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JP2015014100A - ブレースダンパー - Google Patents

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JP2015014100A
JP2015014100A JP2013140016A JP2013140016A JP2015014100A JP 2015014100 A JP2015014100 A JP 2015014100A JP 2013140016 A JP2013140016 A JP 2013140016A JP 2013140016 A JP2013140016 A JP 2013140016A JP 2015014100 A JP2015014100 A JP 2015014100A
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JP2013140016A
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寺田 岳彦
Takehiko Terada
岳彦 寺田
大吾 石井
Daigo Ishii
大吾 石井
寧俊 立石
Yasutoshi Tateishi
寧俊 立石
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

【課題】ブレース本体の面内の外側方向への座屈を有効に防ぐとともに、高いダンパー性能を有し、しかも低コストで形成する。【解決手段】 建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体20と、ブレース本体20の周囲に装着されることにより該ブレース本体20の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材と、を備え、ブレース本体20は、一方の端部20aから他方の端部20bまでが一定の幅を有し、かつ一方の端部20aと他方の端部20bとの間に、ブレース本体20の幅方向の中間部に開口部22が形成されることで所定軸力を受けた際に先行して降伏する降伏部23が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーに関する。
地震や強風等に対する建物の応答性を低減する方法として、建物の要所にダンパーを設置する方法が一般によく知られている。ダンパーとしては、摩擦ダンパー、鋼材ダンパー、粘弾性体ダンパー等がよく用いられる。
一方、建物の地震被害では、ブレースの座屈による被害が多く見られ、それが建物全体の被害を大きくすることから、ブレースの座屈を防止するための補強を行うことが検討されている。
そこで、建物に補強ブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収することができる機能を有するブレースダンパーが提供されている。
特許文献1、2には、図5(a)、(b)に示すように、両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体2と、ブレース本体2の周囲に装着されることによりブレース本体2の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材3とからなるブレースダンパー1Aが開示されている。図5(c)に示すように、このブレースダンパー1Aは、ブレース本体2の長さ方向の中央部2aにおける幅寸法が、両端部2b,2bよりも小さく形成されている。これにより、所定軸力を受けた際にブレース本体2の中央部2aが他の部分に先行して降伏することによって、建物の振動エネルギーを吸収する。このブレースダンパー1Aのブレース本体2は、両端部2b,2bの面外剛性を高めるために、補強リブ2cが設けられることによって、断面十字状とされている。
また、非特許文献1には、図6に示すように、ブレース本体4が、拘束部材3によって拘束された部分4aの幅が一定とされ、拘束部材3から両側に突出して建物側に固定される両端部4b,4bの幅が拡幅されるとともに、フランジ4cを有したH形断面とされた構成のブレースダンパー1Bが開示されている。このブレースダンパー1Bによれば、両端部4b,4bよりも幅が小さく、拘束部材2によって面外方向への座屈が拘束された部分4aが先行して降伏することによって、建物の振動エネルギーを吸収する。
非特許文献2には、図7及び図8に示すように、ブレース本体5の長さ方向の中央部5aの幅が、両端部5b、5bよりも小さく形成され、断面L字状の部材6a,6aどうしを突き合わせることによって断面矩形とされた拘束部材6をブレース本体5の中央部5aに装着した構成のブレースダンパー1Cが開示されている。このブレースダンパー1Cにおいて、ブレース本体5の両端部5b,5bには、面外剛性を高めるための補強リブ5cが設けられており、この補強リブ5cは、リブ高さを漸次縮小しながら、ブレース本体5の中央部5aにかけて形成されている。
