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JP2015152075A - ダイアフラム弁構造及び電磁弁 - Google Patents

ダイアフラム弁構造及び電磁弁 Download PDF

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JP2015152075A JP2014025828A JP2014025828A JP2015152075A JP 2015152075 A JP2015152075 A JP 2015152075A JP 2014025828 A JP2014025828 A JP 2014025828A JP 2014025828 A JP2014025828 A JP 2014025828A JP 2015152075 A JP2015152075 A JP 2015152075A
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Abstract

【課題】膜部に発生する応力を軽減し、ダイアフラムの耐久性を向上させることができるダイアフラム弁構造及び電磁弁を提供すること
【解決手段】ダイアフラム弁構造30において、弁座2cに当接又は離間する円柱形状の弁体部4aと、弁体部4aから外向きに延設された膜部4bと、膜部4bの外縁に沿って肉厚に設けられてバルブボディ2とスタフィング7との間で固定される外縁部4cを備えるダイアフラム4と、弁体部4aの反弁座側端面4eの中心から突出するように弁体部4aに一体的に設けられ、弁体部4aの内部に配置される先端部が弁体部4aに接着されるものであって、弁体部4aに駆動力を伝達する軸部材5を有し、弁体部4aと軸部材5が接触する部分のうち、少なくとも膜部4bが弁体部4aに接続する位置より反弁座側の部分を、非接着にしている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、弁座に対してダイアフラムを当接又は離間させるダイアフラム弁構造及び電磁弁に関する。
従来より、例えば、医療装置では、殺菌や洗浄のために、次亜塩素酸や酢酸などの薬液の制御に電磁弁が使用される。電磁弁は、接液部をメタルフリーにするために、ダイアフラム弁構造を適用する。医療機器は、コンパクト化が進み、流体制御機器等の設置スペースが狭くなっている。よって、電磁弁は、ダイアフラム弁構造を小さくして、小型化することが求められている。
図9は、従来のダイアフラム弁構造100を示す図である。ダイアフラム弁構造100は、弁室106に設けられた弁座101に対して当接又は離間するダイアフラム102を有する。ダイアフラム102は、耐腐食性があって弾性力のある材料(例えばフッ素ゴム、ETFE(パーフロロエラストマー)等のゴムや、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂など)で形成されている。ダイアフラム102は、弁座101に当接又は離間する円柱形状の弁体部102aと、弁体部102aの外周面102dから外向きに延設された薄い膜部102bと、膜部102bの外縁に沿って軸方向に肉厚に設けられた外縁部102cを備える。
ダイアフラム102は、膜部102bの一部と外縁部102cがバルブボディ103とスタフィング104に狭持され、制御流体の外部漏れが防止されている。弁体部102aには、ダイアフラム102より剛性のある材料(例えば樹脂、金属等)で形成された軸部材105が接着されている。ダイアフラム弁構造100は、図示しないアクチュエータから軸部材105を介してダイアフラム102に駆動力を伝達されることにより、ダイアフラム102を弁座101に当接又は離間させ、流体を制御する(例えば特許文献1参照)。
特開2000−193105号公報
しかしながら、従来のダイアフラム弁構造100は、材質が異なる弁体部102aと軸部材105が弁開閉動作中に分離することを防ぐために、弁体部102aと軸部材105の接触部分が全て接着されていた。そのため、弁体部102aは、弁開閉動作時に変形せずに、膜部102bを引っ張っていた。膜部102bに生じる引張応力は、ストロークが大きくなるにつれて、強くなっていた。よって、従来のダイアフラム弁構造100では、弁開閉動作時に膜部102bに発生する応力の変動が大きい上に、ストロークが大きくなると、膜部102bが弁体部102aに接続する部分P11に応力が集中するので、膜部102bが劣化しやすかった。
特に、医療用装置に適用される電磁弁は、上述したように小型化が進んでいる。この種の電磁弁にダイアフラム弁構造100を適用した場合、最大外径寸法の小さい(例えば5mm程度)ダイアフラム102が使用される。そして、小型の電磁弁では、弁室106が小さく、弁室106の内周面106aと弁体部102aの外周面102dとの間隔が狭いため、膜部102bがフラットな形状のダイアフラム102が使用される。そのため、膜部102bは、径方向の膜長L202(弁体部102aに接続する部分から外縁部102cに接続する部分までの距離)が短い(例えば3mm程度)。膜長L202の短い膜部102bにより使用ストローク(例えば−1.10mm以上0.30mm以下)を確保しようとすると、弁体部102aが膜部102bを引っ張る力が強くならざるを得ない。よって、小型の電磁弁では、膜部102bの劣化が顕著になる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、膜部に発生する応力を軽減し、ダイアフラムの耐久性を向上させることができるダイアフラム弁構造及び電磁弁を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、次のような構成を有している。
