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JP2015073523A - 核酸の検出方法、検出プローブ、マイクロアレイ、核酸検出キット、核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体、核酸固定化担体、及び流体デバイス - Google Patents

核酸の検出方法、検出プローブ、マイクロアレイ、核酸検出キット、核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体、核酸固定化担体、及び流体デバイス Download PDF

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JP2015073523A
JP2015073523A JP2013214107A JP2013214107A JP2015073523A JP 2015073523 A JP2015073523 A JP 2015073523A JP 2013214107 A JP2013214107 A JP 2013214107A JP 2013214107 A JP2013214107 A JP 2013214107A JP 2015073523 A JP2015073523 A JP 2015073523A
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JP
Japan
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nucleic acid
probe
detection probe
capture probe
detection
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Application number
JP2013214107A
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English (en)
Inventor
一木 隆範
Takanori Ichiki
隆範 一木
真吾 上野
Shingo Ueno
真吾 上野
太郎 上野
Taro Ueno
太郎 上野
高志 船津
Takashi Funatsu
高志 船津
久皇 鈴木
Kuno Suzuki
久皇 鈴木
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Nikon Corp
University of Tokyo NUC
Original Assignee
Nikon Corp
University of Tokyo NUC
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Publication date
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Abstract

【課題】酵素を用いずに、標的核酸が核酸プローブからの解離を防ぐことが可能であり、高精度に核酸を検出することができる核酸の検出方法を提供する。
【解決手段】(a)第1の部分及び第2の部分からなる核酸を含有する核酸試料と、ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている検出プローブと、前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に第1の光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブと、を接触させる工程と、(b)核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる工程と、(c)第一の波長帯域の光によって、前記第1の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる工程と、(d)前記核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体中の標識物質を検出する工程と、を有する核酸の検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、核酸の検出方法、検出プローブ、マイクロアレイ、核酸検出キット、核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体、核酸固定化担体、及び流体デバイスに関する。
従来、細胞内の遺伝子発現量を測定する手段としてmRNAをターゲットとしたDNAマイクロアレイが広く用いられている。21世紀に入って、短鎖の非コードRNAであるmiRNAが、生体内の遺伝子発現の制御をしていることが報告され、miRNAの異常発現とがんを初めとした様々な疾患との関係が明らかになりつつある。このような知見に基づき、miRNAをターゲットとしたDNAマイクロアレイの開発競争が繰り広げられている。
更に、2008年にmiRNAが血液中を循環していることが発見されたことにより(非特許文献1参照)、血液検査するだけでがんの診断ができる可能性が示され、miRNAをターゲットとしたDNAマイクロアレイ市場が近い将来急拡大するものと見込まれている。
一方、cDNAへの逆転写反応を利用した定量PCR(qRT−PCR)法もmiRNAを定量する技術として広く実用化されている。定量PCR法は、逆転写酵素を用いてmiRNAをcDNAに変換し、該cDNAを増幅することにより、鋳型となったmiRNA量を見積もる方法である。定量PCR法は、PCR反応を用いて一定量まで増幅したcDNA量を測定する方法であるため、DNAマイクロアレイに比べて定量性が高い一方で、複数のサンプルや多種のmiRNAに対する並列処理が難しいという問題点がある。
miRNAをターゲットとした既存のDNAマイクロアレイ(以下、miRNA標的DNAマイクロアレイという。)は、目的となるmiRNAに相補的にハイブリダイズする遺伝子配列を持つ核酸プローブを透明基板上に並べたものである。
miRNA標的DNAマイクロアレイを用いたmiRNAの定量方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。先ず、生体サンプルからmiRNAを抽出し、該miRNAを蛍光標識した後に、miRNA標的DNAマイクロアレイに添加し、基板上の核酸プローブにハイブリダイズさせる。次いで、基板に非特異的に吸着したmiRNAを洗浄した後、蛍光強度を指標にmiRNA量を見積もる。
生体サンプルからmiRNAを調製する際には、生体サンプルから全RNAを抽出・精製し、miRNAを含む全RNAを蛍光標識した後に、蛍光標識miRNAを含む蛍光標識全RNAを、miRNA標的DNAマイクロアレイに接触させる。
しかし、生体内、特に血液中のmiRNA量は、全RNA中、0.01質量%と極めて少ないため、このような前処理の過程が複雑な場合、miRNAは、ピペット操作の途中で吸着や分解の影響を受けやすい。さらに、測定ごとの蛍光標識率の変動が測定結果の再現性を低くしてしまうという問題点も持ち合わせている。
また、このような手作業による前処理は、研究者や臨床検査技師の技術差によって影響を受けるため、将来的にはμ−TAS(Micro−Total Analysis Systems)を用いて、全ての前処理工程をチップ上で行えるように全自動化されることが望まれている。ここで、μ−TASとは、MEMS(Micro Electro
Mechanical Systems)技術を用いて、チップ上に微小な流路や反応室、混合室を設け、一つのチップ上で核酸を分析するマイクロ流体デバイスを意味する。
しかしながら、以下のように蛍光標識法がボトルネックとなり、全自動化への組み込みが進んでいない。
miRNAの主な蛍光標識法として、miRNAの塩基部分に直接蛍光標識する方法や、T4DNAリガーゼなどの酵素を用いてmiRNAの3’末端に蛍光標識したヌクレオチドを付加する方法が挙げられる。
しかし、これらの方法では全ての核酸が非特異的に蛍光標識されるため、基板上の核酸プローブにハイブリダイゼーションさせる前に、予め蛍光標識された標的miRNAから未反応の蛍光試薬等を取り除く必要がある。これらの分離にはゲルろ過クロマトグラフィーを用いるのが一般的であり、約22塩基と短いmiRNAを、未反応の蛍光試薬から精度良く分離する必要がある。例えば、μ−TASを用いて分離する場合には、生体サンプルを、樹脂の詰まった領域を長距離移動させる工程が必要であり、スペースの限られたチップ内でかかる工程を行うのは極めて難しい。また、例え可能であっても、連続して実験を繰り返すためには、未反応の蛍光試薬を洗い流すために長時間の洗浄が必要であり、現実的ではない。
上記の問題点に対し、未反応の蛍光色素の分離過程を省いてmiRNAを検出できるサンドイッチ型マイクロアレイ法が考案されている(特許文献1参照。)。
係るサンドイッチ型マイクロアレイ法の第1の方法として、具体的には、以下の工程が挙げられる。先ず、第1の部分300及び第2の部分301からなる各miRNA303に相補的な配列を有する核酸プローブを二分割し、捕捉プローブ304(Capture
probe)と検出プローブ305(Detect probe)とする。そして、各miRNA303の第1の部分300に相補的な配列を有する捕捉プローブ304群を基板306上に配列させてマイクロアレイを作製する(図18参照)。
次いで、各miRNA303を、作製したマイクロアレイ基板(基板306)に接触させた後、各miRNA303の第2の部分301に相補的な配列を有する検出プローブ305群を含む溶液をマイクロアレイ基板(基板306)に接触させることで、miRNA303、捕捉プローブ304、検出プローブ305の3者をハイブリダイゼーションさせる(図18参照)。検出プローブ305は、miRNA303の第2の部分301を認識して結合するため、捕捉プローブ304への非特異的な結合は起こらず、未反応の検出プローブ304をクロマトクラフィーなどで分離する必要がない。
しかしながら、特許文献1に記載の第1の方法では、miRNA303に相補的な配列を有する核酸プローブを2つに分割することにより、1つのプローブ上のmiRNA303に相補的な配列はそれぞれ10塩基程度となる。その結果、miRNA303と核酸プローブとの親和性が減少し、血液中に極微量しか存在しないmiRNA303を正確に定量することが難しい。
また、生体サンプル中には約70塩基のpre−miRNA(miRNAの前駆体)が含まれている。pre−miRNAは約22塩基のmiRNAの配列を含んでいるため、特許文献1の第1の方法では両者を区別できず、遺伝子発現制御機能を有するmiRNAのみを正確に定量できないという根本的な問題を抱えている。
この解決策として特許文献1に記載の第2の方法では、更に、リガーゼを用いてmiRNA303と核酸プローブを共有結合させる方法が提案されている(図19参照)。しかしながら、図18に示される第1の方法において、リガーゼを用いた場合、miRNA303とハイブリダイズした検出プローブ305と捕捉プローブ304が共有結合した後、miRNA303が解離して他の捕捉プローブ304に結合することにより、同一分子のmiRNA303が複数回に亘って検出される危険がある。
一方、図19に示される第2の方法においては、さらに2種類の橋渡し用プローブ307,308(c−bridge307, d−bridge308)を使用することで、捕捉プローブ304とmiRNA303と検出プローブ309とをライゲーションにより共有結合させ、基板306上に捕捉されたmiRNA303が基板306から解離することを防いでいる。
国際公開第2008/052774号
Mitchellら、Proc.Nat.Acad.Sci.、第105巻、第10513〜10518頁、2008年
