JP2015113934A - トルクカム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝達されるトルクに応じて生じる推力を大きくすることができるとともに、押圧部材と被押圧部材とが接触する箇所が減少することを抑制することができるトルクカム装置を提供する。【解決手段】凹部および凸部を有する第1カム面29と、第1カム面29における凹部または凸部と円周方向および半径方向にずれて形成された凹部または凸部を備えた第2カム面35とを少なくとも備え、押圧部材と被押圧部材とのいずれかにトルクが伝達されたときに、第1カム面29に当接してトルクを伝達する第1カムフォロアー25と第2カム面35に当接してトルクを伝達する第2カムフォロアー26とを備えている。【選択図】図1
Description
この発明は、伝達されるトルクに応じて軸線方向の推力を生じさせるトルクカム装置に関し、特に押圧部材と被押圧部材とが軸線方向に相対的に移動することができるように構成されたトルクカム装置に関するものである。
ベルト式無段変速機に伝達されるトルクに応じてベルトを挟み付ける挟圧力を生じさせるように構成されたトルクカム装置が特許文献1ないし3に記載されている。各特許文献に記載されたトルクカム装置は、ベルト式無段変速機に設けられたセカンダリプーリに一体に連結された円筒状の駆動側カムと、ベルト式無段変速機にトルクが伝達されたときに、駆動側カムと接触してトルクを伝達するとともに伝達されるトルクに応じてベルトを挟み付ける挟圧力を作用させるように、駆動側カムに形成されたカム面に対向して配置された被駆動側カムとによって構成されている。
なお、特許文献2に記載されたトルクカム装置は、車両が前進するようにトルクを伝達するときに、ベルトを挟み付ける挟圧力を生じさせる第1トルクカム装置と、車両が後進するようにあるいは前進走行時に減速するようにトルクを伝達するときに、ベルトを挟み付ける挟圧力を生じさせる第2トルクカム装置とを備えている。また、第1トルクカム装置を構成する駆動側カムおよび被駆動側カムの内周側に、第2トルクカム装置を構成する駆動側カムおよび被駆動側カムが設けられている。
ところで、特許文献1に記載されたトルクカム装置は、円周方向に二つの凹凸を有する押圧部材と被押圧部材とを対向させて配置させるように構成されている。そのため、トルクカム装置がトルクを伝達しつつ推力を発生させるときには、押圧部材と被押圧部材との接触位置が円周方向で二箇所となるので、被押圧部材を押圧する円周方向での荷重のバランスが崩れる可能性がある。また、特許文献3に記載されたように円周方向に複数の凹凸を形成することにより、被押圧部材を押圧する円周方向での荷重のバランスが崩れることを抑制することができる。しかしながら、円周方向に多くの凹凸を形成すると、円周方向の単位長さ当たりの凸部の高さの変化量または凹部の深さの変化量が小さくなる。そのため、伝達するトルクに応じて生じる推力が小さくなる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、伝達されるトルクに応じて生じる推力を大きくすることができるとともに、押圧部材と被押圧部材とが接触する箇所が減少することを抑制することができるトルクカム装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、互いに相対回転可能な押圧部材と被押圧部材とのいずれか一方に、軸線方向での先端面が軸線方向に凹凸に湾曲したカム面とされた筒状カム部材が取り付けられ、かつ前記カム面に突き当てられてそのカム面の凹凸形状に沿って軸線方向に移動させられるカムフォロアーが前記押圧部材と被押圧部材とのいずれか他方に取り付けられたトルクカム装置において、前記カム面は、前記凹部および凸部を有する第1カム面と、前記第1カム面における凹部または凸部と円周方向および半径方向にずれて形成された凹部または凸部を有する第2カム面とを少なくとも備え、前記カムフォロアーは、前記押圧部材と前記被押圧部材とのいずれかにトルクが伝達されたときに、前記第1カム面に当接してトルクを伝達する第1カムフォロアーと前記第2カム面に当接してトルクを伝達する第2カムフォロアーとを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記押圧部材にトルクが伝達された場合に、前記第1カム面と前記第1カムフォロアーとが当接して前記被押圧部材が軸線方向に押圧されるとともに、前記被押圧部材が軸線方向に押圧される荷重の方向と同一方向に、前記第2カム面と前記第2カムフォロアーとが当接して前記被押