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JP2015116658A - 絶縁物粒子支持体を有するナノ構造体 - Google Patents

絶縁物粒子支持体を有するナノ構造体 Download PDF

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JP2015116658A JP2014133643A JP2014133643A JP2015116658A JP 2015116658 A JP2015116658 A JP 2015116658A JP 2014133643 A JP2014133643 A JP 2014133643A JP 2014133643 A JP2014133643 A JP 2014133643A JP 2015116658 A JP2015116658 A JP 2015116658A
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ジュン ヒョン キム
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Abstract

【課題】絶縁物粒子支持体を有するナノ構造体とその製造方法、及び応用デバイスを提供すること。【解決手段】本発明の実施形態に係るナノ構造体は、基材と、前記基材上に形成され、自分の表面にリンカーが結合された複数の絶縁物粒子支持体と、前記リンカーに結合された金属性ナノ粒子とを備えることができる。ナノ粒子の平均直径は、0.5nm〜3.0nmでありうる。【選択図】図2E

Description

本発明の様々な実施形態として、絶縁物粒子支持体を有するナノ構造体とその製造方法、及び応用デバイスが記述される。
ナノ構造体は、既存のバルク(Bulk)及び薄膜形態の構造物と対比されて、量子拘束効果、ホールペッチ(Hall petch)効果、融点の低下、共鳴現象、優れたキャリア移動度(carrier mobility)などのような特性を表す。これにより、高集積度及び高効率が求められる素子、例えば、化学電池、太陽電池、半導体素子、化学センサ、及び光電素子などに応用されている。
このようなナノ構造体は、トップダウン(top−down)方式及びボトムアップ(bottom−up)方式で製造されている。ボトムアップ方式としては、VLS(Vapor−liquid−solid)成長法と液相成長法などが提案されている。VLS成長法は、熱CVD法(Thermal chemical vapor deposition:Thermal−CVD)、有機金属化学蒸着法(Metal−Organic chemical vapor deposition;MOCVD)、レーザー熱分解蒸着法(Pulsed laser deposition;PLD)、及び原子層蒸着法(Atomic layer deposition;ALD)などのような触媒反応を利用した方法である。液相成長法としては、自己組立(Self−assembly)技術及び水熱合成法(Hydrothermal)などが提案されている。
一方、従来のボトムアップ方式は、ナノ粒子を予め作っておき、表面改質された基材にナノ粒子を付着する方式である。しかし、このような方法は、ナノ粒子のサイズ減少に限界があるだけでなく、何よりもナノ粒子のサイズ分布が大きいため、メモリの再現性と信頼性を落とすという限界がある。すなわち、既に製造されたナノ粒子を単純付着してナノ構造体を形成する方法は、ナノ粒子の合成技術が高度に向上する前にはメモリの性能向上が不可能である。
このような限界を克服するために、リソグラフィのようなトップダウン方式でナノ粒子を製造することができるが、このような場合、高度なリソグラフィ装置を利用しなければならず、非常に大きい費用が掛かる。合わせて、その工程が複雑で大量生産には限界がある。また、電子ビームを用いてエッチングするとしても、ナノ粒子のサイズを所定サイズ以下に小さくするには限界がある。
本発明の実施形態が解決しようとする第1の課題は、商業的に使用可能な低費用の方法で短時間に大量生産が可能なナノ構造体及びその製造方法を提供することである。
本発明の実施形態が解決しようとする第2の課題は、所望の微細粒子サイズが制御可能なナノ構造体及びその製造方法を提供することである。
本発明の実施形態が解決しようとする第3の課題は、スケーリング時にも応用デバイスの動作安全性、再現性、及び信頼性を確保できるナノ構造体を提供することである。
本発明の実施形態が解決しようとする第4の課題は、動作安全性、再現性、及び信頼性に優れたナノ構造体を有するデバイスを提供することである。
本発明の一実施形態に係るナノ構造体は、基材と、前記基材上に形成され、自分の表面にリンカーが結合された複数の絶縁物粒子支持体と、前記リンカーに結合された少なくとも1つの金属性ナノ粒子とを備えることができる。
好ましくは、それぞれの前記金属性ナノ粒子は、前記リンカーに結合された複数の金属イオンから成長された粒子でありうる。
好ましくは、それぞれの前記絶縁物粒子支持体は、シリコン酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム−チタニウム複合酸化物、イットリウム酸化物、タングステン酸化物、タンタリウム酸化物、亜鉛酸化物、チタニウム酸化物、錫酸化物、バリウム−ジルコニウム複合酸化物、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケート、及び高分子の群より選ばれる少なくともいずれか1つの物質を含むことができる。
好ましくは、本発明の一実施形態に係るナノ構造体は、前記金属性ナノ粒子の表面に結合された絶縁性有機物及び無機酸化物のうち、少なくともいずれか1つをさらに含むことができる。
好ましくは、本発明の一実施形態に係るナノ構造体は、前記金属イオンまたは前記ナノ粒子に結合された1種または複数種の界面活性剤有機物をさらに含むことができる。
好ましくは、界面活性剤有機物を含まない場合、前記金属性ナノ粒子は、2.0nm〜3.0nmの直径を有することができる。
前記界面活性剤有機物は、含窒素有機物または含硫有機物でありうるし、このとき、前記金属性ナノ粒子は、1.3nm〜1.9nmの直径を有することができる。
前記界面活性剤有機物は、互いに異なる種の第1の有機物及び第2の有機物を含み、前記第1の有機物は、含窒素有機物または含硫有機物であり、前記第2の有機物は、相転移触媒(Phase−transfer catalyst)系の有機物でありうる。このとき、前記金属性ナノ粒子は、0.5nm〜1.2nmの直径を有することができる。
好ましくは、それぞれの前記リンカーは、前記絶縁物粒子表面に結合された有機単分子を含むことができる。
好ましくは、それぞれの前記リンカーは、前記絶縁物粒子の表面と結合する第1の作用基と、前記金属イオンと結合する第2の作用基と、前記第1の作用基と第2の作用基とを連結する鎖基とを含むことができる。
好ましくは、前記リンカーは、前記金属イオンと結合可能な作用基として、アミン基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれるいずれか1つを含むことができる。
好ましくは、それぞれの前記金属性ナノ粒子は、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、金属窒化物ナノ粒子、金属炭化物ナノ粒子、及び金属間化合物ナノ粒子の群より選ばれるいずれか1つでありうる。
好ましくは、複数の前記金属性ナノ粒子が互いに離隔配列されて単分子レベルの単一層をなすことができる。
好ましくは、前記リンカーが結合された絶縁物粒子支持体は、前記基材上に複数個配列されて、単分子層または複数分子層の支持体層を構成することができる。
好ましくは、本発明の一実施形態に係るナノ構造体は、前記支持体層上のナノ粒子層を備え、前記ナノ粒子層は、互いに離隔配列された複数の前記金属性ナノ粒子及び前記金属性ナノ粒子表面に結合された絶縁体を含むことができる。
好ましくは、本発明の一実施形態に係るナノ構造体は、前記支持体層及び前記ナノ粒子層が交互に繰り返し積層されて垂直的マルチスタック構造を有することができる。前記絶縁体は、絶縁性有機物及び無機酸化物のうち、少なくともいずれか1つを含むことができる。
本発明の他の実施形態に係るナノ構造体は、基材と、前記基材上に配置された複数の絶縁物粒子支持体と、前記絶縁物粒子支持体の表面に貼り付けられ、金属イオンと結合可能な作用基を有する複数のリンカーと、前記金属イオンから形成された少なくとも1つの金属性ナノ粒子とを備えることができる。
好ましくは、それぞれの前記リンカーは、前記作用基として、アミン基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれるいずれか1つを含むことができる。
好ましくは、本発明の他の実施形態に係るナノ構造体は、前記金属イオンまたは前記ナノ粒子に結合された1種または複数種の界面活性剤有機物をさらに含むことができる。
好ましくは、前記金属性ナノ粒子は、0.5nm〜3.0nmの直径を有することができ、前記金属性ナノ粒子は、粒径の標準偏差が±20%以下でありうる。
本発明の実施形態に係るナノ構造体は、極めて微細でサイズが均一であり、高密度で製造が可能である。また、ナノ粒子が絶縁性リンカーにより固定されていることにより、物理的安全性に優れている。したがって、これを応用したデバイスは、低電力消費のための素子スケーリングが可能であり、スケーリング時にも動作安全性、再現性、及び信頼性に優れた長所がある。
本発明の実施形態に係るナノ構造体は、イン・サイチュ(In−situ)工程を介して製造が可能である。したがって、製造原価の浪費を最小化することができ、短時間に大量生産が可能である。
本発明の実施形態に係るナノ構造体及びその製造方法は、ナノ粒子の成長時、界面活性剤の導入及び反応という簡単な工程を介して微細粒子サイズの制御が可能である。すなわち、所望のサイズの粒子にナノ粒子を製造することができ、応用デバイスの特性を確保することができる。
本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体の製造方法を示した模式図である。
以下、添付した図面を参照して本発明のナノ構造体及びその製造方法と応用デバイスに関する実施形態を詳しく説明する。次に紹介される図面は、当業者に本発明の思想が十分伝達され得るようにするために例として提供されるものである。したがって、本発明は、以下に提示される図面に限定されず、他の形態に具体化されることもでき、以下に提示される図面は、本発明の思想を明確にするために誇張されて図示され得る。また、明細書全体にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
このとき、使用される技術用語及び科学用語において他の定義がなければ、この発明の属する技術分野における通常の知識を有した者が通常理解している意味を有し、下記の説明及び添付図面において本発明の要旨を不要に濁す恐れがある公知機能及び構成に関する説明を省略する。
[本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体及びその製造方法]
