[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2015181140A - 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント、その製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物 - Google Patents

半導体発光装置用の波長変換コンポーネント、その製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2015181140A
JP2015181140A JP2013017484A JP2013017484A JP2015181140A JP 2015181140 A JP2015181140 A JP 2015181140A JP 2013017484 A JP2013017484 A JP 2013017484A JP 2013017484 A JP2013017484 A JP 2013017484A JP 2015181140 A JP2015181140 A JP 2015181140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone
wavelength conversion
conversion component
spherical
phosphor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013017484A
Other languages
English (en)
Inventor
原口 幸也
Yukiya Haraguchi
幸也 原口
高巣 真弓子
Mayuko Takasu
真弓子 高巣
森 寛
Hiroshi Mori
寛 森
敏明 横尾
Toshiaki Yokoo
敏明 横尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2013017484A priority Critical patent/JP2015181140A/ja
Priority to PCT/JP2013/069945 priority patent/WO2014017501A1/ja
Priority to TW102126853A priority patent/TW201414019A/zh
Publication of JP2015181140A publication Critical patent/JP2015181140A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • H01L33/501
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/02Use of particular materials as binders, particle coatings or suspension media therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
    • C09K11/7766Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing two or more rare earth metals
    • C09K11/7774Aluminates
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V9/00Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters
    • F21V9/30Elements containing photoluminescent material distinct from or spaced from the light source

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】ポリマーバインダーとして耐光性および耐熱性に優れるシリコーンを用いた、自ら形状を保持できるだけの硬さを有する波長変換コンポーネントを提供すること。
【解決手段】波長変換コンポーネントは、シリコーンバインダー中に蛍光体およびフィラーが分散されてなるシリコーン組成物からなるモールド成形体であり、上記フィラーは粒子径が1μm以上である球状シリコーンレジンを含み、上記球状シリコーンレジンの含有量が、上記シリコーンバインダー100重量部に対して50重量部以上である、
波長変換コンポーネント。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光装置用の波長変換コンポーネントとその製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物に関する。
発光ダイオード(LED)と、該LEDが放出する光(一次光)の一部を異なる波長の光(二次光)に変換する蛍光体とを組み合わせて、白色光を生じるように構成した半導体発光装置が知られている。かかる半導体発光装置において、波長変換機能を担う要素をコンポーネント化する試みが従来から行われている。一例として、光学的に透明なポリマーバインダー中に蛍光体を分散させた組成物で形成された波長変換コンポーネントが知られている(特許文献1;”fluorescent plate”と称する波長変換コンポーネントを使用し
た「LEDパッケージ」が開示されている)。
最近では、大出力のLEDに大型の波長変換コンポーネントを組み合わせた、リモート・フォスファー型LED装置と呼ばれる照明用のLED装置が開発されている(特許文献2)。リモート・フォスファー型LED装置においては、コスト低減のために、波長変換コンポーネントにおける蛍光体の使用量をできるだけ少なくすることが求められている。そこで、少量の蛍光体が効率よく波長変換に利用されるように、素材である樹脂組成物に蛍光体に加えて光拡散剤を添加し、波長変換コンポーネントの内部において一次光が蛍光体粒子と相互作用する機会を増やす方法が提案されている(特許文献2のFig.12)。
特開2001−111117号公報(米国特許第6504301号) 米国特許出願公開US2012/0087105
波長変換コンポーネントには、可視波長域(380nm〜780nm)における透光性が要求される他、自ら形状を保持できるだけの硬さが要求される。リモート・フォスファー型LED装置で用いられる大型の波長変換コンポーネントの一例は、5〜7cmの直径と0.5〜1mmの厚さを有する自立したディスクである。また、チップオンボード(COB)構造のLEDモジュールに組み合わせて用いる波長変換コンポーネントの形態として、2〜3cmの直径と0.2〜0.5mmの厚さを有するディスクや、1〜5cmの直径および高さと0.5〜2mmの厚さを有する半球形ドームが提案されている。
一方、生産性の観点からすると、波長変換コンポーネントはインジェクションモールディング、トランスファーモールディング等のモールド法で製造できることが望ましい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ポリマーバインダーとして耐光性および耐熱性に優れるシリコーンを用いた、自ら形状を保持できるだけの硬さを有する波長変換コンポーネントを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、かかる波長変換コンポーネントの好適な製造方法を提供することにある。
本発明の目的には、また、かかる波長変換コンポーネントの材料として好適に使用し得る熱硬化性シリコーン組成物を提供することが含まれる。
本発明によれば、下記の波長変換コンポーネントが提供される。
(a1)シリコーンバインダー中に蛍光体およびフィラーが分散されてなるシリコーン組成物からなるモールド成形体であり、
上記フィラーは粒子径が1μm以上である球状シリコーンレジンを含み、
上記球状シリコーンレジンの含有量が上記シリコーンバインダー100重量部に対して50重量部以上である、
波長変換コンポーネント。
(a2)上記シリコーン組成物のデュロメータ硬さがHDD25以上である、上記(a1)に記載の波長変換コンポーネント。
(a3)シリコーンバインダー中に蛍光体およびフィラーが分散されてなるシリコーン組成物からなるモールド成形体であり、
上記シリコーンバインダーはデュロメータ硬さがHDD20以下のエラストマーであり、
上記フィラーは粒子径が1μm以上の球状シリコーンレジンを含有し、
上記シリコーン組成物のデュロメータ硬さがHDD25以上である、
波長変換コンポーネント。
(a4)上記シリコーンバインダーと上記球状シリコーンレジンの間の屈折率差が0.05未満である、上記(a1)〜(a3)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a5)上記シリコーンバインダーおよび上記球状シリコーンレジンがいずれもシリカより低い屈折率を有する、上記(a1)〜(a4)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a6)上記シリコーンバインダーはポリジメチルシロキサンが架橋された構造を有しており、上記球状シリコーンレジンはポリメチルシルセスキオキサン構造を有する、上記(a1)〜(a5)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a7)上記フィラーが粒子径3μm以下の球状シリコーンレジンを含有しない、上記(a1)〜(a6)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a8)上記フィラーが更に球状シリカを含む、上記(a1)〜(a7)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a9)上記球状シリカが溶融シリカを含む、上記(a8)に記載の波長変換コンポーネント。
