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JP2015099311A - ネガ型レジストパターン形成方法 - Google Patents

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JP2015099311A JP2013239868A JP2013239868A JP2015099311A JP 2015099311 A JP2015099311 A JP 2015099311A JP 2013239868 A JP2013239868 A JP 2013239868A JP 2013239868 A JP2013239868 A JP 2013239868A JP 2015099311 A JP2015099311 A JP 2015099311A
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Natsumi Kitano
奈津実 北野
雅史 堀
Masafumi Hori
雅史 堀
拡 宮田
Hiromu Miyata
拡 宮田
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Abstract

【課題】現像欠陥を抑制し、かつレジストパターンの更なる微細化を実現し得るネガ型レジストパターン形成技術を提供すること。
【解決手段】(1)感放射線性樹脂組成物を用いるレジスト被膜形成工程、(2)露光工程、及び(3)有機溶媒を含有する現像液を用いる現像工程、を行うネガ型レジストパターン形成方法であって、前記感放射線性樹脂組成物が、酸解離性基を有するアクリレート由来の構造単位(I)、酸解離性基を有するメタクリレート由来の構造単位(II)、及びヒドロキシ基、カルボキシ基、もしくはオキソ基を含む構造単位、又は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、もしくはスルトン構造を有する構造単位(III)、を有する[A]重合体成分を含有するレジストパターン形成方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ネガ型レジストパターン形成方法に関する。より詳しくは、有機溶媒を含有する現像液を用いて現像を行うネガ型レジストパターン形成方法に関する。
集積回路素子等を製造する微細加工の分野などにおいて、フォトレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成するフォトリソグラフィの技術が利用されている。具体的には、フォトレジスト組成物により基板上にレジスト膜を形成し、マスクパターンを介してそのレジスト膜にKrFエキシマレーザー(波長248nm)やArFエキシマレーザー(波長193nm)等に代表される短波長の放射線を照射し、露光部と非露光部とからなるレジストパターンを形成することが行われている。
近年では、より微細なレジストパターンの形成が要求され、レジスト膜とレンズの間に液体を満たして露光を行う液浸露光法の利用が拡大しつつある。この液浸露光法では、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合と同様の高い解像性が得られるという利点がある。
例えば、特許文献1には、LWR、DOFが改良され、線幅45nm以下の液浸プロセスにも適合した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いたレジスト膜及びパターン形成方法が提案されている。
前記特許文献1の技術は、所謂「ポジ型」と呼ばれるレジストパターン形成方法を採用した技術である。ポジ型のレジストパターン形成方法は、現像液を選択することにより露光部の現像液に対する溶解性が増大された部分のみを除去する方法であり、液浸露光などによりパターンの微細化技術が進歩しているものの、更なる微細化が求められているという実情もある。
一方、ポジ型とは逆に、現像液を選択することにより露光部の現像液に対する溶解性を低下させ、現像後に露光部を残す、所謂「ネガ型」と呼ばれるレジストパターン形成方法も注目されている。ネガ型のレジストパターン形成方法は、現像後に露光部を残す方法であるため、パターンの更なる微細化にも十分に対応し得る技術である。
ネガ型レジストパターン形成技術に関し、例えば、特許文献2には、有機溶媒を含む現像液を用いた場合において、残渣の発生を抑制し、リソグラフィー特性に優れる感放射線性樹脂組成物が提案されている。
特開2012−242657号公報 特開2008−292975号公報
上述の通り、近年、集積回路素子等のデバイスの更なる微細化が進み、レジストパターンについても更なる微細化が求められている。それに伴い、要求されるパターン形成工程のマージン、現像欠陥の抑制レベルも更に高くなるなど、レジストパターン形成に要求される技術レベルも高まってきている。
そこで、本発明では、現像欠陥を抑制し、かつレジストパターンの更なる微細化を実現し得るネガ型レジストパターン形成技術を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、上記課題を解決するために感放射線性樹脂組成物の組成に着目して鋭意研究を行った結果、含有させる重合体成分の骨格構造及び成分構成が、リソグラフィー特性の向上に寄与することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明では、(1)感放射線性樹脂組成物を用いるレジスト被膜形成工程、
(2)露光工程、及び
(3)有機溶媒を含有する現像液を用いる現像工程、
を行うネガ型レジストパターン形成方法であって、
前記感放射線性樹脂組成物が、
酸解離性基を有するアクリレート由来の構造単位(I)、
酸解離性基を有するメタクリレート由来の構造単位(II)、及び
ヒドロキシ基、カルボキシ基、もしくはオキソ基を含む構造単位、又は、
ラクトン構造、環状カーボネート構造、もしくはスルトン構造を有する構造単位(III)、
を有する[A]重合体成分を含有するネガ型レジストパターン形成方法を提供する。
本発明に係るネガ型レジストパターン形成方法(以下「パターン形成方法」ともいう。)では、前記構造単位(III)として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はオキソ基で置換されたアダマンタン骨格を有する構造単位、ラクトン構造を有する構造単位、及び環状カーボネート構造を有する構造単位、からなる群より少なくとも1種、選択することができる。
また、前記構造単位(III)として、(メタ)アクリレート由来の構造単位を用いることができる。
更に、前記構造単位(III)として、ラクトン構造を含む構造単位を用いることができる。
本発明に係るネガ型レジストパターン形成方法では、前記[A]重合体成分中に、前記構造単位(I)及び前記構造単位(II)を、合計で40〜60mol%含有させることができる。
また、前記[A]重合体成分中に、アクリレート由来の構造単位を、10〜40mol%含有させることができる。
更に、前記[A]重合体成分には、前記構造単位(I)及び前記構造単位(II)を含む重合体[A−12]を含有させることも可能である。
本発明によれば、レジストパターン形成時におけるDOF(Depth Of Focus)及び感度の向上やパターン倒れの抑制を可能とし、レジストパターンの更なる微細化に貢献することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明が、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<レジストパターン形成方法>
本発明に係るパターン形成方法は、(1)感放射線性樹脂組成物を用いるレジスト被膜形成工程、(2)露光工程、及び、(3)有機溶媒を含有する現像液を用いる現像工程、を行うネガ型レジストパターン形成方法であって、前記感放射線性樹脂組成物として、後述する特定の構成の感放射線性樹脂組成物を用いる方法である。以下、各工程および感放射線性樹脂組成物について、詳細に説明する。
[(1)レジスト被膜形成工程]
(1)レジスト被膜形成工程は、後述する感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程である。本発明で用いることができる基板の種類は特に限定されず、一般的なレジストパターン形成方法に用いることができる基板を自由に選択して用いることができる。例えば、シリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の基板が挙げられる。塗布方法としては、例えば、回転塗布、流延塗布、及びロール塗布等が挙げられる。形成されるレジスト膜の膜厚としては、0.01μm〜1μmが好ましく、0.01μm〜0.5μmがより好ましい。
感放射線性樹脂組成物を塗布した後、必要に応じてプレベーク(PB)によって塗膜中の溶媒を揮発させてもよい。PBの条件は感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選択できるが、PB温度としては、通常30℃〜200℃であり、50℃〜150℃が好ましい。PB時間としては、通常5〜600秒であり、10〜300秒が好ましい。