図1A〜1Eは、本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体及びその製造方法を説明するための模式図である。
本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体の製造方法は、基材110を用意するステップ(図1A参照)と、基材110上に複数のリンカー120Aを結合させるステップ(図1B参照)と、リンカー120A等に複数の金属イオン130を結合するステップ(図1C参照)と、エネルギーを印加して金属イオン130等を少なくとも1つの金属性ナノ粒子140で形成するステップ(図1D参照)とを含むことができる。また、金属性ナノ粒子140が形成された構造物上に絶縁性有機物150を供給するステップ(図1E参照)をさらに含むことができる。さらに、エネルギー印加前またはエネルギー印加中に1種または複数種の界面活性剤有機物を供給するステップをさらに含むことができる。
図1Aは、用意された基材110を示す。図1Aに示すように、基材110は、リンカーと結合可能な作用基を有する表面層114を備えることができる。例えば、基材110は、シリコン基板112と、前記シリコン基板112上に形成されたシリコン酸化物(SiO)の表面層114を備えることができる。
基材110は、半導体基材、透明基材、フレキシブル基材でありうるし、応用されるデバイスによってその物質、構造、及び形状は変わることができる。また基材110は、応用されるデバイスの構成要素を物理的に支持する支持体の役割を果たすか、前記構成要素等の原材料でありうる。
フレキシブル基材の限定的でない一例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、またはこれらの混合物を含有するフレキシブル高分子基板を挙げることができる。フレキシブル基材を使用する場合、基材の表面層114は、リンカーと結合可能な作用基(例えば、−OH作用基)を有する有機物でありうる。
半導体基材の場合、その基材は、物質的に有機半導体、無機半導体、またはこれらの積層体でありうる。
無機半導体基材の限定的でない一例として、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、またはシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む4族半導体、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムリン(InP)、またはガリウムリン(GaP)を含む3−5族半導体、硫化カドミウム(CdS)またはテルル化亜鉛(ZnTe)を含む2−6族半導体、硫化鉛(PbS)を含む4−6族半導体、またはこれらから選ばれた2つ以上の物質が各層をなして積層された積層体を挙げることができる。結晶学的に無機半導体基材は、単結晶体、多結晶体、または非晶質体であるか、結晶相と非晶質相とが混在された混合相でありうる。無機半導体基材が、2つ以上の層が積層された積層体である場合、各層は、互いに独立的に単結晶体、多結晶体、非晶質体、または混合相でありうる。
具体的な一例として、無機半導体基材は、シリコン(Si)基板112のような半導体基板(ウエハを含む)、表面酸化膜が形成されたシリコン基材、またはSOI(Silicon on Insulator)基材(ウエハを含む)でありうる。
半導体基材が有機半導体基材である場合、有機半導体基材の有機半導体は、n型有機半導体またはp型有機半導体でありうるし、有機トランジスタ、有機太陽電池、または有機発光素子分野で通常使用されるn型有機半導体またはp型有機半導体であれば使用可能である。限定的でない一例として、有機半導体は、CuPc(Copper−Phthalocyanine)、P3HT(poly(3−hexylthiophene)、Pentacene、SubPc(Subphthalocyanines)、C60(Fulleren)、PCBM([6,6]−phenyl−C61−butyric acid methyl ester)、またはPC70BM([6,6]−phenyl C70−butyric acid methyl ester)を含むC60−誘導体(Fulleren−derivative)、F4−TCNQ(tetrafluorotetracyanoquinodimethane)などを挙げることができるが、本発明が有機半導体の物質により限定され得ないことはもちろんである。
基材110の表面層114は、リンカーと結合可能な作用基を有する物質であれば適用可能である。例えば、単一膜または互いに相違した物質等の膜が積層された積層膜でありうるし、積層膜である場合、各膜の誘電定数が互いに相違することができる。
具体的に、基材110の表面層114は、酸化物、窒化物、オキシナイトライド、及びシリケートから1つ以上選ばれた物質の単一膜または2つ以上選ばれた物質の各々が膜をなして積層された積層膜でありうる。限定的でない一例として、基材110の表面層114は、シリコン酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム−チタニウム複合酸化物、イットリウム酸化物、タングステン酸化物、タンタリウム酸化物、亜鉛酸化物、チタニウム酸化物、錫酸化物、バリウム−ジルコニウム複合酸化物、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケート、これらの混合物(mixture)、及びこれらの複合物(composite)から1つ以上選ばれた物質の単一膜または2つ以上選ばれた物質の各々が膜をなして積層された積層膜でありうる。
一方、基材110の表面層114は、金属薄膜でありうる。このとき、金属薄膜の厚さは100nm以下、具体的に1nm〜100nmでありうる。金属薄膜の厚さが1nm未満で極めて薄い場合、薄膜の均一性に劣ることがある。表面層114としての金属薄膜は、限定的でない一例として、貴金属を含む遷移金属、金属、またはこれらの混合物でありうる。このとき、遷移金属は、Sc、Y、La、Ac、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Te、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、またはこれらの混合物を含むことができ、その他の金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Po、またはこれらの混合物を含むことができる。
表面層114は、熱酸化工程、物理的蒸着または化学的蒸着によって形成されることができ、物理的蒸着または化学的蒸着は、スパッタリング(Sputtering)、マグネトロンスパッタリング、電子ビーム蒸着法(E−beam evaporation)、熱蒸着法(Thermal evaporation)、レーザー分子ビーム蒸着法(L−MBE、Laser Molecular Beam Epitaxy)、パルスレーザー蒸着法(PLD、Pulsed Laser Deposition)、真空蒸着法、原子層蒸着法(ALD、Atomic Layer Deposition)、またはプラズマ強化化学的蒸着法(PECVD、Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)を挙げることができるが、これに制限されるものではない。
図1Bは、基材110上にリンカー層120が形成された状態を示す。リンカー層120は、複数のリンカー120Aで構成され、リンカー層120は、基材110の表面に自己組立により結合された自己組立単分子膜でありうる。
リンカー120Aは、基材110の表面に化学的に結合または吸着し、金属イオンと化学的に結合できる有機リンカーでありうる。具体的に、リンカー120Aは、基材の表面層114と化学的に結合または吸着する作用基122と、金属イオン(後続して形成される)と化学的に結合する作用基126とを共に有する有機リンカーでありうる。このとき、化学的結合は、共有結合、イオン結合、または配位結合を含むことができる。具体的な一例として、金属イオンとリンカーとの結合は、正の電荷(または負の電荷)を有する金属イオンと、作用基126により負の電荷(または正の電荷)を有するリンカーとの間のイオン結合により結合された化合物でありうる。また、基材110の表面層とリンカーとの結合は、自己組立による結合でありうるし、リンカーの他の作用基122と基材の表面原子との間の自発的な化学的結合でありうる。
より具体的に、リンカー120Aは、自己組立単分子膜を形成する有機単分子でありうる。すなわち、リンカー120Aは、表面層114に自己組立される作用基122と、金属イオンと結合可能な作用基126とを有する有機単分子でありうる。また、リンカー120Aは、作用基122と作用基126とを連結し、ファンデルワールス相互作用により整列された単分子膜の形成を可能なようにする鎖基124を含むことができる。
自己組立は、基材の表面物質及び有機単分子の作用基122を適宜設計してなることができ、通常周知された自己組立(自己結合)される物質別の末端基のセット(set)を用いることができる。
具体的で限定的でない一例として、基材110の表面層114が酸化物、窒化物、オキシナイトライド、またはシリケートである場合、リンカーである有機単分子は、下記の化学式1を満たす物質でありうる。
[化1]
R1−C−R2
化学式1において、「R1」は基材と結合する作用基を、「C」は鎖基を、「R2」は金属イオンと結合する作用基を意味する。「R1」はアセチル基、アセト酸基、ホスフィン基、ホスホニック酸基、アルコール基、ビニル基、アミド基、フェニル基、アミン基、アクリル基、シラン基、シアン基、及びチオール基からなる群より選ばれる1種以上の作用基でありうる。「C」は、C1−20の線形または分枝形炭素鎖である。「R2」は、カルボキシル酸基、カルボキシル基、アミン基、ホスフィン基、ホスホニック酸基、チオール基からなる群より選ばれる1種以上の作用基でありうる。
