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JP2015021387A - シール装置およびガスタービン - Google Patents

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JP2015021387A JP2013147338A JP2013147338A JP2015021387A JP 2015021387 A JP2015021387 A JP 2015021387A JP 2013147338 A JP2013147338 A JP 2013147338A JP 2013147338 A JP2013147338 A JP 2013147338A JP 2015021387 A JP2015021387 A JP 2015021387A
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Abstract

【課題】隣接するセグメント部材のそれぞれに設けたシール溝にシールプレートを設置したシール装置において、セグメント部材のオフセットに対応させた上で、シール性能を向上させると共に、信頼性の高いシール装置を提供する。【解決手段】間隙を有して隣接するセグメント部材のそれぞれの間隙側面に相互に対向するように設けたシール溝の双方に架かるようにシールプレートを設置したシール装置であって、シールプレートは、剛体プレートと、板バネとを貼り合わせて、シールプレートの長手方向と交差する断面の形状がX字状となるように構成され、シール溝内に配置された際に、シール溝の低圧側が剛体プレート、シール溝の高圧側が前記板バネとなるように配置され、シール溝と剛体プレートの接触部、及び、シール溝と板バネの接触点が、対向するシール溝面に形成されるように構成されている。【選択図】 図7

Description

本発明は、シール装置およびガスタービンに係り、特に、空気を冷却媒体とするタービン冷却翼の冷却空気のリーク流量を低減するのに好適なガスタービンのシール装置に関するものである。
ガスタービンおいては、熱効率の向上を目的として作動ガスの高温化が図られている。特に、作動ガス中に配列されているタービン静・動翼は高級耐熱材料の使用とともに、冷却翼内部に冷却媒体を供給している。一般に採用されている、この種のガスタービンは、空気冷却によるオープン冷却方式である。即ち、ガスタ−ビン構成要素の一つである圧縮機から抽気した空気を冷却媒体として用い、例えば、静翼では、この空気をタービンケーシングに設けた供給口からケーシング内部外径側キャビティを径由させ、翼内部に導入して冷却するようにしている。そして、翼内部を冷却した後の空気は、翼外表面に設けたフィルム冷却孔や翼の後縁冷却孔等から、ガスパス中に排出している。また、供給された冷却空気の一部を、タービンホィールスペースのシール空気として分岐するが、この空気も同様に、主流ガスのイングレス抑制用としてガスパス中に排出されることになる。
ところで、例えば、静翼とエンドウォール等から成る静翼体は、セグメント構造として周方向に複数個が環状配置されるが、セグメント部材の熱伸びを考慮して、各セグメント間には、周方向に間隙が設定される。この間隙は、定格運転点においても、部材の熱応力の発生防止の観点から、接触しないように設計される。つまり、静翼体の冷却用空気として導入されるケーシング内部外径側キャビティとガスパスは、この間隙流路によって、半径方向に連通している。よって、冷却空気の一部が、このセグメント間の間隙路を直通して、ガスパス中に漏洩する。同様に、静翼のダイアフラムもセグメントとして環状に構成されるが、シール空気の一部がリークすることになる。これらのリークは、そのもの自体が損失の要因になるとともに、ガスパスの主流中へ混入することから、比較的、低温であるリーク空気の希釈による作動ガスの温度低下や、混合損失によるタービンの出力低下をもたらすことになり、ガスタービンの効率向上策の一つである高温化のメリットを十分に発揮できない嫌いがある。
この改善策として、一般的には、周方向に隣接するセグメントの間隙面に対して、その両側対向位置にシール溝を形成し、シール溝間に平板状シールプレートを装着して流路を遮断することにより、リークを抑制する方法が採られている。但し、平板状シールプレートは、近年のガスタービンの大型化、高温化に伴うセグメントの半径方向の熱伸び偏差によって生じるシール溝の半径方向のずれ(オフセットと呼称)に対応できない。このため、シールプレートの長手方向断面形状を、互いのシール溝との接触部分を円弧状に形成し、円弧間となるプレート中央部を薄く製作したシールプレートが開発されている。その代表例が、いわゆるドッグボーンシールプレートであり、シールプレート外端部を楕円状に成形している(例えば、特許文献1参照)。この楕円形状によって、セグメントの半径方向の熱伸び偏差によって、シール溝にオフセットが生じても、シール溝面で必ず接触点が確保できると共に、プレート中央部が薄肉化されているため、この部分が間隙面のシール溝のエッジ部と接触干渉することはない。但し、オフセット対策によるトレードオフとして、オフセットなしの場合、プレート長手方向に対して、平板状シールプレートの面接触から線接触になるため、リーク流量の増加が避けられない。そこで、弾性体である波状バネ部材を用いた変形版のドッグボーン型シールプレートによって、線接触部の面圧を上げ、シール性能を向上させる案(例えば、特許文献2参照)や、ドッグボーンシールプレートの外形状に倣う薄い板材で構成し、薄板自身の弾性力で面圧を上げて、リーク流量を低減させる案(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
