[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2015117447A - 紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法 - Google Patents

紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015117447A
JP2015117447A JP2013262120A JP2013262120A JP2015117447A JP 2015117447 A JP2015117447 A JP 2015117447A JP 2013262120 A JP2013262120 A JP 2013262120A JP 2013262120 A JP2013262120 A JP 2013262120A JP 2015117447 A JP2015117447 A JP 2015117447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
filter
flow path
filling space
volume
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013262120A
Other languages
English (en)
Inventor
和弘 川本
Kazuhiro Kawamoto
和弘 川本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TMT Machinery Inc
Original Assignee
TMT Machinery Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TMT Machinery Inc filed Critical TMT Machinery Inc
Priority to JP2013262120A priority Critical patent/JP2015117447A/ja
Priority to CN201420613602.XU priority patent/CN204237899U/zh
Priority to CN201410566500.1A priority patent/CN104726942A/zh
Priority to TW103144067A priority patent/TW201525208A/zh
Publication of JP2015117447A publication Critical patent/JP2015117447A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

【課題】 粒状濾材の代わりに、多角形断面金属短繊維フィルタを使用した紡糸パックにおいて、パック内におけるポリマーの滞留を極力抑制することにある。【解決手段】 紡糸パック4は、ポリマー充填空間49を有する流路形成体40と、ポリマー充填空間49内に収容された減容体57と、多角形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第1フィルタ層51を有するフィルタ44と、フィルタ44を通過した溶融ポリマーをそれぞれ紡出する複数のノズル54が形成された紡糸口金41と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、溶融ポリマーを紡出する紡糸口金を備えた紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法に関する。
従来から、合成繊維糸を紡出する溶融紡糸装置が知られている。一般的な溶融紡糸装置は、紡糸口金を備えた紡糸パックを備えている。紡糸パックには、溶融ポリマーが供給され、この溶融ポリマーが、紡糸口金の複数のノズルからそれぞれ紡出されることによって複数のフィラメントとなる。
一般的な紡糸パックは、溶融ポリマーを濾過する濾過材を備えている。特許文献1,2には、砂等の粒状濾材を有する紡糸パックが開示されている。これらの紡糸パックは、上から順に、ポリマーの導入孔、粒状濾材、フィルタ、紡糸口金等を有する。紡糸パック内部には、ポリマー導入孔に接続された空間が設けられており、この空間内に粒状濾材が充填されている。ポリマー導入孔から前記空間内に導入された溶融ポリマーは、粒状濾材とフィルタを通過した後、紡糸口金の複数のノズルから紡出される。
特開2002−266152号公報 特公昭62−1001号公報
特許文献1,2等で使用されている粒状濾材は、溶融ポリマーを濾過してそれに含まれている異物を捕集する他、溶融ポリマーのゲル状になった部分を細分化するという別の重要な役割を有する。粒状濾材を構成する砂粒やメタルサンド等は、その外面に尖った鋭角部を有する。粒状濾材を溶融ポリマーが通過する際に、溶融ポリマーのゲル化部分は、粒状濾材の前記鋭角部によって分断される。ゲル状部分は、高い粘性を持ち流動性を失った固体状の異物であるため、このゲル状部分の捕捉や細分化が十分になされないと、ノズルから紡出される溶融ポリマー中に大きなゲル状部分が残存することになり、糸品質の低下やフィラメント(単糸)切れの大きな要因となる。
しかしながら、粒状濾材を用いた紡糸パックでは、以下のような様々な問題がある。まず、供給された溶融ポリマーの圧力によって、粒状の濾材が局所的に目開きしたり、あるいは、局所的に圧縮されたりする。これにより濾材の空隙率が局所的に変化し、濾過性能が変化する。空隙率が上がると濾過性能が低下する。また、空隙率が下がると濾圧が上昇するために早期にパックを交換する必要が生じる。そのため、一般的に、粒状濾材を用いた紡糸パックではパック寿命が短くなる。また、濾材内で目開き量や圧縮量が偏っていると、空隙率にばらつきが生じることになり、粒状濾材内においてポリマーが均一に流れなくなる。その結果、複数のノズルからそれぞれ紡出されるポリマー量が不均一となってフィラメント間で太さ(繊度)等の物性が異なってしまう。さらに、粒状濾材は再利用するには手間が掛かるため、多くの場合は紡糸パックを交換する毎に濾材を廃棄するため、パック寿命の短さとも相まって廃棄物の量が多くなる。
そこで、本願発明者は、粒状濾材を用いない紡糸パックの開発を行っている。具体的には、粒状濾材の代わりに、多角形断面の金属短繊維を焼結してなるフィルタ(以下、「多角形断面金属短繊維フィルタ」と称する)を使用する。多角形断面金属短繊維フィルタは、例えば、特開平5−253418、特開2005−256197号公報等に開示されているようなものである。溶融ポリマーが多角形断面金属短繊維フィルタを通過する際に、多角形断面を有する金属短繊維の鋭角部分によって、ポリマー中のゲル状部分が切り刻まれるように分断される。つまり、多角形断面金属短繊維フィルタは、粒状濾材と同様に、溶融ポリマー中のゲル状部分の細分化する機能を具備している。