(1)弁座を備えるバルブボディと、前記弁座に対して当接又は離間するダイアフラムと、前記バルブボディとの間で前記ダイアフラムを固定するスタフィングとを備えるダイアフラム弁構造において、前記ダイアフラムが、前記弁座に当接又は離間する円柱形状の弁体部と、前記弁体部から外向きに延設された膜部と、前記膜部の外縁に沿って肉厚に設けられて前記バルブボディと前記スタフィングとの間で固定される外縁部を備えること、前記弁体部の反弁座側端面の中心から突出するように前記弁体部に一体的に設けられ、前記弁体部の内部に配置される先端部が前記弁体部に接着されるものであって、前記弁体部に駆動力を伝達する軸部材を有すること、前記弁体部と前記軸部材が接触する部分のうち、少なくとも前記膜部が前記弁体部に接続する位置より反弁座側の部分が、非接着であることを特徴とする。
(2)(1)に記載の構成において、好ましくは、前記弁体部が、前記膜部の受圧面が接続する位置にくびれ部を有する。
(3)(1)又は(2)に記載の構成において、好ましくは、前記バルブボディは、前記弁体部を収納する弁体収納室と、前記弁体収納室より外側に設けられて前記外縁部を収納する環状溝と、前記弁体収納室と前記環状溝との間に配置される環状凸部を有し、前記スタフィングと前記環状凸部との間隔が前記膜部の膜厚より大きい。
(4)第1ポートと第2ポートが弁座を介して連通するバルブボディと、前記弁座に対して当接又は離間するダイアフラムと、前記バルブボディとの間で前記ダイアフラムを固定するスタフィングと、コイルへの通電量に応じて駆動力を発生し、前記ダイアフラムに伝達するソレノイドを備える電磁弁において、前記ダイアフラムが、前記弁座に当接又は離間する円柱形状の弁体部と、前記弁体部から外向きに延設された膜部と、前記膜部の外縁に沿って肉厚に設けられて前記バルブボディと前記スタフィングとの間で固定される外縁部を備えること、前記弁体部の反弁座側端面の中心から突出するように前記弁体部に一体的に設けられ、前記弁体部の内部に配置される先端部が前記弁体部に接着されるものであって、前記ソレノイドが発生した駆動力を前記弁体部に伝達する軸部材を有すること、前記弁体部と前記軸部材が接触する部分のうち、少なくとも前記膜部が前記弁体部に接続する位置より反弁座側の部分が、非接着であることを特徴とする。
上記構成のダイアフラム弁構造は、ダイアフラムが、バルブボディとスタフィングとの間で外縁部を固定される一方、駆動力を付与される軸部材の先端部に弁体部を接着されることにより、バルブボディとスタフィングとの間を膜部で気密に仕切っている。ダイアフラム弁構造は、膜部を変形させながら弁体部を弁座に当接又は離間させることにより、流体制御を行う。
ここで、ダイアフラム弁構造は、弁体部と軸部材が接触する部分のうち、少なくとも膜部が弁体部に接続する位置より反弁座側の部分が、非接着にされている。そのため、ダイアフラムは、弁体部が、反弁座側へ移動するに従って軸部材に対して非接着の部分を軸部材から離れる方向に広げるように変形する。換言すると、弁体部の反弁座側端面近傍があたかも膜部の一部であるかのように変形する。そのため、膜部の引張応力が緩和される。従って、上記構成のダイアフラム弁構造によれば、ダイアフラムの膜部に発生する応力を軽減し、ダイアフラムの耐久性を向上させることができる。
ところで、ダイアフラムの受圧径が大きくなると、ダイアフラムに駆動力を付与するアクチュエータが大型化する。ダイアフラムの受圧径を小さくするには、弁体部を収納する弁室を小さくすることが考えられる。弁室を小さくしすぎると、膜部の膜長(膜部の弁体部に接続する内径位置から外縁部に接続する外縁部接続位置までの長さ)が短くなり、膜部に発生する応力が過大になる。
膜部の膜長を確保しつつ、弁室を小さくした場合、膜部の一部がバルブボディとスタフィングの間に配置され、弁開時における膜部の変形がスタフィングにより制限される。この場合、膜部は、可動膜長(内径位置からスタフィングに接触して変形を制限される制限位置までの長さ)が短くなり、ストロークを確保し難くなる。よって、弁室を小さくすることでダイアフラムの受圧径を小さくすることには、限界がある。
これに対して、上記構成のダイアフラム弁構造によれば、弁体部が膜部に接続する部分にくびれ部を有し、膜部の弁体部に接続する内径位置が軸線方向にずらされているので、弁室の大きさを変えなくても、膜部の膜長及び可動膜長が長くなる。また、周知のように、ダイアフラムは、弁体部が中央に配置されているため、可動膜長の内径寸法(内径位置の直径)と外径寸法(制限位置の直径)を加算して2で割ることにより受圧径を算出できる。上記構成のダイアフラム弁構造は、くびれ部により、膜部の内径位置が軸線方向にずらされているので、膜部の内径位置の直径が小さくなり、上記ダイアフラムの受圧径の算出方法により算出される受圧径が小さくなる。