一方、このようなシールプレートは、単独で用いることはなく、高圧部と低圧部間を区画遮断するような形で、複数枚のシ−ルプレートを配置するのが、一般的である。従って、例えば、2枚のシールプレートの組合せを考えるとき、一方のプレートシール面と、一方のプレート終端面の交接部でのリーク抑制を加味する必要がある。
米国特許公報 USP5158430A 特願2007−532084号公報 特開2004−52773号公報
セグメント間に装着するシールプレートは、その開発目的から、間隙間の冷却・シール空気のリークを、未然に抑制するものである。しかし、シールプレート形状を、高温化に伴う半径方向の熱伸び偏差であるオフセットに対応させた結果、特許文献1などに記載されたドッグボーン型シールプレートのシール溝内における接触状態は、線接触になり、オフセットを想定しない平板状シールプレートに比べると、リーク流量の増加が予想される。また、ドッグボーンのオフセット追従性、プレートのシール溝への装着を考えた場合、シール溝高さとプレートの最大厚みの関係は、厚みの方が小さいことが必須であり、これはシール溝とプレートの間に微小間隙を有するとともに、シール溝の高さ方向に2箇所あるシール面に対して、各1箇所のみでしか接触しないことを意味する。一方、この微小間隙は、ガスタービンの運転に際し、シールプレートを震動させ、接触点の磨耗損傷を加速させる恐れがある。
これらの課題を緩和するために、特許文献2に記載のように、弾性体である波状バネ部材で構成されるシールプレートは、接触部での面圧上昇に伴うリーク流量低減、震動抑制効果という利点がある。但し、シール性能上の接触点は1箇所のままであり、更なるシール性能向上の余地がある。
また、特許文献3に記載のように、バネ部材のプレートへの固着は、必然的にシール溝高さの増加が条件となり、冷却翼等のセグメントシールとして適用するには、スペース的な困難さを生じる場合がある。更に、シールプレートの複数枚配置を考えたとき、このバネ部材が、一方のシールプレートの終端面との間で、不要なリーク空隙を生じる。他方、シールプレート外形を薄板によって構成するシールプレートは、これらの難点を克服する有効なシール装置であるが、多数枚配置で同様の問題が生じるとともに、薄板として高温場に晒されていることから、酸化損傷、繰返し応力に対する強度等、信頼性に欠ける恐れがある。
このように、ガスタービンのシール装置におけるシールプレートの開発には、プレート自体、多数枚配置上のリーク流量低減、熱伸び偏差の吸収、更には、信頼性等の課題が含まれている。
本発明の目的は、隣接する部材間の間隙からのリークを抑制するために、隣接する部材のそれぞれに設けたシール溝にシールプレートを設置したシール装置において、部材間のオフセットに対応させた上で、シール性能を向上させると共に、信頼性の高いシール装置を提供することにある。
本発明は、間隙を有して隣接する部材のそれぞれの間隙側面に相互に対向するように設けたシール溝の双方に架かるようにシールプレートを設置したシール装置であって、シールプレートは、シールプレートの長手方向と交差する断面を基準として、両端部側にシール溝面との接触部が円弧状となるように形成された剛体プレートと、板バネとを貼り合わせて、断面の形状がX字状となるように構成され、シール溝内に配置された際に、シール溝の低圧側が剛体プレート、シール溝の高圧側が前記板バネとなるように配置され、シール溝と剛体プレートの接触部、及び、シール溝と板バネの接触点が、対向するシール溝面に形成されるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、部材間のオフセットに対応させた上で、シール性能を向上させると共に、信頼性の高いシール装置を実現できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用されるガスタービン装置の構成を示す概念図である。 本発明が適用されるタービンの部分断面図である。 本発明を静翼体に適用した場合のシールプレートの配置を示す概念図である。 本発明を静翼体に適用した場合のシールプレートの装着を示す概念図である。 本発明の第1の実施例におけるシールプレートの外観図である。 本発明の第1の実施例におけるシールプレートの断面図である。 本発明の第1の実施例におけるシールプレートのガスタービン組立時の装着断面図である。 本発明の第1の実施例の作用を表すシールプレートの部分断面図である。 本発明の第1の実施例にけるシールプレートのガスタービン運転時の装着断面図である。 本発明の第2の実施例におけるシールプレートの外観図である。 本発明の第2の実施例におけるシールプレートの構成要素を表す外観図である。 本発明の第2の実施例におけるシールプレートの装着を表すガスタービン組立て時の概念部分図である。 本発明の第2の実施例の効果を示すシールプレートの装着を表す概念部分図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。各図において、同一番号は、同一の機器、或いは、部材、機能を表す。