限定的でない一例として、リンカー120Aである有機単分子は、オクチルトリクロロシラン(Octyltrichlorosilane;OTS)、ヘキサメチルジシラン(Hexamethyldisilazane;HMDS)、オクタデシルトリクロロシラン(Octadecyltrichlorosilane;ODTS)、(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン((3−Aminopropyl)trimethoxysilane;APS)、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン((3−Aminopropyl)triethoxysilane)、N−(3−アミノプロピル)−ジメチル−エトキシシラン(N−(3−aminopropyl)−dimethyl−ethoxysilane;APDMES)、パーフルオロデシルトリクロロシラン(Perfluorodecyltrichlorosilane;PFS)、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Mercaptopropyltrimethoxysilane;MPTMS)、N−(2−アミノエチル)−3アミノプロピルトリメトキシシラン(N−(2−aminoethyl)−3aminopropyltrymethoxysilane)、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン((3−Trimethoxysilylpropyl)Diethylenetriamine)、オクタデシルトリメトキシシラン(Octadecyltrimethoxysilane;OTMS)、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシル)トリクロロシラン((Heptadecafluoro−1,1,2,2−tetrahydrodecyl)trichlorosilane;FDTS)、ジクロロジメチルシラン(Dichlorodimethylsilane;DDMS)、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミントリアセト酸(N−(Trimethoxysilylpropyl)Ethylenediamine Triacetic Acid)、ヘキサデカンチオール(Hexadecanethiol、HDT)、及びエポキシヘキシルトリエトキシシラン(Epoxyhexyltriethoxysilan)から1つまたは2つ以上選ばれた物質でありうる。
ナノ粒子と基材との間の安定した絶縁性確保の側面で、リンカーである有機単分子は、アルカン鎖基、具体的にC3−C20のアルカン鎖基を含むことができ、酸素を含有するモイエティ(moiety)をさらに含むことができる。酸素含有モイエティの一例として、エチレングリコール(−O−CH−CH−)、カルボキシル酸(−COOH)、アルコール(−OH)、エーテル(−O−)、エステル(−COO−)、ケトン(−CO−)、アルデヒド(−COH)、及び/又はアミド(−NH−CO−)などを挙げることができる。
リンカー120Aの貼り付けは、リンカー120Aが溶媒に溶解されたリンカー溶液に基材110を接触させて行われることができる。リンカー溶液の溶媒は、リンカーを溶解し、揮発により容易に除去可能ないかなる有機溶媒でも使用可能である。また、周知されているように、リンカーがシラン基を含む場合、加水分解反応を促進するための水がリンカー溶液に添加され得ることはもちろんである。限定的でない一例として、リンカー溶液と基板との間の接触は、浸漬法(dipping)、微細接触印刷法(micro contact printing)、スピンコート(spin−coating)、ロールコート(roll coating)、スクリーンコート(screen coating)、スプレーコート(spray coating)、スピンキャスト(spin casting)、フローコート(flow coating)、スクリーン印刷(screen printing)、インクジェットコート(inkjet coating)、またはドロップキャスト(drop casting)方法を利用して行われることができる。
リンカー120Aを用いて金属イオンを基板に固定させる場合、基材の表面層114の損傷を防止することができ、特に、自己組立を利用して金属イオンが均一に分布する金属イオン膜の形成が可能であり、エネルギー印加により形成されるナノ粒子も安定的に固定され得るという長所がある。
一方、リンカーは、金属イオンと化学的に結合する作用基自体でありうる。具体的に、基材110の表面を改質して作用基(リンカー)を形成した後、表面改質された基材に金属前駆体を供給することにより、金属イオンを作用基と結合させることができる。このとき、作用基は、カルボキシル酸基、カルボキシル基、アミン基、ホスフィン基、ホスホニック酸基、チオール基からなる群より選ばれる1種以上の作用基でありうる。基材110の表面に作用基を形成する方法は、いかなる方法を使用しても関係ない。具体的な一例として、プラズマ改質や化学的改質、作用基を有する化合物の蒸着(塗布)を挙げることができ、膜内の不純物導入や膜質低下、膜の損傷を防止する側面で作用基を有する化合物の蒸着(塗布)を介して改質がなされ得る。
具体的で限定的でない一例として、基材110の表面物質が酸化物、窒化物、オキシナイトライド、またはシリケートである場合、基材110上にシラン化合物層を形成することにより作用基(リンカー)を形成することができる。
詳しくは、シラン化合物層は、カルボキシル酸基、カルボキシル基、アミン基、ホスフィン基、ホスホニック酸基、及びチオール基から1つ以上選ばれる作用基を有するアルコキシシラン化合物でありうる。
より具体的に、シラン化合物は、下記の化学式2でありうる。
[化2]
(RO)3−nSi−R
化学式2において、「R」は水素;カルボキシル酸基;カルボキシル基;アミン基;ホスフィン基;ホスホニック酸基;チオール基;または線形または分枝形の(C1−C10)アルキル基であり、「R」は線形または分枝形の(C1−C10)アルキル基であり、「R」は線形または分枝形の(C1−C10)アルキル基であって、前記「R」のアルキルは、カルボキシル酸基;カルボキシル基;アミン基;ホスフィン基;ホスホニック酸基;またはチオール基;に1つ以上が置換されたものであり、前記「R」のアルキル基及び「R」のアルキル基は、互いに独立的にハロゲン;カルボキシル酸基;カルボキシル基;アミン基;ホスフィン基;ホスホニック酸基;及びチオール基から選ばれる1つ以上に置換されることができ、nは、0、1、または2である。
さらに具体的に、シラン化合物は、下記の化学式3〜5でありうる。
[化3]
(RSi−R−SH
[化4]
(RSi−R−COOH
[化5]
(RSi−R−NH
化学式3、化学式4、または化学式5において、「R」は独立的にアルコキシまたはアルキルからなり、1つ以上の「R」グループはアルコキシグループであり、「R」は(C1−C10)の2価炭化水素グループである。具体的に、化学式3、化学式4、または化学式5において、「R」は同一または相違し、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシであるアルコキシまたはアルキルからなり、「R」は−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH(CH)−CH−、または−CH−CH−CH(CH)−のようなC1−C20の2価炭化水素グループでありうる。
限定的でない一例として、カルボキシシラン化合物は、メチルジアセトキシシラン、1,3−ジメチル−1,3−ジアセトキシジシロキサン、1,2−ジメチル−1,2−ジアセトキシジシラン、1,3−ジメチル−1,3−ジプロピオノキシジシラメタン、または1,3−ジエチル−1,3−ジアセトキシジシラメタンを挙げることができる。限定的でない一例として、アミノシラン化合物は、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ(メトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ(エトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ(メトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ(エトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリ(メトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリ(エトキシ)シラン、3−アミノプロピルメチルジ(メトキシ)シラン、または3−アミノプロピルメチルジ(エトキシ)シランを挙げることができる。限定的でない一例として、メルカプトシラン化合物は、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトエチルトリメトキシシラン、またはメルカプトエチルトリエトキシシランを挙げることができる。
上述したシラン化合物を基材110の表面に塗布または蒸着して作用基(シラン化合物層による作用基)を形成することができる。詳しくは、上述したシラン化合物が溶解された溶液を塗布及び乾燥してシラン化合物層を形成したり、気相のシラン化合物を基材表面に供給してシラン化合物を蒸着する方法を使用することができる。
このとき、シラン化合物の作用基には、後続して供給される金属前駆体と反応して金属イオンが基材上に固定され得ることにより、作用基がその表面に均等に露出し、均一な膜でシラン化合物層を形成するのがより好ましい。このような側面で、シラン化合物層は、ALD(atomic layer deposition)方法を利用して形成され得る。
上述した作用基を有するシラン化合物は、具体的に、化学式2のシラン化合物、より具体的に、化学式3〜4のシラン化合物、また、上述した自己組立単分子に属することができる。詳しくは、(RSiは、基材表面と結合される作用基に該当することができ、「R」は鎖基に該当することができ、−SH、−COOH、または−NHのような「R」(化学式2の「R」)は、金属イオンと結合する作用基に該当することができる。シラン化合物層は、シラン化合物の単分子膜でありうる。
図1Cは、リンカー120Aに金属イオン130を結合した状態を示す。金属イオン130は、リンカー120Aの作用基126に結合され得る。
金属イオン130は、金属前駆体を基材(リンカーが形成された基材)に供給することにより形成され得る。すなわち、金属前駆体が溶解された溶液を基材に塗布するか、気相の金属前駆体を基材上に供給することによりなされ得る。
金属前駆体は、所望のナノ粒子の物質を考慮して設計され得る。一例として、金属前駆体の金属は、遷移金属、遷移後金属、及び半金属群から1つまたは2つ以上選ばれる金属の前駆体でありうる。限定的でない一例として、遷移金属前駆体は遷移金属塩でありうる。具体的に、遷移金属は、Au、Ag、Ru、Pd、及びPtから1つ以上選ばれたものでありうるし、遷移金属塩は、これら遷移金属のハロゲン化物、カルコゲン化物、塩酸化物、硝酸塩、硫酸塩、アセト酸塩、またはアンモニウム塩でありうる。遷移金属前駆体の遷移金属がAuであるとき、遷移金属前駆体の具体的で限定的でない一例として、HAuCl、AuCl、AuCl、AuCl、KAuCl、NaAuCl、NaAuBr、AuBr、AuBr、AuF、AuF、AuI、AuI、KAu(CN)、Au、AuS、Au、AuSe、AuSeを挙げることができるが、本発明が遷移金属前駆体の種類により限定され得ないことはもちろんである。
リンカー120Aを媒介として基材に結合(貼り付け)される金属イオン130は、遷移金属、遷移後金属、及び半金属群から1つまたは2つ以上選ばれる金属(元素)イオンでありうる。金属イオン130は、金属前駆体の種類に応じて上述した金属イオン自体または上述した金属を含む単分子イオンでありうるし、有機単分子(リンカー)の作用基126に金属イオン自体が結合したり(図1Cの(a)参照)、有機単分子の第2の作用基126に金属を含む単分子イオンが結合したもの(図1Cの(b)参照)でありうる。このとき、金属を含む単分子イオンは、金属前駆体から引き起こされる(有機単分子の作用基との反応による引き起こし)イオンでありうる。
