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JP2015140373A - 吸着フィルム - Google Patents

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JP2015140373A
JP2015140373A JP2014012953A JP2014012953A JP2015140373A JP 2015140373 A JP2015140373 A JP 2015140373A JP 2014012953 A JP2014012953 A JP 2014012953A JP 2014012953 A JP2014012953 A JP 2014012953A JP 2015140373 A JP2015140373 A JP 2015140373A
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adsorbing
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JP2014012953A
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知輝 城下
Tomoki Shiroshita
知輝 城下
鈴木 教一
Kyoichi Suzuki
教一 鈴木
清水 隆史
Takashi Shimizu
隆史 清水
寛彰 入江
Hiroaki Irie
寛彰 入江
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Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

【課題】打ち抜き加工後のフィルムを液晶等のディスプレイ表面に貼り付けた場合、切断端部で吸着層のはみ出しが生じたり、ディスプレイ表面からの吸着層の浮きが発生したりすることのない、打ち抜き加工性に優れた吸着フィルムを提供する。
【解決手段】基材フィルム上に、シリコーン樹脂を主成分とする吸着層を積層した吸着フィルムにおいて、前記吸着フィルムの総厚みが55〜225μmであり、かつ前記吸着フィルムの引張試験による破断応力が75〜180N/mmであることを特徴とする吸着フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムに関するもので、その用途は、各種電子・電気機器の表示装置として使用されるフラットパネルディスプレイの保護フィルム、ウインドウ用保護フィルム、その他産業上広い分野で使用されるシール材、クッション材等である。
平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムは、それ自体のみならず、前記吸着フィルムに、耐スクラッチ性、紫外線遮断性、電磁波遮断性、導電性、消臭性、脱臭性、抗菌性、親水性、防曇性、撥水性、熱伝導性、インク受容性等の機能を更に付与することにより産業上広い分野で使用される。
例えば、液晶等の表示画面用保護フィルムとして、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムを使用する場合には、平滑面を有する被着体への貼り付け時に、気泡巻き込みが発生しない、気泡抜け性がよい、などの特性が必要である。また貼り付けされたフィルムは、経時的にずれたり、剥がれたりしないことが必要であり、フィルムを被着体から剥離する際に、経時により被着体面と吸着層面の密着力が上昇せずスムーズに剥離でき、かつ被着体上にシリコーン残りが発生しないこと、等の基本的な機能を有していることが要求される。
従来、上記用途のフィルム用として、光線透過率が80%以上の基材フィルムの少なくとも片面に、シリコーンゴム等からなる粘着剤層を積層した積層体からなり、該積層体の光線透過率が80%以上である表示画面用保護フィルムが提案されている。しかしながら、前記の表示画面用保護フィルムにおいては、打ち抜き加工時に粘着剤が、切断部端面からはみ出したり、切断部での切断時応力により、基材フィルムの変形が生じてしまい、セパレータ(剥離シート)からの粘着剤層の浮きが発生する等、打ち抜き加工性が悪かった。また打ち抜き加工後のフィルムを液晶等のディスプレイ表面に貼り付けた場合、前記の打ち抜き加工時の基材フィルムの変形に起因する、前記液晶等のディスプレイ表面からの粘着剤層の浮きが発生する等の不具合があり、小サイズの表示画面用保護フィルムの量産化には不向きであることがわかった。(特許文献1)
上記の打ち抜き加工性を改良するため、基材フィルム上に、水酸基含有単量体を共重合成分として含み、特定のガラス転移点(Tg)を有するアクリル共重合体に対し、特定量の ポリオキシアルキレン基を有するジメチルシリコン化合物とアルカリ金属イオンとからなる導電性組成物およびイソシアネート基を有する架橋剤を含有する粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する加工工程保護フィルムが提案されている。しかしながら、粘着剤層の工夫だけでは、上記の打ち抜き加工時及びその後の液晶等のディスプレイ表面へのに貼り着け時に、粘着剤のはみ出しや、セパレータ(剥離シート)及び液晶等のディスプレイ表面からの粘着剤層の浮き等の、打ち抜き加工性に関する不具合を解消するには至らなかった。(特許文献2)
特開2000−56694号公報 特開2009−292958号公報