さらに、非特許文献2及び特許文献3には、図9に示すように、ブレース本体5の中央部5aが、その面内の外側方向に座屈するのを防止するため、棒状の補剛部材7を、中央部5aの両側に沿わせた構成のブレースダンパー1Dが開示されている。
また、これ以外にも、図10に示すように、ブレース本体8を、一方の端部8aから他方の端部8bまで一定の幅とし、ブレース本体8の中央部8cに面外座屈を防止する拘束部材9を設けた構成のブレースダンパー1Eも開示されている。このブレース本体8においては、両端部8a,8bに、面外剛性を高めるための補強リブ8dが、拘束部材9に拘束された中央部8cにかけて形成されている。
特許第3941028号公報 特許第3637534号公報 特許第3820520号公報
堀江竜巳他、"溝形鋼で補剛したアンボンドブレースダンパーの開発(その7 芯材にSN400Bを用いた実大試験体の弾塑性加力実験)"、日本建築学会学術講演梗概集C−1 構造3、日本建築学会、2005年07月31日、2005巻、1019−1020ページ 中村慎他、"鋼モルタル板を用いた座屈拘束ブレースの実験的研究―芯材の降伏耐力および軸剛性の調節―"、日本建築学会構造系論文集、日本建築学会、2008年07月30日、629号、1143−1150ページ
しかしながら、上述したような従来の構成では、以下に示すような問題が存在する。
まず、図5に示したブレースダンパー1Aでは、ブレース本体2の中央部2aにおける幅寸法が両端部2b,2bよりも小さく形成されているために、中央部2aの幅方向の両側に、拘束部材3との間に隙間が存在することになる。すると、ブレース本体2がこの中央部2aにおいて面内の外側方向に座屈してしまう可能性がある。
また、図6に示したブレースダンパー1Bでは、ブレース本体4が、拘束部材3によって拘束された部分4aの幅が一定とされているために、上記ブレースダンパー1Aのような問題は回避できる。しかし、拘束部材3の両端部から、ブレース本体4の両端部4b,4bが突出し、しかもこの両端部4b、4bは、拘束部材3よりも幅が広いうえにフランジ4cが形成されてH形断面とされている。このため、ブレース本体4の両端部4b,4bと拘束部材3の両端部との剛性の差が大きく、一体性が低いという問題がある。
図7、図8に示したブレースダンパー1Cでは、ブレース本体5の両端部5b,5bに設けられた補強リブ5cの先端5dが、ブレース本体5の中央部5aに達するまで形成されている。したがって、繰り返し荷重が作用したときには、ブレース本体5の中央部5aに位置する補強リブ5cの先端5dの溶接部分に応力が集中し、亀裂が生じやすく、ダンパー性能低下につながるという問題がある。
図9に示したブレースダンパー1Dでは、ブレース本体5の中央部5aの両側に棒状の補剛部材7を設けるため、上記ブレースダンパー1Aのような問題は回避できるものの、部品点数が増え、コスト増につながるという問題がある。
図10(a)、(b)に示したブレースダンパー1Eでは、ブレース本体8を、一方の端部8aから他方の端部8bまで一定の幅とすることで、上記ブレースダンパー1Aのような問題は回避できる。しかし、補強リブ8dが、中央部8cにまで形成されているため、上記ブレースダンパー1Cと同様に、繰り返し荷重が作用したときには、ブレース本体8の中央部8cに位置する補強リブ8dの先端の溶接部分に応力が集中し、亀裂が生じやすく、ダンパー性能低下につながるという問題がある。
また、図5、図6、及び図7に示したように、中央部2a,4a,5aと両端部2b,4b,5bとで幅を異ならせたブレース本体2,3,5においては、最も幅の大きい両端部2b,4b,5bを基準としてブレース本体2,3,5を鋼板材料から切り出すため、材料歩留まりが悪く、コストが増大するという問題もある。
そこでなされた本発明の目的は、ブレース本体の面内の外側方向への座屈を有効に防ぐとともに、高いダンパー性能を有し、しかも低コストで形成することのできるブレースダンパーを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るブレースダンパーでは、建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体と、前記ブレース本体の周囲に装着されることにより該ブレース本体の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材と、を備え、前記ブレース本体は、一方の端部から他方の端部までが一定の幅を有し、かつ前記一方の端部と前記他方の端部との間に、該ブレース本体の幅方向の中間部に開口部が形成されることで所定軸力を受けた際に先行して降伏する降伏部が形成されるとともに、前記ブレース本体の両端部に、該ブレース本体の表面に直交するリブプレートが設けられ、前記リブプレートと前記開口部とが、前記長手方向に間隔を隔てて設けられていることを特徴とする。
