み演出再設定処理を終了する。
また、先読み演出再抽選フラグがある場合(ステップC231;Y)は、先読み演出再抽選フラグをクリアし(ステップC232)、保留情報として特図1の保留1(消化順が1番目の特図1保留)をセットして(ステップC233)、先読み抽選処理(ステップC234)を行う。詳細については後述するが、先読み抽選処理は図78に示した処理に替えて図86に示した処理を行う。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC235;N)、すなわち先読み抽選処理で予告なしが選択された場合は、全ての特図1保留に対して先読み抽選を行ったかを判定する(ステップC239)。
また、先読み予告演出を発生する場合(ステップC235;Y)、すなわち先読み抽選処理で先読み演出の実行及び種類が選択された場合は、選出された先読み演出に対応するシナリオレイヤー番号を準備し(ステップC236)、選出された先読み演出に対応するシナリオ用データテーブルのアドレスを準備する(ステップC237)。その後、シナリオデータ設定処理を行い(ステップC238)、全ての特図1保留に対して先読み抽選を行ったかを判定する(ステップC239)。
ここでは再抽選により発生可能な先読み予告演出として保留変化予告のみとされているため、直ちにシナリオ設定を行う。
全ての特図1保留に対して先読み抽選を行った場合(ステップC239;Y)は、先読み演出再設定処理を終了する。
また、全ての特図1保留に対して先読み抽選を行っていない場合(ステップC239;N)は、消化順が1つ後の特図1保留情報をセットし(ステップC240)、ステップ234に戻る。すなわち、順次新しい保留に対して先読み抽選を行う。
〔先読み抽選処理〕
また、図78に示した先読み抽選処理に替えて図86に示す先読み抽選処理を行う。この先読み抽選処理では、先読み演出の再抽選に関する処理であるステップC251〜C255が追加されている。この先読み演出の再抽選に関する処理としては、まず、先読み演出の再抽選であるかの判定を行う(ステップC251)。
先読み抽選の再抽選でない場合(ステップC251;N)、すなわち始動記憶の発生に伴う先読み変動系コマンド処理における先読み抽選処理である場合は、ステップC115の処理に移行する。
また、先読み抽選の再抽選である場合(ステップC251;Y)、すなわち特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームが開始されることに伴う先読み演出再設定処理における先読み抽選処理である場合は、先読み演出再設定処理でセットされた保留情報の先読み図柄コマンドをロードする(ステップC252)。
特別遊技状態の発生前に発生した特図1保留についての先読み図柄コマンドは、対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブされており、ここではこの情報をロードする。
この先読み図柄コマンドは、特図1保留についての先読みが禁止される時短状態となる前、すなわち大当りの発生前に演出制御装置300に送信されて記憶されたものである。
そして、対象の保留は高確率時のみ大当りとなるものであるかを判定する(ステップC253)。
対象の保留は高確率時のみ大当りとなるものでない場合(ステップC253;N)は、先読み図柄コマンドに対応する先読み再抽選グループテーブルを準備し(ステップC255)、ステップC120に移行する。
また、対象の保留は高確率時のみ大当りとなるものである場合(ステップC253;Y)は、ロードした先読み図柄コマンドをはずれ情報(低確率状態及び高確率状態の何れでもはずれ)に差し替え(ステップC254)、先読み図柄コマンドに対応する先読み再抽選グループテーブルを準備し(ステップC255)、ステップC120に移行する。これにより、確率状態の変化によって演出に矛盾が生じ、遊技者の期待感や興趣を低下させてしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上することができる。
先読み再抽選グループテーブルには、予告なし及び実行可能な先読み演出の種類と、それぞれの選択確率が定義されている。ここでは実行可能な先読み演出として、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させることで行う保留変化予告のみが定義されている。
すなわち、演出制御装置300が、特別遊技状態の終了後に、演出情報記憶保持手段(演出制御装置300)に記憶保持されている事前判定結果情報に基づいて、事前予告演出に関する再判定を行うことが可能な事前予告演出再判定手段をなす。
図87には、先読み演出の実行態様の一例を示した。図87(a)に示すように、表示装置41の下部には飾り特図始動記憶表示81,82が表示される。
この飾り特図始動記憶表示には、特図1保留に対応する第1飾り特図始動記憶表示81と、特図2保留に対応する第2飾り特図始動記憶表示82があり、中央より左側に第1飾り特図始動記憶表示81が表示され、中央より右側に第2飾り特図始動記憶表示82が表示される。
第1飾り特図始動記憶表示81及び第2飾り特図始動記憶表示82は、一の表示が一の始動記憶に対応するようになっており、中央側が最も古い始動記憶に対応する表示とされ、側方へ向かって順に新しい始動記憶に対応する表示とされている。
また、始動記憶が消化されると対応する飾り特図始動記憶表示が消去され、順に中央側へシフトするようになっている。
図87(a)に示す状態では、特図1保留が3個あり、特図2保留が0個である状態となっている。
この状態から特図1保留に基づく変動表示が開始されると、図87(b)に示すように対応する中央側の第1飾り特図始動記憶表示81が消去されるとともに、中央側へ向かって一つずつシフトする。
その後、図87(c)に示すように新たな特図1保留が発生すると当該始動記憶に対応する第1飾り特図始動記憶表示81が表示される。なお、この特図1保留は高確率状態でのみ大当りとなるものであるが、ここでは低確率状態(通常モード)であるので大当りとなるものではない。この特図1保留については抽選により先読み演出を行うことが選択されたため対応する第1飾り特図始動記憶表示81を変化させる先読み演出が行われている。
そして、図87(d)に示すように新たに特図2保留が発生して第2飾り特図始動記憶表示82が表示されている。この特図2保留は低確率状態及び高確率状態で大当りとなるものであり、対応する第2飾り特図始動記憶表示82を変化させる先読み演出が行われている。
さらに、新たな特図1保留が発生して当該始動記憶に対応する第1飾り特図始動記憶表示81が表示され、図87(e)に示すように特図変動表示ゲームが終了して飾り特図変動表示ゲームでも結果態様が表示されている。なお、この特図1保留に対応する第1飾り特図始動記憶表示81については、これより前に消化される特図1保留に対応する第1飾り特図始動記憶表示81において先読み演出が行われているので先読み演出の対象とはならず、先読み演出は行われていない。
その後、図87(f)に示すように特図1保留よりも優先的に消化される特図2保留に基づく特図変動表示ゲームが開始され、対応する第2飾り特図始動記憶表示82が消去される。ここでは変動開始時の演出として、大当りとなる可能性が高いことを示す音声が出力されている。
図87(g)に示すように当該特図変動表示ゲームで大当りとなり、図87(h)に示すように特別遊技状態となる。特別遊技状態の開始に伴い飾り特図始動記憶表示の表示は消去されて先読み演出は終了する。なお、実行していた先読み演出の情報は演出制御装置300で記憶されている。
そして、図87(i)に示すように、特別遊技状態の終了時には先読み演出の再設定が行われることが報知され、特図変動表示ゲームの開始に伴い再設定が行われる。
これにより図87(j)に示すように、特図1保留についての先読み演出が行われる。ここでは、消化順で1番目から3番目の特図1保留について先読み演出の実行が設定されている。この消化順で1番目から3番目の特図1保留は、特別遊技状態の発生時には消化順で2番目から4番目であった特図1保留である。
これらの特図1保留について、演出制御装置300で記憶していた情報に基づき先読み演出の再設定が行われる。
ただし、高確率状態でのみ大当りである保留について、はずれとなるものとして扱われるようになっている。ここでは消化順で2番目の特図1保留が高確率状態でのみ大当りである保留である。
先読み演出の再設定により、消化順で1番目と3番目の特図1保留については先読み演出なしの状態から先読み演出を実行する状態に変更されている。
また、消化順で2番目の特図1保留については実行していた先読み演出と同じ先読み演出(変化なし)とされている。この消化順で2番目の特図1保留については、はずれとなるものとして先読み演出が再設定されている。この保留についての再設定では他の保留変化予告に変化することや保留変化予告を行わないようにすることも選択可能であったが、ここでは演出の変化なしが選択されたものである。また、はずれとして扱われるため、少なくとも大当りを確定的に報知する演出が選択されることはない。
なお、特別遊技状態の発生時に消化順で1番目であった特図1保留は特図変動表示ゲームの開始に伴い消化されているため、対応する第1飾り特図始動記憶表示は表示されていない。
また、この特図変動表示ゲームの実行中に新たに特図1保留が発生して対応する第1飾り特図始動記憶表示が表示されているが、特別遊技状態の終了に伴い時短状態が発生しているため、この特図1保留については先読み情報が送信されておらず、先読み演出は行われない。
このように特別遊技状態の発生前に発生した保留についての事前予告演出が特別遊技状態の終了後にも可能となるので、遊技の興趣を向上することができる。
また、高確率状態でのみ大当りとなる保留についてはずれとなるものとして扱うことで、過度の期待感を持たせないようにすることができるとともに、遊技の公平性を保つことができる。また、確率状態の変化によって演出に矛盾が生じ、遊技者の期待感や興趣を低下させてしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上することができる。
すなわち、特別遊技状態が終了して高確率状態となった状態で先読み演出の再設定を行うと、高確率状態でのみ大当りとなる保留についてはこの状態で大当りとなる保留であるので期待度の高い先読み演出が設定される可能性が高い。しかし、特別遊技状態の終了に伴い時短状態となるため、この特図1保留は消化されずに記憶されたままとなる可能性が高い。このような特図1保留について期待度の高い先読み演出が行われると、遊技者に過度の期待感を持たせてしまう。
また、規定回数の特図変動表示ゲームを実行して高確率状態及び時短状態が終了し、当該特図1保留が消化されたとしても、その時点では結果がはずれとなってしまうため、遊技者に大きな落胆感を与えてしまい興趣が低下することとなる。
さらに、高確率状態のうちに止め打ちすることで当該特図1保留を消化して大当りを発生させることができてしまうので、そのようなことを行った遊技者と行わなかった遊技者とで得られる利益が大きく違ってしまい、遊技者間の公平性を損ねてしまう虞がある。
しかし、高確率状態でのみ大当りとなる保留についてはずれとなるものとして扱うことで、はずれとなる保留に対して設定される先読み演出となるため、それほど期待度の高い先読み演出は行われず、上記のような問題が生じることを防止できる。
