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JP2015104473A - 引出し - Google Patents

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JP2015104473A
JP2015104473A JP2013247338A JP2013247338A JP2015104473A JP 2015104473 A JP2015104473 A JP 2015104473A JP 2013247338 A JP2013247338 A JP 2013247338A JP 2013247338 A JP2013247338 A JP 2013247338A JP 2015104473 A JP2015104473 A JP 2015104473A
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decorative
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JP2013247338A
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仲村 崇広
Takahiro Nakamura
崇広 仲村
悠貴 春田
Yuki Haruta
悠貴 春田
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Toclas Corp
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Abstract

【課題】引出し本体に対する化粧板の位置調節を短時間で簡単に行える引出しを提供する。【解決手段】底板21と、側板22a,22bを備えた引出し本体20aの前部に化粧板24を取り付けて構成される引出し20において、固定板26と、調節ピン27と、固定ねじ28を設けて、化粧板24を位置調節可能にした。固定板26は、側板22a,22bの前部にそれぞれ設けられ、左右に長い長孔26aとねじ挿通孔とを備え、調節ピン27は、軸部とカム部からなり、カム部を長孔26a内に位置させて軸部が化粧板24の裏面に回転可能に取り付けられ、調節ピン27の回転により化粧板24が上下移動するようにし、固定ねじ28は、ねじ挿通孔を挿通して化粧板24の裏面に螺合することにより化粧板24を固定板26に固定する。【選択図】図2

Description

本発明は、各種の物品を収容するキャビネット等の物品収納家具に備わった引出しに関する。
従来から、例えばシステムキッチンには、シンクや加熱調理器等が設けられた複数のキャビネットを組み付けて構成されたものがあり、このようなキャビネットには、通常、引出しが備わっている。このような引出しの中に、底板と、底板の両側に設けられた一対の側板を備えた引出し本体の前部に化粧板を位置調節可能に取り付けて構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この引出しは、底板、左右の側板および背板を組み付けて上面および前面が開口した引出し箱本体(引出し本体)を構成し、この引出し箱本体における背板の対向面に、引出し前板(化粧板)をそれぞれ2個の取付具と締付具を用いて組み付けることによって構成されている。取付具は、それぞれ左右に長い取付孔が上下に2個設けられ引出し前板に固定される取付片と、丸孔からなる取付孔が上下に2個設けられ引出し箱本体の側板に固定される取付片とで構成されている。また、各側板の前端側部分には、上下方向に長い取付孔が前述した丸孔からなる取付孔と同じ間隔で上下に2個設けられている。そして、締付具は鋼板からなっており、その一方の面には、雌ねじが丸孔からなる取付孔と同じ間隔で上下に2個設けられている。