先ず、本発明が適用されるガスタービン装置の構成を図1に基づき説明する。ガスタービン1は、主な構成として、燃焼用の圧縮空気を得る圧縮機2、圧縮機2からの圧縮空気を用いて燃料を燃焼させて高温高圧ガスを得る燃焼器3、燃焼器からの高温高圧ガスを作動ガスとして駆動する多段のタービン4、及び、発電機5を備えている。圧縮機2、タービン4、及び、発電機5は軸連結されている。
タービン4の被冷却部(第1,第2段静翼と第1,第2段動翼)は、圧縮機2から抽気した空気により冷却される。すなわち、圧縮機2から抽気した冷却空気は、第2段静翼を冷却するための静翼低圧冷却空気経路6a、第1段静翼を冷却するための静翼高圧冷却空気経路6b、また、第1,第2段動翼を冷却するための動翼冷却空気経路7を経て、タービン4の各々の被冷却部に供給される。このとき、抽気空気圧力は、各翼でのガスパス圧力に応じた値から選定しており、静翼高圧冷却空気経路6b、動翼冷却空気経路7には、圧縮機2の最終段からの抽気空気、静翼低圧冷却空気経路6aには、圧縮機2の中圧段からの抽気空気を導入する。被冷却部を冷却して熱交換した各冷却空気は、各翼のフィルム冷却に利用、或いは、翼後縁から噴出されて、タービン4のガスパス中に排出され、作動ガスと混合して、最終的には排気として大気に放出される。
次に、本発明が適用されるタービンを図2に基づき説明する。図2は、タービン4の2段目までのタービンの部分断面を示す。冷却空気は、静翼低圧冷却空気経路6aから第2段静翼12a、静翼高圧冷却空気経路6bから第1段静翼10、動翼冷却空気経路7から第1段動翼11,第2段動翼13へそれぞれ供給される。以下、本実施例のシール装置の全体構成を詳細に説明するが、ここでは、第2段静翼12aまわりを対象として説明する。
静翼低圧冷却空気経路6aを径由して、ケーシング14に設けた導入孔(図示省略)を介して供給された冷却空気は、ケーシング14の外端側内部にある第2段静翼供給キャビティ8を経て、周方向に環状に配置された第2段静翼体21aの内部に供給される。この第2段静翼体セグメント21aは、主として、外径側エンドウォール22a、第2段静翼12a、及び、内径側エンドウォール23aから構成される。冷却空気は、第2段静翼体21aの冷却パス(図示省略)を通過するときに熱交換を行い、各エンドウォール22a,23a、第2段静翼12aを冷却するとともに、温度上昇して、ガスパス9に排出される。一方、第2段静翼供給キャビティ8に供給された空気の一部は、第2段静翼体セグメント21aと、第2段静翼体セグメント21aに装着されるダイアフラム16aとの間で形成されるダイアフラムキャビティ15を経て、第1段ホィール19a、スペーサー18及びダイアフラム16aで形成される第1段動翼後側ホィールスペース17aに供給される。その後、一部が、第1段動翼11と第2段静翼12a間のガスパスへシール空気として流れる。その一部が、ダイアフラム15とスペーサー18の間に形成されたシールフィン29によって流量を絞られた後、第2段ホィール19b、スペーサー18及びダイアフラム16aで形成される第2段動翼前側ホィールスペース17bに分配される。そして、分配された空気は、第2段静翼12aと第2段動翼13間のガスパス9中へシール空気として流れることになる。
次に、本発明のシール装置を静翼体に適用した場合のシールプレートの配置を図3に基づき説明する。図3は、周方向に複数個配置される第2段静翼体セグメントの1つである第2段静翼体セグメント21aとダイアフラム16aを示したものである。
第2段静翼体セグメントは、周方向に複数個を配置するものであり、互いのセグメント間には間隙を有する。従って、第2段静翼供給キャビティ8とガスパス9は連通しており、概念的には、図中に示す第2段静翼供給キャビティ8からガスパス9へ向かう矢印方向の冷却空気のリーク流路が発生することになる。このリーク流路を遮断するため、第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aには、高圧側である第2段静翼供給キャビティ8と、低圧側であるガスパス9を遮断する形で、シールプレートと共にシール装置を構成するシール溝30a、シール溝31a及びシール溝32aが設けられている。同様に、内径側エンドウォール23aやダイアフラム16aのセグメント間にもリーク流路が存在する。これらのリーク流路を遮断するため、内径側エンドウォール23aには、シール溝33、シール溝34及びシール溝35が設けられ、また、ダイアフラム16aには、シール溝36、シール溝37、シール溝38、シール溝39、シール溝40、シール溝41及びシール溝42が設けられている。
本実施例のシール装置は、隣接するセグメントに対向して位置するシール溝と、シール溝に配置されるシールプレートにより構成されるが、以下、その詳細を、シール溝31aに着目して図4〜図9に基づき説明する。ここで、用語の定義をしておく。シール溝31aは、シール溝30a、シール溝32aとの間に、図3に示すように、上流側交点24と下流側交点25を有するが、以下に説明するシール溝31aに装着されるシールプレートの長手方向とは、これらの点を結ぶ方向である。
図4は、第2段静翼体セグメント21aと隣接する第2段静翼体セグメント21bを半径方向外側から眺めた概念図である。第2段静翼体セグメント21a,21bの間は、周方向間隙σc_coldをもたせて組み立てられている。第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドォール22aに隣接対向して、第2段静翼体セグメント21bの外径側エンドォール22bが位置する。外径側エンドォール22aと外径側エンドォール22bには、対向した位置(半径方向位置)に、それぞれシール溝31aとシール溝31bが形成される。この両者のシール溝に接して、周方向間隙σc_coldを塞ぐように、シールプレート50が装着されている。このシールプレート50によって、前述の第2段静翼供給キャビティ8からガスパス9にかけてのリーク経路が、半径方向に遮断されることになる。