以上のことから、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41)と、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの制御情報に基づいて変動表示ゲームに関する演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、特別結果が発生する確率状態には、通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態と、があり、特別遊技状態の終了後、高確率状態を発生可能に構成され、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、入賞可能状態と入賞不可能状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、主制御手段は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する権利を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶可能であるとともに、該始動記憶に対応して所定の乱数を記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する権利を第2始動記憶として所定の上限数まで記憶可能であるとともに、該始動記憶に対応して所定の乱数を記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第1始動記憶手段、第2始動記憶手段に記憶された所定の乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先して実行する優先制御手段(遊技制御装置100)と、主制御手段における制御情報を演出制御手段に送信する制御情報送信手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御情報送信手段は、事前判定手段による事前判定結果を、当該事前判定結果をもたらす確率状態が識別可能な情報を含めた事前判定結果情報として演出制御手段へ送信することが可能なように構成され、演出制御手段は、制御情報送信手段によって送信された事前判定結果情報に基づき、事前予告演出に関する判定を行うことが可能な事前予告演出判定手段(演出制御装置300)と、該事前予告演出判定手段の判定結果に基づいて、事前予告演出を実行可能な事前予告演出実行手段(演出制御装置300)と、制御情報送信手段によって送信された事前判定結果情報を記憶保持することが可能な演出情報記憶保持手段(演出制御装置300)と、特別遊技状態の終了後に、演出情報記憶保持手段に記憶保持されている事前判定結果情報に基づいて、事前予告演出に関する再判定を行うことが可能な事前予告演出再判定手段(演出制御装置300)と、を備え、事前予告演出実行手段は、特別遊技状態が発生する場合、事前予告演出実行手段によって実行されている事前予告演出を規制することが可能であり、特別遊技状態の終了後に、事前予告演出再判定手段の判定結果に基づいて事前予告演出を実行可能であることとなる。
したがって、特別遊技状態の発生前に発生した始動記憶についての事前予告演出が可能となるので、遊技の興趣を向上することができる。
また、事前予告演出再判定手段(演出制御装置300)は、演出情報記憶保持手段(演出制御装置300)に記憶保持されている事前判定結果情報に基づいて事前予告演出に関する再判定を行う場合に、当該事前判定結果情報が高確率状態においてのみ特別遊技状態が発生することを示す情報である場合には、当該事前判定結果情報を、通常確率状態または高確率状態のいずれにおいても特別遊技状態が発生しないことを示す情報に差し替えて再判定を行うことが可能であることとなる。
したがって、確率状態の変化によって演出に矛盾が生じ、遊技者の期待感や興趣を低下させてしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、特別遊技状態の終了後一回目の特図変動表示ゲームにおいて、図88に示すような先読み演出の再設定結果を報知する報知演出を行うようにしても良い。
図88(a)に示すように、特図変動表示ゲームの開始時には第1飾り特図始動記憶表示81は表示されない状態とされ、表示装置41の中央に先読み演出の再設定結果を報知するための再抽選箱84が表示される。
なお、飾り特図変動表示ゲームは表示装置41の空いた表示領域(ここでは右上部)で表示される。また、第2飾り特図始動記憶表示82については当初から表示された状態とされる。
図88(a)に示すように、まず消化順で1番目となる特図1保留に対応した第1飾り特図始動記憶表示81が再抽選箱84から飛び出すように表示される。このときの第1飾り特図始動記憶表示81はすでに先読み演出が再設定された状態となっている。
そして、飛び出した第1飾り特図始動記憶表示81は、再抽選箱84の側方の一時表示部85で所定期間に亘り表示されたのち、表示装置41の下部に位置する通常の表示位置に移動する。
その後、図88(b)に示すように消化順で2番目となる特図1保留に対応した第1飾り特図始動記憶表示81も同様に表示され、図88(c)に示すように消化順で3番目となる特図1保留に対応した第1飾り特図始動記憶表示81も同様に表示される。
このような報知演出を経て図88(d)に示すようにすべての第1飾り特図始動記憶表示81が表示されるようになる。
なお、特別遊技状態の終了後に発生した特図1保留については再設定の対象とならないので報知演出を経ずに表示するようにしても良いし、報知演出で先読み演出なしであることを報知しても良い。
また、先読み演出の再設定を特別遊技状態中に行うようにして、その結果の報知を特別遊技状態中に行っても良い。このようにすれば特別遊技状態の発生時に消化順で1番目である特図1保留についても再設定を行うことができる。
また、図82に示したような消化保留表示領域83を設け、この消化保留表示領域83において再設定した先読み演出を表示するようにしても良い。このようにすれば、特別遊技状態の発生時に消化順で1番目である特図1保留について当該特図変動表示ゲームの実行中に再設定した先読み演出を表示することができる。
また、このような報知演出を行うため、特別遊技状態の終了後の1ゲーム目については報知演出を行うために十分な変動時間を有する変動パターンが設定されるようにする。
この時の変動時間は、当該ゲームで発生した特図1保留について報知演出を行わない場合には、最大で3個の特図1保留について報知演出を行うことのできる時間であればよいが、常に3個の特図1保留について報知演出を行うことのできる変動時間を設定しても良いし、再設定を行う特図1保留の数に応じて必要な変動時間を設定するようにしても良い。
また、特別遊技状態の終了後の1ゲーム目が特図2保留に基づくものである場合は報知演出を行うようにしても良いし、行わなくても良い。
すなわち、特別遊技状態の終了後の1ゲーム目が特図1保留に基づくものである場合とは、主に時短状態でない場合での大当り(初当り)であった場合であるので、特図2保留が溜まるまでの時間を稼ぐ意味でも長い変動時間を設定することが遊技者にとって好ましく報知演出を行うようにすることが好ましい。
これに対して特別遊技状態の終了後の1ゲーム目が特図2保留に基づくものである場合とは、主に時短状態での大当り(連続当り)であった場合であるので、速やかに遊技を進行させるために長い変動時間を設定しないことが遊技者にとって好ましい場合もあるので報知演出を行わないようにしても良い。
また、先読み変動組合せ確認処理(ステップC116)により予告対象となる保留よりも前に大当りや信頼度の高いリーチ演出などが発生しないようにしているが、これにより予告対象となる保留よりも前の保留に対して先読み演出を再設定したとしても当該保留の期待感が高まらない可能性がある。
このため、予告対象となる保留よりも前の保留についてもある程度の保留変化予告を行っておくことが好ましい。また、高確率状態でのみ大当りとなる保留の発生を契機に、すでにある保留について保留変化予告を行うようにしても良い。
また、再設定される先読み演出は保留変化予告のみとしたが、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタにより予告を行う演出などの先読み演出も選択可能としても良い。
また、表示装置41とは別に遊技に関する情報を表示するサブ表示装置を設け、先読み演出表示をサブ表示装置で行うようにしても良い。例えば、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームとは関係なくサブ表示装置において図88に示した報知演出などを行うようにしても良い。
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、高確率状態から低確率状態への遷移に伴い先読み演出を再設定可能としている。
〔変動演出設定処理〕
本変形例の遊技機では、図80に示した変動演出設定処理に替えて図89に示す変動演出設定処理を行う。この変動演出設定処理では、ST終了後の1回転目であるかの判定を行う(ステップC261)。ST終了とは、規定回数の特図変動表示ゲームを実行し高確率状態が終了して低確率状態となることであり、ここでは低確率状態となって初めての特図変動表示ゲームであるかを判定している。
ST終了後の1回転目でない場合(ステップC261;N)は、ステップC142以降の処理を行う。なお、ここでは先読み演出昇格判定処理(ステップC149)は行わない。
また、ST終了後の1回転目である場合(ステップC261;Y)は、当該変動以外の特図保留があるかを判定し(ステップC262)、当該変動以外の特図保留がない場合(ステップC262;N)は、ステップC142以降の処理を行う。
当該変動以外の特図保留がある場合(ステップC262;Y)は、保留先読み予告消化演出用の予告振り分けテーブル1を準備し(ステップC263)、高確率時のみ大当りの保留があるかを判定する(ステップC264)。
そして、高確率時のみ大当りの保留がない場合(ステップC264;N)は、予告抽選処理を行い(ステップC266)、ステップC150以降の処理を行う。
また、高確率時のみ大当りの保留がある場合(ステップC264;Y)は、保留先読み予告消化演出用の予告振り分けテーブル2を準備する(ステップC265)。これにより、低確率状態に移行することにより大当りでなくなってしまった保留に対する先読み演出について特有の変化を行うことが可能となる。
この特有の変化としては、通常では出現しない先読み演出への変化や、先読み演出の終了(規制)が挙げられる。特に先読み演出の終了とすれば、確率状態の変化によって演出に矛盾が生じ、遊技者の期待感や興趣を低下させてしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上することができる。
その後、準備した予告振り分けテーブルを用いて各保留についての先読み演出の開始や終了、変更などを抽選する予告抽選処理を行い(ステップC266)、ステップC150以降の処理を行う。
この処理により、低確率状態となった際に記憶されている保留についての先読み演出が再設定されて実行の有無や内容が変更され、各保留についての情報が示唆、報知されるようになる。
例えば、高確率状態において先読み演出が実行されていない保留については、大当りとなる保留(低確率状態及び高確率状態の何れでも大当りとなる保留)の方がはずれとなる保留よりも先読み演出が実行される確率が高くされており、これにより大当りとなる可能性が示唆、報知される。
また、高確率状態において先読み演出が実行されている保留については、大当りとなる保留(低確率状態及び高確率状態の何れでも大当りとなる保留)の方がはずれとなる保留よりも、信頼度の高い先読み演出への変化や、先読み演出が終了しない確率が高くされており、これによっても大当りとなる可能性が示唆、報知される。
また、高確率状態でのみ大当りとなる保留については、大当りを確定的に報知する先読み演出である特定の事前予告演出は当初から規制されているが、何らかの先読み演出が行われている可能性が高い。