本発明のブレースダンパーは、ブレース本体の幅方向の中間部に開口部(スリット)が形成されることによって、所定軸力を受けた際に先行して降伏する降伏部が形成されている。降伏部においては、ブレース本体の幅方向の両側に一定の隙間(若干のクリアランス)を保ちながら拘束部材が設けられている。したがって、降伏部で、軸方向の変形を拘束することなく、ブレース本体が面内の外側方向に座屈するのを防ぐことができる。
また、リブプレートと開口部とが、長手方向に間隔を隔てて設けられているので、繰り返し荷重が作用しても、リブプレートの先端部の溶接部分に応力が集中して亀裂が生じるのを防ぐことができる。
さらに、ブレース本体が、一方の端部から他方の端部までが一定の幅を有しているので、材軸方向の一部の領域の剛性が高くなることもなく、拘束部材との一体性が損なわれるのを抑えることができる。また、このブレース本体を鋼板材料から切り出すときに、材料の無駄を抑え、材料歩留まりを向上させることができる。
また、本発明のブレースダンパーでは、前記開口部は、前記ブレース本体の長手方向に沿って連続して形成されているようにしてもよい。
これにより、ブレース本体の幅寸法を狭めることなく、降伏部を形成できる。
さらに、本発明のブレースダンパーでは、前記拘束部材には、前記ブレース本体の前記開口部内に位置して前記降伏部の幅方向への変形を拘束して面内座屈を防止する補剛材が設けられているようにしてもよい。
これによって、ブレース本体が開口部の内側に向けて面内座屈するのを防ぐことができる。
また、本発明のブレースダンパーでは、前記開口部は、前記ブレース本体の長手方向に沿って間隔を隔てて複数個が形成されているようにしてもよい。
この場合には、開口部によって、降伏部を形成することができる。これとともに、長手方向において互いに前後する開口部どうしの間に、開口部を挟んで幅方向の両側に位置するブレース本体を連結する連結部が形成されるため、ブレース本体が幅方向の内側に向けて面内座屈するのを防ぐことができる。
本発明のブレースダンパーによれば、ブレース本体の面内の外側方向への座屈を有効に防ぐとともに、高いダンパー性能を有し、しかも低コストで形成することが可能となる。
本発明の第1の実施形態であるブレースダンパーを示す図であり、(a)は全体の外観を示す側面図、(b)はその平面図である。 (a)は図1(a)のA−A断面図、(b)は同B−B断面図、(c)は同C−C断面図である。 ブレース本体を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態であるブレースダンパーに用いられるブレース本体を示す側面図である。 従来のブレースダンパーの一例を示す図であって、(a)は全体の外観を示す側面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)はブレース本体を示す側面図である。 従来のブレースダンパーの他の一例を示す図であって、(a)は全体の外観を示す側面図、(b)は(a)のE−E断面図、(c)はブレース本体を示す側面図である。 従来のブレースダンパーのさらに他の一例を示す斜視展開図である。 図7に示したブレースダンパーの外観を示す斜視図である。 従来のブレースダンパーのさらに他の一例を示す斜視展開図である。 従来のブレースダンパーのさらに他の一例を示す図であり、(a)は全体の外観を示す側面図、(b)は(a)のF−F線断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明によるブレースダンパーを実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1、図2に示すように、本第1の実施形態のブレースダンパー10Aは、ブレース本体20と、その周囲に装着されてブレース本体20の座屈を防止する拘束部材30と、からなる。
図3に示すように、ブレース本体20は帯板状の鋼板からなり、その両端部20a,20bが建物に対して固定されることでこれ自体が通常のブレースとして機能するものである。ブレース本体20は、一方の端部20aから、他方の端部20bまで、その幅方向Wの寸法が一定の矩形状とされている。
ブレース本体20の両端部20a,20bには、それぞれの端部20a,20bの両面から直交する方向に立ち上がるようリブプレート21が溶接されていて、ブレース本体20の両端部20a,20bにおける横断面形状は十字形をなすものとされている。
ブレース本体20の長さ方向Lの中央部には、ブレース本体20の幅方向Wの中央部に位置して、長さ方向Lに沿って一定長にわたって延びる開口部22が形成されている。
この開口部22の両端部22a,22bは、リブプレート21の先端部21aとの間に、ブレース本体20の長さ方向Lに沿って所定長の間隙を有している。ブレース本体20において、この開口部22が形成されている領域は、他の部分に比較して断面積が小さくなっており、所定軸力を受けた際には他の部分に先行して降伏する降伏部23を形成している。この降伏部23により、ブレース本体20が、建物の振動を減衰させるダンパーとして機能するものとなっている。
また、本実施形態におけるブレース本体20は、一般的な炭素鋼や極軟鋼(低降伏点鋼)が用いられる。