図5は、本実施例によるシールプレート50の外観面を示している。シールプレート50は、シールプレートの長手方向と交差する断面を基準として(断面から見て)、シール溝面との接触部が円弧状となるように形成された剛体プレート(円弧部材)60と、弾性体であるバネ部材(板バネ)70から構成されている。円弧部材60とバネ部材70の長手方向寸法L1,L2は、加工公差を除く製作図面上で、L1=L2である。なお、ここで、剛体とは、ガスタービンの使用環境下では、円弧部材60の変形が無視できる程度しか生じない物体であることを意味する。シールプレート50には耐熱性のステンレス鋼が用いられている。なお、円弧部材とバネ部材には同じ材料を用いてもよいし、違う材料を用いても良い。
本実施例では、シールプレート50の長手方向の断面(長手方向と交差する線で切断した断面)を基準として、シールプレート50は、シール溝の低圧側面に円弧部材(剛体プレート)60との接触点が、そして、シール溝の高圧側面に円弧部材の反対面(シール溝の高圧側面に対向する面)に接続した直線状のバネ部材との接触点がそれぞれ形成されるように構成されている。また、シールプレート50は、円弧部材の反対面にバネ部材の長手方向長さに対応した長さの傾斜面を形成して、退避空間が形成されるように構成されている。また、言い換えれば、本実施例のシールプレート50は、円弧部材(剛体プレート)60とバネ部材(板バネ)70とを貼り合わせて断面形状がX字状となるように構成され、シール溝内に配置された際に、シール溝の低圧側が円弧部材60、シール溝の高圧側がバネ部材70となるように配置され、シール溝との接触点が対向する溝面に形成されるように構成されている。以下、詳細に説明する。
図6は、シールプレート50の長手方向の断面図を示す。円弧部材60は、外端側に円弧62a,62bをもち、円弧62a,62bはそれぞれ外端面61a,61bに接続される。一方、両円弧62a,62bの内側円弧端63a,63bは、図面の中央部で接続するが、その交点(図示省略)位置は、図面の上下方向において内側円弧端63a,63bよりも、バネ部材70側にある。円弧部材60の円弧62a,62bが設けられた面と反対側の面の中央部形状は、円弧62a,62bに共通の接線91に平行な直線であり、直線端64a,64bをもつ。
シールプレート50の厚みについて説明する。図面の上下方向をシールプレート50の厚み方向と定義する。
シールプレート50の円弧部材60の厚みについて説明する。直線端64a、又は、直線端64bを交点とする接線91から垂直に延びる線分の長さが厚みtcである。なお、図面では、直線端64a、又は、直線端64bから接線91に平行な引き出し線を用いて厚みtcを図示しており、その他の厚みも同様に接線91に平行な引き出し線を用いて厚みを図示している。直線端64a,64bは、後述の傾斜面67a,67bを介してそれぞれ外端面61a,61bに接続されるが、その交点(図示省略)まで接線91から垂直に延びる線分の長さが厚みtsである。円弧部材60は、tc>tsの関係となるように形成されている。また、直線端64aと外端面61a、直線端64bと外端面61bの間で、直線端64aと直線端64bを結ぶ直線を基準に、傾斜面67a,67bを有する。この傾斜面67a,67bは、図5に示すように、L1またはL2の長手方向全域に亘って形成されることになる。尚、接線91と円弧62a,62bは、接点65a,65bをもつ。また、外端面61aと外端面61bの幅をw1とする。
シールプレート50のバネ部材(板バネ)70は、バネ部材中央部71とバネ部材外側部72a,72bを有する。バネ部材中央部71とバネ部材外側部72a,72bは一体成形品である。バネ部材中央部71は、直線状に加工され、円弧部材60の直線端64aと直線端64bを結ぶ直線上の面に接続されている。これらは、相互にずれが生じないように、すなわち、相対的な移動が生じないように取り付けられていれば良く、全面溶接の他、点溶接などにより接続が行われる。
バネ部材(板バネ)70の板厚みをtとすれば、tb=(t+tc)が定義できる。バネ部材中央部71は、直線端64a,64bに相当するw1方向の位置から、バネ部材外側部72a,72bに接続されるが、バネ部材外側部72a,72bは、直線的に、厚み方向に対して単調増加した後、最大厚み点73a,73bをとり、単調減少に移行する。最大厚み点73a,73bは、後述のシール溝との接触点を構成する。ばね部材70は、言い換えれば、直線端から個別の接触点に向かって、それぞれ直線状に成形されるとともに、接触点近傍から、円弧部材側へ偏向している。最大厚み点73a,73bを中心とする領域は、実際には、円弧状となり、シール溝の高圧側面との良好な接触点を形成する。最大厚み点73a、或は、最大厚み点73bに交わる、接線91から垂直に延びる線分長さが、シールプレート50の最大厚みt0となる。従って、上記に定義した厚みの関係として、t0>tb>tc>tsが得られる。一方、バネ部材外側部72a,72bの外端74aと外端74bを結ぶ幅がw2であり、w1>w2の関係にある。