当該レジストパターン形成方法においては、例えば、特開昭59−93448号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成してもよい。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば、特開平5−188598号公報等に開示されているように、レジスト膜上に保護膜を設けてもよい。さらに、液浸露光を行う場合、レジスト膜からの酸発生剤等の流出を防止するため、例えば、特開2005−352384号公報等に開示されているように、レジスト膜上に液浸用保護膜を設けることもできる。これらの技術は併用することもできる。
[(2)露光工程]
(2)露光工程は、前記(1)レジスト被膜形成工程で形成されたレジスト膜の所望の領域に露光を行う工程である。露光は、特定パターンのマスク、及び必要に応じて液浸液を介して縮小投影することにより行うことができる。例えば、所望の領域にアイソラインパターンマスクを介して縮小投影露光を行うことにより、アイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は所望のパターンとマスクパターンによって2回以上行ってもよい。2回以上露光を行う場合、露光は連続して行うことが好ましい。複数回露光する場合、例えば所望の領域にラインアンドスペースパターンマスクを介して第1の縮小投影露光を行い、続けて第1の露光を行った露光部に対してラインが交差するように第2の縮小投影露光を行う。この際、第1の露光部と第2の露光部とは直交することが好ましい。直交することにより、露光部で囲まれた未露光部において円形状のコンタクトホールパターンが形成しやすくなる。
液浸露光を行う場合の液浸液としては、例えば、水、長鎖又は環状の脂肪族化合物等が挙げられる。露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましく、蒸留水、又は超純水が好ましい。
露光に用いる露光光としては、後述する感放射線性樹脂組成物中の[C]酸発生体の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、及びX線等の電磁波;電子線及びα線等の荷電粒子線等が挙げられる。これらの中でも、遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)がより好ましく、ArFエキシマレーザー光がさらに好ましい。また、露光量等の露光条件は、後述する感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選択することができる。また、露光工程を複数回行う場合には、複数回の露光は同じ光源を用いても、異なる光源を用いても良いが、1回目の露光にはArFエキシマレーザー光を用いることが好ましい。
本発明に係るパターン形成方法では、露光後にポストエクスポージャーベーク(PEB)を行うことが好ましい。PEBを行うことにより、後述する感放射線性樹脂組成物に含まれる酸解離性基の解離反応を円滑に進行させることができる。PEBの条件としては、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜調整することができるが、PEB温度としては、通常30℃〜200℃であり、50℃〜170℃が好ましい。PEB時間としては、通常5〜600秒であり、10〜300秒が好ましい。
[(3)現像工程]
(3)現像工程では、前記(2)露光工程において露光されたレジスト膜を現像して所定のレジストパターンを形成する工程である。現像液としては、有機溶媒を含有する現像液を用いる。現像液中の有機溶媒の含有量は、未露光部及び低露光部を選択的に溶解・除去させることができれば、後述する感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量を上記特定の範囲とすることにより、露光部、未露光部間の溶解コントラストを向上させることができ、その結果、LWRに優れたパターンを形成することができる。なお、有機溶媒以外の成分としては、例えば、水、シリコンオイル等が挙げられる。
用いる有機溶媒の種類は特に限定されず、一般的なネガ型現像液に用いることが可能な有機溶媒を1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば、
n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらのうち、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒が好ましく、その中でも、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、アニソール、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトンが好ましく、酢酸ブチルがより好ましい。これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
現像方法も特に限定されず、一般的なネガ型現像で行う方法を用いることができる。例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
本発明に係るパターン形成方法では、(3)現像工程の後に、レジスト膜をリンス液により洗浄するリンス工程を行うことが好ましい。リンス工程で用いるリンス液の種類も特に限定されず、一般的なパターン形成方法のリンス工程で用いることが可能なリンス液を自由に選択して用いることができ、例えば、有機溶媒を使用することができる。リンス液として、有機溶媒を使用することで、発生したスカムを効率よく洗浄することができる。
リンス液として使用する有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒等が好ましい。これらのうちアルコール系溶媒、エステル系溶媒がより好ましく、アルコール系溶媒がより好ましい。上記アルコール系溶媒のうち、炭素数6〜8の1価のアルコール系溶媒がさらに好ましい。
リンス液の各成分は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。リンス液中の含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。また、リンス液には界面活性剤を添加することもできる。
リンス工程における洗浄処理の方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
<感放射線性樹脂組成物>
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物は、特定の構成の[A]重合体成分を含有することを特徴とする。その他、本発明の目的を損なわない範囲において、必要に応じて、[B]フッ素原子含有重合体、[C]酸発生体、[D]酸拡散制御体、[E]溶媒、[F]その他任意成分、を含有させることができる。以下、各成分について、詳細に説明する。
[[A]重合体成分]
[A]重合体成分は、酸解離性基を有するアクリレート由来の構造単位(I)、酸解離性基を有するメタクリレート由来の構造単位(II)、及び、ヒドロキシ基、カルボキシ基、もしくはオキソ基を含む構造単位、又は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、もしくはスルトン構造を有する構造単位(III)、を有する。この[A]重合体成分は、本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物を形成する全重合体に対して、50質量%以上を占める主成分として用いられることが好ましい。
本願発明者らは、酸解離性基を有するアクリレート由来の構造単位(I)が、レジストパターン形成時におけるDOFの向上に寄与することを見出した。これは、アクリル樹脂の現像液に対する溶解速度の速さによると考えられる。現像液に対する溶解速度が速いと、前記(2)露光工程における露光量が少ない部分も、前記(3)現像工程において、現像液によって溶解・除去することができ、これがDOFの向上につながると考えられる。一方、アクリレート由来の構造単位のみでは、未露光部におけるレジスト膜残りが発生することが分かった。そこで、アクリレート由来の構造単位とメタクリレート由来の構造単位とを併用することが、DOFを向上させつつ現像欠陥を抑制するには重要であることを突き止めた。
また、本願発明者らは、酸解離性基を有する構造単位としてメタクリレート由来の構造単位のみを用いた場合に比べ、アクリレート由来の構造単位を併用した場合の方が、露光部・未露光部間の溶解コントラストが向上し、これもまた、現像欠陥の抑制につながることも見出した。これは、酸解離性基を有するアクリル樹脂の現像液への溶解速度が、露光量の違いによって急激に変化する性質を有するためと考えられる。
更に、酸解離性基を有する構造単位としてメタクリレート由来の構造単位のみを用いた場合に比べ、アクリレート由来の構造単位を併用した場合の方が、パターン倒れの抑制効果を向上させることも見出した。これは、酸解離性基を有する構造単位としてメタクリレート由来の構造単位のみを用いた場合に比べ、アクリレート由来の構造単位を併用した場合の方が、ガラス転移温度(Tg)が下がるためと考えられる。Tgが下がると、後述する[C]酸発生体から発生する酸が拡散し易くなり、露光部の脱保護が促進される。その結果、現像液への耐性が向上し、露光部の膜減りを抑制することができ、パターン倒れを抑制することができる。
