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JP2015175013A - 3次元積層造形装置及び3次元積層造形方法 - Google Patents

3次元積層造形装置及び3次元積層造形方法 Download PDF

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JP2015175013A JP2014050678A JP2014050678A JP2015175013A JP 2015175013 A JP2015175013 A JP 2015175013A JP 2014050678 A JP2014050678 A JP 2014050678A JP 2014050678 A JP2014050678 A JP 2014050678A JP 2015175013 A JP2015175013 A JP 2015175013A
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Takayuki Shimizu
崇行 清水
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Abstract

【課題】同一の層内に種類の異なる複数の粉末材料が区分けされた造形物を形成することができる3次元積層造形装置及び3次元積層造形方法を提供する。
【解決手段】3次元積層造形装置1は、ステージ4と、第1供給部34と、第2供給部35と、溶融機構8と、粉末除去機構32と、を備えている。粉末除去機構32は、ステージ4に供給された第1の粉末材料M1及び第2の粉末材料N1のうち溶融し、凝固しなかった不要粉末を除去する。そして、第2供給部35は、粉末除去機構32により第1の粉末材料M1の不要粉末を除去した後に、第1の粉末材料M1からなる第1粉末層と同一の層に第2の粉末材料N1を供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステージ上に粉末材料を薄く敷いた層を一層ずつ重ねて造形する3次元積層造形装置及び3次元積層造形方法に関する。
近年、粉末材料を薄く敷いた層を一層ずつ重ねて造形する3次元積層造形技術が脚光を浴びており、粉末材料の材料や造形手法の違いにより多くの種類の3次元積層造形技術が開発されている。
従来の3次元積層造形装置の造形方法としては、例えば粉末材料を粉末台であるステージの上面に一層毎に敷き詰める。次に、ステージ上に敷き詰められた粉末材料に対し、造形物の一断面に相当する二次元構造部だけを電子ビームやレーザからなる溶融機構で溶融する。そして、そのような粉末材料の層を一層ずつ高さ方向(Z方向)に積み重ねることにより造形物を形成している(例えば、特許文献1参照)。
次に、従来の3次元積層造形装置の一例について、図19〜図21を参照して説明する。
図19は、従来の3次元積層造形装置を示す概略断面図である。図20〜図21は、従来の3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。
図19に示すように、従来の3次元積層造形装置200は、造形処理を行う中空の処理室202と、処理室202内に配置された造形枠203と、ステージ204と、ステージ204を昇降可能に支持するステージ駆動機構205と、を有している。また、3次元積層造形装置200は、ステージ4の一面に粉末材料の一例を示す金属粉末M1を供給し、積層する粉末供給機構210と、金属粉末M1を溶融させる溶融機構である電子銃208と、を有している。
造形枠203の中央部には、ピット203aが形成されている。ステージ駆動機構205は、ピット203aの下方に設けられている。ステージ駆動機構205は、ステージ204の軸部204dに接続し、ステージ204を鉛直方向に駆動する。
粉末供給機構210は、ガイド部211と、ガイド部211によってステージ204の一面と平行をなす方向に移動可能に支持されたアーム部212とを有している。アーム部212には、処理室202内に配置された金属粉末M1をステージ204に搬送し、かつステージ204に金属粉末M1を敷き詰めるすり切り板213が設けられている。
図20に示すように、従来の3次元積層造形装置200では、まず、ステージ駆動機構205により、ステージ204が造形枠203の上面より鉛直方向に所定の高さ分下がった位置に配置される。次に、粉末供給機構210のアーム部212がガイド部211に沿って移動し、すり切り板213により処理室202内に集積された金属粉末M1をステージ204の一面まで搬送する。さらに、アーム部212を移動させて、ステージ204の一面に所定の厚さからなる金属粉末M1を敷き詰める。