(a10)上記溶融シリカの含有量が、上記シリコーンバインダー100重量部に対して5重量部以上80重量部以下である、上記(a9)に記載の波長変換コンポーネント。
(a11)上記フィラーが更にフュームドシリカを含む、上記(a1)〜(a10)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a12)上記シリコーン組成物のデュロメータ硬さがHDD35以上である、上記(a1)〜(a11)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a13)直径5〜7cmかつ厚さ0.5〜1mmのディスクである、上記(a1)〜(a12)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a14)直径2〜3cmかつ厚さ0.2〜0.5mmのディスクである、上記(a1)〜(a12)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a15)直径および高さ1〜5cmかつ厚さ0.5〜2mmの半球形ドームである、上記(a1)〜(a12)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
(a16)発光ピーク波長を440〜470nmの範囲内に有するLEDが発する第一の光の一部が透過可能であり、かつ、該第一の光の他の一部を該第一の光の色とは補色の関係にある色を有する第二の光に変換することができる、上記(a1)〜(a15)のいずれかに記載の波長変換コンポーネント。
本発明によれば、下記の熱硬化性シリコーン組成物が提供される。
(b1)付加硬化型シリコーンに蛍光体およびフィラーが混合されてなる熱硬化性シリコーン組成物であって、
上記フィラーは粒子径が1μm以上である球状シリコーンレジンを含み、
上記球状シリコーンレジンの含有量が上記付加硬化型シリコーン100重量部に対して50重量部以上である、
波長変換コンポーネント用の熱硬化性シリコーン組成物。
(b2)当該熱硬化性シリコーン組成物の硬化物のデュロメータ硬さがHDD25以上である、上記(b1)に記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b3)付加硬化型シリコーンに蛍光体およびフィラーが混合されてなる熱硬化性シリコーン組成物であって、
上記付加硬化型シリコーンの硬化物はデュロメータ硬さがHDD20以下のエラストマーであり、
上記フィラーは粒子径が1μm以上の球状シリコーンレジンを含有し、
当該熱硬化性シリコーン組成物の硬化物のデュロメータ硬さがHDD25以上である、波長変換コンポーネント用の熱硬化性シリコーン組成物。
(b4)上記付加硬化型シリコーンと上記球状シリコーンレジンの間の屈折率差が0.05未満である、上記(b1)〜(b3)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。(b5)上記付加硬化型シリコーンおよび上記球状シリコーンレジンがいずれもシリカより低い屈折率を有する、上記(b1)〜(b4)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b6)上記付加硬化型シリコーンは、メチル基の一部がビニル基に置換されたポリジメチルシロキサンを含有し、上記球状シリコーンレジンがポリメチルシルセスキオキサン構造を有する、上記(b1)〜(b5)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b7)上記フィラーが粒子径3μm以下の球状シリコーンレジンを含有しない、上記(b1)〜(b6)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b8)上記フィラーが更に球状シリカを含む、上記(b1)〜(b7)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b9)上記球状シリカが溶融シリカを含む、上記(b8)に記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b10)上記溶融シリカの含有量が、上記付加硬化型シリコーン100重量部に対して5重量部以上80重量部以下である、上記(b9)に記載の熱硬化性シリコーン組成物。(b11)硬化遅延剤を含有する、上記(b1)〜(b10)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b12)上記フィラーが更にフュームドシリカを含む、上記(b1)〜(b11)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b13)当該熱硬化性シリコーン組成物の硬化物のデュロメータ硬さがHDD35以上である、上記(b1)〜(b12)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。
(b14)せん断速度120/sのときの粘度が500Pa・s未満である、上記(b1)〜(b13)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物。
本発明によれば、下記の波長変換コンポーネント製造方法が提供される。
(c1)上記(b1)〜(b14)のいずれかに記載の熱硬化性シリコーン組成物の硬化および成形を行うステップを有する、波長変換コンポーネントの製造方法。
(c2)上記硬化および成形を行うステップでは、上記熱硬化性シリコーン組成物をインジェクションモールドまたはトランスファーモールドする、上記(c1)に記載の製造方法。
(c3)上記波長変換コンポーネントが直径5〜7cmかつ厚さ0.5〜1mmのディスクである、上記(c1)または(c2)に記載の製造方法。
(c4)上記波長変換コンポーネントが直径2〜3cmかつ厚さ0.2〜0.5mmのディスクである、上記(c1)または(c2)に記載の製造方法。
(c5)上記波長変換コンポーネントが直径および高さ1〜5cmかつ厚さ0.5〜2mmの半球形ドームである、上記(c1)または(c2)に記載の製造方法。
(c6)上記波長変換コンポーネントは、発光ピーク波長を440〜470nmの範囲内に有するLEDが発する第一の光の一部が透過可能であり、かつ、該第一の光の他の一部を該第一の光の色とは補色の関係にある色を有する第二の光に変換することができる、上記(c1)〜(c5)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、ポリマーバインダーとしてシリコーンを用いた、自ら形状を保持できるだけの硬さを有する波長変換コンポーネントが提供される。
また、本発明によれば、かかる波長変換コンポーネントの好適な製造方法が提供される。
また、本発明によれば、かかる波長変換コンポーネントの材料として好適に使用し得る熱硬化性シリコーン組成物が提供される。
シリコーン組成物における、「白色度インデックス」と、ミクロンサイズフィラーに占める球状シリカの体積比との関係を示すグラフである。 シリコーン組成物における、「白色度インデックス」と、ミクロンサイズフィラーに占める球状シリカの体積比との関係を示すグラフである。 xy色度図(CIE 1931)である。 実施形態に係る波長変換コンポーネントを備えたリモート・フォスファー型LED装置の断面図である。
本明細書において材料の屈折率に言及する場合、特に断らない限り、その屈折率はナトリウムD線の波長における20℃における屈折率を意味する。
本明細書において液状シリコーン、熱硬化性シリコーン組成物等の粘度に言及する場合、特に断らない限り、せん断速度120/s、温度25℃における粘度を意味する。
以下では本発明を実施形態に即して説明する。ただし、本発明は本明細書に明示的または黙示的に記載された実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
1.波長変換コンポーネントの材料
1.1 シリコーンバインダー
本発明によれば、蛍光体およびフィラーを分散させるバインダーにシリコーンを用いたシリコーン組成物で形成された波長変換コンポーネントが提供される。
シリコーンはオルガノポリシロキサンとも呼ばれ、シロキサン結合を主鎖に有することから、耐熱性および耐光性が極めて良好なポリマーである。
シリコーンバインダーはエラストマーであることが好ましく、特にデュロメータ硬さがHDD20以下、更にはA50以下であることが好ましい。シリコーンバインダーがエラストマーである波長変換コンポーネントは、歪みや熱衝撃を受けたときに割れ難いものとなる。
インジェクションモールディング、トランスファーモールディングなどのモールド法による成形を可能とするために、シリコーンバインダーの原料にはヒドロシリル化反応によって硬化する付加硬化型シリコーンを選択する。ヒドロシリル化反応は副生成物の発生を伴わないので、このタイプの硬化性シリコーンは金型内で好ましく硬化させることが可能である。