ところで、上記の、粒状濾材の代わりに多角形断面金属短繊維フィルタを用いた紡糸パックについては、従来の粒状濾材を用いた紡糸パックとは全く異なるパック構造を新たに採用することも可能である。しかし、既に使用されている紡糸パックの内部を少し改変するだけで、新たな紡糸パックとして使用することができれば、コストを節約でき、溶融紡糸装置のユーザにとっては好ましい。また、従来の紡糸パックと新しい紡糸パックとで、パックのサイズが大きく異なっていると、それに合わせて、溶融紡糸装置の各装置の位置等を調整し直さないといけない。例えば、紡糸パックの上下寸法が変わると、紡糸口金からのポリマーの紡出位置と、紡糸パックが取り付けられる装置(後の実施形態における、加熱箱体がこれに相当する)の下面との距離が変わることになる。そのため、前記装置の紡糸パック取付部材を変更して、紡糸口金の位置を調整する必要がある。この点、従来の紡糸パックと新しい紡糸パックとで、ポリマー流路が形成されている部材等の主要部品を共通化しておけば、新しい紡糸パックのサイズを従来の紡糸パックと等しくし、新しい紡糸パックを使用しても紡出位置が変わらないようにすることができる。また、従来の紡糸パックと新しい紡糸パックとで、主要部品を共通化することで、新しい紡糸パックの製造コストを低減することも可能である。
上記の点を鑑みて、本願発明者は、粒状濾材を用いる従来の紡糸パックと、一部同じ部品を用いて、新しい紡糸パックを構成することを検討している。具体的には、ポリマー流路が形成された部品(流路形成体)において、その内部に形成されたポリマー充填空間内に粒状濾材を充填せず、この粒状濾材の代わりとして、多角形断面金属短繊維フィルタを取り付ける。しかし、この場合、下記のような問題が生じることがわかった。
従来の紡糸パックでは、ポリマー充填空間には粒状濾材が収容されているため、その分、ポリマー充填空間内の、実際に溶融ポリマーが充填される空間は小さくなっている。しかし、新しい紡糸パックでは粒状濾材を用いないため、ポリマー充填空間内に多量の溶融ポリマーが充填されることになり、ポリマーの滞留時間が長くなる。これにより、ポリマーに熱劣化による変質が生じ、糸切れや糸品質斑の要因となる。
本発明の目的は、粒状濾材の代わりに、多角形断面金属短繊維フィルタを使用した紡糸パックにおいて、パック内におけるポリマーの滞留を極力抑制することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の紡糸パックは、溶融ポリマーが導入される導入部と、前記導入部に接続され、前記溶融ポリマーが充填されるポリマー充填空間とを有する流路形成体と、前記流路形成体の前記ポリマー充填空間の、少なくとも下部空間に収容された減容体と、前記流路形成体内の前記減容体の下側の位置に配置され、且つ、多角形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第1フィルタ層を有するフィルタと、前記流路形成体の下側に配置されて、前記フィルタを通過した前記溶融ポリマーをそれぞれ紡出する複数のノズルが形成された紡糸口金と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明では、流路形成体のポリマー充填空間内に粒状濾材が充填される代わりに、多角形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第1フィルタ層を有するフィルタが使用されている。フィルタの第1フィルタ層により、溶融ポリマー中のゲル状部分が確実に細分化される。また、流路形成体のポリマー充填空間の下部空間に粒状濾材が充填されていないと、その分、ポリマー充填空間内の、実際に溶融ポリマーが充填される実充填空間の容積が多くなり、ポリマーの滞留時間が長くなる。この点、本発明では、ポリマー充填空間の下部空間内に減容体が収容されており、この減容体の体積分だけ、ポリマー充填空間の、前記実充填空間の容積が減っている。そのため、ポリマー充填空間における溶融ポリマーの滞留時間が短くなり、溶融ポリマーの、熱劣化による変質が抑制される。
第2の発明の紡糸パックは、前記第1の発明において、前記減容体の、前記ポリマー充填空間内の占有容積は、前記ポリマー充填空間の全容積の60〜90%であることを特徴とするものである。また、第3の発明の紡糸パックは、前記第2の発明において、前記減容体の、前記ポリマー充填空間内の占有容積は、前記ポリマー充填空間の全容積の75〜90%であることを特徴とするものである。
減容体のポリマー充填空間内の占有容積が小さいと、滞留時間短縮の効果が低くなる。一方、減容体の占有容積が大きすぎると、ポリマー充填空間内の、ポリマーが実際に充填される空間が小さくなりすぎて流動抵抗が大きくなり、逆に、ポリマーの滞留が生じやすくなる。そこで、減容体のポリマー充填空間内の占有容積は、60〜90%の範囲内であることが好ましく、さらには、75〜90%の範囲内とすることがより好ましい。
第4の発明の紡糸パックは、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記減容体の下端と、前記フィルタの上面との間の隙間が、1〜3mmであることを特徴とするものである。
減容体の下端とフィルタの上面との隙間が大きすぎると、フィルタを通過する前の溶融ポリマーの滞留時間が長くなってしまう。一方、前記隙間が小さすぎると、この隙間をポリマーが流れる際の流動抵抗が大きくなり、逆に、ポリマーの滞留が生じやすくなる。そこで、減容体の下端とフィルタの上面との隙間は、1〜3mmの範囲内にあることが好ましい。
第5の発明の紡糸パックは、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記フィルタは、前記第1フィルタ層の下側に配置され、円形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第2フィルタ層をさらに有し、前記第2フィルタ層の濾過粒度は、前記第1フィルタ層の濾過粒度よりも小さいことを特徴とするものである。
第1フィルタ層により、溶融ポリマーのゲル状部分が細分化されると同時に、溶融ポリマーに含まれる、比較的サイズの大きな異物が捕集される。一方、濾過粒度の小さい第2フィルタ層により、第1フィルタ層では捕集されなかった小さい異物が取り除かれる。