この引出しにおいて、引出し箱本体に引出し前板を取り付ける場合には、まず、取付具の左右に長い取付孔に取付ねじを挿通して引出し前板に螺着させることにより引出し前板に取付具を固定する。つぎに、側板の内面に取付具を当てるとともに、側板の外面に締付具を当てて、取付具の丸孔からなる取付孔と側板の取付孔に取付ねじを挿通して締付具の雌ねじに螺合させることにより、引出し箱本体に引出し前板を固定する。このようにして、引出し箱本体に引出し前板を取り付けることができ、この引出しでは、取付具に左右に長い取付孔を設けることによって、引出し前板を引出し箱本体に対して左右に位置調節可能にし、側板に上下方向に長い取付孔を設けることによって、引出し前板を引出し箱本体に対して上下に位置調節可能にしている。
特開2001−104075号公報
しかしながら、前述した従来の引出しでは、引出し箱本体に対する引出し前板の上下方向の位置を調節するときに、取付ねじを緩めると、引出し前板の調節範囲の下限まで引出し前板が落下してしまう。このため、引出し前板が落下しない程度に取付ねじを緩めた状態で、引出し前板を移動させて位置調節を行い、その後取付ねじを締める操作を行う必要があるが、この操作が面倒で調節し難いため長い時間がかかるという問題がある。すなわち、落下しない程度に固定された引出し前板を移動させるには、引出し前板が落下しない程度に固定された力以上の力が必要であるため、力加減が難しく、微調節に長い時間がかかってしまう。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、引出し本体に対する化粧板の位置調節を短時間で簡単に行える引出しを提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係る引出しの構成上の特徴は、底板(21,41)と、底板の両側に設けられた一対の側板(22a,22b,32a,42a,42b)を備えた引出し本体(20a,40a,50a)の前部に化粧板(24,34)を取り付けて構成される引出し(20,30)であって、一対の側板の前部に設けられ、左右に長い長孔(26a,36a,46a)と、ねじ挿通孔(26b,46b)とが形成された化粧板固定部(26,36,46,56)と、化粧板の裏面に回転可能に取り付けられる軸部(27a,37a)と、長孔内に配置されるカム部(27b,37b)とからなり、カム部を長孔内に位置させて軸部が化粧板の裏面に回転可能に取り付けられ、軸部の回転により化粧板を化粧板固定部に対して上下移動させる調節ピン(27,37)と、ねじ挿通孔を挿通して化粧板の裏面に螺合することにより化粧板を化粧板固定部に固定する固定ねじ(28,38)とを備えたことにある。
本発明に係る引出しでは、一対の側板の前部に化粧板固定部が設けられており、この化粧板固定部には、左右に長い長孔とねじ挿通孔とが形成されている。また、化粧板の裏面には、軸部とカム部とからなる調節ピンが軸部の軸周り方向に回転可能に取り付けられており、カム部は長孔内に位置している。このため、調節ピンを回転させることにより、引出し本体に対して化粧板を上下方向に移動させることができる。この場合、化粧板の裏面に支持穴を設けて、この支持穴に調節ピンの軸部を軸周り方向に回転可能に取り付けることが好ましく、このときの調節ピンは回転方向に所定の力が加わったときに回転するようにしておくことがさらに好ましい。
このように構成することで、化粧板を固定している固定ねじを緩めて、化粧板が上下方向の調節範囲の下限に位置したとしても、調節ピンのカム部の周面が長孔の下方の内周面に当接するので、調節ピンを回転させるだけで、化粧板の上下方向の位置を調節することができる。ここで、カム部における調節ピンの軸部の中心軸の延長線から最も離れた部分が最も下方に位置したときに、化粧板は最上部に位置する。また、調節ピンのカム部における調節ピンの軸部の中心軸の延長線に最も近い部分が最も下方に位置したときに、化粧板は最下部に位置する。なお、長孔の長手方向の大きさは、カム部の周辺が描く軌跡よりも大きければよく、短手方向の大きさは、カムを長孔内に位置させることができる大きさであればよい。
さらに、化粧板を左右方向に移動させる際、化粧板は、調節ピンのカム部の周面が長孔の内周面の左右両側部分に当接する間で移動でき、カム部の周縁と調節ピンの軸部の中心軸の延長線から最も近い部分が最も左側または右側に位置したときに、化粧板は最も左側または右側に位置する。このように、長孔内で調節ピンを左右方向に移動させることにより、引出し本体に対して化粧板を左右方向に移動させることができる。このため、化粧板を調節ピンと化粧板固定部を介して側板に支持、すなわち、調節ピンのカム部の周面を長孔の下方の内周面に当接させた状態で上下方向および左右方向に位置調節することができる。