次に、図21に示すように、予め準備された設計上の造形物を所定の厚さ間隔でスライスした2次元形状に従い、電子銃208から金属粉末M1の層に対して電子ビームL1が出射される。電子銃208から出射された電子ビームL1により、その2次元形状に対応する金属粉末M1が溶融する。溶融した金属粉末M1は、材料に応じた所定時間が経過すると凝固し、凝固粉末P1となる。1層分の金属粉末M1が溶融及び凝固した後、ステージ駆動機構205によりステージ204を所定の高さ分下げる。次に、金属粉末M1を直前に敷き詰められた層(下層)の上に敷き詰める。そして、その層に相当する2次元形状に対応する領域の金属粉末M1に電子ビームL1を照射し、金属粉末M1を溶融及び凝固させる。この一連の処理を繰り返し、溶融及び凝固した金属粉末M1の層を積み重ねることにより造形物が構築される。
特開2001−152204号公報
また、近年では、種類の異なる複数の粉末材料から造形物を形成することが求められている。しかしながら、従来の3次元積層造形装置では、種類の異なる複数の粉末材料を同一の層内に供給した場合、ステージに粉末材料を敷き詰める際に、異なる種類の粉末材料が互いに混ざり合う、という問題を有していた。その結果、従来の3次元積層造形装置では、同一の層内において異なる種類の粉末材料が区分けされた造形物を形成することができない、という問題を有していた。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、同一の層内に種類の異なる複数の粉末材料が区分けされた造形物を形成することができる3次元積層造形装置及び3次元積層造形方法を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の3次元積層造形装置は、ステージと、第1供給部と、第2供給部と、溶融機構と、粉末除去機構と、を備えている。ステージには、造形物を形成するための第1の粉末材料及び、第1の粉末材料と種類の異なる第2の粉末材料が積層される。第1供給部は、ステージに第1の粉末材料を供給する。第2供給部は、ステージに第2の粉末材料を供給する。溶融機構は、第1の粉末材料及び第2の粉末材料のうち所定の領域の粉末材料を溶融させる。粉末除去機構は、ステージに供給された第1の粉末材料及び第2の粉末材料のうち溶融し、凝固しなかった不要粉末を除去する。そして、第2供給部は、粉末除去機構により第1の粉末材料の不要粉末を除去した後に、第1の粉末材料からなる第1粉末層と同一の層に第2の粉末材料を供給する。
また、本発明の3次元積層造形方法は、以下(1)〜(5)に示す工程を含んでいる。
(1)ステージに造形物を形成するための第1の粉末材料を供給し、第1の粉末材料からなる第1粉末層を形成する工程。
(2)第1粉末層における所定の領域の第1の粉末材料を溶融させ、凝固させる工程。
(3)第1粉末層のうち溶融し、凝固しなかった不要粉末を除去する工程。
(4)第1粉末層と同一の層に、造形物を形成するための第1の粉末材料と異なる第2の粉末材料を供給し、第2の粉末材料からなる第2粉末層を形成する工程。
(5)第2粉末層における所定の領域の第2の粉末材料を溶融させ、凝固させる工程。
本発明の3次元積層造形装置及び3次元積層造形方法によれば、粉末除去機構により第1粉末層から不要粉末を除去することで、同一の層内に種類の異なる粉末材料が区分けされた造形物を形成することができる。
本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置を模式的に示す概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置を示す概略平面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。概略平面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置によって形成された造形物の一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置を模式的に示す概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置を示す概略平面図である。 第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置における粉末材料の補給動作を示す概略断面図である。 第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置における粉末材料の補給動作を示す概略断面図である。 第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置における供給ヘッドを示す斜視図である。 第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置における供給ヘッドから粉末材料が排出される状態を示す説明図である。 従来の3次元積層造形装置の一例を示す概略構成図である。 従来の3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。 従来の3次元積層造形装置の動作を示す説明図である。