第6の発明の紡糸パックの製造方法は、溶融ポリマーが導入される導入部と、前記導入部に接続され、前記溶融ポリマーが充填されるポリマー充填空間とを有し、前記ポリマー充填空間に粒状濾材が収容されることによって第1の紡糸パックを構成する、流路形成体を用いて、前記粒状濾材を用いない第2の紡糸パックを製造する方法であって、
前記流路形成体の前記ポリマー充填空間の、前記第1の紡糸パックでは前記粒状濾材が収容される空間に、前記溶融ポリマーが実際に充填される実充填空間の容積を減らすための減容体を収容し、多角形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第1フィルタ層を有するフィルタを、前記流路形成体内の前記減容体の下側の位置に取り付けることを特徴とするものである。
本発明によれば、粒状濾材を用いる第1の紡糸パックと同じ流路形成体を用いて、粒状濾材を用いない第2の紡糸パックを製造するため、2種類の紡糸パックで、流路形成体が共通化される。また、このとき、粒状濾材を用いない第2の紡糸パックでは、ポリマー充填空間の、第1の紡糸パックでは粒状濾材が収容される空間内に減容体を収容することで、溶融ポリマーの実充填空間を小さくして、ポリマー充填空間内での溶融ポリマーの滞留を抑制できる。
第7の発明の紡糸パックの改造方法は、溶融ポリマーが導入される導入部と、前記導入部に接続され、前記溶融ポリマーが充填されるポリマー充填空間とを有する流路形成体と、前記流路形成体の前記ポリマー充填空間内に収容された粒状濾材と、前記流路形成体内の前記粒状濾材の下側に配置された改造前フィルタと、前記流路形成体の下側に配置されて、前記改造前フィルタを通過した前記溶融ポリマーそれぞれ紡出する複数のノズルが形成された紡糸口金と、を備えた第1の紡糸パックを、粒状濾材を用いない第2の紡糸パックに改造する方法であって、
前記流路形成体の前記ポリマー充填空間内の前記粒状濾材を取り除くとともに、前記流路形成体から前記改造前フィルタを取り外し、前記ポリマー充填空間の前記粒状濾材が収容されていた内に、前記溶融ポリマーが実際に充填される実充填空間の容積を減らすための減容体を収容し、多角形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第1フィルタ層を有するフィルタを、前記流路形成体の、前記減容体の下側の位置に取り付けることを特徴とするものである。
本発明では、粒状濾材を用いる第1の紡糸パックを、粒状濾材を用いない第2の紡糸パックに簡単に改造できる。また、第2の紡糸パックへの改造の際に、ポリマー充填空間の粒状濾材が収容されていた空間内に減容体を収容することで、溶融ポリマーの実充填空間を小さくして、ポリマー充填空間内での溶融ポリマーの滞留を抑制できる。
本実施形態に係る溶融紡糸装置、及び、紡糸引取機の概略構成図である。 紡糸パック、及び、加熱箱体のパック装着部の断面図である。 フィルタの断面図である。 (a)は図3のA部の概略的な拡大断面図、(b)は図3のB部の概略的な拡大断面図である。 粒状濾材を用いる紡糸パック、及び、パック装着部の断面図である。 別の変更形態に係る紡糸パック、及び、パック装着部の断面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係る、溶融紡糸装置1、及び、この溶融紡糸装置1から紡出された糸Yを巻き取る紡糸引取機2の概略構成図である。尚、図1の上下方向を、溶融紡糸装置1及び紡糸引取機2の上下方向と定義する。まず、溶融紡糸装置1と紡糸引取機2の概略構成について説明する。
溶融紡糸装置1は、加熱箱体3と、この加熱箱体3にそれぞれ取り外し可能に装着される複数の紡糸パック4とを備えている。複数の紡糸パック4は、図1の紙面垂直方向に並べて配列される。各紡糸パック4からは、複数のフィラメントfからなる糸Yが下方に紡出される。紡糸パック4を含む溶融紡糸装置1の構成については、後で詳しく説明する。
紡糸引取機2は、油剤ガイド10、案内ローラ11、5つのゴデットローラ12〜16、案内ローラ17、巻取装置18を備えている。溶融紡糸装置1の複数の紡糸パック4からそれぞれ下方に紡出された複数の糸Yは、油剤ガイド10で油剤が付与された後、案内ローラ11によって5つのゴデットローラ12〜16へ送られる。
5つのゴデットローラ12〜16は、それぞれ内部にヒータを有する加熱ローラであり、保温箱19内に収容されている。下側3つのゴデットローラ12〜14は、複数の糸Yを延伸する前に予熱するための加熱ローラである。一方、上側2つのゴデットローラ15,16は、延伸された複数の糸Yを熱セットするための加熱ローラである。また、糸送り方向下流側に位置する2つのゴデットローラ15,16の糸送り速度は、糸送り方向上流側に位置する3つのゴデットローラ12〜14よりも速くなっている。
保温箱19内に導入された複数の糸Yは、まず、下側3つのゴデットローラ12〜14によって送られる間に延伸可能な温度まで予熱される、次に、予熱された複数の糸Yは、2つのゴデットローラ14,15の間の糸送り速度差によって延伸される。さらに、複数の糸Yは、上側2つのゴデットローラ15,16によって送られる間により高温に加熱されて、延伸された状態が熱セットされる。保温箱19内の5つのゴデットローラ12〜16によって延伸された複数の糸Yは、案内ローラ17によって巻取装置18に送られる。
巻取装置18は、ボビンホルダ20と、コンタクトローラ21等を備えている。ボビンホルダ20は、図1の紙面垂直方向に延びる長尺な形状を有し、図示しないモータによって回転駆動される。このボビンホルダ20には、その軸方向に沿って複数のボビン22が並べて装着される。巻取装置18は、ボビンホルダ20を回転させることによって、案内ローラ17によって送られてきた複数の糸Yを、複数のボビン22に同時に巻取り、複数の巻取パッケージ23を形成する。コンタクトローラ21は、複数の巻取パッケージ23の表面に接触して所定の接圧を付与し、巻取パッケージ23の形状を整える。
次に、溶融紡糸装置1について詳細に説明する。図2は紡糸パック4、及び、加熱箱体3のパック装着部31の断面図である。尚、図2では、加熱箱体3のうちの、パック装着部31のみ実線で示し、それ以外の部分は二点鎖線で示している。
まず、紡糸パック4が装着される加熱箱体3について説明する。加熱箱体3は、複数の紡糸パック4に溶融ポリマーを分配、供給するものである。本実施形態では、衣料用糸を生産するための、粘度300Pa・s以下のポリエステル等の溶融ポリマーが用いられる。この加熱箱体3の内部は、図示しないボイラーから供給された熱媒蒸気で満たされ、高温(例えば約300℃)に保たれている。これにより、加熱箱体3内を通過する溶融ポリマーが、ある適切な温度範囲内に維持される。加熱箱体3は、その下面に複数の収納凹部30を有する。各収納凹部30は円筒孔形状を有し、各収納凹部30の天井面には、パック装着部31が取り付けられている。紡糸パック4も、高温の加熱箱体3の収納凹部30に挿入されることで、高温に維持される。