しかしながら、例えば、特許文献1に記載の第2の方法では、miRNA303と4種類のプローブが全て衝突して5種類の分子が複合体を形成した場合のみシグナルが検出されるため、定量性が悪くなるという問題を抱えており、操作も煩雑で時間を要する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リガーゼ等の酵素を用いずとも標的核酸が核酸プローブから解離することを防ぐことが可能であり、簡便で、高精度かつ高感度に、核酸を検出することができる核酸の検出方法、並びに、該核酸の検出方法に用いられる検出プローブ、マイクロアレイ、核酸検出キット、核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体、核酸固定化担体、及び流体デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、光反応性塩基誘導体を有する核酸プローブを用いることにより課題を解決できることを見出した。本発明の一実施態様は、下記(1)〜(7)を提供するものである。
(1)本発明の一実施態様における核酸の検出方法は、
(a)第1の部分及び第2の部分からなる核酸を含有する核酸試料と、
ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている検出プローブと、
前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に第1の光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブと、を接触させる工程と、
(b)前記第2の部分を前記検出プローブにハイブリダイズさせ、前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる工程と、
(c)前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、第一の波長帯域の光によって、前記第1の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる工程と、
(d)前記核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体中の標識物質を検出する工程と、を有することを特徴とする。
(2)本発明の一実施態様における検出プローブは、
核酸試料中の第1の部分及び第2の部分からなる核酸を検出するために用いられる検出プローブであって、
相補鎖を形成する2つのステム部と、
前記2つのステム部間の領域であり、標識物質により標識されているループ部と、
前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列からなり、該第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に光反応性塩基誘導体を含み、5’突出末端又は3’突出末端と、を備えることを特徴とする。
(3)本発明の一実施態様におけるマイクロアレイは、
核酸と検出プローブと複合体を形成可能で、配列中に光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブが基板に固定されており、
前記核酸は、前記捕捉プローブとハイブリダイズし得る第1の部分と、前記検出プローブとハイブリダイズし得る第2の部分とを含み、
前記検出プローブは、ステムループ構造を形成し、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されていることを特徴とする。
(4)本発明の一実施態様における核酸検出キットは、
捕捉プローブおよび検出プローブを備えた核酸検出キットであって、
前記捕捉プローブは、標的核酸を第一の部分と第二の部分に分割した場合に、前記第一の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含み、
前記検出プローブは、ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されていることを特徴とする。
(5)本発明の一実施態様における核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体は、
第1の部分及び第2の部分からなる核酸を介して、
ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている検出プローブと、
前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブとが、連結されてなることを特徴とする。
(6)本発明の一実施態様における核酸固定化担体は、
先に記載の核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体が基板に固定化されてなることを特徴とする。
(7)本発明の一実施態様における流体デバイスは、
捕捉プローブが固定されてなる基板と、検出プローブ導入用インレットと、を有する核酸検出部を備えた流体デバイスであって、
前記捕捉プローブは、標的核酸を第一の部分と第二の部分に分割した場合に、前記第一の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含み、
前記検出プローブは、ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されていることを特徴とする。
本発明によれば、標的核酸と核酸プローブとの酵素による連結を行わずに、高精度に、核酸を検出することができる。
本実施形態における核酸の検出方法の一態様の模式図である。 本実施形態における核酸の検出方法の一態様の模式図である。 本実施形態における核酸の検出方法の一態様を説明する模式図である。 本実施形態における核酸の検出方法の一態様を説明する模式図である。 本実施形態における核酸の検出方法の一態様を説明する模式図である。 本実施形態における流体デバイスの一態様の模式図である。 本実施形態における流体デバイスの一態様の模式図である。 本実施形態における流体デバイスの一態様の模式図である。 本実施形態における流体デバイスの一態様の模式図である。 本実施形態における流体デバイスの一態様の模式図である。 実施例において使用したmiRNAの配列、並びに捕捉プローブおよび検出プローブの配列の一部を示す図である。 実施例におけるmiRNAの検出結果である。 実施例におけるmiRNAの検出結果である。 実施例におけるmiRNAの検出結果である。 実施例におけるmiRNAの検出結果である。 実施例における基板上でのmiRNAの検出結果である。 実施例における、検出プローブの基板からの解離を示す結果である。 従来の核酸の検出方法の一態様の模式図である。 従来の核酸の検出方法の一態様の模式図である。
≪核酸の検出方法≫
[第一実施形態]
本実施形態の核酸の検出方法は、
(a)第1の部分及び第2の部分からなる核酸を含有する核酸試料と、
ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている検出プローブと、
前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に第1の光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブと、を接触させる工程と、
(b)前記第2の部分を前記検出プローブにハイブリダイズさせ、前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる工程と、
(c)前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、第一の波長帯域の光によって、前記第1の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる工程と、
(d)前記核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体中の標識物質を検出する工程と、を有する。
本実施形態において、前記捕捉プローブは基板に固定されている。
光反応性塩基誘導体が捕捉プローブに含まれることにより、捕捉プローブと核酸との間が架橋され得るため、高精度な核酸の検出が実現される。
また、本実施形態の核酸の検出方法では、さらに、前記検出プローブが、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に第2の光反応性塩基誘導体を含み、前記工程(c)において、さらに、前記第2の部分を前記検出プローブにハイブリダイズさせ、第2の波長帯域光によって前記第2の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させるものであることが好ましい。
光反応性塩基誘導体が捕捉プローブに加えて、検出プローブに含まれることにより、検出プローブと核酸との間にも架橋がされ得るため、より高精度に核酸の検出が実現される。
前記核酸試料に含有される検出対象の核酸としては、特に限定されないが、一例としてmiRNAや転写が途中で止まった短鎖mRNA等の短鎖RNAである。例えば、生体内に多種類存在し、遺伝子発現の制御に関与しているmiRNAである。
なお、本実施形態では、捕捉プローブは固相、たとえば基板に固定されていてもよい。固相としては、基板の他に、担体を好ましいものとして例示できる。固相担体としては、たとえば、磁気ビーズ、金ナノ粒子、アガロースビーズ、プラスチックビーズ等が挙げられる。固相基板としては、たとえば、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板等が挙げられる。
以下、図1を参照しながら、本実施形態における各工程について説明する。
工程(a)は、
第1の部分1及び第2の部分2からなるmiRNA3を含有する核酸試料と、ステムループ構造を形成し、前記第2の部分2とハイブリダイズし得る配列5bを含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質5aにより標識されている検出プローブ5と、
前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に第1の光反応性塩基誘導体7aを含む捕捉プローブ4と、を接触させる工程であり、捕捉プローブ4は基板6に固定されている。
図1に示すように、検出対象のmiRNA3を、第1の部分1及び第2の部分2に二分割する。即ち、miRNA3は、第1の部分及び第2の部分からなる。
捕捉プローブ4及び検出プローブ5は、それぞれ、miRNA3の第1の部分1及び第2の部分2にハイブリダイズし得るものである。そのため、第1の部分1及び第2の部分2の長さは、5〜17塩基が好ましく、約22塩基からなるmiRNAを2分割した塩基数という観点から、7〜15塩基がより好ましい。
これら第1の部分1及び第2の部分2の長さは、配列特異性が保たれることが担保されていれば上記塩基数に限定されない。上記点は、第1の部分1及び第2の部分2のGC含有量や標的miRNAに類似の核酸の存在などによって影響される。
本実施形態においては、miRNA3の5’側の部分を第1の部分1とし、miRNA3の3’側の部分を第2の部分2とする。
尚、本発明及び本願明細書において「ハイブリダイズし得る」とは、本発明に用いられる捕捉プローブあるいは検出プローブの少なくとも一部が標的核酸(標的miRNA)にハイブリダイズし、相補的に複合体を形成することを含む。「ストリンジェントな条件」とは、例えば、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記載の条件が挙げられる。
本実施形態の核酸の検出方法は、検出プローブが、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に第2の光反応性塩基誘導体7bを含んでもよい。
図1に示される態様では、捕捉プローブ4は、前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列中に第1の光反応性塩基誘導体7aを含み、検出プローブ5は、miRNA3の第2の部分2とハイブリダイズし得る配列5b中に第2の光反応性塩基誘導体7bを含む。
核酸試料は、核酸を含有する試料であれば、特に限定されないが、例えば、本実施形態の核酸の検出方法をがんの診断に用いる場合には、がんの発症が確認されている者、若しくはがんの発症が疑われている者、又はがん治療を受けている患者等の被験者の血液、リンパ液、髄液、精液、唾液、尿等のサンプルから核酸を抽出することにより得られるものであることが好ましい。これらのサンプルからの核酸抽出は、トリゾルを用いる等、定法により行うことができるが、短鎖RNAを抽出する方法を利用することが好ましい。