以下、本発明の3次元積層造形装置及び3次元積層造形方法の実施の形態例について、図1〜図18を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、説明は以下の順序で行うが、本発明は、必ずしも以下の形態に限定されるものではない。
1.第1の実施の形態例
1−1.3次元積層造形装置の構成
1−2.3次元積層造形装置の動作
2.第2の実施の形態例
1.第1の実施の形態例
1−1.3次元積層造形装置の構成
まず、本発明の3次元積層造形装置の第1の実施の形態例について図1〜図2を参照して説明する。
図1は、本例の3次元積層造形装置を模式的に示す概略断面図、図2は、本例の3次元積層造形装置を模式的に示す平面図である。
図1に示す3次元積層造形装置1は、例えば、チタン、アルミニウム、鉄等の金属粉末からなる粉末材料に電子ビームを照射して粉末材料を溶融させ、この粉末材料が凝固した層を積み重ねて立体物を造形する装置である。
3次元積層造形装置1は、中空の処理室2と、造形枠3と、平板状のステージ4と、ステージ駆動機構5と、粉末供給ユニット7と、電子銃8とを有している。ここで、ステージ4の一面と平行をなす方向を第1の方向X1とし、第1の方向X1と直交し、かつステージ4の一面と平行をなす方向を第2の方向Y1とする。また、ステージ4の一面と直交する方向を第3の方向Z1とする。
処理室2には、図示していない真空ポンプが接続されている。そして、処理室2内の雰囲気が真空ポンプにより排気されることで、処理室2内は、真空に維持されている。この処理室2内には、造形枠3と、ステージ4、ステージ駆動機構5及び粉末供給ユニット7が設けられている。処理室2の第3の方向Z1の一側には、電子銃8が装着されており、第3の方向Z1の他側には、造形枠3が配置されている。
造形枠3には、第3の方向Z1に沿って一方から他方にかけて貫通するピット3aが形成されている。ピット3aは、略四角柱状に開口している。また、完成した造形物K1(図12参照)を取り出せるようにするために、造形枠3におけるピット3aの外周面の一部は、開放されている。
図2に示すように、造形枠3には、2つの粉末回収口3bが設けられている。2つの粉末回収口3bは、ピット3aの第2の方向Y1の両側に配置されている。2つの粉末回収口3bは、ピット3aから除去された不要な第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1を回収する。
なお、本例では、粉末回収口3bをピット3aの第2の方向Y1の両側に配置した例を説明したが、これに限定されるものではない。粉末回収口3bは、例えば、ピット3aにおける第1の方向X1の両側のうち後述する粉末供給ユニット7の供給ヘッド21が第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1を排出して移動する際の移動方向の前方に設けてもよい。
造形枠3におけるピット3aには、ステージ4及びステージ駆動機構5が配置されている。ステージ4は、造形物K1を形成するための第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が積層される粉末台である。また、ステージ4の側端部には、耐熱性及び柔軟性のある摺動部材14が設けられている。摺動部材14は、ピット3aの壁面に摺動可能に接触している。そして、摺動部材14により、ステージ4における第3の方向Z1の一方の空間と他方の空間が密閉されている。
また、ステージ4における第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が積層される一面と反対側の他面には、軸部4dが設けられている。軸部4dは、ステージ4の他面から第3の方向Z1の他方に向けて突出している。軸部4dは、ピット3aに収容されたステージ駆動機構5に接続されている。ステージ駆動機構5は、軸部4dを介してステージ4を第3の方向Z1に沿って駆動する。ステージ駆動機構5としては、例えば、ラックとピニオンやボールねじ等が挙げられる。
溶融機構の一例を示す電子銃8は、処理室2の第3の方向Z1の一側において、ステージ4の一面4aに対向して配置される。電子銃8は、予め準備された設計上の造形物(3次元CAD(Computer−Aided Design)データにより表された造形物)をΔZ間隔でスライスした2次元形状に従い、第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1に対して電子ビームL1を出射する。電子銃8から出射された電子ビームL1により、その2次元形状に対応する領域の第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が溶融する。