パック装着部31は、円板状の固定部32と、この固定部32の下面の略中央部から真下に延びる軸部33とを有する、断面が略T字状の部材である。パック装着部31には、固定部32から軸部33の下端まで、このパック装着部31を上下に貫通するポリマー流路34が形成されている。固定部32は、図示しないボルトにより、加熱箱体3の収納凹部30の天井面に固定される。このとき、ポリマー流路34の上端は、加熱箱体3内の図示しないポリマー流路に接続される。また、軸部33の外面には雄ネジ部33aが形成されている。
次に、紡糸パック4について説明する。紡糸パック4は、加熱箱体3の収納凹部30に挿入されて、パック装着部31に取り外し可能に装着される。紡糸パック4は、流路形成体40と、紡糸口金41と、ケース部材42と、ロックリング43等を有する。流路形成体40は、ほぼ円柱状の形状を有する。ケース部材42は円筒形状を有し、このケース部材42内に流路形成体40と紡糸口金41が収容される。また、ケース部材42の下端開口42aにおいて、紡糸口金41の下面に設けられた複数のノズル54が露出している。ロックリング43はケース部材42の上部に取り付けられ、ケース部材42からの流路形成体40の脱落(抜け)を防止する。
(流路形成体)
流路形成体40について説明する。流路形成体40は、後述するポリマー充填空間49などの、溶融ポリマーが流れるポリマー流路が内部に形成された構造体である。図2に示すように、流路形成体40は、上から順に配置された、第1流路部材40a、第2流路部材40b、及び、第3流路部材40cからなる。3つの流路部材40a〜40cは、それぞれ金属で形成されている。
第1流路部材40aの上部には、有底状の筒部46が形成されている。この筒部46の内周面には雌ネジ部46aが形成されている。また、筒部46の底部には、紡糸パック4内に溶融ポリマーを導入するための導入部47が形成されている。紡糸パック4を回しながら加熱箱体3の収納凹部30に挿入すると、パック装着部31の軸部33の雄ネジ部33aと、第1流路部材40aの筒部46の雌ネジ部46aが螺合することで、紡糸パック4が、パック装着部31に装着される。尚、パック装着部31には、紡糸パック4が、パック装着部31に対して所定角度以上回転されることを防止するための規制部材35が設けられている。紡糸パック4がパック装着部31に装着されたときには、パック装着部31の軸部33の下端面が、第1流路部材40aの筒部46の底部に押し当てられ、パック装着部31側のポリマー流路34と、第1流路部材40aの導入部47とが接続される。尚、パック装着部31の軸部33と第1流路材43の筒部46との間には、ポリマー流路34と導入部47との接続部分をシールするためのパッキン48が介装されている。
第1流路部材40aの下部には下に開口した凹部55が形成され、その下の第2流路部材40bの上部には上に開口した凹部56が形成されている。第1流路部材40aの凹部55と第2流路部材40bの凹部56によって、ポリマー充填空間49が形成されている。ポリマー充填空間49は、導入部47と接続されており、ポリマー充填空間49には、導入部47から紡糸パック4内に導入された溶融ポリマーが充填される。
ポリマー充填空間49内には、従来広く使用されている粒状濾材は収容されておらず、その代わりに、減容体57が収容されている。導入部47からポリマー充填空間49内に流れ込んだ溶融ポリマーは、ポリマー充填空間49の内面と、減容体57の外面との間に形成された隙間を通って、減容体57の下側に流れ落ちる。減容体57については後で詳述する。
ポリマー充填空間49の、減容体57の下側の位置には、フィルタ44が配置されている。フィルタ44は、上から順に積層された、第1フィルタ層51、第2フィルタ層52、及び、第3フィルタ層53を有する。フィルタ44は、溶融ポリマーに含まれる異物の捕集を行う。また、先にも触れたように、本実施形態の紡糸パック4は、粒状濾材が使用されていないが、フィルタ44は、従来では粒状濾材が果たしていた、溶融ポリマー中のゲル状部分の細分化する機能も備えている。フィルタ44の詳細については後述する。第2流路部材40bの、フィルタ44の下側部分には、複数の貫通孔58が形成されている。フィルタ44を通過した溶融ポリマーは、複数の貫通孔58によって整流される。
第3流路部材40cには、下方に向かうほど広がった末広がりの分配空間59が形成されている。分配空間59の下側には、フィルタ60が配置されている。第2流路部材40bの複数の貫通孔から流れてきた溶融ポリマーは、分配空間において水平方向に広がった上で、フィルタ60を通過する。
(紡糸口金)
紡糸口金41は、フィルタ60の下面に接して配置されている。紡糸口金41は、複数のノズル54を有する。2つのフィルタ44,60を通過した溶融ポリマーは、複数のノズル54からそれぞれ紡出されて、複数のフィラメントfとなる。
(減容体)
次に、減容体57について詳細に説明する。減容体57は、金属材料で形成された略円柱状の部材である。但し、減容体57の下端部については、その中央部において下方に突き出した円錐形状となっている。この減容体57は、比較的大きな内容積を有するポリマー充填空間49の、実際に溶融ポリマーが充填される実充填空間の容積を減らして、ポリマー充填空間49内における溶融ポリマーの滞留を抑制する目的で設けられている。
図2に示すように、ポリマー充填空間49の上部空間の断面積は、下部空間よりもやや大きくなっており、上部空間と下部空間との間には、環状の段部49aが存在する。一方、減容体57は、その外周部に、周方向に間隔を空けて設けられた複数の脚部57aを有する。減容体57は、複数の脚部57aが前記の環状の段部49aに載せられることによって、ポリマー充填空間49の上端部から下端部にわたって、その内面との間に狭い隙間を空けた状態で収容されている。
(フィルタ)
次に、フィルタ44の構成について詳細に説明する。図3は、フィルタ44の断面図である。図3に示すように、図4(a)は、第1フィルタ層51の、図3におけるA部における概略的な拡大断面図である。また、図4(b)は、第2フィルタ層52の、図3におけるB部における概略的な拡大断面図である。