図1、図2に示すように、拘束部材30は、二個一対の断面C字状の溝形鋼31と、帯鋼板からなる二個一対のカバープレート32と、から形成されている。
溝形鋼31は、ブレース本体20の表面に平行に配置されるウェブ部31aと、ウェブ部31aの両端部からそれぞれ直交する方向に立ち上がるフランジ部31b,31bと、から形成されることで、C字状をなしている。ここで、ウェブ部31aは、ブレース本体20と幅方向Wに同等の幅寸法を有している。二個一対の溝形鋼31,31は、それぞれ、フランジ部31b、31bをブレース本体20から離間する側に向けた状態で、ウェブ部31aをブレース本体20に沿わせて配置されている。
カバープレート32は、ブレース本体20の両側に配置された二個一対の溝形鋼31,31のフランジ部31b、31bに対向して配置されるとともに、ボルト・ナット33によって締結されている。これにより、溝形鋼31とカバープレート32とから形成された拘束部材30の断面は、2枚のウェブを有するH形の形状となり、その内部にブレース本体20を挟み込むように収容している。このようにして、拘束部材30は、ブレース本体20の面外方向への変形を拘束してその座屈を防止する。
このとき、ブレース本体20をダンパーとして機能させるためにはブレース本体20の軸方向の変形は拘束しないものとする必要があり、そのため、ブレース本体20とウェブ部31aとの間には、それぞれたとえば2mm程度の若干のクリアランスが確保されている。
さらに、各溝形鋼31のウェブ部31aとブレース本体20の表面との間にはそれらをアンボンド(非付着)状態に維持して軸方向の相対変形を許容せしめるための緩衝材を介装するようにしてもよい。緩衝材としてはたとえばクロロプレンゴム等の高分子系材料からなるシート材が好適に採用可能である。
また、各溝形鋼31の長さ方向Lの両端部には、ウェブ部31aにリブプレート21が挿入されるスリット34が形成されている。このスリット34は、幅、長さともに、リブプレート21と干渉しないように形成されている。
さらに、拘束部材30には、ブレース本体20の降伏部23の幅方向Wへの変形を拘束して面内座屈を防止するための補剛材35が、ブレース本体20の開口部22の内側に収まるよう、双方の溝形鋼31の間に設けられている。本実施形態における補剛材35は開口部22と同等程度の厚さの細長い鋼板が用いられる。
上記のような補剛材35を備えることにより、ブレース本体20の幅方向Wの変形も拘束して面内座屈を防止する。このとき、ブレース本体20をダンパーとして機能させるためにはブレース本体20の軸方向の変形は拘束しないものとする必要があり、そのため、開口部22と補剛材35との間には、それぞれたとえば2mm程度の若干のクリアランスが確保されている。
上記ブレース本体20と拘束部材30は、溝形鋼31の長さ方向Lの両端部31d,31eにおいて、綴りボルト40によって締結されている。このため、ブレース本体20及び溝形鋼31には、綴りボルト40を貫通される不図示の貫通孔が形成されている。ここで、溝形鋼31の両端部31d,31eのうち、一方の端部31eには、綴りボルト40を貫通させる貫通孔が、長さ方向Lに長軸を有した長孔41とされている。これにより、ブレース本体20と拘束部材30とが、長さ方向Lに沿って相対変位を許容できるようになっている。
以上の構成のもとに、本実施形態のブレースダンパー10Aは建物を補強するブレースとしての機能と、建物の振動を減衰するダンパーとしての機能を併せ持つ。したがって、ブレースダンパー10Aを建物に設置することで、建物に対する優れた補剛効果と振動エネルギー吸収効果とを同時に得ることができる。
すなわち、このブレースダンパー10Aは、ブレース本体20が通常のブレースと同様に機能し、特に拘束部材30がブレース本体20の面外座屈を有効に防止して優れた座屈強度を有するものである。また、このブレースダンパー10Aは、ブレース本体20として極軟鋼を採用するとともにその中央部に開口部22を形成することによって断面積を小さくして降伏部23を設定していることから、所定軸力を受けた際には降伏部23が先行して降伏して鋼材ダンパーとして優れた減衰効果が得られるものとなっている。
また、ブレース本体20は、一方の端部20aから他方の端部20bまで、その幅方向Wの寸法が一定であるので、拘束部材30との一体性が損なわれることもない。また、このブレース本体20を鋼板材料から切り出す時にも、材料の無駄を抑え、材料歩留まりを向上させることができる。
図3に示すように、降伏部23は、ブレース本体20の幅方向Wの中央部に、長さ方向Lに沿って連続するよう形成された開口部22によって構成されている。これにより、降伏部23において、ブレース本体20の幅方向Wの両側に一定の隙間(若干のクリアランス)を保ちながら拘束部材30が設けられている。したがって、降伏部23で、軸方向の変形を拘束することなく、ブレース本体20が面内の外側方向に座屈するのを防ぐことができる。