従って、上記構成のダイアフラム弁構造によれば、弁体部にくびれ部を設けることにより、膜長及び可動膜長を長くして膜部に発生する応力を軽減し、ダイアフラムの受圧径を小さくできる。
上記構成のダイアフラム弁構造によれば、バルブボディが、ダイアフラムの弁体部を収納する弁体収納室と、弁体収納室より外側に設けられてダイアフラムの外縁部を収納する環状溝と、弁室と環状溝との間に配置される環状凸部を有し、スタフィングと環状凸部との間隔が膜部の膜厚より大きいので、バルブボディとスタフィングとの間でダイアフラムを固定した場合に、膜部がバルブボディとスタフィングとの間で押し潰されない。そのため、膜部は、弁開閉動作時に、外縁部に接続する外縁部接続位置から内径位置までを全体的に変形させる。従って、上記構成のダイアフラム弁構造によれば、弁開閉動作時に膜部全体に応力を分散させ、ダイアフラムの耐久性を向上させることができる。
上記構成の電磁弁は、上述したダイアフラム弁構造と同様に構成されているので、上記ダイアフラム弁構造と同様に膜部に作用する応力を軽減させてダイアフラムの耐久性を向上させることができる。特に、例えば医療装置に用いられる小型の電磁弁では、ダイアフラムの最大外径寸法が小さいが、上記のように、弁体部を変形させて膜部に生じる引張応力を軽減させたり、可動膜長を長くして使用ストロークを確保したり、膜部を押し潰さないことで膜部全体に応力を分散させるようにできれば、小さいダイアフラムでも膜部に生じる応力を軽減させつつ使用ストロークを確保できる。また、受圧径が小さくなることで、ダイアフラムに作用する流体圧が小さくなるので、ソレノイドを小さくして電磁弁のコンパクト化を推進できる。
本発明の実施形態に係る電磁弁の断面図である。 図1に示すダイアフラム弁構造の主要部を示す図であって、弁閉状態を示す。 図2の全開状態を示す。 コンボリューション付きダイアフラムの一般的な受圧径算出方法を説明する図である。 コンボリューション付きダイアフラムの受圧径とストロークとの関係を示す概念図である。 弁閉する瞬間における膜部形状のシミュレーション結果を示す図である。 応力解析結果を示す図であって、縦軸に応力値の大小を示し、横軸にストロークの大小を示す。図中◆は、実施例の膜部に発生する最大応力値とストロークとの関係を示し、図中■は、比較例の膜部に発生する最大応力値とストロークとの関係を示す。 応力解析結果を示す図であって、縦軸に張力の大小を示し、横軸にストロークの大小を示す。図中◆は、実施例の膜部に発生する最大張力とストロークとの関係を示し、図中■は、比較例の膜部に発生する最大張力とストロークとの関係を示す。 従来のダイアフラム弁の弁構造を示す図である。
以下に、本発明に係るダイアフラム弁構造の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電磁弁1の断面図である。図2は、図1に示すダイアフラム弁構造30の主要部を示す図であって、弁閉状態を示す。図3は、図2の全開状態を示す。図4は、コンボリューション付きダイアフラムの一般的な受圧径算出方法を説明する図である。図5は、コンボリューション付きダイアフラムの受圧径とストロークとの関係を示す概念図である。図6は、弁閉する瞬間における膜部形状のシミュレーション結果を示す図である。図7は、応力解析結果を示す図であって、縦軸に応力値の大小を示し、横軸にストロークの大小を示す。図中◆は、実施例の膜部4bに発生する最大応力値とストロークとの関係を示し、図中■は、比較例の膜部102bに発生する最大応力値とストロークとの関係を示す。図8は、応力解析結果を示す図であって、縦軸に張力の大小を示し、横軸にストロークの大小を示す。図中◆は、実施例の膜部4bに発生する最大張力とストロークとの関係を示し、図中■は、比較例の膜部102bに発生する最大張力とストロークとの関係を示す。
以下の説明では、先ず、図1を参照して本実施形態のダイアフラム弁構造30を適用した電磁弁1の概略構成を説明した後、図2及び図3を用いてダイアフラム弁構造30の主要部の構成を説明し、その後、図1〜図3を用いて電磁弁1とダイアフラム弁構造30の作用効果を説明する。それから、図4〜図6を用いて受圧径の考え方を説明した後、図7及び図8を用いて実施例と比較例の応力比較結果を説明する。
電磁弁1は、例えば、医療機器に用いられ、次亜塩素酸や酢酸等の薬液を制御する。電磁弁1は、バルブボディ2にスタフィング7を介してソレノイド10が取り付けられている。カバー20は、非磁性材で形成され、ソレノイド10とスタフィング7を覆うように取り付けられている。電磁弁1は、ソレノイド10から軸部材5に付与した駆動力によりダイアフラム4を弁座2cに当接又は離間させることで、流体を制御する。電磁弁1は、ダイアフラム4の応力を軽減させるためのダイアフラム弁構造30を備えている。
