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JP2015124768A - 内燃機関の冷却構造 - Google Patents

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JP2015124768A
JP2015124768A JP2013272278A JP2013272278A JP2015124768A JP 2015124768 A JP2015124768 A JP 2015124768A JP 2013272278 A JP2013272278 A JP 2013272278A JP 2013272278 A JP2013272278 A JP 2013272278A JP 2015124768 A JP2015124768 A JP 2015124768A
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弘樹 稲田
Hiroki Inada
弘樹 稲田
寛之 井上
Hiroyuki Inoue
寛之 井上
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

【課題】簡易な構造でありながら、シリンダブロックとシリンダヘッドのウォータジャケットへの冷却水の分配量を適切に調整することができる内燃機関の冷却構造を提供すること。【解決手段】シリンダブロック11の外部からシリンダブロック内ウォータジャケット31に冷却水を供給する第1ウォータギャラリ34と、第1ウォータギャラリ34から分岐し、第1ウォータギャラリ34から分流した冷却水をシリンダヘッド内ウォータジャケット32に供給する第2ウォータギャラリ36と、第1ウォータギャラリ34を開閉する流量調整弁40とを備える。流量調整弁40は、第1ウォータギャラリ34における第2ウォータギャラリ36との分岐部の下流側に配置されるともに、第1ウォータギャラリ34を閉塞する閉塞姿勢から冷却水に押圧されて回動することで、第1ウォータギャラリ34を開放する。【選択図】図3

Description

本発明は、シリンダブロックとシリンダヘッドへの冷却水の分配量を調整可能な内燃機関の冷却構造に関する。
水冷式エンジンにおいて、シリンダブロックおよびシリンダヘッドには冷却水が流通するウォータジャケットがそれぞれ設けられている。このような内燃機関の冷却構造には、低温であることが要求されるシリンダヘッドと、適度な高温であることが要求されるシリンダブロックとを個別に冷却するようにした2系統冷却システムを備えるものがある。
2系統冷却システムを備える内燃機関の冷却構造では、シリンダヘッドの温度を低温に抑えることで充填効率を向上するとともにノッキングおよびプレイグニッションを防止し、シリンダブロックの温度を適度な高温に保つことで潤滑油を低粘度にして各部のフリックションを低減するようにしている。
この種の2系統冷却システムを備える内燃機関の冷却構造としては、モータやソレノイドを制御することで、シリンダヘッドとシリンダブロックへの冷却水の分配量を調整するものがある。しかし、モータやソレノイドを用いることは電力消費による燃費の悪化を招いてしまう。
これに対し、シリンダヘッドとシリンダブロックへの冷却水の分配量をサーモスタット内で機械的に調整するようにした内燃機関の冷却構造が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のものは、冷却水温度に応じて流路が切り替わる2つのバルブをサーモスタット内に設けるとともに、ウォータポンプ、シリンダブロック、ラジエータ、ヒータに対する4つの配管をサーモスタットに接続している。そして、エンジンの冷間始動時はシリンダブロックへの冷却水の供給を停止させたままシリンダヘッドに冷却水を供給し、冷却水温度の上昇に伴いシリンダブロックにも冷却水を供給することで、シリンダブロックとシリンダヘッドへの冷却水の分配量を調整している。
特開2012−184693号公報
しかしながら、従来の内燃機関の冷却構造は、サーモスタットに2つの弁を設けることで冷却水の分配量を調整するようになっているため、サーモスタットの構造、およびサーモスタットに接続する冷却水の配管が複雑化してしまうという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構造でありながら、シリンダブロックとシリンダヘッドのウォータジャケットへの冷却水の分配量を適切に調整することができる内燃機関の冷却構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の第1の態様は、シリンダの周囲に冷却水が流通するシリンダブロック内ウォータジャケットを有するシリンダブロックと、