JP2015066380A - ミシン及び縫製システム - Google Patents
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Abstract
【課題】縫製対象物を保持する保持体を供給装置が供給する供給位置に対するミシンの受け取り位置の位置ずれを補正し、供給装置とミシンとの間で保持体を確実に受け渡すことができ、且つミシンと保持体に加わる負荷を軽減し、破損を防止できるミシン及び縫製システムを提供する。【解決手段】CPUは送り機構の枠支持部を受け取り位置に移動する(S38)。受け取り開始信号の受信から(S42)受け取り要求信号の受信までの間(S56)、パレット供給装置はパレットを保持するパレット保持部を供給位置に移動する。CPUはパレット保持部を保持する受け取り位置とパレット保持部の現在位置の第一偏差を繰り返し演算し(S47)、パレット供給装置の押圧で第一偏差が第一規定値を超えたら(S48、S52)、第一偏差が第一規定値内になるようにした保持位置を新たな受け取り位置にする(S51、S55)。【選択図】図8
Description
本発明は、予め縫製対象物を保持した保持体を供給装置とミシンとの間で受け渡し、縫製対象物に縫製することができるミシン及び縫製システムに関する。
保持体が保持する縫製対象物を縫製することができるミシンが知られている。例えば特許文献1に記載の縫製システムは1つの搬送ロボットと複数のミシンを備える。複数のミシンは、夫々搬送ロボットを中心とする円周上に位置し、縫製対象の生地を保持する治具を搬送ロボットから受け取る。搬送ロボットは上下動及び回動可能な基台に、基台の半径方向に伸縮可能な作動腕を装着する。搬送ロボットは、作動腕の先端に設けたハンドで治具の挟持片を挟んで治具を搬送する。ミシンは突起を有する一対の連結片を備える。搬送ロボットは治具の挟持片に形成した透孔に連結片の突起を通し、治具をミシンに固定する。ミシンは治具が保持する生地に縫製する。
しかしながら、特許文献1では、例えばミシンと搬送ロボットの配置関係等に起因して突起の位置と透孔の位置がずれた場合、治具の受け渡しにおいて突起が透孔の縁に当たる。治具を把持する搬送ロボットは、突起を介して連結片に応力を加え、連結片が破損する可能性があった。また、突起が透孔に通らずに治具をミシンに固定できない可能性があった。
本発明の目的は、縫製対象物を保持する保持体を供給装置が供給する供給位置に対するミシンの受け取り位置の位置ずれを補正し、供給装置とミシンとの間で保持体を確実に受け渡すことができ、且つミシンと保持体に加わる負荷を軽減し、破損を防止できるミシン及び縫製システムを提供することである。
本発明の第一態様によれば、縫製対象物を保持した保持体を供給装置との間で受渡し可能であり、前記供給装置から受け取る前記保持体を装着し、前記縫製対象物を縫製するミシンにおいて、縫針を下端に着脱可能且つ上下動可能な針棒と、前記針棒よりも下方に設け、水平方向に延びる上面を有し、前記縫針が上下に通過可能な針穴を有する作業台と、前記作業台の前記上面よりも上方に設け、前記保持体を着脱可能に構成し、水平移動可能な送り機構と、前記送り機構が前記供給装置から前記保持体を受け取る位置である受け取り位置を記憶する記憶部と、前記送り機構の水平方向への移動を制御し、且つ前記送り機構が前記保持体を受け取る前に、前記記憶部が記憶する前記受け取り位置に前記送り機構を移動する制御手段と、前記制御手段で前記送り機構が前記受け取り位置に移動した後、前記送り機構が前記供給装置から前記保持体を受け取る際に外力を受けて変位した量である第一偏差を検出する第一検出手段と、前記第一検出手段が検出した前記第一偏差が第一所定値を超えたか否かを判断する第一判断手段と、を備え、前記制御手段は、前記第一判断手段で前記第一偏差が前記第一所定値を超えたと判断した場合、前記第一偏差が前記第一所定値以下となるように前記送り機構を移動するとともに、移動後の前記送り機構の位置を新たな受け取り位置として記憶することを特徴とするミシンが提供される。
保持体の受け取り位置にずれを生じ、送り機構が供給装置から保持体を介して外力を受ける場合、ミシンは、送り機構が外力を受けて変位した量である第一偏差が第一所定値以下となる位置を新たな受け取り位置に設定し、ずれを解消することができる。故にミシンは供給装置から受ける外力を減らし、送り機構を駆動する駆動源にかかる負荷を軽減することができる。
第一態様は、前記供給装置が前記保持体の供給完了時に出力する通知信号を受信する受信手段と、前記送り機構に設け、前記送り機構が前記保持体を装着可能な位置に前記保持体があるか否かを検知する検知手段と、前記受信手段が前記通知信号を受信した場合、前記検知手段が前記保持体を検知したか否かを判断する第二判断手段と、をさらに備えてもよい。この場合に、前記制御手段は、前記第二判断手段で前記検知手段が前記保持体を検知しなかったと判断した場合、前記送り機構を前記供給装置側へ移動してもよい。受け取り位置が供給装置から離れる側にずれており、供給装置が保持体を供給した位置が受け取り位置に届かない場合、ミシンは、送り機構を供給装置側へ移動することで、送り機構に保持体を装着することができる。