バルブボディ2とスタフィング7は、フッ素樹脂等の耐腐食性のある材料で形成されている。バルブボディ2は、第1ポート2aと第2ポート2bが弁座2cを介して連通している。ダイアフラム4は、耐腐食性と弾性力のあるゴムや樹脂等を材質とし、バルブボディ2とスタフィング7との間で固定されている。
電磁弁1を小型にするため、ダイアフラム4には、最大外径寸法が小さいもの(例えば最大外径寸法5mm)が使用されている。そのため、ダイアフラム4をソレノイド10に直接連結できない。そこで、ダイアフラム4は、金属や硬い樹脂を材質とする軸部材5がインサート成形等で一体に設けられ、ダイアフラム組立3を構成している。
ソレノイド10は、中空孔12aを備えるコイルボビン12にコイル11を巻回されている。ソレノイド10は、中空孔12aの上端開口部に固定鉄心13が固定され、中空孔12aの下端開口部から可動鉄心14が摺動可能に装填されている。コイル11は、磁性カバー15と磁性プレート16で周囲を覆われ、固定鉄心13が可動鉄心14を吸引するための磁路が形成されやすくなっている。
可動鉄心14は、磁性プレート16に貫き通され、先端部がスタフィング7側に突出している。可動鉄心14と磁性プレート16との間には、磁性部材17が配設され、磁性プレート16から可動鉄心14の下端部に磁路が形成されるようになっている。可動鉄心14の下端には、フランジ部14cが設けられている。第1圧縮ばね(第1付勢部材)18は、フランジ部14cと磁性部材17との間に縮設され、可動鉄心14を弁座方向に常時付勢している。
可動鉄心14の下端部と第1圧縮ばね18は、スタフィング7のソレノイド側端面7dに開設された開口部7aに変位可能に収められている。スタフィング7は、開口部7aと同軸上に設けられた挿通孔7cに軸部材5が貫き通されている。開口部7aの底壁は、挿通孔7cの開口部分にボス部7bが設けられ、軸部材5が軸線に沿って安定して往復直線運動できるようにボス部7bにガイドされている。
軸部材5は、ダイアフラム4を弁座2cに当接させた状態で、上端部がスタフィング7のソレノイド側端面7dから上方に突出している。第2圧縮ばね(第2付勢部材)9は、ボス部7bの端面に設けられたばね受け段差部7e(図2参照)に突き当てるようにして軸部材5に挿通され、軸部材5に止め輪8を取り付けることにより、止め輪8とばね受け段差部7eとの間に縮設される。そのため、軸部材5は、第2圧縮ばね9により反弁座方向に常時付勢されている。ここで、軸部材5は、弁閉時にソレノイド側端面7dから突出する部分の外周面に止め輪8を取り付けられるため、バルブボディ2、ダイアフラム組立3、スタフィング7の順に組み上げる場合に、第2圧縮ばね9を軸部材5に装着しやすい。
可動鉄心14は、弁座側端面に収納孔部14aが開設されている。軸部材5の先端部と第2圧縮ばね9は、収納孔部14aの内部に配設されている。第2圧縮ばね9のばね力は第1圧縮ばね18のばね力より小さい。そのため、コイル11に非通電の場合、第1圧縮ばね18が第2圧縮ばね9に抗して可動鉄心14を押し下げ、収納孔部14aの底面14bで軸部材5を弁座方向に押してダイアフラム4を弁座2cに当接させている。このように弁閉時に第2圧縮ばね9が圧縮されているので、コイル11に通電されると、第2圧縮ばね9が可動鉄心14の上昇に伴って伸張し、軸部材5を収納孔部14aの底面14bに押し当て続ける。つまり、電磁弁1は、軸部材5と可動鉄心14が常時隙間無く接触するように組み立てられている。
このため、電磁弁1は、可動鉄心14とスタフィング7と軸部材5とダイアフラム4が隙間無く組み立てられ、ソレノイド10の駆動力に応じてダイアフラム4が弁座2cに応答性良く当接又は離間する。よって、電磁弁1は、部品間に生じるがたつきをを考慮してソレノイド10を使用ストロークに必要なサイズより大きなものを選択する必要がなくなり、ソレノイド10をコンパクトにして全体サイズのコンパクト化を図ることが可能である。
尚、収納孔部14aは、内周面がボス部7bの外周面に摺接するように、ボス部7bに嵌め合わせられている。そのため、可動鉄心14は、第1及び第2圧縮ばね18,9のばね力が強く作用する下端部をボス部7bに支持され、磁性部材17に接触せずに軸方向へ安定して移動できる。
続いて、図2に示すダイアフラム弁構造30の主要部について説明する。
ダイアフラム4は、耐腐食性と弾性力のあるゴムや樹脂等を材質とする。ダイアフラム4は、弁座2cに当接又は離間する弁体部4aと、弁体部4aから外向きに延設された薄い膜部4bと、膜部4bの外縁に沿って軸線方向に肉厚に設けられてバルブボディ2とスタフィング7との間で固定される外縁部4cを備える。弁体部4aは、略円柱形状をなす。膜部4bは、弁体部4aの外周に沿って径方向に同一の膜厚で設けられ、リング状に形成されている。膜部4bは、製造時には、軸線方向に対して直交するように弁体部4aから延設され、フラットな形状に形成されている。外縁部4cは、バルブボディ2とスタフィング7との間で押し潰されることにより流体漏れを防止する為に、膜部4bの膜厚より厚く設けられている。