加えて、[A]重合体成分がヒドロキシ基、カルボキシ基、もしくはオキソ基を含む構造単位、又は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、もしくはスルトン構造を有する構造単位(III)を有することで、露光部の現像液への溶解を抑制するため膜べりを抑制すること、[A]重合体成分の極性が高まり酸の拡散長を制御することができる。
〔構造単位(I)〕
構造単位(I)は、酸解離性基を有するアクリレート由来の構造単位である。ここで、「酸解離性基」とは、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基等の極性基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。なお、この「酸」としては、露光により、後述する[C]酸発生体から発生した酸を用いることができる。
構造単位(I)は、アクリレート由来であり、かつ、酸解離性基を有する構造単位であればよく、その酸解離性基の構造、位置、数等は特に限定されない。また、[A]重合体成分には、1種又は2種以上の構造単位(I)を自由に組み合わせて用いることも可能である。
構造単位(I)としては、例えば、下記式(1)で表される構造単位(1)を用いることができる。
Figure 2015099311
構造単位(I)として前記構造単位(1)を有することで、感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンのパターン形状がより良好になる。また、構造単位(1)を有する重合体は、比較的容易に合成することができる。
上記式(1)中、Rは、水素原子であり、この水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
上記式(1)中のYは、下記式(Y−1)で表される酸解離性基である。
Figure 2015099311
上記式(Y−1)中、Rp1、Rp2及びRp3は、それぞれ独立して、炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価の脂肪族環状炭化水素基である。また、Rp2及びRp3が互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環状炭化水素基を形成している。
上記Rで表される水素原子を置換するハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
上記式(Y−1)におけるRp1、Rp2及びRp3で表される炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、1価の飽和鎖状炭化水素基及び不飽和鎖状炭化水素基等が挙げられる。この1価の鎖状炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよい。
上記Rp1、Rp2及びRp3としては、1価の飽和鎖状炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基が好ましく、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−ペンチル基がより好ましい。
上記式(Y−1)におけるRp1、Rp2及びRp3で表される炭素数4〜20の1価の脂肪族環状炭化水素基としては、例えば、1価の単環式飽和環状炭化水素基、単環式不飽和環状炭化水素基、多環式飽和環状炭化水素基、及び多環式不飽和環状炭化水素基等が挙げられる。
1価の単環式飽和環状炭化水素基の具体例としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。
1価の単環式不飽和環状炭化水素基の具体例としては、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、及びシクロヘキセニル基等が挙げられる。
1価の多環式飽和環状炭化水素基の具体例としては、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、及びテトラシクロドデシル基等が挙げられる。
1価の多環式不飽和環状炭化水素基の具体例としては、ノルボルネニル基、及びトリシクロデセニル基等が挙げられる。
これらの中で、1価の単環式飽和環状炭化水素基、1価の多環式飽和環状炭化水素基が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基がより好ましく、シクロヘキシル基、アダマンチル基がさらに好ましい。
上記Rp2及びRp3が互いに結合してそれらが結合している炭素原子と共に形成する2価の脂肪族環状炭化水素基としては、例えば、2価の単環式飽和環状炭化水素基、単環式不飽和環状炭化水素基、多環式飽和環状炭化水素基、及び多環式不飽和環状炭化水素基等が挙げられる。
2価の単環式飽和環状炭化水素基の具体例としては、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘキサンジイル基、及びシクロオクタンジイル基等が挙げられる。
2価の単環式不飽和環状炭化水素基の具体例としては、シクロブテンジイル基、シクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基等が挙げられる。
2価の多環式飽和環状炭化水素基の具体例としては、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基、及びテトラシクロドデカンジイル基等が挙げられる。
2価の多環式不飽和環状炭化水素基の具体例としては、ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基、及びテトラシクロドデセンジイル基等が挙げられる。
これらの中では、2価の単環式飽和環状炭化水素基、2価の多環式飽和環状炭化水素基が好ましく、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基がより好ましく、シクロペンタンジイル基、アダマンタンジイル基がさらに好ましい。
以上説明した構造単位(1)の具体例としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−4)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015099311
上記式(1−1)〜(1−4)中、Rは、上記式(1)と同義であり、Rp1、Rp2及びRp3は、上記式(Y−1)と同義である。上記式(1−1)及び(1−4)中のnは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
上記式(1−1)〜(1−4)で表される構造単位の具体例としては、例えば、下記式(化4及び化5)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015099311
Figure 2015099311
上記式(化4及び化5)中、Rは、上記式(1)と同義である。
[A]重合体成分における構造単位(I)の含有割合としては、[A]重合体成分を構成する全構造単位に対して、5〜50mol%が好ましく、10〜40mol%がより好ましい。構造単位(I)の含有割合を前記範囲とすることで、DOF及び露光部・未露光部間の溶解コントラストが更に向上し、また露光部の膜減り及びパターン倒れを更に抑制することができる。
〔構造単位(II)〕
構造単位(II)は、酸解離性基を有するメタクリレート由来の構造単位である。構造単位(II)は、メタクリレート由来であり、かつ、酸解離性基を有する構造単位であればよく、その酸解離性基の構造、位置、数等は特に限定されない。また、[A]重合体成分には、1種又は2種以上の構造単位(II)を自由に組み合わせて用いることも可能である。
構造単位(II)としては、例えば、下記式(化6)で表される構造単位(2)を用いることができる。
Figure 2015099311
構造単位(II)として前記構造単位(2)を有することで、酸解離性基の解離容易性が高まり、その結果、感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンのパターン形状がより良好になる。また、構造単位(2)を有する重合体は、比較的容易に合成することができる。
上記式(2)中、Rはメチル基であり、このメチル基の有する水素原子の一部又は全部はハロゲン原子で置換されていてもよい。
上記式(2)中のYは、前述した構造単位(1)と同一のため、ここでは説明を省略する。
構造単位(2)の具体例としては、例えば、下記式(2−1)〜(2−4)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015099311
上記式(2−1)〜(2−4)中、Rは、上記式(2)と同義であり、Rp1、Rp2及びRp3は、上記式(Y−1)と同義である。上記式(2−1)及び(2−4)中のnは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
