<実施例1>
以下、本発明の実施例1に係る光源装置及びその制御方法について説明する。
本実施例では、光源装置の状態が低輝度状態(光源装置が有する光源の1回の点灯時間がセンサ検出時間より短い状態)である場合において、光源の1回の点灯時間を延長し、光源に供給する電流値を低減する。センサ検出時間は、光センサで光源からの光を検出するのに必要な時間である。そして、点灯時間が延長され且つ電流値が低減された状態での検出結果(光センサの検出結果)に基づいて光源の発光量を制御する。それにより、光源装置の状態が低輝度状態であっても高精度な検出結果を得ることができ、光源の発光量を高精度に制御することができる。光源装置は、一定期間(発光制御期間)毎に、光源の点灯と消灯の制御を行う。発光量は、例えば、1回の点灯における発光量や発光制御期間における発光量である。
なお、本実施例では、点灯時間に電流値を乗算した値が一定であれば発光量は一定であるものとする。
まず、図1及び図2を用いて、本実施例に係る光源装置の構成について説明する。本実施例に係る光源装置は、液晶表示装置などの画像表示装置のバックライト、街灯や室内灯などの照明装置として利用できる。本実施例では、光源装置が画像表示装置のバックライトである場合の例を説明する。本実施例に係る画像表示装置では、表示パネルが、バックライトから照射される光を透過することで、画面に画像を表示する。なお、画像表示装置は、透過型の液晶表示装置に限らない。画像表示装置は、独立した光源を有する表示装置であればよい。例えば、画像表示装置は、反射型の液晶表示装置であってもよい。また、画像表示装置は、液晶素子の代わりにMEMS(Micro Electro Mechanical System)シャッターを用いたMEMSシャッター方式ディスプレイであってもよい。
図1は、本実施例に係る光源装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す光源装置100(以後、バックライトと記載する)は、バックライトユニット110と制御ユニット120を有する。
バックライトユニット110は、複数の光源ユニット(図中、破線で記載)と複数の光センサ112を有する。光源ユニットは、例えば、発光量を制御可能なバックライト100(バックライトユニット110)の最小単位である。換言すれば、バックライト100は、光源ユニット毎に発光量を制御可能な構成を有する。1つの光源ユニットは、光源として、直列に接続された複数のLED111を有する。
制御ユニット120は、光センサ値取得部121、バックライト制御部122、目標光センサ値記憶部123、初期点灯時間記憶部124、バックライト駆動部125を有する。バックライト制御部122は、点灯時間調整部130と、電流値調整部131を有する。
図2は、本実施例に係るバックライトユニット110のLED111及び光センサ112の配置の一例を示す模式図である。図2の例では、バックライトユニット110は2行3列の6つの光源ユニット0〜5に分割されている。1つの光源ユニットには、光源として、16個のLEDがアレイ状に配置されている。1つの光源ユニットの16個のLEDは、同一の電流値及び点灯時間で点灯(発光)する。光源ユニット0〜5にはそれぞれ光センサA〜Fが設けられている。
なお、光源ユニットの数は6より多くても少なくてもよい。光源ユニットの数は1つであってもよい。また、1つの光源ユニットに対し複数の光センサが設けられていてもよいし、複数の光源ユニットに対し複数の光センサが設けられていてもよい。
ここで、バックライト100の発光量を一定かつ均一に保つ処理の概要を説明する。
目標光センサ値記憶部123には、生産時の調整工程で設定された目標光センサ値(光源ユニット毎の目標光センサ値)が予め記録されている。目標光センサ値は、光センサが検出した光(光源ユニットからの光)の目標値である。
初期点灯時間記憶部124には、生産時の調整工程で設定された点灯時間(光源ユニット毎のムラ補正後の1回の点灯時間)が記録されている。
バックライト100は、初期状態において、初期点灯時間記憶部124が記憶する点灯時間に従って点灯と消灯を繰り返す。このとき、各光源ユニットには、所定の電流値が供給される。
バックライト100の点灯時、バックライト制御部122は、発光量制御処理を定期的に行う。発光量制御処理は、光源ユニット毎に、光センサの検出結果(光センサ値)に基づいてその光源ユニットの発光量を制御(補正)する制御処理である。光センサ値は、例えば、発光輝度(瞬時値)や光量(累積値)である。
具体的には、発光量制御処理において、光センサ値取得部121は、バックライト制御部122からの指示に応じて、光源ユニット毎に光センサ値を光センサから取得する。バックライト制御部122は、光源ユニット毎に、光センサ値取得部121が取得した光センサ値と、目標光センサ値記憶部123が記憶する目標光センサ値とを比較する。バックライト制御部122は、光源ユニット毎に、上記比較の結果に応じて、その光源ユニットに供給する電流値、及び、当該光源ユニットの点灯時間を決定(調整)する。そして、バックライト制御部122は、光源ユニット毎の電流値(調整後の電流値)と点灯時間(調整後の点灯時間)をバックライト駆動部125へ出力する。
バックライト駆動部125は、光源ユニット毎に、バックライト制御部122から出力された電流値と点灯時間で、その光源ユニットを駆動する(点灯させる)。
各光源ユニットの1回の点灯時間は変更可能である。例えば、ユーザは、バックライトの明るさ(各光源ユニットの点灯時間)を調整することができる。光源ユニットの1回の点灯時間が所定時間よりも短い場合、光源ユニットの発光量を精度良く制御することができない。具体的には、発光量制御処理において、光センサ値を取得することができなかったり、不正確な光センサ値が取得されたりするため、光源ユニットの発光量を精度良く制御することができない。本実施例では、そのような場合において、点灯時間調整部130及び電流値調整部131を用いて点灯時間と電流値を調整することにより、正確な光センサ値を取得すること、ひいては光源ユニットの発光量を精度良く制御することが可能となる。
本実施例では、所定時間が光センサで光を検出するのに必要な時間(発光量制御処理において光センサ値を取得するのに必要な時間)であるものとする。
なお、バックライトの明るさは、周囲の環境や画像データなどに基づいて自動で変更されてもよい。
次に、図3を用いて、目標光センサ値及び初期点灯時間の記録方法について説明する。図3は、目標光センサ値及び初期点灯時間の記録方法の一例を示すフローチャートである。図3の処理フローは、例えば、生産時の調整工程にて実施される。
まず、S150において、バックライト制御部122が、バックライト駆動部125に対し、所定の電流値と点灯時間で全てのLED111を点灯させるよう指示する。バックライト駆動部125は、バックライト制御部122からの指示に応じて、所定の電流値と点灯時間で全てのLED111を点灯させる。このときの光源ユニット毎の電流値と点灯時間の一例を図4に示す。図4の例では、各光源ユニットの電流値として、500が設定されている。また、各光源ユニットの点灯時間として、500が設定されている。
なお、電流値(電流制御値)は0から1000までの整数であり、電流制御値の増加に対して電流値(実際に供給される電流の値)は線形に増加する。例えば、電流制御値が1000のときには、電流制御値が500のときの倍の電流が光源ユニットに供給される。また、電流制御値が0のときには、光源ユニットに電流は供給されず、光源ユニットは消灯状態となる。
