JP2015115527A - 固体撮像装置及びカメラシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】システムの小型化及びコスト低減が容易であり、かつ被写体のカラー画像と距離情報とを同時に取得可能とする固体撮像装置及びカメラシステムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、固体撮像装置は、画素アレイ及び被写体距離検出部を有する。画素アレイは、測距用画素30を含む。測距用画素30は、被写体距離検出部にて距離を求めるための光強度を検出する画素である。測距用画素30は、第1回折格子41及び第2回折格子42を備える。第1回折格子41は、測距用画素30へ入射した光を回折させる。第1回折格子41は、光電変換部40に対し入射側に位置する。第2回折格子42は、第1回折格子41を通過した光を回折させる。第2回折格子42は、光電変換部40及び第1回折格子41の間に位置する。
【選択図】図6
【解決手段】実施形態によれば、固体撮像装置は、画素アレイ及び被写体距離検出部を有する。画素アレイは、測距用画素30を含む。測距用画素30は、被写体距離検出部にて距離を求めるための光強度を検出する画素である。測距用画素30は、第1回折格子41及び第2回折格子42を備える。第1回折格子41は、測距用画素30へ入射した光を回折させる。第1回折格子41は、光電変換部40に対し入射側に位置する。第2回折格子42は、第1回折格子41を通過した光を回折させる。第2回折格子42は、光電変換部40及び第1回折格子41の間に位置する。
【選択図】図6
Description
本発明の実施形態は、固体撮像装置及びカメラシステムに関する。
従来、被写体のカラー画像と距離情報とを同時に取得可能なカメラシステムが提案されている。このカメラシステムは、テレビやゲームの操作、セキュリティシステムによる侵入物の監視、自動車による歩行者や車両との衝突回避のためのジェスチャー認識やモーション認識、カメラのリフォーカス等の多様な分野で求められている。
カラー画像の取得のための撮像素子と距離情報の取得のための測距センサとがカメラシステムに搭載された場合、カメラシステムは、構造が複雑となり、小型化が難しくなること及び高コスト化が問題となる。
本発明の一つの実施形態は、システムの小型化及びコスト低減が容易であり、かつ被写体のカラー画像と距離情報とを同時に取得可能とする固体撮像装置及びカメラシステムを提供することを目的とする。
本発明の一つの実施形態によれば、固体撮像装置は、画素アレイ及び被写体距離検出部を有する。画素アレイは、複数の画素を備える。複数の画素は、水平方向及び垂直方向へ配列されている。画素アレイは、被写体から各画素への入射光量に応じた信号電荷を生成する。被写体距離検出部は、被写体までの距離を検出する。画素アレイは、撮像用画素と測距用画素とを含む。撮像用画素は、各色光の信号レベルを分担して検出する画素である。測距用画素は、被写体距離検出部にて距離を求めるための光強度を検出する画素である。測距用画素は、光電変換部、第1回折格子及び第2回折格子を備える。光電変換部は、光強度に応じた電荷を発生させる。第1回折格子は、測距用画素へ入射した光を回折させる。第1回折格子は、光電変換部に対し入射側に位置する。第2回折格子は、第1回折格子を通過した光を回折させる。第2回折格子は、光電変換部及び第1回折格子の間に位置する。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる固体撮像装置及びカメラシステムを詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
(実施形態)
図1は、実施形態にかかる固体撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、固体撮像装置を備えるカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。カメラシステム1は、例えば、デジタルカメラである。カメラシステム1は、デジタルスチルカメラ及びデジタルビデオカメラのいずれであっても良い。カメラシステム1は、カメラモジュール2を備える電子機器(例えばカメラ付き携帯端末)等でも良い。