付加硬化型シリコーンは、通常、1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン(第1成分)、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(第2成分)および硬化触媒を含有する。
第1成分の典型例は、両末端にヒドロシリル基を有するポリジオルガノシロキサン、両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリメチルヒドロシロキサン、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体等である。
第2成分の典型例は、ビニル基が結合したケイ素原子を各末端に有するオルガノポリシロキサンである。第2成分の全部または一部を、3官能ケイ素(T成分)や4官能ケイ素(Q成分)を用いて分岐構造を導入したシリコーンとすることによって、シリコーンバインダーの硬度と耐熱性を高めることができる。
その他、第1成分と第2成分を兼用するオルガノポリシロキサン、すなわち、1分子中にヒドロシリル基とアルケニル基の両者を有するオルガノポリシロキサンも使用可能である。
硬化触媒は、第1成分中のヒドロシリル基と第2成分中のアルケニル基との間で生じる付加反応を促進するための触媒であり、その例としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。
付加硬化型シリコーンは、更に、硬化遅延剤を含有することが好ましい。好ましい硬化遅延剤としては、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、3−(トリメチルシリルオキシ)−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等の、炭素−炭素三重結合を有する化合物が挙げられる。アルキニル基を有するオルガノポリシロキサンも硬化遅延剤として使用できる。
硬化遅延剤は熱硬化性シリコーン組成物のポットライフを長くするだけでなく、金型内で生じ得る蛍光体およびフィラーの分散ムラを抑制するうえで、重要な役割を果たす。シリコーン組成物の硬化が速すぎる場合には、キャビティ内がシリコーン組成物で充たされる前にその一部が硬化し始め、その早く硬化した部分が機械的変形を受けることにより分散ムラが発生するからである。
第2成分に分岐構造を導入した付加硬化型シリコーンはゲル化が速く進むので、硬化遅延剤とともに使用することが特に好ましい。
ポリジメチルシロキサン(ジメチルシリコーン)が架橋された構造を有するシリコーンバインダーの耐熱性および耐光性は特に優れたものとなる。このような構造は、付加硬化型シリコーンの第2成分として、末端ケイ素原子にビニル基が結合したポリジメチルシロキサンを用いることにより得ることができる。更に、第1成分にもメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体のような、芳香族基を含有しないシリコーンを用いることにより、シリコーンバインダーの耐熱性および耐光性は更に向上する。
また、ケイ素原子に結合した炭化水素基に占める芳香族基の比率が高い付加硬化型シリコーンは、室温以下の温度において粘性が強くなるために、蛍光体およびフィラーを均一性よく分散させることが難しくなる傾向がある。この観点からも、シリコーンバインダーの原料に用いる付加硬化型シリコーンは芳香族基を含まないことが好ましく、芳香族基を含む場合であっても、その数はケイ素原子に結合した炭化水素基の全数の5%未満であることが好ましい。
1.2 蛍光体
本発明の波長変換コンポーネントには、一般的な白色LEDに使用されている蛍光体を
制限なく使用することができる。
近紫外LEDまたは紫色LEDを光源とする白色発光装置のための波長変換コンポーネントには、青色蛍光体と緑色蛍光体と赤色蛍光体を含有させる。緑色蛍光体に加えて、あるいは、緑色蛍光体に代えて、黄色蛍光体を用いることもできる。各蛍光体の含有量の比率を変えることによって、出力光の色温度を調節することができる。
青色LEDを光源とする白色発光装置のための波長変換コンポーネントには、黄色蛍光体を含有させる。電球色や温白色といった低色温度の白色光を発生させるためには、黄色蛍光体に加えて赤色蛍光体を含有させる。赤色蛍光体の使用は発光装置の演色性の改善にも役立つ。より良好な演色性を得るために、黄色蛍光体の一部または全部を緑色蛍光体に置き換えることができる。
青色蛍光体とは、その発光色が、図3に示すxy色度図(CIE 1931)における「PURPULISH BLUE」、「BLUE」または「GREENISH BLUE
」に区分される蛍光体である。好適例は、Eu2+を付活剤とし、アルカリ土類アルミン酸塩またはアルカリ土類ハロリン酸塩からなる結晶を母体とする青色蛍光体、例えば、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46(Cl,F)2:Euなどである。
緑色蛍光体とは、その発光色が、図3に示すxy色度図(CIE 1931)における「GREEN」または「YELLOWISH GREEN」に区分される蛍光体である。好適例にはEu2+を付活剤とするものと、Ce3+を付活剤とするものとがある。
Eu2+を付活剤とする緑色蛍光体には、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類ケイ酸窒化物、サイアロンなどを母体とするものがある。
アルカリ土類ケイ酸塩結晶を母体とする緑色蛍光体には、(Ba,Ca,Sr,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Euなどがある。ア
ルカリ土類ケイ酸窒化物結晶を母体とする緑色蛍光体には、(Ba,Ca,Sr)3Si6122:Eu、(Ba,Ca,Sr)3Si694:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si222:Euなどがある。サイアロン結晶を母体とする緑色蛍光体には、βサイアロン:Eu、Sr3Si13Al3221:Eu、Sr5Al5Si21235:Euなどがある。
Ce3+を付活剤とする緑色蛍光体には、ガーネット型酸化物結晶を母体とする(Y,Gd)3Al512:Ce、Y(Al,Ga)12:Ce、Lu(Al,Ga)12:Ce、Ca3(Sc,Mg)2Si312:Ceや、アルカリ土類金属スカンジウム
酸塩結晶を母体とするCaSc24:Ceがある。
黄色蛍光体とは、その発光色が、図3に示すxy色度図(CIE 1931)における「YELLOW GREEN」、「GREENISH YELLOW」、「YELLOW」または「YELLOWISH ORANGE」に区分される蛍光体である。好適例には、Ce3+を付活剤とし、ガーネット型酸化物結晶を母体とする(Y,Gd)3Al512:Ce、Tb3Al512:Ce、Lu3Al512:Ceや、Ce3+を付活剤とし、ランタンケイ素窒化物結晶を母体とするLa3Si611:Ce、Ca1.5xLa3-xSi611:Ceなどがある。また、Eu2+を付活剤とする黄色蛍光体として、(Ba,Sr)2SiO4:Eu(BOSEまたはBOSと呼ばれる)、αサイアロン:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Euなどがある。
その他、近紫外LEDまたは紫色LEDで好ましく励起し得る黄色蛍光体として、Nature Communications 3, Article number: 1132で報告された「Cl_MS蛍光体」が知ら
れている。
赤色蛍光体とは、その発光色が、図3に示すxy色度図(CIE 1931)における「RED」、「REDDISH ORANGE」または「ORANGE」に区分される蛍
光体である。好適例には、Eu2+を付活剤とし、アルカリ土類ケイ窒化物、αサイアロンまたはアルカリ土類ケイ酸塩を母体とするものが挙げられる。アルカリ土類ケイ窒化物結晶を母体とする赤色蛍光体には、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu、(
CaAlSiN31-x(Si(3n+2)/4nO)x:Eu、(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、SrAlSi47:Euなどがある。アルカリ土類ケイ酸塩結晶を母体
とする赤色蛍光体には、(Sr,Ba)3SiO5:Euなどがある。
赤色蛍光体の他の好適例はMn4+付活フルオロ錯体蛍光体である。MXF:Mnで表されるヘキサフルオロ錯体塩型が好ましいが、限定されるものではなく、配位中心となる金属元素に対し5個ないし7個のフッ素イオンが配位した錯イオンを含むものも使用し得る。最も好ましいMn4+付活フルオロ錯体蛍光体は、ヘキサフルオロケイ酸カリウムを母体とするKSiF:Mnである。KSiF:MnのSiの一部はAlで置換することができ、Kの一部はNaで置換することができる。
その他の赤色蛍光体として、(La,Y)22S:Eu、Mg(F)GeO:Mnなどがある。
1.3 球状シリコーンレジン
本発明の波長変換コンポーネントを構成するシリコーン組成物には、硬度を高めるためのフィラーとして球状シリコーンレジンを添加することができる。球状シリコーンレジンは、構成単位の通常95%以上がT単位である三次元架橋シリコーンからなる、硬質の球状微粒子である。