バルブボディ2は、弁体部4aを収納する弁体収納室2dと、弁体収納室2dより外側に設けられて外縁部4cを収納する環状溝2eと、弁体収納室2dと環状溝2eとの間に配置される環状凸部2fを有する。ダイアフラム弁構造30は、ダイアフラム4が外縁部4cを環状溝2eに装着するようにバルブボディ2に載置され、バルブボディ2の嵌合凹部2gにスタフィング7に突設した嵌合凸部7fをきっちり嵌め合わせてバルブボディ2とスタフィング7を固定することにより、嵌合凹部2gの底壁と嵌合凸部7fの下端面との間で外縁部4cを軸方向に押し潰して固定する。これにより、膜部4bは、バルブボディ2の弁体収納室2dとスタフィング7の背圧室形成凹部7gとの間を気密に仕切り、弁室21から背圧室22へ制御流体が漏れることを防ぐ。
軸部材5は、弁体部4aの反弁座側端面4eの中心から突出するように弁体部4aに一体に設けられている。軸部材5は、第1及び第2圧縮ばね18,9周辺の連結構造をコンパクトにするために、弁体部4aと弁座2cとのシール径より細く形成されている。
軸部材5は、弁体部4aとの接触面積を増やして弁体部4aの位置ズレを防ぐために、先端部外周面に沿って形成した凹溝5aに弁体部4aの肉が入り込んでいる。そして、軸部材5は、シール力が弁座2cの周方向に均一になるように、凹溝5aより先端の部分に大径部5bがシール面より大径に設けられている。
弁体部4aは、背圧室22の容積を小さくするために、膜部4bに接続する部分より反弁座側の部分が小径にされて、小径部4dが設けられている。小径部4dは、軸部材5とほぼ同径にされ、駆動力が軸部材5から弁体部4aに効率よく伝達されるようになっている。
弁体部4aには、軸部材5の先端部が接着されている。接着は、弁開閉動作時に軸部材5と弁体部4aを常時接触させ、弁体部4aを応答性良く動作させる目的でなされる。この目的が達成されるならば、軸部材5と弁体部4aが接触する部分を全て接着する必要はない。一方、ダイアフラム4は、弁開動作時に、弁体部4aが膜部4bに引っ張られて変形すれば、膜部4bに発生する引張応力を緩和できる。
よって、ダイアフラム4は、弁体部4aと軸部材5が接触する部分のうち、少なくとも、膜部4bが弁体部4aに接続する位置より反弁座側の部分を非接着にすることが好ましく、更には、少なくとも、膜部4bの受圧面4fが弁体部4aに接続する位置より反弁座側の部分を非接着にすることが好ましい。換言すれば、ダイアフラム4は、弁体部4aと軸部材5が接触する部分のうち、膜部4bが弁体部4aに接続する部分より弁座側の部分の何れかを接着することが好ましく、更には、膜部4bの受圧面4fが弁体部4aに接続する位置より弁座側の部分の何れかを接着することが好ましい。
本実施形態では、弁体部4aと軸部材5が接触する部分のうち、大径部5bの弁座側端面5cが弁体部4aに接触する部分のみを接着している。そのため、弁体部4aは、軸部材5の先端部外周面(凹溝5aの内壁と大径部5bの外周面)に接触する部分が非接着である。
弁体部4aは、膜部4bの受圧面4fが接続する位置にくびれ部4gを有する。弁体部4aは、くびれ部4gを形成された部分の肉厚が小径部4dの肉厚と同程度になるように、くびれ部4gが細くされている。これは、弁開閉動作時に、膜部4bの受圧面4fと背圧面4hが弁体部4aに接続する部分に発生する応力を分散させ、弁体部4aを滑らかに変形させるためである。
ダイアフラム弁構造30は、電磁弁1をサイズダウンするために、弁体収納室2dと背圧室形成凹部7gの内周面を膜部4b上に配置し、弁室21と背圧室22の容積を小さくしている。環状凸部2fは、径方向に同一幅を有するリング形状に設けられている。環状凸部2fは、嵌合凸部7fとの間に隙間S1を形成するように、環状溝2eの底壁よりも高く突設されている。
隙間S1の間隔が膜部4bの膜厚より小さいと、膜部4bが、環状凸部2fと嵌合凸部7fとの間で押し潰されてしまう。この場合、膜部4bは、弁開閉動作時に、押し潰された部分が変形できず、弁室21内に配置される部分のみを変形させるため、応力が大きくなって劣化しやすくなる。よって、環状凸部2fと嵌合凸部7fとの間の隙間S1の間隔は、膜部4bの膜厚より大きいことが好ましい。しかし、隙間S1が大きすぎると、弁開閉動作時に膜部4bが流体圧により変形し、受圧径が大きくなる。受圧径が大きいほど、ソレノイド10を大きくする必要があるため、電磁弁1をコンパクト化する上で問題である。そこで、環状凸部2fと嵌合凸部7fとの間の隙間S1の間隔は、膜部4bが反弁座側に凸状に湾曲することを防ぎつつ、膜部4bが弁体部4aと外縁部4cとの間で伸縮することを許容する程度にすることが好ましい。
続いて、電磁弁1及びダイアフラム弁構造30の作用効果について説明する。
図1に示すように、電磁弁1は、ソレノイド10に非通電のときは、第1及び第2圧縮ばね18,9の差圧により軸部材5を介して弁体部4aを弁座2cに当接させ、第1ポート2aから第2ポート2bへ流体を流さない。
この弁閉時において、ダイアフラム弁構造30は、図2に示すように、膜部4bが隙間S1内で環状凸部2fに面接触するように若干傾斜する。膜部4bは、くびれ部4gを弁体部4aに設けたことにより、内径位置が軸線方向にずらされ、くびれ部4gを設けない場合よりも変形可能な可動領域が広げられている。よって、ダイアフラム4は、膜部4bに皺を寄せることなく、弁体部4aを弁座2cに当接させることができる。