また、降伏部23の開口部22に補剛材35を設けることで、降伏部23の幅方向Wの内側への過大な変形を確実に防止し、それによってブレースダンパー10Aの全長が長いような場合であっても降伏部23での面内座屈を抑制して大型のブレースダンパー10Aとしても支障なく適用できるものとなっている。
また、補剛材35を設けるにしても、補剛材35は1本で済むので、部品点数増加およびそれによるコスト増を最低限に抑えることができる。
しかも、上記のブレースダンパー10Aは、帯板状のブレース本体20に対して溝形鋼31とカバープレート32からなる拘束部材30を装着しただけの極めて簡単な構成のものであるから、特別な技量や機械を必要とせずに容易にかつ安価に組み立てることができる。
さらに、ブレース本体20の両端部20a,20bに設けられたそれぞれリブプレート21は、開口部22の両端部22a,22bとの間に所定長の間隙を有している。このため、繰り返し荷重が作用しても、リブプレート21の先端部21aの溶接部分に応力が集中して亀裂が生じるのを防ぎ、ダンパー性能を安定して発揮させることができる。
このようにして、ブレース本体20の面内の外側方向への座屈を有効に防ぐとともに、高いダンパー性能を有し、しかも低コストで形成することのできるブレースダンパー10Aを提供することが可能となっている。
(第1の実施形態の変形例)
上記実施形態において、補剛材35は、ブレース本体20の面内座屈を確実に防止し得る強度を有する鋼材の座屈を防止するうえで適正な位置に設ければ良く、その限りにおいて補剛材35の形状、寸法、取付位置は任意であり、たとえば開口部22の内側領域において、補剛材35を長手方向Lに沿って複数の小片に分散して取り付けるようにしても良い。
また、ブレース本体20が面内の外側方向に座屈しない強度を有しているのであれば、補剛材35を備えない構成とすることもできる。
また、長手方向Lに沿って連続する開口部22は、1本のみを備えるとは限らず、ブレース本体20の幅方向Wに沿って複数本を並設してもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかるブレースダンパーの第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図4は、本発明の第2の実施形態であるブレースダンパーに用いられるブレース本体を示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態で示すブレースダンパー10Bは、上記第1の実施形態で示したブレース本体20に代えて備えるブレース本体50と、その周囲に装着されてブレース本体50の座屈を防止する拘束部材30と、からなる。
図4に示すように、ブレース本体50は、帯板状の鋼板から形成され、その両端部50a,50bが建物に対して固定されることでこれ自体が通常のブレースとして機能するものである。ブレース本体50は、一方の端部50aから、他方の端部50bまで、その幅方向Wの寸法が一定の矩形状とされている。また、ブレース本体50は、一般的な炭素鋼や極軟鋼が用いられる。
ブレース本体50の両端部50a,50bには、それぞれ端部50aの両面から直交する方向に立ち上がるようリブプレート21が溶接されていて、ブレース本体50の両端部50a,50bにおける横断面形状は十字形をなすものとされている。
ブレース本体50の長さ方向Lの中央部には、ブレース本体50の幅方向Wの中央部に位置して、長さ方向Lに沿って間隔を隔てて複数の開口部52が形成されている。開口部22は、例えば図4に示した円形の他、長手方向Lを長径とした長円形や楕円形等とすることができる。
これら開口部52のうち、長手方向Lに沿った両端に位置する開口部52,52は、リブプレート21の先端部21aとの間に、ブレース本体50の長さ方向Lに沿って所定長の間隙を有している。
ブレース本体50において、これら開口部52が形成されている領域は、他の部分に比較して断面積が小さくなっており、所定軸力を受けた際には他の部分に先行して降伏する降伏部53を形成している。この降伏部53により、ブレース本体50が、建物の振動を減衰させるダンパーとして機能するものとなっている。
また、降伏部53において、長手方向Lに沿って互いに前後する開口部52,52の間には、幅方向Wにおいて開口部52を挟んだ一方の側と他方の側でブレース本体50どうしを連結する連結部54が形成されている。
以上の構成のもとに、本実施形態のブレースダンパー10Bは建物を補強するブレースとしての機能と、建物の振動を減衰するダンパーとしての機能を併せ持つ。したがってブレースダンパー10Bを建物に設置することで、建物に対する優れた補剛効果と振動エネルギー吸収効果とを同時に得ることができる。
すなわち、このブレースダンパー10Bは、ブレース本体50が通常のブレースと同様に機能し、特に拘束部材30がブレース本体50の面外座屈を有効に防止して優れた座屈強度を有するものである。また、このブレースダンパー10Bは、その中央部に開口部52を形成することによって断面積を小さくして降伏部23を設定していることから、所定軸力を受けた際には降伏部23が先行して降伏して鋼材ダンパーとして優れた減衰効果が得られるものとなっている。