粒子径が1μm以上の球状シリコーンレジンを、付加硬化型シリコーン100重量部に対して50重量部以上、好ましくは95重量部以上、より好ましくは120重量部以上の割合で添加することにより、インジェクションモールディングやトランスファーモールディングに必要な流動性を備えつつ、十分な硬度を有する硬化物を与える、熱硬化性シリコーン組成物を得ることができる。
硬化物の硬度を高める別のアプローチとして、シリコーンバインダーに3官能ケイ素(T成分)や4官能ケイ素(Q成分)を高濃度に導入して架橋密度を上げ、シリコーンバインダーそのものを硬くする方法も採用可能であるが、この方法で得られる高硬度のシリコーン組成物は歪みや熱衝撃を受けたときに割れ易いものとなる。
それに対して、バインダーには柔軟性の高いシリコーンエラストマーを使用し、フィラーとして球状シリコーンレジンを添加することにより硬度を高めたシリコーン組成物は、歪みや熱衝撃に対する耐性の高いものとなる。
球状シリコーンレジンの添加は硬化前のシリコーン組成物の粘度を増加させる。増粘の程度は、球状シリコーンレジンの粒子径が小さくなる程大きくなる。熱硬化性シリコーン組成物の粘度はせん断速度120/sにおいて1000Pa・s未満であればよいが、一般的な圧送ポンプを用いてインジェクションモールディングを行うには500Pa・s未満、特に400Pa・s未満、更には300Pa・s未満であることが好ましい。
従って、球状シリコーンレジンの添加量は、当該レジンの粒子径の他に、バインダー原料である付加硬化型シリコーンの粘度と、同時に添加する他のフィラーの種類および添加量を考慮して、硬化前のシリコーン組成物の粘度が適切な値となるように調節する。シリコーン組成物に対する増粘効果が特に高いフィラーはフュームドシリカである。蛍光体はその粒子サイズが通常数μm以上であることから、硬化前のシリコーンに対する増粘効果が比較的小さい。
好適な球状シリコーンレジンはポリアルキルシルセスキオキサン構造、とりわけポリメチルシルセスキオキサン構造を有するものであり、市販品では、信越化学工業(株)のシリコーンレジンパウダー(KMP−590・701・702/X−52−854/X52−1621)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(同)のトスパ
ール(登録商標)などが挙げられる。かかる構造を有する球状シリコーンレジンは屈折率がポリジメチルシロキサンに近いので、ポリジメチルシロキサンを基本骨格に含むシリコーンバインダーに分散されたときの光拡散作用が小さい。換言すれば、かかるシリコーンバインダーに対して、その光透過性を損うことなく添加できる。
シリコーンの屈折率は、ポリジメチルシロキサンを基本骨格とするものでは約1.41となる。シリカの屈折率は約1.46であるから、ポリメチルシルセスキオキサン構造の球状シリコーンレジンの屈折率は1.41と1.46の間の値となる。従って、かかる球状シリコーンレジンと、ポリジメチルシロキサンが架橋された構造のシリコーンバインダーとは、屈折率差が0.05未満となる。ポリジメチルシロキサンが架橋された構造のシリコーンバインダーに一次粒子径が数十nmのフュームドシリカを分散させたコンポジットの実効屈折率は1.41より高い値(ジメチルシリコーンの屈折率とシリカの屈折率の中間の値)となるので、かかるコンポジットと混合されたときのポリメチルシルセスキオキサン構造の球状シリコーンレジンの光拡散作用は特に小さくなる。
ただし、バインダーとの屈折率差が僅かであっても、球状シリコーンレジンの粒子径が3μm以下、特に2μm以下になると、添加量によっては無視できないレベルの光拡散作用が生じる。従って、後述する光拡散剤を用いてシリコーン組成物の光拡散性を制御しようとする場合には、球状シリコーンレジンに含まれる粒子径3μm以下の成分を減らすか、あるいは、かかる成分を含まない球状シリコーンレジンを用いることが望ましい。一方で、一実施形態においては、このような粒子径の小さな球状シリコーンレジンを光拡散剤として利用することもまた可能である。
硬化前のシリコーン組成物がインジェクションモールディングやトランスファーモールディングに適した流動性を備えるためには、球状シリコーンレジンのメジアン径が2〜30μmの範囲内、特に2〜20μmの範囲内であることが好ましい。メジアン径の異なる粒子群を混合して用いることもできる。
球状シリコーンレジンの粒子径が30μm以下、特に20μm以下、更に10μm以下であるときには、硬化前のシリコーン組成物中における蛍光体の分散を安定化させる効果も期待される。蛍光体の粒子サイズは通常数μm〜20μm程度だからである。
1.4 光拡散剤
本発明の波長変換コンポーネントを構成するシリコーン組成物には、フィラーとして光拡散剤を添加することができる。使用可能な光拡散剤として、アクリルレジン、ポリスチレン、シリコーンレジン、シリカ、ガラスビーズ、ダイヤモンド、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレーなどを例示できる。
ポリジメチルシロキサンが架橋された構造のシリコーンをバインダーに用いる場合には、拡散剤として球状シリカを好ましく用いることができる。
球状シリカとは、半導体封止に用いられるエポキシ樹脂用のフィラーなどとして利用されている、真球状のシリカ微粒子である。様々な製造方法で製造される球状シリカの中でも特に好ましいものとして、粉砕された原料硅石を高温の火炎中で溶融し表面張力で球状化させる方法で製造される溶融シリカが挙げられる。
溶融シリカの屈折率は1.46(近紫外〜青色波長域においては1.46〜1.47)であるが、より大きな比表面積を有する球状シリカの屈折率はこれよりも低くなる。
シリコーンバインダーとの屈折率差の大きな透明拡散剤は、少量で大きな拡散効果を発揮する反面、その分散状態の僅かな変化が、波長変換コンポーネントの特性を大きく変動させる可能性がある。それに対して、球状シリカはポリジメチルシロキサンを基本骨格に
含むシリコーンとの屈折率差が小さいので、その分散状態の変動が波長変換コンポーネントの特性に与える影響は小さなものとなる。このような効果が特に顕著となるのは、球状シリカの粒子径が3μm以上のときである。
シリコーン組成物中に分散させる球状シリカの量は、所望の光拡散性が得られるように調節する。限定するものではないが、シリコーンバインダー100重量部に対して、例えば5重量部以上80重量部以下の割合で球状シリカを添加することができる。
添加によるシリコーン組成物の粘度上昇が小さいのは、比表面積が1〜10m/g、特に1〜5m/gであり、かつ、粒子径が1μm以上の球状シリカである。比表面積が30m/gを超える球状シリカや、粒子径が1μm未満の球状シリカは、硬化前のシリコーン組成物を増粘する目的で使用することができる。互いに比表面積の異なる2種以上の球状シリカを混合して使用してもよい。
インジェクションモールドやトランスファーモールドを行う場合には、熱硬化性シリコーン組成物に添加された球状シリカのメジアン径が1〜30μm、特に1〜20μmであることが好ましい。インジェクションモールドの場合は、更に、該メジアン径が1〜15μmであることがより好ましい。メジアン径の異なる粒子群を混合して用いることもできる。
1.5 フュームドシリカ
本発明の波長変換コンポーネントを構成するシリコーン組成物には、フュームドシリカを添加することが好ましい。
フュームドシリカは50m/g以上という大きな比表面積を有する超微粒子であり、市販されているものとしては、日本アエロジル(株)のアエロジル(登録商標)、旭化成ワッカーシリコーン(株)のWACKER HDK(登録商標)などが挙げられる。
フュームドシリカを添加して硬化前のシリコーン組成物にチキソトロピー性を付与することによって、蛍光体やフィラーの沈降による組成物の不均一化を防止できる。
特に、トリメチルシリル基、ジメチルシリコーン鎖などで表面修飾した疎水性フュームドシリカを用いると、過度な増粘を引き起こすことなく、液状シリコーン組成物にチキソトロピー性を付与できる。
フュームドシリカは、好ましくは、シリコーンバインダー100重量部に対して10〜25重量部の割合で添加することができる。
1.6 その他の添加剤
本発明の波長変換コンポーネントを構成するシリコーン組成物には、上述の蛍光体およびフィラーの他に、必要に応じて、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、界面活性剤、保存安定性改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、可塑剤、カップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、離型剤などの各種添加剤を加えることができる。
2.モールド成形
本発明の波長変換コンポーネントの製造には、コンプレッションモールド、液状トランスファーモールドまたは液状インジェクションモールドを好適に用いることができる。中でも液状インジェクションモールド(LIM)は、バリが発生し難いので二次加工(バリ取り)が不要である、自動化が容易である、成形サイクルの短縮化が容易である等の利点がある。
液状インジェクションモールドにおけるシリンダー設定温度は、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下である。金型温度は通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは120〜200℃である。射出時間は短
い場合で1秒以下、長い場合でも数秒である。成形時間は通常3〜600秒、好ましくは5〜200秒、より好ましくは10〜60秒である。