電磁弁1は、ソレノイド10に通電されると、第1圧縮ばね18に抗して固定鉄心13が可動鉄心14を吸引する。このとき、第2圧縮ばね9が伸張して軸部材5を反弁座側へ押し上げる。これにより、軸部材5が弁体部4aを弁座2cから離間させ、第1ポート2aから第2ポート2bへ流体が流れる。
この弁開動作では、ダイアフラム弁構造30は、ダイアフラム4の変形に特徴がある。すなわち、弁体部4aが弁閉状態から上昇し始めると、膜部4bは、弁体部4aに接続する内径位置から外縁部4cに接続する外縁部接続位置までの膜長L2の全域を伸縮させながら、環状凸部2fに面接触する姿勢から、嵌合凸部7fに面接触する姿勢になる。
その後、更に弁体部4aが上昇すると、膜部4bは、図3に示すように、背圧室形成凹部7gの内壁と嵌合凸部7fの弁座側端面との間の角部7hで折り曲げられるようにして変形する。つまり、膜部4bは、角部7hに接触する部分より外側の部分が嵌合凸部7fの下端面に押し当てられて変形できなくなり、角部7hに接触する部分より内側の部分のみが反弁座側に変形させる(以下、膜部4bが角部7hに接触する位置を制限位置という。)。
このように、膜部4bは、角部7hに接触する前までは、内径位置から外縁部接続位置までを反弁座方向に変形させることができるが、角部7hに接触した後は、内径位置から制限位置までしか反弁座方向に変形させることができなくなる。つまり、膜部4bは、角部7hに接触した後の可動領域が角部7hに接触する前の可動領域より狭くなる。可動領域が狭くなると、弁体部4aが膜部4bを強く引っ張ろうとする。
しかし、ダイアフラム4は、軸部材5と弁体部4aとの接触部分のうち、軸部材5の弁座側端面5cが弁体部4aに接触する部分のみが接着され、その他の部分を接着されていない。そのため、弁体部4aは、膜部4bが角部7hに接触した後、図中二点鎖線に示すように、軸部材5から離れる方向に広がって変形し始める。よって、ダイアフラム4は、弁体部4aが、あたかも膜部4bの一部であるかのように変形し、膜部4bに発生する引張応力が緩和される。
このとき、弁体部4aは、膜部4bに接続する部分の弁座側と反弁座側がほぼ同じ肉厚を有するように、小径部4dとくびれ部4gが設けられている。そのため、膜部4bに引っ張られた場合に、弁体部4aの上端部が滑らかに変形する。よって、ダイアフラム4は、弁開閉動作時に弁体部4aを変形させても、弁開閉動作を阻害しない。
ところで、ダイアフラムの受圧径が大きくなると、ダイアフラムに駆動力を付与するアクチュエータが大型化する。ダイアフラムの受圧径を小さくするには、例えば図9に示すように、弁体部102aを収納する弁室106を小さくすることが考えられる。弁室106を小さくしすぎると、膜部102bの膜長L202(膜部の弁体部に接続する内径位置から外縁部に接続する外縁部接続位置までの長さ)が短くなり、膜部102bに発生する応力が過大になる。
膜部102bの膜長を確保しつつ、弁室106を小さくした場合、膜部102bの一部がバルブボディ103とスタフィング104の間に配置され、弁開時における膜部102bの変形がスタフィング104により制限される。この場合、膜部102bは、可動膜長L201(内径位置からスタフィングに接触して変形を制限される制限位置までの長さ)が短くなり、ストロークを確保し難くなる。よって、弁室106を小さくすることでダイアフラム102の受圧径を小さくすることには、限界がある。
これに対して、図2に示すように、ダイアフラム弁構造30では、弁体部4aにくびれ部4gが設けられ、膜部4bが弁体部4aに接続する位置が、くびれ部4gを設けない場合より、軸線方向にずらされている。そのため、膜部4bは、くびれ部4gを設けない場合と比べ、内径位置から制限位置までの長さ(可動膜長)L1が長くなっている。可動膜長L1が長いほど、長いストロークを確保できる。つまり、同一の使用ストロークであれば、可動膜長L1が長いほど、膜部4bに生じる引張応力を軽減させることが可能になる。よって、ダイアフラム4は、くびれ部4gを有しないものと比べ、膜部4bの引張応力を軽減させることができる。
可動膜長L1が長くなると、受圧径が大きくなると考えられる。しかし、後述するように、本実施形態のダイアフラム弁構造30は、可動膜長L1を長くつつ、受圧径が小さくできるので、可動膜長L1を長くしても、ソレノイド10を大型化する必要がない。
ところで、図9に示すダイアフラム弁構造100のように、膜部102bの一部をバルブボディ103とスタフィング104の間で押し潰した場合、膜部102bは、その押し潰された部分を伸縮させることができない。そのため、膜部102bは、可動膜長L201に対応する領域のみを変形させて弁開閉動作を行うので、ストロークが大きいほど、弁体部102aに接続する部分やスタフィング104に変形を制限される部分に応力が集中しやすい。
これに対して、図2及び図3に示すダイアフラム弁構造30では、膜部4bは、角部7hに接触して変形を制限される制限位置より外側の部分が、環状凸部2fと嵌合凸部7fとの間で押し潰されず、伸縮を許容されている。そのため、膜部4bは、ストロークが大きくなるにつれて、制限位置より外側の部分が引き伸ばされる。よって、ダイアフラム弁構造30は、ストロークが大きくなっても、膜部4b全体に応力が分散され、ダイアフラム4の耐久性を向上させることができる。