図1Dは、エネルギーを印加して金属イオン130を還元すると同時に成長させることにより、金属性ナノ粒子140が形成された状態を示す。リンカー120Aを媒介として金属性ナノ粒子140が基材110上に形成され得る。
合成技術が高度に発達して数十〜数百個の原子からなる極めて微細なナノ粒子の合成が可能であるとしても、熱力学的に、外部で予め合成されたナノ粒子は、粒子サイズにおいて一定の分布を有せざるを得ず、これは、合成時の反応場(reaction field)が大きくなるほど、最も大きい粒子間サイズ差を誘発せざるを得ない。また、エッチングによりトップダウン方式でナノ粒子を製造する方法は、リソグラフィ技術が高度に発達して20nm以下の粒子の製造が可能になるとしても、その工程が複雑で厳格かつ精密な制御が必要であり、商業的に困難な点が多い。
しかし、本発明の第1の実施形態に係る製造方法は、基材の表面領域に該当する極めて小さな反応場で直接ナノ粒子を製造することにより、極めて均一かつ微細に制御されたサイズのナノ粒子を高密度に形成することができる。また、単にリンカーを媒介として金属イオンを基材上に固定させた後、金属イオンにエネルギーを印加してナノ粒子を形成することにより、簡単かつ容易で、短時間に低費用でナノ粒子を大量生産することができる。また、金属原子(イオン)がリンカーを介して基材上に固定されている状態で、エネルギー印加により核生成と成長(ナノ粒子化)がなされることにより、金属原子(イオン)の移動が全体的に均一に抑制され、より均一かつ微細なナノ粒子が形成され得る。詳しくは、ナノ粒子化のための物質の核生成及び成長時に求められる金属の物質供給は、リンカーに結合された金属原子(イオン)のみによりなされることができる。すなわち、ナノ粒子化のための物質供給がリンカーと予め結合された金属原子(イオン)の移動のみにより生じ、リンカーとの結合により金属原子(イオン)が所定の距離以上に移動して核生成及び成長に参加することが難しくなることにより、各ナノ粒子の反応場は核の周辺に限定されることができる。これにより、基材上には、より均一かつ微細なサイズのナノ粒子が高密度に形成されることができ、一定に互いに離隔されたナノ粒子が形成され得る。このとき、金属性ナノ粒子は、リンカーと結合した状態を維持してナノ粒子がリンカーを媒介として物理的に安定して固定結合されることができ、ナノ粒子間の離隔距離は、各ナノ粒子の生成及び成長に寄与する金属原子拡散距離に対応し得る。
ナノ粒子化のために印加されるエネルギーは、熱、化学、光、振動、イオンビーム、電子ビーム、及び放射線エネルギーから1つ以上選ばれるエネルギー源でありうる。
具体的に、熱エネルギーは、ジュール熱を含むことができる。熱エネルギーは、直接的にまたは間接的に印加され得るが、直接的印加は、熱源(source)と金属イオンとが固定された基材が物理的に接触された状態を意味することができ、間接的印加は、熱源(source)と金属イオンとが固定された半導体基材が物理的に非接触された状態を意味することができる。限定的でない一例として、直接的な印加は、基材下部に電流の流れによりジュール熱を発生する加熱エレメントが位置して、基材を介して金属イオンに熱エネルギーを伝達する方法を挙げることができる。限定的でない一例として、間接的な印加は、チューブのような熱処理対象が位置する空間、熱処理対象が位置する空間を囲み、熱損失を防止する耐熱材及び耐熱材の内部に位置する加熱エレメントを含んで構成される通常の熱処理炉を用いた方法を挙げることができる。限定的でない一例として、間接的印加は、金属イオンが固定された基材の上部に金属イオンと所定の距離離隔されるように加熱エレメントが位置して、金属イオンと加熱エレメントとの間に存在する流体(空気を含む)を介して金属イオンに熱エネルギーを伝達する方法を挙げることができる。
具体的に光エネルギーは、深紫外線〜近赤外線を含むことができ、光エネルギーの印加は光の照射を含むことができる。限定的でない一例として、金属イオンが固定された基材の上部に金属イオンと所定の距離離隔されるように光源が位置して金属イオンに光を照射することができる。
具体的に振動エネルギーは、マイクロウェーブ及び/又は超音波を含むことができ、振動エネルギーの印加は、マイクロウェーブ及び/又は超音波の照射を含むことができる。限定的でない一例として、金属イオンが固定された基材の上部に金属イオンと所定の距離離隔されるようにマイクロウェーブ及び/又は超音波発生源が位置して金属イオンにマイクロウェーブ及び/又は超音波を照射することができる。
具体的に放射線エネルギーは、α線、β線、及びγ線から1つ以上選ばれる放射線を含むことができ、金属イオンの還元の側面でβ線及び/又はγ線でありうる。限定的でない一例として、金属イオンが固定された基材の上部に金属イオンと所定の距離離隔されるように放射線発生源が位置して金属イオンに放射線を照射することができる。
具体的にエネルギーは、粒子ビームによる運動エネルギーでありうるし、粒子ビームは、イオンビーム及び/又は電子ビームを含むことができる。金属イオンの還元の側面でビームのイオンは負の電荷を有するイオンでありうる。限定的でない一例として、金属イオンが固定された基材の上部に金属イオンと所定の距離離隔されるようにイオンまたは電子発生源が位置し、イオンまたは電子を金属イオン方向に加速する電場(電界)を提供する加速部材を用いて、金属イオンにイオンビーム及び/又は電子ビームを印加することができる。
具体的に化学的エネルギーは、化学反応の反応前後、ギブスフリーエネルギー差を意味することができ、化学的エネルギーは還元エネルギーを含むことができる。詳しくは、化学的エネルギーは、還元剤による還元反応エネルギーを含むことができ、還元剤により金属イオンが還元される還元反応エネルギーを意味することができる。限定的でない一例として、化学的エネルギーの印加は、金属イオンが固定された基材と還元剤とを接触する還元反応でありうる。このとき、還元剤は、液相で供給されることができ、気相で供給されることもできることはもちろんである。
本発明の一実施形態に係る製造方法において、エネルギーの印加は、熱、化学、光、振動、イオンビーム、電子ビーム、及び放射線エネルギーから選ばれた2つ以上のエネルギーが同時または順次印加されることを含むことができる。
同時印加の具体的な一例として、熱の印加とともに粒子ビームの印加が同時に行われることができ、このとき、粒子ビームの粒子が熱エネルギーにより加熱され得ることはもちろんである。同時印加の他の具体的な一例として、熱の印加とともに還元剤の投入が同時に行われ得る。同時印加のさらに他の具体的な一例として、粒子ビームの印加とともに赤外線が印加されるか、粒子ビームとともにマイクロウェーブが印加され得る。
順次的印加は、一種類のエネルギー印加がなされた後、さらに異なる種類のエネルギー印加がなされることを意味することができ、互いに相違した種類のエネルギーが連続的または不連続的に金属イオンに印加されることを意味することができる。リンカーを媒介として基材に固定された金属イオンの還元が粒子化より先になされるのが好ましいので、順次的印加の具体的な一例として、還元剤の投入後、熱が印加されるか、負の電荷を帯びる粒子ビームの印加後に熱が印加され得る。
限定的でなく、実質的な一例として、エネルギーの印加は、タングステン−ハロゲンランプを含む急速熱処理装置(RTP;Rapid Thermal Processing system)を利用して行われることができ、急速熱処理時の加温速度(heating rate)は50〜150℃/secでありうる。急速熱処理装置を利用した熱処理の際、熱処理雰囲気は、還元雰囲気または不活性気体雰囲気でありうる。
限定的でなく、実質的な一例として、エネルギーの印加は、還元剤が溶媒に溶解された還元液と金属イオンとを接触させた後、急速熱処理装置を利用した熱処理により行われることができる。急速熱処理装置を利用した熱処理の際、熱処理雰囲気は、還元雰囲気または不活性気体雰囲気でありうる。
限定的でなく、実質的な一例として、エネルギーの印加は、真空チャンバ内に、電子ビーム発生装置から電子ビームを発生させ、これを金属イオンで加速することにより行われることができる。このとき、電子ビーム発生装置は、スクウェアタイプまたはリニアガンタイプでありうる。電子ビーム発生装置は、プラズマを発生させた後、遮蔽膜を用いて電子を抽出することにより電子ビームを生成することができる。また、真空チャンバ内の基材を支持する試験片ホルダーには加熱部材が形成されることができ、このような加熱部材により電子ビーム印加前、電子ビーム印加中、及び/又は電子ビーム印加後、基材に熱エネルギーが加えられ得ることはもちろんである。
目的とするナノ粒子が金属ナノ粒子である場合、上述したエネルギーの印加により金属ナノ粒子がインサイチュで製造され得るし、金属ナノ粒子でない金属化合物粒子を製造しようとする場合、上述したエネルギーの印加時、または上述したエネルギーの印加後、金属イオンと相違した異種元素を供給して金属化合物ナノ粒子を製造することができる。詳しくは、金属化合物ナノ粒子は、金属酸化物ナノ粒子、金属窒化物ナノ粒子、金属炭化物ナノ粒子、または金属間化合物ナノ粒子を含むことができる。より詳しくは、上述したエネルギーの印加時、気相または液相で異種元素を供給することにより、金属化合物ナノ粒子を製造することができる。具体的な一例として、エネルギーの印加時、酸素ガスを含む酸素源を供給することにより、金属ナノ粒子でない金属酸化物ナノ粒子を製造することができ、エネルギーの印加時、窒素ガスを含む窒素源を供給することにより、金属ナノ粒子でない金属窒化物ナノ粒子を製造することができ、エネルギーの印加時、C1−C10の炭化水素ガスを含む炭素源を供給することにより、金属炭化物ナノ粒子を製造することができ、エネルギーの印加時、目的とする金属間化合物を製造するための異種元素前駆体ガスを含む異種元素源を供給することにより、金属間化合物ナノ粒子を製造することができる。より詳しくは、上述したエネルギー印加後、エネルギー印加により製造される金属ナノ粒子を炭化処理、酸化処理、窒化処理、または合金化することにより、金属間化合物ナノ粒子を製造することができる。
印加されるエネルギーの種類、印加されるエネルギーのサイズ、エネルギーの印加時間、及び温度を含むエネルギー印加条件から1つ以上選ばれる因子(factor)により、ナノ粒子の密度、ナノ粒子のサイズ及び分布が調整され得る。