圧部材を軸線方向に押圧するように構成されていることを特徴とするトルクカム装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記第1カム面は、円周方向において互いに間隔を空けて形成された二つの凹部または凸部とを有し、前記第1カムフォロアーは、前記第1カム面における二つの凹部または凸部にそれぞれ当接してトルクを伝達する二つのカムフォロアーを有し、前記第2カム面は、円周方向において互いに間隔を空けて形成された二つの凹部または凸部を有し、前記第2カムフォロアーは、前記第2カム面における二つの凹部または凸部にそれぞれ当接してトルクを伝達する二つのカムフォロアーを有することを特徴とするトルクカム装置である。
この発明によれば、押圧部材と被押圧部材とのいずれかにトルクが伝達されたときに、第1カム面に当接してトルクを伝達する第1カムフォロアーと第2カム面に当接してトルクを伝達する第2カムフォロアーとを備えている。また、第1カム面に形成された凹部または凸部と、第2カム面に形成された凹部または凸部とが円周方向および半径方向にずれて形成されている。そのため、第1カムフォロアーが第1カム面に当接してトルクを伝達して推力を生じさせているときに、第2カムフォロアーが第2カム面に当接してトルクを伝達して推力を生じさせる。その結果、押圧部材または被押圧部材に推力を作用させる位置を増加させることができるので、被押圧部材を押圧する円周方向での荷重のバランスが崩れることを抑制することができる。また、それぞれのカム面に形成される凹凸の数を減少させることができるので、円周方向の単位長さ当たりのそれぞれのカム面に形成される凹凸の高さの変化量を減少させることができる。そのため、トルクカム装置に伝達されるトルクに応じて生じる推力を増大させることができる。
また、第1カム面および第2カム面が、それぞれ円周方向において互いに間隔を空けて形成された二つの凹部または凸部を有し、第1カムフォロアーおよび第2カムフォロアーが、それぞれ第1カム面および第2カム面における凹部または凸部に当接してトルクを伝達する二つのカムフォロアーを有する場合には、押圧部材と被押圧部材との接触部が円周方向において四箇所となる。そのため、被押圧部材の姿勢を安定させることができる。また、円周方向の単位長さ当たりのカム面に形成された凹凸の高さの変化量を、第1カム面および第2カム面にそれぞれ凹部または凸部を三つ以上形成した場合よりも減少させることができ、伝達されるトルクに応じて生じる推力を増大させることができる。
この発明に係るトルクカム装置の一例を、ベルト式無段変速機に搭載された例を挙げて説明する。まず、ベルト式無段変速機の構成を簡単に説明する。図6は、車両に搭載された動力伝達装置の模式図を示している。図6に示す動力伝達装置は、エンジンやモータなどの動力源1の出力軸2に、従来知られているトルクコンバータや前後進切替機構などと同様に構成された伝動装置3が連結されている。そして、伝動装置3の出力軸4にベルト式無段変速機5が連結され、出力軸4と平行に配置されたベルト式無段変速機5の出力軸6に図示しないギヤトレーンやデファレンシャルギヤを介して駆動輪7が連結されている。なお、伝動装置3の出力軸4は、ベルト式無段変速機5の入力軸として機能するので、以下の説明では、入力軸4と記す場合がある。
図6に示すベルト式無段変速機5は、プーリとベルトとが潤滑油を介さずに接触してトルクを伝達する乾式のベルト式無段変速機であって、入力軸4に連結されたプライマリプーリ8と、出力軸6に連結されたセカンダリプーリ9と、それらプーリ8,9に巻き掛けられてトルクを伝達するベルト10とを備えている。プライマリプーリ8は、従来知られているプライマリプーリと同様に構成することができるものであって、入力軸4に一体化された固定シーブ11と、入力軸4の中心軸線に沿って移動することができかつ入力軸4と一体に回転するように構成された可動シーブ12とを備えている。それら各シーブ11,12は、テーパ状に形成されていて、それらテーパ面によって形成されたV溝に樹脂などにより被覆されたベルト10が巻き掛けられている。このプライマリプーリ8は、ベルト10の巻き掛け半径を変更するように構成されていて、可動シーブ12を軸線方向に移動させる油圧アクチュエータや電磁アクチュエータなどの推力付与装置13が設けられている。