図1は、実施形態にかかる固体撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、固体撮像装置を備えるカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。カメラシステム1は、例えば、デジタルカメラである。カメラシステム1は、デジタルスチルカメラ及びデジタルビデオカメラのいずれであっても良い。カメラシステム1は、カメラモジュール2を備える電子機器(例えばカメラ付き携帯端末)等でも良い。
カメラシステム1は、カメラモジュール2及び後段処理部3を有する。カメラモジュール2は、撮像光学系4及び固体撮像装置5を有する。後段処理部3は、イメージシグナルプロセッサ(ISP)6、記憶部7及び表示部8を有する。
撮像光学系4は、被写体からの光を取り込み、被写体像を結像させる。固体撮像装置5は、被写体像を撮像する。ISP6は、固体撮像装置5での撮像により得られた画像信号の信号処理を実施する。記憶部7は、ISP6での信号処理を経た画像を格納する。記憶部7は、ユーザの操作等に応じて、表示部8へ画像信号を出力する。
表示部8は、ISP6あるいは記憶部7から入力される画像信号に応じて、画像を表示する。表示部8は、例えば、液晶ディスプレイである。カメラシステム1は、ISP6での信号処理を経たデータに基づき、カメラモジュール2のフィードバック制御を実施する。
固体撮像装置5は、撮像素子であるイメージセンサ10と、画像処理装置である信号処理回路11とを備える。イメージセンサ10は、例えば、CMOSイメージセンサである。イメージセンサ10は、CMOSイメージセンサの他、CCDであっても良い。
イメージセンサ10は、画素アレイ12、垂直シフトレジスタ13、タイミング制御部14、相関二重サンプリング部(CDS)15、アナログデジタル変換部(ADC)16及びラインメモリ17を有する。
画素アレイ12は、イメージセンサ10の撮像領域に設けられている。画素アレイ12は、水平方向(行方向)及び垂直方向(列方向)へアレイ状に配置された複数の画素からなる。各画素は、光電変換素子であるフォトダイオードを備える。画素アレイ12は、各画素への入射光量に応じた信号電荷を生成する。
タイミング制御部14は、画素アレイ12の各画素からの信号を読み出すタイミングを指示する垂直同期信号を、垂直シフトレジスタ13へ供給する。タイミング制御部14は、CDS15、ADC16及びラインメモリ17に対し、駆動タイミングを指示するタイミング信号をそれぞれ供給する。
垂直シフトレジスタ13は、タイミング制御部14からの垂直同期信号に応じて、画素アレイ12内の画素を行ごとに選択する。垂直シフトレジスタ13は、選択した行の各画素へ読み出し信号を出力する。垂直シフトレジスタ13から読み出し信号が入力された画素は、入射光量に応じて蓄積した信号電荷を出力する。画素アレイ12は、画素からの信号を、垂直信号線を介してCDS15へ出力する。
CDS15は、画素アレイ12からの信号に対し、固定パターンノイズの低減のための相関二重サンプリング処理を行う。ADC16は、アナログ方式の信号をデジタル方式の信号へ変換する。ラインメモリ17は、ADC16からの信号を蓄積する。イメージセンサ10は、ラインメモリ17に蓄積された信号を出力する。
信号処理回路11は、イメージセンサ10からの画像信号に対し、各種の信号処理を実施する。信号処理回路11は、被写体距離検出部18及びレンズ駆動制御部19を備える。被写体距離検出部18は、被写体距離を検出する。被写体距離は、固体撮像装置5の撮像面から被写体までの距離とする。フォーカス調整部であるレンズ駆動制御部19は、撮像光学系4を構成するレンズの駆動を制御することで、撮像光学系4のフォーカスを調整する。