また、点灯時間(点灯時間制御値)は0から1000までの整数であり、点灯時間制御値の増加に対して点灯時間(実際の時間)は線形に増加する。例えば、点灯時間制御値が1000のときには、実際の点灯時間は、点灯時間制御値が500のときの倍の点灯時間となる。また、点灯時間制御値が0のときには、実際の点灯時間は0となり、光源ユニットは消灯状態となる。
なお、電流値(電流制御値)や点灯時間(点灯時間制御値)の範囲は、上記値(0〜1000)に限らない。また、電流制御値の増加に対して実際の電流値が非線形に増加してもよいし、電流制御値の増加に対して実際の電流値が低減してもよい。点灯時間制御値についても同様である。
次に、S151において、不図示の外部測定器によって、表示領域の輝度ムラ(画像表示装置の画面上の輝度ムラ)が測定される。そして、バックライト制御部122が、輝度ムラの測定結果に基づいて、表示領域の輝度が一定かつ均一になるように、各光源ユニットの点灯時間を補正する。例えば、光源ユニット0のムラ測定結果(画面上の輝度の、期待した輝度に対する割合)が95%であった場合には、光源ユニット0の発光量を高めるために点灯時間が延長される。具体的には、調整前の点灯時間は500であるため、点灯時間は526(=500×100/95)に調整される。それにより、不足分(5%)の輝度が補完される。光源ユニット毎のムラ測定結果と調整後の点灯時間(初期点灯時間)の一例を図4に示す。
そして、S152において、バックライト制御部122が、光源ユニット毎の初期点灯時間を初期点灯時間記憶部124に記録する。
なお、S151において点灯時間と電流値の両方を調整し、調整後の点灯時間と電流値を記録してもよい。その場合、初期状態において、バックライト100は、調整後の点灯時間と電流値で点灯する。また、電流値のみを調整し、調整後の電流値を記録してもよい。その場合、初期状態において、バックライト100は、調整後の電流値と所定の点灯時間で点灯する。
次に、S153において、バックライト制御部122が、特定の光源ユニットだけが点灯する期間を作り出すよう、バックライト駆動部125に指示する。例えば、各光源ユニットが図5に示すように発光制御期間内で点灯/消灯を行っているとする。バックライト制御部122より光源ユニット0だけが点灯する期間を作り出すよう指示があった場合、バックライト駆動部125は、図6に示すように、一時的にバックライトの点灯期間を調整し、光源ユニット0だけが点灯する期間を作り出す。このとき、バックライト駆動部125は、バックライト制御部122に対し、特定の光源ユニットだけが点灯する期間を作り出したことを通知する。
そして、バックライト駆動部125からバックライト制御部122に特定の光源ユニットだけが点灯する期間が作られたことが通知されると、S154に処理が進められる。S154では、バックライト制御部122が光センサ値取得部121に対し、特定の光源ユニットの光センサ値を取得するよう指示する。光センサ値取得部121は、特定の光源ユニットに設けられた光センサから光センサ値を取得する。光センサ値は、ノイズ除去のために、複数回取得される。そして、取得した複数の光センサ値の代表値(平均値、最頻値、中間値など)が最終的な光センサ値として取得される。また、特定の光源ユニットだけが点灯された状態で当該特定のユニットからの光が検出されるまで、時間差が生じる。そのため、最終的な光センサ値を決定するためには、特定の光源ユニットだけ点灯させた状態をある程度維持する必要がある。
なお、光センサから光センサ値を取得する処理を1回だけ行い、取得した光センサ値にノイズを除去する処理(フィルタ処理)を施し、フィルタ処理後の光センサ値を最終的な光センサ値として取得してもよい。また、上記代表値(複数の光センサ値の代表値)にフィルタ処理を施すことにより最終的な光センサ値を取得してもよい。
次に、S155において、バックライト制御部122は、S154で取得された光センサ値を目標光センサ値として目標光センサ値記憶部123に記録する。
そして、S156において、バックライト制御部122は、全ての光源ユニットの目標光センサ値が記録されたか否かを判定する。全ての光源ユニットの目標光センサ値が記録された場合には、本処理フローが終了される。目標光センサ値が記録されていない光源ユニットが存在する場合には、バックライト制御部122は、目標光センサ値が記録されていない光源ユニットを上記特定の光源ユニットとして設定する。そして、S153に処理が戻される。
このようにして決定された光源ユニット毎の目標光センサ値の一例を図7に示す。
次に、図8を用いて、本実施例に係るバックライト100の発光量の制御方法(発光量制御処理)について説明する。図8は、バックライト100の発光量の制御方法、具体的には、バックライト100全体の発光量(明るさ)を一定に保つ方法の一例を示すフローチャートである。図8の処理フローは、例えば、ユーザが画像表示装置を使用する期間において、一定時間おきに実施される。一定時間は、温度変化等により著しく発光量が変化しない時間、例えば10秒といった時間である。
なお、図8の処理フローの実施タイミングは上記タイミングに限らない。例えば、ユーザから発光量を補正する指示があったことをトリガとして、図8の処理フローが実施されてもよい。
まず、S170において、バックライト制御部122が、特定の光源ユニットだけを点灯させて光センサ値を取得する場合に、点灯時間が十分であるか否か判定する。具体的には、特定の光源ユニットの1回の点灯時間が、光センサで光を検出するのに必要な時間(発光量制御処理において光センサ値を取得するのに必要な時間)以上か否かを判定する。
点灯時間は、例えば、ユーザが画像表示装置(画面)の明るさを調整するための設定を行った場合に変動する。具体的には、目標センサ値及び初期点灯時間を記録したときのバックライト輝度が200cd/m2であったとする。ユーザが画像表示装置の明るさを調整し、バックライト輝度を100cd/m2に低下させた場合、全ての光源ユニットの点灯時間が半分に短縮される。なお、バックライト輝度は、電流値のみ、又は、点灯時間と電流値の両方を調整することにより調整されてもよい。
前述したように、光センサ値を取得する場合、特定の光源ユニットだけ点灯させた状態を一定時間維持する必要がある。そのため、ユーザがバックライト輝度を大きく低下させた場合、光センサ値を取得するための期間を十分に確保できないことがある。例えば、点灯時間(点灯時間制御値)が1000のときの実際の点灯時間が12msであり、光センサで光を検出するのに必要な時間が1msであった場合、特定の光源ユニットの点灯時間は84(=1000/12)以上でなければならない。
S170では、特定の光源ユニットの点灯時間Xが、光センサで光を検出するのに必要な時間84以上か否かが判定される。なお、光センサで光を検出するのに必要な時間の情報は、バックライト100内に予め記録されているものとする。
点灯時間Xが84未満である場合(S170:No)、S171に処理が進められる。点灯時間Xが84以上である場合(S170:Yes)、S173に処理が進められる。
S171において、バックライト制御部122が、特定の光源ユニットだけを点灯した状態での正確な光センサ値が取得できるよう、発光量制御処理を行う間、特定の光源ユニットの点灯時間を延長する延長処理を実行する。点灯時間の延長は、点灯時間調整部130を用いて行われる。具体的には、点灯時間が、光センサで光を検出するのに必要な時間以上に延長される。例えば、特定の光源ユニットの延長前の点灯時間(設定点灯時間)が50であった場合、図9に示すように、点灯時間が光センサで光を検出するのに必要な時間よりも短いため、光センサ値が取得できなかったり、不正確な光センサ値が取得されたりしてしまう。S171の処理により、点灯時間50が1.68倍される。それにより、点灯時間50が、光センサで光を検出するのに必要な時間と同じ時間84まで延長される。