上述したように、血液中のmiRNA量は、全RNA中、0.01質量%と極めて少ない。核酸試料には、サンプルから抽出された全RNAから分画により濃縮したmiRNAを用いてもよい。本実施形態においては、検出対象のmiRNA自体を標識物質で標識する必要が無いため、核酸試料には分画操作をしていないものを用いてもよい。
捕捉プローブ4は、5’末端領域に、miRNA3の第1の部分1とハイブリダイズし得る配列を含む。
miRNA3を高精度に定量する観点から、捕捉プローブ4は、miRNA3の第2の部分2とハイブリダイズしないように、miRNA3の第2の部分2に相補的な配列を含まないことが好ましい。
基板6に固定された捕捉プローブ4が、miRNA3とハイブリダイゼーションするためには、分子的な自由度が必要であることから、捕捉プローブ4は、基板6と結合する3’末端にスペーサー4aを有していることが好ましい。スペーサー4aの長さとしては、特に限定されないが、3〜50塩基が好ましく、5〜25塩基がより好ましい。ただし、スペーサーに用いられる塩基は、同程度の長さと柔らかさを持ったPEG等のリンカーで代替可能である。係る場合には、スペーサー4aに用いられる塩基数は0塩基でもよい。
捕捉プローブ4の長さは、プローブとして機能するために必要な長さであれば特に限定されないが、第1の部分1及びスペーサー4aの塩基数を勘案し、3〜50塩基が好ましく、5〜40塩基がより好ましい。
捕捉プローブ4は、DNAでもRNAでもよく、DNAやRNAと同様の機能を有するものであれば、天然、非天然に限られず、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)、BNA(Bridged Nucleic Acid)等の人工核酸を含むものであってもよい。DNAやRNAと比較して、標的miRNA3との親和性が高く、DNA分解酵素やRNA分解酵素に認識されにくいとの観点から、捕捉プローブ4は、LNA又はBNAを含むことが好ましい。
また、工程(d)において、基板6上に形成されたmiRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4複合体を検出するに際し、捕捉プローブ4は、検出プローブ5を標識する標識物質とは異なる種類の標識物質で標識されていることが好ましい。捕捉プローブ4を標識する標識物質としては、後述する検出プローブ5の標識に用いられるものと同様のものが挙げられる。
捕捉プローブ4を固定するために用いられる基板6としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板等が挙げられる。捕捉プローブ4を基板6上に固定する方法としては、光リソグラフ技術を利用して、基板上に高密度でプローブを固定する方法やガラス基板等にスポッティングによりプローブを固定する方法が挙げられる。
光リソグラフ技術を利用する場合には、基板6上で捕捉プローブ4を合成してもよい。
スポッティングにより捕捉プローブ4を固定する場合には、捕捉プローブ4に固相結合部位を設け、基板6に固相結合部位認識部位を設けておくことが好ましい。
このような固相結合部位/固相結合部位認識部位の組み合わせとしては、捕捉プローブ4をアミノ基、ホルミル基、SH基、スクシミジルエステル基等の官能基で修飾して設けられた固相結合部位と、基板6をアミノ基、ホルミル基、エポキシ基、マレイミド基等を有するシランカップリング剤で表面処理して設けられた固相結合部位認識部位との組合わせや、金-チオール結合を利用した組合せが挙げられる。
また、スポッティングにより捕捉プローブを固定する他の方法として、シアノール基を有する捕捉プローブを、ガラス基板に吐出し、配列させ、シランカップリング反応により共有結合させる方法も挙げられる。
本実施形態において、検出プローブ5は、3’末端領域に、miRNA3の第2の部分2とハイブリダイズし得る配列5bを含む。
miRNA3を高精度に定量する観点から、検出プローブ5は、miRNA3の第1の部分1とハイブリダイズしないように、miRNA3の第1の部分1に相補的な配列を含まないことが好ましい。
検出プローブ5は、ステムループ構造を形成する。ステムループ構造とは、一本鎖核酸において、分子内で離れた2箇所の領域に相補的な配列がある場合、核酸の塩基対間の相互作用によって相補鎖(ステム構造)を形成するとともに、その2箇所の領域に狭まれた配列がループ構造を形成するものをいう。ステムループ構造は、ヘアピンループ構造とも称される。
本実施形態において、検出プローブ5は、5’末端側から、相補鎖を形成する2つのステム部5c,5dと、該2つのステム部5c,5d間の領域であるループ部5eと、第2の部分2とハイブリダイズし得る配列5bとからなる。即ち、検出プローブ5は、3’突出末端を有している。検出プローブは、突出末端を有しており、検出プローブが有する突出末端が、5’突出末端であるか3’突出末端であるかは、捕捉プローブと基板とが捕捉プローブの5’末端を介して結合しているか3’末端を介して結合しているかによる。
仮に、捕捉プローブが、miRNAと同じ塩基配列領域を含むpre−miRNA(miRNAの前駆体)と複合体を形成したとしても、検出プローブが突出末端を有するため、立体障害が生じ、検出プローブ−miRNA−捕捉プローブ複合体が形成されない。従って、本実施形態によれば、pre−miRNAは認識されず、標的miRNAのみを認識するため、高精度に標的miRNAを検出することができる。
検出プローブ5におけるステム部の長さは、ループ部の長さとの兼ね合いによって決まる。検出プローブ5におけるステム部の長さは、検出プローブ5が安定してステムループ構造を形成できる長さであれば特に限定されないが、たとえば、3〜50塩基が好ましく、5〜20塩基がより好ましい。
検出プローブ5におけるループ部の長さは、ステム部の長さとの兼ね合いによって決まる。検出プローブ5におけるループ部の長さは、検出プローブ5が安定してステムループ構造を形成できる長さであれば特に限定されないが、たとえば、3〜200塩基が好ましく、5〜100塩基がより好ましい。
検出プローブ5の長さは、ステムループ構造を形成でき、プローブとして機能するために必要な長さであれば特に限定されないが、第2の部分2の塩基数及びステムループ構造形成に必要な塩基数を勘案し、14〜200塩基が好ましく、24〜150塩基がより好ましい。
検出プローブ5は、DNAでもRNAでもよく、DNAやRNAと同様の機能を有するものであれば、天然、非天然に限られず、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)、BNA(Bridged Nucleic Acid)等の人工核酸を含むものであってもよい。DNAやRNAと比較して、標的miRNAとの親和性が高く、DNA分解酵素やRNA分解酵素に認識されにくい観点から、検出プローブ5は、LNA又はBNAを含むことが好ましい。
捕捉プローブ4及び検出プローブ5の少なくともいずれか一方が、LNA又はBNAを含むことが好ましく、捕捉プローブ4及び検出プローブ5の両方が、LNA又はBNAを含むことがより好ましい。
検出プローブ5は、標識物質5aにより標識されている。後述するmiRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4複合体を形成する際の立体障害の観点から、標識物質5aは、ループ部5eに結合していることが好ましい。
標識物質としては、例えば、蛍光色素、蛍光ビーズ、量子ドット、金ナノ粒子、ビオチン、抗体、抗原、エネルギー吸収性物質、ラジオアイソトープ、化学発光体、酵素等が挙げられる。
蛍光色素としては、FAM(カルボキシフルオレセイン)、JOE(6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’ ,7’−ジメトキシフルオレセイン)、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、TET(テトラクロロフルオレセイン)、HEX(5'−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト)、Cy3、Cy5、Alexa568、Alexa647等が挙げられる。
全RNA中、miRNAはごく微量しか存在しないため、分画せずにmiRNAを高効率に標識することは困難である。一方、本実施形態においては、予め標識した検出プローブを用いるため、高効率に、miRNAを定量することができる。
捕捉プローブ4が標識物質により標識されている場合、捕捉プローブ4を標識する標識物質と検出プローブ5を標識する標識物質との組合せは、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動;Fluorescence Resonance Energy Transfer)が起こり得ない組合せであっても、FRETが起こり得る組合せでもあってもよい。
標的miRNAの有する配列や長さによって、FRET効率が異なるという観点からは、FRETが起こり得ない組合せが好ましい。FRETが起こり得る標識物質の組合せを用いる場合であっても、例えば、捕捉プローブの基板に近い末端をFAMで標識し、検出プローブの基板から最も遠いループ部分をAlexa647で標識する等、両者間でFRETが起きないように設計することもできる。
また、検出プローブが捕捉プローブに連結された場合と基板に吸着した場合とを区別することができるという観点からは、FRETが起こり得る組合せが好ましい。
FRETが起こりうる標識物質の組合せとしては、励起波長が490nm付近の蛍光色素(例えば、FITC、ローダミングリーン、Alexa(登録商標)fluor 488、Bodipy FL等)と励起波長が540nm付近の蛍光色素(例えば、TAMRA、テトラメチルローダミン、Cy3)、または、励起波長が540nm付近の蛍光色素と励起波長が630nm付近の蛍光色素(例えば、Cy5等)の組み合わせが好ましい。
また、本実施形態においては、捕捉プローブ及び検出プローブの2つのプローブが、標的miRNAの第1の部分及び第2の部分をそれぞれ認識する。例えば、miRNAが、let−7a(5’−UGAGGUAGUAGUUGUAUAGUU−3’)である場合、let−7aの第1の部分を5’−UGAGGUAGUAG−3’とし、第2の部分を5’− UUGUAUAGUU−3’とし、それぞれにハイブリダイズし得る配列を含む捕捉プローブ及び検出プローブを作製する。
ここで、検出プローブにおいて、let−7aの第2の部分とハイブリダイズし得る配列を、5’−AACTATACAA−3’とし、let−7aの第2の部分の1塩基目のグアニンがアデニンに代わったlet−7f(5’−UGAGGUAGUAGUUGUAUAGUU−3’)の第2の部分とハイブリダイズし得る配列を、5’−AACTATACAA−3’とし、これら2種類のmiRNAと2種類の検出プローブが共存する条件下で、それぞれのmiRNAを並列的に定量しようとした場合、let−7aとlet−7fの第1の部分の配列が全く同じであるため、両者はマイクロアレイ上の同一の捕捉プローブ4にハイブリダイズし、それぞれがmiRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4複合体を形成する。
従って、当該領域では両miRNAが合算されたシグナルが検出され、誤った結果を導く場合がある。これは、例えば特許文献1において、致命的な問題である。
本発明者らは、以下の2点によりこの問題を解決できることを見出した。
第1に、前記工程(a)において、前記溶液は、異なる種類の標識物質により標識されている複数種類の検出プローブを含むことが好ましい。
これは、let−7aとlet−7fの第2の部分とそれぞれハイブリダイズする検出プローブ(let−7a)と検出プローブ(let−7f)を異なる標識物質により標識し、それぞれのシグナルを個別に定量する方法である。標識物質として、例えば波長の異なる蛍光物質であるAlexa532又はAlexa647を用いて、両検出プローブを標識する方法が挙げられる。