第一態様は、前記制御手段が前記送り機構を前記供給装置側へ移動して前記保持体と当接した場合に、前期制御手段が前記送り機構を移動しようとした量と実際の移動量との差である第二偏差を検出する第二検出手段と、前記第二検出手段が検出した前記第二偏差が第二所定値を超えたか否かを判断する第三判断手段と、をさらに備えてもよい。この場合に、前記制御手段は、前記第三判断手段で前記第二偏差が前記第二所定値を超えたと判断した場合、前記第二偏差が前記第二所定値以下となるように前記送り機構を移動するとともに、移動後の前記送り機構の位置を新たな受け取り位置として記憶してもよい。受け取り位置が供給装置から離れる側にずれており、供給装置が保持体を供給した位置が受け取り位置に届かない場合、ミシンは、実際の移動量に生じたずれを示す第二偏差が第二所定値以下となる位置を新たな受け取り位置に設定し、ずれを解消することができる。故にミシンは供給装置から確実に保持体を受け取り、送り機構に装着することができる。
第一態様は、前記制御手段が前記送り機構を前記供給装置側へ移動した移動量が規定長を超え、且つ前記検知手段が前記保持体を検知しなかった場合、異常状態の発生を報知する第一報知信号を出力する報知手段を備えてもよい。ミシンは、受け取り位置のずれが大きい場合、第一報知信号を出力する。故にミシンは、作業者に、ミシンと供給装置の配置関係の調整を促すことができる。
第一態様は、前記ミシンの電源投入時の前記受け取り位置を初期位置として前記記憶部に記憶する第一記憶手段と、前記第一記憶手段が記憶する前記初期位置に対する前記受け取り位置の偏差である第三偏差を検出する第三検出手段と、前記第三検出手段が検出した前記第三偏差が第三所定値を超えたか否かを判断する第四判断手段と、をさらに備えてもよい。この場合に、前記報知手段は、前記第四判断手段で前記第三偏差が前記第三所定値を超えたと判断した場合、異常状態の発生を報知する第二報知信号を出力してもよい。ミシンは、受け取り位置のずれが初期位置と比べて大きくなった場合、第二報知信号を出力する。故にミシンは、作業者に、ミシンと供給装置の配置関係の調整を促すことができる。
第一態様は、前記制御手段が前記送り機構を移動した後の前記受け取り位置を候補位置として前記記憶部に記憶する第二記憶手段と、前記第二記憶手段が前記候補位置を所定回数以上連続して前記記憶部に記憶したか否かを判断する第五判断手段と、前記第五判断手段で前記第二記憶手段が前記候補位置を所定回数以上連続して前記記憶部に記憶したと判断した場合、前記候補位置を前記受け取り位置として前記記憶部に記憶する第三記憶手段と、をさらに備えてもよい。ミシンは、受け取り位置のずれを所定回数以上連続して検出した場合に受け取り位置を変更するので、突発的な外力を受けて一時的に受け取り位置がずれた場合には受け取り位置を変更しない。故に送り機構は、供給装置から保持体を安定して確実に受け取ることができる。
本発明の第二態様によれば、請求項1〜6のいずれかに記載のミシンと、前記ミシンの前記送り機構と対向し、前記縫製対象物を保持した前記保持体を前記ミシンの前記送り機構へ向けて移動可能な移動機構を有する前記供給装置と、を備えた縫製システムが提供される。ミシンは、縫製対象物を保持した保持体を安定して確実に供給装置から受け取ることができる。故に、縫製システムは、縫製対象物の縫製を効率よく行うことができる。
図面を参照し、本発明の一実施形態を説明する。図1、図2を参照し、ミシン1を含む縫製システム300の概略的構成を説明する。図2の左斜め下側、右斜め上側、左斜め上側、右斜め下側は、縫製システム300が含むミシン1の前側、後側、左側、右側である。以下の説明では図中に矢印で示す上下、左右、前後を使用する。図1に示すように、縫製システム300は、パレット供給装置200を中心に、複数台(本実施形態では3台)のミシン1と2つの作業机251、252を平面視放射状に配置する。複数台のうち1台のミシン1は、後述するパレット80の貫通穴826(図5参照)内に生地を供給するパーツ供給装置91を側部に配置する。縫製システム300は、パレット供給装置200が供給するパレット80に保持した特定形状を有する生地(縫製対象物)の縫製動作を3つの工程に分け、各工程を3台のミシン1が夫々縫製するシステムである。
パレット供給装置200は、土台部201と回転テーブル202を備える。土台部201は金属製の棒材を立方体状に組んだ枠体である。土台部201は下端部に車輪(図示略)を備え、移動可能である。土台部201は上部に平面視円形状の回転テーブル202を配置し、回転可能に支持する。回転テーブル202上面の高さは、後述するミシン1の作業台5(図2参照)上面と略同一高さである。回転テーブル202上面の高さは、ミシン1の作業台5上面よりわずかに低くてもよい。土台部201は内部にテーブル回転モータ221(図6参照)を備える。テーブル回転モータ221は、回転テーブル202の回転軸(図示略)に接続し、回転テーブル202を水平面内で回転する。