この他、信号処理回路11は、各種信号処理、例えば、キズ補正、ガンマ補正、ノイズ低減処理、レンズシェーディング補正、ホワイトバランス調整、歪曲補正、解像度復元等を実施する。図1には、信号処理回路11の構成のうち、被写体距離検出部18及びレンズ駆動制御部19以外の構成について、図示を省略している。
固体撮像装置5は、信号処理回路11での信号処理を経た画像信号をチップ外部へ出力する。固体撮像装置5は、信号処理回路11での信号処理を経たデータに基づき、イメージセンサ10のフィードバック制御を実施する。
カメラシステム1は、本実施形態において信号処理回路11が実施するものとした各種信号処理の少なくともいずれかを、後段処理部3のISP6が実施することとしても良い。カメラシステム1は、各種信号処理の少なくともいずれかを、信号処理回路11及びISP6の双方が実施しても良い。信号処理回路11及びISP6は、本実施形態で説明する信号処理以外の信号処理を実施することとしても良い。
図3は、カメラシステムが備える光学系の概略構成を示す図である。撮像レンズ21,22は、撮像光学系4を構成する。レンズ駆動機構23は、レンズ駆動制御部19による制御に応じて、撮像レンズ22を駆動する。なお、撮像光学系4は、レンズ駆動機構23により駆動する撮像レンズ22を備えるものであれば良く、構成は任意とする。
被写体から撮像光学系4へ入射した光は、撮像光学系4を経てミラー28へ入射する。ミラー28を透過した光は、メカシャッタ26を経てイメージセンサ10へ進行する。カメラシステム1は、イメージセンサ10において被写体像を撮像する。ミラー28で反射した光は、レンズ24及びプリズム25を経てファインダー27へ進行する。カメラシステム1が備える光学系は、実施形態で説明するものに限られず、適宜変更しても良い。
画素アレイ12を構成する複数の画素は、撮像用画素と、測距用画素とを含む。撮像用画素は、各色光の信号レベルを分担して検出する画素である。測距用画素は、被写体距離検出部18にて被写体距離を求めるための光強度を検出する画素である。測距用画素は、タルボ効果と称される回折現象を利用して、光の入射角度に応じた光強度を検出する。
図4および図5は、画素アレイにおける撮像用画素と測距用画素との配列の例を示す図である。赤色(R)画素20Rは、R光を検出する撮像用画素である。緑色(G)画素20Gは、G光を検出する撮像用画素である。青色(B)画素20Bは、B光を検出する撮像用画素である。
図4に示す画素配列は、2×2の画素ブロックを単位とする。この画素ブロックの対角にR画素20RとB画素20Bとが配置され、残りの対角にG画素20Gと測距用画素30とが配置される。測距用画素30は、撮像用画素と同じ画素サイズをなしている。なお、画素アレイ12には、測距用画素30を含む2×2の画素ブロックと、各色画素がベイヤー配列をなす2×2の画素ブロックとが含まれている。測距用画素30を含む画素ブロックは、例えば、画素アレイ12のうち被写体距離の計測が所望とされる位置に配置される。測距用画素30を含む画素ブロックは、画素アレイ12のうちいずれの位置に配置しても良い。
図5に示す画素配列では、測距用画素30の画素サイズは、撮像用画素からなる2×2の画素ブロックと同じとされている。この画素ブロックにおいて、R画素20R、G画素20G及びB画素20Bは、ベイヤー配列をなしている。画素アレイ12には、撮像用画素からなる画素ブロックと、測距用画素30とが含まれている。測距用画素30は、例えば、画素アレイ12のうち被写体距離の計測が所望とされる位置に配置される。測距用画素30は、画素アレイ12のうちいずれの位置に配置しても良い。
画素アレイ12は、いずれの態様で撮像用画素と測距用画素30とを配列させたものであっても良い。画素アレイ12における撮像用画素と測距用画素30との配列の態様は、図4及び図5に示すものに限られず、適宜変更しても良い。
図6は、測距用画素の断面模式図である。測距用画素30は、半導体基板31、金属層32、層間絶縁膜33、スペーサ層34、金属層35、層間絶縁膜36及び保護膜37が積層されて構成されている。測距用画素30は、2つの回折格子41,42を備える。