そして、化粧板の位置調節をしたのちに、固定ねじをねじ挿通孔に通して化粧板の裏面に螺合させることにより化粧板を化粧板固定部に固定することができる。このように、長孔に対する調節ピンのカム部の位置を調節し、固定ねじを化粧板の裏面に螺合させるだけの操作で化粧板を引出し本体の適正位置に固定することができるため、化粧板の取り付けを短時間で簡単に行える。また、この場合の固定ねじとしては、ねじが形成された軸部と頭部を備えたものを用い、頭部の大きさを、ねじ挿通孔の直径よりも大きくすることが好ましい。なお、化粧板固定部と固定ねじの頭部との間にねじ挿通孔の直径よりも大きいワッシャなどの部材を設置して固定ねじを化粧板の裏面に螺合させる場合には、固定ねじの頭部の大きさは、ねじ挿通孔の直径よりも小さくてもよい。
また、化粧板における固定ねじが螺合する部分が予め決まっている場合には、ねじ挿通孔の上下方向や左右方向の長さを固定ねじの胴部の直径よりも長くして、化粧板の位置調節ができるようにする。この場合、一旦、化粧板を固定部に固定したのちに、化粧板の位置を調節し直すために、固定ねじを緩めても、調節ピンによって、化粧板が落下することが防止される。さらに、化粧板固定部は、側板と一体に形成されたもので構成してもよいし、別部材で構成して側板に固定するようにしてもよい。
本発明に係る引出しの他の構成上の特徴は、化粧板固定部が、一対の側板の前部にそれぞれ設けられた一対のもので構成され、各化粧板固定部に対応する調節ピンおよび固定ねじが備わっていることにある。
本発明に係る引出しでは、一対の側板の前部にそれぞれ化粧板固定部が設けられ、化粧板の裏面には、各化粧板固定部の長孔にそれぞれ対応する調節ピンが軸部の軸周り方向に回転可能に取り付けられている。そして、化粧板の位置調節をしたのちに、固定ねじを各化粧板固定部のねじ挿通孔に通して化粧板の裏面に螺合させることにより化粧板を化粧板固定部に固定することができる。このように、一対の側板のそれぞれに化粧板の位置を調節するための機構を設けたため、化粧板の一方を調節したのちに、他方を調節できるようになり、化粧板の位置調節が容易になる。また、化粧板固定部を側板の前部にそれぞれ設ける場合でも、化粧板固定部は、側板と一体に形成してもよいし、別部材で構成して側板に固定するようにしてもよい。
本発明に係る引出しのさらに他の構成上の特徴は、化粧板固定部が、一対の側板の前端面からそれぞれ化粧板の裏面に沿って引出し本体の内部側に突出していることにある。
本発明によると、化粧板固定部が、引出しの内部に位置するため、引出しの側板の外部側には突出した部分を設ける必要がなくなる。このため、両側板を化粧板の両側縁部に沿って配置することができ、これによって引出しの容量が大きくなり収納量を増やすことができる。また、化粧板固定部の長孔とねじ挿通孔とが、引出しの内部で化粧板の裏面に対向するようになるため、調節ピンや固定ねじ等、化粧板を位置調節する際に操作する部分が引出しの内部に位置するようになる。このため、引出しが取り付けられるキャビネット等の側面を部屋を仕切る壁などに隣接させて配置した場合であっても、引出しをキャビネット等から引き出して、引出しの内部に手を入れることにより、容易に操作することができる。
本発明の第1実施形態に係る引出しを備えたシステムキッチンを示した斜視図である。 引出しを示した斜視図である。 引出しを示した側面図である。 引出しが取り付けられた中央側キャビネットを側方から見た状態を示した断面図である。 図4の5−5断面図である。 一方の側板に固定板を固定した状態を示した正面図である。 調節ピンを示した斜視図である。 調節ピンを示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である。 引出しを示した断面図である。 図9の領域cを示した拡大図である。 引出しに取り付けられた化粧板を示しており、(a)は化粧板を下げた状態の断面図、(b)は化粧板を上げた状態の断面図である。 図5を模式的に示した断面図である。 