燃焼室の周囲に冷却水が流通するシリンダヘッド内ウォータジャケットを有するシリンダヘッドと、を備え、前記シリンダブロック内ウォータジャケットを流通した冷却水が前記シリンダヘッド内ウォータジャケットに供給される内燃機関の冷却構造において、前記シリンダブロックの外部から前記シリンダブロック内ウォータジャケットに冷却水を供給する第1ウォータギャラリと、前記第1ウォータギャラリから分岐し、第1ウォータギャラリから分流した冷却水を前記シリンダヘッド内ウォータジャケットに供給する第2ウォータギャラリと、前記第1ウォータギャラリを開閉する流量調整弁とを備え、前記流量調整弁は、前記第1ウォータギャラリにおける前記第2ウォータギャラリとの分岐部の下流側に配置されるとともに、前記第1ウォータギャラリを閉塞する閉塞姿勢から冷却水に押圧されて回動することで、前記第1ウォータギャラリを開放すること特徴とする。
本発明の第2の態様としては、前記流量調整弁は、前記第1ウォータギャラリの前記分岐部の下流側直下に配置されることが好ましい。
本発明の第3の態様としては、前記流量調整弁が板状に形成され、前記流量調整弁の閉塞姿勢は、前記流量調整弁が前記第2ウォータギャラリの分岐方向に延在する姿勢であることが好ましい。
本発明の第4の態様としては、前記第1ウォータギャラリが矩形の断面形状を有し、前記流量調整弁は、前記閉塞姿勢のとき前記第1ウォータギャラリの断面形状と一致するよう矩形に形成され、前記流量調整弁を前記第1ウォータギャラリ内に回動可能に支持する回動軸を設け、前記回動軸は、前記第1ウォータギャラリの前記第2ウォータギャラリ側の内壁面に近づけて配置されることが好ましい。
本発明の第5の態様としては、前記回動軸は、前記流量調整弁の重心より上部に配置されることが好ましい。
本発明の第6の態様としては、前記第2ウォータギャラリは、前記第1ウォータギャラリから鉛直上方に分岐することが好ましい。
本発明の第7の態様としては、前記第1ウォータギャラリおよび前記第2ウォータギャラリを、前記シリンダブロックの内部に配置することが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、冷却水の温度が低く流量が少ないときは流量調整弁が閉塞姿勢となることで、シリンダブロック内ウォータジャケットへの冷却水の供給を停止させたままシリンダヘッド内ウォータジャケットに冷却水を供給することができ、冷却水温度の上昇に伴い流量調整弁が回動することで、シリンダブロック内ウォータジャケットにも冷却水を供給することができる。また、流量調整弁は、冷却水に押圧されて回動することで第1ウォータギャラリを開放するものであるため、開閉のためのモータやソレノイド等の駆動装置が不要となり、簡易な構造とすることができる。この結果、簡易な構造でありながら、シリンダブロック内ウォータジャケットとシリンダヘッド内ウォータジャケットへの冷却水の分配量を適切に調整することができる。
本発明の第2の態様によれば、流量調整弁が第1ウォータギャラリにおける分岐部の下流側直下に配置されているため、流量調整弁が閉塞姿勢のとき、流量調整弁の上流側領域で高まった水圧によって、分岐部の下流側直下から第2ウォータギャラリに最短距離で冷却水を流すことができる。このため、冷却水の圧力損失が低減されるので、流量調整弁が閉塞姿勢のときの第2ウォータギャラリ側への冷却水の分流効果を最適化することができる。
本発明の第3の態様によれば、流量調整弁の閉塞姿勢のときの延在方向を第2ウォータギャラリの分岐方向と一致させることができる。したがって、冷却水は、板状でかつ第2ウォータギャラリの分岐方向と一致する流量調整弁に突き当たることで、第2ウォータギャラリ側に案内される。この結果、流量調整弁は、閉塞姿勢のときに冷却水を第2ウォータギャラリ側にスムーズに流すことができる。
本発明の第4の態様によれば、流量調整弁が冷却水の水圧で回動したときに、流量調整弁の上端部が第2ウォータギャラリ側に大きく突出することが防止される。したがって、流量調整弁が回動したときに、流量調整弁の上端部が第2ウォータギャラリの一部を閉塞してしまうことがないため、第2ウォータギャラリ側に分流する冷却水の流れが妨げられることがない。
本発明の第5の態様によれば、流量調整弁が自重により閉塞姿勢に復帰することができる。このため、閉弁用のリターンスプリング等が不要となり、流量調整弁を簡易な構造にすることができる。
本発明の第6の態様によれば、流量調整弁が自重により閉塞姿勢になったとき、第2ウォータギャラリの分岐方向と同じ鉛直方向に流量調整弁が延在する。したがって、冷却水は、流量調整弁に突き当たることで第2ウォータギャラリ側に案内される。この結果、流量調整弁は、閉塞姿勢のときに冷却水を第2ウォータギャラリ側にスムーズに流すことができる。