上記式(2−1)〜(2−4)で表される構造単位の具体例としては、例えば、下記式(化8及び化9)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015099311
Figure 2015099311
上記式(化8及び化9)中、Rは、上記式(2)と同義である。
[A]重合体成分における構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体成分を構成する全構造単位に対して、10〜60mol%が好ましく、20〜50mol%がより好ましい。構造単位(II)の含有割合を前記範囲とすることで、現像欠陥を更に抑制することができる。
また、[A]重合体成分における構造単位(I)及び構造単位(II)の合計含有割合としては、[A]重合体成分を構成する全構造単位に対して、40〜60mol%が好ましく、45〜60mol%がより好ましい。構造単位(II)の含有割合を前記範囲とすることで、現像欠陥を更に抑制することができる。
〔構造単位(III)〕
構造単位(III)は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、もしくはオキソ基を含む構造単位(3−1)、又は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、もしくはスルトン構造を有する構造単位(3−2)である。ここで、ラクトン構造とは、−O−C(O)−構造を含む一つの環(ラクトン環)を含有する環式構造を表す。環状カーボネート構造とは、−O−C(O)−O−で表される結合を含む一つの環(環状カーボネート環)を含有する環式構造を表す。スルトン構造とは、−O−SO−で表される構造を含むひとつの環(スルトン環)を含有する構造をいう。なお、ラクトン環、環状カーボネート環又はスルトン環を1つめの環として数え、ラクトン環、環状カーボネート環又はスルトン環のみの場合は単環式構造、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式構造という。
構造単位(III)に含有する前記の各基又は前記構造の具体的構造、位置、数等は特に限定されない。また、構造単位(III)には、2種以上の前記基又は前記構造を有していてもよい。更に、[A]重合体成分には、1種又は2種以上の構造単位(III)を自由に組み合わせて用いることも可能である。
ヒドロキシ基、カルボキシ基、もしくはオキソ基を含む構造単位(3−1)としては、例えば、下記式(化10)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015099311
上記式(化10)中、R31は、水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を表す。
ラクトン構造、環状カーボネート構造、もしくはスルトン構造を有する構造単位(3−2)としては、例えば、下記式(化11及び化12)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015099311
Figure 2015099311
上記式(化11及び化12)中、R32は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
以上説明した構造単位(III)としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はオキソ基で置換されたアダマンタン骨格を有する構造単位(例えば、上記式(化10)中の構造単位(3−1−1,2,4,6,12)など)、ラクトン構造を有する構造単位(例えば、上記式(化11及び化12)中の構造単位(3−2−1〜7,9〜11,14)など)、及び環状カーボネート構造を有する構造単位(例えば、上記式(化11及び化12)中の構造単位(3−2−8,15,16)など)から1種又は2種以上用いることが好ましく、ラクトン構造を有する構造単位を1種又は2種以上用いることがより好ましい。これらを選択することで、[A]重合体成分の極性が高まり露光部の膜べりを抑えることができる。また、程よい剛直性と嵩高さにより酸の拡散長を制御することができる。
[A]重合体成分における構造単位(III)の含有割合としては、[A]重合体成分を構成する全構造単位に対して、20〜60mol%が好ましく、20〜40mol%がより好ましい。構造単位(III)の含有割合を前記範囲とすることで、現像欠陥を更に抑制することができる。
〔他の構造単位〕
[A]重合体成分には、構造単位(I)〜(III)以外の他の構造単位として、本発明の効果を損なわない限り、極性基を含む他の構造単位等を更に含有させてもよい。[A]重合体成分に極性基を含む他の構造単位を更に含有させることで、[A]重合体成分と、後述する[C]酸発生体等の他の成分との相溶性が向上させることができ、その結果、現像欠陥を更に抑制することができる。
以上説明した[A]重合体成分中には、アクリレート由来の構造単位が、5〜50mol%含まれることが好ましく、10〜40mol%含まれることがより好ましい。[A]重合体成分中に含まれるアクリレート由来の構造単位の割合を前記範囲とすることで、DOF及び露光部・未露光部間の溶解コントラストが更に向上し、また露光部の膜減り及びパターン倒れを更に抑制することができる。
また、[A]重合体成分は、構造単位(I)〜(III)を含む重合体を含んでもよいし、構造単位(I)〜(III)から選ばれる1種又は2種を含む重合体をブレンドしてもよい。即ち、[A]重合体成分は、構造単位(I)〜(III)を全て含む重合体[A−123]、構造単位(I)を含む重合体[A−1]と構造単位(II)を含む重合体[A−2]と構造単位(III)を含む重合体[A−3]とのブレンド、構造単位(I)及び(II)を含む重合体[A−12]と重合体[A−3]とのブレンド、重合体[A−1]と構造単位(II)及び(III)を含む重合体[A−23]とのブレンド、構造単位(I)及び(III)を含む重合体[A−13]と重合体[A−2]とのブレンド等であってもよい。
[[A]重合体成分の合成方法]
[A]重合体成分は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系ラジカル重合開始剤、及び過酸化物系ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
アゾ系ラジカル重合開始剤の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。
過酸化物系ラジカル重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、及びクメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
これらの中で、アゾ系ラジカル重合開始剤が好ましく、AIBN、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートがより好ましく、AIBNがさらに好ましい。これらのラジカル開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
[A]重合体成分の重合に使用される溶媒としては、例えばアルカン類、シクロアルカン類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、飽和カルボン酸エステル類、ケトン類、エーテル類、及びアルコール類等が挙げられる。
アルカン類の具体例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、及びn−デカン等が挙げられる。
シクロアルカン類の具体例としては、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、及びノルボルナン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、及びクメン等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素類の具体例としては、クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、及びクロロベンゼン等が挙げられる。
飽和カルボン酸エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、及びプロピオン酸メチル等が挙げられる。
ケトン類の具体例としては、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、及び2−ヘプタノン等が挙げられる。
エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、及びジエトキシエタン類等が挙げられる。
アルコール類等の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及び4−メチル−2−ペンタノール等が挙げられる。
上記溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