次に、粉末供給ユニット7の詳細な構成について説明する。
粉末供給ユニット7は、供給ヘッド21と、第1粉末貯蔵部22と、第2粉末貯蔵部23と、第1粉末送出部24と、第2粉末送出部25と、第1搬送パイプ26と、第2搬送パイプ27とを有している。また、粉末供給ユニット7は、一対のガイド部18と、供給ヘッド21に設けられた均し部材31と、粉末除去機構32とを有している。
第1粉末貯蔵部22には、第1の金属粉末M1が収容されている。また、第2粉末貯蔵部23には、第1の金属粉末M1とは異なる種類の第2の金属粉末N1が収容されている。第1粉末貯蔵部22は、第1搬送パイプ26を介して後述する供給ヘッド21の第1供給部34に連結されている。第1搬送パイプ26には、第1の金属粉末M1を第1粉末貯蔵部22から第1供給部34へ送り出す第1粉末送出部24が設けられている。
第2粉末貯蔵部23は、第2搬送パイプ27を介して後述する供給ヘッド21の第2供給部35に連結されている。第2搬送パイプ27には、第2の金属粉末N1を第2粉末貯蔵部23から第2供給部35へ送り出す第2粉末送出部25が設けられている。
図2に示すように、一対のガイド部18は、処理室2内においてステージ4を間に挟んで第2の方向Y1の両側に配置されている。また、一対のガイド部18は、第1の方向X1に沿って処理室2内に延在している。一対のガイド部18には、供給ヘッド21が第1の方向X1に移動可能に支持されている。
供給ヘッド21は、第2の方向Y1に延在する略直方体状の部材である。供給ヘッド21には、第1供給部34と、第2供給部35が設けられている。第1供給部34は、第1の金属粉末M1を一時的に収容する。そして、第1供給部34は、ステージ4に第1の金属粉末M1を供給する。第1供給部34におけるステージ4と対向する側には、第1の金属粉末M1を排出する排出口34aが設けられている。排出口34aは、不図示のシャッター部材によって開閉可能に塞がれている。
第2供給部35は、第1の金属粉末M1と異なる種類の第2の金属粉末N1を一時的に収容する。そして、第2供給部35は、ステージ4に第2の金属粉末N1を供給する。第2供給部35におけるステージ4と対向する側には、第2の金属粉末N1を排出する排出口35aが設けられている。排出口35aは、不図示のシャッター部材によって開閉可能に塞がれている。
また、供給ヘッド21には、均し部材31と、粉末除去機構32が設けられている。均し部材31は、供給ヘッド21における第1の方向X1の一側に設けられている。すなわち、均し部材31は、供給ヘッド21が第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1を排出して移動する際の移動方向の後方に配置される。
均し部材31は、略平板状に形成されている。均し部材31は、供給ヘッド21に第3の方向Z1に移動可能に支持されている。均し部材31は、第1の金属粉末M1又は第2の金属粉末N1を所定の厚さΔZに均一に均す際に、第3の方向Z1の他方に向けて移動する。そして、均し部材31は、第3の方向Z1の他端がステージ4の一面4a又は第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1で形成された平面(以下、「試料面」という)から第3の方向Z1に所定の間隔ΔZを開けて停止する。この均し部材31が停止した際の均し部材31とステージ4の一面4a及び試料面との間隔は、造形物K1(図12参照)の一層分の厚さと等しく設定されている。
また、均し部材31における第2の方向Y1の両端部は、第1の方向X1の一側に向けて屈曲している。供給ヘッド21が第1の方向X1に沿って移動する際、均し部材31の第2の方向Y1の両端部は、造形枠3の粉末回収口3bの第3の方向Z1の一側、すなわち上方を通過する。このとき、ステージ4の一面4a又は試料面に供給された第1の金属粉末M1又は第2の金属粉末N1における余分な金属粉末は、均し部材31の第2の方向Y1の両端部により粉末回収口3bまでガイドされる。
なお、均し部材31を供給ヘッド21に移動可能に取り付けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、均し部材31は、その他端がステージ4の一面4a又は試料面から所定の間隔ΔZを開けて供給ヘッド21に固定してもよい。
粉末除去機構32は、供給ヘッド21における第1の方向X1の他側に設けられている。粉末除去機構32は、供給ヘッド21に第3の方向Z1に移動可能に支持されている。粉末除去機構32は、ステージ4の一面4a又は試料面に供給された第1の金属粉末M1又は第2の金属粉末N1のうち溶融し、凝固されなかった第1不要粉末M2及び第2不要粉末N2(図6、図10参照)を一面4a又は試料面から除去する。