図11を模式的に示した引出しに取り付けられた化粧板を示しており、(a)は化粧板を下げた状態の断面図、(b)は化粧板を上げた状態の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る引出しが備える引出し本体に固定板を取り付けた状態を示した斜視図である。 第2実施形態の変形例に係る引出しが備える引出し本体に固定板を取り付けた状態を示した斜視図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る引出しを図面を用いて詳しく説明する。図1は、同実施形態に係る引出し20を備えたシステムキッチン10を示している。なお、以下の説明において、前後、左右、上下の各方向は、図1に基づいたものとし、図1の手前(正面)側を前方、奥側を後方とする。このシステムキッチン10は、正面から見た状態で、食器洗浄乾燥機11および引出し20を備えた中央側キャビネット12の右側にコンロキャビネット13を組み付け、中央側キャビネット12の左側にシンクキャビネット14を組み付けて構成されている。
システムキッチン10の上面部はカウンター15で構成されており、コンロキャビネット13の上部におけるカウンター15の部分には、コンロ台16が設けられ、シンクキャビネット14の上部におけるカウンター15の部分には、シンク17および水栓17aが設けられている。また、中央側キャビネット12には、引出し20の他、引出し12a,12bも設けられている。そして、コンロキャビネット13には引出し13a,13bが設けられ、シンクキャビネット14には引き出し14a,14bが設けられている。
引出し20は、図2および図3に示したように、引出し本体20aと、化粧板24と、化粧板24を引出し本体20aの前部(図2では紙面奥側が前方、図3では、紙面左側が前方)に位置調節可能に取り付ける一対の位置調節機構25で構成されており、図4に示したように、中央側キャビネット12内に設けられたレール18に沿って中央側キャビネット12の内部と外部との間でスライド移動可能になっている。このレール18は、図5(図4の5−5断面)に破線で示した中央側キャビネット12の側板に固定されている。なお、図3,4,9は取手を省略している。
引出し本体20aは、水平に配置された矩形の木材板からなる底板21の上面における左右両縁部に、矩形の金属板からなる一対の側板22a,22bを垂直にして固定するとともに、底板21の後端面と側板22a,22bの後端面に、矩形の木材板からなる背板23を垂直にして固定することにより形成されている。この引出し本体20aは、上面と前面が開放された箱状に形成されており、高さよりも左右の幅が長くなっており、左右の幅よりも前後の長さが長くなっている。
化粧板24は、左右の長さが背板23よりも少し長く設定され、上下の長さが背板23の略2倍に設定された矩形の板で構成されており、前面に模様や色彩からなる意匠が施されている。また、化粧板24の後面の左右両側の下部側部分には、それぞれ支持穴24a(図10参照)が形成されている。そして、化粧板24の後面における各支持穴24aの上下には、それぞれ支持穴24aとの間隔を同じにして固定用穴24bが形成され、固定用穴24b内に円筒状のねじ止め部材24cが固定されている。ねじ止め部材24cは、樹脂で構成されており、外周面に前部よりも後部が大径になった複数の段部が形成されている。また、その側面には軸方向に離隔した切断部が形成されており、固定ねじ28が螺入されることで、ねじ止め部材の直径が広がり、この複数の段部によって、ねじ止め部材24cが固定用穴24bから抜けることを防止する。
位置調節機構25は、引出し本体20aに対して化粧板24を位置調節可能に組み付けるもので、図5に示したように、引出し本体20aに化粧板24が組み付けられたときの、化粧板24の左右両側の下部とそれに対応する側板22a,22bの前端面とにかけてそれぞれ設けられている。各位置調節機構25は、それぞれ固定板26と、調節ピン27と、2個の固定ねじ28とで構成されている。各固定板26は、それぞれ上下に延びる細長い金属板で構成されており、図6に示したように、側板22a,22bの前端面にねじ25aで固定されて、互いに対向するように内側に延びている。