なお、延長後の点灯時間は、光センサで光を検出するのに必要な時間と一致していなくてもよい。延長後の点灯時間は、光センサで光を検出するのに必要な時間より短くても長くてもよい。但し、光の検出精度の観点から、点灯時間は、光センサで光を検出するのに必要な時間以上に延長されることが好ましい。
S171の次に、S172において、バックライト制御部122が、S171で点灯時間を延長したことによる発光量の増加が抑制されるように、特定の光源ユニットに供給する電流値を低減する。電流値の低減は、電流値調整部131を用いて行われる。本実施例では、延長後の点灯時間に低減後の電流値を乗算した値が、延長前の点灯時間に低減前の電流値を乗算した値と一致するように、電流値が低減される。例えば、S171において特定の光源ユニットの点灯時間が1.68倍に延長された場合、特定の光源ユニットに供給する電流値が0.596(=1/1.68)倍される。その結果、特定の光源ユニットの低減前の電流値(設定電流値)が500であったとすると、低減後の電流値は298となる。
S172の処理の次に、S173へ処理が進められる。
なお、電流値の低減方法は上記方法に限らない。例えば、延長後の点灯時間に低減後の電流値を乗算した値は、延長前の点灯時間に低減前の電流値を乗算した値より大きくても小さくてもよい。S171で点灯時間を延長したことによる発光量の増加が抑制されればよく、その抑制量の大小は問わない。
S173において、バックライト制御部122が、特定の光源ユニットだけが点灯する期間を作り出すよう、バックライト駆動部125に指示する。具体的には、S170でYes判定の場合、設定点灯時間と設定電流値で特定の光源ユニットだけが点灯する期間を作り出す指示がなされる。S170でNo判定の場合、延長後の点灯時間と低減後の電流値(S171で決定された点灯時間とS172で決定された電流値)で特定の光源ユニットだけが点灯する期間を作り出す指示がなされる。バックライト駆動部125は、バックライト制御部122からの指示に応じて、特定の光源ユニットだけが発光する期間を作り出し、バックライト制御部122に対し、特定の光源ユニットだけが発光する期間を作り出したことを通知する。このときの点灯時間及び電流値の一例を図10に示す。図10は、S170でNo判定であった場合の例であり、延長前の点灯時間と低減前の電流値が図9に示す値であった場合の例である。
バックライト駆動部125からバックライト制御部122に特定の光源ユニットだけが点灯する期間が作られたことが通知されると、S174に処理が進められる。S174では、バックライト制御部122が、光センサ値取得部121に対し、特定の光源ユニットの光センサ値を取得するよう指示する。光センサ値取得部121は、特定の光源ユニットに設けられた光センサから光センサ値を取得する。上述したように、光センサ値は、複数回取得され、取得した複数の光センサ値の代表値が最終的な光センサ値として取得される。
上述したように、本実施例では、特定の光源ユニットの1回の点灯時間が光センサで光を検出するのに必要な時間よりも短い場合に、点灯時間が延長され電流値が低減される。そのため、特定の光源ユニットの1回の点灯時間が光センサで光を検出するのに必要な時間よりも短い場合には、S174において、点灯時間が延長され且つ前記電流値が低減された状態での検出結果(光センサ値)が取得される。
特定の光源ユニットの1回の点灯時間が光センサで光を検出するのに必要な時間以上である場合には、設定点灯時間と設定電流値で光源ユニットを点灯させた状態での検出結果(光センサ値)が取得される。
そして、S175において、バックライト制御部122が、目標光センサ値記憶部123から特定の光源ユニットの目標光センサ値を取得する。
S176以降の処理により、S174で取得した光センサ値に基づいて各光源ユニットの発光量が制御される。具体的には、S170でYes判定の場合、設定点灯時間と設定電流値で光源ユニットを点灯させた状態での検出結果(光センサ値)に基づいて光源ユニットの発光量が制御される。S170でNo判定の場合、点灯時間が延長され且つ電流値が低減された状態での検出結果(光センサ値)に基づいて光源ユニットの発光量が制御される。
具体的には、S172で電流値が低減されている場合に、S176において、バックライト制御部122が、目標光センサ値を低減後の電流値に応じて調整する。電流値が変化すると、発光輝度(瞬時値)も変化する。本処理は、そのような発光輝度の変化を考慮して、変化後の発光輝度にあった目標光センサ値を算出する処理である。例えば、特定の光源ユニットが光源ユニット0であったとする。光源ユニット0の電流値が500のときの光源ユニット0の目標光センサ値は、図7に示すように500である。本実施例では、光源ユニット0の低減後の電流値298にあわせて、目標光センサ値も298(=(298/500)×500)に低減される。
また、S176において、バックライト制御部122が、S174で取得した光センサ値と、目標光センサ値とから、設定点灯時間に対する補正値(以下、点灯時間補正値)を算出する。ここで、S172で電流値が低減されている場合には、上記調整後の目標光センサ値が使用される。点灯時間補正値は、発光量の変化を補正するために設定点灯時間に乗算する補正係数である。例えば、特定の光源ユニットが光源ユニット0であったとする。光源ユニット0だけを点灯させて得られた光センサ値が250である場合、光源ユニット0の目標光センサ値は298であるため、点灯時間補正値は1.192(=298/250)となる。
次に、S177において、バックライト制御部122が、全ての光源ユニットの点灯時間補正値が算出されたか否かを判定する。全ての光源ユニットの点灯時間補正値が算出された場合には、S178に処理が進められる。点灯時間補正値が算出されていない光源ユニットが存在する場合には、点灯時間補正値が算出されていない光源ユニットを上記特定の光源ユニットとして設定する。そして、S170に処理が戻される。
S178において、バックライト制御部122が、光源ユニット毎に、補正後の設定点灯時間(以下、補正後点灯時間)を算出する。補正後点灯時間は、補正前の設定点灯時間に点灯時間補正値を乗算することにより算出される。具体的には、光源ユニット0の補正前の設定点灯時間が50、点灯時間補正値が1.192である場合、補正後点灯時間は60(=50×1.192)となる。
なお、設定点灯時間でなく設定電流値を補正することにより発光量が補正されてもよいし、設定点灯時間と設定電流値の両方を補正することにより発光量が補正されてもよい。
以上述べたように、本実施例によれば、図11に示すように設定点灯時間が短く光センサ値を正常に取得できない場合でも、図12に示すように点灯時間を変化させることで高精度な光センサ値が取得できる。そのため、各光源ユニットの発光量を高精度に制御(補正;フィードバック制御)することができ、バックライト全体の発光量を一定に保つことができる。
また、本実施例では点灯時間だけでなく電流値も変更されるため、点灯時間を変更することによる光量の変化を低減することができ、所望の光センサ値を得ることが可能となる。また、点灯時間を変更することによる表示輝度(画面上の輝度)の変化を抑制することができる。