半導体基板31であるシリコン基板は、光電変換部40を備える。光電変換部40は、光強度に応じた電荷を発生させる。光電変換部40は、例えばフォトダイオードである。光電変換部40は、発生させた電荷を蓄積する電荷蓄積領域を含む。
金属層32は、半導体基板31の上に設けられている。金属層32は、第2回折格子42を備える第2の層である。第2回折格子42は、2つの回折格子41,42のうち、光電変換部40及び第1回折格子41の間に位置する回折格子である。層間絶縁膜33は、シリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜で形成されている。層間絶縁膜33は、第2回折格子42の段差を緩和し平坦面を提供する。
スペーサ層34は、第2回折格子42と第1回折格子41とが一定の距離をなすように厚みを持たせた層である。スペーサ層34は、例えば酸化シリコンを材料として構成されている。スペーサ層34と層間絶縁膜33とは、同一の材料で一体に構成されたものとしても良い。
金属層35は、スペーサ層34の上に設けられている。金属層35は、第1回折格子41を備える第1の層である。第1回折格子41は、2つの回折格子41,42のうち、光電変換部40及び第2回折格子42に対し入射側に位置する回折格子である。層間絶縁膜36は、シリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜で形成されている。層間絶縁膜36は、第1回折格子41の段差を緩和して、平坦面を提供する。保護膜37は、測距用画素30の表面を保護する。保護膜37は、例えば、シリコン窒化膜である。
測距用画素30は、例えば、撮像用画素の場合と同様の製造プロセスにより製造することができる。測距用画素30は、撮像用画素の場合とは異なる製造プロセスが必要となる場合に比べて、低いコストで生産できる。
図7は、第1回折格子及び第2回折格子を示す断面模式図である。第1回折格子41は、測距用画素30へ入射した光を回折させる。第1回折格子41は、遮光部である複数のブロックが一定間隔で配置された格子パターンを備える。各ブロックは、一方向を長手方向としてライン状に形成されている。図7に示す第1回折格子41では、紙面の奥行き方向が、各ブロックの長手方向であるものとする。金属層35からなるこのブロックが、光を遮蔽する。ブロック同士の間のスペースの部分は、光を通過させる。
第2回折格子42は、第1回折格子41を通過した光を回折させる。第2回折格子42は、遮光部である複数のブロックが一定間隔で配置された格子パターンを備える。各ブロックは、一方向を長手方向としてライン状に形成されている。図7に示す第2回折格子42では、紙面の奥行き方向が、各ブロックの長手方向であるものとする。金属層32からなるこのブロックが、光を遮蔽する。ブロック同士の間のスペースの部分は、光を通過させる。
例えば、第2回折格子42を構成する各ブロックの幅は、第1回折格子41を構成する各ブロックの幅と同じである。第2回折格子42のブロック同士の間のスペースの幅は、第1回折格子41のブロック同士のスペースの幅と同じである。
本実施形態では、第1回折格子41のブロックおよびスペース、第2回折格子42のブロックおよびスペースは、いずれも同じ幅とされている。第2回折格子42の格子パターンは、第1回折格子41の格子パターンとはブロックの位置とスペースの位置とが入れ換えられている。第1回折格子41及び第2回折格子42は、ブロック間のスペースに、例えば、シリコン酸化膜が充填されている。
金属層32,35は、例えば、チタン(Ti)層43、窒化チタン(TiN)層44、アルミニウム(Al)層45を積層させたものとする。Ti層43は、例えば11nmの厚みをなす。TiN層44は、例えば22nmの厚みをなす。Al層45は、例えば、Ti層43及びTiN層44よりも厚みを持たせて構成されている。なお、金属層32,35は、金属部材で構成されたものであれば良く、本実施形態で説明するものに限られない。