この保留に対する先読み演出について特有の変化(例えば通常では出現しない先読み演出への変化や、先読み演出の終了(規制))を行うことで、当該保留が高確率状態でのみ大当りとなる保留であったことを示唆することもできる。
さらに、低確率状態及び高確率状態の何れでも大当りとなる保留についても別の特有の変化(例えば通常では出現しない先読み演出への変化)を行うことで、当該保留が大当りとなることを示唆することもできる。
また、低確率状態及び高確率状態の何れでも大当りとなる保留については、先読み演出を一旦終了してから復活させるようにして、再設定により先読み演出が終了した場合でも期待が持てるようにしても良い。
なお、このような先読み演出の再設定を低確率状態となった最初の特図変動表示ゲームで行うとしたが、これ以外のタイミングで行うようにしても良い。例えば、高確率状態での最終の特図変動表示ゲームで行うようにしても良い。この場合、特図変動表示ゲームの変動中に行うようにしても良いし、停止時間中(ST状態の終了報知中など)に行うようにしても良い。停止時間中に行う場合は停止時間を通常よりも延長するようにしても良い。
また、高確率状態でのみ大当りとなる保留について先読み演出を行っている場合に、当該高確率状態でのみ大当りとなる保留の前に消化される他の保留がある場合は、すぐに先読み演出を消滅させるのではなく、当該高確率状態でのみ大当りとなる保留に基づく特図変動表示ゲームまでに亘り先読み演出が消滅する演出を行うようにしても良い。
さらに、同様の演出を低確率状態及び高確率状態の何れでも大当りとなる保留について先読み演出を行っている場合に行い、最終的には先読み演出が消滅しないような演出として行うようにすれば、当該演出で先読み演出が消滅するか否かに対して期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、低確率状態及び高確率状態で大当りとなる保留について先読み演出を行っている途中で低確率状態に移行した場合に、高確率状態での演出モードを継続してST状態で大当りとなったように見せるようにしても良い。
逆に、高確率状態でのみ大当りとなる保留について先読み演出を行っている途中で低確率状態に移行した場合には最終的にはずれとなるが、高確率状態での演出モードを継続して期待感を持たせるようにしても良い。
従来の遊技機では、ST終了等の確率状態が変化するタイミングの所定ゲーム数前から先読みを規制することで先読み演出の矛盾を防止しているが、本実施形態の遊技機では確率状態も加味した先読み結果となっているので、変化する確率状態に対応して上述のような先読み演出を行うことができる。
また、表示装置41とは別に遊技に関する情報を表示するサブ表示装置を設け、先読み演出表示をサブ表示装置で行うようにしても良い。
例えば、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームとは関係なくサブ表示装置において先読み演出の再設定に関する演出などを行うようにしても良い。
また、低確率状態ではサブ表示装置に対応する飾り特図始動記憶表示81,82を表示し、高確率状態では表示装置41に対応する飾り特図始動記憶表示81,82を表示するようにしても良い。このようにすれば、高確率状態において当該高確率状態の終了後に特図変動表示ゲームを行う保留に関してはサブ表示装置で保留変化予告などの先読み演出が行われるようになり、表示装置41で行う高確率状態の終了に関する演出の邪魔をしないようにすることができ、また、高確率状態の終了後に消化される保留に対する先読み演出も確実に行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41)と、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの制御情報に基づいて変動表示ゲームに関する演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、特別結果が発生する確率状態には、通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態と、があり、特別遊技状態の終了後、高確率状態による変動表示ゲームを所定期間に亘って実行することが可能であり、主制御手段は、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能であるとともに、該始動記憶に対応して所定の乱数を記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された所定の乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、主制御手段における制御情報を演出制御手段に送信する制御情報送信手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御情報送信手段は、事前判定手段による事前判定結果を、当該判定時の確率状態が識別可能な情報を含めた事前判定結果情報として演出制御手段へ送信することが可能なように構成され、演出制御手段は、制御情報送信手段によって送信された事前判定結果情報に基づいて、事前予告演出を実行可能な事前予告演出手段(演出制御装置300)を備え、事前予告演出手段は、特定遊技状態終了後に実行される変動表示ゲームに関する事前判定結果情報が、高確率状態においてのみ特別遊技状態を発生することを示す情報であり、当該事前判定結果情報に基づき事前予告演出を実行している場合には、所定のタイミングで当該事前予告演出を変更することが可能であることとなる。
したがって、確率状態の変化によって演出に矛盾が生じ、遊技者の期待感や興趣を低下させてしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上することができる。
〔第3変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、停電から復旧した際に先読み演出も復旧できるようにしている。
本変形例の遊技機では、バックアップ電源部420から演出制御装置300の主制御用マイコン311(特に内蔵RAM)にも電力が供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。
これにより、遊技制御装置100と演出制御装置300の両方で停電発生時にバックアップが行われ、データが保持されることとなる。
演出制御装置300でバックアップされる情報には、始動記憶数や先読み情報などの始動記憶に関する情報や、先読み演出を実行中であることやその演出の内容などの先読み演出に関する情報などが少なくとも含まれており、所定の条件が成立することにより、これらの情報に基づき先読み演出を再開するようになっている。
すなわち、演出制御装置300が、当該遊技機に停電が発生した場合に、少なくとも事前判定結果情報を含む停電発生時点での演出制御に関する演出制御情報を停電発生中においても記憶保持可能な演出制御情報記憶保持手段をなす。
〔単発系コマンド処理〕
図90には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(ステップC62)を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC301)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC301;Y)は、コマンドに応じた機種の制御を行うように設定する機種設定処理(ステップC302)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC301で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC301;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行ったことを示すRAM初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC303)。そして、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC303;Y)には、RAMの初期化に対応する処理を行うRAM初期化設定処理(ステップC304)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC303で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC303;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わずに停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC305)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC305;Y)には、停電復旧時の処理を行う停電復旧設定処理(ステップC306)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC305で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC305;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC307)。そして、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC307;Y)には、客待ちデモを開始する処理を行う客待ちデモ設定処理(ステップC308)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC307で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC307;N)は、MODEは特図1保留が発生することに伴い送信される特図1保留に対応する飾り特図保留数コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC309)。そして、MODEは特図1保留に対応する飾り特図保留数コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC309;Y)には、発生した特図1保留に関する処理を行う特図1保留情報設定処理(ステップC310)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC309で、MODEは特図1保留に対応する飾り特図保留数コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC309;N)は、MODEは特図2保留が発生することに伴い送信される特図2保留に対応する飾り特図保留数コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC311)。そして、MODEは特図2保留に対応する飾り特図保留数コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC311;Y)には、発生した特図2保留に関する処理を行う特図2保留情報設定処理(ステップC312)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC311で、MODEは特図2保留に対応する飾り特図保留数コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC311;N)は、MODEは抽選確率の情報を含む確率情報コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC313)。