本発明の第7の態様によれば、第1ウォータギャラリおよび第2ウォータギャラリを、シリンダブロックの内部に配置している。このため、第1ウォータギャラリおよび第2ウォータギャラリをシリンダブロックの鋳造時または後加工時に容易に形成することができるため、第1ウォータギャラリおよび第2ウォータギャラリを別体のパイプ等で構成することを不要にすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却構造を備えるエンジンの側面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却構造を備えるエンジンのシリンダブロックの上面図であり、流量調整弁の閉弁時の状態を示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却構造を備えるエンジンのシリンダブロックの上面図であり、流量調整弁の開弁時の状態を示す図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却構造が備える流量調整弁の閉弁時の斜視図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却構造が備える流量調整弁の開弁時の斜視図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却構造が備える流量調整弁の閉弁時の側面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の冷却構造が備える流量調整弁の開弁時の側面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る内燃機関の冷却構造を図面に基づいて説明する。まず、構成を説明する。図1において、車両に搭載された内燃機関としてのエンジン1は、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の上部に設けられたシリンダヘッド12と、シリンダヘッド12の上部に設けられたヘッドカバー13と、シリンダブロック11の下部に設けられたオイルパン16とを含んで構成される。
シリンダブロック11の内部にはシリンダライナ21が設けられている。このシリンダライナ21の内部には、ピストンが往復移動する空間であるシリンダボア22が形成されている。シリンダライナ21は、図2、図3に示すようにエンジン1に3つ設けられるとともに互いに連結されており、サイアミーズシリンダ(連続一体型シリンダ列)の構成を有している。
また、シリンダブロック11にはクランクプーリ19とオルタネータ17とが設けられており、このクランクプーリ19とオルタネータ17には、補機駆動ベルト20が張架されている。オルタネータ17は、クランクシャフトの回転がクランクプーリ19および補機駆動ベルト20を介してオルタネータプーリ17aに伝達されることで、交流電気を発電するようになっている。
シリンダブロック11の内部にはシリンダブロック内ウォータジャケット31が形成されている。シリンダブロック内ウォータジャケット31は、図2、図3に示すように、連結された3つのシリンダライナ21を取り囲むように形成されており、シリンダライナ21の周囲に冷却水を流通させるようになっている。
シリンダブロック11の下部側面にはウォータポンプ18が設けられており、このウォータポンプ18は、不図示のサーモスタットの開弁時にラジエータを通過して大気により冷却された冷却水をシリンダブロック11内に圧送するようになっている。ウォータポンプ18としては、クランクシャフトの回転が伝達されることで駆動する機械式もの、または、電気モータにより駆動される電動式のもの、の何れも用いることができる。
また、図1〜図3に示すように、シリンダブロック11の内部には、冷却水の回廊としての第1ウォータギャラリ34が形成されている。第1ウォータギャラリ34は、その一端側がシリンダブロック11の下部側面に開口するとともに、その他端側がシリンダブロック内ウォータジャケット31のシリンダ配列方向端部の下部に連通している。
第1ウォータギャラリ34は、シリンダブロック11の外部のウォータポンプ18から圧送される冷却水をシリンダブロック内ウォータジャケット31に供給するようになっている。本実施形態では、第1ウォータギャラリ34の断面形状は矩形に形成されている。
シリンダブロック内ウォータジャケット31には他の部位より流路の狭い絞り部31bが形成されており、この絞り部31bのシリンダ配列方向中心側には、他の部位より流路の広い連通路31aが形成されている。
連通路31aは、鉛直方向に延在して形成されており、絞り部31bに突き当たった冷却水を、シリンダヘッド12の後述する連通孔33を介してシリンダヘッド内ウォータジャケット32に供給するようになっている。