セカンダリプーリ9は、軸線方向に移動することを規制されかつトルク伝達時に出力軸6と一体に回転するように形成された固定シーブ14と、出力軸6の中心軸線に沿って移動することができかつトルク伝達時に出力軸6と一体に回転するように構成された可動シーブ15とを備えている。それら各シーブ14,15は、テーパ状に形成されていて、それらテーパ面によって形成されたV溝にベルト10が巻き掛けられている。このセカンダリプーリ9は、ベルト10を挟み付ける挟圧力を生じさせることによりベルト式無段変速機5の伝達トルク容量を変化させることができるように構成されていて、可動シーブ15を軸線方向における固定シーブ14側に押圧する押圧装置16が設けられている。
したがって、図6に示す例では、推力付与装置13を制御してV溝の幅を変更することによりベルト式無段変速機5の変速比を変更させるとともに、押圧装置16によりベルト10を挟み付ける挟圧力を生じさせるように構成されている。なお、ベルト10を挟み付ける挟圧力は、ベルト式無段変速機5が伝達するトルクに応じて変化することが好ましい。
図1には、セカンダリプーリ9および押圧装置16の構成の一例を説明するための断面図を示している。なお、図1に示す中心軸線よりも上側は、ベルト式無段変速機5の変速比が最大のとき、すなわち可動シーブ15が固定シーブ14から最も離隔してベルト10の巻き掛け半径が最小になっているときの状態を示し、下側はベルト式無段変速機5の変速比が最小のとき、すなわち可動シーブ15が固定シーブ14側に最も接近してベルト10の巻き掛け半径が最大になっているときの状態を示している。
図1に示す可動シーブ15は、軸線方向における一方の側面にテーパ面15aが形成されたテーパ部15bと、そのテーパ部15bの背面側から軸線方向に突出して形成された円筒状のボス部15cを有している。このボス部15cは、固定シーブ14が一体に形成された保持軸17と一体に回転するようにキーやスプラインなどの係合部材18を介して保持軸17に係合させられている。すなわち、ボス部15cと保持軸17とは一体に回転するとともに、保持軸17の軸線方向に沿って相対的に可動シーブ15が移動することができるように構成されている。なお、図1に示す例では、軸線方向においてボス部15cに係合部材18が連結された箇所を挟んで両側に、樹脂材料によって形成されたブッシュ19,20が設けられていて、可動シーブ15が軸線方向に移動するときの摺動摩擦抵抗を低減させるように構成されている。また、そのブッシュ19,20は、テーパ部15bやボス部15cと一体に移動するようにテーパ部15bおよびボス部15cの内周面に圧入などにより連結されている。
上記のように構成された可動シーブ15を固定シーブ14側に押圧してベルト10を挟み付ける挟圧力を付与するように構成された押圧装置16が、テーパ部15bの背面側に設けられている。具体的には、トルクが伝達されることによりその伝達されるトルクに応じた推力を可動シーブ15に作用させるトルクカム機構21と、可動シーブ15を固定シーブ14側に押圧するように弾性力を作用させるコイルスプリング22とによって、押圧装置16が構成されている。
トルクカム機構21は、図示しないケースなどによって回転自在に保持されかつ軸線方向への移動が制限された押圧部材23と、伝達されるトルクに応じて押圧部材23に接触してトルクを伝達するとともにその伝達するトルクに応じて押圧部材23から固定シーブ14側への推力を受ける被押圧部材24によって構成されている。
被押圧部材24の構成を説明するための斜視図を図2に示している。図2に示す被押圧部材24は、半径方向における内周側に形成された二つの第1カムフォロアー25,25と、外周側に形成された二つの第2カムフォロアー26,26とを備えている。また、第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26とが設けられている位置が、円周方向にずれて形成されている。なお、図2に示す例では、第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26とがそれぞれ二つずつ形成され、かつ円周方向にほぼ90度ずつずれて形成されているが、それぞれのカムフォロアー25(26)が形成される数や、それぞれのカムフォロアー25(26)が円周方向にずれる量あるいは角度は、これに限定されない。