ここで、固定板26には、ねじ25aのねじ頭を固定板26の前面から突出させないために、ねじ頭を収容する図示しない凹部を形成している。これにより固定板26に化粧板24を取り付けたとき、固定板26の前面と化粧板24の後面との間に隙間が生じることを防ぐことができる。また、底板21の前端面は側板22に固定された固定板26の前端面と面一に設定されている。これにより、引出し本体20aに化粧板24を取り付けたとき、底板21の前端面と化粧板24の後面の間に隙間が生じることを防ぐことができる。
さらに、固定板26の高さは、底板21の上面から側板22の上面までの高さとほぼ同一高さに設定されている。これにより、引き出し20aを側方から見たときに、側板22の前端面と化粧板24の間に隙間が生じることを防ぐことができる。なお、固定板26の高さは、底板21の上面から側板22の上面までの高さよりも低くてもよい。側板22は固定板26を介して化粧板24に固定されるので、引出し本体の強度を保つことができる。
すなわち、固定板26は、それぞれ幅方向の一方の縁部側を引出し本体20aの内部側に突出させて化粧板24の後面に沿えるようになった状態で、側板22a,22bの前端面に固定されており、この固定板26で本発明に係る化粧板固定部が構成される。そして、固定板26における上下方向の中央には上下よりも左右の方が長い長円状の長孔26aが固定板26を前後に貫通して形成され、長孔26aを挟んで上下にそれぞれねじ挿通孔26b(図10参照)が固定板26を前後に貫通して形成されている。
固定板26aは厚さ2mmの金属板で形成している。長孔26aの中心部と、各ねじ挿通孔26bの中心部との間隔は、化粧板24の支持穴24aの中心部と、各固定用穴24bの中心部の間隔と同じに設定されている。そして、長孔26aの左右方向の長さは、17mmに設定され、長孔26aの上下方向の長さは、9mmに設定されている。長孔26aは長手方向の中心線が水平、すなわちキャビネットの垂直方向に対して直交するように形成されている。また、ねじ挿通孔26bの直径は8.5mmに設定されている。この2個の固定板26は、左右対称に配置されている。
調節ピン27は、図7および図8(a),(b)に示したように、円柱形状の軸部27aと、軸部27aの端部(図7および図8(a),(b)の状態での上端部)に形成したカム部27bで構成している。本実施例のカム部27bは円柱形状に形成し、その中心軸を軸部27aの中心軸からずらすことで、カムが形成される。軸部27aは、外周面に、カム部27b側から下側にいくにしたがって徐々に直径が小さくなった凸部27cを複数形成することにより段状に形成されており、大径部の直径が8mmで軸方向の長さが11mmに設定されている。ここで、化粧板24に形成された支持穴24aは軸部27aの大径部の直径と同じ直径に設定されている。
軸部27aは、化粧板24の後面に形成された支持穴24aに回転可能に挿入される。支持穴24aが軸部27aの大径部の直径と同じ直径なので、軸部27aは、凸部27cによって支持穴24aから抜け止めされると共に、軸周り方向に回転可能かつ調節ピン27を任意の位置で停止させることが可能になる。調節ピン27が任意の位置で停止できるので、化粧板24を再調節する場合、化粧板24を現在の位置から調節できる。すなわち、化粧板を調節する時間をさらに短縮できる。カム部27bは、直径が8mmで厚みが4mmの円板状に形成されており、その中心軸aが、軸部27aの中心軸bから2.5mm離れた状態で軸部27aに形成されている。また、カム部27bの上端面には工具を係合させて軸部27aを回転させるための十字状の溝27dが形成されている。
このため、軸部27aの中心軸bを中心として、調節ピン27を回転させると、カム部27bにおける軸部27aの中心軸bから最も遠い部分27eは、直径が13mmの円弧を描くように回転し、カム部27bにおける軸部27aの中心軸bから最も近い部分27fは、直径が3mmの円弧を描くように回転する。また、調節ピン27を介して化粧板24を固定板26に組み付けたときに、カム部27bは長孔26aの内部に位置する。このため、カム部27bの最下部が長孔26aの内周面下部に当接した状態で化粧板24は、調節ピン27を介して固定板26に支受されるようになり、調節ピン27が回転すると、化粧板24は、5mmの範囲で上下に移動する。また、化粧板24は、カム部27bの左右の縁部が長孔26aの内周面の左右の端部に当接するまでの範囲で左右に移動することができこの場合の移動範囲は、4mmになる。