パレット供給装置200は、回転テーブル202の上面に、複数(本実施形態では5つ)のパレット供給機構230を備える。本実施形態では、パレット供給機構230の数は、ミシン1の数と二つの作業机251、252とを合わせた数と同数である。回転テーブル202は、各パレット供給機構230を回転テーブル202の回転軸を中心に平面視放射状に配置する。パレット供給機構230は回転テーブル202上面の周方向に等間隔に並ぶ。図2に示すように、パレット供給機構230は、夫々エアシリンダ231を備える。尚、図2は、1つのパレット供給機構230を図示し、他の4つのパレット供給機構230の図示を省略する。エアシリンダ231は、回転テーブル202上面に固定する。エアシリンダ231のピストンロッド231A(図4参照)は、回転テーブル202の径方向に進退する。ピストンロッド231Aは、回転テーブル202の径方向外側先端に、パレット80を着脱可能なパレット保持部235を備える。パレット保持部235の構成は、ミシン1が備えるパレット保持部70と略同様の構成であり、詳細な説明は後述する。パレット供給機構230は、コンプレッサ(図示略)が供給するエアでエアシリンダ231(図2参照)を駆動し、パレット保持部235を供給位置と待避位置の間で移動する。供給位置は、パレット保持部235がパレット80を保持した状態で、ピストンロッド231Aがミシン1又は作業机251,252側に進出した時、パレット80の第一ピン841(図5参照)を、送り機構6のパレット保持部70が支持溝72(図3参照)内に配置可能な位置である。待避位置は、ピストンロッド231Aがパレット供給装置200側に退入し、パレット保持部235がパレット80を保持した状態で回転テーブル202が回転してもパレット80がミシン1に干渉しない位置である。パレット80は、ミシン1が縫製する縫製対象物(例えば生地)を上板82と下板81の間に上下から挟んで保持する。パレット80の構成の説明は後述する。
図1に示すように、パレット供給装置200は、土台部201に、制御装置210(図6参照)を格納する制御箱(図示略)を備える。制御装置210はCPU211(図6参照)を備え、回転テーブル202の回転とパレット供給機構230の駆動を制御する。パレット供給装置200は、回転テーブル202を例えば平面視反時計回りに72度ずつ回転し、パレット供給機構230を駆動して、各ミシン1と作業机251、252に対しパレット80の供給と回収を行う。作業机251は、作業者が、パレット供給機構230がパレット80を保持する位置に、縫製前のパレット80を配置する作業を行う机である。作業机252は、ミシン1が縫製を終え、パレット供給機構230が保持を解除したパレット80を、作業者が回収する作業を行う机である。作業机251、252の上面の高さは、夫々回転テーブル202上面と略同一高さである。作業机251、252の上面の高さは、夫々回転テーブル202上面よりわずかに高くてもよい。
パーツ供給装置91は、3台のうち1台のミシン1のテーブル95に設ける。パーツ供給装置91は、ミシン1の側方に位置し、ミシン1がパレット80(後述)を保持する状態で、パレット80の貫通穴826(図5参照)内に特定形状の生地を配置する装置である。パーツ供給装置91は、収納箱(図示略)に収納した特定形状の生地をノズル部(図示略)で吸引して保持し、生地の配置位置に移動可能な機構を備える。ミシン1は、パレット80が予め上板82と下板81(図5参照)の間に挟んで保持する生地に、パーツ供給装置91が貫通穴826内に配置した特定形状の生地を縫製する。パーツ供給装置91の詳細な説明は省略する。
ミシン1の構成を説明する。3台のミシン1の構成は略同じである。故に、以下では1台のミシン1の構成の説明を、他のミシン1の構成の説明に準用するものとする。図2に示すように、ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2はテーブル95上に配置する。テーブル95は支持台96(図2参照)上に固定し、作業台5上面の高さを回転テーブル202上面に揃える。ベッド部2は前後方向に延び、内部に垂直釜(図示略)等を備える。脚柱部3はベッド部2後側から上方に延びる。脚柱部3は内部にミシンモータ112(図6参照)等を備える。アーム部4は脚柱部3上端からベッド部2上面に対向して前方に延び、前端に前端部7を備える。アーム部4は内部に主軸、針棒駆動機構(図示略)等を備える。針棒10は前端部7の下端から下方へ延びる。縫針11は針棒10の下端に着脱可能である。ミシン1は、テーブル95下方に制御装置100(図6参照)を格納する制御箱(図示略)を備える。
ミシン1はベッド部2の上方に作業台5と送り機構6を備える。作業台5は針棒10よりも下方に位置し、水平方向に延びる上面を有する。作業台5は針板(図示略)を備える。針板上面と作業台5上面は略同一高さである。針板は、針棒10に装着した縫針11直下の位置に、縫針11が挿通可能な針穴13を有する。