ここで、図2に示す被押圧部材24の構成を具体的に説明する。図2に示す例では、ボス部15cにおけるテーパ部15bに連結されている側の部分の外径が、ボス部15cの端部側の外径よりも大きく形成されている。この外径が比較的大きく形成された大径部15dから軸線方向に突出して第1カムフォロアー25が形成されている。より具体的には、第1カムフォロアー25の一方の端部が大径部15dに一体化され、かつボス部15cの外周面と一体に第1カムフォロアー25が形成されている。また、第1カムフォロアー25の先端部は、鏃状に形成されている。すなわち、第1カムフォロアー25の幅方向における中央部が先端側に突出するように、第1カムフォロアー25の先端部に第1傾斜面27と第2傾斜面28とが形成されている。なお、乾式のベルト式無段変速機5では、ベルト10が巻き掛けられている箇所にオイルが流入することを抑制するように構成されている。それに伴って第1カムフォロアー25が形成されている箇所にオイルが供給されないように構成されている場合がある。そのため、第1カムフォロアー25と後述する第1カム面29とが金属接触することを抑制するために、各傾斜面27,28には、それぞれ樹脂材料などによって形成されたカムチップ30,31が一体に形成されている。
また、第2カムフォロアー26は、第1カムフォロアーと一体に回転するように設けられている。具体的には、大径部15dと一体に回転するようにスプラインによって係合させられた第1円筒部32から軸線方向に突出して第2カムフォロアー26が形成されている。この第2カムフォロアー26も第1カムフォロアー25と同様に鏃状に形成されていて、その先端部に第3傾斜面33と第4傾斜面34とが形成されている。また、第2カムフォロアー26と後述する第2カム面35とが金属接触することを抑制するために、各傾斜面33,34には、それぞれ樹脂材料などによって形成されたカムチップ36,37が一体に形成されている。なお、第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26との先端部の軸線方向での位置が、図2に示す例では一致するように形成されているが、軸線方向での位置が異なっていてもよい。
つぎに、押圧部材23の構成について具体的に説明する。押圧部材23の構成を説明するための斜視図を図3に示している。図3に示す押圧部材23は、大径部15dとほぼ同一の外径に形成されかつ先端面が軸線方向に凹凸に湾曲して形成された第1カム面29を有する円筒状の第1円筒カム38と、その第1円筒カム38の外周面を囲い第1円筒部32とほぼ同一の外径に形成されかつ先端面が軸線方向に凹凸に湾曲して形成された第2カム面35を有する円筒状の第2円筒カム39とによって構成されている。また、その押圧部材23は、被押圧部材24と相対回転可能に設けられている。なお、第1円筒カム38は、テーパ部15bと外径がほぼ同一に形成された環状のプレート部40に一体に形成され、かつ第2円筒カム39は、第2カム面35が形成された端面とは反対側の端面がプレート部40に接触して移動することを規制されるように構成されている。
第1カム面29は、可動シーブ15が軸線方向に移動したときに、常時、第1傾斜面27と第2傾斜面28とのいずれか一方と接触するように構成されている。したがって、第1カム面29が形成された凹凸の高さは、可動シーブ15が軸線方向に移動する量以上に形成されている。また、第1カム面29は、トルクが伝達される時に第1傾斜面27と第2傾斜面28とのいずれか一方と接触するように構成されている。そのため、第1カムフォロアー25が二つ形成されている場合には、円周方向において凹凸が二つ形成される。言い換えると、凹部および凸部に亘って形成されかつ第1傾斜面27に対向した第1接触面41が二つ形成され、凹部および凸部に亘って形成されかつ第2傾斜面28に対向した第2接触面42が円周方向に二つ形成される。
第1カムフォロアー25と第1カム面29との構成をより具体的に説明するための図を図4に示している。この図4では、大径部15dおよび第1円筒カム38の円周方向の長さを横軸に示し、軸線方向の長さを縦軸に示している。図4に示すように第1カム面29は、円周方向の長さに対して軸線方向の長さが予め定められた所定の変化量で変化するように構成されている。また、第1カム面29は、第1カムフォロアー25における第1傾斜面27に取り付けられたカムチップ30に接触する第1接触面41と、第2傾斜面28に取り付けられたカムチップ31に接触する第2接触面42とが形成されている。これら各接触面41,42の円周方向に対する傾斜角度は、同一に形成されている。したがって、第1円筒カム38と第1カムフォロアー25とが相対的に回転したときには、第1カムフォロアー25が第1接触面41と第2接触面42とのいずれか一方の面に沿って軸線方向に移動するように構成されている。また、第1カムフォロアー25と第1円筒カム38とがトルクを伝達する時には、その伝達されるトルクと各接触面41,42の傾斜角度とに応じた推力が第1カムフォロアー25に作用するように構成されている。なお、図4に示す例では、カムチップ30,31の端部が各傾斜面27,28から若干突出するように設けられている。また、各接触面41,42は、図4に示すように所定の傾斜角度で傾斜して形成されたものに限らず、所定の曲率半径に湾曲して形成されていてもよい。