また、バネ部材外側部72aと傾斜面67a、バネ部材外側部72bと傾斜面67bとの間には、退避空間75a,75bが形成されている。そして、バネ部材(板バネ)70は、バネ部材外側部72aとバネ部材外側部72bがバネ部材中央部71の直線端64a,64bに相当するw1方向の位置を起点として、最大厚み点73a,73bの厚み方向位置が変位するように退避空間75a,75bを利用して弾性変形する。
なお、本実施例のシールプレート50は、図6から分かるように、円弧部材(剛体プレート)60とバネ部材(板バネ)70とは、図面上、下側(シール溝の低圧側に対応)が円弧部材60、上側(シール溝の高圧側に対応)がバネ部材70となるように上下に配置されて接続され、断面形状がX字状となるように構成されている。
図7に、隣接するシール溝31a,31bにシールプレート50を装着したガスタービン組立て時の断面図を示す。シール溝31a,31bは、組立時のセグメントの周方向間隙σc_coldを挟んだ位置に対向しており、シールプレート50は、σc_coldを跨ぐ形で装着されている。リーク空気は、第2段静翼供給キャビティ8からガスパス9に向かって発生することになる。
シールプレート50は、シール溝31a,31b内に配置された際に、シール溝の低圧側(リーク空気流の下流側)が円弧部材60、シール溝の高圧側(リーク空気流の上流側)がバネ部材70となるように配置され、シール溝との接触点が対向する溝面に形成されるように配置されている。
すなわち、シール溝31a,31bは、リーク空気流の上流側となる第2のシール溝面81a,81b、下流側となる第1のシール溝面80a,80bを有している。円弧部材60の円弧60a,60bは、それぞれ、第1のシール溝面80a,80bとの間に、第1の組立時接触点66aと第2の組立時接触点66bを得る。この第1,第2の組立時接触点66a,66bは、先に示した接点65a,65bに他ならない。一方、バネ部材70の最大厚み点73a,73bは、それぞれ、第2のシール溝面81a,81bとの間に、第3の組立時接触点76a、第4の組立時接触点76bを得る。したがって、シールプレート50は、第1,〜第4の組立時接触点66a,66b,76a,76bからなる4点の接触点を得る。説明を簡略したが、実際には、シール溝31a,31bの溝高さHsとすると、(t0>Hs)の関係から、各接触点は、僅かながら最大厚み点73a,73bから内側に変位している。
図8に基づき、本実施例における、w1>w2の関係の作用を説明する。なお、図8では、外端74aと外端74bを結ぶ幅をw2’として、w1とw2’の関係が、本実施例(w1>w2)と反対の関係(w1<w2’)を図示している。左右対称のため、シール溝31a側のみの部分断面であるが、シール溝31b側も同様であり、同じ作用となるので、説明を省略する。シールプレート50は、その最大厚みt0と、シール溝高さHsの関係(t0>Hs)から、最大厚みをHsまで縮小してシール溝31aに装着されることになる。この変位は、バネ部材70のバネ部材外側部72aの弾性変位で吸収するが、変位分のバネ復元力によって、第3の組立時接触点76aのみならず、第1の組立時接触点66aにも、反力Fbが作用する。これが、接触箇所での接触圧を向上させる。
ところで、バネ部材外側部72aは、直線端64a近傍を基点として撓み、Fb[w2]=f(w2)、Fb[w2’]=f(w2’)となる。今、直線端64aを固定点とするバネ部材外側部72aを片持梁と仮定し、撓み量(t0−Hs)、断面形状を同一とすれば、次式の関係が成立する。
Fb[w2]×{(w2−バネ部材中央部71のw2方向長さ)/2}=Fb[w2’]×{(w2’−バネ部材中央部71のw2’方向長さ)/2)}
よって、w2<w2’から、Fb[w2]>Fb[w2’]となり、幅が短い方が有効に復元力を利用することができる。但し、本実施例におけるバネ部材外側部72aは、w1以下の寸法範囲で、ほぼ最大(w1≒w2)となるようにしており、逆に、Fbの増大化を緩和し、適度な弾性力を保持する。一方、w2の長大化は、シール溝深さDsを余分に削り込むことを必要とする。
次に、本実施例のシール装置の作用を説明する。
ガスタービン1の運転時、燃焼器3で発生する高温高圧の作動ガスは、例えば、圧力が約1.5MPa[g]、温度が1300℃程度であり、タービン内部の第1段静翼10の入口に流入する。作動ガスは、以下、順次、第1段動翼11をはじめとする各動翼段で、流体エネルギーをタービンの回転エネルギーに変化させながら、圧力、温度を低下させ、約600℃で最終段動翼を流出後、排気される。この時、ガスタービン1に直結した発電機5が回転して電力を得る。タービン冷却翼は、高温のガスに晒されるため、圧縮機2で得られる高圧空気の一部を抽気して冷却空気として用いる。この冷却空気は、静翼と動翼へ区分され、さらに静翼も適正圧力からの抽気となり、セグメントのひとつである第2段静翼12aへは、静翼低圧冷却空気経路6aに含まれる第2段静翼キャビティ8を経由して導入される。この冷却空気は、翼の内部冷却後に後縁端から、或は、フィルム冷却用としてガスパス9中に排出されることになるが、圧力損失を伴う為、必然的に、ガスパス9の圧力に比べて、第2段静翼キャビティ8の圧力の方が大きいことになる。この圧力差が、隣接する第2段静翼体セグメント21aと第2段静翼体セグメント21b間からの冷却空気のリークの要因となる。本実施例では、シール溝31a,31bでは、シールプレート50との間に、第1の組立時接触点66a、第2の組立時接触点66b、第3の組立時接触点76a、及び、第4の組立時接触点76bを有しており、リークを抑制することになる。且つ、バネ部材外側部72a,72bの弾性変形に伴う復元力により、各接触点66a,66b,76a,76bでの接触圧は上昇しており、更なるシール性を向上させることになり、冷却空気のリーク流量は低減される。尚、バネ部材外側部72a,72bは、第2段静翼キャビティ8とガスパス9の圧力差である流体力を受けるが、当然ながら、復元力>流体力の関係が成立するように構成されている。