送り機構6は、パレット保持部70、枠支持部65、腕部64、昇降部62、押え枠63、エアシリンダ(図示略)、X軸移動機構(図示略)、Y軸移動機構(図示略)を備える。枠支持部65は作業台5の後方に位置する。枠支持部65は、前方に延びる腕部64を備え、腕部64の下方にパレット保持部70を固定する。パレット保持部70は左右方向に延び、パレット80(後述)を着脱可能な構成を有する。腕部64は先端に昇降部62を昇降可能に支持する。エアシリンダは腕部64に設け、昇降部62に接続する。送り機構6はコンプレッサ(図示略)が供給するエアでエアシリンダを駆動し、昇降部62を昇降する。昇降部62は下端に押え枠63を連結する。押え枠63は矩形枠状の板部材である。昇降部62が下方に移動すると、押え枠63は下降する。押え枠63は縫製時にパレット保持部70が保持するパレット80を作業台5との間に上方から押さえ、パレット80の浮き上がりを防止する。送り機構6は枠支持部65が支持する押え枠63とパレット保持部70をX軸方向(左右方向)とY軸方向(前後方向)に移動する。X軸移動機構とY軸移動機構は、ベッド部2内部に設ける。X軸移動機構は、X軸モータ114(図6参照)を駆動源とし、枠支持部65とパレット保持部70をX軸方向へ移動する。Y軸移動機構は、Y軸モータ116(図6参照)を駆動源とし、枠支持部65とパレット保持部70をY軸方向へ移動する。
パレット保持部70、235の構成を説明する。尚、パレット供給装置200のパレット供給機構230が備えるパレット保持部235は、パレット保持部70と同様の構成を有する。故に、パレット保持部235の構成の詳細な説明は、パレット保持部70の構成の説明を準用する。
図3に示すように、パレット保持部70は、本体部71、エアシリンダ73、左右一対の連結部74、左右一対の把持部75、二つのパレットセンサ76を備える。本体部71は左右方向に延びる。本体部71の左右両端部は、夫々前端から後方へ向けて平面視U字状に形成した支持溝72を有する。支持溝72は、前端側の左右方向の溝幅を後端側よりも大きく形成する。支持溝72は、後述のパレット80の第一ピン841(図5参照)が嵌まる溝である。エアシリンダ73は、本体部71上面の左右方向中央部に設ける。連結部74は、エアシリンダ73の左右両端から夫々左右に延びる。左側の連結部74は、エアシリンダ73に固定する。右側の連結部74は、エアシリンダ73のピストンロッド(図示略)に固定する。
把持部75の一端部は、連結部74の先端部に回動可能に連結する。把持部75の他端部は鉤状を呈する。把持部75は、本体部71の左右両端部の下方に夫々配置する。把持部75は中央部で本体部71に回動可能に固定する。エアシリンダ73が駆動しピストンロッドが進出すると、左側の連結部74は左方に移動し、右側の連結部74は右方に移動する。エアシリンダ73の駆動に応じて一対の連結部74が夫々左右に移動すると、一対の把持部75は本体部71の固定位置を中心に夫々回動する。左側の把持部75と右側の把持部75は互いに平面視反対方向に回動する。把持部75は、支持溝72が本体部71前方に開放した状態となる開放位置と、支持溝72前端を塞ぐ把持位置に回動する。把持部75と支持溝72は、把持部75が把持位置にある場合にパレット80の第一ピン841を協働して把持する。二つのパレットセンサ76は、夫々本体部71左右両端部よりも中央側に設ける。パレットセンサ76は周知の近接センサであり、所定の検出範囲内で物体を検出するとON状態となる。
図4に示すように、パレット保持部235は、上述のパレット保持部70と同様に、本体部236、エアシリンダ237、一対の連結部238、一対の把持部239を備える。支持溝2361は、本体部236の延出方向両端部に設け、後述のパレット80の第二ピン842が嵌まる溝である。パレット保持部235は、パレット保持部70の二つのパレットセンサ76に相当する構成を有さない。
パレット80の構成を説明する。以下説明において、パレット80の向きは、ミシン1のパレット保持部70がパレット80を保持した状態(図2参照)におけるミシン1の向きに倣うものとする。即ち、図5の左側、右側、上側、下側、表面側、裏面側は、夫々パレット80の左側、右側、後側、前側、上側、下側である。