固定ねじ28は、略円板状の頭部28aと、頭部28aの中央から延びる軸部28bで構成されており、ワッシャ28cを介して化粧板24の後面に取り付けられたねじ止め部材24cに螺合する。すなわち、ねじ挿通孔26bの開口にワッシャ28cを位置させて、固定ねじ28の胴部28bを、ワッシャ28cの開口とねじ挿通孔26bに通して化粧板24の後面に取り付けられたねじ止め部材24cに螺合させると、頭部28aはワッシャ28cを介してねじ挿通孔26bの周縁部に係合する。これによって、化粧板24を固定板26に固定できる。このねじ止め部材24cおよびワッシャ28cによって、固定ねじ28が緩むことを防止できる。また、ねじ挿通孔26bは、化粧板24を上下左右に位置調節できる程度の大きさに設定されていればよい。
図9,10に示すように、このように構成された引出し20において、引出し本体20aに化粧板24を組み付け、および調節する際には、図11に示すように、固定板26がそれぞれ固定された側板22a,22bの前部に化粧板24を合わせて、化粧板24に取り付けられた調節ピン27のカム部27bをそれぞれ対応する固定板26の長孔26a内に位置させる。つぎに、固定ねじ28とワッシャ28cを用いて、カム部27が長孔26aから外れない程度に、固定ねじ28を化粧板24に締め付けたのちに、2個の調節ピン27をそれぞれ回転させて引出し本体20aに対する化粧板24の高さを調節する。ついで、化粧板24を左右に移動させる、すなわち、長孔26a内におけるカム部27bの左右位置を変更することにより引出し本体20aに対する化粧板24の左右の位置を調節する。
化粧板24の位置調節が終了すると、固定ねじ28で化粧板24と固定板26を固定する。これによって、化粧板24が引出し本体20aの適正位置に固定された引出し20が得られる。この場合の適正位置に固定とは、引出し20を中央側キャビネット12から出し入れする際に、化粧板24が引出し12a,12bと接触することなくスムーズに移動できる位置に取り付けられ、隣接する引出しの化粧板との隙間が均一であることである。
このように、本実施形態に係る引出し20では、側板22a,22bの前部にそれぞれ長孔26aと2個のねじ挿通孔26bを備えた固定板26が固定され、化粧板24の後面には調節ピン27が回転可能に取り付けられている。そして、調節ピン27のカム部27bが長孔26a内に位置しているため、調節ピン27を回転することにより、引出し本体20aに対して化粧板24を上下方向に移動させることができる。この場合、図11(a),(b)に断面で示したように、化粧板24の位置を変更できる。図11(a)の状態では、化粧板24は、引出し本体20aに対して下方に位置している。
また、化粧板24の位置を上方に変更する場合には、固定ねじ28を緩めて、2個の調節ピン27をそれぞれ回転させて引出し本体20aに対する化粧板24の高さを高くする。これによって、図11(b)に示したように、引出し本体20aに対する化粧板24の高さが高くなる。また、長孔26a内で調節ピン27を左右方向に移動させることができるため、化粧板24を左右方向に移動させることもできる。このため、化粧板24を調節ピン27を介して固定板26に支持させた状態で上下方向および左右方向に位置調節することができる。
そして、化粧板24の位置調節をしたのちに、固定ねじ28を締め付けることにより化粧板24を固定することができる。このように、本実施形態によると、長孔26aに対するカム部27bの位置を調節し、固定ねじ28を、ねじ止め部材24cおよびワッシャ28cを介して化粧板24の裏面に螺合させて締め付けるだけの操作で化粧板24を引出し本体20aの適正位置に固定することができるため、化粧板24の取り付けを短時間で容易に行える。また、一旦、化粧板24を固定したのちに、化粧板24の位置を調節し直すために、固定ねじ28を緩めても、調節ピン27によって、化粧板24が落下することが防止される。