本発明は、平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能であるとともに、打ち抜き加工時及びその後の液晶等のディスプレイ表面への貼り着け時に、吸着層のはみ出しや、セパレータ(剥離シート)及び液晶等のディスプレイ表面から吸着層の浮き等のない、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、プラスチックフィルムの少なくとも片面に、シリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムの総厚み及び破断応力を規定することによって、打ち抜き加工時及びその後の液晶等のディスプレイ表面への貼り着け時に、吸着層のはみ出しや、セパレータ(剥離シート)及び液晶等のディスプレイ表面からの吸着層の浮きを抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
第1発明は、基材フィルム上に、シリコーン樹脂を主成分とする吸着層を積層した吸着フィルムにおいて、前記吸着フィルムの総厚みが55〜225μmであり、かつ前記吸着フィルムの引張試験による破断応力が75〜180N/mmであることを特徴とする吸着フィルムである。
第2発明は、前記吸着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン、末端にのみビニル基を有する分岐状ジオルガノポリシロキサン、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ジオルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種以上のジオルガノポリシロキサンと、SiH基を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含有し、かつ前記ビニル基とSiH基とのヒドロキシル反応により熱架橋する付加反応型シリコーン組成物を塗布、熱架橋したものであることを特徴とする第1発明に記載の吸着フィルムである。
第3発明は、前記基材フィルムの厚みが50〜125μmであり、かつ前記基材フィルムの厚み(A)に対する前記吸着層の厚み(B)の比率が、(B)/(A)=0.3〜0.8であることを特徴とする第1発明〜第2発明のいずれかに記載の吸着フィルムである。
本発明の吸着フィルムは、プラスチックフィルムの少なくとも片面に、付加反応型シリコーン組成物を塗布、熱架橋して得られたシリコーン樹脂からなる吸着層を設け、吸着フィルム全体の破断応力及び総厚みを規定した吸着フィルムとしたことにより、打ち抜き加工時に、前記打ち抜き部における切断時の応力が緩和され、端面での吸着層のはみ出しが発生しにくく、かつ打ち抜き部の変形が少ないため、セパレータ(剥離シート)から吸着層の浮きを抑制することができるものである。その後の液晶等のディスプレイ表面への貼り着け時においても、打ち抜き加工時の基材フィルムの変形に起因する、液晶等のディスプレイ表面からの吸着層の浮きを抑制することができるものである。従って、打ち抜き加工性に優れた本発明の吸着フィルムは、大サイズはもとより、小サイズの表示画面用保護フィルムの量産化にも適用することができる。
以下に本発明の吸着フィルムを、その構成要素に基づいて、さらに詳しく説明する。
(吸着フィルム)
本発明の吸着フィルムは、プラスチックフィルム等の基材フィルムの少なくとも片面に、付加反応型シリコーン組成物を塗布、熱架橋して得られたシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムであり、前記吸着フィルムの総厚みが55〜225μmであり、かつ前記吸着フィルムの引張試験による破断応力が75〜180N/mmである。前記吸着フィルムの総厚みが55μm未満であると、打ち抜き加工時に、打ち抜き部以外の箇所で、前記吸着フィルムの切断が生じたり、貼り付け時の取り扱い性が悪くなる。また、前記吸着フィルムの総厚みが225μmを超える場合には、前記吸着層及び前記基材フィルムの厚みをそれぞれ大きくする必要があり、それに伴い前記吸着フィルムの破断応力が大きくなる。この場合、打ち抜き加工時に、打ち抜き部端面における吸着層のはみ出しが発生しやすくなり、かつセパレータ(剥離シート)から吸着層の浮きが発生しやすくなる。
前記吸着フィルムの引張試験による破断応力は、上述の通り、75〜180N/mmであることが好ましい。特に75〜140N/mmであることが好ましい。75N/mm未満であると、打ち抜き加工時に、打ち抜き部以外の箇所で、前記吸着フィルムの切断が生じたり、貼り付け時の取り扱い性が悪くなる。一方、前記吸着フィルムの引張試験による破断応力が180N/mmを超えると、打ち抜き加工時に、セパレータ(剥離シート)から吸着層の浮きが発生しやすくなる。
(破断応力の測定方法)
本発明の吸着フィルムの引張試験による破断応力の測定は、前記吸着フィルムから10mm幅×150mm長のサンプルを切り出し、サンプル測定部位が10mm幅×100mm長(伸長方向)になるようにサンプルをセットし、25℃、50%RHの環境下で引張試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いて引張速度200mm/分で伸長させ、破断応力(N/mm)を測定する。
(基材フィルム)