第2に、前記工程(a)において、前記核酸試料は、検出対象の複数種類のmiRNAを含有し、前記複数種類のmiRNAの第1の部分がそれぞれ重複しないように、前記捕捉プローブの5’末端と3’末端のうち、どちら側が基板に固定されるかを選択されることが好ましい。
これは、類似miRNAのうち、配列の異なる部分にハイブリダイズするプローブを捕捉プローブとして用いる方法である。let−7aおよびlet−7fを例にすると、配列の異なる3’末端側の5’−UUGUAUAGUU−3’及び5’−UUGUAUAGUU−3’を第1の部分とし、共通の配列である5’末端側の5’−UGAGGUAGUAG−3’を第2の部分とする。図1に記載の5’末端と3’末端の配置を反転させることで、補足プローブ4の5’末端側を基板上に固定した捕捉プローブ4−検出プローブ5−miRNA3複合体を形成させることが可能になる。この場合、let−7a及びlet−7bに対する検出プローブ5は同一の配列であり、標識される標識物質も同一となる。
このように、本実施形態によれば、類似miRNAを厳密に区別し、高精度に標的miRNAを定量することができる。
miRNA3を含有する核酸試料と、検出プローブ5と、を含む溶液に用いられる液体としては、通常のハイブリダイゼーションに用いられる緩衝液等が挙げられる。
工程(b)は、第2の部分2を検出プローブ5にハイブリダイズさせ、第1の部分1を捕捉プローブ4にハイブリダイズさせ、基板6上にmiRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4複合体を形成させる工程である。
工程(b)において、miRNAは立体構造を形成しやすいため、95℃で5分間程度インキュベーションして、miRNAを熱変性させ、プローブとハイブリダイズしやすい状態にしておくことが好ましい。
ハイブリダイゼーションは、特に限定されるものではなく、各プローブのTm値等を考慮した上で、温度、pH、塩濃度、緩衝液等の通常の条件下で行うことができる。高精度にmiRNAを定量する観点から、ハイブリダイゼーションはストリンジェントな条件で行うことが好ましい。
ストリンジェントな条件とは、例えば、30℃程度の温度条件(プローブの配列のTmより5℃〜10℃程高い温度条件)、1M未満の塩濃度条件等が挙げられる。
工程(c)は、前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、前記第2の部分を前記検出プローブにハイブリダイズさせ、第一の波長帯域の光によって、前記第1の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させ、第2の波長帯域光によって前記第2の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる工程である。
光反応性塩基誘導体とは、所定の波長の光が照射されることにより、反応性が活性化され、任意の標的核酸と検出プローブ、及び任意の標的核酸と捕捉プローブとを架橋可能な塩基誘導体を意味する。光反応性塩基誘導体の一例として、ソラーレン(psoralen)を付加した塩基、3−Cyanovinylcarbazole Nucleoside(以下、CNVKともいう。)、4-チオチミジン、アデニン反応性基のケージド物 (Kobori ら、Bioorganic & Medicinal Chemistry, 20:5071-5076 (2012))、3−carbonylvinyl phenol nucleoside (CVP) (Yoshimuraら、 Nucleic Acids Symposium Series , 48:81-82 (2004))、p‐carbamoylvinyl phenol nucleoside (p−CVP) (Amiら、Org. Biomol. Chem., 5: 2583-2586(2007)))、5‐carboxyvinyldeoxyuridine (CVU) (Ogasawaraら、Chem Bio Chem, 6:1756-1760 (2005))、carbazole‐tethered 5‐carboxyvinyl‐2'‐deoxyuridine YCVU)(Fujimotoら、Organic Letters, 10: 397-400 (2008))、5-cyanovinyl‐1’‐α‐2’- deoxyuridine (α‐U), β‐U(Oginoら、Angew. Chem. Int. Ed. 45:7223-7226(2006))、5‐vinyl‐2’‐deoxyuridine (U), 5‐heptenyl‐2’―deoxyuridine (U), 5‐cyclohexyl vinyl‐2’‐deoxyuridine (HVU), 5‐t‐butylvinyl‐2’‐deoxyuridine (BuVU)(Oginoら、Org. Biomol. Chem., 7:3163-3167 (2009))、 BTVU, PTVU, MPTVU, NTVU (Amiら、ChemBioChem 9, 2071-2074 (2008))、N‐methyl−5−cyanovinyl‐2’‐deoxyuridine (MCVU)(Fujimotoら、Chem. Commun., 3177-3179 (2005))、7‐deaza‐2’‐deoxyadenosine (VZA) (Saitoら、Tetrahedron Letters 46:97-99 (2005))などが挙げられる。
前記第1の波長帯域光および前記第2の波長帯域光は、任意の標的核酸と検出プローブ、及び任意の標的核酸と捕捉プローブとを架橋可能な波長帯域光であれば特に制限されず、前記第1の波長帯域光と前記第2の波長帯域光とは、同じ波長帯域であってもよい。
検出プローブが含む第1の光反応性塩基誘導体と、捕捉プローブが含む第2の光反応性塩基誘導体とは、同一の化合物であってもよく、互いに異なる化合物であってもよい。すなわち、第1の光反応性塩基誘導体と第2の光反応性塩基誘導体とが同一の化合物の場合を、前記第1の波長帯域光と前記第2の波長帯域光が同じ波長帯域であって、任意の標的核酸と検出プローブ、及び任意の標的核酸と捕捉プローブとを架橋可能な場合として例示できる。
図1(b)は、前記第1の部分1を捕捉プローブ4にハイブリダイズさせ、前記第2の部分2を前記検出プローブにハイブリダイズさせた状態を示している。捕捉プローブ4は前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列中に光反応性塩基誘導体7aを含み、検出プローブ5は、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列5b中に光反応性塩基誘導体7bを含んでいる。このとき、前記第1の波長帯域光及び/又は前記第2の波長帯域光を当該複合体へと照射し、第1の光反応性塩基誘導体7aとmiRNA3、及び第2の光反応性塩基誘導体7bとmiRNA3をそれぞれ架橋させる。図1中7a及び7bはmiRNA3と架橋されていない状態の光反応性塩基誘導体を表し、7a’及び7b’はmiRNA3と架橋された状態の光反応性塩基誘導体を表す。
核酸と検出プローブ、又は核酸と捕捉プローブとの連結にリガーゼ等の酵素を用いる方法では、酵素が機能する条件で連結の反応を行う。
一方、本実施形態の核酸検出方法では、核酸と検出プローブ、又は核酸と捕捉プローブとの連結に光反応性塩基誘導体を用いることにより、酵素が機能しない条件で、又は酵素を失活させる条件を経ていても、核酸の検出を行うことができる。当該条件の一例としては、上述の、miRNAは立体構造を解くための95℃で5分間程度インキュベーションがある。また、別の例として、プローブと核酸とのハイブリダイズを行う際に、溶液中に界面活性剤が含有された場合が挙げられる。溶液中に界面活性剤を含有させることにより、核酸の検出をより高精度に行うことができる。このように、本実施形態の核酸検出方法では、酵素を用いる代わりに光反応性塩基誘導体を用いるので、核酸の検出を高精度に行うための種々の条件を幅広く選択することができる。また、連結の反応の前に酵素が失活することを避けるために、本実施形態で用いる一連の試薬類の保管等を厳密に行う必要性を低減することができ、製品の品質管理がより容易となる。
本実施形態の核酸検出方法では、酵素を用いる代わりに光反応性塩基誘導体を用いて核酸の連結を行うので、酵素反応では制御困難である連結反応時間の厳密な制御、および微細な範囲ごとの連結反応の制御を行うことが可能である。微細な範囲ごとの連結反応の制御とは、たとえば、光照射時に、光反射効率に勾配を有するようコーティングが施されたフィルターを用い、極狭い面積ごとに光照射ドース条件を変化させることが挙げられる。
なお、工程(b)及び工程(c)は、同時に行われてもよい。即ち、ハイブリダイゼーション及び架橋が、同時に行われてもよい。
プローブを、捕捉プローブ4と検出プローブ5の2つに分割することにより、各プローブと標的miRNA3との親和性が若干減少するが、上述した、(1)基板6と捕捉プローブ4とをスペーサー4aを介して結合させ、捕捉プローブ4に分子的な自由度を付与すること(2)捕捉プローブ4及び/又は検出プローブ5がLNA又はBNAを含むことで、各プローブとmiRNA3との親和性を高めること、により各プローブと標的miRNA3との親和性を高めることができる。
ハイブリダイゼーション反応終了後、非特異的にハイブリダイズしたものを除去するために、基板6を洗浄することが好ましい。洗浄方法についても通常の条件下で行うことができる。高精度にmiRNAを定量する観点から、洗浄はストリンジェントな条件で行うことが好ましく、例えば、基板6を塩濃度の低い溶液中を振とうさせて数回洗浄する方法が挙げられる。
工程(d)は基板6上に形成されたmiRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4複合体中の標識物質5aを検出し、検出結果から核酸試料中のmiRNA3を検出する工程である。ここで、「検出する」とは、定量的に検出すること、定量すること、分析すること等も含まれる。
上記の様に、検出プローブ5は標識物質5aで標識されているため、miRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4複合体中の標識物質5aを定量的に検出する。その際、段階希釈した既知量のmiRNAを用いて、標準曲線を作製し、該標準曲線を利用することが好ましい。かかる検出結果を用いて核酸試料中のmiRNA3を定量することができる。
工程(d)における、標識物質の検出方法は、特に限定されるものではなく、例えば、核酸マイクロアレイ自動検出装置を用いて、複合体の蛍光強度を測定する等、核酸を検出する場合に通常行われる方法を用いて行うことができる。
本実施形態のmiRNAの検出方法によれば、従来必要であった橋渡し用プローブが不必要なため、操作が簡便化され、更に、miRNA自体を標識物質で標識する必要が無いため、高感度に標的miRNAを定量することができる。
また、本実施形態のmiRNAの検出方法によれば、ステムループ構造を形成する検出プローブを用いるため、pre−miRNAを認識することなく、高精度に標的miRNAを定量することができる。
[第二実施形態]
本実施形態の核酸の検出方法は、
(a)第1の部分及び第2の部分からなる核酸を含有する核酸試料と、
ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている検出プローブと、
前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に第1の光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブと、を接触させる工程と、
(b)前記第2の部分を前記検出プローブにハイブリダイズさせ、前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる工程と、
(c)前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、第一の波長帯域の光によって、前記第1の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる工程と、