図9に、ガスタービン運転時のシールプレート50の断面図を示す。作動ガスや冷却空気を加熱源として、各ガスタービン部材は温度上昇する。その一つとして、第2段静翼体セグメント21a,21bには熱伸びが生じるが、周方向には、組立時のセグメントの周方向間隙σc_coldが、σc_hotまで狭まる。しかし、ガスタービン運転時のこの周方向間隙σc_hotは、ガスタービンの定格点運転においても第2段静翼体セグメント21a,21bの外径側エンドウォール22a,22bが接触しないように設計されているため零になることはない。このとき、この第2段静翼体セグメント21a,21bの動きに連動して、外径側エンドウォール22a,22b、即ち、シール溝31a,31bも、図の間隙方向、中央部に向かって移動するが、シールプレート50は、各接触点66a,66b,76a,76bでの滑りによって、シール溝31a,31bの周方向変位を吸収する。
同様に、第2段静翼体セグメント21a,21bには、周方向の変位とともに、熱流動上の熱偏差に伴う半径方向の熱伸び偏差や、作動流体力と部材の製作公差によるσrの半径方向偏差が生じ、シール溝31a,31bにオフセットが生じる。このオフセットによって、シールプレート50は、図9に図示の例では左廻り方向に回転するため、組立時の接触点から移動することになり、第1の運転時接触点66c、第2の運転時接触点66d、第3の運転時接触点76c、及び、第4の運転時接触点76dにそれぞれ変化するが、接触状態自体は維持された状態にあり、冷却空気のリーク流量の低減に変化はない。
また、ガスタービンの運転とともに部材は震動することになるが、バネ部材外側部72a,72bの弾性力が振動を吸収するため、各々の運転時接触点66c,66d,76c,76dでの磨耗を抑制できる。更に、図9の図示の例では、オフセットは、シール溝面81aがバネ部材外側部72aを押し付ける形になるが、バネ部材外側部72aは、退避空間75aによって、円弧部材60と干渉することはない。
また、バネ部材外側部72a,72bは、冷却空気のリーク流の上流側となる第2のシール溝面81a,81bに対向して設けている。基本的には、冷却空気のリーク流を零にすることは困難であり、微量のリーク流が発生する。ただし、この微量リーク流は、第2段静翼キャビティ8に供給される、比較的、低温の冷却空気であり、この空気がバネ部材外側部72a,72bを冷却し、温度低下させる。よって、バネ部材外側部72a,72bの震動吸収による破壊損傷に到る繰返し数は増加することになり、例えば、薄材板で直接的にドッグボーン外形に倣うシールプレートを構成する場合に比べて、温度降下の観点から信頼性が向上すると考えられる。
また、本実施例のシールプレート50は、最大厚みt0が必要以上に大きくならないので、シール溝31a,31bのように、溝を形成可能な領域に形成する必要がある場合、すなわち、シール溝高さHsを大きく取れない場合に好適な構成である。
以上説明した本実施例のシール装置によれば、オフセットに対応して、冷却空気のリーク流量抑制効果を十分に発揮できるとともに、シールプレートに作用する流体力、震動力がもたらす応力を緩和することができる。したがって、熱効率を向上(ガスタービンの性能低下を抑止)させることができ、さらに信頼性を向上させたシール装置を備えたガスタービンを提供できる。言い換えれば、本実施例によれば、いかなるガスタービンの運転状態においても、シールプレートとシール溝面の間で、接触圧を上昇させた線接触を確保することにより、リーク流量を低減でき、高いガスタービン性能を達成できる。さらに、セグメントの熱伸び偏差に起因するオフセットに対しても、容易に吸収可能であるとともに、震動を抑制し、且つ、構成部材温度の低下を意図した構成から、高い信頼性が図れ、その本来の目的に沿った効率の良いガスタービン装置を得るという優れた実用的効果をもたらす。
なお、本実施例では、第2段静翼体の外径側エンドウォールに設けた、一対の対向するシール溝31a,31bに装着したシールプレートを実施例として説明したが、外径側エンドウォールの他のシール溝や、内径側エンドウォールなどに設けたシール溝に対しても、本シールプレートを同様に適用することができ、より多くの溝に本実施例のシールプレートを適用すれば、さらに大きな効果が期待できるのは自明である。
次に、図3、図4、図10〜図13を用いて本発明の第2の実施例を説明する。各図において、同一番号は、第1の実施例と同一の機器、或いは、部材、機能を表す。
通常、シールプレートは単独で用いることはなく、複数のシール溝にそれぞれシールプレートが設置され、隣接するシールプレートとの接続を考慮する必要がある。例えば、図3において、第2段静翼体セグメント21aの外径側エンドウォール22aに注目すると、外径側エンドウォール22aには、シール溝30a、シール溝31a、及びシール溝32aを備える。これらのシール溝にそれぞれシールプレートを配置して、すなわち、複数枚のシールプレートにより、高圧側である第2段静翼供給キャビティ8から低圧側となるガスパス9に向かう冷却空気のリークを遮断する。この時、シール溝30aとシール溝31a、シール溝31aとシール溝32aの間で、互いのシールプレートが交差するように接する上流側交点24と下流側交点25が生じる。