重合する際の反応温度としては、通常40℃〜150℃であり、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間であり、1時間〜24時間が好ましい。
[A]重合体成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜50,000がより好ましく、3,000〜30,000がさらに好ましい。[A]重合体成分のMwを上記特定範囲とすることで、膜減りを抑制し、現像欠陥を更に抑制することができる。
[A]重合体成分のMwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)としては、通常1〜5であり、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。Mw/Mnをこのような特定範囲とすることで、膜減りを抑制し、現像欠陥を更に抑制することができる。
なお、本明細書において、重合体のMw及びMnは、ゲルパーミーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件により測定された値である。
(GPCによる測定条件)
・GPCカラム:東ソー製、G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本
・カラム温度:40℃
・溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製)
・流速:1.0mL/分
・試料濃度:1.0質量%
・試料注入量:100μL
・検出器:示差屈折計
・標準物質:単分散ポリスチレン
[[B]フッ素原子含有重合体]
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物は、[B]フッ素原子含有重合体(以下、「[B]重合体」ともいう)を含有することが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物に[B]重合体を含有させることで、レジスト膜を形成した際に、[B]重合体の撥水性的特徴により、その分布がレジスト膜表層に偏在化する傾向があるため、液浸露光時において、後述する[C]酸発生剤や[D]酸拡散制御剤等の液浸媒体への溶出を抑制することができる。また、[B]重合体の撥水性的特徴により、レジスト被膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制することができる。更に、レジスト被膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように、当該感放射線性樹脂組成物に[B]重合体を含有させることにより、特に、液浸露光法に好適なレジスト被膜を形成することができる。なお、[B]重合体としては、[A]重合体成分に該当する重合体は除かれるものとする。
本発明で用いることができる[B]フッ素原子含有重合体としては、フッ素原子を有している限り、特に限定されないが、[A]重合体成分よりフッ素原子含有率(質量%)が高いことが好ましい。[A]重合体成分よりフッ素原子含有率が高いことで、上述の偏在化の度合いがより高くなり、得られるレジスト被膜の撥水性及び溶出抑制性等の特性が向上する。
[B]フッ素原子含有重合体は、フッ素原子を構造中に含む単量体を1種類以上重合することにより形成することができる。フッ素原子を構造中に含む単量体としては、主鎖にフッ素原子を含む単量体、側鎖にフッ素原子を含む単量体、主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む単量体が挙げられる。
主鎖にフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えば、α−フルオロアクリレート化合物、α−トリフルオロメチルアクリレート化合物、β−フルオロアクリレート化合物、β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、α,β−フルオロアクリレート化合物、α,β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、1種類以上のビニル部位の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基等で置換された化合物等が挙げられる。
側鎖にフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えば、ノルボルネンのような脂環式オレフィン化合物の側鎖にフッ素原子又はフルオロアルキル基やその誘導基を有するもの、アクリル酸又はメタクリル酸のフルオロアルキル基やその誘導基を有するエステル化合物、1種類以上のオレフィンの側鎖(二重結合を含まない部位)がフッ素原子又はフルオロアルキル基やその誘導基を有するもの等が挙げられる。
主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えば、α−フルオロアクリル酸、β−フルオロアクリル酸、α,β−フルオロアクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、β−トリフルオロメチルアクリル酸、α,β−トリフルオロメチルアクリル酸等のフルオロアルキル基やその誘導基を有するエステル化合物、1種類以上のビニル部位の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基等で置換された化合物の側鎖をフッ素原子又はフルオロアルキル基やその誘導基で置換したもの、1種類以上の脂環式オレフィン化合物の二重結合に結合している水素原子をフッ素原子又はトリフルオロメチル基等で置換し、かつ側鎖にフルオロアルキル基やその誘導基を有するもの等が挙げられる。なお、この脂環式オレフィン化合物とは、環の一部が二重結合である化合物をいう。
[B]フッ素原子含有重合体が有する構造単位としては、下記式(F1)で表される構造単位(以下、「構造単位(F1)」ともいう)が挙げられる。
Figure 2015099311
上記式(F1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合又は2価の連結基である。Rは、少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導基である。
上記Aで表される2価の連結基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニルアミド基、ウレタン基等が挙げられる。
上記構造単位(F1)を与える好ましい単量体としては、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6
9,6−オクタフルオロヘキシル)(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
[B]フッ素原子含有重合体における構造単位(F1)の含有率としては、通常5モル%以上であり、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。構造単位(F1)の含有率が5モル%未満であると、後退接触角が70度未満となり、レジスト膜からの酸発生剤等の溶出を抑制できない等の不都合が発生するおそれがある。なお、[B]重合体は、構造単位(F1)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
[B]フッ素原子含有重合体は、上述のフッ素原子を構造中に有する構造単位以外にも、例えば、現像液に対する溶解速度をコントールするために酸解離性基を含む構造単位や、ラクトン基、環状カーボネート基又はスルトン基を含む構造単位、水酸基等を含む構造単位、脂環式基等を含む構造単位、基板からの反射による光の散乱を抑えるために芳香族化合物に由来する構造単位等の「他の構造単位」を1種類以上含有させることができる。
前記酸解離性基を含む構造単位としては、[A]重合体成分の構造単位(I)及び(II)と同様の構造単位が挙げられる。前記ラクトン基、環状カーボネート基又はスルトン基を含む構造単位としては、[A]重合体成分の構造単位(III)と同様の構造単位が挙げられる。
[B]フッ素原子含有重合体において、これらの他の構造単位の含有率としては、通常80モル%以下であり、75モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましい。
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物における[B]フッ素原子含有重合体の含有量としては、[A]重合体成分100質量部に対して、0〜50質量部が好ましく、0〜20質量部がより好ましく、1〜10質量部が更に好ましく、2〜8質量部が特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物における[B]フッ素原子含有重合体の含有量を前記範囲に設定することで、得られるレジスト被膜表面の撥水性及び溶出抑制性を更に高めることができる。
[[B]フッ素原子含有重合体の合成方法]
[B]フッ素原子含有重合体は、例えば、所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。なお、[B]重合体の合成に使用される重合開始剤、溶媒等としては、上記[A]重合体成分の合成方法において例示したものと同様のものを挙げることができる。