詳しくは、エネルギーの印加により0.5〜3nmの直径を有するナノ粒子が製造され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cmである高密度のナノ粒子が製造され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが電子ビームである場合、電子ビームの照射量は、0.1kGy〜100kGyでありうる。このような電子ビーム照射量により、平均粒径が2〜3nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るり、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、実質的に0.1×1014〜10×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが電子ビームである場合、電子ビーム照射量は100μGy〜50kGyであり、このような電子ビーム照射量により、平均粒径が1.3〜1.9nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、実質的に0.2×1014〜20×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが電子ビームである場合、電子ビーム照射量は1μGy〜10kGyであり、このような電子ビーム照射量により、平均粒径が0.5〜1.2nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、実質的に0.2×1014〜30×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが熱エネルギーである場合、還元雰囲気にて300〜500℃の温度で0.5時間〜2時間の間熱処理したり、リンカーを媒介として固定結合された金属イオンに還元剤を供給し、不活性雰囲気にて200〜400℃の温度で0.5時間〜2時間の間熱処理することにより、平均粒径が2〜3nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、0.1×1014〜10×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが熱エネルギーである場合、還元雰囲気にて200〜400℃の温度で0.5時間〜2時間の間熱処理したり、リンカーを媒介として固定結合された金属イオンに還元剤を供給し、不活性雰囲気にて100〜300℃の温度で0.5時間〜2時間の間熱処理することにより、平均粒径が1.3〜1.9nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、0.2×1014〜20×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが熱エネルギーである場合、還元雰囲気にて200〜400℃の温度で0.2時間〜1時間の間熱処理したり、リンカーを媒介として固定結合された金属イオンに還元剤を供給し、不活性雰囲気にて100〜300℃の温度で0.2時間〜1時間の間熱処理することにより、平均粒径が0.5〜1.2nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、0.2×1014〜30×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが化学エネルギーである場合、還元剤による反応温度20〜40℃の温度で0.5時間〜2時間の間化学反応させることにより、平均粒径が2〜3nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、0.1×1014〜10×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが化学エネルギーである場合、還元剤による反応温度−25〜5℃の温度で0.5時間〜2時間の間化学反応させることにより、平均粒径が1.3〜1.9nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、0.2×1014〜20×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
具体的な一例として、印加されるエネルギーが化学エネルギーである場合、還元剤による反応温度−25〜5℃の温度で0.2時間〜1時間の間化学反応させることにより、平均粒径が0.5〜1.2nmの極めて微細なナノ粒子が形成され得るし、粒径の標準偏差が±20%以下の極めて均一なナノ粒子が形成され得るし、単位面積当たりのナノ粒子の数であるナノ粒子密度が1013〜1015個/cm、0.2×1014〜30×1014個/cmのナノ粒子が形成され得る。
上述したように、還元雰囲気で熱エネルギー又は/及び化学エネルギーを印加してナノ粒子を成長することができる。還元雰囲気で熱エネルギーを印加する場合、還元雰囲気は、水素が存在する雰囲気を含むことができ、具体的な一例として、水素を1〜5モル%含有する不活性気体である還元ガス雰囲気でありうる。また、均一な還元力を提供する側面で、還元ガスが流れる雰囲気で熱エネルギーが印加され得るし、具体的な一例として、還元ガスが10〜100cc/minで流れる雰囲気でありうる。化学エネルギーと熱エネルギーとが順次印加される場合、還元剤をリンカーと結合した金属イオンに接触させた後、不活性雰囲気で熱エネルギーが印加され得る。還元剤は、金属イオンを還元させる物質であれば使用可能である。還元剤の投入により化学エネルギーを印加するようになる場合、還元反応によっても粒子化がなされ得る。還元反応時、粒子化が生じる場合、還元反応がチャネルの全領域で非常に速くかつ均質になされてこそ、より均一なサイズのナノ粒子が形成され得る。このような側面で、還元力の強い還元剤を使用することができ、代表的な一例として、還元剤は、NaBH、KBH、NO、N、LiAlH、HCHO、CHCHO、またはこれらの混合物を挙げることができる。また、化学エネルギーの印加時、上記で記述した還元力の強い還元剤を使用するとき、化学反応温度を調整することにより、核生成速度及びナノ粒子の成長速度を調整してナノ粒子サイズを調整することができる。リンカーに結合された金属イオンと還元剤との接触は、還元剤が溶解された溶媒を金属イオン貼付領域に塗布したり、基材を還元剤が溶解された溶媒に含浸させるか、、還元剤を気相で供給することによってなされることができる。具体的で限定的でない一例として、還元剤と金属イオンとの間の接触は常温でなされることができ、1〜12時間の間なされることができる。
上述したように、印加されるエネルギーの種類、印加されるエネルギーのサイズ、エネルギーの印加時間、及び温度から1つ以上選ばれる因子(factor)を用いてナノ粒子の核生成及び成長を調整することができる。
一方、エネルギーの印加時またはエネルギー印加後、異種元素源を供給して金属ナノ粒子を金属化合物ナノ粒子に変化させることにより、金属ナノ粒子だけでなく、金属酸化物ナノ粒子、金属窒化物ナノ粒子、金属炭化物ナノ粒子、または金属間化合物ナノ粒子を製造することができる。
一方、本発明の一実施形態に係る製造方法において、i)エネルギーの印加前、金属イオンに結合または吸着される界面活性剤有機物を供給した後、エネルギーを印加してナノ粒子のサイズを調整することができ、これと独立的に、ii)エネルギーの印加中、金属イオンに結合または吸着される界面活性剤有機物を供給することにより、ナノ粒子成長の際、そのサイズを調整することができる。このような界面活性剤有機物の供給は、製造過程中、選択的事項となり得る。エネルギー印加前または印加中に供給される界面活性剤有機物は1種の有機物でありうるし、互いに異なる複数種の複数の有機物でありうる。
金属の物質移動をより効果的に抑制するために、界面活性剤有機物は、互いに異なる種の第1の有機物と第2の有機物とを使用することができる。
ここで、第1の有機物は、窒素または含硫有機物でありうるし、一例として、含硫有機物は、一端基がチオール基である直鎖または分枝鎖型の炭化水素化合物を含むことができる。含硫有機物の具体的な一例として、HS−C−CH(n:2〜20の整数)、n−ドデシルメルカプタン、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン(Ethyl Mercaptan)、ブチルメルカプタン、エチルヘキシルメルカプタン、イソオクチルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコールアセト酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトヘキサノール、及びオクチルチオグリコレートから1つ以上選ばれる物質を挙げることができる。
第2の有機物は、相転移触媒(Phase−transfer catalyst)系の有機物でありうるし、具体的な一例として、4元素アンモニウム(quaternary ammonium)、またはホスホニウム塩(phosphonium salts)でありうる。より具体的に、第2の有機物は、テトラオキシルアンモニウムブロミド(Tetraocylyammonium bromide)、テトラエチルアンモニウム(tetraethylammonium)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(Tetra−n−butylammonium bromide)、テトラメチルアンモニウムクロリド(Tetramethylammonium chloride)、テトラブチルアンモニウムフルオリド(Tetrabutylammonium fluoride)から1つ以上選ばれる物質でありうる。
エネルギー印加前またはエネルギー印加中に供給される界面活性剤有機物は、金属イオンの核またはリンカーと結合された金属イオンに結合または吸着することができ、供給されるエネルギーによるナノ粒子の核生成及び成長は、金属イオンと結合するか、金属イオンに吸着する界面活性剤有機物により制御され得る。このような界面活性剤有機物は、エネルギー印加時、金属の物質移動を抑制してより均一かつ微細なナノ粒子の形成を可能とする。金属イオンは、界面活性剤有機物と結合することにより、核生成または成長に関与するための移動(diffusion)の際、より高い活性化エネルギー(activation energy)が必要となるか、有機物により物理的に移動が抑制されることにより、金属(イオン)の拡散が遅くなり、核の成長に寄与する金属(イオン)の数が減少され得る。
界面活性剤有機物の存在下、エネルギーを印加する構成は具体的に、エネルギー印加ステップが行われる前、有機物が溶解された溶液を金属イオン結合領域(すなわち、リンカーを媒介として金属イオンが結合された基材の表面)に塗布するか、気相の有機物を供給するステップを含むことができる。または、エネルギー印加とともに、有機物が溶解された溶液を金属イオン結合領域に塗布するか、気相の有機物を供給して金属核に有機物を吸着または結合させるものでありうる。または、エネルギーを印加する途中に有機物が溶解された溶液を金属イオン結合領域に塗布するか、気相の有機物を供給して金属核に有機物を吸着または結合させるものでありうる。または、所定時間の間エネルギーを印加した後、エネルギーの印加を中止し、有機物が溶解された溶液を金属イオン結合領域に塗布するか、気相の有機物を供給して金属核に有機物を吸着または結合させた後、再度エネルギーを印加するものでありうる。