ソレノイド10への通電が停止すると、第1及び第2圧縮ばね18,9の差圧により可動鉄心14が下降する。可動鉄心14は、軸部材5を押し下げ、弁体部4aを弁座2cに当接させる。これにより、第1ポート2aから第2ポート2bへ流体が流れなくなる。
弁閉動作開始時には、ダイアフラム弁構造30は、図3の実線に示すように、弁体部4aが弾性力により軸部材5側へ向かって変形する。また、膜部4bは、制限位置より内側の部分を弁座側へ変形させながら、制限位置より外側の部分を縮める。膜部4bは、角部7hから離れると、膜長L2の全域を変形させる。そして、膜部4bは、図2に示すように、環状凸部2fに面接触して斜めに傾斜した姿勢となり、ダイアフラム4が弁閉状態になる。
ここで、弁開動作時、弁閉動作時、弁閉する瞬間には、流体圧が膜部4bに作用する。膜部4bは、バルブボディ2とスタフィング7に押し潰されず、制限位置より外側の部分を常時伸縮させることができる状態になっている。また、膜部4bは、弁体部4aにくびれ部4gを設けたことにより、内径位置から制限位置までの可動膜長L1が長くされている。よって、ダイアフラム弁構造30は、流体圧が膜部4bに作用する間、膜部4bの内径位置から制限位置までの可動領域を反弁座側に向かって凸状に湾曲させ、膜部4bがコンボリューションを付けたような形状になる。この点からも、膜部4bは、可動膜長L1が長くなり、弁開閉動作時に発生する応力が軽減する。
次に、ダイアフラム4の受圧径について考察する。結論から言うと、ダイアフラム4は、図4に示すコンボリューション付きダイアフラム51の有効径Dfと同様に受圧径と機能を考えることができる。
図4に示すコンボリューション付きダイアフラム51では、コンボリューション53の外側の直径Dcと、コンボリューションの内側の直径Dpを加算し、その加算した値を2で割ることにより、有効径Dfが算出される[Df=(Dc+Df)/2]。
図5に示すように、コンボリューション付きダイアフラム51は、全閉位置SAの有効径DfA、中間位置SCの有効径DfC、全開位置SBの有効径DfBに示すように、ストロークが大きくなるほど、有効径が小さくなるという特徴がある。
発明者らは、本実施形態のダイアフラム4について、ストロークと受圧径との関係を調べる解析を行った。
この解析の結果、ダイアフラム4は、ストロークが大きくなるほど、受圧径Df1が小さくなることが分かった。これは、図5に示すコンボリューション付きダイアフラム51の有効径Dfと同じ特徴である。
発明者らは、流体圧が作用した場合の膜部4bの形状を解析した。その結果、膜部4bは、弁閉する瞬間、流体圧が作用すると、図6に示すように、弁体部4aに接続する内径位置から角部7hに接触する制限位置までの可動領域が、反弁座側に向かって凸状に湾曲し、変形することが分かった。この他、弁開動作時に流体圧が作用する膜部4bの形状についても、弁閉する瞬間の膜部4bと同様に変形する解析結果が得られた。
よって、ダイアフラム4は、流体圧が作用する間、膜部4bが、内径位置と制限位置との間が反弁座側に凸状に湾曲し、コンボリューションを設けた形状となっている。この場合、図2に示す内径位置の直径Dp1が、図4に示すコンボリューション付きダイアフラム51のコンボリューション52の内径寸法Dpに該当し、図2に示す制限位置の直径Dc1が、図4に示すコンボリューション付きダイアフラム51のコンボリューション52の外径寸法Dcに該当すると考えられる。
そこで、ストロークと受圧径との関係を調べる解析で仮定したダイアフラムの条件をコンボリューション付きダイアフラムの有効径算出式に適用すると、算出された受圧径Dp1がストローク0mmのとき(弁閉状態)の解析結果で得られた受圧径と同程度であった。よって、ダイアフラム4の受圧径は、コンボリューション付きダイアフラム51と同様に考えられ、コンボリューション付きダイアフラム51の有効径算出式により求めることができる。
以上の通り、ダイアフラム4は、くびれ部4gを弁体部4aに設けて、膜部4bの可動膜長L1を長くしても、コンボリューション付きダイアフラム51の有効径算出式によれば、内径寸法Dp(内径位置の直径Dp1)が小さくなるので、受圧径を小さくできる。
続いて、図2に示すダイアフラム弁構造30と、図9に示すダイアフラム弁構造100に発生する応力について説明する。
ここでは、ダイアフラム弁構造30と同様の構成を有する実施例と、ダイアフラム弁構造100と同様の構成を有する比較例について、応力を解析した。実施例と比較例は、下記第1〜第3相違点を除いて、同一形状にされている。
第一相違点は、実施例が軸部材5と弁体部4aの接触部分を部分的に接着するのに対して、比較例が軸部材105と弁体部102aの接触部分全体を接着する点である。第二相違点は、実施例がくびれ部4gを有するのに対して、比較例はくびれ部を有しない点である。第三相違点は、実施例が膜部4bを押し潰さない状態でダイアフラム4を固定するのに対して、比較例が膜部102bを押し潰した状態でダイアフラム102を固定する点である。