また、シリンダブロック11の内部には、冷却水の回廊としての第2ウォータギャラリ36が形成されている。第2ウォータギャラリ36は、第1ウォータギャラリ34から分岐しており、第1ウォータギャラリ34から分流した冷却水を後述するシリンダヘッド内ウォータジャケット32に供給するようになっている。
第2ウォータギャラリ36は、シリンダブロック11内で第1ウォータギャラリ34から鉛直上方に向かって分岐している。第2ウォータギャラリ36の下端部は第1ウォータギャラリ34に接続され、第2ウォータギャラリ36の上端部はシリンダヘッド内ウォータジャケット32に接続されている。
シリンダヘッド12の下部には燃焼室23が形成されており、この燃焼室23はシリンダボア22に連通している。シリンダヘッド12には、吸気管15と排気管14とが接続されている。吸気管15は、外気を不図示の吸気マニホールドを介して燃焼室23に供給するようになっている。排気管14は、燃焼室23で発生した排気ガスを排出するようになっている。
シリンダヘッド12には、燃焼室23を取り囲むようにシリンダヘッド内ウォータジャケット32が形成されており、このシリンダヘッド内ウォータジャケット32は、燃焼室23の周囲に冷却水を流通させるようになっている。
シリンダヘッド12には連通孔33が形成されており、この連通孔33は、シリンダブロック内ウォータジャケット31の上端部とシリンダヘッド内ウォータジャケット32とを接続している。シリンダブロック内ウォータジャケット31を流通した冷却水は、連通路31aおよび連通孔33を介してシリンダヘッド内ウォータジャケット32に供給されるようになっている。
図4〜図7に示すように、第1ウォータギャラリ34の内部には矩形の板状の流量調整弁40が設けられている。流量調整弁40は、第1ウォータギャラリ34における第2ウォータギャラリ36との分岐部34cの下流側直下(下流側領域34bの分岐部34cの最近傍)に配置されており、シリンダブロック内ウォータジャケット31とシリンダヘッド内ウォータジャケット32への冷却水の分配量を調整するようになっている。
流量調整弁40の上部には、他の部位より板圧の厚い回動軸支持部40cが形成されており、この回動軸支持部40cには回動軸41が挿通されている。回動軸41は、第1ウォータギャラリ34の側壁に固定されており、流量調整弁40を第1ウォータギャラリ34内に回動可能に支持している。回動軸41は、シリンダブロック11の前述の絞り部31bを形成している部位に固定されている。
流量調整弁40は、回動軸41が流量調整弁40の重心より上部に配置されることで、冷却水の水圧がかかっていないとき、または弱いときは、自重によって閉塞姿勢を取るようになっている。なお、流量調整弁40が自重により閉塞姿勢となるためには、回動軸41が水平に配置されることが望ましい。ここで、流量調整弁40の閉塞姿勢とは、流量調整弁40が第2ウォータギャラリ36の分岐方向すなわち鉛直方向に延在する姿勢である。
流量調整弁40は、第1ウォータギャラリ34の断面形状と一致するような矩形形状に形成されている。これにより、閉塞姿勢の流量調整弁40の上端部40aと第1ウォータギャラリ34の上側の内壁面との間、および流量調整弁40の下端部40bと第1ウォータギャラリ34の下側の内壁面との間には隙間が生じないようになっている。
また、図3、図5、図7に示すように、第1ウォータギャラリ34を通過する冷却水が増大すると、流量調整弁40は、水圧によって閉塞姿勢から回動することで、第1ウォータギャラリ34を開放するようになっている。
また、回動軸41は、第1ウォータギャラリ34における第2ウォータギャラリ36側の内壁面に近づけて配置されている。すなわち、回動軸41は図6、図7で第1ウォータギャラリ34の上側の内壁面に近づけて配置されている。
次に、作用を説明する。なお、以下では、ウォータポンプ18が機械式の場合を例に説明する。
エンジン1の冷間始動時等であって冷却水が低温のときは、サーモスタットが閉じているため、ウォータポンプ18から第1ウォータギャラリ34に流れ込む冷却水が少ない。この場合、図2、図4、図6に示すように、流量調整弁40は、冷却水からの押圧力が弱いために閉塞姿勢となる。
流量調整弁40は第1ウォータギャラリ34における分岐部34cの下流側に配置されているため、冷却水は流量調整弁40に堰き止められて第2ウォータギャラリ36に流れる。したがって、シリンダブロック内ウォータジャケット31を流通する冷却水が少なく、シリンダヘッド内ウォータジャケット32を流通する冷却水が多い状態となる。
一方、エンジン1の高回転高負荷運転時等であって冷却水が高温のときは、サーモスタットが開いているため、ウォータポンプ18から第1ウォータギャラリ34に流れ込む冷却水が多い。