図8は、回折格子によるタルボ効果について説明する図である。タルボ効果は、光の回折現象の1つであり、回折格子に光を入射したときに、回折格子と同様のパターンが、ある深さを単位として周期的に再現される現象(自己結像効果)である。回折格子のパターンのピッチをP、光の波長をλとすると、タルボ距離ZTは、次の式(1)で近似される。
ZT=2P2/λ ・・・(1)
ZT=2P2/λ ・・・(1)
タルボ効果によれば、タルボ距離の半分ZT/2を基準として、ZT/2の偶数倍の位置には、回折格子の自己像が現れる。また、ZT/2の奇数倍の位置には、自己像に対して半周期のずれをなす(位相が反転された)像が現れる。
深さ方向であるZ方向における第1回折格子41及び第2回折格子42の間の距離Hは、第1回折格子41及び第2回折格子42のタルボ距離ZTの半分に相当する。距離Hは、次の式(2)の関係を満足する。第1回折格子41及び第2回折格子42は、同じピッチPのパターンをなすものとする。
H=ZT/2=2P2/2λ・・・(2)
H=ZT/2=2P2/2λ・・・(2)
例えば、第1回折格子41及び第2回折格子42のピッチPを440nm、波長λをG光の波長である540nmとした場合、上記の式(2)により、距離Hは、358nmと算出される。このように、距離Hは、ピッチPに応じて設定される。なお、このときのタルボ距離ZTは、717nmと算出される。
測距用画素30は、第1回折格子41及び第2回折格子42の間隔が、上記の式(2)を満足する距離Hとなるように構成されている。第1回折格子41は、第2回折格子42の位置において、自己像に対し位相が反転された像を生じさせる。以下の説明では、自己像に対し位相が反転された像を、適宜「反転像」と称する。
第1回折格子41は、光電変換部40の受光面に垂直な方向、即ち深さ方向であるZ方向へ進行する入射光を回折させることで、第2回折格子42の位置に反転像を形成する。第1回折格子41の反転像が第2回折格子42の格子パターンに一致するため、第2回折格子42の位置に反転像が形成されるときに、第2の回折格子42を通過する光量が最大となる。
図9は、第1回折格子及び第2回折格子に対し入射角度0度の光を入射させた場合における回折光の強度分布の例を示す図である。図10は、第1回折格子及び第2回折格子に対し入射角度20度の光を入射させた場合における回折光の強度分布の例を示す図である。
光電変換部40の受光面に垂直な方向へ進行する光は、入射角度0度で、第1回折格子41へ入射する。測距用画素30へ入射する光の入射角度が0度であるとき、第2回折格子42を通過する光量が最大となることにより、光電変換部40で検出される光強度が最大となる。
測距用画素30へ入射する光の入射角度が0度から変化した場合、第2回折格子42の位置における反転像がぼやけることで、第2回折格子42を通過する光量が減少する。入射角度20度の光を入射させた場合、入射角度0度の光を入射させた場合に比べ、光電変換部40で検出される光強度は減少する。
図11は、測距用画素で検出される光強度と入射角度との関係の例を表した図である。図11に示すように、入射角度が0度であるときに、測距用画素30で検出される光強度は最大となる。入射角度が0度であるときに対して入射光の傾きが大きくなるほど、測距用画素30で検出される光強度は小さくなる。
このように、測距用画素30で検出される光強度は、光の入射角度に依存する。第1回折格子41及び第2回折格子42は、測距用画素30への光の入射角度に応じた強度の光を光電変換部40へ進行させる。なお、入射角度が0度であるときに対して光の進行方向が所定の向きへ傾いたときの入射角度をプラスとして示し、プラスのときとは逆の向きへ光の進行方向が傾いたときの入射角度をマイナスとして示している。
次に、固体撮像装置5による被写体距離の検出の動作について説明する。カメラシステム1は、例えば、被写体距離を検出する距離検出モードと、通常の撮影モードとに切り換え可能であるものとする。
距離検出モードにおいて、固体撮像装置5は、レンズ駆動制御部19の制御により撮像レンズ22を駆動しながら、各測距用画素30による光強度の検出を実施する。被写体距離検出部18は、撮像レンズ22の繰り出し量を変化させるごとにおける、各測距用画素30による光強度の検出結果を取り込む。