一方、第2円筒カム39は、第1円筒カム38と一体に回転するように第1円筒カム38の外周面にスプラインによって係合させられている。その第2円筒カム39に形成された第2カム面35は、可動シーブ15が軸線方向に移動したときに、常時、第3傾斜面33と第4傾斜面34とのいずれか一方と接触するように構成されている。したがって、第2カム面35が形成された凹凸の高さは、可動シーブ15が軸線方向に移動する量以上に形成されている。また、第2カム面35は、トルクが伝達される時に第3傾斜面33と第4傾斜面34とのいずれか一方と接触するように構成されている。そのため、第2カムフォロアー26が二つ形成されている場合には、円周方向において凹凸が二つ形成される。言い換えると、凹部および凸部に亘って形成されかつ第3傾斜面33に対向した第1接触面43が二つ形成され、凹部および凸部に亘って形成されかつ第4傾斜面34に対向した第4接触面44が円周方向に二つ形成される。
第2カムフォロアー26と第2カム面35との構成をより具体的に説明するための図を図5に示している。この図5では、円筒部32および第2円筒カム39の円周方向の長さを横軸に示し、軸線方向の長さを縦軸に示している。図5に示すように第2カム面35は、円周方向の長さに対して軸線方向の長さが予め定められた所定の変化量で変化するように構成されている。また、第2カム面35は、第2カムフォロアー26における第3傾斜面33に取り付けられたカムチップ36に接触する第3接触面43と、第4傾斜面34に取り付けられたカムチップ37に接触する第4接触面44とが形成されている。これら各接触面43,44の円周方向に対する傾斜角度は、同一に形成されている。したがって、第2円筒カム39と第2カムフォロアー26とが相対的に回転したときには、第2カムフォロアー26が第3接触面43と第4接触面44とのいずれか一方の面に沿って軸線方向に移動するように構成されている。また、第2カムフォロアー26と第2円筒カム39とがトルクを伝達する時には、その伝達されるトルクと各接触面43,44の傾斜角度とに応じた推力が第2カムフォロアー26に作用するように構成されている。なお、図5に示す例では、カムチップ36,37の端部が各傾斜面33,34から若干突出するように設けられている。また、各接触面43,44は、図5に示すように所定の傾斜角度で傾斜して形成されたものに限らず、所定の曲率半径に湾曲して形成されていてもよい。
第1カム面29における凸部または凹部と、第2カム面35における凸部または凹部との円周方向のずれ量と、第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26との円周方向のずれ量とが一致するように構成されている。言い換えると、第1カム面29に第1カムフォロアー25が突き当てられて当接する位置と、第2カム面35に第2カムフォロアー26が突き当てられて当接する位置との円周方向でのずれ量が、第1カム面29における凹部または凸部と、第2カム面35における凹部または凸部との円周方向でのずれ量と一致するように構成されている。すなわち、第1カム面29と第2カム面35との位相差と、第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26との位相差とが一致するように構成されていて、トルクカム機構21にトルクが伝達されて第1カムフォロアー25が第1カム面29にトルクを伝達しかつ可動シーブ15を固定シーブ14側に押圧する推力を生じさせるときに、第2カムフォロアー26が第2カム面35にトルクを伝達しかつ可動シーブ15を固定シーブ14側に押圧する推力を生じさせるように構成されている。
上記プレート部40は、第2円筒カム39およびコイルスプリング22の座面として機能するように構成されている。具体的には、第2円筒カム39よりも外径が大きく形成されており、第2円筒カム39が第2カムフォロアー26から伝達されるトルクに応じて軸線方向に押圧される荷重をプレート部40の側面で受け、かつコイルスプリング22の弾性力を受けるように構成されている。そして、プレート部40の内周部分から背面側に突出した円筒状の出力軸6が一体に形成されている。この出力軸6の端部の外周面には、スプラインによって図示しないギヤが連結されていて、そのギヤを介して駆動輪7にトルクが伝達されるように構成されている。