粉末除去機構32としては、例えば、ブラシ、平板状の部材、第1不要粉末M2及び第2不要粉末N2吸引又は気体を噴出するエアーノズル等を用いることができる。なお、真空状態で3次元積層造形を行う場合では、粉末除去機構32としては、処理室2の真空状態を保つために、第1不要粉末M2及び第2不要粉末N2(図6参照)を吸引又は気体を噴出するエアーノズルよりもブラシや平板状の部材を用いることが好ましい。また、粉末除去機構32としては、回転駆動する回転ブラシを用いてもよい。
また、本例の3次元積層造形装置1では、一つの供給ヘッド21内に第1の金属粉末M1を排出する第1供給部34と、第2の金属粉末N1を排出する第2供給部35を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1供給部34を有する第1供給ヘッドと、第2供給部35を有する第2供給ヘッドを別々に設けてもよい。この場合、均し部材31は、第1供給ヘッド及び第2供給ヘッドそれぞれに設けることが好ましい。
1−2.3次元積層造形装置の動作
次に、図1〜図11を参照して上述した構成を有する3次元積層造形装置1の動作について説明する。
図3〜図11は、本例の3次元積層造形装置1の動作の要部を模式的に示す説明図である。
まず、図1及び図3に示すように、ステージ駆動機構5を駆動させて、造形枠3の上面より第3の方向Z1に所定の間隔ΔZ分がった位置、又はステージ4の一面4aと造形枠3の上面が同じ高さとなる位置にステージ4を配置する。この所定の間隔ΔZが、その後に敷き詰められる金属粉末M1の第3の方向Z1の層厚に相当する。なお、本例では、ステージ4の一面4aと造形枠3の上面が同じ高さにステージ4を配置させた例について説明する。
次に、図3に示すように、供給ヘッド21の第1供給部34に第1の金属粉末M1を搬送し、第1供給部34の排出口34aを開放する。このとき、第2供給部35の排出口35aは、不図示のシャッター部材により閉じられている。そして、供給ヘッド21を第1の方向X1に沿って移動させて、造形枠3の上面及びステージ4の一面4aに第1の金属粉末M1を供給する。
このとき、均し部材31は、その他端とステージ4の一面4aとの間隔が、所定の間隔ΔZとなる位置まで移動している。そして、均し部材31が供給ヘッド21と共に第1の方向X1に沿って移動することで、ステージ4の一面4aに供給された第1の金属粉末M1が均し部材31により、所定の厚さΔZとなるように均一に均される。
また、余分な第1の金属粉末M1は、ステージ4の一面4aからピット3aの第1の方向X1の他側、又はピット3aの第2の方向Y1の両側へ排除される。ピット3aの第2の方向Y1の両側へ排除された余分な第1の金属粉末M1は、粉末回収口3bに回収される。これにより、第2の金属粉末N1を積層する際に、ピット3aの周囲に残る余分な第1の金属粉末M1が加工エリア(ステージ4の一面4a)内に侵入することを防ぐことができる。その結果、第1の金属粉末M1と第2の金属粉末N1が混ざり合うことを防ぐことができる。
図4に示すように、ステージ4の一面4aには、所定の厚さΔZからなる第1の金属粉末M1の層(以下、「第1粉末層」という)S1が形成される。次に、図5に示すように、第1粉末層S1に対して電子銃8から所定の領域に電子ビームL1を出射する。電子銃8は、予め準備された設計上の造形物(3次元CAD(Computer−Aided Design)データにより表された造形物)をΔZ間隔でスライスした2次元形状に従い、第1粉末層S1に対して電子ビームL1を出射する。電子銃8から出射された電子ビームL1により、その2次元形状に対応する領域の第1の金属粉末M1が溶融する。
次に、溶融した第1の金属粉末M1は、材料に応じた所定時間が経過すると凝固し、第1凝固粉末P1となる。第1粉末層S1に第1凝固粉末P1が形成された後、図6に示すように、供給ヘッド21に設けた粉末除去機構32をステージ4の一面4aと同じ高さになるまで第3の方向Z1の他方に向けて移動させる。次に、供給ヘッド21を第1の方向X1に沿って任意の回数、往復移動させる。そして、第1粉末層S1において溶融し、凝固しなかった第1不要粉末M2を、粉末除去機構32を用いてステージ4の一面4aから除去する。このとき、第1凝固粉末P1は、ステージ4の一面4aに固着しているため、粉末除去機構32により除去されることなく、ステージ4の一面4aに残る。
次に、図7に示すように、供給ヘッド21の第2供給部35に第2の金属粉末N1を搬送し、第2供給部35の排出口35aを開放する。このとき、第1供給部34の排出口34aは、不図示のシャッター部材により閉じられている。そして、供給ヘッド21を第1の方向X1に沿って移動させて、造形枠3の上面及びステージ4の一面4aに第2の金属粉末N1を供給する。
また、図8に示すように、均し部材31により余分な第2の金属粉末N1を除去し、ステージ4の一面4aに所定の厚さΔZからなる第2の金属粉末N1の層(以下、「第2粉末層」という)T1を形成する。第2粉末層T1の厚さは、第1の金属粉末M1からなる第1凝固粉末P1と同じ厚さに設定される。