液状インジェクションモールドでは、低温の原料樹脂が加熱された流路を通して高温の金型に送り込まれる。流路内も加熱されているために、部分的な熱硬化反応によって樹脂粘度は金型に近づくにつれて高くなっていく。金型に到達したときの粘度が低い場合には、樹脂が金型の隙間から漏れ出てバリとなる。したがって、バリ発生を防止するには、原料樹脂の粘度制御と、金型精度を高くすること(隙間を狭くすること)が重要である。金型の隙間は、通常10μm以下であることが要求され、好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。
一方、原料樹脂の粘度上昇が速すぎる場合には、金型への未充填が発生する。バリの発生を抑え、かつ金型への未充填を防止するには、横軸を時間、縦軸を硬化度としたグラフ上において、樹脂の硬化度が時間とともにS字カーブを描くように上昇するようにすることが理想的である。樹脂の硬化速度は、材料設計(触媒種の選択、触媒量、硬化速度制御剤の使用、樹脂の架橋度等)および成型条件(金型温度、充填速度、射出圧力等)によって制御できる。 金型内への樹脂の射出から硬化終了までの時間は、通常60秒以下、好ましくは30秒以下、さらに好ましくは10秒以下である。
成型時に金型内を真空にすることは、狭いキャビティへの樹脂の流入を促進し、ショートモールドを防止し、また、成形品にエアボイドが発生するのを防止するうえで、有効な手段である。
コンプレッションモールドの場合、成形温度は通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは120〜200℃である。成形時間は通常3〜1200秒、好ましくは5〜900秒、さらに好ましくは10〜600秒である。
液状トランスファーモールドの成形温度は通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは120〜200℃である。成形時間は通常3〜1200秒、好ましくは5〜900秒、さらに好ましくは10〜600秒である。
いずれの成形法を用いる場合でも、必要に応じてポストキュアを行うことができる。ポストキュア温度は例えば100〜300℃、好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは170〜200℃である。ポストキュア時間は例えば3分間〜24時間、好ましくは5分間〜10時間、さらに好ましくは10分間〜5時間である。
3.波長変換コンポーネント
波長変換コンポーネントの形状に限定はなく、プレート、ディスク、ドーム等を含む任意の形状とすることができる。
典型例として、直径5〜7cmかつ厚さ0.5〜1mmのディスク、直径2〜3cmかつ厚さ0.2〜0.5mmのディスク、直径および高さ1〜5cmかつ厚さ0.5〜2mmの半球形ドーム、等を挙げることができる。
これらの形状を自ら保持できるために、波長変換コンポーネントを構成するシリコーン組成物はデュロメータ硬さが好ましくはHDD25以上、より好ましくはHDD35以上である。より硬いシリコーン組成物を用いることにより、より大型の波長変換コンポーネントを作ることができる。
球状シリコーンレジン、球状シリカ、ヒュームドシリカ等のフィラーを高充填して硬度を高めたシリコーン組成物は熱膨張係数が低くなるので、発熱量の大きな照明用のLED装置に好適に用いることができる。
4.リモート・フォスファー型LED装置
図4は、本発明の波長変換コンポーネントを用いて構成することのできるリモート・フ
ォスファー型LED装置の一例を示す断面図である。リモート・フォスファー型LED装置10は、凹所1aを有するケース1と、該凹所1aの底面上に配置された青色LED2と、該凹所1aを塞ぐように配置された本発明の波長変換コンポーネント3とを有している。
ケース1の凹所の底面上には、青色LED2に電流を供給するための配線(図示せず)が設けられている。
青色LED2は、詳細な図示は省略するが、SMD型パッケージと該パッケージ上にマウントされた1個以上の青色LEDチップとから構成されている。凹所1aの底面上に配置される青色LED2の個数は1個であってもよいし、2個以上であってもよい。
波長変換コンポーネント3は、シリコーンバインダー中にYAG:Ce蛍光体と球状シリコーンレジンを分散させてなる組成物で形成されたディスクである。このディスクの縁部はテーパされている。
配線を通して電流を供給することにより青色LED2は青色光を放出する。その青色光の一部は波長変換コンポーネント3に含まれるYAG:Ce蛍光体によって黄色光に変換され、他の一部は波長変換されることなく波長変換コンポーネント3を透過する。この黄色光と、波長変換コンポーネント3を透過する青色光とが混成してなる白色光が、波長変換コンポーネント3の表面から出力光として外部に放出される。
リモート・フォスファー型LED装置10の出力光の色温度を低下させるには、波長変換コンポーネント3に黄色蛍光体に加えて赤色蛍光体を添加すればよい。波長変換コンポーネント3に赤色蛍光体を添加することや、黄色蛍光体の一部または全部を緑色蛍光体に置き換えることは、リモート・フォスファー型LED装置10の演色性改善に寄与し得る。
青色LED2を紫色LEDまたは近紫外LEDに置き換えることができるが、その場合には波長変換コンポーネントに青色蛍光体を添加する。
青色LED2を用いる代わりに、凹所1aの底に設けられた配線上に青色LEDチップを直接実装するチップ・オン・ボード構造を採用することも可能である。この場合にケース1に実装するLEDチップの数は、1個から数個であってもよく、10個以上であってもよく、更には50個以上であってもよい。
5.実験結果
5.1 材料
シリコーンバインダーの原料には、2液型の付加硬化型シリコーンを用いた。この付加硬化型シリコーンはA液とB液とからなり、該A液とB液とを重量比9:1で混合し10分間/100℃という条件で硬化させて得られる硬化物のデュロメータ硬さはA45(製造者による公称値)である。
A液は主成分が両末端ケイ素原子にビニル基が置換されたジメチルポリシロキサンで、白金錯体触媒が分散されている(ビニル基含量:0.3mmol/g、粘度:5000mPa・s)。B液は主成分がメチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体である(ヒドロシリル基含量:4.2mmol/g、粘度:40mPa・s)。従って、この付加硬化型シリコーンは、ポリジメチルシロキサンが架橋された構造を有する硬化物を与える。
かかる付加硬化型シリコーンに、アルキニル基含有シリコーンからなる硬化遅延剤(ビニル基含量:0.2mmol/g、アルキニル基含量:0.3mmol/g、粘度:1000mPa・s)を添加して使用した。A液/B液/硬化遅延剤の混合比率は重量比で9:1:0.1とした。混合物の粘度は3500mPa・sであった。
フュームドシリカとしては、トリメチルシリル基で表面処理された疎水性フュームドシリカ(BET比表面積:140±25m/g、一次粒子の平均径:約12nm)を用い
た。
球状シリカとしては、比表面積:2.2m/g、d50:4.9μmの球状溶融シリカを用いた。
球状シリコーンレジンとしては、比表面積:20m/g、平均粒子径:6.0μmの真球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子を用いた。
使用した蛍光体は、いずれも三菱化学(株)等より入手できるものである。
5.2 測定方法
5.2.1 「白色度インデックス」
蛍光体を添加しないシリコーン組成物シートの「白色度インデックス」を、コニカミノルタオプティクス(株)製分光測色計 SPECTROPHOTOMETER CM−2600dの白色度インデックス測定モードを用いて測定した。すなわち、ASTM E313−73が定める白色度インデックスを測定する場合と同様にして、校正用の標準白色板の白色度インデックスを100としたときの、シリコーン組成物シートの「白色度インデックス」を測定した。
測定の際には、シートにより反射されなかった評価光(シートを透過した評価光)が環境中に放出されるように、シートの裏側(評価光の入射側ではない側)を環境中に解放した。
厳密にいえば、このようにして測定されるシリコーン組成物シートの「白色度インデックス」は、基本的に不透明な対象物を評価する指標であるASTM E313−73の白色度インデックスとは異なる。しかし、シリコーン組成物の光拡散性を評価する目的においては有用な指標として利用することができる。なぜなら、シリコーン組成物の光拡散性が高い程、該組成物で形成したシートで反射される光の量が多くなり、「白色度インデックス」が高くなるからである。
5.2.2 粘度
熱硬化性シリコーン組成物の粘度はキャピラリーレオメータを用いて測定した。
5.2.3 硬さ
熱硬化性シリコーン組成物の硬化物の硬さ測定は、JIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)に準拠して行った。熱硬化性シリコーン組成物をプレス成型機を用いて圧力50kg/cm、硬化温度150℃、硬化時間3分間という条件で硬化させて直径13mm、厚さ3mmのディスクを作製し、このディスクを2枚重ねたものを試験片とした。デュロメータには、タイプDデュロメータを用いた。
5.3 試作および評価結果
5.3.1 実験例1
シリコーンバインダーに超微粒子フィラーとしてフュームドシリカ、ミクロンサイズフィラーとして球状シリカおよび球状シリコーンレジンを分散させた、蛍光体非含有のシリコーン組成物からなるディスクを作成し、該ディスクの光拡散性を「白色度インデックス」を指標として評価した。