さらに、本実施形態によると、化粧板24の位置を調節するとともに固定するための位置調節機構25が、引出し20の内部に位置するため、引出し20の側板22a,22bの外部側には突出した部分を設ける必要がなくなる。このため、引き出し20が収容されるキャビネットの左右の幅に対して、側板22a,22bの間隔を最大限に広げて配置することができ、これによって引出し20の収納量を増やすことができる。
以下、化粧板24を上下に調節する過程を図5、図11の模式図として示した図12、13で説明する。図12は、引出し30を後方から前方に向けて見た断面図である。また、図13は図12のA−Aを通る断面を左から見た断面図である。なお、図13は図12で示す右側の調節機構を示しているが、左側の調節機構は右側と対称である。また、固定ねじ38と固定板36の間のワッシャは省略し、調節ピン37のカム37bは軸部37aの端面を覆う形状となっている。また、図13(a)は化粧板34が調節範囲の下限に位置したとき、(b)は調節範囲の上限に位置したときを示している。
図12、13に示すように、固定板36は、側板32aの前端面に取り付けられている。調節ピン37は、化粧板34の後面に形成された支持穴34aに軸部37aを挿入し取り付けられている。化粧板34に取り付けられた調節ピン37のカム部37bは、固定板36の長孔36a内に位置している。化粧板34は、固定板36を介し、固定ねじ38で固定されている。
化粧板34を調節ピンで調節できる調節範囲の下限(図13(a))から上限(図13(b))に調節する場合、カム部37bが長孔36aから外れない程度に、固定ねじ38を緩める。そして、調節ピン37を工具等で回転させる。このとき、カム部37bの周面が長孔36aの下方の内周面に当接しているので、カム部37bが回転することで、軸部34bが固定板36に対して上方に移動する。すなわち、引出し本体に対して化粧板34が上方に移動する。カム部37bの周縁と軸部34bとが最も離れたカム部37bの周縁が最下部に位置したときに、調節ピンで調節できる上限となる。固定ねじ38を固定板36を介して、化粧板に固定することで、上下方向の位置調節が完了する。
(第1実施形態の変形例)
固定板26を側板22と一体に成形して固定部を構成してもよい。固定部26と側板22を一体に構成する場合、樹脂や金属で成形することができる。また、固定部の前端面は底板21の前端面と面一になるように形成するとよい。こうすることで、化粧板24に引き出し本体を組み付けたとき、化粧板24と引き出し本体20aの間に隙間が生じない。また、固定板26を側板22と一体に成形したので、部品点数を減らすことができる。その他の効果は第一実施形態と同じである。
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態に係る引出しが備える引出し本体40aに、固定板46を固定した状態を示している。引出し本体40aは、底板41と、側板42a,42bと、背板43からなっており、前述した引出し本体30aと同様の形状に形成されている。また、固定板46は、背板43と左右の長さが同じ金属板で構成されている。固定板46の高さは、底板41の上面から側板42の上端面までの距離に設定されている。そして、固定板46の中央に左右に長い長孔46aが形成され、長孔46aを挟んで左右にそれぞれねじ挿通孔46bが形成されている。
なお、図示は省略するが、化粧板の裏面の略中央には、長孔46aの大きさに対応した大きさのカム部を備えた調節ピンが回転可能に取り付けられている。また、本実施形態に係る引出しには、化粧板を固定板46に固定するための固定ねじも備わっている。なお、固定板46は引出し40aの前面、すなわち、底板41の前端面を覆うように固定してもよい。この場合、底板41の前端面の位置は、側板42の前端面と面一に設定される。さらに、固定板46を側板42に固定するねじは、第一実施形態と同じようにねじ頭が固定板46から突出しないようにされている。
本実施形態に係る引出しのそれ以外の部分の構成は前述した第一実施形態と同一である。また、化粧板の位置調節は一つの位置調節機構で行われるが、その方法は前述した第1実施形態等と同じである。本実施形態によると、一つの位置調節機構を一回操作するだけで済むため、化粧板の位置調節の操作が容易になる。この実施形態のそれ以外の作用効果は、前述した第1実施形態等と同様である。