(d)前記核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体中の標識物質を検出する工程と、を有し、
前記検出プローブが、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に第2の光反応性塩基誘導体を含み、前記工程(c)において、さらに、前記第2の部分を前記検出プローブにハイブリダイズさせ、第2の波長帯域光によって前記第2の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させるものである。
すなわち、本実施形態の核酸の検出方法では、先に記載の第一実施形態で固相に固定されていた捕捉プローブが、固相に固定されていなくともよい。そのため、捕捉プローブを基板に固定させる工程を実施せずともよく、捕捉プローブが固定された基板を用いずとも実施可能であり、検出対象の核酸種類が少ない場合など、より手軽に核酸の検出を行うことができるという利点がある。
本実施形態における核酸の検出は、例えば、反応溶液内の核酸‐補足プローブ‐検出プローブの三者複合体の形成を検出することで行われる。そのため、捕捉プローブを標識する標識物質と検出プローブを標識する標識物質との組合せは、FRETが起こり得る組合せであることが好ましい。
[第三実施形態]
本実施形態の核酸の検出方法は、先に記載の第二実施形態の核酸の検出方法において、さらに、第3の部分を有する複合体捕捉プローブが固定化されてなる基板を用いる核酸の検出方法であって、検出プローブがさらに、前記第3の部分とハイブリダイズし得る配列を有し、
(c−2)前記第3の部分を検出プローブにハイブリダイズさせる工程
を有する核酸の検出方法である。
本実施形態の核酸の検出方法を、図2を参照して説明する。
まず、miRNA3と検出プローブ5と捕捉プローブ4’とを液相中で接触させる(図2(a))。次いで、第2の部分2を前記検出プローブ5にハイブリダイズさせ、第1の部分1を捕捉プローブ4’にハイブリダイズさせ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させ、第1の波長帯域光及び/又は前記第2の波長帯域光を当該複合体へと照射し、第1の光反応性塩基誘導体7aとmiRNA3、及び第2の光反応性塩基誘導体7bとmiRNA3をそれぞれ架橋させる。(図2(b))。そして基板6’に固定化された複合体捕捉プローブ8が有する第三の部分8bに捕捉プローブ4’をハイブリダイズさせ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体中の標識物質を検出し、検出結果からmiRNA3を検出する(図2(c)、図2(d))。
基板に固定されていないプローブと、基板に固定されているプローブとでは、基板に固定されていないプローブの方が核酸とのハイブリダイズの効率がより高い傾向にある。したがって、本実施形態で示されるように、基板上に固定されていない捕捉プローブを用いて核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させた後に、当該複合体を基板上に捕捉することで、核酸の検出効率を高めることが可能である。複合体捕捉プローブ8が有する第三の部分8bは、親和性を高めるためにmiRNA3の第一の部分1より長く、例えば15〜40塩基が好ましく、各捕捉プローブを特異的に結合させるという観点から、18〜25塩基がより好ましい。
[第四実施形態]
本実施形態の核酸の検出方法は、先に記載の第一実施形態における工程(c)において、該工程が前記基板の一部領域に選択的に前記第一の波長帯域の光を照射し、前記光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる工程を含む。
本実施形態の核酸の検出方法の一例を図3〜図4を参照して説明する。図3は、本実施形態の核酸の検出方法に用いられる流体デバイスの一例を表す模式図である。流体デバイス201は、核酸精製部203と、前記捕捉プローブが固定化されてなる基板204と、核酸精製部203と基板204とをつなぐ流路206と、流路206上のバルブ204fとを備える。図4に示されるように、核酸精製部203、203’、203’’にはそれぞれ異なる検体1〜3が配置されている。また、基板204は3つの領域A〜領域Cに分けられている。当該検体には、検出対象のmiRNAが含有され、基板204は、検出プローブを含有する溶液と接触しているものとする。まず、バルブ204fを開き、検体1を基板204へと送液する(図4(a))。そして、領域Aのみに光を照射し、光反応性塩基誘導体とmiRNAとを架橋させ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる(図4(b))。次に、バルブ204f’を開き、検体2を基板204へと送液する。そして、領域Bのみに光を照射し、光反応性塩基誘導体とmiRNAとを架橋させ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる(図4(c))。
このように、基板の一部領域のみに光を照射することで、光照射した基板の領域のみで、光反応性塩基誘導体と核酸とを架橋させることができる。したがって、光照射をされていない基板の領域にある捕捉プローブを、核酸の検出に利用可能な状態のまま維持することができる。検出対象の核酸を含んだ複数種類のサンプル検査を、基板の交換を伴わずに、基板の一部領域を順々に利用して行うことが可能であり、1検査あたりの基板利用コストを低減させることができる。
他の例としては、1検査において基板への光照射のタイミングを基板の一部領域ごとに変えることが挙げられる。本実施形態の核酸の検出方法の一例を、図5を参照して説明する。図5には、上記流体デバイスの201を示す。核酸精製部203、203’、203’’には同一の検体1が配置されている。
まず、バルブ204fを開き、検体1を基板204へと送液する(図5(a))。そして、領域Aのみに光を照射し、光反応性塩基誘導体とmiRNAとを架橋させ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる(図5(b))。そして、領域Bのみに光を照射し、光反応性塩基誘導体とmiRNAとを架橋させ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる(図5(c))。このとき、バルブ204f’を開き、再度検体1を基板204へと送液してもよい。
サンプル中含まれる複数の標的核酸量が核酸ごとに異なっている場合、含有量の多い標的核酸では捕捉プローブ又は検出プローブとの複合体の形成が早くに完了し、逆に含有量の少ない標的核酸では捕捉部ローブ又は検出プローブとの複合体の形成完了が遅くなる傾向にある。そのため、含有量に差がある標的核酸の定量的な検出を同時に行うことは困難となる。対して、本実施形態の一例では、基板への光照射に時間差を設けることにより、基板の領域で標的核酸と捕捉プローブ又は検出プローブとの含有量や親和性に応じた反応時間でハイブリダイゼーションを行うことが可能であり、1基板あたりで検出可能な標的核酸種の範囲を拡張することができる。
基板の一部領域に選択的に光を照射する方法は、公知のパターン露光の方法を用いればよく、基板と露光装置の間へのマスクの配置、縮小投影型露光装置の使用等を行うことが例示できる。
[第五実施形態]
本実施形態の核酸の検出方法は、先に記載の第一実施形態の核酸検出方法において、さらに、第3の波長帯域光によって前記捕捉プローブと前記核酸との架橋を開裂させる工程(e)と、
前記捕捉プローブとの架橋を開裂させた前記核酸を回収する工程(f)と、
を有するものである。
本実施形態において、光反応性塩基誘導体は、可逆的光連結性塩基を用いることが好ましい。可逆的光連結性塩基は、核酸との光連結及び光解離とを可逆的に生じさせることが可能な光連結性塩基であり、可逆的光連結性塩基は、例えば、光連結に用いた波長帯域光とは異なる波長帯域光が照射されることによって、miRNA3と検出プローブ5及び/又は捕捉プローブ4とを可逆的に光連結及び光開裂する塩基を含む。第3の波長帯域光は、前記捕捉プローブと前記核酸との架橋を開裂させることが可能な波長帯域光である。可逆的光連結性塩基誘導体は、一例として、ソラーレン(psoralen)を付加した塩基、CNVK、CVU、YCVU、α‐U、β‐U、U、U、HVU、BuVU、VZA等が挙げられる。
なお、可逆的光連結性塩基の一例として、CNVKを用いる場合、短時間で効率よく架橋できる。
光反応性塩基誘導体7としてCNVKを用いる場合、miRNA3と捕捉プローブ4との複合体に、光連結する第一の波長帯域の光及び又は第二の波長帯域の光と、光開裂する第三の波長帯域の光とを照射することで可逆的な架橋反応が可能である。CNVKを用いる場合、第一及び/又は第二の波長帯域は340nm以上の光である。一例として、340〜380nmの波長帯域の光を照射することにより、CNVKの5’側 に隣接するプリン塩基と塩基対を形成しているmRNA3中のピリミジン塩基を構成する原子とCNVKを構成する原子とが架橋構造を形成する。第三の波長帯域は350nm未満の光である。一例として、280〜345nmの波長帯域の光を照射することにより、架橋は解除される。第一及び/又は第二の波長帯域と第三の波長帯域は、波長帯域の一部が互いに重複していてもよいとする。
CNVKを用いることで、所定の波長帯域の光を短時間(例えば30秒)照射することで高い架橋効率が得られ、照射対象の核酸を損傷するおそれがない。また、CNVKは、効率のよい可逆的な架橋反応が可能であるという点において優れている。
工程(e)において、捕捉プローブと核酸との架橋を開裂させることで、基板上に捕捉プローブのみを残留させることができ、捕捉プローブが固定された基板の再利用が可能となる。また、工程(f)において捕捉プローブとの架橋を開裂させることで、基板上から解離した核酸を回収することができる。回収された核酸は再度解析されてもよく、再解析を行うことで、より信頼性の高い核酸の検出を行うことができる。
核酸の回収にあたっては、工程(e)において、第3の波長帯域光によって、さらに前記検出プローブと前記核酸との架橋も開裂されることが好ましい。また、第3の波長帯域光を前記基板の一部領域に選択的に照射し、基板上から目的の核酸を選択的に回収することができる。
≪検出プローブ、捕捉プローブ、マイクロアレイ、核酸検出キット、核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体、および核酸固定化担体≫
本実施形態の検出プローブは、核酸試料中の第1の部分及び第2の部分からなる核酸を検出するために用いられる検出プローブであって、相補鎖を形成する2つのステム部と、前記2つのステム部間の領域であり、標識物質により標識されているループ部と、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列からなり、該第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に光反応性塩基誘導体を含み、5’突出末端又は3’突出末端と、を備えるものであり、上述した検出プローブ5に代表されるものである。
他の実施形態として、標的核酸を個別に検出するとの観点から、検出プローブは、前記ループ部の標識は、前記第2の部分の塩基配列と対応づけられていてもよい。検出プローブが含む前記光反応性塩基誘導体は異なる波長帯域で光連結と光開裂することが好ましい。また、前記核酸は、miRNAであることが好ましい。
本実施形態の捕捉プローブは、核酸試料中の第1の部分及び第2の部分からなる核酸を検出するために用いられる捕捉プローブであって、前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含むものであり、上述した捕捉プローブ4に代表されるものである。捕捉プローブが含む前記光反応性塩基誘導体は異なる波長帯域で光連結と光開裂することが好ましい。また、前記核酸は、miRNAであることが好ましい。
本実施形態のマイクロアレイは、核酸と検出プローブと複合体を形成可能で、配列中に光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブが基板に固定されており、