本発明の第1の実施形態に係る製造方法において、エネルギーは、金属イオン結合領域の全領域に同時にエネルギーが印加されるか、金属イオン結合領域の一部にエネルギーが印加され得る。一部分にエネルギーが印加される場合、エネルギーがスポット(spot)、ライン(line)、または予め設定された形状の面をなして印加(照射)されることができる。限定的でない一例として、スポットでエネルギーが照射され、金属イオン結合領域の全領域をスキャンする方式でエネルギーが印加(照射)され得る。このとき、金属イオン結合領域の一部分にエネルギーが印加されるとは、スポット、ライン、または面でエネルギーが照射され、金属イオン結合領域の全領域がスキャンされる場合のみならず、金属イオン結合領域の一部領域にのみエネルギーが印加(照射)される場合も含むことができる。このように、部分的にエネルギーを印加してナノ粒子のパターンを形成することができる。すなわち、部分的なエネルギー印加(照射)は、エネルギー印加(照射)によりナノ粒子のパターン化を可能にすることができる。図1Eは、エネルギー印加により成長された金属性ナノ粒子140に絶縁性有機物150が結合された状態を示す。絶縁性有機物150は、金属性ナノ粒子140の表面にコーティングされた状態であるか、金属性ナノ粒子140間の空いた空間を満たす状態でありうる。絶縁性有機物150は、ナノ粒子140間を絶縁させて隣り合うナノ粒子間の通電をより安定的に防止することができる。
一方、先のステップで界面活性剤有機物が十分供給されたとすれば、すなわち、エネルギー印加前または印加中に供給される界面活性剤有機物が成長されたナノ粒子の表面に残留して、成長されたナノ粒子間の絶縁が十分であれば、成長されたナノ粒子140の表面に絶縁性有機物150をさらに形成する必要がない。すなわち、所望のナノ粒子のサイズによってエネルギー印加前または印加中に供給される有機物の使用有無(または、供給量、種類など)が決定されるので、これに合わせて絶縁性有機物150の形成は選択的事項となる。
絶縁性有機物150の供給は、絶縁性有機物が溶解された溶液をエネルギー印加により製造されるナノ粒子層に塗布してから乾燥して、ナノ粒子間の空いた空間を絶縁性有機物で満たすステップを含んで行われることができる。これにより、絶縁性有機物からなる絶縁マトリックスにナノ粒子が埋め込まれた(embedding)構造を有することができる。絶縁性有機物は、通常の有機基盤の電子素子で絶縁膜を形成するために使用される通常的な絶縁性有機物であれば使用可能である。具体的な一例として、絶縁性有機物は、BCB(Benzocyclobutene)、アクリル系物質、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン、フッ素系物質(CYTOPTM)、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエチレンテレフタレート、ポリキシリレン系物質(Poly−p−xylylene)、CYMM(Cyanopulluane)、またはポリメチルスチレン(Poly−methylstyrene)を挙げることができるが、本発明がこれに限定されないことはもちろんである。
絶縁性有機物150は、金属と自発的に結合する物質でありうる。金属性ナノ粒子140と自発的に結合する絶縁性有機物溶液をナノ粒子140が形成された構造物上に塗布するか、気相供給してナノ粒子140に含有された金属と絶縁性有機物を結合させることができる。これにより、ナノ粒子コア−絶縁性有機物のシェルのコア−シェル構造の複合粒子を形成することができる。このような方法は、微細なナノ粒子に極めて均一に絶縁性膜を形成することができ、ナノ粒子間のより安定的な絶縁性を確保することができる。
絶縁性有機物150は、ナノ粒子に含有された金属と結合する作用基を有し、絶縁性の有機物であれば使用可能である。具体的な一例として、ナノ粒子に含有された金属と自発的に結合する絶縁性有機物は、チオール基(−SH)、カルボキシル基(−COOH)、及び/又はアミン基(−NH)のように、ナノ粒子に含有された金属と自発的に化学結合可能な一作用基、メチル基のように、ナノ粒子に含有された金属と反応しない他の作用基、及び規則的な絶縁膜形成を可能にするボディ部分のアルカン鎖を含んでなされることができる。このとき、アルカン鎖の炭素数により絶縁膜(シェル)の厚さが制御され得るし、絶縁性有機物は、C3−C20のアルカン鎖構造の有機物でありうる。
金属性ナノ粒子140と絶縁性有機物150とからなる層が例えば、フラッシュメモリセルのフローティングゲートに応用される場合、フローティングゲートのナノ粒子及び絶縁性有機物の重量比は1:0.5〜10でありうる。このようなナノ粒子と絶縁性有機物の重量比は安定的にナノ粒子間の通電を防止し、フローティングゲートの物理的安全性を図ることができる重量比である。このようなナノ粒子と絶縁性有機物の重量比は、ナノ粒子が形成された基材に投入される絶縁性有機物の量を介して制御され得る。また、ナノ粒子に含有された金属と自発的に結合する絶縁性有機物を用いる場合、絶縁性有機物の前述したアルカン鎖の炭素数によってもナノ粒子と絶縁性有機物の重量比が制御され得ることはもちろんである。
一方、絶縁性有機物150が形成された状態で、ナノ粒子140をより安定的に固定させるために、無機酸化物をさらに形成することができる。また、絶縁性有機物150無しで直接無機酸化物が形成され得る。無機酸化物は、通常的な気相蒸着法を利用して形成されることができる。
図1Eを参照して、本発明の第1の実施形態に係る製造方法により形成されたナノ構造体をより詳しく説明する。
図1Eに示すように、本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体は、基材110と、基材上に形成された複数のリンカー120Aと、リンカー120A等に結合された金属イオン等から成長された少なくとも1つの金属性ナノ粒子140とを備えることができる。また、ナノ構造体は、金属性ナノ粒子の表面に結合された絶縁性有機物150をさらに備えることができる。
基材110は、リンカー120Aと結合可能な作用基を有する表面層114を備えることができる。表面層114は、酸化物層を備えることができる。より具体的に表面層は、シリコン酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム−チタニウム複合酸化物、イットリウム酸化物、タングステン酸化物、タンタリウム酸化物、亜鉛酸化物、チタニウム酸化物、錫酸化物、バリウム−ジルコニウム複合酸化物、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケートの群より選ばれる少なくともいずれか1つの物質の層でありうる。
基材110は、フレキシブル基材でありうるし、フレキシブル基材は、ヒドロキシ基(−OH)作用基を有する表面層を備えることができる。フレキシブル基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の群より選ばれるいずれか1つであるか、これらの混合物を含むことができる。
リンカー120Aは、自己組立により基材110表面に結合される有機単分子でありうる。ナノ構造体は、基材110上に結合された複数のリンカー120Aからなるリンカー層120を備えることができる。リンカー層120は、有機単分子が基材110上に自己結合されて形成された自己組立単分子膜でありうる。また、リンカー層120は、基材110上に形成され、アミン基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれるいずれか1つの作用基を有するシラン化合物層でありうる。リンカー120Aは、アミン基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれるいずれか1つの作用基を含むことができる。リンカー120Aは、基材110の表面と結合する第1の作用基(図1Bの122)と、金属イオンと結合する第2の作用基(図1Bの126)と、前記第1の作用基と第2の作用基とを連結する鎖基(図1Bの124)とを含むことができる。
金属性ナノ粒子140は、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、金属窒化物ナノ粒子、金属炭化物ナノ粒子、及び金属間化合物ナノ粒子の群より選ばれるいずれか1つでありうる。金属性ナノ粒子140は、リンカー120Aに金属イオンを結合させ、その金属イオンを成長させることにより生成された粒子である。
金属性ナノ粒子140は、成長時のエネルギー印加条件によって、そのサイズを制御することができる。また、粒子に成長するためのエネルギー印加前または印加中に界面活性剤の供給可否によってナノ粒子サイズの調整が可能である。界面活性剤は、有機物でありうるし、成長完了したナノ粒子140表面に残っていることができる。好ましくは、界面活性剤を使用しない場合、金属性ナノ粒子140は、2.0nm〜3.0nmの直径を有することができる。好ましくは、いずれか1つの種類の界面活性剤を使用する場合、金属性ナノ粒子140は、1.3nm〜1.6nmの直径を有することができる。好ましくは、互いに異なる種類の複数の界面活性剤を使用する場合、金属性ナノ粒子140は、0.5nm〜1.2nmの直径を有することができる。
絶縁性有機物150は、成長された金属性ナノ粒子140表面に結合されることができる。絶縁性有機物150は、金属性ナノ粒子140間の通電を防止する。絶縁性有機物150は、ナノ粒子140表面にコーティングされた状態でありうるし、互いに離隔配列されたナノ粒子140間の空間を満たす形態で存在することができる。ナノ粒子への成長前の状態である金属イオンまたは成長中のナノ粒子に界面活性剤が供給された場合、金属性ナノ粒子140表面には界面活性剤の成分が残留し得る。界面活性剤も絶縁性有機物を使用することができるので、成長後に残留する界面活性剤のみでも配列されたナノ粒子間の絶縁が可能であれば、ナノ粒子が成長完了した状態で形成される絶縁性有機物は、その形成が省略可能である。
また、図面に示されていないが、絶縁性有機物150がコーティングされた金属性ナノ粒子140間に別の絶縁物が追加形成され得る。すなわち、絶縁性有機物150が形成された状態で、ナノ粒子140をより安定的に固定させるために、無機酸化物をさらに形成することができる。また、絶縁性有機物150無しで直接無機酸化物が形成され得る。
複数個の金属性ナノ粒子140がリンカー層120上に離隔配列されて単分子層のナノ粒子層を構成することができる。ナノ粒子層は、金属性ナノ粒子の表面に結合された絶縁体を含み、ここで、絶縁体は、界面活性剤有機物、絶縁性有機物、及び無機酸化物のうち、少なくともいずれか1つを含むことができる。
本発明の第1の実施形態に係るナノ構造体は、垂直的マルチスタック構造を有することができる。すなわち、リンカー層120及びナノ粒子層が交互に繰り返し積層された構造を有することができる。このとき、下部ナノ粒子層と上部リンカー層との間には、上部リンカー層のリンカーと結合可能な絶縁物層がさらに備えられることができる。もし、下部ナノ粒子層を構成する絶縁体が上部リンカー層のリンカーと結合可能な作用基を有するならば、下部ナノ粒子層と上部リンカー層との間の前記絶縁物層の形成は省略が可能である。すなわち、ナノ粒子層を構成する絶縁体の種類に応じて下部ナノ粒子層と上部リンカー層との間の絶縁物層の形成可否が決定され得る。
[第2の実施形態に係るナノ構造体及びその製造方法]
図2A〜2Eは、本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体及びその製造方法を説明するための模式図である。