重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[B]フッ素原子含有重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜50,000がより好ましく、3,000〜30,000が特に好ましい。[B]重合体のMwを前記範囲とすることで、レジストした際の現像性を向上させることができる。
[B]フッ素原子含有重合体のMwとGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)としては、通常1〜3であり、好ましくは1〜2.5である。
[[C]酸発生体]
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物は、露光により酸を発生する性質を有する[C]酸発生体を含有することが好ましい。[C]酸発生体により発生した酸により、露光領域においては、前述の[A]重合体成分中の酸解離性基が解離し、カルボキシ基等の極性基が生成するため、それら重合体は有機溶媒を含有する現像液に難溶性又は不溶性となる。当該感放射線性樹脂組成物における[C]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、「[C]酸発生剤」ともいう。)でも、酸発生基として、[A]重合体成分や[B]フッ素原子含有重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[C]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、及びジアゾケトン化合物等が挙げられる。
上記オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
上記スルホニウム塩の具体例としては、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムアダマンチル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、及び4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
上記テトラヒドロチオフェニウム塩の具体例としては、例えば、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、及び1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
上記ヨードニウム塩の具体例としては、例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、及びビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
上記N−スルホニルオキシイミド化合物の具体例としては、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、及びN−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
上記[C]酸発生剤の中でも、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムアダマンチル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネートがさらに好ましい。
[C]酸発生体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。当該感放射線性樹脂組成物における[C]酸発生体の含有量としては、[C]酸発生体が[C]酸発生剤の場合、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体成分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましい。[C]酸発生体の含有量がかかる範囲であれば、感度及び現像性を高め易く、また、露光光に対する透明性が低下し難く、矩形のレジストパターンが得られ易くなる。
[[D]酸拡散制御体]
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物は、前述の[C]酸発生体と共に、[D]酸拡散制御体を含有することが好ましい。この[D]酸拡散制御体は、露光により、[C]酸発生剤から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を抑制し、未露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用が期待される成分である。
当該感放射線性樹脂組成物は、[D]酸拡散制御体を含有することで、形成されるレジストパターンのパターン形状や寸法忠実度を向上させることが可能となる。当該感放射線性樹脂組成物における[D]酸拡散制御体の含有形態としては、低分子化合物である酸拡散制御体の形態(以下、適宜、「[D]酸拡散制御剤」ともいう)でも、[A]重合体成分や[B]フッ素原子含有重合体等の重合体の一部として組み込まれた酸拡散制御基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[D]酸拡散制御剤としては、例えば下記式(D1)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(d1)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(d2)」ともいう)、窒素原子を3個以上有する化合物(以下、「含窒素化合物(d3)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物、酸解離性基を有する含窒素化合物等が挙げられる。
Figure 2015099311
上記式D1中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である。上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基の有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
含窒素化合物(d1)としては、例えば、n−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジn−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。これらの中では、芳香族アミン類が好ましく、ジイソプロピルアニリンがより好ましい。
含窒素化合物(d2)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(d3)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、及びトリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類の他、ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
酸解離性基を有する含窒素化合物としては、例えば、N−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン、N−(t−ブトキシカルボニル)イミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、及びN−(t−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
感放射線性樹脂組成物における[D]酸拡散制御体の含有量としては、[D]酸拡散制御体が[D]酸拡散制御剤の場合、感放射線性樹脂組成物の感度を良好にする観点から、前述の[A]重合体成分100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。[D]酸拡散制御剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
[[E]溶媒]
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物は、通常、[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は少なくとも前述の[A]重合体成分、所望により含有される[B]フッ素原子含有重合体、[C]酸発生体、[D]酸拡散制御体、及び後述する[F]その他任意成分を溶解又は分散できれば特に限定されない。[E]溶媒としては、前述したレジストパターン形成方法における(3)現像工程で用いたネガ型現像液に用いることが可能な有機溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
[[F]その他任意成分]