なお、光源は1つのLEDであってもよいし複数のLEDであってもよい。また、光源は、LEDではなく、冷陰極管などを用いて構成されていてもよい。
なお、本実施例では、光源に供給する電流値を変更することで光源の発光輝度を変更する例を説明したが、光源に印加する電圧値を変更することで光源の発光輝度が変更されてもよい。
<実施例2>
以下、本発明の実施例2に係る光源装置及びその制御方法について説明する。
光源には、供給する電流値の変化によって発光効率が変化する特性を有するものがある。例えば、LEDはそのような特性を有する。本実施例では、光源がそのような特性を有する場合に、当該特性を考慮して、実施例1で得られた低減後の電流値を補正する例について説明する。そのような補正を行うことにより、光源が上記特性を有する場合に、実施例1よりも高精度な光センサ値を取得でき、光源装置の発光量を実施例1よりも高精度に制御することができる。
まず、図13を用いて、本実施例に係る光源装置の構成について説明する。
図13は、本実施例に係る光源装置の構成の一例を示すブロック図である。
なお、図13において、実施例1(図1)と同じ機能部には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施例に係るバックライト制御部122は、電流値補正部230をさらに有する。電流値補正部230は、光センサ値の取得を行うために点灯時間の延長及び電流値の低減をしたときに、発光量が変化しないよう、低減後の電流値(電流値調整部131によって低減された電流値)を補正する。電流値調整部131が電流値を低減することにより光源ユニットの発光効率は変化する。そして、発光効率が変化することにより、発光量も変化する。電流値補正部230は、電流値と発光効率との関係に基づいて、発光効率の変化による発光量の変化が抑制されるように、低減後の電流値を補正する。
目標光センサ値及び初期発光期間を記録方法については、実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
次に、図14を用いて、本実施例に係るバックライト100の発光量の制御方法(発光量制御処理)について説明する。図14は、本実施例に係るバックライト100の発光量の制御方法、具体的には、バックライト100全体の発光量(明るさ)を一定に保つ方法の一例を示すフローチャートである。図14の処理フローは、例えば、ユーザが画像表示装置を使用する期間において、一定時間おきに実施される。
なお、図14において、実施例1(図8)と同様の処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施例では、S172の処理の次にS270の処理が行われ、S270の処理の後にS173に処理が進められる。
S270において、バックライト制御部122が、電流値補正部230を用いて、低減後の電流値(S172で低減された電流値)を補正する。
上述したように、光源ユニット(具体的にはLEDなど発光素子)には、供給する電流値の変化によって発光効率が変化する特性を有するものがある。例えば、光源ユニットには、図15に示すような特性を有するものがある。図15の特性では、電流値500のときの発光効率が1であり、電流値が250のときに発光効率が0.6となる。バックライト100の発光量をより高精度に制御(補正)するためには、このような特性を考慮する必要がある。
電流値補正部230は、例えば、図16に示すような補正テーブルを有する。図16の補正テーブルは、電流値と補正値との関係を表すテーブルである。具体的には、図16の補正テーブルは、低減後の電流値毎に、その電流値に対する補正値(電流補正値)を表す。電流補正値は、発光効率の変化による発光量の変化を抑制するために低減後の電流値に乗算する補正係数である。本実施例では、補正テーブル内に存在しない電流値に対する電流補正値は、補間により算出される。なお、補正テーブル内に存在しない電流値に対する電流補正値として、補正テーブルにおいて当該電流値に最も近い電流値に対応する電流補正値が使用されてもよい。低減後の電流値が298であった場合には、S270の処理により、低減後の電流値298は、電流値277(=((298−290)×(0.93−0.92)/(300−290)+0.92)×298)に補正される。
なお、電流補正値は、補正テーブルを用いて決定されるのではなく、電流値と発光効率との関係を表す関数(低減後の電流値と電流補正値との関係を表す関数)を用いて算出されてもよい。また、補正前の電流値と補正後の電流値との関係を表すテーブルや関数を用いて低減後の電流値が補正されてもよい。
以上述べたように、本実施例によれば、図11に示すように設定点灯時間が短く光センサ値を正常に取得できない場合でも、図17に示すように点灯時間と電流値を変化させることで高精度な光センサ値が取得できる。また、電流値の変化により発光効率が変わる場合でも、低減後の電流値を補正することで高精度な光センサ値が取得できる。そのため、各光源ユニットの発光量を高精度に制御(補正)することができ、バックライト全体の発光量を一定に保つことができる。具体的には、電流値の変化により発光効率が変わる場合に、実施例1よりも高精度な光センサ値を取得でき、光源装置の発光量を実施例1よりも高精度に制御することができる。
なお、本実施例では、電流値と発光効率との関係に基づいて低減後の電流値を補正する構成としたが、これに限らない。例えば、電流値と発光効率との関係に基づいて、発光効率の変化による光センサ値の変化が抑制されるように、取得した光センサ値が補正されてもよい。また、電流値と発光効率との関係に基づいて、実施例1の方法で決定された補正後の発光量(補正の設定点灯時間)が補正されてもよい。但し、低減後の電流値を補正すれば、発光量制御処理中に発光量が大きく変化することを抑制することができる。
<実施例3>
以下、本発明の実施例3に係る光源装置及びその制御方法について説明する。本実施例では、延長後の点灯時間と低減後の電流値が予め定められている例について説明する。
まず、図18を用いて、本実施例に係る光源装置の構成について説明する。
図18は、本実施例に係る光源装置の構成の一例を示すブロック図である。
なお、図18において、実施例1(図1)と同じ機能部には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施例に係るバックライト制御部122は、点灯時間倍率選択部330と電流値倍率選択部331とを有する。
点灯時間倍率選択部330には、設定点灯時間毎に延長後の点灯時間を表すテーブルが予め記録されている。そして、点灯時間倍率選択部330は、設定点灯時間を、上記テーブルにおいて現在の設定点灯時間に対応付けられている延長後の点灯時間まで延長する。本実施例では、図20に示すように、設定点灯時間毎に設定点灯時間の倍率を表すテーブルが記録されており、対応する倍率を乗算することにより設定点灯時間が延長される。
電流値倍率選択部331には、設定点灯時間毎に低減後の電流値を表すテーブルが予め記録されている。そして、電流値倍率選択部331は、設定電流値を、上記テーブルにおいて現在の設定点灯時間に対応付けられている低減後の電流値まで低減する。本実施例では、図21に示すように、設定点灯時間毎に設定電流値の倍率を表すテーブルが記録されており、対応する倍率を乗算することにより設定電流値が低減される。