ディスクの作製は、熱硬化性シリコーン組成物をプレス成型機を用いて成型する方法で行った。成型時の圧力は50kg/cmとし、硬化条件は150℃、3分間とした。ディスクの直径は13mm、厚さは1mmとした。
下記表1に、16種類のサンプルS01〜S16についての、原料に用いた熱硬化性シリコーン組成物の組成と、「白色度インデックス」の測定結果を示す。
Figure 2015181140
16種類のサンプルのうち、サンプルS01〜S09はシリコーンバインダーとフュームドシリカの混合比が略等しく(シリコーン100重量部に対しフュームドシリカ13〜14重量部)、かつ、シリコーンバインダーの体積百分率も略一定(43〜44%)である。したがって、サンプルS01〜S09の間における「白色度インデックス」の違いは、ミクロンサイズフィラー(球状シリカと球状シリコーンレジン)に占める球状シリカの体積比の違いによるものといえる。
そのサンプルS01〜S09における「白色度インデックス」とミクロンサイズフィラーに占める球状シリカの体積比との関係をプロットしたグラフが図1である。図1によれば、ミクロンサイズフィラーに占める球状シリカの体積比の増加とともに、「白色度インデックス」が直線的に増加していることが判る。この結果は、主として球状シリカが光拡散剤として作用していることを明白に示している。
サンプルS10〜15について見ると、サンプルS10〜S14は、シリコーンバインダーとヒュームドシリカの混合比が略等しく(シリコーン100重量部に対しヒュームドシリカ19重量部)、かつ、シリコーンバインダーの体積百分率が略一定(45〜46%)であり、ミクロンサイズフィラー(球状シリカと球状シリコーンレジン)に占める球状シリカの体積比のみが異なっている。
一方、サンプルS15とS16は、シリコーンバインダーの体積百分率(45〜46%)と、ミクロンサイズフィラーに占める球状シリカの体積比(17%)がサンプルS14と同じであるが、シリコーンバインダーとフュームドシリカの混合比が異なっている(シ
リコーン100重量部に対してヒュームドシリカがS14では19重量部、S15では22重量部、S16では25重量部)。
図2は、図1のグラフに対してサンプルS10〜S16の結果を追加的にプロットしたものである。サンプルS10〜S16においても、「白色度インデックス」とミクロンサイズフィラーに占める球状シリカの体積比との関係は、サンプルS01〜S09におけるそれと略同じであることが判る。この結果は、フュームドシリカがシリコーン組成物の光拡散性に対して実質的に影響していないことを示している。
5.3.2 実験例2
表1のサンプルS05(「白色度インデックス」が18.2)の組成をベースとして蛍光体を添加した熱硬化性シリコーン組成物を用いて、厚さ1mm、直径60mmのディスク形波長変換コンポーネントをプレス成型法により作製した。そして、その波長変換コンポーネントを青色LEDと組み合わせて相関色温度約4000Kのリモート・フォスファー型白色発光装置を作製した。使用した蛍光体は、黄色蛍光体のYAG(YAG:Ce)、緑色蛍光体のβサイアロン(βサイアロン:Eu)、赤色蛍光体のSCASN[(Sr,Ca)AlSiN3:Eu]である。作製した熱硬化性シリコーン組成物における各材
料の使用量は、YAG:1.01g、βサイアロン:2.35g、SCASN:0.64g、付加硬化型シリコーン:32.5g、フュームドシリカ:4.4g、球状シリカ:14.8g、球状シリコーンレジン:44.3gである。この組成物における蛍光体の含有量は4.0wt%である。
得られた白色発光装置の演色評価数(Ra)は82であった。
5.3.3 実験例3
表1のサンプルS08(「白色度インデックス」が21.4)の組成をベースとして蛍光体を添加した熱硬化性シリコーン組成物を用いて、厚さ1mm、直径60mmのディスク形波長変換コンポーネントをプレス成型法により作製した。そして、その波長変換コンポーネントを青色LEDと組み合わせて相関色温度約4000Kのリモート・フォスファー型白色発光装置を作製した。使用した蛍光体は上記実験例2と同じである。作製した熱硬化性シリコーン組成物における各材料の使用量は、YAG:0.88g、βサイアロン:2.06g、SCASN:0.56g、付加硬化型シリコーン:32.0g、フュームドシリカ:4.3g、球状シリカ:19.8g、球状シリコーンレジン:40.4gである。この組成物における蛍光体の含有量は3.5wt%である。
得られた白色発光装置の演色評価数(Ra)は82であった。この白色発光装置の明るさは試作例1で得たものと略同じであった。
5.3.4 実験例4
付加硬化型シリコーン:350g、フュームドシリカ:67g、球状シリカ:145gおよび球状シリコーンレジン:438gを混合して作製した熱硬化性シリコーン組成物から、液状インジェクションモールド法によって直径60mm、厚さ1mm(設計値)の蛍光体を含まないディスクを作製した。作製した熱硬化性シリコーン組成物のフィラー含有量は、付加硬化型シリコーン100重量部に対してフュームドシリカが19重量部、球状シリカが41重量部、球状シリコーンレジンが125重量部である。
この熱硬化性シリコーン組成物の粘度測定の結果を下記表2に示す。
Figure 2015181140
液状インジェクションモールディングにおける金型温度は150〜200℃の範囲内で、金型への充填時間は0.1秒〜1秒、金型内での樹脂硬化時間は10秒〜数分の間で、射出圧は0.5〜2tの間で、それぞれ調節した。
作製したディスクから2枚を選んで、その厚さを各5箇所で測定したところ、1.08〜1.12mmであり、平均値は1.09mmであった。また、作製したディスクから3枚を選んでそれぞれの「白色度インデックス」と波長450nmにおける拡散反射率を測定したところ、「白色度インデックス」は19.7、19.4および19.3であり、拡散反射率は16.9、16.5および16.7であった。
5.3.5 実験例5
付加硬化型シリコーン:329g、フュームドシリカ:72g、球状シリカ:132g、球状シリコーンレジン:405gおよびYAG蛍光体:62gを混合して作製した熱硬化性シリコーン組成物から、液状インジェクションモールド法によって直径60mm、厚さ1mm(設計値)のディスク状の波長変換コンポーネントを作製した。作製した熱硬化性シリコーン組成物中のフィラーおよび蛍光体の含有量は、付加硬化型シリコーン100重量部に対してフュームドシリカが22重量部、球状シリカが40重量部、球状シリコーンレジンが123重量部、YAG蛍光体が19重量部である。
この硬化性シリコーン組成物の粘度測定の結果を下記表3に示す。
Figure 2015181140
この硬化性シリコーン組成物の硬化物のデュロメータ硬さはHDD36であった。
液状インジェクションモールディングの条件は、上記実験例4と同様にして調整した。
作製した複数の波長変換コンポーネントの間には厚さのバラツキが生じたが、1枚の中の面内3箇所で測定した膜厚の平均値が0.97〜0.99mmの範囲内となった18枚の波長変換コンポーネントについて見ると、下記表4に示すように、3箇所の膜厚の最大値と最小値の差は3%以下であった。
Figure 2015181140
表4には、また、この18枚の波長変換コンポーネントのそれぞれについて、青色LEDと組み合わせて白色発光装置を構成したときの、その白色発光装置の相関色温度およびxy色度座標値を併せて示している。白色発光装置を構成する際に用いた波長変換コンポーネント以外の部品(青色LEDを含む)は同一である。表4に示すように、相関色温度は4007〜4024Kという範囲に収まり、色度座標値の変動幅はx軸方向で0.001、y軸方向で0.002であった。
5.3.6 実験例6
シリコーンバインダーにフュームドシリカ、球状シリカおよび球状シリコーンレジンを分散させた、蛍光体非含有の熱硬化性シリコーン組成物を作製し、該シリコーン組成物の硬化物の硬度と、該シリコーン組成物から作製したディスクの「白色度インデックス」を測定した。ディスクの作製は上記実験例1と同様にして行った。
硬化前のシリコーン組成物の組成および粘度と、硬化物の硬度および「白色度インデックス」の測定結果を下記表5に示す。
Figure 2015181140
表5に示すように、サンプルNo.1〜4のシリコーン組成物はデュロメータ硬さがHDD40に近い硬化物を与えた。これらの組成物ではバインダー100重量部に対する球状シリコーンレジンの添加量が120重量部以上である。
それに対し、フュームドシリカと球状シリカを含有するが球状シリコーンレジンを含有しないサンプルNo.5と、フィラーがフュームドシリカのみであるサンプルNo.6のシリコーン組成物では、硬化物のデュロメータ硬さがHDD20以下となった。また、サンプルNo.7のシリコーン組成物は、サンプルNo.1〜4に比べると球状シリコーンレジンの含有量が少ないが、デュロメータ硬さがHDD29の硬化物を与えた。
また、サンプルNo.1、2、4および7の熱硬化性シリコーン組成物は、せん断速度120/sのときの粘度が500Pa・s未満であり、インジェクションモールディングやトランスファーモールディングに好適な粘性を備えていた。それに対して、シリコーンバインダーにフュームドシリカのみを高濃度に添加したサンプルNo.6の熱硬化性シリコーン組成物の粘度は、751Pa・sという比較的高い値であった。
5.3.7 実験例7