本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体の製造方法は、基材210を用意するステップ(図2A参照)、基材210上に自分の表面に複数のリンカー224が結合された複数の絶縁物粒子支持体222を形成するステップ(図2B参照)、リンカー224等に複数の金属イオン230を結合させるステップ(図2C参照)、エネルギーを印加して金属イオン等を少なくとも1つの金属性ナノ粒子240に形成するステップ(図2D参照)を含むことができる。また、金属性ナノ粒子が形成された構造物上に絶縁性有機物(図2E参照)を供給するステップをさらに含むことができる。また、エネルギー印加前またはエネルギー印加中に1種または複数種の界面活性剤有機物を供給するステップをさらに含むことができる。
図2Aは、用意された基材210を示す。図2Aに示すように、基材210は、表面層214を備えることができる。例えば、基材210は、シリコン基板212と、前記シリコン基板212上に形成された酸化物の表面層214とを備えることができる。
基材210は、フレキシブル基材または透明基材を含むことができる。フレキシブル基材210を使用する場合、表面層214は、ヒドロキシ基(−OH)作用基を有する有機物でありうる。
フレキシブル基材の限定的でない一例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、またはこれらの混合物を含有するフレキシブル高分子基板を挙げることができる。透明支持体の限定的でない一例として、ガラス基板、透明プラスチック基板などを挙げることができる。
基材210は、応用素子の一部または全体構成要素が予め形成された構造物でありうる。また、基材210は、ウエハ、フィルム(film)、または薄膜の形状でありうるし、リセス構造または3次元構造のトランジスタなどのように設計される応用素子の物理的形状を考慮して、その表面がナノパターン化(構造化)されたものでありうる。
本発明の第2の実施形態において、基材210は、本発明の第1の実施形態によって説明された物質及び構造を有することができ、重複説明を省略する。
図2Bは、基材210上に、リンカー224が結合された絶縁物粒子支持体222が形成された状態を示す。リンカー224が結合された絶縁物粒子支持体222は、基材上に複数個形成されて支持体層220を構成する。
基材210上にリンカーが結合された支持体層220を形成する方法は、リンカーが溶媒に溶解されたリンカー溶液に複数の絶縁物粒子を混ぜて支持体層原料を生成するステップと、前記支持体層原料を基材上にコーティングまたは蒸着するステップとを含むことができる。このとき、コーティング方法は、支持体層原料を基材上にスピンコートする方法を使用することができ、蒸着方法は、支持体層原料が溶解された溶液に基材を漬す液状蒸着法を使用することができる。
絶縁物粒子支持体222は、金属、遷移金属、遷移後金属、及び半金属の群より選ばれるいずれか1つ以上の元素を有する酸化物を含むことができる。また、絶縁物粒子支持体222は、シリコン酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム−チタニウム複合酸化物、イットリウム酸化物、タングステン酸化物、タンタリウム酸化物、亜鉛酸化物、チタニウム酸化物、錫酸化物、バリウム−ジルコニウム複合酸化物、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケート、及び高分子からなる群より選ばれる少なくともいずれか1つの物質を含むことができる。
リンカー224は、絶縁物粒子支持体222の表面に化学的に結合または吸着し、金属イオンと化学的に結合できる有機単分子でありうる。具体的に、リンカー224は、絶縁物粒子支持体222の表面と化学的に結合または吸着する第1の作用基と、金属イオン(後続して形成される)と化学的に結合する第2の作用基とを共に有する有機単分子でありうる。また、リンカー224は、第1の作用基と第2の作用基とを連結する鎖基124を含むことができる。リンカー224は、金属イオンと結合可能なアミン基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれるいずれか1つの作用基を含むことができる。リンカー224は、本発明の第1の実施形態によって説明された様々な実施例の方法または物質が同一または類似して応用され得る。
図2Cは、リンカー224に金属イオン230を結合した状態を示す。金属イオン230は、リンカー224の作用基に結合されることができる。金属イオン230は、金属前駆体を基材(リンカーが形成された基材)に供給することにより形成されることができる。すなわち、金属前駆体が溶解された溶液を基材に塗布するか、気相の金属前駆体を基材上に供給することによりなされることができる。本発明の第2の実施形態において、リンカー224に金属イオン230を結合する方法及びその方法に使用される物質などは、本発明の第1の実施形態と同様に様々に行われることができる。
図2Dは、エネルギーを印加して金属イオン230を成長させることにより、金属性ナノ粒子240が形成された状態を示す。ナノ粒子化のために印加されるエネルギーは、熱、化学、光、振動、イオンビーム、電子ビーム、及び放射線エネルギーから1つ以上選ばれるエネルギー源でありうるし、その様々な実施例は、前述された第1の実施形態と同一または類似することができる。
一方、本発明の第2の実施形態に係る製造方法において、i)エネルギーの印加前、金属イオンに結合または吸着される界面活性剤有機物を供給した後、エネルギーを印加してナノ粒子のサイズを調整することができ、これと独立的にii)エネルギーの印加中、金属イオンに結合または吸着される界面活性剤有機物を供給することにより、ナノ粒子成長時、そのサイズを調整することができる。このような界面活性剤有機物の供給は、製造過程中、選択的事項となり得る。エネルギー印加前または印加中に供給される界面活性剤有機物は、1種の有機物でありうるし、互いに異なる複数種の有機物でありうる。
金属の物質移動をより効果的に抑制するために、界面活性剤有機物は、互いに異なる種の第1の有機物と第2の有機物を使用することができる。
ここで、第1の有機物は、窒素または含硫有機物でありうるし、一例として、含硫有機物は、一末端基がチオール基である直鎖または分枝鎖型炭化水素化合物を含むことができる。含硫有機物の具体的な一例として、HS−C−CH(n:2〜20の整数)、n−ドデシルメルカプタン、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン(Ethyl Mercaptan)、ブチルメルカプタン、エチルヘキシルメルカプタン、イソオクチルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコールアセト酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトヘキサノール、及びオクチルチオグリコレートから1つ以上選ばれる物質を挙げることができる。
第2の有機物は、相転移触媒(Phase−transfer catalyst)系の有機物でありうるし、具体的な一例として4元素アンモニウム(quaternary ammonium)またはホスホニウム塩(phosphonium salts)でありうる。より具体的に、第2の有機物は、テトラオキシルアンモニウムブロミド(Tetraocylyammonium bromide)、テトラエチルアンモニウム(tetraethylammonium)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(Tetra−n−butylammonium bromide)、テトラメチルアンモニウムクロリド(Tetramethylammonium chloride)、テトラブチルアンモニウムフルオリド(Tetrabutylammonium fluoride)から1つ以上選ばれる物質でありうる。
図2Eは、エネルギー印加により成長された金属性ナノ粒子240に絶縁性有機物250が結合された状態を示す。絶縁性有機物250は、金属性ナノ粒子240の表面にコーティングされた状態であるか、金属性ナノ粒子240間の空いた空間を満たす状態でありうる。絶縁性有機物250は、ナノ粒子240間を絶縁させて隣り合うナノ粒子間の通電をより安定的に防止することができる。
先のステップで界面活性剤有機物が十分供給されたとすれば、すなわち、エネルギー印加前または印加中に供給される界面活性剤有機物が成長されたナノ粒子の表面に残留して、成長されたナノ粒子間の絶縁が十分であれば、成長されたナノ粒子240表面に絶縁性有機物250をさらに形成する必要がない。すなわち、所望のナノ粒子のサイズによって界面活性剤有機物の使用有無(または供給量、種類等)が決定されるので、これに合わせて絶縁性有機物250の形成は選択的事項となる。
絶縁性有機物250の形成方法及びその物質などは、前述した第1の実施形態と同一または類似する。
図2Eを参照して、本発明の第2の実施形態に係る製造方法により形成されたナノ構造体をより詳しく説明する。
図2Eに示すように、本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体は、基材210と、基材210上に形成され、リンカー224が結合された絶縁物粒子支持体222と、リンカー224に結合された金属イオンから成長された金属性ナノ粒子240とを備えることができる。また、ナノ構造体は、金属性ナノ粒子240表面に結合された作用基を有する絶縁性有機物250をさらに備えることができる。
基材210は、表面層を備えることができる。表面層は、酸化物層を備えることができる。より具体的に表面層は、シリコン酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム−チタニウム複合酸化物、イットリウム酸化物、タングステン酸化物、タンタリウム酸化物、亜鉛酸化物、チタニウム酸化物、錫酸化物、バリウム−ジルコニウム複合酸化物、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケートの群より選ばれる少なくともいずれか1つの物質の層でありうる。
基材210は、フレキシブル基材でありうるし、フレキシブル基材は、ヒドロキシ基(−OH)作用基を有する表面層224を備えることができる。フレキシブル基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の群より選ばれるいずれか1つであるか、これらの混合物を含むことができる。
絶縁物粒子支持体222は、金属、遷移金属、遷移後金属、及び半金属の群より選ばれるいずれか1つ以上の元素を有する酸化物粒子でありうる。絶縁物粒子支持体222は、10nm〜20nmの直径を有する粒子でありうる。絶縁物粒子支持体222は、基材210上に単分子層またはマルチ分子層で形成されることができる。
絶縁物粒子支持体222は、シリコン酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム−チタニウム複合酸化物、イットリウム酸化物、タングステン酸化物、タンタリウム酸化物、亜鉛酸化物、チタニウム酸化物、錫酸化物、バリウム−ジルコニウム複合酸化物、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケート、及び高分子からなる群より選ばれる少なくともいずれか1つの物質でありうる。