図5に示すように、パレット80は矩形板状の下板81と上板82を備える。本実施形態の下板81、上板82は合成樹脂製である。尚、下板81、上板82は、例えば金属製であってもよい。上板82の大きさは下板81の大きさよりも小さい。上板82は下板81の上方に配置する。下板81の後端部811は上板82の後端よりも後方に突出し、上面に、左右方向に延びる板状の金属プレート831を備える。金属プレート831の左右方向の長さは、ミシン1のパレット保持部70に設けた二つのパレットセンサ76の位置に対応する。下板81の前端部812は上板82の前端よりも前方に突出し、上面に、左右方向に延びる板状の金属プレート832を備える。金属プレート832の左右方向の長さは、金属プレート831の左右方向の長さと略同一である。上板82は、後端の二箇所を蝶番824で下板81の金属プレート831に固定する。蝶番824は、可撓性を有する板材である。上板82は、蝶番824を支点に前端が上下方向に揺動可能である。パレット80に生地を保持する場合、作業者は、上板82の下面と下板81の上面を離間して下板81上に生地を配置し、上板82の下面と下板81の上面を近づけて上板82と下板81の間に生地を挟む。
パレット80は、後端部811に一対の第一ピン841を有する。一対の第一ピン841は、後端部811と前端部812とが対向する方向に直交する左右方向に離間する。本実施形態では、一対の第一ピン841は、金属プレート831の左右両端部近傍に設け、金属プレート831の上面から上方へ突出する。パレット80は、前端部812に一対の第二ピン842を有する。一対の第二ピン842は、後端部811と前端部812とが対向する方向に直交する左右方向に離間する。本実施形態では、一対の第二ピン842は、金属プレート832の左右両端部近傍に設け、金属プレート832の上面から上方へ突出する。尚、本実施形態では、パレット保持部235がパレット80を保持した状態で、ミシン1側の第一ピン841が作業台5の上方に位置し、パレット供給装置200側の第二ピン842が回転テーブル202の上方に位置する。故に、パレット保持部235がパレット80を保持した状態では、パレット80は常に作業台5と回転テーブル202との間を跨いだ状態となる。
下板81は、中央部に、下板81を上下方向に貫通する貫通穴(図示略)と、上面から下面へ向けて窪んだ部分である窪み部(図示略)を有する。貫通穴は窪み部内に形成する。パレット80は特定形状を有する生地を縫製する時に使用する部材である。窪み部は生地の特定形状に対応する形状を有する。作業者は窪み部に生地を嵌め込み、縫製中の生地の位置ずれを防ぐ。貫通穴は、縫製時に縫針11が通過する穴である。
上板82は、中央部に、縫製時に縫針11が通過する経路828、829に対応する貫通穴825、826を有する。貫通穴825、826は、上板82の下面と下板81の上面が近接する場合に下板81の貫通穴と重なる位置にある。3台のミシン1のうち1台のミシン1は、パレット80に対して相対的に縫針11を移動し、経路828に沿って縫製する。他の1台のミシン1は、貫通穴826内に配置した特定形状の生地に経路829に沿って模様を縫製する。残り1台のミシン1は、他の特定形状の生地に特定の模様を縫製する。
図6を参照しミシン1とパレット供給装置200の電気的構成を説明する。パレット供給装置200の制御装置210は、CPU211、ROM212、RAM213、バス215、入出力インターフェース(I/F)216、駆動回路217、通信I/F218を備える。CPU211、ROM212、RAM213はバス215を介して入出力I/F216と電気的に接続する。CPU211はパレット供給装置200の制御を司り、ROM212が記憶する各種プログラムに従って処理を実行する。ROM212は各種プログラム、各種プログラム、各種初期設定パラメータ等を記憶する。RAM213はCPU211の演算結果、各種データ等を一時的に記憶する。駆動回路217は入出力I/F216と電気的に接続する。駆動回路217はテーブル回転モータ221と電気的に接続する。テーブル回転モータ221はステッピングモータである。CPU211は駆動回路217を制御し、テーブル回転モータ221を駆動する。テーブル回転モータ221は回転軸(図示略)を介して回転テーブル202を回転する。通信I/F218は、入出力I/F216と電気的に接続する。通信I/F218は、例えばシリアル通信用のインターフェースである。通信I/F218は複数のミシン1の夫々の通信I/F127に接続する。
入出力I/F216は、テーブルエンコーダ222、テーブル原点センサ223、保持部移動電磁弁224、把持部開閉電磁弁225、テーブル固定電磁弁226、テーブル固定センサ227、パレットセンサ228、投入センサ229、パーツ供給装置91と電気的に接続する。テーブルエンコーダ222は、テーブル回転モータ221の回転軸の回転角度を検出するセンサである。CPU211はテーブルエンコーダ222が出力する回転角度に基づいて回転テーブル202の現在の回転位置を求め、RAM213に記憶する。テーブル原点センサ223は、回転テーブル202の回転位置が原点位置にあるか否か検出するセンサである。CPU211はテーブル原点センサ223が検出した原点位置を基準に、テーブルエンコーダ222が検出した現在の回転位置に基づいてテーブル回転モータ221を駆動し、回転テーブル202を所定の回転位置に回転する。