(第2実施形態の変形例)
図15は、第2実施形態の変形例に係る引出しが備える引出し本体50aに、固定板56を固定した状態を示している。引出し本体50aは、前述した引出し本体40aと同一の構成をしており、固定板56は、固定板46の上下の部分を除いて中央部分だけにした金属板で構成されている。この変形例に係る引出しのそれ以外の部分の構成は、第2実施形態に係る引出しと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。この変形例に係る引出しによると、1個で構成された固定板56を小型化することができる。この変形例に係る引出しのそれ以外の作用効果は、前述した第2実施形態等と同様である。なお、固定板56を小さくしたことによって生じる化粧板と側板42の前端面との間の隙間には、樹脂や金属などで形成した隙間を埋める部材や、隙間を隠す部材を設置するとよい。
本発明に係る引出しは、前述した実施形態および変形例に限定するものでなく、適宜、変更して実施することが可能である。例えば、カム部27bを円柱形状、すなわち断面を円で形成したが、断面を楕円や卵型にしてもよい。また、カム部27bは軸部27aの端部を覆ってもよい。さらに、軸部27aとカム部27bとを別部品で構成し連結させてもよい。
また、実施形態1では平板の固定板であるが、L字状の固定板で側板の前部に固定してもよい。この場合、一方の平面部に長孔とねじ挿通孔を設けて化粧板固定部を形成し、他方の平面部に固定板を側板に固定するための側板固定部を形成してもよい。この場合、引出し本体の内側に化粧板固定部が対向するように設置していれば、側板固定部は、側板の内側(すなわち引出しの内部)および、側板の外側(すなわち引出しの外部)のどちらにでも固定してよい。また、化粧板固定部と側板を別部品で構成する場合には、側板を木質系材料で構成してもよい。さらに、ねじ止め部材24cやワッシャ28cを省略してもよい。
前述した実施形態では、引出し20,30等に、背板23,33が備わっているが、引出し20,30等は、背板23,33のないものであってもよい。さらに、前述した実施形態等では、引出し20,30等がシステムキッチン10の中央側キャビネット12に備わったものとしているが、本発明に係る引出しは、これに限定するものでなく、コンロキャビネット13やシンクキャビネット14に備わった引出し13a等で構成してもよい。また、本発明に係る引出しは、食器棚の引出し等、物品を収納する種々の家具に用いることもできる。
20,30…引出し、20a,40a,50a…引出し本体、21,41…底板、22a,22b,32a,42a,42b…側板、24,34…化粧板、26,36,46,56…固定板、26a,36a,46a…長孔、26b,46b…ねじ挿通孔、27,37…調節ピン、27a,37a…軸部、27b,37b…カム部、28,38…固定ねじ。

Claims (3)

  1. 底板と、前記底板の両側に設けられた一対の側板を備えた引出し本体の前部に化粧板を取り付けて構成される引出しであって、
    前記一対の側板の前部に設けられ、左右に長い長孔と、ねじ挿通孔とが形成された化粧板固定部と、
    前記化粧板の裏面に回転可能に取り付けられる軸部と、前記長孔内に配置されるカム部とからなり、前記軸部の回転により前記化粧板を前記化粧板固定部に対して上下移動させる調節ピンと、
    前記ねじ挿通孔を挿通して前記化粧板の裏面に螺合することにより前記化粧板を前記化粧板固定部に固定する固定ねじと
    を備えたことを特徴とする引出し。
  2. 前記化粧板固定部が、前記一対の側板の前部にそれぞれ設けられた一対のもので構成され、各化粧板固定部に対応する調節ピンおよび固定ねじが備わっている請求項1に記載の引出し。
  3. 前記化粧板固定部が、前記一対の側板の前端面からそれぞれ前記化粧板の裏面に沿って前記引出し本体の内部側に突出している請求項1または2に記載の引出し。
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