第1フィルタ層51は多数の第1金属短繊維50aを焼結してなる層である。より詳細には、図4(a)に示すように、第1フィルタ層51を構成する第1金属短繊維50aは、角部が鋭角である多角形断面(例えば、三角形断面)を有する。第1フィルタ層51の原料となる金属材料としては、ステンレス鋼等の耐食性の高い材料が好ましい。上記の多角形断面を有する第1金属短繊維50aは、一般的には、びびり振動切削法で製造できる。びびり振動切削法では、原料となる金属材を回転させながら、切削工具に意図的に自励振動(びびり振動)を生じさせて金属材を加工することで、極細の短繊維を製造する。この方法で製造された第1金属短繊維50aには、前記のびびり振動によって、鋭角な多角形断面が生じる。第1金属短繊維50aの繊維長さは、1.0〜3.0mm、直径(円形断面換算)は、30〜100μm、アスペクト比は10〜100である。
第1フィルタ層51の空隙率は、60〜80%であり、従来の紡糸パックにてよく使用されている、メタルパウダーの空隙率とほぼ同じである。また、第1金属短繊維50aの繊維径は、上記のように比較的大きいため、第1フィルタ層51の濾過粒度を小さくすることは難しく、例えば、20μm以上である。尚、濾過粒度(濾過精度ともいう)とは、フィルタがどのくらいの大きさの異物を除去できるかを示す指標であり、上記の濾過粒度20μmとは、20μm以上の異物を95%以上除去するということを示す。
ところで、紡糸パック4に供給される溶融ポリマーは、その一部がゲル化することがある。この点、第1フィルタ層51が、多角形断面を有する金属短繊維50が焼結されてなる層であるため、加熱箱体3から紡糸パック4に供給された溶融ポリマー中に上記ゲル状部分が存在しても、そのゲル化部分は、第1フィルタ層51を通過する際に、多数の金属短繊維50の鋭い角部によって、切り刻まれるように分断され、細分化される。従来の紡糸パックで用いられている粒状濾材も、溶融ポリマー中のゲル状部分の細分化機能を有するが、第1フィルタ層51を、従来の粒状濾材の代わりに設けることによって、粒状濾材を省略することが可能となる。
第2フィルタ層52も、多数の第2金属短繊維50bを焼結してなる層である。尚、第2フィルタ層52を構成する第2金属短繊維50bは、針金状の金属を引き延ばして得られる。それ故、図4(b)に示すように、第2金属短繊維50bは、繊維長さと直交する断面において、ほぼ円形の断面形状を有する。ここで、「円形の断面」とは、完全な真円形状のみならず、楕円形に近い断面形状も含む。また、第2フィルタ層52も、第1フィルタ層51と同様に、ステンレス鋼等の耐食性の高い材料で形成されることが好ましい。第2金属短繊維50bの繊維長さは、20〜30mm、繊維径は10〜30μmである。
第2フィルタ層52の空隙率は、第1フィルタ層51と同様であり、例えば、60〜80%である。また、第2フィルタ層52は、第1フィルタ層51よりも、濾過粒度の小さい層である。第2フィルタ層52を構成する第2金属短繊維50bは、第1金属短繊維50aよりも繊維径が小さいため、第2フィルタ層52の濾過粒度を小さくすることが可能である。第2フィルタ層52の濾過粒度は、これと併用する第1フィルタ層51の濾過粒度にもよるが、例えば、10〜40μmである。この第2フィルタ層52により、濾過粒度が比較的大きい第1フィルタ層51では捕集しきれなかった小さい異物を取り除く。
第3フィルタ層53は、金網フィルタである。金網の種類については特に限定されず、一般的な平織金網や、その他、綾織、平畳織、綾畳織等の金網も使用できる。金網で形成された第3フィルタ層53が設けられる主な目的は、第1フィルタ層51及び第2フィルタ層52の補強である。
尚、第3フィルタ層53を構成する金網の目があまりにも細かいと、第3フィルタ層53の剛性が低く、十分な補強効果が得られない。そのため、第3フィルタ層53の目の細かさを示す、1インチあたりのメッシュ数(以下、単に、メッシュ数ともいう)は、30〜100メッシュとなっている。上記の第3フィルタ層53が、第1フィルタ層51及び第2フィルタ層52に積層されることで、フィルタ44の剛性が高くなり、溶融ポリマーの圧力によるフィルタ44の変形が抑制される。
尚、上記の3層のフィルタ層51〜53は、個別に流路形成体40に組み付けられてもよいが、予め、3層のフィルタ層51〜53が積層された状態で一体化されてもよい。例えば、3層のフィルタ層51〜53がスポット溶接によって接合されてもよい。あるいは、これら3層のフィルタ層51〜53の外周部に取り付けられたリング状の固定部材(リム)によって、3層のフィルタ層51〜53が互いに固定されてもよい。この場合、リング状の固定部材によって、3層のフィルタ層51〜53の外周部間の隙間が塞がれるため、前記隙間から溶融ポリマーが漏れ出すことが防止される。このように、3層のフィルタ層51〜53が一体化されていると、紡糸パック4の組立時のフィルタ44の取り付け、あるいは、紡糸パック4の分解時のフィルタ44の取り外しなどの作業が容易になる。
ところで、上述したように、本実施形態の紡糸パック4では、ポリマー充填空間49内に減容体57が収容されている。その理由について以下に補足説明する。まず、本実施形態の紡糸パック4(本発明における第2の紡糸パックに相当)は、図5に示すような、粒状濾材が使用されている紡糸パック100(本発明における第1の紡糸パックに相当)と、いくつかの主要部品(流路形成体40、紡糸口金41、ケース部材42、ロックリング43等)が共通化されている。
図5に示される紡糸パック100では、流路形成体40内に形成されたポリマー充填空間49の上部空間に分配部材101が収容され、下部空間には、メタルサンドや砂等の粒状濾材102が収容されている。粒状濾材102の主な機能は、溶融ポリマー中のゲル状部分の細分化である。また、粒状濾材102の下側にフィルタ103が配置されている。このフィルタ103の主な機能は異物の捕集であり、金属不織布焼結フィルタ層112(紡糸パック4における前述の第2フィルタ層52と同じ)を、2枚の金網フィルタ層111で挟み込んだ構造である。これに対して、図2に示される本実施形態の紡糸パック4は、ポリマー充填空間49内には粒状濾材102が収容されていない。さらに、粒状濾材102の代わりとして、多角形断面金属短繊維フィルタである第1フィルタ層51を有するフィルタ44が設けられている。
ところで、本実施形態の紡糸パック4では、流路形成体40のポリマー充填空間49の下部空間に粒状濾材102が充填されていないことから、そのままでは、ポリマー充填空間49内の、実際に溶融ポリマーが充填される実充填空間の容積が多くなり、ポリマーの滞留時間が長くなる。そこで、この紡糸パック4では、図5の紡糸パック100においては粒状濾材102が収容される、ポリマー充填空間49の下部空間内に減容体57が収容されている。そして、この減容体57の体積分だけ、ポリマー充填空間49の実充填空間の容積が減っている。そのため、ポリマー充填空間49における溶融ポリマーの滞留時間が短くなり、溶融ポリマーの、熱劣化による変質が抑制される。