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物は、上記成分の他、必要に応じて、[F]その他任意成分として、偏在化促進剤、界面活性剤、脂環族化合物、増感剤、及び添加剤等を含有することができる。[F]その他任意成分は、同一又は異なる種類の任意成分を1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
〔偏在化促進剤〕
偏在化促進剤は、[B]フッ素原子含有重合体を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる作用を有するものである。感放射線性樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることでウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。その結果、LWR(Line Width Roughness)、現像欠陥、パターン倒れ耐性等のレジスト基本特性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になる。また、[B]フッ素原子含有重合体の含有量を従来よりも少なくすることもできる。
偏在化促進剤としては、例えば、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物等が挙げられる。このような化合物としては、例えば、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、及び多価アルコール等が挙げられる。
〔界面活性剤〕
界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の塗布性、現像性等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、及びポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
〔脂環式骨格含有化合物〕
脂環式骨格含有化合物は、感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンのドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す成分である。脂環式骨格含有化合物としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル]テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。
〔増感剤〕
増感剤は、[C]酸発生体に吸収される露光光のエネルギー以外のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを例えばラジカルのような形で[C]酸発生体に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すものであり、感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させることが可能となる。このような増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、及びフェノチアジン類等が挙げられる。
〔添加剤〕
その他添加材として、上記以外に、例えば染料、顔料、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を用いることも可能である。
[感放射線性樹脂組成物の調製]
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体成分、必要に応じて加えられる[B]フッ素原子含有重合体、[C]酸発生体、[D]酸拡散制御体、及び[F]その他任意成分を、所定の割合で混合することにより調製することができる。また、当該感放射線性樹脂組成物は、適当な[E]溶媒に溶解又は分散させた状態に調製することも可能である。更に、溶液又は分散液を、所定の孔径のフィルターでろ過して調製することも可能である。
本発明に係るパターン形成方法で用いる感放射線性樹脂組成物は、ハロゲンイオン、金属等の不純物の含有量が少ないほど好ましい。このような不純物の含有量を少なくすることで、当該感放射線性樹脂組成物組成物の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等をさらに向上させることができる。そのため、当該感放射線性樹脂組成物に含有させる上記[A]重合体成分や[B]フッ素原子含有重合体等の重合体は、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等によって精製することが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)測定]
実施例において、Mw,Mn,及びMw/Mnは、東ソー株式会社製のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
13C−NMR分析]
実施例において合成した共重合体の構造単位の含有割合(モル%)は、13C−NMR分析の結果から求めた。13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(JNM−ECX400、日本電子株式会社製)を使用し、測定溶媒として、テトラヒドロフラン−d8を用いて行った。
<重合体の合成>
[A]重合体成分及び[B]フッ素原子含有重合体の合成に用いた各単量体を、下記化学式(化15〜17)に示す。
Figure 2015099311
Figure 2015099311
Figure 2015099311
(1)[A]重合体成分の合成例
〔重合体(A−1)の合成例1〕
上記化学式(化15)に示す単量体(M−1)8.45g(30mol%)、単量体(M−6)7.80g(30mol%)、及び上記化学式(化16)に示す単量体(M−11)13.74g(40mol%)を、2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)1.269gを2−ブタノン60gに溶解して単量体溶液を調製した。一方、250mLの三口フラスコに2−ブタノン30gを投入し、30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱した。そこへ上記単量体溶液を4時間かけて滴下し、さらに滴下終了後2時間80℃にて熟成した。重合終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却した。その後、重合溶液を1000gのメタノールへ投入し、再沈操作を行った。析出したスラリーを吸引濾過して濾別し、固形分をメタノールにて3回洗浄した。この固形分を60℃で15時間真空乾燥し、白色粉末状の重合体(A−1)を得た(収率58%)。この重合体はMwが6800、Mw/Mn=1.45、単量体(M−1)、(M−6)、及び(M−11)に由来する各繰り返し単位(構造単位)の含有割合が32:29:39(モル%)の共重合体であった(表2参照)。
〔重合体(A−2)〜(A−21)の合成例2〜21〕
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は前記重合体(A−1)の合成と同様に操作して、下記表2に示す各重合体(A−2)〜(A−21)を合成した。
(2)[B]フッ素原子含有重合体の合成例
〔重合体(B−1)の合成例22〕
上記化学式(化17)に示す単量体(M−21)10g(100mol%)を、2−ブタノン10gに溶解し、更に2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)0.487gを200mLの三口フラスコに投入した。30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、過熱開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却し、エバポレーターにて重合溶液の重量が25gになるまで減圧濃縮した。重合液を0℃に冷却したn−ヘキサン200gへゆっくり投入し、固形分を析出させた。混合液をデカンテーションして液体を除去し、固形分をn−ヘキサンで3回洗浄し、得られた樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、エバポレータにより濃縮する事で固形分濃度20%の重合体(B−1)を得た(収率79%)。この重合体はMwが6100、Mw/Mn=1.52、単量体(M−16)に由来する各繰り返し単位(構造単位)の含有割合が100mol%の重合体であった(表2参照)。
Figure 2015099311
Figure 2015099311
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物を構成する[A]重合体成分、[B]フッ素原子含有重合体、以外の各成分について以下に示す。
[C]酸発生剤
下記式(化18)で表される化合物(C−1)〜(C−3)を用いた。
Figure 2015099311
[D]酸拡散制御剤
下記式(化19)で表される化合物(D−1)〜(D−3)を用いた。
Figure 2015099311
[E]溶媒
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−2:シクロヘキサノン