図4において、シール溝31a,31bには、シールプレート50、シール溝30a,30bには、シールプレート51、シール溝32a,32bには、シールプレート52が、それぞれ装着されている。以下、シールプレート50とシールプレート51の上流側交点24を対象として本実施例を詳細に説明するが、シールプレート50とシールプレート52の下流側交点25についても同様である。尚、シールプレート50は、実施例1で説明したシールプレートと同一である。
本実施例では、複数枚のシールプレートを隣接するシール溝に設置する場合、シールプレート交点でのリーク流量低減を図るため、実施例1のシールプレート50と、シールプレート51の長手方向の断面(長手方向と交差する線で切断した断面)を基準として、シール溝の低圧側面に円弧部材(剛体プレート)60との接触点が、そして、シール溝の高圧側面に円弧部材の反対面(シール溝の高圧側面に対向する面)に接続した直線状のバネ部材との接触点がそれぞれ形成されるように構成され、円弧部材の反対面にバネ部材の長手方向長さに対応した長さの傾斜面を形成して、退避空間が形成されるように構成され、かつ、シールプレート51の円弧部材の長手方向の端部に平面(円弧部材の二つの円弧に共通の接線に平行な直線を面内に含む平面)を有するように構成されたシールプレート51との組合せとして、シールプレート50(円弧部材の長手方向の全長に対応する傾斜面を有するシールプレート)の終端面を、シールプレート51(円弧部材の長手方向の一部に平面を有するシールプレート)の平面に対向させた配置構成としている。以下、詳細に説明する。
図10に、第2の実施例によるシールプレート51の外観図を示す。シールプレート51も、円弧部材60とバネ部材70から構成され、基本的には、シールプレート50と同様の断面形状が規定できる。但し、円弧部材60の長手方向の長さL1に対して、バネ部材70の長手方向の長さL2は、L1>L2である。そして、円弧部材60は、その長手方向全域に傾斜面を有するのではなく、端部に平面(円弧部材の円弧(図6における符号62a,62b)に共通の接線(図6における符号91)に平行な直線を面内に含む平面)68を有する。
図11は、第2の実施例によるシールプレート51の円弧部材60のみを図示したものである。シールプレート51における円弧部材60の傾斜面67c,67dの長手方向の長さをL3とすると、L1>L3>L2である。L3は、L2との間に、バネ部材外側部72c,72dの動きに対して、バネ部材外側部の端部96c,96dが、平面68のエッジ部97c,97dと干渉しない程度の寸法差があればよく、略同程度の長さを有する。即ち、シールプレート51のバネ部材70の領域に対応するように、長手方向寸法L2と同程度長さの傾斜面67c,67dが円弧部材60に形成される。また、シールプレートの円弧部材60の平面68における外端面61c,61dの厚み(高さ)は、傾斜面67c,67dにおける外端面61a,67bの厚み(高さ)よりも大きくなっている。
図12に、シールプレート50とシールプレート51を、それぞれシール溝31aとシール溝30aに装着した組立て時の部分的な概念図を示す。シールプレート51は、平面68側を、図面の下側に配置しており、シールプレート50の終端面69は、シールプレート51の平面68に対向している。
図13は、図12の矢印90方向からシールプレート50とシールプレート51を見た部分的な概念図である。シールプレート50の終端面69とシールプレート51の平面68は、間隙δを介して対向している。なお、例えば、シールプレート51に平面68がない場合は、バネ部材外側部72c,72dと円弧部材の傾斜面67c,67dの間に形成する退避空間分の空隙が生じることになる。
このように構成された本実施例において、ガスタービンの運転とともに、第2段静翼体セグメント21a,21bの動きに連動して、外径側エンドウォール22a,22b、即ち、シール溝31a,31bも周方向、半径方向に変位する。周方向変位は、シールプレート50,51の円弧部材60の第1の運転時接触点、第2の運転時接触点、及び、シールプレート50のバネ部材外側部72a,72b、シールプレート51のバネ部材外側部72c,72dで形成される、それぞれの第3の運転時接触点、第4の運転時接触点で吸収される。また、各接触点には、バネ部材外側部の復元力がそれぞれ加わり、接触圧力が上昇するようになっており、4点接触によるリーク低減が図られる。
一方、シールプレート50とシールプレート51の間隙δは、熱延びにより運転時の温度によってδ’まで縮小する。従って、平面68と終端面69の間に、(w1×δ’)のリーク流路が存在することになる。しかし、全域を傾斜面とした場合に比べて、リークを最小流量に抑制することが可能である。また、当然ながら、平面68では、第3の運転時接触点、第4の運転時接触点が形成されないことになるが、図12を参照すれば明確なとおり、高圧側の第2段静翼供給キャビティ8と低圧側のガスパス9は、シールプレート50とシールプレート51の外側バネ部材の取付け範囲で遮断されており、この平面68での接触点有無にリーク流量は関与しない。