なお、図1に示す例では、保持軸17の端部および出力軸6は、オイルが封入されたラジアル軸受45,46を介して図示しないケースに回転自在に保持されている。また、プレート部40と保持軸17との間には、シール部材47が設けられている。したがって、図1に示す例では、各ラジアル軸受45,46およびシール部材47によって囲われた空間にオイルが流入しないように構成されている。
つぎに、図1に示すトルクカム機構21の作用について説明する。図1に示す例では、前進走行時にエンジン1から駆動力を出力しているときには、ベルト10から固定シーブ14と可動シーブ15とにトルクが伝達される。すなわち、ベルト10により伝達されるトルクが固定シーブ14と可動シーブ15とに二分されて伝達される。そのように固定シーブ14に伝達されたトルクは、係合部材18を介してボス部15cに伝達されて可動シーブ15に伝達されたトルクに合算される。したがって、ベルト10により伝達されるトルクのほぼ全てが可動シーブ15に伝達される。そして、可動シーブ15にトルクが伝達されることに伴って、第1カムフォロアー25と第1カム面29とが接触するとともに、第2カムフォロアー26と第2カム面35とが接触する。そのように各カムフォロアー25,26と各カム面29,35とが接触した状態でトルクを伝達すると、その接触面に作用するトルクとカム面の傾斜角度とに応じた推力が可動シーブ15に作用する。その結果、可動シーブ15が固定シーブ14側に押圧されるので、ベルト10を挟み付ける挟圧力が生じる。なお、コイルスプリング22が設けられているので、接触面に作用するトルクに基づく推力に加えてコイルスプリング22の弾性力が可動シーブ15に作用する。
一方、各カム面29,35にトルクが作用することにより第1円筒カム38と第2円筒カム39にトルクが伝達される。また、第2円筒カム39は、上記のように第1円筒カム38にスプラインによって係合させられているので、第2円筒カム38に伝達されたトルクが第1円筒カム39に伝達されたトルクに合算される。そして、第1円筒カム38に伝達されたトルクが、図示しないギヤを介してベルト式無段変速機5から出力される。なお、後進走行時にエンジン1から駆動力を出力しているときや、エンジンブレーキ力を作用させるなど駆動輪8からトルクが伝達されるときには、トルクカム装置21に入力されるトルクの方向が、上記と反対になるが、そのようにトルクがトルクカム装置21に入力された場合にも、トルクカム装置21に入力されるトルクに応じて可動シーブ15が固定シーブ14側に押圧される。
なお、前進走行時にエンジン1から駆動力を出力しているときには、第1接触面41と第2接触面42とのいずれか一方が第1カムフォロアー25と接触するとともに、第3接触面43と第4接触面44とのいずれか一方が第2カムフォロアー26と接触する。また、後進走行時にエンジン1から駆動力を出力しているときや、エンジンブレーキ力を作用させるなど駆動輪8からトルクが伝達される時には、第1接触面41と第2接触面42とのいずれか他方が第1カムフォロアー25と接触するとともに、第3接触面43と第4接触面44とのいずれか他方が第2カムフォロアー26と接触する。
図1に示すように第1カム面29と第2カム面35とを円周方向にずらして形成し、かつそれぞれのカム面29,35に対応して第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26とをずらして形成することにより、伝達されるトルクに応じて可動シーブ15を固定シーブ14側に押圧する際に、円周方向において複数箇所でカムフォロアー25,26がカム面29,35に突き当てられる。そのため、可動シーブ15を押圧する推力が、円周方向で不均一になることを抑制することができる。言い換えると、複数のカム面29,35を形成することによりそれぞれのカム面29,35に形成される凹凸の数を減少させたとしても、可動シーブ15を押圧する推力が、円周方向で不均一になることを抑制することができる。その結果、各カム面29,35に形成される傾斜面の傾斜角度を小さくすることができるので、伝達されるトルクに応じて可動シーブ15に作用する推力を増大させることができる。
特に、第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26とをそれぞれ二つ形成するとともに、それら各カムフォロアー25,26に当接するカム面29,35をそれぞれ二つの傾斜面を備えた構成とすることにより、接触部が円周方向で四箇所となる。そのため、接触する位置が三箇所以上となることにより、被押圧部材である可動シーブ15がほぼ面で押圧されることとなる。そのため、可動シーブ15の姿勢が安定する。さらに、各カム面29,35に形成された傾斜面の傾斜角度が、三つ以上の傾斜面を形成する場合よりも小さくすることができる。言い換えると、伝達されるトルクに応じて可動シーブ15を押圧する押圧力を大きくすることができる。