次に、図9に示すように、第2粉末層T1に対して電子銃8から所定の領域に電子ビームL1を出射する。電子銃8は、予め準備された設計上の造形物(3次元CAD(Computer−Aided Design)データにより表された造形物)をΔZ間隔でスライスした2次元形状に従い、第2粉末層T1に対して電子ビームL1を出射する。電子銃8から出射された電子ビームL1により、その2次元形状に対応する領域の第2の金属粉末N1が溶融する。
次に、溶融した第2の金属粉末N1は、材料に応じた所定時間が経過すると凝固し、第2凝固粉末Q1となる。第2粉末層T1に第2凝固粉末Q1が形成された後、図10に示すように、第1粉末層S1の時と同様に、粉末除去機構32を用いて、第2粉末層T1において溶融し、凝固しなかった第2不要粉末N2をステージ4の一面4aから除去する。これにより、ステージ4の一面には、同一の層内に、第1の金属粉末M1からなる第1凝固粉末P1と、第2の金属粉末N1からなる第2凝固粉末Q1が形成される。
このように、第2の金属粉末N1を供給する前に、第1粉末層S1における第1不要粉末M2を除去することで、種類の異なる第1の金属粉末M1と第2の金属粉末N1が混ざり合うことを防ぐことができる。
次に、図11に示すように、第2不要粉末N2を除去した後、ステージ駆動機構5によりステージ4を所定の間隔ΔZ分さげる。次に、再び粉末供給ユニット7によって、供給ヘッド21の第1供給部34からΔZ分の第1の金属粉末M1を直前に敷き詰められた層(下層)の上に敷き詰める。上述した図3から図11に示す一連の工程を繰り返して、溶融及び凝固した第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1の層を積み重ねる。
これにより、図12に示すように、同一の層内に異なる種類の第1凝固粉末P1と第2凝固粉末Q1が区分けされた造形物K1が形成される。その結果、本例の3次元積層造形装置1の動作が完了する。
なお、本例の3次元積層造形装置1の動作は、上述したものに限定されるものではなく、第2粉末層T1の第2不要粉末N2を除去せずに、図11に示すように、ステージ4を所定の間隔ΔZ分下げ、第2粉末層T1の上に第1の金属粉末M1を敷き詰めてもよい。
2.第2の実施の形態例
次に、図13〜図18を参照して本発明の3次元積層造形装置の第2の実施の形態例について説明する。
図13は、第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置40を示す概略断面図、図14は、第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置40を示す平面図である。図15及び図16は、第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置40における金属粉末M1、N1の補給動作を示す概略断面図である。
この第2の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置40が、第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置1と異なる点は、粉末供給ユニットの第1粉末貯蔵部及び第2粉末貯蔵部を処理室2内に配置した点である。そのため、ここでは、粉末供給ユニット41について説明し、第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図13に示すように、粉末供給ユニット41は、第1粉末貯蔵部42と、第2粉末貯蔵部43と、粉末送出部49と、供給ヘッド50と、を有している。第1粉末貯蔵部42及び第2粉末貯蔵部43は、処理室2における第3の方向Z1の一方、すなわち造形枠3の上方に配置されている。また、図14に示すように、第1粉末貯蔵部42及び第2粉末貯蔵部43は、ピット3aの第1の方向X1の一方において、一対のガイド部18の間に配置されている。
第1粉末貯蔵部42及び第2粉末貯蔵部43の第3の方向Z1の他端部、すなわち鉛直方向の下端部には、不図示のシャッター部材が開閉可能に設けられている。そして、シャッター部材が開くと、第1粉末貯蔵部42に収容された第1の金属粉末M1及び第2粉末貯蔵部43に収容された第2の金属粉末N1が第3の方向Z1の他方、すなわち鉛直方向の下方に落下する(図15参照)。また、第1粉末貯蔵部42及び第2粉末貯蔵部43の第3の方向Z1の他方には、粉末送出部49が配置されている。
粉末送出部49は、送出ホッパー45と、一対の送出車46,47とを有している。送出ホッパー45における第3の方向Z1の両側は、開放されている。図15に示すように、送出ホッパー45は、第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1を一時的に貯留する。また、送出ホッパー45内には、送出ホッパー45を第1の方向X1に仕切る仕切り板48が設けられている。送出ホッパー45における第3の方向Z1の他側の開口には、一対の送出車46、47が回転可能に設けられている。