E−3:γ−ブチロラクトン
〔調製例1〕
[A]重合体成分として(A−1)100質量部、[B]フッ素原子含有重合体として(B−1)3質量部、[C]酸発生剤として(C−1)8.5質量部、[D]酸拡散制御剤として(D−1)1.9質量部、並びに[E]溶剤として(E−1)2214質量部、(E−2)949質量部及び(E−3)30質量部を配合し、感放射線性樹脂組成物を調製した(表3参照)。
〔調製例2〜21〕
配合する各成分の種類及び配合量(質量部)を表3に記載の通りとした以外は、調製例1と同様に操作して、各感放射線性樹脂組成物を調製した。
Figure 2015099311
<レジストパターンの形成>
[レジスト膜の形成]
12インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(CLEAN TRACK ACT12、東京エレクトロン製)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ARC66、ブルワーサイエンス製)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して、前記で調製した調製例1〜21に係る感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。
[露光]
前記で形成したレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NSR−S610C、NIKON精機カンパニー製)を用い、NA=1.3、iNA=1.27、ratio=0.8、クロスポールの光学条件にて、縮小投影後のパターンが32nmトレンチ、92nmピッチとなるマスクパターンを介して露光した。露光後、85℃で60秒間PEBを行った。
[現像]
〔実施例1〜18、比較例1〜3〕
PEB後、酢酸ブチルにて30秒間パドル現像し、4−メチル−2−ペンタノールで7秒間リンスした。その後、2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、40nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターンを形成した。
〔比較例4〕
PEB後、2.38質量%TMAH水溶液を用い、23℃で30秒間パドル現像を行い、次いで、超純水を用いて7秒間リンスした。その後、2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、40nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターンを形成した。
<評価>
[感度(mJ/cm)]
各実施例及び比較例のレジストパターンの形成において、縮小投影後のパターンが32nmトレンチ、92nmピッチとなるマスクパターンを介して露光した部分が、35nmスペースのレジストパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop)として求め、これを感度(mJ/cm)とした。感度は、30mJ/cm以下の場合は「良好」と、30mJ/cmを超える場合は「不良」と評価した。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(CG−4000、日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。
[DOF(nm)]
縮小投影後のパターンが32nmトレンチ、92nmピッチとなるマスクパターンを介して露光し、上記感度にて形成されるラインパターンのスペース幅が30〜40nmに収まるような焦点深度(nm)をDOFとした。DOFが250nm以上の場合を「良好」とした。
[倒れ(nm)]
上記Eop以下の露光量にて縮小投影後のパターンが32nmトレンチ、92nmピッチとなるマスクパターンを介して露光した際、露光量の減少に伴い得られるトレンチパターンの最大寸法(nm)を解像性とした。解像性が43(nm)以上である場合を「良好」と評価した。
<結果>
結果を下記表4に示す。
Figure 2015099311
表4に示す通り、酸解離性基を有するアクリレート由来の構造単位(I)を有さない比較例1及び酸解離性基を有するメタクリレート由来の構造単位(II)を有さない比較例2に比べ、構造単位(I)〜(III)の全てを有する実施例1〜18は、感度、DOF、倒れの全てについて良好な結果であった。また、構造単位(III)を有さない比較例3は、DOFについては満足のいく結果であったが、感度及び倒れについては、実施例1〜18に比べ、劣る結果であった。
また、比較例4は、実施例1と同一の感放射線性樹脂組成物を用いてアルカリ現像液によるポジ型プロセスでパターンを形成した例であるが、感度、DOF、倒れの全てについて不良であった。
以上の結果から、感度及びDOFを向上させ、パターン倒れの発生を抑制するためには、[A]重合体成分に、構造単位(I)〜(III)の全てを含有させる必要があることが分かった。また、構造単位(I)〜(III)によって奏される、感度及びDOFの向上、パターン倒れの発生の抑制といった効果は、ネガ型のレジストパターン形成時に特有の効果であることも分かった。
更に、実施例1〜18の中で、その効果の違いを比較すると、[A]重合体成分における構造単位(I)及び構造単位(II)の合計含有割合が40mol%以上である実施例2〜4、6〜8、12、15及び16は、40mol%未満である実施例10及び14に比べ、DOFの結果が良好であった。また、[A]重合体成分における構造単位(I)及び構造単位(II)の合計含有割合が60mol%以下である実施例2〜4、6〜8、12、15及び16は、60mol%を超える実施例1、9、11、13に比べ、倒れの結果が良好であった。この結果から、[A]重合体成分における構造単位(I)及び構造単位(II)の合計含有割合としては、[A]重合体成分を構成する全構造単位に対して、40〜60mol%に設定することが好ましいことが分かった。
加えて、[A]重合体成分中におけるアクリレート由来の構造単位の含有割合が10mol%以上の実施例2〜4、6〜8、12、15及び16は、10mol%以下の実施例17に比べ、DOFおよび倒れの結果が共に良好であった。また、[A]重合体成分中におけるアクリレート由来の構造単位の含有割合が40mol%以下の実施例2〜4、6〜8、12、15及び16は、40mol%を超える実施例5及び18に比べ、倒れの結果が良好であった。この結果から、[A]重合体成分中におけるアクリレート由来の構造単位の含有割合は、10〜40mol%に設定することが好ましいことが分かった。
本発明のネガ型レジストパターン形成方法によれば、DOF及び露光部・未露光部間の溶解コントラストが更に向上し、また露光部の膜減り及びパターン倒れを更に抑制することができる。その結果、パターン形状が良好なレジストパターンを形成できる。従って、本発明のネガ型レジストパターン形成方法は、更なる微細化が求められるリソグラフィー技術の発展に大きく貢献することができる。

Claims (7)

  1. (1)感放射線性樹脂組成物を用いるレジスト被膜形成工程、
    (2)露光工程、及び
    (3)有機溶媒を含有する現像液を用いる現像工程、
    を行うネガ型レジストパターン形成方法であって、
    前記感放射線性樹脂組成物が、
    酸解離性基を有するアクリレート由来の構造単位(I)、
    酸解離性基を有するメタクリレート由来の構造単位(II)、及び
    ヒドロキシ基、カルボキシ基、もしくはオキソ基を含む構造単位、又は、
    ラクトン構造、環状カーボネート構造、もしくはスルトン構造を有する構造単位(III)、
    を有する[A]重合体成分を含有するネガ型レジストパターン形成方法。
  2. 前記構造単位(III)は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はオキソ基で置換されたアダマンタン骨格を有する構造単位、ラクトン構造を有する構造単位、及び環状カーボネート構造を有する構造単位、からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のネガ型レジストパターン形成方法。
  3. 前記構造単位(III)は、(メタ)アクリレート由来の構造単位である請求項1又は2に記載のネガ型レジストパターン形成方法。
  4. 前記構造単位(III)は、ラクトン構造を含む構造単位である請求項1から3のいずれか一項に記載のネガ型レジストパターン形成方法。
  5. 前記[A]重合体成分中に、前記構造単位(I)及び前記構造単位(II)が、合計で40〜60mol%含まれる請求項1から4のいずれか一項に記載のネガ型レジストパターン形成方法。
  6. 前記[A]重合体成分中に、アクリレート由来の構造単位が、10〜40mol%含まれる請求項1から5のいずれか一項に記載のネガ型レジストパターン形成方法。
  7. 前記[A]重合体成分は、前記構造単位(I)及び前記構造単位(II)を含む重合体[A−12]を含有する請求項1から6のいずれか一項に記載のネガ型レジストパターン形成方法。
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