そして、MODEは確率情報コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC313;Y)には、設定された確率に対応した処理を行う確率情報設定処理(ステップC314)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC313で、MODEは確率情報コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC313;N)は、MODEはエラーや不正に関するコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC315)。そして、MODEはエラーや不正に関するコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC315;Y)には、コマンドに対応する処理を行うエラー/不正設定処理(ステップC316)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC315で、MODEはエラーや不正に関するコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC315;N)は、MODEは演出モードの切り替えに関する情報を含むコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC317)。そして、MODEは演出モードの切り替えに関する情報を含むコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC317;Y)には、コマンドに対応する演出モードに切り替える処理を行う演出モード切替設定処理(ステップC318)を行って、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC317で、MODEは演出モードの切り替えに関するコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC317;N)は、MODEは変動の停止に関する情報を含むコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC319)。そして、MODEは変動の停止に関する情報を含むコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC319;N)には、単発系コマンド処理を終了する。
また、MODEは変動の停止に関する情報を含むコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC319;Y)には、正常なコマンドであるかを判定する(ステップC320)。そして、正常なコマンドでない場合(ステップC320;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC320;Y)は、対応する特図(特図1又は特図2)の停止を設定し(ステップC321)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップC322)、単発系コマンド処理を終了する。
〔停電復旧設定処理〕
図91には、上述の単発系コマンド処理における停電復旧設定処理(ステップC306)を示した。この停電復旧設定処理では、まず、受信したコマンドが正常なコマンドであるかを判定する(ステップC331)。ここでは例えばMODEとACTが正しい組み合わせであるかをチェックすることで正常なコマンドであるかを判定する。
受信したコマンドが正常なコマンドでない場合(ステップC331;N)は、停電復旧設定処理を終了する。また、受信したコマンドが正常なコマンドである場合(ステップC331;Y)は、初期値設定を行うRAM領域に初期値を設定する(ステップC332)。これにより、エラー状態などが一旦クリアされる。なお、エラーが継続している場合はこの後にあらためてエラー状態である旨が設定される。
そして、停電復旧時に表示装置41に表示する復旧画面の表示設定を行い(ステップC333)、停電復旧時にLEDを点滅させるなどの復旧時のLED設定(ステップC334)を行って、受信した保留数の情報と内部メモリの保留数は一致するかを判定する(ステップC335)。
停電復旧コマンドには遊技制御情報記憶保持手段(遊技制御装置100)がバックアップしていた遊技制御情報のうちの保留数の情報が少なくとも含まれており、ここではこの情報が演出制御装置300でバックアップしていた保留数の情報と一致するかを判定する。
受信した保留数の情報と内部メモリの保留数が一致しない場合(ステップC335;N)は、先読み演出の実行にかかわる情報をクリアし(ステップC340)、停電復旧設定処理を終了する。この場合は、バックアップされていた情報が一致しないため、先読み演出を再開すると矛盾が生じる虞があるため先読み演出は再開しない。
また、受信した保留数の情報と内部メモリの保留数が一致する場合(ステップC335;Y)は、保留数が0であるかを判定する(ステップC336)
保留数が0である場合(ステップC336;Y)は、先読み演出の実行にかかわる情報をクリアし(ステップC340)、停電復旧設定処理を終了する。この場合は先読み演出の対象がない場合である。
また、保留数が0でない(ステップC336;N)は、停電前は先読み演出の実行中だったかを判定する(ステップC337)。
停電前は先読み演出の実行中でなかった場合(ステップC337;N)は、先読み演出の実行にかかわる情報をクリアし(ステップC340)、停電復旧設定処理を終了する。この場合は再開する先読み演出がない場合である。
また、停電前は先読み演出の実行中であった場合(ステップC337;Y)は、先読み演出が対象としていた保留である本保留は大当りとなるものであるかを判定する(ステップC338)。
本保留は大当りとなるものでない場合(ステップC338;N)は、先読み演出の実行にかかわる情報をクリアし(ステップC340)、停電復旧設定処理を終了する。
また、本保留は大当りとなるものである場合(ステップC338;Y)は、先読み演出を表示復旧させる処理を行い(ステップC339)、停電復旧設定処理を終了する。
先読み演出を表示復旧させる処理(ステップC339)では、演出制御情報記憶保持手段(演出制御装置300)でバックアップされていた情報に基づき先読み演出を再開する処理を行う。
すなわち、保留数が0ではなく、遊技制御装置100と演出制御装置300でバックアップされていた保留数が一致した場合であって、停電前に大当りとなる保留を対象とした先読み演出を行っていた場合に先読み演出を再開するようにしている。
これにより、停電発生前の演出状態を復活させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、予告対象が大当りである場合のみ先読み演出を再開するので、再開により大当りとなることを確定的に報知でき、停電復旧時の興趣を高めることができる。
特に、遊技制御装置100と演出制御装置300とでバックアップされていた保留数が一致することを再開の条件としているので、停電発生前の演出状態を復活させても不具合が生じないことを確認した上で演出を復活でき、演出の矛盾が生じることを防止できる。
なお、本保留は大当りとなるものであるかの判定(ステップC338)では、大当りとなる保留を、低確率状態及び高確率状態で大当りとなる保留のみとしても良いし、確率状態が高確率状態である場合には高確率状態でのみ大当りとなる保留を含んでも良い。
また、ステップC338の処理を行わずに、大当りとなる保留を対象としたものでない先読み演出も再開するようにしても良い。
また、先読み演出を再開する際に上述した第2変形例のように先読み演出の再設定を行うようにしても良い。
また、表示装置41とは別に遊技に関する情報を表示するサブ表示装置を設け、再開する先読み演出表示はサブ表示装置で行うようにしても良い。
また、再開する先読み演出を保留変化予告のみとしても良い。この場合、停電発生前に保留変化予告を行っていた場合のみ再開するようにしても良いし、停電発生前に行っていた保留変化予告でない先読み演出を保留変化予告として再開するようにしても良い。
また、特定の内容の先読み演出を行っていた場合にのみ先読み演出を再開可能としても良い。例えば先読み演出として、大当りを確定的に報知する大当り確定報知を行っていた場合にのみ停電復旧時に再度同様の大当り確定演出を再開するようにしても良い。
この場合に、停電発生前の大当り確定報知として確定音の出力を行った場合には停電復旧時に確定音の出力を再度行うように、停電発生前と同じ大当り確定報知を再開するようにしても良いし、停電発生前の大当り確定報知として確定音の出力を行ったが停電復旧時には保留変化予告により大当り確定報知を行うように、停電発生前と異なる大当り確定報知を行うようにしても良い。
以上のことから、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41)と、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの制御情報に基づいて変動表示ゲームに関する演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、主制御手段は、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、少なくとも事前判定手段による判定結果の情報である事前判定結果情報を含む当該主制御手段における制御情報を演出制御手段に送信する制御情報送信手段(遊技制御装置100)と、当該遊技機に停電が発生した場合に、停電発生時点での遊技制御に関する遊技制御情報を停電発生中においても記憶保持可能な遊技制御情報記憶保持手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御手段は、制御情報送信手段によって送信された事前判定結果情報に基づいて、事前予告演出を実行可能な事前予告演出手段(演出制御装置300)と、当該遊技機に停電が発生した場合に、少なくとも事前判定結果情報を含む停電発生時点での演出制御に関する演出制御情報を停電発生中においても記憶保持可能な演出制御情報記憶保持手段(演出制御装置300)と、を備え、主制御手段は、停電から復旧した場合に、遊技制御情報記憶保持手段に記憶保持された停電発生時点の遊技制御情報を演出制御手段に送信し、演出制御手段は、停電から復旧した場合に、予め定められた所定条件が成立していることに基づいて、演出制御情報記憶保持手段に記憶保持された停電発生時点の演出制御情報に対応する演出制御を実行可能であることとなる。
したがって、停電発生前の演出状態を復活させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技制御情報記憶保持手段(遊技制御装置100)に記憶保持される遊技制御情報には、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されている始動記憶の数が含まれ、演出制御情報記憶保持手段(演出遊技制御装置300)に記憶保持される演出制御情報には、制御情報送信手段(遊技制御装置100)によって送信された始動記憶の数が含まれ、所定条件は、制御情報送信手段によって送信された遊技制御情報のうちの始動記憶手段に記憶されている始動記憶の数と、演出制御情報記憶保持手段に記憶保持される演出制御情報のうちの始動記憶の数と、が一致することであることとなる。
したがって、停電発生前の演出状態を復活させても不具合が生じないことを確認した上で演出を復活でき、演出の矛盾が生じることを防止できる。