リンカー224は、有機単分子でありうる。ナノ構造体は、基材210上に結合された複数のリンカー224からなるリンカー層を備えることができる。リンカー層は、有機単分子が絶縁物粒子支持体層上に自己結合されて形成された自己組立単分子膜でありうる。また、リンカー224は、アミン基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれるいずれか1つの作用基を含むことができる。リンカー224は、絶縁物粒子支持体222の表面と結合する第1の作用基と、金属イオンと結合する第2の作用基と、前記第1の作用基と第2の作用基とを連結する鎖基とを含むことができる。
金属性ナノ粒子240は、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、金属窒化物ナノ粒子、金属炭化物ナノ粒子、及び金属間化合物ナノ粒子の群より選ばれるいずれか1つでありうる。金属性ナノ粒子240は、リンカー224に金属イオンを結合させ、その金属イオンを成長させることにより生成された粒子である。
金属性ナノ粒子240は、成長時のエネルギー印加条件によってそのサイズを制御することができる。また、粒子に成長するためのエネルギー印加前または印加中に界面活性剤の供給可否によってナノ粒子サイズの調整が可能である。界面活性剤は、有機物でありうるし、成長完了したナノ粒子240表面に残っていることができる。好ましくは、界面活性剤を使用しない場合、金属性ナノ粒子240は、2.0nm〜3.0nmの直径を有することができる。好ましくは、いずれか1つの種類の界面活性剤を使用する場合、金属性ナノ粒子240は、1.3nm〜1.6nmの直径を有することができる。好ましくは、互いに異なる種類の複数の界面活性剤を使用する場合、金属性ナノ粒子240は、0.5nm〜1.2nmの直径を有することができる。
絶縁性有機物250は、成長された金属性ナノ粒子240表面に結合されることができる。絶縁性有機物250は、金属性ナノ粒子240間の通電を防止する。絶縁性有機物250は、ナノ粒子240表面にコーティングされた状態でありうるし、互いに離隔配列されたナノ粒子240間の空間を満たす形態で存在することができる。ナノ粒子への成長前の状態である金属イオンまたは成長中のナノ粒子に界面活性剤が供給された場合、金属性ナノ粒子240表面には界面活性剤の成分が残留し得る。界面活性剤も絶縁性有機物を使用することができるので、界面活性剤有機物が成長されたナノ粒子間を十分絶縁させることができれば、絶縁性有機物250の形成は省略が可能である。また、図面に示されていないが、絶縁性有機物250がナノ粒子の表面にコーティングされた状態であれば、コーティングされた金属性ナノ粒子240間に別の絶縁物が追加形成され得る。すなわち、絶縁性有機物250が形成された状態で、ナノ粒子240をより安定的に固定させるために、無機酸化物をさらに形成することができる。また、絶縁性有機物250無しで直接無機酸化物が形成され得る。一方、複数個の金属性ナノ粒子240が離隔配列されてナノ粒子層を構成することができ、ナノ粒子層は、単分子層でありうる。ナノ粒子層は、金属性ナノ粒子の表面に結合またはコーティングされた絶縁性有機物(または界面活性剤用有機物)を含むことができ、合わせて、コーティングされた金属性ナノ粒子間を満たす無機酸化物をさらに含むことができる。
本発明の第2の実施形態に係るナノ構造体は、垂直的マルチスタック構造を有することができる。すなわち、リンカーが結合された絶縁物粒子支持体層とナノ粒子層とが交互に繰り返し積層された構造を有することができる。このとき、下部ナノ粒子層と上部支持体層との間には支持体(リンカーが結合された支持体)と結合可能な作用基を有する絶縁物層をさらに備えることができる。もし、下部ナノ粒子層を構成する絶縁性有機物250が上部支持体層と結合可能な作用基を有するならば、前記絶縁物層の形成は、その省略が可能である。すなわち、絶縁性有機物250の種類に応じて絶縁物層の形成可否は決定されることができる。
以上のように、本発明では、特定された事項等と限定された実施形態及び図面により説明されたが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものであり、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有した者であれば、このような記載から様々な修正及び変形が可能である。
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に局限されて決められてはならず、後述する特許請求の範囲のみならず、この特許請求の範囲と均等であるか、等価的変形があるあらゆるものなどは、本発明の思想の範疇に属するといえるであろう。

Claims (24)

  1. 基材と、
    前記基材上に形成され、自分の表面にリンカーが結合された複数の絶縁物粒子支持体と、
    前記リンカーに結合された少なくとも1つの金属性ナノ粒子と、
    を備えることを特徴とするナノ構造体。
  2. それぞれの前記金属性ナノ粒子は、前記リンカーに結合された複数の金属イオンから成長された粒子であることを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  3. それぞれの前記絶縁物粒子支持体は、
    シリコン酸化物、ハフニウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム−チタニウム複合酸化物、イットリウム酸化物、タングステン酸化物、タンタリウム酸化物、亜鉛酸化物、チタニウム酸化物、錫酸化物、バリウム−ジルコニウム複合酸化物、シリコン窒化物、シリコンオキシナイトライド、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケート、及び高分子の群より選ばれる少なくともいずれか1つの物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  4. 前記金属性ナノ粒子の表面に結合された絶縁性有機物及び無機酸化物のうち、少なくともいずれか1つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  5. それぞれの前記金属性ナノ粒子は、2.0nm〜3.0nmの直径を有することを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  6. 前記金属イオンまたは前記ナノ粒子に結合された1種または複数種の界面活性剤有機物をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のナノ構造体。
  7. 前記界面活性剤有機物は、含窒素有機物または含硫有機物であることを特徴とする請求項6に記載のナノ構造体。
  8. それぞれの前記金属性ナノ粒子は、1.3nm〜1.9nmの直径を有することを特徴とする請求項7に記載のナノ構造体。
  9. 前記界面活性剤有機物は、互いに異なる種の第1の有機物及び第2の有機物を含み、前記第1の有機物は、含窒素有機物または含硫有機物であり、前記第2の有機物は、相転移触媒(Phase−transfer catalyst)系の有機物であることを特徴とする請求項6に記載のナノ構造体。
  10. それぞれの前記金属性ナノ粒子は、0.5nm〜1.2nmの直径を有することを特徴とする請求項9に記載のナノ構造体。
  11. それぞれの前記リンカーは、前記絶縁物粒子表面に結合された有機単分子を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  12. それぞれの前記リンカーは、前記絶縁物粒子の表面と結合する第1の作用基と、前記金属イオンと結合する第2の作用基と、前記第1の作用基と第2の作用基とを連結する鎖基とを含むことを特徴とする請求項2に記載のナノ構造体。
  13. それぞれの前記リンカーは、前記金属イオンと結合可能な作用基として、アミン基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれるいずれか1つを含むことを特徴とする請求項2に記載のナノ構造体。
  14. それぞれの前記金属性ナノ粒子は、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、金属窒化物ナノ粒子、金属炭化物ナノ粒子、及び金属間化合物ナノ粒子の群より選ばれるいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  15. 複数の前記金属性ナノ粒子が互いに離隔配列されて単分子レベルの単一層をなすことを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  16. 前記リンカーが結合された絶縁物粒子支持体は、前記基材上に複数個配列されて、単分子層または複数分子層の支持体層を構成することを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  17. 前記支持体層上のナノ粒子層を備え、
    前記ナノ粒子層は、
    互いに離隔配列された複数の前記金属性ナノ粒子及び前記金属性ナノ粒子表面に結合された絶縁体を含むことを特徴とする請求項16に記載のナノ構造体。
  18. 前記支持体層及び前記ナノ粒子層が交互に繰り返し積層されて垂直的マルチスタック構造を有することを特徴とする請求項17に記載のナノ構造体。
  19. 前記絶縁体は、絶縁性有機物及び無機酸化物のうち、少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項17に記載のナノ構造体。
  20. 基材と、
    前記基材上に配置された複数の絶縁物粒子支持体と、
    前記絶縁物粒子支持体の表面に貼り付けられ、金属イオンと結合可能な作用基を有する複数のリンカーと、
    前記金属イオンから形成された少なくとも1つの金属性ナノ粒子と、
    を備えることを特徴とするナノ構造体。
  21. それぞれの前記リンカーは、前記作用基として、アミン基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれるいずれか1つを含むことを特徴とする請求項20に記載のナノ構造体。
  22. 前記金属イオンまたは前記ナノ粒子に結合された1種または複数種の界面活性剤有機物をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のナノ構造体。
  23. 前記金属性ナノ粒子は、0.5nm〜3.0nmの直径を有することを特徴とする請求項20に記載のナノ構造体。
  24. 前記金属性ナノ粒子は、粒径の標準偏差が±20%以下であることを特徴とする請求項23に記載のナノ構造体。
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