図12から図14は、撮像光学系の焦点状態と画素アレイへの光の入射角度との関係を示す図である。図12は、被写体50にピントが合っておらず、被写体50の後方にピントが合っている後ピンの状態を示している。画素アレイ12には、焦点に収束する前の、分散された状態の光が入射する。画素アレイ12のうち被写体50からの光が入射する各測距用画素30は、それぞれ入射角度に応じた光強度を検出する。
被写体距離検出部18は、各測距用画素30で検出された光強度から、測距用画素30ごとにおける光の入射角度を求める。被写体距離検出部18は、画素アレイ12における光の入射角度の分布を基に、分散された状態の光が画素アレイ12へ入射していることを把握する。これにより、被写体距離検出部18は、被写体50にピントが合っていない状態であることを把握する。
図13は、被写体50にピントが合っておらず、被写体50の前方にピントが合っている前ピンの状態を示している。画素アレイ12には、焦点に収束した後の、分散された状態の光が入射する。画素アレイ12のうち被写体50からの光が入射する各測距用画素30は、それぞれ入射角度に応じた光強度を検出する。
被写体距離検出部18は、各測距用画素30で検出された光強度から、測距用画素30ごとにおける光の入射角度を求める。被写体距離検出部18は、画素アレイ12における光の入射角度の分布を基に、分散された状態の光が画素アレイ12へ入射していることを把握する。これにより、被写体距離検出部18は、被写体50にピントが合っていない状態であることを把握する。
被写体50にピントが合っていない状態であることが被写体距離検出部18で検出されると、固体撮像装置5は、ピントが合う状態となるまで、撮像レンズ22の駆動と、測距用画素30での光強度の検出とを繰り返す。
図14は、被写体50にピントが合っている状態を示している。画素アレイ12へ入射する光は、画素アレイ12内の受光面上の焦点に収束している。画素アレイ12のうち被写体50からの光が入射する各測距用画素30は、それぞれ入射角度に応じた光強度を検出する。
被写体距離検出部18は、各測距用画素30で検出された光強度から、測距用画素30ごとにおける光の入射角度を求める。被写体距離検出部18は、画素アレイ12における光の入射角度の分布を基に、画素アレイ12へ入射した光が受光面にて収束していることを把握する。これにより、被写体距離検出部18は、被写体50にピントが合っている状態であることを把握する。
被写体距離検出部18は、被写体50にピントが合っている状態における撮像レンズ22の繰り出し量を基に、被写体距離を求める。撮像レンズ22の繰り出し量は、レンズ駆動制御部19によるフォーカス調整量である。例えば、被写体距離検出部18は、撮像レンズ22の繰り出し量と被写体距離との関係を示すテーブルをあらかじめ保持する。被写体距離検出部18は、かかるテーブルを参照することで、撮像レンズ22の繰り出し量に応じた被写体距離を求める。
実施形態によると、固体撮像装置5は、撮像用画素であるR画素20R、G画素20G及びB画素20Bにおける光の検出結果を基に、カラー画像を得る。固体撮像装置5は、測距用画素30における光の検出結果を基に、被写体距離を求める。固体撮像装置5は、被写体のカラー画像と距離情報とを同時に取得することができる。
撮像用画素と測距用画素30とは、1つの画素アレイ12の中に配置されている。カメラシステム1は、1つの画素アレイ12を備える固体撮像装置5によって、被写体のカラー画像と距離情報とを得ることができる。カメラシステム1は、カラー画像の取得のための撮像素子と距離情報の取得のための測距センサとがそれぞれ設置される場合に比べ、小型化及びコスト低減を容易に図れる。
以上により、固体撮像装置5は、カメラシステム1の小型化及びコスト低減が容易であり、かつ被写体のカラー画像と距離情報とを同時に取得できるという効果を奏する。