以上に説明した本実施例によれば、高圧側と低圧側へのリークを遮断するため、複数枚のシールプレートを隣接するシール溝に設置する場合、シールプレート交点でのリーク流量低減を図ることができる。したがって、熱効率を向上(ガスタービンの性能低下を抑止)させることができ、さらに信頼性の高いシール装置を備えたガスタービンを提供できる。
なお、本実施例では、上流側交点を対象として説明したが、下流側交点にも同様に適用できる。また、本実施例では、シールプレート51に平面86を設ける例を説明したが、シールプレート50側に平面を設けるようにしても良い。この場合、シールプレート50の両端、すなわち、下流側交点にも平面を設けるようにしても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加,削除,置換をすることが可能である。
1・・・・ガスタービン
4・・・・タービン
21a,21b・・・第2段静翼体
30a,30b・・・シール溝
31a,31b・・・シール溝
50,51・・・シールプレート
60・・・円弧部材(剛体プレート)
66a・・・第1の組立時接触点
66b・・・第2の組立時接触点
76a・・・第3の組立時接触点
76b・・・第4の組立時接触点
67a,67b・・・傾斜面
68・・・平面
69・・・終端面
70・・・バネ部材(板バネ)
75a,75b・・・退避空間

Claims (10)

  1. 間隙を有して隣接する部材のそれぞれの間隙側面に相互に対向するように設けたシール溝の双方に架かるようにシールプレートを設置したシール装置であって、
    前記シールプレートは、
    前記シールプレートの長手方向と交差する断面を基準として、両端部側に前記シール溝面との接触部が円弧状となるように形成された剛体プレートと、板バネとを貼り合わせて、前記断面の形状がX字状となるように構成され、
    前記シール溝内に配置された際に、前記シール溝の低圧側に前記剛体プレートが位置し、前記シール溝の高圧側に前記板バネが位置するように配置され、
    前記シール溝と前記剛体プレートの接触部、及び、前記シール溝と前記板バネの接触部が、対向するシール溝面に形成されるように配置されていることを特徴とするシール装置。
  2. 請求項1に記載のシール装置において、
    前記剛体プレートは、前記断面を基準として、前記シール溝面側とは反対側の中央部に直線部が形成され、前記直線部の両端から前記剛体プレートの両端部側に向けて前記シール溝面側に近づくように傾斜が形成され、
    前記板バネは、前記剛体プレートの前記直線部に固定されていることを特徴とするシール装置。
  3. 請求項1または2に記載のシール装置において、
    前記断面を基準として、前記板バネの両側端距離が、前記剛体プレートの両側端距離以下となるように構成されていることを特徴とするガスタービンのシール装置。
  4. 請求項2または3に記載のシール装置において、
    前記板バネは、前記断面を基準として、前記剛体プレートの前記直線部への固定部から両側端に向けてそれぞれ前記シール溝面との接触部に近づくような直線形状を有し、前記接触部の近傍から、前記剛性体側へ偏向するように形成されていることを特徴とするシール装置。
  5. 請求項2に記載のシール装置において、
    前記シールプレートは、
    前記シールプレートの長手方向を基準として、前記剛性体プレートの長さをL1、前記板バネの長さをL2、前記傾斜が形成された面の長さをL3とするとき、
    L1とL2とL3が等しくなるように形成されていることを特徴とするシール装置。
  6. 請求項2に記載のシール装置において、
    前記シールプレートは、
    前記シールプレートの長手方向を基準として、前記剛性体プレートの長さをL1、前記板バネの長さをL2、前記傾斜が形成された面の長さをL3とするとき、
    L1≧L3>L2の関係が成立し、前記傾斜が形成された面の長さ方向の領域内に前記板バネの長さ方向の全てが位置するように形成されていることを特徴とするシール装置。
  7. 請求項6に記載のシール装置において、
    前記剛性体プレートは、
    前記剛性体プレートの長さL1と前記傾斜が形成された面の長さL3の関係がL1>L3となるように形成され、
    前記剛性体の長さ方向の端部に平面が形成されていることを特徴とするシール装置。
  8. 複数の前記シール溝が交差するように形成され、前記複数のシール溝にそれぞれ前記シールプレートが設置され、
    前記複数のシール溝の一方に請求項5に記載の前記シールプレートを配置し、前記複数のシール溝の他方に請求項7に記載の前記シールプレートを配置し、
    請求項5に記載の前記シールプレートの終端面が、請求項7に記載の前記シールプレートの前記平面に対向するように配置されていることを特徴とするシール装置。
  9. 請求項1から8の何れかに記載のシール装置において、
    前記間隙を有して隣接する部材は、ガスタービンを構成し、複数のセグメントに分割されたセグメント部材であることを特徴とするシール装置。
  10. 圧縮機、燃焼器、及び、タービンで構成されるガスタービンであって、
    前記ガスタービンの静翼体の隣接するエンドウォール部の間隙面に、請求項1から8の何れかに記載のシール装置を設けたことを特徴とするガスタービン。
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