なお、設定点灯時間毎に、倍率ではなく延長後の点灯時間そのものや低減後の電流値そのものが対応付けられていてもよい。また、設定点灯時間毎に延長後の点灯時間と低減後の電流値とを表す1つのテーブルが予め記録されていてもよい。テーブルではなく関数が記録されていてもよい。
目標光センサ値及び初期発光期間の記録方法については、実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
次に、図19を用いて、本実施例に係るバックライト100の発光量の制御方法(発光量制御処理)について説明する。図19は、本実施例に係るバックライト100の発光量の制御方法、具体的には、バックライト100全体の発光量(明るさ)を一定に保つ方法の一例を示すフローチャートである。図19の処理フローは、例えば、ユーザが画像表示装置を使用する期間において、一定時間おきに実施される。
なお、図19において、実施例1(図8)と同様の処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施例では、図8のS171とS172の処理の代わりに、S370とS371の処理が行われる。
S370において、バックライト制御部122が、点灯時間倍率選択部330を用いて、設定点灯時間を延長するための倍率の選択及び設定点灯時間の延長を行う。具体的には、図20のテーブルから、現在の設定点灯時間に対応する倍率が選択される。そして、選択した倍率を現在の設定点灯時間に乗算することにより、設定点灯時間が延長される。現在の設定発光期間が50である場合、倍率は5となり、延長後の点灯時間は250(=50×5)となる。
S371において、バックライト制御部122が、電流値倍率選択部331を用いて、設定電流値を低減するための倍率の選択及び設定電流値の低減を行う。具体的には、図21のテーブルから、現在の設定点灯時間に対応する倍率が選択される。そして、選択した倍率を現在の設定電流値に乗算することにより、設定電流値が低減される。現在の設定発光期間が50であり、現在の設定電流値が500である場合、倍率は1/5となり、低減後の電流値は100(=500×1/5)となる。
以上述べたように、本実施例によれば、図11に示すように設定点灯時間が短く光センサ値を正常に取得できない場合でも、図22に示すように点灯時間と電流値を変化させることで高精度な光センサ値が取得できる。そのため、各光源ユニットの発光量を高精度に制御(補正)することができ、バックライト全体の発光量を一定に保つことができる。
<実施例4>
以下、本発明の実施例4に係る光源装置及びその制御方法について説明する。
光源には、光源の素子内部の温度(光源自体の温度;光源温度)の変化により、発光効率が変化する特性を有するものがある。例えば、LEDは、素子内部の温度が高くなると、発光効率が低くなり、素子内部の温度が低くなると、発光効率が高くなる特性を有する。本実施例では、光源がそのような特性を有する場合に、当該特性を考慮して、点灯期間の延長及び電流値の低減の制御を行う例について説明する。
まず、図23、図24を用いて、本実施例に係る光源装置の構成について説明する。
図23は、本実施例に係る光源装置の構成の一例を示すブロック図である。図24は、本実施例に係るバックライトユニットの構成の一例を示す模式図である。
なお、図23において、実施例1(図1)と同じ機能部には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施例における発光装置100は、光センサ値取得部121に加え、温度センサ値取得部430をさらに有する。温度センサ値取得部430は、バックライト制御部122からの指示に応じて、図24に示されるように光源ユニット毎に設けられた温度センサ432(温度センサa〜f)から光源ユニット毎の温度センサ値を取得する。本実施例では、この温度センサ値取得部430が取得した温度センサ値に基づいて、点灯期間の延長及び電流値の低減の制御が行われる。なお、温度センサ値は、例えば、光センサ値を取得する際の摂氏温度である。また、温度センサ値は、厳密に言えば、測定対象の光源近傍の温度であり、光源温度ではないが、温度センサ値は光源温度の変化に基づいて変化するため、本実施例では説明をしやすくするために、便宜上、温度センサ値を光源温度と解釈して説明する。
また、本実施例における発光装置100は、目標光センサ値記憶部123に加え、基準温度センサ値記憶部431をさらに有する。基準温度センサ値記憶部431は、生産時の調整工程における、目標光センサ値を取得する際の基準温度センサ値である。
次に、図25を用いて、本実施例に係る目標光センサ値、基準温度センサ値、及び、初期点灯時間の記録方法について説明する。図25は、目標光センサ値、基準温度センサ値、及び、初期点灯時間の記録方法の一例を示すフローチャートである。図25の処理フローは、例えば、生産時の調整工程にて実施される。さらに、本実施例における生産時の調整工程は、一定の温度環境において実施されるものとする。
なお、図25において、実施例1(図8)と同様の処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施例におけるS150からS153までの処理は、実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
S153において、バックライト駆動部125からバックライト制御部122に特定の光源ユニットだけが点灯する期間が作られたことが通知されると、S450に処理が進められる。S450では、バックライト制御部122が、光センサ値取得部121に対し、特定の光源ユニットの光センサ値を取得するように指示するとともに、温度センサ値取得部430に対し、温度センサ値を取得するよう指示する。光センサ値取得部121は、特定の光源ユニットに設けられた光センサ112(第1の検出部)から光センサ値を取得し、温度センサ値取得部430は、特定の光源ユニットに設けられた温度センサ432(第2の検出部)から温度センサ値を取得する。本実施例においても、実施例1と同様に、光センサ値は、ノイズ除去のために、複数回取得される。そして、取得した複数の光センサ値の代表値(平均値、最頻値、中間値など)が最終的な光センサ値として取得される。また、本実施例においても、実施例1と同様に、特定の光源ユニットだけが点灯された状態で当該特定のユニットからの光が検出されるまで、時間差が生じる。そのため、最終的な光センサ値を決定するためには、特定の光源ユニットだけ点灯させた状態をある程度維持する必要がある。
次に、S451において、バックライト制御部122は、S450で取得された光センサ値を目標光センサ値として目標光センサ値記憶部123に記録する。また、光センサ値を取得した際の温度センサ値を基準温度センサ値として温度センサ記憶部431に記録する。
そして、S452において、バックライト制御部122は、全ての光源ユニットの目標光センサ値及び基準温度センサ値が記録されたか否かを判定する。全ての光源ユニットの目標光センサ値及び基準温度センサ値が記録された場合には、本処理フローが終了される。目標光センサ値及び基準温度センサ値が記録されていない光源ユニットが存在する場合には、バックライト制御部122は、目標光センサ値が記録されていない光源ユニットを上記特定の光源ユニットとして設定する。そして、S153に処理が戻される。
このようにして決定された光源ユニット毎の目標光センサ値及び基準温度センサ値の一例を、図26に示す。