保持部移動電磁弁224は、コンプレッサ(図示略)がパレット供給機構230のエアシリンダ231へ供給するエアの供給経路に設けた電磁弁である。CPU211は保持部移動電磁弁224を開閉し、エアシリンダ231のピストンロッド231Aの駆動を制御して、パレット保持部235を移動する。把持部開閉電磁弁225は、コンプレッサがパレット保持部235のエアシリンダ237へ供給するエアの供給経路に設けた電磁弁である。CPU211は把持部開閉電磁弁225を開閉し、エアシリンダ237に接続する左右一対の連結部238の駆動を制御して、把持部239を開放位置と把持位置の間で回動する。
テーブル固定電磁弁226は、回転テーブル202を所定の回転位置に位置決めする固定ピン(図示略)を動作するエアシリンダ(図示略)へ供給するエアの供給経路に設けた電磁弁である。CPU211はテーブル固定電磁弁226を開閉し、エアシリンダに接続する固定ピンの動作を制御して、回転テーブル202を所定の回転位置に位置決め又は位置決め解除する。テーブル固定センサ227は、固定ピンが回転テーブル202を所定の回転位置に正しく位置決めしたか否か検出するセンサである。CPU211は、テーブル固定センサ227の検出結果に基づいて、回転テーブル202が所定の回転位置にあるか否か判断する。
パレットセンサ228はパレット供給装置200の土台部201上端側に設け、パレット保持部235が待避位置に移動し、且つパレット80がパレット保持部235に保持した状態にある場合にON状態となる周知のセンサである。投入センサ229は、作業机251に設け、パレット80が作業机251の所定位置にある場合にON状態となる周知のセンサである。作業机251の所定位置は、パレット供給機構230がパレット保持部235を供給位置に移動した場合に、パレット保持部235がパレット80を保持可能な位置である。CPU211は、投入センサ229がON状態にある場合、作業者がパレット80を所定位置に配置したと判断する。
ミシン1の制御装置100はCPU101、ROM102、RAM103、不揮発性メモリ104、バス105、入出力I/F106、駆動回路113、115、117、通信I/F127を備える。CPU101、ROM102、RAM103、不揮発性メモリ104はバス105を介して入出力I/F106と電気的に接続する。CPU101はミシン1の制御を司り、ROM102が記憶する各種プログラムに従って、縫製に関わる各種演算と処理を実行する。ROM102は各種プログラム、各種初期設定パラメータ等を記憶する。RAM103はCPU101の演算結果、ポインタ、カウンタ等を一時的に記憶する。不揮発性メモリ104は、複数の模様(縫目線、縫目模様、刺繍模様等)の縫製データ、作業者が入力した各種設定情報等を記憶する。
縫製データは、模様を縫製する為の複数の針落ち点が順に縫針11の直下に位置するように、枠支持部65とパレット保持部70を移動する為のデータである。針落ち点は、針棒10と共に縫針11が下方に移動した時に縫針11が刺さる生地(縫製対象物)上の予定位置である。本実施形態の縫製データは、枠支持部65とパレット保持部70を縫製開始位置から順に針落ち点に対応する位置へ移動する為、針落ち点の座標を順に並べたデータである。針落ち点の座標は、枠支持部65とパレット保持部70の原点位置を基準位置とした座標である。本実施形態では、枠支持部65とパレット保持部70の原点位置は、パレット80を装着した時、パレット80の中心点が縫針11の直下にある位置である。枠支持部65とパレット保持部70が原点位置にある時、パレット80も原点位置にある。枠支持部65とパレット保持部70の原点位置は、本実施形態の例に限らず、パレット80の他の位置が針穴13の真上にある位置、枠支持部65とパレット保持部70が可動範囲のうち左右方向の中心且つ最も後方にある位置等、その他の位置に定めてもよい。
駆動回路113、115、117は入出力I/F106と電気的に接続する。駆動回路113はミシンモータ112と電気的に接続する。CPU101は駆動回路113を制御し、ミシンモータ112を駆動する。ミシンモータ112は主軸を回転する。駆動回路115はX軸モータ114と電気的に接続する。駆動回路117はY軸モータ116と電気的に接続する。CPU101は駆動回路115、117を制御し、X軸モータ114とY軸モータ116を夫々駆動する。X軸モータ114、Y軸モータ116は夫々ステッピングモータである。X軸モータ114、Y軸モータ116は夫々X軸移動機構、Y軸移動機構を駆動し、枠支持部65とパレット保持部70をX軸方向、Y軸方向に移動する。なお、X軸プラス方向はミシン1の右へ向かう方向である。Y軸プラス方向はミシン1の後ろへ向かう方向である。
X軸モータ114、Y軸モータ116は、出力軸に夫々X軸エンコーダ114A、Y軸エンコーダ116Aを備える。X軸エンコーダ114A、Y軸エンコーダ116Aは夫々入出力I/F106と電気的に接続する。X軸エンコーダ114A、Y軸エンコーダ116Aは、夫々X軸モータ114、Y軸モータ116の出力軸の回転角度に対応するカウント値を検出し、CPU101に出力する。CPU101は、X軸エンコーダ114A、Y軸エンコーダ116Aが出力するカウント値に基づいて枠支持部65とパレット保持部70の現在位置の座標を演算し、RAM103に記憶する。