また、所定条件は、演出制御情報記憶保持手段(演出制御装置300)に記憶保持された事前判定結果情報に、特別遊技状態が発生することを示す情報が含まれていることである。したがって、遊技者の期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示81,82)により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶報知手段(演出制御装置300)を備え、事前予告演出手段(演出制御装置300)は、始動記憶報知表示において対応する始動記憶についての事前予告演出を行うことが可能であり、演出制御情報記憶保持手段(演出制御装置300)に記憶保持される演出制御情報には、事前予告演出手段が始動記憶報知表示において対応する始動記憶についての事前予告演出を行っていることを示す予告情報が含まれ、所定条件は、演出制御情報記憶保持手段に、予告情報が記憶されていることである。
したがって、停電を境に予告が行われなくなってしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。
〔第4変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、大当りとなった場合の遊技性が異なる。
図92に示すように本変形例の遊技機の遊技盤には、図2に示した遊技盤30の構成に加えて、遊技球の通過が可能な特定領域をなす第1ラウンド選択ゲート91と第2ラウンド選択ゲート92が設けられている。
第2特定領域をなす第1ラウンド選択ゲート91は、センターケース40の左側に位置する遊技領域32に設けられている。この第1ラウンド選択ゲート91は遊技球が上下に通過可能とされているとともに、通過した遊技球を検出する第1ラウンド選択ゲートスイッチ91aが設けられている。
また、第1特定領域をなす第2ラウンド選択ゲート92はセンターケース40の右下側に位置する遊技領域32に設けられている。この第2ラウンド選択ゲート92は遊技球が上下に通過可能とされているとともに、通過した遊技球を検出する第2ラウンド選択ゲートスイッチ92aが設けられている。
第1ラウンド選択ゲート91は、センターケース40の左側を流下した遊技球のみが通過可能であり、第2ラウンド選択ゲート92は、センターケース40の右側を流下した遊技球のみが通過可能である。よって、遊技者が発射勢を調整することにより何れのラウンド選択ゲートに遊技球を通過させるかを選択することができる。
所定の大当り(所定の特別結果態様)が発生した場合には、第1ラウンド選択ゲート91及び第2ラウンド選択ゲート92での遊技球の検出が有効となる補助遊技状態となる。
なお、所定の大当りでない大当りもあり、この場合は当該大当りの種類によりラウンド数が決定されるので補助遊技状態は発生しない。
補助遊技状態において遊技者は、遊技球の発射勢を調整することにより第1ラウンド選択ゲート91と第2ラウンド選択ゲート92の何れかに遊技球を通過させるかを選択する。そして、遊技球を通過させたラウンド選択ゲートに応じて特別遊技状態でのラウンド数が選択されるようになっている。すなわち、遊技者の意思により特別遊技状態でのラウンド数の選択が可能となるようにされている。
第1ラウンド選択ゲート91に遊技球を通過させた場合は、ラウンド数として10ラウンド(10R)が設定される。また、第2ラウンド選択ゲート92に遊技球を通過させた場合は、ラウンド数として4ラウンド(4R)又は16ラウンド(16R)が抽選により設定される。そして、補助遊技状態で選択されたラウンド数の特別遊技状態が行われることとなる。
つまり、第1特定領域をなす第2ラウンド選択ゲート92への遊技球の通過に基づき、第1遊技価値である16Rと、該第1遊技価値よりも遊技者に付与する遊技価値が低い第2遊技価値である4Rとの何れかが抽選により選択される。
また、第2特定領域をなす第1ラウンド選択ゲート91への遊技球の通過に基づき、遊技者に付与する遊技価値が第1遊技価値(16R)よりも低く、かつ、第2遊技価値(4R)よりも高い第3遊技価値である10Rが選択されることとなる。
このように、補助遊技状態で遊技価値を決定するという過程により興趣を高めることができ、また、遊技価値の決定過程に様々な態様が含まれるので、より遊技の興趣を高めることができる。
図93には本変形例の遊技機での制御システムのブロック図を示した。本変形例の遊技機では図3に示した構成に加えて、第1ラウンド選択ゲートスイッチ91aと第2ラウンド選択ゲートスイッチ92aを備え、これらが近接I/F121に接続されている。なお、本変形例では大入賞口スイッチ38aは一つとされている。
〔乱数更新処理1〕
また、図14に示した乱数更新処理1に替えて図94に示す乱数更新処理1を行う。本変形例の遊技機では小当りは設定されていないため、小当りに関する処理であるステップS214〜S216の処理は行わない。なお、他の処理においても小当りに関する処理は行わない。
また、本変形例の遊技機では普図の当り結果は一種類のみであるので、普図の当り図柄を決定する当り図柄乱数に関する処理であるステップS220〜S222の処理は行わない。なお、他の処理においても普図の当り図柄を選択する処理は行わない。
もちろん小当りを設定しても良いし普図の当り図柄を複数としても良く、その場合は対応する処理を行うようにする。
また、第2ラウンド選択ゲート92に遊技球を通過させた場合にラウンド数を抽選するための乱数であるラウンド抽選乱数の初期値を設定する処理を行うようになっている。
この処理としては、ラウンド抽選乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定し(ステップS501)、設定待ちである場合(ステップS501;Y)は、次回初期値としてラウンド抽選初期値乱数をロードし(ステップS502)、ロードしたラウンド抽選乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS503)。
〔特図ゲーム処理〕
また、図21に示した特図ゲーム処理に替えて図95に示す特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、小当りに関する処理であるステップA15〜A18の処理を行わない。
さらに補助遊技状態に関する処理として、ファンファーレ1中処理(ステップA231)、ゲート通過待ち中処理(ステップA232)を行い、ファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)に替えてファンファーレ2/インターバル中処理(ステップA223)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ1中処理又はファンファーレ2/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、ゲート通過待ち中処理を行うために必要な情報の設定を行うファンファーレ1中処理(ステップA231)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、遊技球が第1ラウンド選択ゲート91又は第2ラウンド選択ゲート92に通過することに基づきラウンド数の設定を行うゲート通過待ち中処理(ステップA232)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ2/インターバル中処理(ステップA233)を行う。
なお、上述の処理が加わったことに伴い、大入賞口開放中処理(ステップA12)、大入賞口残存球処理(ステップA13)、大当り終了処理(ステップA14)に対応する特図ゲーム処理番号が変更されており、他の処理でもこれに対応して設定する特図ゲーム処理番号が変更されている。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
また、図24に示した特図始動口スイッチ共通処理に替えて図96に示す特図始動口スイッチ共通処理を行う。この特図始動口スイッチ共通処理では、小当りに関する処理であるステップA142〜A144の処理を行わない。
また、特別遊技状態の開始前にラウンド数の抽選を行う場合に対応した処理として、ラウンド数を抽選するためのラウンド抽選乱数を抽出し(ステップA241)、ラウンド抽選乱数をラウンド抽選乱数格納領域にセーブする処理(ステップA242)を行う。
このように保留発生時にラウンド抽選乱数も抽出されるので、このラウンド抽選乱数を事前判定することも可能であり、ラウンド数に関する情報を先読み演出で示唆、報知することも可能である。
〔特図1停止図柄設定処理〕
また、図36に示した特図1停止図柄設定処理に替えて図97に示す特図1停止図柄設定処理を行う。この特図1停止図柄設定処理では、小当りに関する処理であるステップA410〜A415の処理を行わない。
また、補助遊技状態でラウンド数の抽選を行う場合に対応した処理として、大当りフラグ1が大当りである場合(ステップA401;Y)に、ラウンド数確定の停止図柄であるかの判定を行う(ステップA251)。
大当りの停止図柄には、ラウンド数が確定した停止図柄(例えば2R確変大当り、16R確変大当り)と、第1ラウンド選択ゲート91及び第2ラウンド選択ゲート92を用いてラウンド数を決定する停止図柄(4R,10R又は16Rの何れかとなる大当りであるラウンド選択式確変大当り及びラウンド選択式通常大当り)とがある。そして、ラウンド数確定の停止図柄である場合(ステップA251;Y)は、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(ステップA407)。また、ラウンド数確定の停止図柄でない場合(ステップA251;N)は、この時点ではラウンド数が決まっていないので、ステップA407の処理は行わない。
また、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする処理(ステップA408)に替えて、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブする処理(ステップA252)を行う。これは、本変形例では後の大当り終了処理での振り分けにおいて、高確率状態が設定されるか否かで振り分けを行う方が都合が良いためである。
なお、図示は省略するが、図37に示した特図2停止図柄設定処理についてもラウンド数確定の停止図柄である場合のみ、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする処理(ステップA437)を行う。
また、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする処理(ステップA438)に替えて、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブする処理を行う。
〔特図表示中処理〕
また、図45、図46に示した特図表示中処理に替えて図98、図99に示す特図表示中処理を行う。この特図表示中処理では、小当りに関する処理であるステップA701、A702,A725〜A734の処理を行わない。
また、補助遊技状態でラウンド数の抽選を行う場合に対応した処理として、大当りフラグ1又は2が大当りである場合(ステップA705又はA706;Y)に、ラウンド数確定の大当りであるかの判定を行う(ステップA261)。
そして、ラウンド数確定の大当りである場合(ステップA261;Y)は、ラウンド数を設定するステップA709〜A711の処理を行う。また、ラウンド数確定の大当りでない場合(ステップA261;N)は、この時点ではラウンド数が決まっていないので、ステップA709〜A711の処理は行わない。