前記核酸は、前記捕捉プローブとハイブリダイズし得る第1の部分と、前記検出プローブとハイブリダイズし得る第2の部分とを含み、
前記検出プローブは、ステムループ構造を形成し、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている。検出プローブは、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に光反応性塩基誘導体を含んでもよい。
検出プローブは、上述した検出プローブ5に代表されるものであり、捕捉プローブは上述した捕捉プローブ4に代表されるものである。捕捉プローブが基板に固定されたものとしては、上記≪核酸の検出方法≫において説明したものが例示できる。
本実施形態の核酸検出キットは、捕捉プローブおよび検出プローブを備えたものである。検出プローブは、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に光反応性塩基誘導体を含んでもよい。捕捉プローブおよび検出プローブとしては、上述した捕捉プローブ4及び検出プローブ5にそれぞれ代表される。
本実施形態の核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体は、第1の部分及び第2の部分からなる核酸を介して、
ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている検出プローブと、
前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブとが、連結され、前記検出プローブが、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に光反応性塩基誘導体を含むものである。当該複合体としては、先に記載の≪核酸の検出方法≫の工程(b)において形成された複合体を例示できるが、係る工程に限定されない。
また、本実施形態の核酸固定化担体は、先に記載の核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体が基板に固定化されてなるものであり、先に記載の≪核酸の検出方法≫の第一実施形態に記載の工程(b)又は工程(c)において形成された核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体が基板に固定化されたものを例示できる。
≪流体デバイス≫
[第一実施形態]
本実施形態の流体デバイス(たとえばマイクロ流体デバイス(マイクロTAS)、ミリ流体デバイス(ミリTAS)など)は、捕捉プローブが固定化されてなる基板と、検出プローブ導入用インレットと、を有する核酸検出部を備えた流体デバイスであって、
前記捕捉プローブは、標的核酸を第一の部分と第二の部分に分割した場合に、前記第一の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含み、
前記検出プローブは、ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されているものである。また、本実施形態の流体デバイスは、前記検出プローブが、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に光反応性塩基誘導体を含むことが好ましい。
捕捉プローブが固定化されてなる基板としては、先に記載のマイクロアレイを例示することができる。
図6に本実施形態の流体デバイスの構成を模式的に示す。流体デバイス11は、捕捉プローブが固定化されてなる基板104cと、検出プローブ導入用インレット104aと、を有する核酸検出部104を備えている。核酸検出部104は、核酸試料を導入するためのサンプル導入用インレット102bをさらに備えていてもよい。
本実施形態によれば、捕捉プローブに光反応性塩基誘導体が含まれるので、より高精度に核酸を定量できる。
また、本実施形態によれば、酵素を用いる代わりに光反応性塩基誘導体を用いて核酸の連結を行うので、酵素反応では制御困難である核酸の連結反応時間の厳密な制御、および微細な範囲ごとの連結反応の制御を行うことが可能である。このように本実施形態によれば、核酸の連結反応に温度による制御が必要とされず、また連結反応の厳密な制御が容易であるので、連結反応が行われる部位の流体デバイス中における配置の自由度を高めることができる。また連結反応の厳密な制御に必要な流体デバイスの構成も簡略化され得る。
[第二実施形態]
本実施形態の流体デバイスは、一例としてサンプル中のエキソソームが内包する核酸を検出するデバイスであって、図7に示すように、流体デバイス101は、疎水性鎖と親水性鎖を有する化合物で修飾された層を有するエキソソーム精製部102と、核酸精製部103と、核酸検出部104とを備える。
がん細胞等の異常細胞は、細胞膜の内部に特有のタンパク質や核酸、miRNAなどを発現している。そして、体液中に分泌されるエキソソームも、分泌元の細胞由来のmiRNAなどを発現している。そのため、体液中のエキソソームの膜内部に存在する核酸を分析することで、バイオプシー検査をしなくとも、生体内の異常を調べることができる技術の確立が期待されている。なお、バイオプシー検査とは、病変部位の組織を採取し顕微鏡で病変部位を観察することによって、病気の診断等を調べる臨床検査をいう。
したがって、本実施形態の流体デバイスは、一例として、図7に示されるように、疎水性鎖と親水性鎖を有する化合物で修飾された層を有するエキソソーム精製部102と、エキソソーム精製部102と核酸精製部103を繋ぐ第一の流路105と、核酸精製部103と核酸検出部104を繋ぐ第二の流路106と、を備えたものである。
なお、分析に用いるサンプルによる二次感染を防止する観点から、本実施形態の流体デバイス101は、一例として図7に示すように廃液槽107,108,109を備える。
尚、図7においては三つの廃液槽を示しているが一つ又は二つの廃液槽にまとめたものであってもよい。
エキソソーム精製部102は、インレットと、疎水性鎖と親水性鎖を有する化合物で修飾された層を有するエキソソーム固定部102dを備えることが好ましい。図7に示すように、エキソソーム精製部102はサンプル導入用インレット102bと破砕液導入用インレット102c(図示略)を備えることが好ましく、更に洗浄液導入用インレット102aを備えることがより好ましい。
図7に示すように、エキソソームの分析において、まず上述したエキソソーム精製部において、サンプル導入用インレット102bにサンプルを注入し、流路102iのバルブ102fを開き、吸引によりサンプルをエキソソーム固定部102dに導入する。
サンプルとしては、検出対象の細胞をとりまく環境から得られるものであって、該細胞が分泌したエキソソームを含有するものであれば特に限定されず、血液、尿、母乳、気管支肺胞洗浄液、羊水、悪性滲出液、唾液等が挙げられる。中でも、エキソソームを検出しやすい血液又は尿が好ましい。更に、血液においては、エキソソームの検出のしやすさから、血漿が好ましい。また、係るサンプルには、培養細胞が分泌したエキソソームを含有する細胞培養液も含まれる。
エキソソーム固定部2dに導入されたサンプル中のエキソソームは、疎水性鎖と親水性鎖を有する化合物によって捕捉される。
次いで、エキソソーム固定部102dに固定されたエキソソームを破砕する。図7に示すように、図示略の流路102j上のバルブ102gを開き、破砕液導入用インレット102cに破砕液を注入し、吸引により破砕液をエキソソーム固定部102dへ導入する。破砕液としては、例えば細胞溶解に用いられる従来公知のものが挙げられる。
破砕液がエキソソーム固定部102dを通ることにより、エキソソーム固定部102d上に捕捉されたエキソソームが破砕され、エキソソームに内包される核酸が放出される。エキソソームから放出された核酸は、バルブ105aを介して第一の流路105を通り核酸精製部103へ送られる。
図7に示すように、核酸精製部103は、核酸回収液導入用インレット103bと、核酸固定部103cとを備えることが好ましく、更に核酸洗浄液導入用インレット103a(図示略)を備えることがより好ましい。
核酸固定部103cは、核酸を固定可能なものであれば特に限定されないが、一例として核酸を固定するシリカメンブレンが挙げられる。
エキソソームは、分泌元の細胞に由来するタンパク質や核酸を保持している。核酸としては、miRNAが挙げられる。本実施形態において、核酸固定部103cが固定する核酸はmiRNAであることが好ましい。
核酸固定部103cをエキソソーム破砕液が通過することにより、核酸固定部103c上に核酸が捕捉される。
次いで、核酸固定部103cに固定された核酸を溶出させる。図7に示すように、流路103gのバルブ103fを開け、核酸回収液導入用インレット103bに核酸回収液を注入し、核酸回収液を核酸固定部103cに導入する。次いで、核酸固定部103cから核酸を回収する。核酸は第二の流路106を通り、核酸検出部104へ送られる。
したがって、図6を参照して説明したように、サンプル導入用インレット102bから導入された核酸試料は、そのまま核酸検出部104へと導入されてもよく、別の例として、図7を参照して説明したように、サンプル導入用インレット102bから導入された核酸試料は、エキソソーム精製部においてエキソソームから抽出され、核酸精製部において精製されてから、核酸検出部104へと導入されてもよい。
前記核酸検出部104は図8に示されるようにバルブ4g、4hを備えた流路上に基板4cを備えたものでもよい。このように核酸検出部4の流路内にバルブを設けることで、核酸検出部4自体を流路内の溶液を定量可能な溶液混合器として用いることができる。
核酸の溶液混合器104への送液は、図8中のバルブ104g、104hを閉じて行うことが好ましい。こうすることで、溶液混合器の流路内で、核酸を含む溶液が定量される。
核酸が溶液混合器104へ送られた後、バルブ104dを開け、検出プローブ導入用インレット104aに検出プローブ溶解液を注入し、検出プローブ溶解液を溶液混合器104へと送液する。検出プローブ溶解液の溶液混合器104への送液は、図8中のバルブ104g、104hを閉じて行う。こうすることで、溶液混合器の流路内で、検出プローブ溶解液が定量される。
次いで、バルブ104d、104e、104f、112aを閉じ、バルブ104g、104hを開けて、核酸と検出プローブ溶解液を溶液混合器内で循環させ、混合する。一例として図示略のポンプバルブの開閉を10分間程度継続させる。液を循環させることにより短時間で効率よく複合体(miRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4複合体)が基板上に形成される。そして、複合体が形成された基板4cへと光を照射し、光反応性塩基誘導体とmiRNAとを架橋させる。
次いで、捕捉プローブが固定されてなる基板を洗浄し、該基板上の非特異的吸着物を取り除くことが好ましい。洗浄により、光反応性塩基誘導体と架橋された標的miRNAおよび検出プローブをより高純度で基板4c上に配置させることが可能となる。したがって、溶液混合器104は、更に図示略の洗浄液導入用インレット104bを備えていることが好ましい。図示略のバルブ104eを開け、洗浄液導入用インレット104bに洗浄液を注入し、基板に導入する。
次いで、基板上に形成された複合体の標識物質の強度を測定する。標識物質の強度は、核酸の存在量を反映するため、本実施形態によれば、サンプル中に含まれる核酸の量を定量することができる。
標識物質の強度の測定は、一例として、図示略の顕微鏡、光源、パソコンなどの制御部により行われる。
本実施形態によれば、検出プローブおよび捕捉プローブに光反応性塩基誘導体が含まれるので、より高精度に核酸を定量できる。
更には、本実施形態によれば、従来は1日以上要したエキソソームの分析をわずか一時間程度で迅速に行うことができる。
[第三実施形態]
本実施形態の流体デバイスを図9において模式的に示す。流体デバイス101’は先に記載の流体デバイス101の変形例である。流体デバイス101’は先の≪核酸の検出方法≫の第二実施形態の核酸の検出方法に好適に用いることができる。当該方法では、捕捉プローブは固相に固定されていなくともよいため、検出プローブ及び捕捉プローブ導入用インレット104a’に検出プローブ5および捕捉プローブ4を注入し、核酸固定部103cへと導入し、miRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4複合体を形成させる。核酸固定部103cへと光を照射し、光反応性塩基誘導体とmiRNAとを架橋させる。