この実験では球状シリコーンレジンとして、上記各実験で使用した平均粒子径6.0μmのものに加え、平均粒子径2.0μmの真球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子を用いた。この2種類の球状シリコーンレジンを用いて上記実験例1と同様に蛍光体非含有の熱硬化性シリコーン組成物を作製し、せん断速度120/sのときの粘度を測定するとともに、該シリコーン組成物を硬化させて得たディスクの「白色度インデックス」を測定した。
結果を表6に示す。
Figure 2015181140
表6に示すように、平均粒子径が6.0μmの球状シリコーンレジンのみを含有するサンプルNo.1および2の熱硬化性シリコーン組成物と比較すると、平均粒子径が2.0μmの球状シリコーンレジンのみを含有するサンプルNo.3〜5の熱硬化性シリコーン組成物は粘度が高く、また、硬化物の「白色度インデックス」も高い値となった。
サンプルNo.6の熱硬化性シリコーン組成物には、球状シリコーンレジンとして平均粒子径が6.0μmのものと2.0μmのものの両方が添加され、更に球状シリカが添加されているが、その硬化物の「白色度インデックス」はサンプルNo.5のシリコーン組成物と比べて低かった。バインダー100重量部あたりの球状シリコーンレジンの添加量の総量はサンプルNo.6の組成物の方が多いにも拘わらずである。これは、サンプルNo.5の組成物の方が、平均粒子径2.0μmの球状シリコーンレジンの含有量が多かったためと考えられる。
5.3.8 実験例8
付加硬化型シリコーン100重量部に対してフュームドシリカを28重量部、球状シリカを54重量部、球状シリコーンレジン(平均粒子径6.0μm)を97重量部、蛍光体(YAG、βサイアロン、SCASNを含む)を20重量部の比率で添加した熱硬化性シリコーン組成物を約3.2kg作製した。このシリコーン組成物の硬化物のデュロメータ硬さはHDD36であった。
1 ケース
2 青色LED
3 波長変換コンポーネント
10 リモート・フォスファー型LED装置

Claims (16)

  1. シリコーンバインダー中に蛍光体およびフィラーが分散されてなるシリコーン組成物からなるモールド成形体であり、
    上記フィラーは粒子径が1μm以上である球状シリコーンレジンを含み、
    上記球状シリコーンレジンの含有量が上記シリコーンバインダー100重量部に対して50重量部以上である、
    波長変換コンポーネント。
  2. 上記シリコーン組成物のデュロメータ硬さがHDD25以上である、請求項1に記載の波長変換コンポーネント。
  3. シリコーンバインダー中に蛍光体およびフィラーが分散されてなるシリコーン組成物からなるモールド成形体であり、
    上記シリコーンバインダーはデュロメータ硬さがHDD20以下のエラストマーであり、
    上記フィラーは粒子径が1μm以上の球状シリコーンレジンを含有し、
    上記シリコーン組成物のデュロメータ硬さがHDD25以上である、
    波長変換コンポーネント。
  4. 上記シリコーンバインダーと上記球状シリコーンレジンの間の屈折率差が0.05未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  5. 上記シリコーンバインダーおよび上記球状シリコーンレジンがいずれもシリカより低い屈折率を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  6. 上記シリコーンバインダーはポリジメチルシロキサンが架橋された構造を有しており、上記球状シリコーンレジンはポリメチルシルセスキオキサン構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  7. 上記フィラーが粒子径3μm以下の球状シリコーンレジンを含有しない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  8. 上記フィラーが更に球状シリカを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  9. 上記球状シリカが溶融シリカを含む、請求項8に記載の波長変換コンポーネント。
  10. 上記溶融シリカの含有量が、上記シリコーンバインダー100重量部に対して5重量部以上80重量部以下である、請求項9に記載の波長変換コンポーネント。
  11. 上記フィラーが更にフュームドシリカを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  12. 上記シリコーン組成物のデュロメータ硬さがHDD35以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  13. 直径5〜7cmかつ厚さ0.5〜1mmのディスクである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  14. 直径2〜3cmかつ厚さ0.2〜0.5mmのディスクである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  15. 直径および高さ1〜5cmかつ厚さ0.5〜2mmの半球形ドームである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
  16. 発光ピーク波長を440〜470nmの範囲内に有するLEDが発する第一の光の一部が透過可能であり、かつ、該第一の光の他の一部を該第一の光の色とは補色の関係にある色を有する第二の光に変換することができる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の波長変換コンポーネント。
JP2013017484A 2012-07-27 2013-01-31 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント、その製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物 Pending JP2015181140A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013017484A JP2015181140A (ja) 2012-07-27 2013-01-31 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント、その製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物
PCT/JP2013/069945 WO2014017501A1 (ja) 2012-07-27 2013-07-23 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント、その製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物
TW102126853A TW201414019A (zh) 2012-07-27 2013-07-26 半導體發光裝置用之波長轉換元件

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012167550 2012-07-27
JP2012167550 2012-07-27
JP2012204381 2012-09-18
JP2012204381 2012-09-18
JP2013017484A JP2015181140A (ja) 2012-07-27 2013-01-31 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント、その製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015181140A true JP2015181140A (ja) 2015-10-15

Family

ID=49997310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013017484A Pending JP2015181140A (ja) 2012-07-27 2013-01-31 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント、その製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2015181140A (ja)
TW (1) TW201414019A (ja)
WO (1) WO2014017501A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018137335A (ja) * 2017-02-22 2018-08-30 株式会社本田電子技研 自動ドア開閉制御用センサ
CN108473767A (zh) * 2015-12-22 2018-08-31 琳得科株式会社 固化性组合物、固化性组合物的制造方法、固化物、和固化性组合物的使用方法
KR20200101952A (ko) * 2017-12-20 2020-08-28 루미레즈 엘엘씨 Led 어레이를 위한 변환기 충전
JP7218378B2 (ja) 2018-02-19 2023-02-06 シグニファイ ホールディング ビー ヴィ ライトエンジンを備える封止デバイス
WO2024110506A1 (de) * 2022-11-23 2024-05-30 Ams-Osram International Gmbh Modifizierung von silikonen mit polysilsesquioxanpartikeln