本発明で使用する基材フィルムは、各種のプラスチックからなるフィルムであれば、特に限定されない。例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等よりなるフィルムが例示されるが、これらに限定されるものではない。シリコーンゴムの熱架橋時の取り扱い性、コストの面からポリエステルフィルムやポリカーボネートフィルムが好ましい。透明性の点では、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。基材フィルムの厚みは、吸着フィルムとしての打ち抜き加工性を考慮して、50〜125μmの範囲とするのが好ましい。
前記基材フィルムの厚みが50μm未満であると、吸着フィルムの貼り付け時の取り扱い性が悪くなる。一方、前記基材フィルムの厚みが125μmを超えると、引張試験による破断応力が大きくなり、打ち抜き加工時に、セパレータ(剥離シート)から吸着層の浮きが発生しやすくなる。
基材フィルムは、その表面をコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火炎処理したり、必要に応じてアンカー層等を設けてもよい。アンカー層等を積層する方法としては、製膜時に積層するいわゆるインライン法、または製膜したフィルムに積層するいわゆるオフライン法のいずれでもよい。
(吸着層)
本発明の吸着層に用いるシリコーン樹脂の性状としては、透明性が高く、ゴムのような柔軟性を持っていて被着体の表面に対しても、吸着層の面が被着体表面に沿うことが求められる。さらに剥離の際には、小さい剥離力で、容易に剥離できることが求められる。また、少なくとも厚み5μm以上で、目付け加工の方法を用いることなく、塗布及び加熱処理だけで架橋吸着層を設けるためには、シリコーン組成物の硬化反応に際して、150℃以下の低温短時間で深部まで架橋し、透明で耐熱性、圧縮永久歪み特性に優れかつ低粘度で液状タイプである、白金触媒等のもと、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンと架橋剤としてSiH基を有するポリオルガノハイドロジェンポリシロキサンとのヒドロキシル反応により熱架橋する付加型液状シリコーン樹脂の使用が好ましい。
このような性状のシリコーン樹脂として、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンと、末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンとから選ばれる少なくとも1種のポリオルガノシロキサンを架橋させてなるものを用いると良い。
これらのポリオルガノシロキサンの1形態としては、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンとは下記一般式(化1)で表せられる化合物である。
Figure 2015140373
(式中Rは下記の有機基、nは整数を表す。)
Figure 2015140373
(式中Rは下記の有機基、mは整数を表す。)
このビニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種または異種の非置換又は置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で、好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられるが、このジオルガノポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってもよい。
両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンは、上記一般式(化1)中のRの一部がビニル基である化合物である。末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンは上記一般式(化2)で表せられる化合物である。末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンは上記一般式(化2)中のRの一部がビニル基である化合物である。形状としては、直鎖状、分岐状、環状のものを使用できる。
本発明においては、上記のビニル基を有するポリオルガノシロキサンとの組み合わせにおいて、架橋反応に用いる架橋剤は、公知のものでよい。前記架橋剤の例として、分子内にSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するものが好ましく用いられるが、実用上からは分子中に2個の≡SiH結合を有するものをその全量の50重量%までとし、残余を分子中に少なくとも3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。
この水素原子以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種又は異種の非置換または置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で、好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられる。
前記の付加反応型シリコーン組成物の架橋反応に用いる白金系触媒は公知のものでよく、これには塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物あるいは塩化白金酸と各種オレフィンとの鎖塩などがあげられる。架橋反応した吸着層は、シリコーンゴムのような柔軟性を持ったものとなり、この柔軟性が被着体との密着を容易にさせるものである。