この場合、図3、図5、図7に示すように、流量調整弁40は、冷却水に押圧されて回動する。このため、第1ウォータギャラリ34が開放されるので、流量調整弁40の開度に応じて冷却水が第1ウォータギャラリ34と第2ウォータギャラリ36の両方に流れる。
したがって、シリンダブロック内ウォータジャケット31とシリンダヘッド内ウォータジャケット32への冷却水の分配量は、ウォータポンプ18から第1ウォータギャラリ34に流入する冷却水の量、すなわち冷却水全体の量に応じて調整される。
この結果、冷却水全体の量が多いほど、流量調整弁40の開度が大きくなり、シリンダブロック内ウォータジャケット31側への冷却水の分配量が多くなる。
このように、本実施形態の内燃機関の冷却構造では、エンジン1の冷間始動時は、流量調整弁40が閉塞状態であるため、シリンダブロック11への冷却水の供給を停止させたままシリンダヘッド12に冷却水を供給することができ、冷却水温度の上昇に伴い流量調整弁40が回動することでシリンダブロック11にも冷却水を供給することができる。
このため、冷却水が低温の場合は、シリンダヘッド12の温度を低温に抑えることで、充填効率を向上するとともにノッキングおよびプレイグニッションを防止することができ、また、冷却水が高温の場合は、シリンダブロック11の温度を適度な高温に保つことで潤滑油を低粘度にして各部のフリックションを低減することができる。
したがって、シリンダブロック内ウォータジャケット31とシリンダヘッド内ウォータジャケット32への冷却水の分配量を適切に調整することができる。ここで、本実施形態では、流量調整弁40は、冷却水に押圧されて回動することで第1ウォータギャラリ34を開放するものであるため、開閉のためのモータやソレノイド等の駆動装置が不要となり、簡易な構造とすることができる。
この結果、本実施形態の内燃機関の冷却構造は、簡易な構造でありながら、シリンダブロック内ウォータジャケット31とシリンダヘッド内ウォータジャケット32への冷却水の分配量を適切に調整することができる。
さらに、本実施形態では、流量調整弁40が回動することで第1ウォータギャラリ34が開放されるようにしている。このため、弁体を直線上移動させてバルブシートに着座させる構成と比較して、バルブシートが不要になるので簡易な構造とすることができる。
また、異物が流量調整弁40の上端部40aまたは下端部40bと第1ウォータギャラリ34の壁面との間に挟まった場合であっても、流量調整弁40が回動するときに異物が剪断されるため、異物の挟まりにより流量調整弁40が閉弁できなくなることを抑制することができる。
また、本実施形態の内燃機関の冷却構造は、流量調整弁40が第1ウォータギャラリ34における分岐部34cの下流側直下に配置されているため、流量調整弁40が閉塞姿勢のとき、流量調整弁40の上流側領域34aで高まった水圧によって、分岐部34cの下流側直下から第2ウォータギャラリ36に最短距離で冷却水を流すことができる。
すなわち、仮に流量調整弁40が分岐部34cよりもシリンダブロック内ウォータジャケット31側に離れて配置されている場合、冷却水の一部は流量調整弁40に突き当たった後に第1ウォータギャラリ34を遡って第2ウォータギャラリ36に流入するため、圧力損失が増大してしまう。
これに対し、流量調整弁40を分岐部34cの下流側直下に配置することで、冷却水の圧力損失が低減される。この結果、流量調整弁40が閉塞姿勢のときの第2ウォータギャラリ36側への冷却水の分流効果を最適化することができる。
また、本実施形態の内燃機関の冷却構造は、流量調整弁40が板状に形成されるとともに、流量調整弁40の閉塞姿勢は第2ウォータギャラリ36の分岐方向に延在する姿勢となる。
このため、流量調整弁40の閉塞姿勢のときの延在方向を第2ウォータギャラリ36の分岐方向と一致させることができる。したがって、冷却水は、板状でかつ第2ウォータギャラリ36の分岐方向と一致する流量調整弁40に突き当たることで、第2ウォータギャラリ36側に案内される。
この結果、流量調整弁40は、閉塞姿勢のときに冷却水を第2ウォータギャラリ36側にスムーズに流すことができる。
また、本実施形態の内燃機関の冷却構造は、第1ウォータギャラリ34の断面形状および流量調整弁40の形状を矩形に形成し、流量調整弁を第1ウォータギャラリ34内に回動可能に支持する回動軸を設け、この回動軸41を第1ウォータギャラリ34における第2ウォータギャラリ36側の内壁面に近づけて配置している。
このため、流量調整弁40が冷却水の水圧で回動したときに、流量調整弁40の上端部40aが第2ウォータギャラリ36側に大きく突出することが防止される。したがって、流量調整弁40が回動したときに、流量調整弁40の上端部40aが第2ウォータギャラリ36の一部を閉塞してしまうことがないため、第2ウォータギャラリ36側に分流する冷却水の流れが妨げられることがない。