尚、減容体57のポリマー充填空間49内の占有容積が小さいと、ポリマー充填空間49における溶融ポリマーの滞留時間短縮の効果が低くなる。一方、減容体57の占有容積が大きすぎると、ポリマー充填空間49内の、ポリマーが実際に充填される空間が小さくなりすぎて流動抵抗が大きくなり、逆に、ポリマーの滞留が生じやすくなる。そこで、減容体57のポリマー充填空間49内の占有容積は、60〜90%の範囲内であることが好ましい。さらに、溶融ポリマーの滞留時間短縮のためには、減容体57のポリマー充填空間49内の占有容積は、75〜90%の範囲内であることがより好ましい。
同様に、減容体57の下端とフィルタ44の上面との隙間が大きすぎると、フィルタ44を通過する前の溶融ポリマーの滞留時間が長くなってしまう。一方、前記隙間が小さすぎると、この隙間をポリマーが流れる際の流動抵抗が大きくなり、逆に、ポリマーの滞留が生じやすくなる。そこで、減容体57の下端とフィルタ44の上面の隙間Gは、1〜3mmの範囲内にあることが好ましい。
以上の説明から理解されるように、本実施形態の紡糸パック4は、粒状濾材102を使用する紡糸パック100に使用しているものと同じ部品(流路形成体40、紡糸口金41等)を用いて、生産することができる。即ち、まず、流路形成体40のポリマー充填空間49の、上部空間から、紡糸パック100として使用されるときには粒状濾材102が収容される下部空間にわたって、減容体57を配置する。また、多角形断面を有する第1金属短繊維50aが焼結されてなる第1フィルタ層51を含むフィルタ44を、流路形成体40内の減容体57の下側の位置に取り付ける。そして、減容体57とフィルタ44が取り付けられた前記の流路形成体40と、紡糸口金41とを、ケース部材42に収容してからロックリング43を取り付ける。
このように、粒状濾材102を用いる紡糸パック100と同じ流路形成体40を用いて、粒状濾材102を用いない紡糸パック4を製造するため、2種類の紡糸パック4,100で、流路形成体40を共通化できる。また、流路形成体40を共通化したときに、粒状濾材102を用いる紡糸パック100においては粒状濾材102が収容される空間内に、減容体57を収容することで、粒状濾材102を用いない紡糸パック4における溶融ポリマーの実充填空間を小さくして、ポリマー充填空間49内での溶融ポリマーの滞留を抑制できる。
あるいは、図5の粒状濾材102を使用する紡糸パック100を、図2の、粒状濾材102を使用しない本実施形態の紡糸パック4に改造することも可能となる。この場合、まず、ロックリング43を外して、流路形成体40をケース部材42から取り外す。次に、流路形成体40のポリマー充填空間49内の分配部材101と粒状濾材102を取り除く。また、流路形成体40からフィルタ103(本発明の改造前フィルタに相当)を取り外す。その上で、ポリマー充填空間49内に、分配部材101が収容されていた上部空間から、粒状濾材102が収容されていた下部空間にわたって減容体57を配置する。また、多角形断面を有する第1金属短繊維50aが焼結されてなる第1フィルタ層51を有するフィルタ44を、流路形成体40の、減容体57の下側の位置に取り付ける。そして、減容体57とフィルタ44が取り付けられた前記の流路形成体40を、再びケース部材42に収容してからロックリング43を取り付ける。
このように、粒状濾材102を用いる紡糸パック100を、粒状濾材102を用いない紡糸パック4に簡単に改造することができる。ここで、紡糸パック4への改造の際に、ポリマー充填空間49の、粒状濾材102が収容されていた下部空間に減容体57を収容することで、溶融ポリマーの実充填空間を小さくして、ポリマー充填空間49内での溶融ポリマーの滞留を抑制できる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]減容体57は、ポリマー充填空間49内の、溶融ポリマーが充填される実充填空間を減らすことができるものであればよく、その形状は、前記実施形態のものには限られない。例えば、図6に示すように、減容体57が、その下端面がフィルタ44と平行となる形状であってもよい。また、前記実施形態の減容体57は中実の部材であったが、減容体57が、その内部に、密閉された空洞部を有する中空の部材であってもよい。
また、前記実施形態では、図5の紡糸パック100において、粒状濾材102の上に分配部材101が配置されているため、図2の紡糸パック4では、減容体57は、ポリマー充填空間49の上部空間から下部空間にわたって配置されている。即ち、紡糸パック4の減容体57の上半部は、紡糸パック100の分配部材101と同等の機能を有するものである。これに対して、粒状濾材102を用いる紡糸パック100において、溶融ポリマーの粘度等の条件によっては、分配部材101が不要である場合もあり得る。この場合は、減容体57は、ポリマー充填空間49のうちの、粒状濾材102が収容されていた下部空間にのみ配置されてもよい。
2]前記実施形態の紡糸パック4は、複数のフィラメントfからなる1本の糸Yを紡出するものであったが、2本以上の糸Yを紡出する紡糸パックにも、本発明を適用することができる。また、溶融ポリマーが導入される2つ以上の導入部47を有するものにも適用することができる。これらの形態において、紡糸口金41から紡出される糸Yの本数、あるいは、導入部47の数に応じて、ポリマー充填空間49が複数設けられてもよい。その場合は、複数のポリマー充填空間49のそれぞれにおいて、減容体57が配置されることになる。
3]前記実施形態では、フィルタ44は、3層のフィルタ層51,52,53が上から順に積層された構成であったが、フィルタ44は、少なくとも、多角形断面金属短繊維焼結フィルタである第1フィルタ層51を備えているものであればよく、前記実施形態の構成のものには限られない。例えば、第1フィルタ層51の上側にも、金網からなる第3フィルタ層53が積層されてもよい。あるいは、逆に、第3フィルタ層53が省略されて、フィルタ44が、第1フィルタ層51と第2フィルタ層52の2層のみで構成されてもよい。また、濾過粒度の小さい第2フィルタ層52が、目の細かい金網(例えば、400メッシュ程度)で形成されてもよい。
4 紡糸パック(第2の紡糸パック)
40 流路形成体
41 紡糸口金
44 フィルタ
47 導入部
49 ポリマー充填空間
51 第1フィルタ層
52 第2フィルタ層
57 減容体
100 紡糸パック(第1の紡糸パック)
102 粒状濾材
103 フィルタ(改造前フィルタ)