カメラシステム1は、被写体距離検出部18及びレンズ駆動制御部19の少なくともいずれかを、後段処理部3のISP6に設けても良い。この場合も、カメラシステム1は、小型化及びコスト低減を容易にでき、かつ被写体のカラー画像と距離情報とを同時に取得できるという効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 カメラシステム、4 撮像光学系、5 固体撮像装置、12 画素アレイ、18 被写体距離検出部、19 レンズ駆動制御部、30 測距用画素、40 光電変換部、41 第1回折格子、42 第2回折格子。
Claims (6)
- 水平方向及び垂直方向へ配列された複数の画素を備え、被写体から各画素への入射光量に応じた信号電荷を生成する画素アレイと、
前記被写体までの距離を検出する被写体距離検出部と、を有し、
前記画素アレイは、各色光の信号レベルを分担して検出する前記画素である撮像用画素と、前記被写体距離検出部にて前記距離を求めるための光強度を検出する前記画素である測距用画素と、を含み、
前記測距用画素は、
前期光強度に応じた電荷を発生させる光電変換部と、
前記光電変換部に対し入射側に位置し、前記測距用画素へ入射した光を回折させる第1回折格子と、
前記光電変換部及び前記第1回折格子の間に位置し、前記第1回折格子を通過した光を回折させる第2回折格子と、を備えることを特徴とする固体撮像装置。 - 前記第1回折格子及び前記第2回折格子は、光を遮蔽する遮光部と、前記遮光部同士の間のスペースとを周期的に配列させた格子パターンを備え、
前記第1回折格子及び前記第2回折格子の間の長さは、前記格子パターンにおける前記遮光部及び前記スペースのピッチに応じて設定された長さであることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記第1回折格子及び前記第2回折格子の間の長さは、前記ピッチに応じたタルボ距離の半分に相当する長さであることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
- 前記第2回折格子の前記格子パターンは、前記第1回折格子の前記格子パターンとは前記遮光部の位置と前記スペースの位置とが入れ換えられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体撮像装置。
- 前記第1回折格子及び前記第2回折格子は、前記測距用画素への光の入射角度に応じた強度の光を前記光電変換部へ進行させ、
前記被写体距離検出部は、前記測距用画素で検出された前記光強度に応じて前記入射角度を求めた結果を基に、前記被写体にピントが合っているか否かを判断して、前記距離を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の固体撮像装置。 - 被写体からの光を取り込み、被写体像を結像させる撮像光学系と、
水平方向及び垂直方向へ配列された複数の画素を備え、前記撮像光学系から各画素への入射光量に応じた信号電荷を生成する画素アレイと、
前記被写体までの距離を検出する被写体距離検出部と、
前記撮像光学系のフォーカスを調整するフォーカス調整部と、を有し、
前記画素アレイは、各色光の信号レベルを分担して検出する前記画素である撮像用画素と、前記被写体距離検出部にて前記距離を求めるための光強度を検出する前記画素である測距用画素と、を含み、
前記測距用画素は、
光強度に応じた電荷を発生させる光電変換部と、
前記光電変換部に対し入射側に位置し、前記測距用画素へ入射した光を回折させる第1回折格子と、
前記光電変換部及び前記第1回折格子の間に位置し、前記第1回折格子を通過した光を回折させる第2回折格子と、を備え、
前記第1回折格子及び前記第2回折格子は、前記測距用画素への光の入射角度に応じた強度の光を前記光電変換部へ進行させ、
前記被写体距離検出部は、前記測距用画素で検出された前記光強度に応じて前記入射角度を求めた結果を基に、前記被写体にピントが合っているか否かを判断して、ピントが合っている状態における前記フォーカス調整部によるフォーカス調整量を基に前記距離を検出することを特徴とするカメラシステム。
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