また、ラウンド数確定の大当りであるか否かによって大当り発生後の処理が異なるため、ファンファーレコマンドを準備する処理(ステップA716)に替えて、停止図柄番号(大当りの種類)に応じて設定される大入賞口開放情報に対応するファンファーレコマンドを準備する処理(ステップA262)を行う。
また、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする処理(ステップA723)を行った後、補助遊技状態でラウンド数の抽選を行う場合に対応した処理として、大当りの発生に伴う遊技状態の設定などの処理を行う大当り開始設定処理(ステップA263)を行い、ラウンド数確定の大当りであるかを判定する(ステップA264)。
ラウンド数確定の大当りでない場合(ステップA264;N)は、特図ゲームフラグに対応するファンファーレ1時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA265)、ファンファーレ1中処理移行設定処理(ステップA266)を行って、特図表示中処理を終了する。この場合はラウンド数を選択する補助遊技状態を発生させるため、ファンファーレ1中処理に移行するようにする。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの結果が所定の特別結果態様(ラウンド数確定の大当りでない大当り)となったことに基づき、遊技領域32に設けた複数の特定領域(第1ラウンド選択ゲート91、第2ラウンド選択ゲート92)への遊技球の通過を有効とする補助遊技状態を発生可能な補助遊技状態発生手段をなす。
なお、遊技状態が時短状態でない場合に発生した大当り(初当り)の場合はラウンド数の選択についての説明等を行うようにし、他の遊技状態で発生した大当り(連チャン当り)の場合はすでに説明を受けているので説明は行わないようにしている。
このため、ラウンド数を選択する大当りが時短状態でない遊技状態で発生した場合は、他の遊技状態で発生した場合よりもファンファーレ1時間を長く設定するようにしており、ファンファーレ1時間を遊技状態の情報を含む特図ゲームフラグに基づき設定するようにしている。
また、ラウンド数確定の大当りである場合(ステップA264;Y)は、ラウンド抽選乱数によるラウンド数の選択の必要がないため対応する特図のラウンド抽選乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA267)。さらに、大入賞口開放情報に対応するファンファーレ2時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA268)、ファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理(ステップA269)を行って、特図表示中処理を終了する。この場合はラウンド数を選択する補助遊技状態を発生させないため、ファンファーレ2/インターバル中処理に移行するようにする。これにより、予め定められた遊技価値を遊技者に付与する特別遊技状態である第2特別遊技状態が発生することとなる。
また、結果がはずれである場合(ステップA705及びA706;N)は、図99の処理に移行する。
この処理では、高確率状態とする期間を管理する高確率変動回数更新処理(ステップA735)に替えて、時短状態の期間を管理する時間短縮変動回数更新処理(ステップA270)を行う。
時間短縮変動回数更新処理では、所定の大当りであった場合に、特別遊技状態の終了後に時短状態で所定回数の特図変動表示ゲームを実行することにより時短状態を終了する処理を行う。
なお、本変形例の遊技機では、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる大当り(確変大当り)と、低確率状態となる大当り(通常大当り)とがあり、高確率状態が設定された場合は次回の大当りまで継続するようになっている。
〔大当り開始設定処理〕
図100には、上述した特図表示中処理における大当り開始設定処理(ステップA263)を示した。この大当り開始設定処理では、図49に示したファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1で行っていた処理の一部を行う。なお、本変形例では高確率状態とする期間を管理するための高確率変動回数領域は用いずに、時短状態とする期間を管理するための時間短縮変動回数領域を用いるため、この領域を一旦クリアする処理(ステップA281)を行う。
〔ファンファーレ1中処理移行設定処理〕
図101には、上述した特図表示中処理におけるファンファーレ1中処理移行設定処理(ステップA266)を示した。このファンファーレ1中処理移行設定処理では、ファンファーレ1中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA531)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップA532)、ファンファーレ1中処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1〕
図102には、上述した特図表示中処理におけるファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA269)を示した。このファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1では、ファンファーレ2/インターバル中処理に係る処理番号である「5」を設定し(ステップA533)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA534)。
次に、役物連続作動装置の作動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブ(役物連続作動装置作動中信号をON)し(ステップA535)、変動図柄判別フラグ領域をクリアして(ステップA536)、ファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ1中処理〕
図103(a)には、上述した特図ゲーム処理におけるファンファーレ1中処理(ステップA231)を示した。このファンファーレ1中処理では、ゲート通過待ち中処理移行設定処理(ステップA541)を行う。
図103(b)に示すようにこのゲート通過待ち中処理移行設定処理では、ゲート通過待ち中処理に係る処理番号である「4」を設定し(ステップA542)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップA543)、ゲート通過待ち中処理移行設定処理を終了する。
なお、後述するようにゲート通過待ち中処理は遊技球が第1ラウンド選択ゲート91又は第2ラウンド選択ゲート92を通過することが終了条件となるため、ここでは特図ゲーム処理タイマは0のままで設定は行わず、毎割込みで遊技球の通過のチェックを行うことができるようにしている。
〔ゲート通過待ち中処理〕
図104には、上述した特図ゲーム処理におけるゲート通過待ち中処理(ステップA232)を示した。このゲート通過待ち中処理では、まず、第1ラウンド選択ゲート91に設けられたラウンド選択ゲートスイッチ1(第1ラウンド選択ゲートスイッチ91a)に入力があるかを判定する(ステップA551)。
ラウンド選択ゲートスイッチ1に入力がある場合(ステップA551;Y)は、ラウンド数の種類と選択確率が定義されたラウンド数選択テーブル1を設定し(ステップA552)、特図1での大当りであるかを判定する(ステップA555)。
また、ラウンド選択ゲートスイッチ1に入力がない場合(ステップA551;N)は、第2ラウンド選択ゲート92に設けられたラウンド選択ゲートスイッチ2(第2ラウンド選択ゲートスイッチ92a)に入力があるかを判定する(ステップA553)。
ラウンド選択ゲートスイッチ2に入力がない場合(ステップA553;N)は、ゲート通過待ち中処理を終了する。
また、ラウンド選択ゲートスイッチ2に入力がある場合(ステップA553;Y)は、ラウンド数の種類と選択確率が定義されたラウンド数選択テーブル2を設定し(ステップA554)、特図1での大当りであるかを判定する(ステップA555)。
特図1での大当りである場合(ステップA555;Y)は、特図1ラウンド抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップA556)、ロードした領域を0クリアして(ステップA557)、設定されたラウンド数選択テーブルとロードした乱数とからラウンド数を選択する振り分け処理を行う(ステップA560)。
また、特図1での大当りでない場合(ステップA555;N)は、特図2ラウンド抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップA558)、ロードした領域を0クリアして(ステップA559)、設定されたラウンド数選択テーブルとロードした乱数とからラウンド数を選択する振り分け処理を行う(ステップA560)。
本変形例では、ラウンド数選択テーブル1には10Rが100%の確率で選択されるように定義されている。また、ラウンド数選択テーブル2には4Rと16Rがそれぞれ50%の確率で選択されるように定義されている。
その後、振り分けた結果得られたラウンド数上限値を取得してラウンド数上限値領域にセーブし(ステップA561)、振り分けた結果に対応するラウンド数上限値に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA562)。
さらに、ラウンド数上限値に対応するファンファーレ2コマンドを準備して(ステップA563)、演出コマンド設定処理(ステップA564)を行う。
そして、ラウンド数上限値に対応する大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA565)、ファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1を行い(ステップA566)、ゲート通過待ち中処理を終了する。
なお、ラウンド選択ゲートスイッチ1と2で同時に入力があった場合にはラウンド選択ゲートスイッチ1からの入力を優先するようにしているが、ラウンド選択ゲートスイッチ2からの入力を優先するようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100が、補助遊技状態の発生中に何れかの特定領域を遊技球が通過したことに基づき、特別遊技状態において遊技者に付与される遊技価値を決定可能な遊技価値決定手段をなす。
そして、この遊技価値決定手段によって決定された遊技価値を遊技者に付与する特別遊技状態である第1特別遊技状態が発生することとなる。
〔ファンファーレ2/インターバル中処理〕
図105には、上述した特図ゲーム処理におけるファンファーレ2/インターバル中処理(ステップA233)を示した。このファンファーレ2/インターバル中処理では、図51に示したファンファーレ/インターバル中処理で行っていた処理の一部を行う。
なお、ラウンド数による開放態様の切り替えは行わないため、大入賞口開放情報が長開放のデータであるか否かによってのみ振り分けを行っており(ステップA571)、大入賞口開放情報が長開放のデータでない場合(ステップA571;N)、すなわち2R大当りである場合は短開放とし、大入賞口開放情報が長開放のデータである場合(ステップA571;Y)、すなわち2R大当り以外である場合は長開放としている。
このファンファーレ2/インターバル中処理を行うことにより特別遊技状態が発生することとなる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技状態発生手段をなす。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