なお、上述したように第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26とがスプラインによって係合させられたものに限らず、第1カムフォロアー25と第2カムフォロアー26とを一体に形成したものであってもよい。同様に第1円筒カム38と第2円筒カム39とを一体に形成したものであってもよい。また、第2カムフォロアー26や第2円筒カム39よりも外周側に、更に他のカムフォロアーと他の円筒カムとを設けていてもよい。すなわち、円周方向および半径方向にずれたカムフォロアーおよび円筒カムが複数形成されていればよく、その数は特に限定されない。さらに、各カムフォロアー25,26同士あるいは各カム面29,35同士が、円周方向で一部重なって形成されていてもよい。そして、上述した例では、各カムフォロアーが可動シーブと一体となって回転しかつ軸線方向に移動するように構成された例を挙げて説明したが、円筒カムが可動シーブと一体となって回転しかつ軸線方向に移動するように構成されていてもよい。
21…トルクカム機構、 25,26…カムフォロアー、 29,35…カム面、 33,34,27,28…傾斜面、 41,42,43,44…接触面。
Claims (3)
- 互いに相対回転可能な押圧部材と被押圧部材とのいずれか一方に、軸線方向での先端面が軸線方向に凹凸に湾曲したカム面とされた筒状カム部材が取り付けられ、かつ前記カム面に突き当てられてそのカム面の凹凸形状に沿って軸線方向に移動させられるカムフォロアーが前記押圧部材と被押圧部材とのいずれか他方に取り付けられたトルクカム装置において、
前記カム面は、前記凹部および凸部を有する第1カム面と、前記第1カム面における凹部または凸部と円周方向および半径方向にずれて形成された凹部または凸部を備えた第2カム面とを少なくとも備え、
前記カムフォロアーは、前記押圧部材と前記被押圧部材とのいずれかにトルクが伝達されたときに、前記第1カム面に当接してトルクを伝達する第1カムフォロアーと前記第2カム面に当接してトルクを伝達する第2カムフォロアーとを備えている
ことを特徴とするトルクカム装置。 - 前記押圧部材にトルクが伝達された場合に、前記第1カム面と前記第1カムフォロアーとが当接して前記被押圧部材が軸線方向に押圧されるとともに、前記被押圧部材が軸線方向に押圧される荷重の方向と同一方向に、前記第2カム面と前記第2カムフォロアーとが当接して前記被押圧部材を軸線方向に押圧するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトルクカム装置。
- 前記第1カム面は、円周方向において互いに間隔を空けて形成された二つの凹部または凸部とを有し、前記第1カムフォロアーは、前記第1カム面における二つの凹部または凸部にそれぞれ当接してトルクを伝達する二つのカムフォロアーを有し、前記第2カム面は、円周方向において互いに間隔を空けて形成された二つの凹部または凸部を有し、前記第2カムフォロアーは、前記第2カム面における二つの凹部または凸部にそれぞれ当接してトルクを伝達する二つのカムフォロアーを有することを特徴とする請求項1または2に記載のトルクカム装置。
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JP2013257206A JP2015113934A (ja) | 2013-12-12 | 2013-12-12 | トルクカム装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022176001A1 (ja) * | 2021-02-16 | 2022-08-25 | 本田技研工業株式会社 | プーリー装置 |
-
2013
- 2013-12-12 JP JP2013257206A patent/JP2015113934A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2022176001A1 (ja) * | 2021-02-16 | 2022-08-25 | 本田技研工業株式会社 | プーリー装置 |
JP7434661B2 (ja) | 2021-02-16 | 2024-02-20 | 本田技研工業株式会社 | プーリー装置 |
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