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6448397B2 (ja) * 2015-02-02 2019-01-09 富士フイルム株式会社 蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置
JP6805505B2 (ja) * 2015-03-05 2020-12-23 日亜化学工業株式会社 発光装置
JP2017043682A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 デクセリアルズ株式会社 波長変換部材、蛍光体シート、白色光源装置、及び表示装置
KR102215781B1 (ko) * 2017-02-23 2021-02-16 도레이 카부시키가이샤 형광체 시트, 그것을 사용한 led칩 및 led 패키지, led 패키지의 제조 방법, 그리고 led 패키지를 포함하는 발광 장치, 백라이트 유닛 및 디스플레이
US11578264B2 (en) 2017-09-20 2023-02-14 Materion Precision Optics (Shanghai) Limited Phosphor wheel with inorganic binder
JP6776422B2 (ja) * 2019-09-05 2020-10-28 デクセリアルズ株式会社 波長変換部材、蛍光体シート、白色光源装置、及び表示装置
US20240186464A1 (en) * 2022-12-02 2024-06-06 Ams-Osram International Gmbh Converter and method for producing the same

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006321832A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Konishi Kagaku Ind Co Ltd 光半導体封止用樹脂組成物及びこれを用いた光半導体装置
JP4860985B2 (ja) * 2005-11-11 2012-01-25 株式会社カネカ シリコーン系重合体粒子を含有するシリコーン系組成物
JP2009173694A (ja) * 2008-01-21 2009-08-06 Kaneka Corp シリコーン系重合体粒子および該粒子を含有する硬化性樹脂組成物
JP5289835B2 (ja) * 2008-06-25 2013-09-11 シャープ株式会社 発光装置およびその製造方法
JP5827864B2 (ja) * 2011-06-14 2015-12-02 日東電工株式会社 封止用シートおよび光半導体素子装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108473767B (zh) * 2015-12-22 2021-07-13 琳得科株式会社 固化性组合物、固化性组合物的制造方法、固化物、和固化性组合物的使用方法
CN108473767A (zh) * 2015-12-22 2018-08-31 琳得科株式会社 固化性组合物、固化性组合物的制造方法、固化物、和固化性组合物的使用方法
KR20180098292A (ko) * 2015-12-22 2018-09-03 린텍 가부시키가이샤 경화성 조성물, 경화성 조성물의 제조 방법, 경화물, 및 경화성 조성물의 사용 방법
JPWO2017110947A1 (ja) * 2015-12-22 2018-10-11 リンテック株式会社 硬化性組成物、硬化性組成物の製造方法、硬化物、及び硬化性組成物の使用方法
KR102682505B1 (ko) * 2015-12-22 2024-07-05 린텍 가부시키가이샤 경화성 조성물, 경화성 조성물의 제조 방법, 경화물, 및 경화성 조성물의 사용 방법
JP7049769B2 (ja) 2017-02-22 2022-04-07 株式会社本田電子技研 自動ドア開閉制御用センサ
JP2018137335A (ja) * 2017-02-22 2018-08-30 株式会社本田電子技研 自動ドア開閉制御用センサ
US11335835B2 (en) 2017-12-20 2022-05-17 Lumileds Llc Converter fill for LED array
KR102407151B1 (ko) * 2017-12-20 2022-06-13 루미레즈 엘엘씨 Led 어레이를 위한 변환기 충전
US11973169B2 (en) 2017-12-20 2024-04-30 Lumileds Llc Converter fill for LED array
KR20200101952A (ko) * 2017-12-20 2020-08-28 루미레즈 엘엘씨 Led 어레이를 위한 변환기 충전
JP7218378B2 (ja) 2018-02-19 2023-02-06 シグニファイ ホールディング ビー ヴィ ライトエンジンを備える封止デバイス
WO2024110506A1 (de) * 2022-11-23 2024-05-30 Ams-Osram International Gmbh Modifizierung von silikonen mit polysilsesquioxanpartikeln

Also Published As

Publication number Publication date
TW201414019A (zh) 2014-04-01
WO2014017501A1 (ja) 2014-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014017501A1 (ja) 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント、その製造方法、および、熱硬化性シリコーン組成物
JP6217831B2 (ja) 樹脂成形体用材料、及び樹脂成形体の製造方法
JP5424843B2 (ja) 熱硬化性シリコーン樹脂用組成物
JP5821316B2 (ja) 半導体発光装置用樹脂パッケージの製造方法及び該半導体発光装置用樹脂パッケージを有してなる半導体発光装置の製造方法
JP2012256651A (ja) 半導体発光装置用樹脂パッケージ及びその製造方法並びに該樹脂パッケージを有してなる半導体発光装置
JP5760655B2 (ja) 半導体発光装置用樹脂パッケージ及び該樹脂パッケージを有してなる半導体発光装置並びにそれらの製造方法
TW201203619A (en) Package for semiconductor light-emitting device and semiconductor light-emitting device
US9318670B2 (en) Materials for photoluminescence wavelength converted solid-state light emitting devices and arrangements
JP5919903B2 (ja) 半導体発光装置用パッケージ及び該パッケージを有してなる半導体発光装置並びにそれらの製造方法
JP2013004923A (ja) 半導体発光装置用後付リフレクタ、半導体発光装置用樹脂パッケージ及び半導体発光装置
JP2013183013A (ja) 半導体発光装置用パッケージシート、その製造方法、半導体発光装置用パッケージ、その製造方法及び半導体発光装置
TW201323211A (zh) 積層體及帶有波長變換層的發光二極體的製造方法
JP2013095782A (ja) 半導体発光装置用シリコーン樹脂組成物
JP5738541B2 (ja) 光半導体装置
JP2018041860A (ja) 波長変換シート、シート被覆素子および光半導体装置
JP2013004905A (ja) 半導体発光装置用パッケージ及び半導体発光装置
JP2014078691A (ja) 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント及び半導体発光装置
TW201813139A (zh) 附反射層及螢光體層之光半導體元件
US20100213490A1 (en) Sealing composition for light emitting device and light emitting device including the same
JP4722686B2 (ja) 光半導体素子封止用樹脂組成物の製法およびそれにより得られる光半導体素子封止用樹脂組成物ならびに光半導体装置
JP5834519B2 (ja) 半導体発光装置用の樹脂成形体用材料およびその成形体
JP2012238767A (ja) 半導体発光装置パッケージ用樹脂組成物、半導体発光装置パッケージ及びその製造方法
JP2014105313A (ja) 蛍光体を含有する熱硬化性シリコーン組成物の製造方法および波長変換コンポーネントの製造方法
JP2020136418A (ja) ウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物及び該組成物を用いたウェハーレベル光半導体デバイス
JP2014084427A (ja) 半導体発光装置用の波長変換コンポーネント