また、図52に示した大入賞口開放中処理移行設定処理に替えて、図106に示す大入賞口開放中処理移行設定処理を行う。
この大入賞口開放中処理移行設定処理では、特図ゲーム処理で大入賞口開放中処理に対応する特図ゲーム処理番号が変更になったことに伴い、設定する処理番号が「6」に変更されている(ステップA572)。
〔大入賞口開放中処理〕
また、図53に示した大入賞口開放中処理に替えて、図107に示す大入賞口開放中処理を行う。
この大入賞口開放中処理では、まず、大入賞口開放情報が長開放のデータであるかを判定し(ステップA573)、大入賞口開放情報が長開放のデータでない場合(ステップA573;N)、すなわち2R大当りである場合は、コマンドを設定せずに大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行い、大入賞口開放中処理を終了する。
また、大入賞口開放情報が長開放のデータである場合(ステップA573;Y)、すなわち2R大当り以外である場合は、対応するコマンドを設定し、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行い、大入賞口開放中処理を終了する。
なお、エンディングコマンドについては、停止図柄番号(大当りの種類)に応じて設定される大入賞口開放情報に対応するエンディングコマンドを準備するようになっている(ステップA574)。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
また、図54に示した大入賞口残存球処理移行設定処理に替えて、図108に示す大入賞口残存球処理移行設定処理を行う。
この大入賞口残存球処理移行設定処理では、特図ゲーム処理で大入賞口残存球処理に対応する特図ゲーム処理番号が変更になったことに伴い、設定する処理番号が「7」に変更されている(ステップA575)。
〔大入賞口残存球処理〕
また、図55に示した大入賞口残存球処理に替えて、図109に示す大入賞口残存球処理を行う。この大入賞口残存球処理では、図55に示した大入賞口残存球処理で行っていた処理の一部を行う。
最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)には、インターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA583)を行い、大入賞口残存球処理を終了する。
また、最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)には、エンディング時間テーブルを設定し(ステップA581)、大入賞口開放情報に対応するエンディング時間を取得して特図ゲームタイマ領域にセーブし(ステップA582)、大当り終了処理移行設定を行い(ステップA1114)、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理2〕
図110には、上述した大入賞口残存球処理におけるファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA583)を示した。このファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理2では、図56に示したファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2で行っていた処理と同様の処理を行うが、移行先のファンファーレ2/インターバル中処理に対応する特図ゲーム処理である「5」を設定するようにしている(ステップA584)。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
また、図57に示した大当り終了処理移行設定処理に替えて、図111に示す大当り終了処理移行設定処理を行う。
この大当り終了処理移行設定処理では、特図ゲーム処理で大当り終了処理に対応する特図ゲーム処理番号が変更になったことに伴い、設定する処理番号が「8」に変更されている(ステップA585)。
〔大当り終了処理〕
また、図58に示した大当り終了処理に替えて、図112に示す大当り終了処理を行う。この大当り終了処理では、まず、確率変動判定データが高確率データであるかを判定する(ステップA591)。
そして、確率変動判定データが高確率データでない場合(ステップA591;N)は、大当り終了設定処理1(ステップA592)を行い、ステップA1204以降の処理を行う。
また、確率変動判定データが高確率データである場合(ステップA591;Y)は、大当り終了設定処理2(ステップA593)を行い、ステップA1204以降の処理を行う。
なお、ステップA1214〜A1218の処理は行わない。
〔大当り終了設定処理1〕
また、図59に示した大当り終了設定処理1に替えて、図113に示す大当り終了設定処理1を行う。この大当り終了設定処理1では、まず、時短状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA621)、時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA622)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブし(ステップA623)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブして(ステップA624)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA625)。
その後、時間短縮変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブして(ステップA626)、大当り終了設定処理1を終了する。
この場合は、ラウンド選択式通常大当りのような特別遊技状態の終了後に低確率状態となる大当りが発生した場合であり、特別遊技状態の終了後の確率状態が低確率状態とされ、特別遊技状態の終了から100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とされる。
〔大当り終了設定処理2〕
また、図60に示した大当り終了設定処理2に替えて、図114に示す大当り終了設定処理2を行う。この大当り終了設定処理2では、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA631)、高確率の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA633)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブして(ステップA634)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA635)。
その後、時間短縮変動回数領域を0クリアして(ステップA636)、大当り終了設定処理2を終了する。
この場合は、2R確変大当り、16R確変大当り、ラウンド選択式確変大当りのような特別遊技状態の終了後に高確率状態となる大当りが発生した場合であり、特別遊技状態の終了後に次回の大当りの発生まで確率状態が高確率状態とされるとともに時短状態とされる。
以上の処理により、補助遊技状態によりラウンド数を選択する遊技が可能となる。
なお、ラウンド数確定図柄であっても補助遊技状態を発生させるようにし、何れのラウンド選択ゲートを通過した場合でも同じラウンド数が選択されるように、ラウンド数選択テーブルを大当りの図柄により選択するようにしても良い。
また、補助遊技状態の方式は遊技者の意思により選択ができる方式であればどのようなもので良い。例えば、ラウンド選択ゲートを一つのみとし、遊技球を検出したタイミングによりラウンド数を選択するようにしても良い。この場合、どのタイミングで遊技球を検出させればどのような選択が行われるかを遊技者に示すようにする。
また、先読み情報として、当該保留に基づく特図変動表示ゲームの結果及び当該結果をもたらす確率状態のほかに、ラウンド選択乱数の先読み結果も含むようにしても良く、演出制御装置300がこの情報に基づき上述した実施形態や各変形例のような先読み演出を行うようにしても良い。
以上のことから、発射された遊技球が流下する遊技領域32に設けられた始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、変動表示ゲームの結果が所定の特別結果態様となったことに基づき、遊技領域32に設けた複数の特定領域(第1ラウンド選択ゲート91、第2ラウンド選択ゲート92)への遊技球の通過を有効とする補助遊技状態を発生可能な補助遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、補助遊技状態の発生中に、何れかの特定領域を遊技球が通過したことに基づき、特別遊技状態において遊技者に付与される遊技価値を決定可能な遊技価値決定手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、を備え、特別遊技状態発生手段は、変動表示ゲームの結果が所定の特別結果態様であった場合には、特定領域の遊技球の通過に基づいて、遊技価値決定手段によって決定された遊技価値を遊技者に付与する第1特別遊技状態を発生させることが可能である一方、変動表示ゲームの結果が所定の特別結果態様でない特別結果態様であった場合には、当該特別結果態様が導出されたことに基づいて、予め定められた遊技価値を遊技者に付与する第2特別遊技状態を発生させることが可能であることとなる。
したがって、補助遊技状態で遊技価値を決定するという過程により興趣を高めることができる。
また、特定領域は、遊技価値決定手段(遊技制御装置100)による遊技価値の決定態様が異なる第1特定領域(第2ラウンド選択ゲート92)と、第2特定領域(第1ラウンド選択ゲート91)と、を含み、遊技価値決定手段は、第1特定領域への遊技球の通過に基づき所定の抽選を行い、第1遊技価値と、該第1遊技価値よりも遊技者に付与する遊技価値が低い第2遊技価値と、の何れかを抽選結果に基づいて選択し、第2特定領域への遊技球の通過に基づき、遊技者に付与する遊技価値が第1遊技価値よりも低く、かつ、第2遊技価値よりも高い第3遊技価値を選択するようにしていることとなる。
したがって、遊技価値の決定過程に様々な態様が含まれるようになり、遊技の興趣を高めることができる。
〔第5変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第4変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第1ラウンド選択ゲート91及び第2ラウンド選択ゲート92のそれぞれを遊技球が通過した際に設定されるラウンド数を変動開始時に決定するようにしている。
〔特図1停止図柄設定処理〕
本変形例では、図97に示した特図1停止図柄設定処理に替えて図115に示す特図1停止図柄設定処理を行う。この特図1停止図柄設定処理では、ラウンド数確定の停止図柄でない場合(ステップA251;N)に、特図1ラウンド抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードする(ステップA641)。
次に、ラウンド数選択テーブル1を設定し(ステップA642)、ロードした乱数に対応するラウンド数上限値を取得してラウンド数上限値退避領域1にセーブする(ステップA643)。ここで選択されるラウンド数は、第1ラウンド選択ゲート91を遊技球が通過した際に設定されるラウンド数であり、本変形例では常に10Rとされている。