また、本実施形態の内燃機関の冷却構造は、回動軸41が流量調整弁40の重心より上部に配置されているため、流量調整弁40が自重により閉塞姿勢に復帰することができる。このため、閉弁用のリターンスプリング等が不要となり、流量調整弁40を簡易な構造にすることができる。
また、本実施形態の内燃機関の冷却構造は、第2ウォータギャラリ36が第1ウォータギャラリ34から鉛直上方に向かって分岐している。このため、流量調整弁40が自重により閉塞姿勢になったとき、第2ウォータギャラリ36の分岐方向と同じ鉛直方向に流量調整弁40が延在する。
したがって、冷却水は、流量調整弁40に突き当たることで第2ウォータギャラリ36側に案内される。この結果、流量調整弁40は、閉塞姿勢のときに冷却水を第2ウォータギャラリ36側にスムーズに流すことができる。
また、本実施形態の内燃機関の冷却構造は、第1ウォータギャラリ34および第2ウォータギャラリ36を、シリンダブロック11の内部に配置している。このため、第1ウォータギャラリ34および第2ウォータギャラリ36をシリンダブロック11の鋳造時または後加工時に容易に形成することができるため、第1ウォータギャラリおよび34第2ウォータギャラリ36を別体のパイプ等で構成することを不要にすることができる。
以上、実施形態について説明したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられ得ることは明白である。本発明は、すべてのこのような修正および等価物が含まれることが意図されている。
1…エンジン(内燃機関)、11…シリンダブロック、23…燃焼室、31…シリンダブロック内ウォータジャケット、32…シリンダヘッド内ウォータジャケット、34…第1ウォータギャラリ、34c…分岐部、36…第2ウォータギャラリ、40…流量調整弁、41…回動軸

Claims (7)

  1. シリンダの周囲に冷却水が流通するシリンダブロック内ウォータジャケットを有するシリンダブロックと、
    燃焼室の周囲に冷却水が流通するシリンダヘッド内ウォータジャケットを有するシリンダヘッドと、を備え、
    前記シリンダブロック内ウォータジャケットを流通した冷却水が前記シリンダヘッド内ウォータジャケットに供給される内燃機関の冷却構造において、
    前記シリンダブロックの外部から前記シリンダブロック内ウォータジャケットに冷却水を供給する第1ウォータギャラリと、
    前記第1ウォータギャラリから分岐し、第1ウォータギャラリから分流した冷却水を前記シリンダヘッド内ウォータジャケットに供給する第2ウォータギャラリと、
    前記第1ウォータギャラリを開閉する流量調整弁とを備え、
    前記流量調整弁は、
    前記第1ウォータギャラリにおける前記第2ウォータギャラリとの分岐部の下流側に配置されるとともに、前記第1ウォータギャラリを閉塞する閉塞姿勢から冷却水に押圧されて回動することで、前記第1ウォータギャラリを開放すること特徴とする内燃機関の冷却構造。
  2. 前記流量調整弁は、前記第1ウォータギャラリの前記分岐部の下流側直下に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却構造。
  3. 前記流量調整弁が板状に形成され、
    前記流量調整弁の閉塞姿勢は、前記流量調整弁が前記第2ウォータギャラリの分岐方向に延在する姿勢であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の冷却構造。
  4. 前記第1ウォータギャラリが矩形の断面形状を有し、
    前記流量調整弁は、前記閉塞姿勢のとき前記第1ウォータギャラリの断面形状と一致するよう矩形に形成され、
    前記流量調整弁を前記第1ウォータギャラリ内に回動可能に支持する回動軸を設け、
    前記回動軸は、前記第1ウォータギャラリにおける前記第2ウォータギャラリ側の内壁面に近づけて配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の内燃機関の冷却構造。
  5. 前記回動軸は、前記流量調整弁の重心より上部に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の内燃機関の冷却構造。
  6. 前記第2ウォータギャラリは、前記第1ウォータギャラリから鉛直上方に分岐することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の冷却構造。
  7. 前記第1ウォータギャラリおよび前記第2ウォータギャラリを、前記シリンダブロックの内部に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の内燃機関の冷却構造。
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