一対の送出車46、47は、それぞれ複数の羽根を有している。第1の送出車46は、送出ホッパー45における第1の方向X1の一側に配置されている。第2の送出車47は、送出ホッパー45における第1の方向X1の他側に配置されている。第1の送出車46と第2の送出車47の間には、仕切り板48が介在される。送出ホッパー45内に第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が供給された際に、仕切り板48により第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が混ざることを防いでいる。
また、図16に示すように、一対の送出車46、47が回転すると、送出ホッパー45内に貯蔵された第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が送出ホッパー45の第3の方向Z1の他側の開口から、下方に向けて送り出される。
図13に示すように、粉末送出部49の第3の方向Z1の他方、すんわち、鉛直方向の下方には、供給ヘッド50が設けられている。図14に示すように、供給ヘッド50は、アーム部材58を介して一対のガイド部18に第1の方向X1に沿って移動可能に支持されている。
図17は、供給ヘッド50を示す斜視図、供給ヘッド50から金属粉末が排出される状態を示す説明図である。
図17に示すように、供給ヘッド50は、第1供給部51と、第2供給部52と、蓋開閉機構54と、均し部材61及び粉末除去機構62が設けられている。均し部材61及び粉末除去機構62の構成は、第1の実施の形態例にかかる均し部材31及び粉末除去機構32と同一であるため、その説明は省略する。
第1供給部51及び第2供給部52は、それぞれ第3の方向Z1の両側が開口する容器状に形成されている。第1供給部51の第3の方向Z1の他側の開口である排出口51a(図13参照)には、第1蓋部材51bがヒンジ部51cを介して開閉可能に取り付けられている。同様に、第2供給部52の第3の方向Z1の他側の開口である排出口52a(図13参照)には、第2蓋部材52bがヒンジ部52cを介して開閉可能に取り付けられている。
蓋開閉機構54は、第1開閉駆動部54aと、第2開閉駆動部54bとを有している。第1開閉駆動部54a及び第2開閉駆動部54bは、それぞれリンク部を介して第1蓋部材51b及び第2蓋部材52bに取り付けられている。図18に示すように、蓋開閉機構54は、第1開閉駆動部54a又は第2開閉駆動部54bが駆動すると、リンク部を介して第1蓋部材51b又は第2蓋部材52bを押圧する。これにより、第1蓋部材51b又は第2蓋部材52bは、ヒンジ部51c,52cを中心に回動する。その結果、第1供給部51又は第2供給部52の排出口51a,52aが開放され、第1の金属粉末M1又は第2の金属粉末N1がステージ4の一面4a又は試料面に向けて排出される。
また、第1供給部51及び第2供給部52内の第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が不足、又は無くなると、供給ヘッド50は、図13に示すように、第1粉末貯蔵部42、第2粉末貯蔵部43及び粉末送出部49の下方に移動する。次に、図16に示すように、第1粉末貯蔵部42及び第2粉末貯蔵部43の不図示のシャッター部材が開き、第1粉末貯蔵部42及び第2粉末貯蔵部43から、第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が粉末送出部49の送出ホッパー45内に落下する。
さらに、粉末送出部49の第1の送出車46及び第2の送出車47が回転すると、送出ホッパー45内に収容された第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1は、供給ヘッド50の第1供給部51及び第2供給部52内に落下する。これにより、供給ヘッド50に第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1を補充することができる。
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような粉末供給ユニット41を有する3次元積層造形装置40によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる3次元積層造形装置1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、第2の実施の形態例にかかる粉末供給ユニット41によれば、重力による落下で第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1を第1粉末貯蔵部42及び第2粉末貯蔵部43から第1供給部51及び第2供給部52に送り出している。そのため、第1の実施の形態例にかかる粉末供給ユニット7よりも第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1の送り出しを簡略化することができる。さらに、第1の金属粉末M1及び第2の金属粉末N1が搬送パイプ内に詰まるおそれがないため、スムーズに第1供給部51及び第2供給部52へ送り出すこともできる。