本実施例では、バックライト100の輝度の上限値(最大輝度)を、ユーザにより、複数段階(例えば、50cd/m2、100cd/m2、200cd/m2、300cd/m2、400cd/m2の5段階)に設定可能である場合について説明する。さらに、ユーザにより、最大輝度が200cd/m2に設定されて、バックライト100が使用される場合について説明する。なお、200cd/m2の輝度を得るためには、各光源ユニットの電流値として、500が設定され、また、各光源ユニットの点灯時間として、500が設定されるものとする。
また、本実施例では、光源ユニット毎の目標光センサ値及び基準温度センサ値を、例えば、バックライト100を50cd/m2の最大輝度で発光させる場合、100cd/m2の最大輝度で発光させる場合、300cd/m2の最大輝度で発光させる場合、400cd/m2の最大輝度で発光させる場合など、使用する画像表示装置で設定可能な各最大輝度について算出し、記録しておくものとする。なお、光源ユニット毎の目標光センサ値及び基準温度センサ値は、必ずしも複数の最大輝度について算出する必要はない。例えば、設定可能な複数の最大輝度の最大値(本実施例では、400cd/m2)でバックライト100を発光させる場合など、1つの最大輝度についてのみ目標光センサ値及び基準温度センサ値を算出してもよい。この場合、最大輝度の最大値について算出された目標光センサ値及び基準温度センサ値に対して所定の補正係数を乗算することで、その他の最大輝度についての目標光センサ値及び基準温度センサ値を算出すればよい。
なお、上述した最大輝度は、表示輝度の上限値ともいえる。
次に、図27を用いて、本実施例に係るバックライト100の発光量の制御方法(発光量制御処理)について説明する。図27は、本実施例に係るバックライト100の発光量の制御方法、具体的には、バックライト100全体の発光量(明るさ)を一定に保つ方法の一例を示すフローチャートである。図27の処理フローは、例えば、ユーザが画像表示装置を使用する期間において、一定時間おきに実施される。なお、上述したように、本実施例では、ユーザが画像表示装置の最大輝度を200cd/m2と設定して、画像表示装置を使用する場合について説明する。
本実施例では、まずS469で、発光量の補正を行う(フィードバック制御を行う)対象である特定の光源ユニットの発光輝度が、第1の所定の輝度(例えば、60cd/m2)よりも低いか否かを判定する。フィードバック制御を行う対象の特定の光源ユニットの発光輝度が、第1の所定の輝度よりも低い場合(S469:Yes)、S470に処理が進められる。フィードバック制御を行う対象の特定の光源ユニットの発光輝度が、第1の所定の輝度以上である場合(S469:No)、S473に処理が進められる。なお、特定の光源ユニットの発光輝度が、第1の所定の輝度よりも低い場合(S469:Yes)に、S470に進む理由については、後述する。
次に、S470において、バックライト制御部122が、特定の光源ユニットだけを点灯させて光センサ値を取得する場合に、温度センサ値取得部430によって取得される温度センサ値が、基準温度センサ値よりも所定値以上低い値であるか否かを判定する。言い換えると、S470では、バックライト制御部122が、特定の光源ユニットだけを点灯させて光センサ値を取得する場合に、温度センサ値取得部430によって取得される温度センサ値が、所定の温度以下であるか否かを判定する。ここでの所定の温度とは、基準温度センサ値よりも所定値だけ低い温度である。基準温度センサ値は、ユーザにより設定されている最大輝度に応じた基準温度センサ値である。具体的には、本実施例では、ユーザにより、最大輝度が200cd/m2に設定されているため、基準温度センサ値は、図26に示される値が適用される。
光源の点灯時間は、例えば、入力画像データに応じて変動する。具体的には、全白色の画像データの場合の目標センサ値及び初期点灯時間を記録したときのバックライト輝度が200cd/m2であったとする。そして画像データに応じてバックライト輝度を100cd/m2に低下する場合には、全ての光源ユニットの点灯時間が半分に短縮されるものとする。しかし、バックライト輝度が低下するように点灯時間を短くすると、光源自体の温度が低下し、発光効率が高くなる。そこで、本実施例では、光源自体の温度変化による発光効率の変化分を考慮して光源の点灯時間をさらに短縮することで、バックライト輝度を100cd/m2に調整する制御が行われる。
なお、本実施例では、実施例1と同様に、光センサで光を検出するのに必要な点灯時間は、84以上であるとする。さらに本実施例では、光源温度と、点灯時間延長倍率及び電流値低減倍率との関係を表す情報(テーブルや関数)を不図示のメモリなどに予め記録しておく。点灯時間延長倍率は、点灯時間を84以上にするための点灯時間の延長倍率である。電流値低減倍率は、対応する点灯時間延長倍率に基づいた点灯時間で光源を点灯させたときの電流値の低減倍率(電流値低減倍率)である。具体的には、バックライト100は、図28に示すようなテーブルを保持する。図28は、本実施例に係る点灯時間延長倍率と電流値低減倍率とを表すテーブルの一例である。図28の例では、光源温度が41〜44℃の場合は、点灯時間延長倍率が20、電流値低減倍率が1/20であり、光源温度が44〜48℃の場合は、点灯時間延長倍率が5、電流値低減倍率は1/5であり、光源温度が48〜52℃の場合は、点灯時間延長倍率が2、電流値低減倍率は1/2であり、光源温度が52〜56℃の場合は、点灯時間延長倍率が1.5、電流値低減倍率は1/1.5である。
なお、通常は、点灯時間によってバックライトの発光輝度の調整を行い、光源温度が基準温度センサ値から所定値以上変化した場合にのみ、前述の電流値低減倍率を適用して電流値を補正することで、バックライトの発光輝度を調整する。
S470において、温度センサ値取得部430によって取得された温度センサ値が、基準温度センサ値よりも所定値以上低い値であると判定された場合(S470:Yes)、S471に処理が進められる。S470において、温度センサ値取得部430によって取得された温度センサ値が、基準温度センサ値よりも所定値以上低い値ではないと判定された場合(S470:No)、S473に処理が進められる。
S471とS472において、バックライト制御部122は図28に示すテーブルに従い、点灯中の光源温度に対応する電流値低減倍率と点灯時間延長倍率とを、現在の設定電流値及び点灯時間のそれぞれに乗算して、電流値及び点灯時間を補正する。点灯時間の延長は、点灯時間調整部130を用いて行われる。
例えば、特定の光源ユニットの点灯時間が80であったとする。点灯時間が500の場合の光源温度に比べ、点灯時間が80の光源温度は低いため、発光効率は高い。そこで、光源温度に基づいて点灯時間を短くする補正を行うと、当然、補正後の点灯時間は、光センサ112で光を検出するのに必要な点灯時間である84よりもさらに短くなる。そうなると、光センサ値が取得できなかったり、光センサ値の取得回数が減るなどして不正確な光センサ値が取得されたりしてしまう、という問題が一層大きなものとなってしまう。