応力解析は、流体圧を加えた状態で、実施例と比較例をそれぞれ最小ストローク位置から最高ストローク位置まで動作させた場合に、膜部4b、102bに加わる最大応力値と最大引張応力値を調べた。
図7に示すように、実施例の膜部4bに加わる最大応力値は、使用ストローク範囲を含め、比較例の膜部102bに加わる最大応力値より小さくなることが分かった。
また、図8に示すように、実施例の膜部4bに加わる最大引張応力値は、使用ストローク範囲のほぼ全領域で比較例より小さくなる。特に、実施例と比較例の最大引張応力値の差は、ストロークが大きくなるほど顕著になる。
そして、使用ストローク範囲では、実施例は、最大引張応力値の変化率が緩やかであり、しかも、膜部4bに皺を寄せることなく使用できる。これに対して、比較例は、使用ストローク範囲において、最大引張応力値の変化率が大きく、使用ストロークの最小ストローク付近で膜部102bに皺が寄ってしまった。
以上より、実施例は、膜部4bに発生する最大応力と引張応力が比較例の膜部102bより軽減することが分かった。よって、実施例は、膜部4bに発生する応力を軽減し、ダイアフラム4の耐久性を向上させることができる。
膜部4bの張力が大きくなると、ダイアフラム4を可動させる力が大きくなるので、コイル11(ソレノイド10)をサイズアップする必要がある。しかし、実施例のように膜部4bの張力が軽減すれば、ダイアフラム4を可動させる力が比較例より小さくなり、比較例よりコイル11(ソレノイド10)のサイズをダウンさせることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、操作圧とばね圧とのバランスに応じて流体制御を行うエアオペレイトバルブに上記実施形態のダイアフラム弁構造を適用しても良い。この場合でも、ダイアフラムの弁体部にくびれを設けることでダイアフラムの受圧径を小さくできるので、アクチュエータ部を小さくしてエアオペレイトバルブのコンパクト化を推進できる。
1 電磁弁
2 バルブボディ
2a 第1ポート
2b 第2ポート
2c 弁座
2d 弁体収納室
2e 環状溝
2f 環状凸部
4 ダイアフラム
4a 弁体部
4b 膜部
4c 外縁部
4e 反弁座側端面
4f 受圧面
4g くびれ部
5 軸部材
7 スタフィング
10 ソレノイド
11 コイル
30 ダイアフラム弁構造

Claims (4)

  1. 弁座を備えるバルブボディと、前記弁座に対して当接又は離間するダイアフラムと、前記バルブボディとの間で前記ダイアフラムを固定するスタフィングとを備えるダイアフラム弁構造において、
    前記ダイアフラムが、前記弁座に当接又は離間する円柱形状の弁体部と、前記弁体部から外向きに延設された膜部と、前記膜部の外縁に沿って肉厚に設けられて前記バルブボディと前記スタフィングとの間で固定される外縁部を備えること、
    前記弁体部の反弁座側端面の中心から突出するように前記弁体部に一体的に設けられ、前記弁体部の内部に配置される先端部が前記弁体部に接着されるものであって、前記弁体部に駆動力を伝達する軸部材を有すること、
    前記弁体部と前記軸部材が接触する部分のうち、少なくとも前記膜部が前記弁体部に接続する位置より反弁座側の部分が、非接着であること
    を特徴とするダイアフラム弁構造。
  2. 請求項1に記載するダイアフラム弁構造において、
    前記弁体部が、前記膜部の受圧面が接続する位置にくびれ部を有する
    ことを特徴とするダイアフラム弁構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するダイアフラム弁構造において、
    前記バルブボディは、前記弁体部を収納する弁体収納室と、前記弁体収納室より外側に設けられて前記外縁部を収納する環状溝と、前記弁体収納室と前記環状溝との間に配置される環状凸部を有し、
    前記スタフィングと前記環状凸部との間隔が前記膜部の膜厚より大きいことを特徴とするダイアフラム弁構造。
  4. 第1ポートと第2ポートが弁座を介して連通するバルブボディと、前記弁座に対して当接又は離間するダイアフラムと、前記バルブボディとの間で前記ダイアフラムを固定するスタフィングと、コイルへの通電量に応じて駆動力を発生し、前記ダイアフラムに伝達するソレノイドを備える電磁弁において、
    前記ダイアフラムが、前記弁座に当接又は離間する円柱形状の弁体部と、前記弁体部から外向きに延設された膜部と、前記膜部の外縁に沿って肉厚に設けられて前記バルブボディと前記スタフィングとの間で固定される外縁部を備えること、
    前記弁体部の反弁座側端面の中心から突出するように前記弁体部に一体的に設けられ、前記弁体部の内部に配置される先端部が前記弁体部に接着されるものであって、前記ソレノイドが発生した駆動力を前記弁体部に伝達する軸部材を有すること、
    前記弁体部と前記軸部材が接触する部分のうち、少なくとも前記膜部が前記弁体部に接続する位置より反弁座側の部分が、非接着であること
    を特徴とする電磁弁。
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