CPU101は縫製時にミシンモータ112を駆動して主軸を回転し、針棒10の上下動と垂直釜の駆動を制御する。CPU101は、ミシンモータ112の駆動と同時に縫製データに基づきX軸モータ114、Y軸モータ116を駆動し、送り機構6を駆動制御し、パレット80が保持する生地を縫製する。通信I/F127は、入出力I/F106と電気的に接続する。通信I/F127は、例えばシリアル通信用のインターフェースである。通信I/F127はパレット供給装置200の通信I/F218と電気的に接続する。
入出力I/F106は、把持部開閉電磁弁77、X方向原点センサ118、Y方向原点センサ119、枠昇降電磁弁122、パレットセンサ76と電気的に接続する。把持部開閉電磁弁77は、コンプレッサ(図示略)がパレット保持部70のエアシリンダ73へ供給するエアの供給経路に設けた電磁弁である。CPU101は把持部開閉電磁弁77を開閉し、エアシリンダ73に接続する左右一対の連結部74の駆動を制御して、把持部75を開放位置と把持位置の間で回動する。X方向原点センサ118は枠支持部65とパレット保持部70の原点設定に用いる周知の構成のセンサであり、X軸移動機構(図示略)に設ける。Y方向原点センサ119は枠支持部65とパレット保持部70の原点設定に用いる周知の構成のセンサであり、Y軸移動機構(図示略)に設ける。CPU101は、X方向原点センサ118、Y方向原点センサ119の検出結果に基づきX軸モータ114、Y軸モータ116の駆動制御を行い、縫製開始前に枠支持部65とパレット保持部70を原点位置へ移動する。枠昇降電磁弁122は、コンプレッサ(図示略)が送り機構6の腕部64に設けたエアシリンダ(図示略)へ供給するエアの供給経路に設けた電磁弁である。CPU101は枠昇降電磁弁122を開閉してエアシリンダを駆動し、昇降部62に連結する押え枠63を昇降する。パレットセンサ76はパレット保持部70に設けた周知の近接センサであり、所定の検出範囲内で物体を検出するとON状態となる。CPU101は、パレットセンサ76がON状態にある場合、パレット80がパレット保持部70に近接した状態にあると判断する。
図7を参照し、パレット供給装置200のCPU211が実行する供給制御処理を説明する。供給制御処理は、パレット供給装置200が、ミシン1から縫製動作の一工程を終えたパレット80を回収し、回収したパレット80を、そのパレット80に対する縫製動作の他の工程を行う他のミシン1に対し、回転テーブル202を回転して供給する一連の処理である。作業者がパレット供給装置200の電源をONにすると、CPU211はROM212から供給制御プログラムを読み出し、プログラムが含む指示に従って処理を実行する。尚、作業者は、縫製システム300の作業を終える時、ミシン1のパレット保持部70がパレット80を保持した状態で、パレット供給装置200、ミシン1の電源をOFFにするものとする。故に、パレット供給装置200の電源がONになった時、パレット供給装置200はパレット80をミシン1に供給した状態であるので、パレット保持部235の把持部239は開放位置にある。
後述するが、ミシン1のCPU101は、作業者がミシン1の電源をONにすると枠支持部65とパレット保持部70を原点位置に移動する処理を行い、処理を完了すると、パレット供給装置200に対して原点検出完了信号を送信する。パレット供給装置200のCPU211は、全てのミシン1から原点検出完了信号を受信したか否か判断し(S1)、未受信であれば処理を待機する(S1:NO)。CPU211は、全てのミシン1から原点検出完了信号を受信すると(S1:YES)、回転テーブル202の原点を検出する処理を行う(S2)。CPU211はテーブル回転モータ221を駆動し、テーブル原点センサ223の検出結果に基づき、回転テーブル202の原点位置を検出する。CPU211はRAM213に記憶する回転テーブル202の現在の回転位置をリセットし、検出した原点位置を基準に現在の回転位置を補正する。CPU211は、テーブル回転モータ221を駆動し、テーブルエンコーダ222の検出結果に基づき、回転テーブル202の回転位置を電源OFFした時の位置に戻す。
CPU211は、作業机251の投入センサ229がON状態であるか否か判断し(S3)、OFF状態であれば処理を待機する(S3:NO)。投入センサ229は、作業者が作業机251の所定位置に、縫製が未完了の生地を保持するパレット80を配置するとON状態になる。CPU211は、投入センサ229がON状態になると(S3:YES)、パレット80を回収する回収処理を行う。回収処理は、以下のS5〜S12の処理を含む。