Claims (7)

  1. 溶融ポリマーが導入される導入部と、前記導入部に接続され、前記溶融ポリマーが充填されるポリマー充填空間と、を有する流路形成体と、
    前記流路形成体の前記ポリマー充填空間の、少なくとも下部空間に収容された減容体と、
    前記流路形成体内の前記減容体の下側の位置に配置され、且つ、多角形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第1フィルタ層を有するフィルタと、
    前記流路形成体の下側に配置されて、前記フィルタを通過した前記溶融ポリマーをそれぞれ紡出する複数のノズルが形成された紡糸口金と、
    を備えていることを特徴とする紡糸パック。
  2. 前記減容体の、前記ポリマー充填空間内の占有容積は、前記ポリマー充填空間の全容積の60〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の紡糸パック。
  3. 前記減容体の、前記ポリマー充填空間内の占有容積は、前記ポリマー充填空間の全容積の75〜90%であることを特徴とする請求項2に記載の紡糸パック。
  4. 前記減容体の下端と、前記フィルタの上面との間の隙間が、1〜3mmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の紡糸パック。
  5. 前記フィルタは、前記第1フィルタ層の下側に配置され、円形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第2フィルタ層をさらに有し、
    前記第2フィルタ層の濾過粒度は、前記第1フィルタ層の濾過粒度よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の紡糸パック。
  6. 溶融ポリマーが導入される導入部と、前記導入部に接続され、前記溶融ポリマーが充填されるポリマー充填空間とを有し、前記ポリマー充填空間に粒状濾材が収容されることによって第1の紡糸パックを構成する、流路形成体を用いて、前記粒状濾材を用いない第2の紡糸パックを製造する方法であって、
    前記流路形成体の前記ポリマー充填空間の、前記第1の紡糸パックでは前記粒状濾材が収容される空間に、前記溶融ポリマーが実際に充填される実充填空間の容積を減らすための減容体を収容し、
    多角形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第1フィルタ層を有するフィルタを、前記流路形成体内の前記減容体の下側の位置に取り付けることを特徴とする紡糸パックの製造方法。
  7. 溶融ポリマーが導入される導入部と、前記導入部に接続され、前記溶融ポリマーが充填されるポリマー充填空間と、を有する流路形成体と、前記流路形成体の前記ポリマー充填空間内に収容された粒状濾材と、前記流路形成体内の前記粒状濾材の下側に配置された改造前フィルタと、前記流路形成体の下側に配置されて、前記改造前フィルタを通過した前記溶融ポリマーそれぞれ紡出する複数のノズルが形成された紡糸口金と、を備えた第1の紡糸パックを、粒状濾材を用いない第2の紡糸パックに改造する方法であって、
    前記流路形成体の前記ポリマー充填空間内の前記粒状濾材を取り除くとともに、前記流路形成体から前記改造前フィルタを取り外し、
    前記ポリマー充填空間の前記粒状濾材が収容されていた空間内に、前記溶融ポリマーが実際に充填される実充填空間の容積を減らすための減容体を収容し、
    多角形断面を有する金属短繊維が焼結されてなる第1フィルタ層を有するフィルタを、前記流路形成体の、前記減容体の下側の位置に取り付けることを特徴とする紡糸パックの改造方法。
JP2013262120A 2013-12-19 2013-12-19 紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法 Pending JP2015117447A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013262120A JP2015117447A (ja) 2013-12-19 2013-12-19 紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法
CN201420613602.XU CN204237899U (zh) 2013-12-19 2014-10-22 纺丝组件
CN201410566500.1A CN104726942A (zh) 2013-12-19 2014-10-22 纺丝组件、纺丝组件的制造方法及纺丝组件的改造方法
TW103144067A TW201525208A (zh) 2013-12-19 2014-12-17 紡紗組件、紡紗組件的製造方法及紡紗組件的改造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013262120A JP2015117447A (ja) 2013-12-19 2013-12-19 紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015117447A true JP2015117447A (ja) 2015-06-25