さらに、第1粉末貯蔵部42、第2粉末貯蔵部43及び粉末送出部49を処理室2内に設けることで、処理室2内の状態を真空に維持することができる。
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態例では、粉末材料としてチタン、アルミニウム、鉄等の金属粉末を適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、粉末材料としては、樹脂等を用いてもよい。また、粉末材料を溶融させる溶融機構として電子ビームを照射する電子銃を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。溶融機構としては、例えば、レーザを照射するレーザ照射部を適用してもよい。
また、上述した実施の形態例では、第1の金属粉末M1と第2の金属粉末N1の2種類の粉末材料を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、3種類以上の粉末材料を用いてもよい。
1,40…3次元積層造形装置、 2…処理室、 3…造形枠、 3a…ピット、 3b…粉末回収口、 4…ステージ、 4a…一面、 7,41…粉末供給ユニット、 8…電子銃(溶融機構)、 18…ガイド部、 21,50…供給ヘッド、 22,42…第1粉末貯蔵部、 23,43…第2粉末貯蔵部、 24…第1粉末送出部、 25…第2粉末送出部、 26…第1搬送パイプ、 27…第2搬送パイプ、 31,61…均し部材、 32,62…粉末除去機構、 34,51…第1供給部、 35,52…第2供給部、 49…粉末送出部、 K1…造形物、 L1…電子ビーム、 M1…第1の金属粉末(第1の粉末材料)、 M2…第1不要粉末、 N1…第2の金属粉末(第1の粉末材料)、 P1…第1凝固粉末、 Q1…第2凝固粉末、 S1…第1粉末層、 T1…第2粉末層、 X1…第1の方向、 Y1…第2の方向、 Z1…第3の方向

Claims (6)

  1. 造形物を形成するための第1の粉末材料及び、前記第1の粉末材料と種類の異なる第2の粉末材料が積層されるステージと、
    前記ステージに前記第1の粉末材料を供給する第1供給部と、
    前記ステージに前記第2の粉末材料を供給する第2供給部と、
    前記第1の粉末材料及び前記第2の粉末材料のうち所定の領域の粉末材料を溶融させる溶融機構と、
    前記ステージに供給された前記第1の粉末材料及び前記第2の粉末材料のうち溶融し、凝固しなかった不要粉末を除去する粉末除去機構と、を備え、
    前記第2供給部は、前記粉末除去機構により前記第1の粉末材料の前記不要粉末を除去した後に、前記第1の粉末材料からなる第1粉末層と同一の層に前記第2の粉末材料を供給する
    3次元積層造形装置。
  2. 前記ステージに供給された前記第1の粉末材料及び前記第2の粉末材料を所定の厚さで均一に均す均し部材をさらに備えた
    請求項1に記載の3次元積層造形装置。
  3. 前記ステージの外周には、前記均し部材により排除された余分な前記第1の粉末材料及び前記第2の粉末材料を回収する粉末回収口が設けられている
    請求項2に記載の3次元積層造形装置。
  4. 前記第1供給部及び前記第2供給部は、同一の供給ヘッドに設けられ、
    前記供給ヘッドには、前記均し部材及び前記粉末除去機構が設けられる
    請求項2又は3に記載の3次元積層造形装置。
  5. 前記第1供給部を有する第1供給ヘッドと、
    前記第2供給部を有する第2供給ヘッドと、をさらに備え、
    前記均し部材は、前記第1供給ヘッド及び前記第2供給ヘッドにそれぞれ設けられる
    請求項2又は3に記載の3次元積層造形装置。
  6. ステージに造形物を形成するための第1の粉末材料を供給し、第1の粉末材料からなる第1粉末層を形成する工程と、
    前記第1粉末層における所定の領域の第1の粉末材料を溶融させ、凝固させる工程と、
    前記第1粉末層のうち溶融し、凝固しなかった不要粉末を除去する工程と、
    前記第1粉末層と同一の層に、前記造形物を形成するための前記第1の粉末材料と異なる第2の粉末材料を供給し、前記第2の粉末材料からなる第2粉末層を形成する工程と、
    前記第2粉末層における所定の領域の第2の粉末材料を溶融させ、凝固させる工程と、
    を含む
    3次元積層造形方法。
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