また、ブレース本体50は、一方の端部50aから他方の端部50bまで、その幅方向Wの寸法が一定であるので、拘束部材30との一体性が損なわれることもない。また、このブレース本体50を鋼板材料から切り出す時にも、材料の無駄を抑え、材料歩留まりを向上させることができる。
降伏部53は、ブレース本体50の幅方向Wの中央部に、長さ方向Lに沿って間隔を隔てて形成された複数の開口部52によって構成されている。これにより、降伏部23において、ブレース本体50の幅方向の両側に、拘束部材30との間に隙間が存在することがなく、したがって、降伏部53で、ブレース本体50が面内の外側方向に座屈するのを防ぐことができる。
降伏部53において、長手方向Lに沿って形成された複数の開口部52によって構成することで、互いに前後する開口部52,52の間には、幅方向Wにおいて開口部52を挟んだ一方の側と他方の側でブレース本体50どうしを連結する連結部54が形成されている。このため、降伏部53の幅方向内側への過大な変形を確実に防止し、それによってブレースダンパー10Bの全長が長いような場合であっても降伏部53での面内座屈を抑制して大型のブレースダンパー10Bとしても支障なく適用できるものとなっている。
また、補剛材を設ける必要がないことから、部品点数増加およびそれによるコスト増を最低限に抑えることができる。
さらに、ブレース本体50の両端部50a,50bに設けられたそれぞれリブプレート21は、開口部52との間に所定長の間隙を有している。このため、繰り返し荷重が作用しても、リブプレート21の先端部21aの溶接部分に応力が集中して亀裂が生じるのを防ぎ、ダンパー性能を安定して発揮させることができる。
このようにして、ブレース本体50の面内の外側方向への座屈を有効に防ぐとともに、高いダンパー性能を有し、しかも低コストで形成することのできるブレースダンパー10Bを提供することが可能となっている。
(その他の実施形態)
なお、本発明のブレースダンパーは、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、拘束部材30については、所要の機能を果たすことができるのであれば、いかなる構成としてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10A,10B ブレースダンパー
20 ブレース本体
20a,20b 端部
21 リブプレート
21a 先端部
22 開口部
22a,22b 両端部
23 降伏部
30 拘束部材
31 溝形鋼
31a ウェブ部
31b フランジ部
32 カバープレート
35 補剛材
40 ボルト
41 長孔
50 ブレース本体
50a,50b 両端部
52 開口部
53 降伏部
54 連結部
L 長さ方向
W 幅方向

Claims (4)

  1. 建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、
    両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体と、
    前記ブレース本体の周囲に装着されることにより該ブレース本体の軸方向変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材と、を備え、
    前記ブレース本体は、一方の端部から他方の端部までが一定の幅を有し、かつ前記一方の端部と前記他方の端部との間に、該ブレース本体の幅方向中間部に開口部が形成されることで所定軸力を受けた際に先行して降伏する降伏部が形成されるとともに、
    前記ブレース本体の両端部に、該ブレース本体の表面に直交するリブプレートが設けられ、前記リブプレートと前記開口部とが、前記長手方向に間隔を隔てて形成されていることを特徴とするブレースダンパー。
  2. 前記開口部は、前記ブレース本体の長手方向に沿って連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブレースダンパー。
  3. 前記拘束部材には、前記ブレース本体の前記開口部内に位置して前記降伏部の幅方向への変形を拘束して面内座屈を防止する補剛材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のブレースダンパー。
  4. 前記開口部は、前記ブレース本体の長手方向に沿って間隔を隔てて複数個が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブレースダンパー。
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KR102311233B1 (ko) * 2020-11-27 2021-10-13 광운대학교 산학협력단 목구조 건축물 지진 발생 시 2차 변형 제어를 위한 긴급 보강 강재이력댐퍼

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