さらに、ラウンド数選択テーブル2を設定し(ステップA644)、ロードした乱数に対応するラウンド数上限値を取得してラウンド数上限値退避領域2にセーブする(ステップA645)。ここで選択されるラウンド数は、第2ラウンド選択ゲート92を遊技球が通過した際に設定されるラウンド数であり、4Rと16Rとからそれぞれ50%の確率で選択される。
また、ステップA418では停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを準備していたのに替えて、停止図柄パターン、ラウンド数情報に対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA646)。
また、特図1ラウンド抽選乱数格納領域(保留数1用)をクリアする処理(ステップA647)も行う。
なお、図示は省略するが特図2停止図柄設定処理についても、ラウンド数確定の停止図柄でない場合に特図2用の乱数を用いてステップA641〜A645の処理を行うとともに、停止図柄パターン、ラウンド数情報に対応する飾り特図コマンドを準備する処理(ステップA646)や、特図2ラウンド抽選乱数格納領域(保留数1用)をクリアする処理を行う。
このような処理を行うことにより、第1ラウンド選択ゲート91を遊技球が通過した場合のラウンド数と、第2ラウンド選択ゲート92を遊技球が通過した場合のラウンド数と、が特図変動表示ゲームの開始時に決定されることとなる。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの開始時に、当該変動表示ゲームの結果が特別結果態様となった場合に遊技者に付与する遊技価値を、複数種類の遊技価値のうちから選択する遊技価値選択手段をなす。
さらに、決定されたラウンド数は飾り特図コマンドにより演出制御装置300にも送信され、演出制御装置300ではこのコマンドに基づき補助遊技状態の開始前からラウンド数(遊技価値)に関する演出を行うようになっている。これにより、演出の幅が広がり遊技の興趣を向上することができる。
すなわち、演出制御装置300が、遊技価値選択手段が設定した遊技価値に関する演出を実行可能な演出実行手段をなす。
図116には、停止図柄パターン、ラウンド数情報に対応する飾り特図コマンドを準備する処理(ステップA646)で準備される飾り特図コマンドの例を示した。
2R確変大当りと16R確変大当りはラウンド数確定の停止図柄であり、それぞれに対応した飾り特図コマンドは一つだけである。
また、ラウンド抽選乱数によりラウンド数を選択する大当りには、特別遊技状態の終了後に高確率状態となるラウンド選択式確変大当りと、特別遊技状態の終了後に低確率状態となるラウンド選択式通常大当りとがある。
ラウンド選択式確変大当りとラウンド選択式通常大当りでは、第1ラウンド選択ゲート91を遊技球が通過した際に設定されるラウンド数としては10Rのみがあり、第2ラウンド選択ゲート92を遊技球が通過した際に設定されるラウンド数には4Rと16Rとがあるので、これらの組み合わせに応じた飾り特図コマンドがそれぞれ設定されている。
このような飾り特図コマンドが特図変動表示ゲームの開始時に演出制御装置300に送信されることで、演出制御装置300においてラウンド数を把握することが可能となる。
なお、飾り特図コマンドの上位4ビットは同一機種のシリーズを示す番号であり、図116での「1」はシリーズ1機種目であることを示しており、シリーズ2機種目では「2」となる。
この番号は機種指定コマンドの値に基づくものであり、RAM初期化を伴う電源投入時にはこの番号が表示されるようになっており、これによりシリーズを特定できるようになっている。
演出制御装置300では、遊技中において上位4ビットの値が機種指定コマンドにより指定されたシリーズ番号と異なる値の飾り特図コマンドが送られてきた場合には、飾り特図コマンドの値を優先して演出制御装置300の内部のメモリを更新するようになっている。これにより、例えばノイズ等により演出制御装置300がリセットしてしまい機種情報を失ってしまった場合に、飾り特図コマンドが送られてくることにより機種情報を再設定でき、遊技機の電源を入れ直さなくても自動的に復帰することが可能となる。
〔ゲート通過待ち中処理〕
また、本変形例では、図104に示したゲート通過待ち中処理に替えて図117に示すゲート通過待ち中処理を行う。このゲート通過待ち中処理では、ラウンド数の抽選に関するステップA552、A554〜560の処理を行わない。
ラウンド選択ゲートスイッチ1に入力があった場合(ステップA551;Y)は、ラウンド数上限値をラウンド数上限値退避領域1からロードし(ステップA651)、このラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA653)。
また、ラウンド選択ゲートスイッチ2に入力があった場合(ステップA553;Y)は、ラウンド数上限値をラウンド数上限値退避領域2からロードし(ステップA652)、このラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA653)。
その後、設定されたラウンド数上限値に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブして(ステップA654)、ステップA563以降の処理を行う。
〔ファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1〕
また、本変形例では、図102に示したファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1に替えて図118に示すファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1を行う。このファンファーレ2/インターバル中処理移行設定処理1では、ラウンド数上限値退避領域1をクリアする処理(ステップA661)及びラウンド数上限値退避領域2をクリアする処理(ステップA662)を行う。
以上のことから、変動表示ゲームの開始時に、当該変動表示ゲームの結果が特別結果態様となった場合に遊技者に付与する遊技価値を、複数種類の遊技価値のうちから選択する遊技価値選択手段(遊技制御装置100)と、遊技価値選択手段が設定した遊技価値に関する演出を実行可能な演出実行手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技価値決定手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの結果が所定の特別結果態様であった場合に、特定領域(第1ラウンド選択ゲート91、第2ラウンド選択ゲート92)を遊技球が通過したことに基づき、第1特別遊技状態において遊技者に付与される遊技価値を遊技価値選択手段が選択した遊技価値に決定するようにしていることとなる。
したがって、補助遊技状態で遊技価値が決定される前から遊技価値に関する演出を行うことができ、興趣を高めることができる。
なお、補助遊技状態では、各ラウンド選択ゲートに遊技球を通過させた場合のラウンド数を示唆、報知するようにしても良いし、あたかもラウンド選択ゲートに遊技球が通過したことに基づき抽選を行っているかのような演出を行うようにしても良い。
また、大当りの抽選とラウンド数の抽選は別個の抽選であるので、特図1表示器51や特図2表示器52での表示や、飾り特図変動表示ゲームの表示などから各ラウンド選択ゲートを遊技球が通過した際に設定されるラウンド数は推測できないようになっている。しかし、大当りの抽選とラウンド数の抽選に関連を持たせ、特図1表示器51や特図2表示器52での表示や、飾り特図変動表示ゲームの表示などから各ラウンド選択ゲートを遊技球が通過した際に設定されるラウンド数を認識又は推測できるようにしても良い。
また、ラウンド数確定図柄であっても補助遊技状態を発生させるようにし、何れのラウンド選択ゲートを通過した場合でも同じラウンド数が選択されるようにしても良い。
以上のような遊技機10は、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(表示装置41)と、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの制御情報に基づいて変動表示ゲームに関する演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、主制御手段は、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、少なくとも事前判定手段による判定結果の情報である事前判定結果情報を含む当該主制御手段における制御情報を演出制御手段に送信する制御情報送信手段(遊技制御装置100)と、当該遊技機に停電が発生した場合に、停電発生時点での遊技制御に関する遊技制御情報を停電発生中においても記憶保持可能な遊技制御情報記憶保持手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御手段は、制御情報送信手段によって送信された事前判定結果情報に基づいて、事前予告演出を実行可能な事前予告演出手段(演出制御装置300)と、当該遊技機に停電が発生した場合に、少なくとも事前判定結果情報を含む停電発生時点での演出制御に関する演出制御情報を停電発生中においても記憶保持可能な演出制御情報記憶保持手段(演出制御装置300)と、を備え、主制御手段は、停電から復旧した場合に、遊技制御情報記憶保持手段に記憶保持された停電発生時点の遊技制御情報を演出制御手段に送信し、演出制御手段は、停電から復旧した場合に、予め定められた所定条件が成立していることに基づいて、演出制御情報記憶保持手段に記憶保持された停電発生時点の演出制御情報に対応する演出制御を実行可能である。
したがって、停電発生前の演出状態を復活させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技制御情報記憶保持手段(遊技制御装置100)に記憶保持される遊技制御情報には、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されている始動記憶の数が含まれ、演出制御情報記憶保持手段(演出遊技制御装置300)に記憶保持される演出制御情報には、制御情報送信手段(遊技制御装置100)によって送信された始動記憶の数が含まれ、所定条件は、制御情報送信手段によって送信された遊技制御情報のうちの始動記憶手段に記憶されている始動記憶の数と、演出制御情報記憶保持手段に記憶保持される演出制御情報のうちの始動記憶の数と、が一致することである。
したがって、停電発生前の演出状態を復活させても不具合が生じないことを確認した上で演出を復活でき、演出の矛盾が生じることを防止できる。
また、所定条件は、演出制御情報記憶保持手段(演出制御装置300)に記憶保持された事前判定結果情報に、特別遊技状態が発生することを示す情報が含まれていることである。
したがって、遊技者の期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶報知手段(演出制御装置300)を備え、事前予告演出手段(演出制御装置300)は、始動記憶報知表示において対応する始動記憶についての事前予告演出を行うことが可能であり、演出制御情報記憶保持手段(演出制御装置300)に記憶保持される演出制御情報には、事前予告演出手段が始動記憶報知表示において対応する始動記憶についての事前予告演出を行っていることを示す予告情報が含まれ、所定条件は、演出制御情報記憶保持手段に、予告情報が記憶されていることである。
したがって、停電を境に予告が行われなくなってしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。