[第四実施形態]
本実施形態の流体デバイスを図10において模式的に示す。流体デバイス101’’は先に記載の流体デバイス101’の変形例である。流体デバイス101’は先の≪核酸の検出方法≫の第三実施形態の核酸の検出方法に好適に用いることができる。当該方法では、基板上に固定されていない捕捉プローブを用いて核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させた後に、当該複合体を基板上に捕捉する。したがって、流体デバイス101’’は、複合体捕捉プローブ8が固定化されてなる基板104c’を備える。検出プローブ及び捕捉プローブ導入用インレット104a’に検出プローブ5および捕捉プローブ4’を注入し、核酸固定部103cへと導入し、miRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4’複合体を形成させる。核酸固定部103cへと光を照射し、光反応性塩基誘導体とmiRNAとを架橋させる。その後、miRNA3―検出プローブ5−捕捉プローブ4’複合体を基板104c’へと送液し、複合体中の標識物質を検出し、検出結果からmiRNA3を検出することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[液相でのmiRNA検出]
検出対象の標的miRNAとして、miR−141及びmiR−200aを選定した。両者の配列はほぼ同一であるが2塩基の差異がある。以下に示す材料をつくばオリゴサービス株式会社に委託し、自動核酸合成装置を使用して、ホスホロアミダイト法に従って合成した。
(実施例1)
標的miRNAとして、miR−141の配列を有するRNAを合成した。また、これに相補的な配列を有する捕捉プローブと検出プローブの2種の核酸プローブを設計・合成した。
用いた標的miRNA、捕捉プローブ、及び検出プローブの配列を以下に示す。
(1)標的miRNA:miR−141[配列:5’−UAACACUGUCUGGUAAAGAUGG−3’] (配列番号1:22mer)
(2)捕捉プローブ−141/200a(Capture probe−141/200a)[配列:5’−X1−CNVK−X2−fS−3’] X1、X2は以下の配列を表し、Sはチオール基を表し、fは6−FAM(6−カルボキシフルオロセイン)を表す。
X1:ACCAGACA(8mer)
X2:TGTTAACAACAACAACAACAACAACA(配列番号2:26mer)
(3)検出プローブ‐141(Detect probe‐141)[配列:5’−X3−Cy5−X4−CNVK−X5−3’]
X3、X4、X5は以下の配列を表す。
X3:CTCAACTGGTGTCGTGG(配列番号3:17mer)
X4:GTCGGCAATTCAGTTGAGCCA(配列番号4:21mer)
X5:CTTT(4mer)
表1に示す組成で標的miRNA、補足プローブ、検出プローブを含有するハイブリダイゼーション反応溶液を調整した。
上述したハイブリダイゼーション反応溶液をシェーカー上で1000rpmの速さで振とうさせながら室温で1時間ハイブリダイゼーションさせた後、当該反応溶液に365nmの紫外線(8 mW/cm)を60分間照射し、標的miRNAとCNVKとを共有結合させた。
(実施例2)
標的miRNAとして、miR−200aの配列を有するRNAを合成した。また、これに相補的な配列を有する捕捉プローブと検出プローブの2種の核酸プローブを設計・合成した。
用いた標的miRNA、捕捉プローブ、及び検出プローブの配列を以下に示す。なお、検出プローブ‐141と検出プローブ‐200aでは、両者の塩基配列は2塩基異なっており、蛍光標識の種類が異なる。
(1)標的miRNA:miR−200a[配列:5’−UAACACUGUCUGGUAACGAUGU−3’] (配列番号5:22mer)
(2)捕捉プローブ−141/200a(Capture probe−141/200a)[配列:5’−X1−CNVK−X2−fS−3’]
X1、X2は以下の配列を表し、Sはチオール基を表し、fは6−FAM(6−カルボキシフルオロセイン)を表す。
X1:ACCAGACA(8mer)
X2:TGTTAACAACAACAACAACAACAACA(配列番号2:26mer)
(3)検出プローブ‐200a(Detect probe‐200a)[配列:5’−X6−Cy3−X7−CNVK−X8−3’]
X6、X7、X8は以下の配列を表す。
X6:CTCAACTGGTGTCGTGG(配列番号6:17mer)
X7:GTCGGCAATTCAGTTGAGACA(配列番号7:21mer)
X8:CGTT(4mer)
これらの標的miRNA、補足プローブ、検出プローブを用いて、実施例1と同様にハイブリダイゼーション汎用溶液を調整し、ハイブリダイゼーション操作、及び紫外線照射を行った。
実施例1および実施例2で用いた標的miRNAの配列と、それに対応する検出プローブおよび捕捉プローブの配列を図11に示す。
(比較例1)
標的miRNAとしてmiR−200aを、検出プローブとして検出プローブ‐141を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ハイブリダイゼーション及び紫外線照射を行った。
(比較例2)
標的miRNAとしてmiR−141を、検出プローブとして検出プローブ‐200aを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ハイブリダイゼーション及び紫外線照射を行った。
(比較例3)
ハイブリダイゼーション後に紫外線照射を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で、ハイブリダイゼーションを行った。
(比較例4)
ハイブリダイゼーション後に紫外線照射を行わなかった以外は、実施例2と同様の方法で、ハイブリダイゼーションを行った。
(miRNA−C−probe−D−probe複合体の形成率の測定)
実施例1〜2、比較例1〜4で得られたサンプルを、尿素を含む変性アクリルアミドゲル上で電気泳動し、蛍光像のバンドの濃淡からmiRNA−C−probe−D−probe複合体(Tertiary complex)の形成率を調べた。変性PAGE ゲル上での6‐FAMおよびCy5の蛍光像を合成した写真を図12に示す。蛍光像は、蛍光イメージャー(Molecular Imager FX、BioRad社)で観察し、励起波長および蛍光フィルターはそれぞれCy3:532nm,555nm LP、Cy5:635nm,690nm BP、6FAM:488nm,530nm BPを用いた。なお、Cy3標識の検出プローブ‐200aを用いた実施例2、比較例2、比較例4のレーンでTertiary complexやD−probeのバンドがわずかに検出されたのは、Cy3−D−probeの蛍光がわずかに6‐FAMフィルターに漏れてきているためと考えられる。
電気泳動後の上記の変性PAGE ゲルをCy5フィルターで観察した蛍光像を図13に示す。miRNA−C−probeの上方のバンドよりわずかに上側に、miRNA−D−probeと思われるバンドが見られた。
続いて、6‐FAMおよびCy3の蛍光像を合成した写真を図14に示す。なお、Cy5標識の検出プローブ‐141を用いた実施例1、比較例1、比較例3のレーンでD−probeのバンドが検出されたのは、Cy5−D−probeの蛍光がわずかにCy3フィルターに漏れてきているためと考えられる。
また、Cy3フィルターで観察した蛍光像を図15に示す。
図15のmiRNA−C−probe複合体のバンドは6‐FAM−C−probeの蛍光が漏れたものである。実施例2のレーンでは、そのわずかに上方にmiRNA−D−probe複合体のバンドがみられた。
上記の各バンドの濃度から、複合体の形成率を求めた。結果を表2に示す。中段(●)はD−probeの蛍光を指標に、下段(*)はC−probeの蛍光を指標に算出した。表中の%はハイブリダイゼーション反応溶液中の標的miRNA、補足プローブ、検出プローブ量に対するモル%である。
実施例1〜2及び比較例1〜2との比較から、miRNAとD−probeの配列が完全に相補的な場合のみ、C−probe−D−probe−miRNAの3者複合体が形成されることが示された。60分照射での3者複合体形成率は、miR−141で7.0%、miR−200aで5.3%であった。miRNAとD−probeの配列が2塩基異なる場合は、3者複合体が全く形成されなかった(3者複合体形成率は、検出限界の0.2%以下)。したがって、CNVKを有する補足プローブおよび検出プローブは、配列特異性を有することが明らかであり、CNVKを有する補足プローブおよび検出プローブを用いることで、酵素による標的核酸と核酸プローブとの連結を行わずに、2塩基の差異を検出可能なほど高精度に核酸を定量できることが示された。
実施例1〜2及び比較例3〜4との比較から、紫外線を当てない場合(比較例3〜4)では、miRNAとD−probeの配列が完全に相補的でも、変性PAGEゲル上では全く3者複合体が形成されておらず、3者複合体の形成が紫外線照射に依存していることが証明された。
(実施例3)
ハイブリダイゼーション後に紫外線照射を10分間で行った以外は、実施例1と同様の方法で、ハイブリダイゼーションを行った。C−probe−D−probe−miRNAの3者複合体の形成率は2.7%であった。
(実施例4)
ハイブリダイゼーション後に紫外線照射を10分間で行った以外は、実施例2と同様の方法で、ハイブリダイゼーションを行った。C−probe−D−probe−miRNAの3者複合体の形成率は2.5%であった。
[固相でのmiRNA検出]
<マイクロアレイの作製>
まず、以下の表3に示す組成で、前記捕捉プローブ−141/200aを溶解した。
室温で1時間静置した後、NAP−5カラムを用いてDTTを取り除き、3×SSC bufferに平衡化させ、溶出物の吸光度から蛍光標識のラベル率を求めた。Capture probe−141/200aのラベル率は87%であった。
上記の3×SSC bufferに平衡化させて得られた捕捉プローブ−141/200a溶液をSilane−PEG−Maleimide (M.W. 5000、NANOCS社製)と混合し、室温で1時間静置した後、最終濃度10mMとなるようDTTを加え、さらに1時間静置して、probe−PEG液を得た。probe−PEG液の組成を以下に示す。
以下の表5に示す組成で、捕捉プローブを含有する溶液を調整し、インクジェット装置(MicroJet社製LaboJet−500Bio)を用いて、ガラス基板上に、表5に示す捕捉プローブ−141/200aを含む溶液を吐出した。
得られた基板を25℃、高湿条件(15μl、50℃の水を配したチャンバー内)にて2時間保温し、捕捉プローブ−141/200aをガラス基板のシラノール基と反応させた後、基板上に100%アセトンをゆっくりと滴下し1分間置いた後超純水で洗浄し、2x SSC, 0.1% SDSに10分間浸してさらに洗浄し、再度後超純水で洗浄して、風乾させ、ガラス基板に捕捉プローブ−141/200aが固定化されたマイクロアレイを得た。基板上の6−FAMの蛍光強度から算出した捕捉プローブの固定密度は2920±359copy/μmであった。
<miRNAのハイブリダイゼーション>
(実施例5)
前記検出プローブ‐141を含有する1.5x Hybridization bufferを下記の表6に示す組成で調整した。
次いで、以下の表7に示す組成で、標的miRNA及び前記1.5x Hybridization bufferを混合し、標的miRNAを含有するハイブリダイゼーションバッファーの混合液を調整した。
得られた、標的miRNA及び検出プローブを含有する混合液を95℃で5分間保温した後、300μlずつをPDMSチャンバーの穴へと分注して、前記マイクロアレイで覆い、当該混合液をマイクロアレイ基盤に接触させ、シェーカー上で1000rpmの速さで振とうさせながら室温で15分間インキュベーションさせた。この際、15分間の365nmの紫外線(30mW/cm)の基板への照射も同時に行った。次いで、当該基板を2x SSC, 0.1% SDS、25℃の溶液に10分間浸し、さらに0.2x SSC、25℃の溶液に10分間浸し、再度0.2x SSC、25℃の溶液に10分間浸して洗浄した。