Family

ID=52767415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013262120A Pending JP2015117447A (ja) 2013-12-19 2013-12-19 紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2015117447A (ja)
CN (2) CN104726942A (ja)
TW (1) TW201525208A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019516027A (ja) * 2016-05-02 2019-06-13 コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー 高強度繊維製造用の紡糸ノズル装置
CN110791818A (zh) * 2019-12-04 2020-02-14 中国纺织科学研究院有限公司 一种停留时间可控的熔体纺丝组件
JP2020143403A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 東レ株式会社 ハイメッシュスクリーン紗用複合ポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117447A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 Tmtマシナリー株式会社 紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法
MX2018012944A (es) * 2016-04-25 2019-03-11 Cytec Ind Inc Conjunto de hilador para el hilado de fibras poliméricas.
CN111133835B (zh) * 2017-10-17 2022-05-03 日本Tmt机械株式会社 加热辊及纺丝拉伸装置
CN114921859B (zh) * 2022-07-14 2022-11-22 江苏恒力化纤股份有限公司 一种高强涤纶工业丝纺丝组件

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5056712U (ja) * 1973-09-25 1975-05-28
JPH05253418A (ja) * 1991-05-20 1993-10-05 Tokyo Seiko Co Ltd 焼結型フイルター
JPH08269816A (ja) * 1995-03-30 1996-10-15 Toray Ind Inc ポリアミド高強力糸の製造方法
JP2000265329A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Toray Ind Inc 制電性ポリエステル繊維の製造方法
JP2004292988A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Toray Ind Inc 溶融紡糸口金パックおよび熱可塑性樹脂繊維の製造方法
JP2005256197A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Toray Ind Inc ポリアミドモノフィラメント繊維およびその製造方法
JP3177830U (ja) * 2012-06-08 2012-08-16 武 渡邊 紡糸パック

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5395516A (en) * 1993-05-28 1995-03-07 Courtaulds Fibres (Holdings) Limited Filtration system
US5997789A (en) * 1997-03-31 1999-12-07 Toray Industries, Inc. Process of melt-spinning synthetic fiber
CN2436518Y (zh) * 2000-07-03 2001-06-27 高要华锦集团有限公司 一种新型纺丝组件
CN203021688U (zh) * 2012-12-25 2013-06-26 海盐海利环保纤维有限公司 一种再生聚酯喷丝装置
JP2015117447A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 Tmtマシナリー株式会社 紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5056712U (ja) * 1973-09-25 1975-05-28
JPH05253418A (ja) * 1991-05-20 1993-10-05 Tokyo Seiko Co Ltd 焼結型フイルター
JPH08269816A (ja) * 1995-03-30 1996-10-15 Toray Ind Inc ポリアミド高強力糸の製造方法
JP2000265329A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Toray Ind Inc 制電性ポリエステル繊維の製造方法
JP2004292988A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Toray Ind Inc 溶融紡糸口金パックおよび熱可塑性樹脂繊維の製造方法
JP2005256197A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Toray Ind Inc ポリアミドモノフィラメント繊維およびその製造方法
JP3177830U (ja) * 2012-06-08 2012-08-16 武 渡邊 紡糸パック

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019516027A (ja) * 2016-05-02 2019-06-13 コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー 高強度繊維製造用の紡糸ノズル装置
JP2020143403A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 東レ株式会社 ハイメッシュスクリーン紗用複合ポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法
JP7392266B2 (ja) 2019-03-07 2023-12-06 東レ株式会社 ハイメッシュスクリーン紗用複合ポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法
CN110791818A (zh) * 2019-12-04 2020-02-14 中国纺织科学研究院有限公司 一种停留时间可控的熔体纺丝组件

Also Published As

Publication number Publication date
TW201525208A (zh) 2015-07-01
CN104726942A (zh) 2015-06-24
CN204237899U (zh) 2015-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015117447A (ja) 紡糸パック、紡糸パックの製造方法、及び、紡糸パックの改造方法
JP5211037B2 (ja) プリーツを付けることの可能な不織布材料を製造するための方法と装置
JP2005042227A (ja) 溶融紡糸装置
JP2015081400A (ja) 紡糸パック
JP2011153391A (ja) 糸条冷却装置および溶融紡糸方法
JP7009752B2 (ja) 溶融紡糸用パック口金
JP2015081399A (ja) フィルタ、及び、紡糸方法
JP2011195989A (ja) 紡糸パックおよびフィラメント糸の製造方法
JP2010090515A (ja) 溶融紡糸口金パック
CN108779588A (zh) 具有多向分层纤维的纱线
US7014050B1 (en) Filter cartridge
US3634576A (en) Spinneret unit and method for the spinning of chemical filaments
JP6259296B2 (ja) 紡糸装置
JP5908821B2 (ja) 溶融紡糸装置
JP2005256197A (ja) ポリアミドモノフィラメント繊維およびその製造方法
JP2009243017A (ja) 熱可塑性重合体の溶融紡糸パックおよび熱可塑性重合体の溶融紡糸方法
JP6701822B2 (ja) 溶融紡糸用パック
JP2000345424A (ja) 溶融紡糸口金パックおよび溶融紡糸装置
KR20130033038A (ko) 환형 냉각을 이용한 사의 제조방법
JPH11279822A (ja) 溶融紡糸用口金パック
JP2008081860A (ja) 溶融紡糸口金パックとこれを用いた溶融紡糸方法
JP2014074241A (ja) 溶融紡糸装置
KR102499084B1 (ko) 우수한 내구성을 갖는 온실 냉난방용 일체형 경량 스크린 제조방법
JP7225761B2 (ja) 金属濾過フィルター
JP2020176351A (ja) 溶融紡糸口金

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160929

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160929

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160929

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171205