そこで、本実施例では図28のテーブルに従って点灯時間と電流値とを変更する。以下、特定の光源ユニットを光源ユニット0とし、基準温度(基準温度センサ値)を図26で示されるように60℃として説明する。また、本実施例では、点灯時間が500のときの光源温度(温度センサ値)を60℃、点灯時間が80のときの光源温度(温度センサ値)を50℃、前述の所定値を4℃として説明する。また、本実施例では、特定の光源ユニットの発光輝度が、入力画像データに応じて、200cd/m2から32cd/m2に変更され、点灯時間が500から80に変更されたとする。変更後の発光輝度32cd/m2は、第1の所定の輝度である60cd/m2よりも低いため、S469からS470に処理が進められる。そして、光源温度は、点灯時間が500のときの光源温度60℃から、点灯時間が80のときの光源温度50℃に向かって次第に下がっていく。そして、ある程度の時間が経過すると、所定の温度である56℃(=60℃(基準温度)−4℃(所定値))以下になる。このように、本実施例では、温度センサ値取得部430によって取得された温度センサ値が基準温度センサ値60よりも所定値4だけ低い56以下になると、取得された温度センサ値が基準温度センサ値よりも所定値以上低い値であるという条件が満たされる。言い換えると、本実施例では、点灯時間が80に短縮されて発光輝度が32cd/m2に低減されると、S470において、光源温度が所定の温度(56℃)以下であるという条件を満たすことになる。このように、光源温度が所定の温度以下になると、S470からS471に処理が進められる。なお、本実施例では、光源温度が50℃である場合について説明する。なお、このとき、S470において、温度センサ値取得部430によって取得された温度センサ値50は、基準温度センサ値60よりも所定値4以上低い値(所定の温度56以下の値)であるという条件満たすため、S470からS471にフローが進められる。
S471では、図28のテーブルに従って、点灯時間が延長される。本実施例では、図28のテーブルにおける、光源温度が50℃の場合の点灯時間延長倍率である2を用いて、点灯時間が2倍に延長される延長処理が実行される。より具体的には、図28のテーブルにおける、光源温度が50℃の場合の点灯時間延長倍率である2を用いて、光センサで光を検出するのに必要な時間以上の160(=80×2)まで、点灯時間が延長される。
S471の処理の次に、S472へ処理が進められる。
S472において、バックライト制御部122が、S471で点灯時間を延長したことによる発光量の増加が抑制されるように、特定の光源ユニットに供給する電流値を低減する。電流値の低減は、電流値調整部131を用いて行われる。本実施例では、延長後の点灯時間に低減後の電流値を乗算した値が、延長前の点灯時間に低減前の電流値を乗算した値と一致するように、電流値が低減される。例えば、S471において特定の光源ユニットの点灯時間が2倍に延長された場合、特定の光源ユニットに供給する電流値が0.5(=1/2)倍される。その結果、特定の光源ユニットの低減前の電流値(設定電流値)が500であったとすると、低減後の電流値は250(=500×1/2)となる。
ここで、特定の光源ユニットの発光輝度が、第1の所定の輝度よりも低く、温度センサ値取得部430によって取得される温度センサ値が、基準温度センサ値よりも所定値以上低い場合に、点灯時間及び電流値の補正を行う理由について、後述する図30を用いて説明する。図30は点灯時間が500から80に変わった場合の温度推移を示す図であり、時刻0で点灯時間500、時刻T1で点灯時間80、時刻T3で点灯時間500に変化した場合を示している。この時、時刻0〜T1では基準温度近傍の温度であり、時刻T1から徐々に温度が下降する。時刻T2になると基準温度から4℃低い温度になり、時刻T3には最低温度に到達する。
本実施例では、特定の光源ユニットの発光輝度が第1の所定の輝度よりも低い場合に、当該特定の光源ユニットの点灯時間が、光センサが光を検出するのに必要な時間よりも短くなってしまう。その結果、光センサ値が取得できなかったり、光センサ値の取得回数が減るなどして不正確な光センサ値が取得されたりしてしまう。そのため、電流値を低減させ、点灯時間を延長する制御(電流値及び点灯時間を補正する制御)が必要になる。具体的には、特定の光源ユニットの点灯時間が500から80に変更され、時刻T1〜T2の期間のように、光源温度が次第に下がると、光源の発光効率が次第に高まっていく。そこで、本実施例では、光源の発光効率の高まりに合わせて、点灯時間を80からさらに短くする制御を行っていく。ところが、点灯時間を徐々に短くしていくと、取得される光センサ値の精度も時間の経過とともに低下していく。そこで、点灯時間が500から80に変更されたタイミングで、取得する光センサ値の精度を高めるために、電流値を低減させ、点灯時間を延長する制御を行ったとすると、電流値の低減に伴い、電流値を低減したタイミングから光源の発光色が変化してしまう。その結果、表示画像の色も変化してしまう。そのため、本実施例では、表示画像の色の変化(画質の低下)を極力抑えるために、時刻T1〜T2では、表示画像の色の変化の抑制を優先し、光センサ値の取得精度が多少下がってもよい、と考える。そして、そのような考えのもと、電流値及び点灯時間を補正する制御を行うことなく、徐々に短くなる点灯時間で光センサ値の取得を実行する。そのため、S469でYes判定であっても、S470でNo判定である場合には、S471、S472の処理を行うことなく、S473に処理が進められる。ただし、取得される光センサ値の精度が次第に低下し、フィードバック制御の精度も低下してしまう。そこで、本実施例では、フィードバック制御の精度もある程度確保するために、所定の発光効率に到達する温度まで光源の温度が下がったときに、電流値及び点灯時間を補正する制御を行って光センサ値を取得し、取得される光センサ値の精度を高める。言い換えると、本実施例では、光源温度が、基準温度よりも所定値(4℃)だけ低い温度まで下がったときに、電流値及び点灯時間を補正する制御を行って光センサ値を取得し、取得される光センサ値の精度を高める。
S472の処理の次に、S473へ処理が進められる。
S473において、バックライト制御部122が、特定の光源ユニットだけが点灯する期間を作り出すよう、バックライト駆動部125に指示する。具体的には、S470でYes判定の場合、延長後の点灯時間と低減後の電流値(S471で決定された点灯時間とS472で決定された電流値)で特定の光源ユニットだけが点灯する期間を作り出す指示がなされる。バックライト駆動部125は、バックライト制御部122からの指示に応じて、特定の光源ユニットだけが発光する期間を作り出し、バックライト制御部122に対し、特定の光源ユニットだけが発光する期間を作り出したことを通知する。このときの点灯時間及び電流値の一例を図29に示す。図29は、S470でYes判定であった場合の例であり、延長前の点灯時間と低減前の電流値が、実施例1と同じ、図9に示す値であった場合の例である。
一方、S470でNo判定であった場合、S473において、上述したように、設定点灯時間と設定電流値で特定の光源ユニットだけが点灯する期間を作り出す指示がなされる。そして、バックライト駆動部125は、バックライト制御部122からの指示に応じて、特定の光源ユニットだけが発光する期間を作り出し、バックライト制御部122に対し、特定の光源ユニットだけが発光する期間を作り出したことを通知する。
S473において、バックライト駆動部125からバックライト制御部122に特定の光源ユニットだけが点灯する期間が作られたことが通知されると、S474に処理が進められる。S474では、バックライト制御部122が、光センサ値取得部121に対し、特定の光源ユニットの光センサ値取得するよう指示するとともに、温度センサ値取得部430に対し、特定の光源ユニットの温度センサ値を取得するよう指示する。そして、光センサ値取得部121は、特定の光源ユニットに設けられた光センサ112から光センサ値を取得し、温度センサ値取得部430は、特定の光源ユニットに設けられた温度センサ432から温度センサ値を取得する。上述したように、光センサ値は、複数回取得され、取得した複数の光センサ値の代表値が最終的な光センサ値として取得される。