(比較例5)
前記標的miRNA(miR−141)の代わりに前記標的miRNA(miR−200a)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でハイブリダイゼーションを行った。
(miRNA−C−probe−D−probe複合体の形成率の測定)
実施例5及び比較例5のハイブリダイゼーション後の基盤を乾燥させ、蛍光顕微鏡で観察した。観察結果を図16に示す。図16に示された画像のCy5の蛍光強度から算出したD−probeの結合密度は、miR−141存在下で1.5±0.25 copy/μm、miR−200a存在下で0.064±0.097 copy/μm(検出感度以下)となり、少なくとも24倍の差があった。このことから、CNVKを有する核酸プローブは、配列特異性が保たれていることが示された。以上のように、CNVKを有する検出プローブ及び基板に固定化されCNVKを有する補足プローブを用いることで、酵素による標的核酸と核酸プローブとの連結を行わずに、2塩基の差異を検出可能なほど高精度に核酸を定量できることが示された。
[マイクロアレイ基板上でのD−probeの解離]
(実施例6)
CNVKの利点として、312nm紫外線によりCNVKと塩基との間の架橋を開裂可能であることが挙げられる。上記実施例5において標的miRNAおよび検出プローブのハイブリダイゼーションを行った後のマイクロアレイ基板に、紫外線照射装置(ATTO製)を用い、装置のガラス面の上方1cmにマイクロアレイ基盤を置き、基板に312nm紫外線を5分間照射した。この際、紫外線照射によりCNVKが開裂した後、C−probeからD−probeが解離しやすいように8M 尿素水溶液存在下で照射を行った。マイクロアレイ基板を超純水で洗浄後、蛍光顕微鏡で観察した。312nm紫外線照射前後の補足プローブおよび検出プロ―ブの蛍光像を図17に示す。照射前に結合していた検出プローブは、照射後全く観察されなかった。
一方、ガラス基板に固定した捕捉プローブは、付加されている蛍光色素6−FAMが312nmの光を若干吸収し、一部退色するために、紫外線照射前より暗くは見えていたが、蛍光像が観察され、捕捉プローブのみが基板上に残っている様子が確認された。しがたって、標的miRNAの定量後に標的miRNAおよび検出プローブを解離させ、捕捉プローブが固定されたDNAマイクロアレイを再利用可能であることを確認できた。
以上の結果から、本実施形態によれば、検出プローブおよび捕捉プローブに光反応性塩基誘導体が含まれるので、より高精度に核酸を定量できる。
1…第1の部分、2…第2の部分、3…miRNA、4…捕捉プローブ、4a…スペーサー、5…検出プローブ、5a…捕捉プローブ、5b…配列、5c,5d…ステム部、5e…ループ部、6,6’…基板、7a,7a’…第1の光反応性塩基誘導体、7b,7b’…第2の光反応性塩基誘導体、8…複合体捕捉プローブ、8b…第3の部分、
11,101’,101’,101’’…流体デバイス、102…エキソソーム精製部、102a…洗浄液導入用インレット、102b…サンプル導入用インレット、102c…破砕液導入用インレット、102d…エキソソーム固定部、102e,102f,103f,104d,104f,105a,110a,111a,112a…バルブ、102h,102i,103g,110,111,112…流路、103、203…核酸精製部、103b…核酸回収液導入用インレット、103c…核酸固定部、104,…核酸検出部,溶液混合器、104a…検出プローブ導入用インレット、104c…基板、105…第一の流路、106…第二の流路、107…第一の廃液槽、108…第二の廃液槽、109…第三の廃液槽、110…第三の流路、111…第四の流路、112…第五の流路、
201…流体デバイス、203,203’、203’’…核酸精製部、204…基板、204f,204f’,204f’’…バルブ、206…流路

Claims (23)

  1. (a)第1の部分及び第2の部分からなる核酸を含有する核酸試料と、
    ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている検出プローブと、
    前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に第1の光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブと、を接触させる工程と、
    (b)前記第2の部分を前記検出プローブにハイブリダイズさせ、前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体を形成させる工程と、
    (c)前記第1の部分を前記捕捉プローブにハイブリダイズさせ、第一の波長帯域の光によって、前記第1の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる工程と、
    (d)前記核酸−検出プローブ‐捕捉プローブ複合体中の標識物質を検出する工程と、
    を有することを特徴とする核酸の検出方法。
  2. 前記検出プローブが、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に第2の光反応性塩基誘導体を含み、前記工程(c)において、さらに、前記第2の部分を前記検出プローブにハイブリダイズさせ、第2の波長帯域光によって前記第2の光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる請求項1に記載の核酸の検出方法。
  3. 前記捕捉プローブは基板に固定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の核酸の検出方法。
  4. 前記工程(a)において、前記溶液は、異なる種類の標識物質により標識されている複数種類の検出プローブを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  5. 前記工程(a)において、前記核酸試料は、検出対象の複数種類の核酸を含有し、前記複数種類の核酸の第1の部分がそれぞれ重複しないように、前記捕捉プローブの5’末端と3’末端のうち、どちら側が基板に固定されるかを選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  6. 前記工程(c)は、前記基板の一部領域に選択的に前記第一の波長帯域の光を照射し、前記光反応性塩基誘導体と前記核酸とを架橋させる工程である請求項1〜5のいずれか一項に核酸の検出方法。
  7. 前記第1の波長帯域光と前記第2の波長帯域光とは、同じ波長帯域である請求項1〜6のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  8. 前記第1の光反応性塩基誘導体及び/又は前記第2の光反応性塩基誘導体は可逆的光連結性塩基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  9. 第3の波長帯域光によって前記捕捉プローブと前記核酸との架橋を開裂させる工程(e)と、
    前記捕捉プローブとの架橋を開裂させた前記核酸を回収する工程(f)と、
    を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  10. 前記第1の光反応性塩基誘導体及び/又は前記第2の光反応性塩基誘導体は異なる波長帯域で光連結と光開裂する請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  11. 前記第1の光反応性塩基誘導体及び/又は前記第2の光反応性塩基誘導体が3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideである請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  12. 前記核酸は、miRNAである請求項1〜11のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  13. 前記捕捉プローブ及び/又は前記検出プローブはLNA(Locked Nucleic Acid)又はBNA(Bridged Nucleic Acid)を含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の核酸の検出方法。
  14. 核酸試料中の第1の部分及び第2の部分からなる核酸を検出するために用いられる検出プローブであって、
    相補鎖を形成する2つのステム部と、
    前記2つのステム部間の領域であり、標識物質により標識されているループ部と、
    前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列からなり、該第2の部分とハイブリダイズし得る配列中に光反応性塩基誘導体を含み、5’突出末端又は3’突出末端と、を備えることを特徴とする検出プローブ。
  15. 前記ループ部の標識は、前記第2の部分の塩基配列と対応づけられている請求項14に記載の検出プローブ。
  16. 前記光反応性塩基誘導体は異なる波長帯域で光連結と光開裂する請求項14又は15に記載の検出プローブ。
  17. 前記核酸は、miRNAである請求項14〜16のいずれか一項に記載の検出プローブ。
  18. 核酸と検出プローブと複合体を形成可能で、配列中に光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブが基板に固定されており、
    前記核酸は、前記捕捉プローブとハイブリダイズし得る第1の部分と、前記検出プローブとハイブリダイズし得る第2の部分とを含み、
    前記検出プローブは、ステムループ構造を形成し、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されていることを特徴とするマイクロアレイ。
  19. 捕捉プローブおよび検出プローブを備えた核酸検出キットであって、
    前記捕捉プローブは、標的核酸を第一の部分と第二の部分に分割した場合に、前記第一の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含み、
    前記検出プローブは、ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されていることを特徴とする核酸検出キット。
  20. 第1の部分及び第2の部分からなる核酸を介して、
    ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されている検出プローブと、
    前記第1の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含む捕捉プローブとが、連結されてなることを特徴とする核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体。
  21. 請求項20に記載の核酸‐検出プローブ‐捕捉プローブ複合体が基板に固定化されてなることを特徴とする核酸固定化担体。
  22. 捕捉プローブが固定化されてなる基板と、検出プローブ導入用インレットと、を有する核酸検出部を備えた流体デバイスであって、
    前記捕捉プローブは、標的核酸を第一の部分と第二の部分に分割した場合に、前記第一の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、該配列中に光反応性塩基誘導体を含み、
    前記検出プローブは、ステムループ構造を形成し、前記第2の部分とハイブリダイズし得る配列を含み、5’突出末端又は3’突出末端を有し、標識物質により標識されていることを特徴とする流体デバイス。
  23. 前記核酸はサンプル中のエキソソームが内包する核酸である請求項22に記載の流体デバイス。
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