本発明に係るシリコーン組成物の市販品の形状は、無溶剤型、溶剤型、エマルション型があるが、いずれの型も使用できる。なかでも、無溶剤型は、溶剤を使用しないため、安全性、衛生性、大気汚染の面で非常に利点があるが、無溶剤型においても、所望の膜厚を得るための粘度調節として、必要に応じてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤、またはこれらの混合溶剤などが使用される。
前述のごとく、吸着層の性状としては、ゴムのような柔軟性を持っていて被着体への貼着時に被着体の表面の凹凸に追従して密着力を確保することが求められる。そして、例えば前記表示画面の保護フィルムやウインドウ用保護フィルムとして吸着フィルムを使用する場合、吸着層の厚みは、被着体に対する吸着層の密着面方向の剪断力を確保するために、5μm〜100μmのものが好適である。前記吸着層の厚みが5μm未満であると、被着体に対する機能性フィルムの密着面方向の剪断力が確保できず、特に長時間の貼り付け時には、吸着フィルムが被着体から剥がれ易い。また、前記吸着層の厚みが100μmを超える場合には、打ち抜き加工時に、打ち抜き部端面での吸着層のはみ出しが発生しやすくなる。
本発明の吸着フィルムにおいては、基材フィルムの厚み(A)に対する吸着層の厚み(B)の比率が、(B)/(A)=0.3〜0.8であることが好ましい。(B)/(A)が0.3未満であると、破断応力が高い基材フィルムを用いて吸着フィルムを作製した場合、吸着フィルムの破断応力も高くなり、打ち抜き加工時に、セパレータ(剥離シート)から吸着層の浮きが発生しやすくなる。一方、(B)/(A)が0.8を超える場合には、
基材フィルムに対する吸着層の厚みが相対的に大きくなるので、打ち抜き加工時に、打ち抜き部端面での吸着層のはみ出しが発生しやすくなる。
(アンカー層)
本発明においては、基材フィルムと吸着層との接着力の向上、および被着体への吸着フィルムの貼り着け後、前記フィルムを剥離する際に、経時により被着体面と吸着層面の密着力が上昇せずスムーズに剥離できかつ被着体上にシリコーン残りが発生しないこと目的として、前記基材フィルムと吸着層との間にアンカー層を設けてもよい。
アンカー層の材料としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂等が挙げられる。ポリエステル樹脂は、アクリル変性やウレタン変性したものが好ましく、特アクリルポリオール樹脂が被膜特性の観点から好ましい。
また、アンカー層には、その他配合材料として帯電防止剤を添加し帯電防止機能を付与することができる。ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン等を挙げることができる。またエチレンオキサイドを骨格に持つアクリレート化合物なども使用することができる。導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン及びこれらの誘導体を使用することができる。金属酸化物としてアンチモンドープ型酸化錫(ATO)、錫ドープ型酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ型酸化亜鉛、アンチモン副酸化物などを使用することができる。
アンカー層の厚みは0.1〜5.0μmの範囲、より好ましくは0.15〜3.0μmの範囲である。アンカー層の厚みが0.1μm未満であると、熱架橋された吸着層が基材フィルムより離脱し易くなる。さらに帯電防止性能が安定しない。一方前記アンカー層の厚みが5.0μmを超える場合、アンカー層の柔軟性が無くなって硬い層となり、基材フィルムへの密着性が悪くなる。
アンカー層塗工液、吸着層塗工液の塗工方法としては、3本オフセットグラビアコーターや5本ロールコーターに代表される多段ロールコーター、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフコーター等公知の方法が適宜使用される。
本発明の吸着フィルムにおいては、吸着層の表面の汚れや異物付着を防いだり、吸着フィルムのハンドリングを向上させるために樹脂フィルム製のセパレータ(剥離シート)を吸着層面に張り合わせることができる。前記セパレータ(剥離シート)としては、ポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレンポリエチレン、ポリプロピレン等よりなる剥離性の高い樹脂フィルムよりなり、所望により、表面にシリコーン系材料等の剥離剤を塗布したものが使用される。前記の工程に引き続いて、任意かつ適当な形状もしくは大きさへの裁断が行われる。形成された吸着フィルムは、さらに使用に際して所望の形状に切断、または打ち抜きを施して使用することが可能である。
本発明の吸着フィルムの前記吸着層の反対側の基材フィルム面には、耐スクラッチ性、紫外線遮断性、電磁波遮断性、導電性、消臭性、脱臭性、抗菌性、親水性、防曇性、撥水性、熱伝導性等を有する機能層を更に設けることが出来る。
以下、実施例と比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、各実施例中の「部」は特に断ることのない限り重量部を示したものである。
(実施例1〜7、比較例1〜4)