また、上述したように、本実施例では、設定された最大輝度に対応する、生産時の調整工程において設定された基準温度と点灯中の温度センサ値(光源温度)との間に、所定値以上の温度差が生じた場合に、点灯時間を延長しつつ、電流値を低減する。そのため、光源温度の変化に起因して光源の発光効率が上がり、光源の点灯時間を短くする必要が生じた場合であっても、特定の光源ユニットの1回の点灯時間が、光センサで光を検出するのに必要な時間よりも長くなるように調整される。
S474では、上述のように、点灯中の光源温度が、設定された最大輝度に対応する、生産時の調整工程において設定された基準温度よりも所定値以上低い場合に、点灯時間が延長され且つ電流値が低減された状態での検出結果(光センサ値)が取得される。一方、点灯中の温度センサ値(光源温度)が、設定された最大輝度に対応する、生産時の調整工程において設定された基準温度よりも所定値以上低くない場合には、設定点灯時間と設定電流値で光源ユニットを点灯させた状態での検出結果(光センサ値)が取得される。
そして、S475において、バックライト制御部122が、目標光センサ値記憶部123から特定の光源ユニットの目標光センサ値を取得する。
S476以降の処理により、S474で取得した光センサ値に基づいて各光源ユニットの発光量が制御される。具体的には、S470でYes判定の場合、点灯時間が延長され且つ電流値が低減された状態での検出結果(光センサ値)に基づいて光源ユニットの発光量が制御される。S470でNo判定の場合、設定点灯時間と設定電流値で光源ユニットを点灯させた状態での検出結果(光センサ値)に基づいて光源ユニットの発光量が制御される。
具体的には、S472で電流値が低減されている場合に、S476において、バックライト制御部122が、目標光センサ値を低減後の電流値に応じて調整する。電流値が変化すると、発光輝度(瞬時値)も変化する。本処理は、そのような発光輝度の変化を考慮して、変化後の発光輝度にあった目標光センサ値を算出する処理である。例えば、特定の光源ユニットである光源ユニット0の電流値が500のときの光源ユニット0の目標光センサ値は、図26に示すように500である。本実施例では、光源ユニット0の低減後の電流値250にあわせて、目標光センサ値も250(=(250/500)×500)に低減される。
また、S476において、バックライト制御部122が、S474で取得した光センサ値と、目標光センサ値とから、設定点灯時間に対する補正値(以下、点灯時間補正値)を算出する。ここで、S472で電流値が低減されている場合には、上記調整後の目標光センサ値が使用される。
点灯時間補正値は、発光量の変化を補正するために設定点灯時間に乗算する補正係数である。例えば、特定の光源ユニットである光源ユニット0だけを点灯させて得られた光センサ値が300である場合、光源ユニット0の目標光センサ値は250であるため、点灯時間補正値は0.83(=250/300)となる。
次に、S477において、バックライト制御部122が、全ての光源ユニットの点灯時間補正値が算出されたか否かを判定する。全ての光源ユニットの点灯時間補正値が算出された場合には、S478に処理が進められる。点灯時間補正値が算出されていない光源ユニットが存在する場合には、点灯時間補正値が算出されていない光源ユニットを上記特定の光源ユニットとして設定する。そして、S469に処理が戻される。
S478において、バックライト制御部122が、光源ユニット毎に、補正後点灯時間を算出する。補正後点灯時間は、補正前の設定点灯時間に点灯時間補正値を乗算することにより算出される。具体的には、光源ユニット0の補正前の設定点灯時間が160、点灯時間補正値が0.83である場合、補正後点灯時間は133(=160×0.83)となる。
ここで、図30を用いて、点灯時間が500から80に変わった場合の、本発明における光センサ値取得制御の実行タイミングについて説明する。上述したように、時刻0で点灯時間500、時刻T1で点灯時間80、時刻T3で点灯時間500に変化した場合を示している。この時、時刻0〜T1では基準温度近傍の温度であり、時刻T1から徐々に温度が下降する。時刻T2になると基準温度から4℃だけ低い温度になり、時刻T3には点灯時間80での最低温度に到達する。そして、時刻T3からは徐々に温度が高くなり、時刻T4を過ぎると基準温度との差は4℃以下になる。この時、時刻T2〜T3が、基準温度から4℃以上差のある期間となり、この期間において、点灯時間を延長し、電流値を低減する処理を行う。なお、時刻T3〜T4は、基準温度から4℃以上差のある期間であるが、点灯時間が500であるため、点灯時間を延長し、電流値を低減する処理を行う必要はなく、設定点灯時間と設定電流値で光源ユニットを点灯させた状態で、光センサ値を検出すればよい。
なお、最大輝度を低く設定して、バックライト100を使用する場合、光源の温度変化による輝度変化(輝度ムラ)は、ユーザに影響を与えないほど小さく、無視できることが実験的に導かれている。従って、使用時に設定されるバックライト100の最大輝度が低い場合には、必ずしも絶えずセンサ値を取得する必要はない。すなわち、使用時に設定されるバックライト100の最大輝度が第2の所定の輝度以下(例えば、50cd/m2以下)の場合には、上記処理は適用せず、センサ値取得を停止してもよい。逆に言うと、使用時に設定されるバックライト100の最大輝度が第2の所定の輝度よりも高い場合にのみ、本実施例の制御(光源温度を考慮した点灯時間の延長処理)を行うようにしてもよい。また、バックライト100の最大輝度が第2の所定の輝度以下であり、特定の光源ユニットの点灯時間が、所定時間よりも短い場合、センサ値の取得は継続するが、この場合に取得される特定の光源ユニットのセンサ値を、当該特定の光源ユニットに対するフィードバック制御に使用しなくてもよい。
なお、設定点灯時間でなく設定電流値を補正することにより発光量が補正されてもよいし、設定点灯時間と設定電流値の両方を補正することにより発光量が補正されてもよい。
以上述べたように、本実施例によれば、設定点灯時間が短く光センサ値を正常に取得できない場合でも、図31に示すように点灯時間と電流値とを変化させることで高精度な光センサ値が取得できる。そのため、各光源ユニットの発光量を高精度に制御(補正)することができ、バックライト全体の発光量を一定に保つことができる。
また、所定値以上の温度変化があった場合にのみ電流値を変更するので、電流値変更による輝度ムラ、色ムラの発生を抑制することができる。
なお、本実施例では、ユーザ設定により、使用時のバックライト100の最大輝度を設定したが、これに限らない。例えば、画像表示装置に表示される画像のジャンルなどに基づき、画像表示装置が有する制御部(不図示)が、自動的にバックライト100の最大輝度を設定してもよい。また、画像表示装置が外光センサをさらに備え、使用時の外光(環境光)の明るさに応じて、画像表示装置が有する制御部が、自動的にバックライト100の最大輝度を設定してもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。実施例1から4において、光源の点灯時間の延長に伴い、電流値を低減させる例について説明したが、光源の点灯時間の延長に伴い、表示パネルの透過率を低減させることで、表示輝度を調整してもよい。