表1に記載された厚みを有する各基材フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)それぞれの片面に、下記アンカー層塗工液をグラビアコーターで塗工、乾燥して、厚み3.0μmのアンカー層を形成した。
(アンカー層塗工液)
アクリルポリオール樹脂 20部
(東レファインケミカル製、コータックスLH455、固形分:50%)
ポリチオフェン 27部
(信越ポリマー製、セプルジーダOC−SC100、固形分:3%)
MEK 40部
トルエン 13部
(実施例1〜7、比較例1〜4)
前記のアンカー層の上に、下記吸着層塗工液の成分を、表1に記載されたそれぞれの塗布厚み(乾燥後)で吸着層を設けた後、オーブンにて150℃、100秒で架橋させて、本発明の実施例1〜7の吸着フィルム、及び比較例1〜4の吸着フィルムを作製した。
(吸着層塗工液)
両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサン 68.3部
(無溶剤型)/(Mw:80,000)
オルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.7部
(無溶剤型)/(Mw:2,000)
白金触媒(商品名:PL−56、信越化学工業(株)製) 1.0部
トルエン 30.0部
Figure 2015140373
各実施例、比較例の評価結果を表1に、各評価方法を下記に示す。
(評価方法)
(破断応力の測定方法)
吸着フィルムの引張試験による破断応力の測定は、上記の吸着フィルムから10mm幅×200mm長のサンプルを切り出し、サンプル測定部位が10mm幅×100mm長(伸長方向)になるようにサンプルをセットし、25℃、50%RHの環境下で引張試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いて引張速度200mm/分で伸長させ、サンプルが破断した時点(少なくとも一部より亀裂が生じた時点)の破断応力(N/mm)を測定した。また、基材フィルム単体での引張試験による破断応力の測定については、上記の吸着フィルムの測定方法に準じて予め行った。
(打ち抜き加工)
上記それぞれ作製した吸着フィルムの吸着層面に、厚みが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、25℃、50%RHの環境下で24時間放置した後、
打ち抜き加工機を用いて、20Kgf/cmの圧力で、60mm幅×125mm長のサンプルを打ち抜き加工して作製した。
(吸着層のはみ出し)
上記の打ち抜き加工した各サンプルの切断端面を目視で観察し、以下の基準で吸着層のはみ出しを評価した。
吸着層のはみ出しの評価基準
◎:基材フィルムの端面より吸着層がはみ出していない
○:基材フィルムの端面より吸着層が殆どはみ出していない
×:基材フィルムの端面より吸着層がはみ出している
(吸着層の浮き)
上記の打ち抜き加工した各サンプルの切断端面を目視で観察し、以下の基準で吸着層の浮きを評価した。
吸着層の浮きの評価基準
◎:セパレータ(剥離シート)と吸着層が完全に密着している
○:セパレータ(剥離シート)と吸着層が殆ど剥がれていない
×:セパレータ(剥離シート)から吸着層が剥がれている
(リワーク性)
上記作成した吸着フィルムを25mm幅にカットし、前記吸着フィルムの吸着層を厚み2mmのアクリル板に2Kgのローラーを1往復させる方式で圧着し、圧着後室温で約24時間放置した。次に、引張試験機を用いて、180°の剥離角度、剥離速度:1200mm/minで剥離し、吸着フィルムのアクリル板剥離力(mN/25mm)を測定した。
リワーク性の評価基準
◎:アクリル板剥離力が25mN/25mm以上、150mN/25mm未満
○:アクリル板剥離力が150mN/25mm以上、400mN/25mm未満
×:アクリル板剥離力が25mN/25mm未満、400mN/25mm以上

Claims (3)

  1. 基材フィルム上に、シリコーン樹脂を主成分とする吸着層を積層した吸着フィルムにおいて、前記吸着フィルムの総厚みが55〜225μmであり、かつ前記吸着フィルムの引張試験による破断応力が75〜180N/mmであることを特徴とする吸着フィルム。
  2. 前記吸着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン、末端にのみビニル基を有する分岐状ジオルガノポリシロキサン、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ジオルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種以上のジオルガノポリシロキサンと、SiH基を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含有し、かつ前記ビニル基とSiH基とのヒドロキシル反応により熱架橋する付加反応型シリコーン組成物を塗布、熱架橋したものであることを特徴とする請求項1に記載の吸着フィルム。
  3. 前記基材フィルムの厚みが50〜125μmであり、かつ前記基材フィルムの厚み(A)に対する前記吸着層の厚み(B)の比率が、(B)/(A)=0.3〜0.8であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の吸着フィルム。
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