回収処理において、CPU211は保持部移動電磁弁224を作動してパレット供給機構230のパレット保持部235を待避位置から供給位置に移動する(S5)。尚、パレット供給装置200の電源がONになった時、パレット供給装置200はパレット80をミシン1に供給した状態であるので、パレット保持部235の把持部239が開放位置にある。CPU211は各ミシン1に回収準備完了信号を送信し(S6)、全てのミシン1から回収要求信号を受信するまで処理を待機する(S7:NO)。
後述するが、ミシン1のCPU101は、回収準備完了信号の受信を契機に枠支持部65とパレット保持部70を受け取り位置に移動して、パレット保持部70が保持するパレット80の第二ピン842をパレット保持部235の支持溝2361内に配置する。CPU101は、パレット保持部70の把持部75を開放位置に回動し、パレット供給装置200に回収要求信号を送信する。パレット供給装置200のCPU211は、全てのミシン1から回収要求信号を受信すると(S7:YES)、把持部開閉電磁弁225を作動し、把持部239を把持位置に回動する(S8)。図4に示すように、パレット保持部235はパレット80を保持する。図7に示すように、CPU211は保持部移動電磁弁224を作動してパレット保持部235を待避位置に移動する(S10)。パレット供給機構230は、パレット80をパレット供給装置200側に回収し、パレット80の少なくとも1/3以上を回転テーブル202上に載せる。上述のように、パレット供給機構230がパレット80をパレット供給装置200側に回収した場合、ミシン1側の第一ピン841が常に作業台5の上方に位置し、パレット供給装置200側の第二ピン842が常に回転テーブル202の上方に位置する。
CPU211は、パレットセンサ228がON状態であるか否か判断し(S11)、ON状態であれば(S11:YES)、回収処理を終了して処理をS13に進める。CPU211は、パレットセンサ228がOFF状態であれば(S11:NO)、エラー処理を行い(S12)、作業者に回収エラーの発生を報知し、エラーの対処を促す。CPU211は、処理をS11に戻し、作業者がエラーの対処を行ってパレットセンサ228がON状態になれば(S11:YES)、回収処理を終了して処理をS13に進める。
CPU211は、回転テーブル202を回転する回転処理を行う(S13)。回転処理では、CPU211は、テーブル回転モータ221を駆動し、テーブルエンコーダ222の検出結果に基づいて、回転テーブル202を所定角度(本実施形態では72度)回転する。CPU211は、テーブル固定電磁弁226を作動して回転テーブル202を固定ピンで位置決めする。CPU211は、テーブル固定センサ227の検出結果に基づいて回転テーブル202を正しい位置に位置決めしたと判断した場合に回転処理を終了する。
CPU211は、ラベル搭載処理を行う(S15)。ラベル搭載処理は、詳細な説明は省略するが、パーツ供給装置91が特定形状の生地を供給可能な状態に準備する処理である。パーツ供給装置91が生地の供給準備を終えると、CPU211は、ラベル搭載処理を終了する。
CPU211は、各ミシン1に、パレット80を供給する供給処理を行う。供給処理は、以下のS16〜S22の処理を含む。CPU211は、各ミシン1に、受け取り開始信号を送信する(S16)。後述するが、ミシン1のCPU101は、受け取り開始信号の受信を契機に、枠支持部65とパレット保持部70を受け取り位置に移動し、パレット供給装置200が供給するパレット80を受け取り可能な状態にする。パレット供給装置200のCPU211は、保持部移動電磁弁224を作動してパレット保持部235を供給位置に移動する(S17)。CPU211は、把持部開閉電磁弁225を作動して把持部239を開放位置に回動し、第二ピン842の把持を解除することでパレット保持部235のパレット80保持を解除する(S18)。
CPU211は各ミシン1に受け取り要求信号を送信する(S20)。CPU211は、全てのミシン1から受け取り完了信号を受信したか否か判断し(S21)、未受信であれば受信するまで処理を待機する(S21:NO)。後述するが、ミシン1のCPU101は、受け取り要求信号の受信を契機に、パレット保持部70でパレット80を保持する処理を行う。CPU101は把持部75把持位置に回動し、支持溝72と把持部75でパレット80の第一ピン841を把持する。パレット保持部70がパレット80を保持したら、CPU101はパレット供給装置200に受け取り完了信号を送信する。パレット供給装置200のCPU211は、全てのミシン1から受け取り完了信号を受信すると(S21:YES)、保持部移動電磁弁224を作動してパレット保持部235を待避位置に移動する(S22)。CPU211はミシン1へのパレット80の供給を完了し、供給処理を終了する。
CPU211は、各ミシン1に、縫製開始指示信号を送信し(S23)、全てのミシン1から縫製完了信号を受信するまで処理を待機する(S25:NO)。詳細な説明は省略するが、各ミシン1のCPU101は、縫製開始指示信号の受信を契機に、後述する受け取り位置補正処理と並列に実行する縫製動作を開始する。縫製動作は、パレット供給装置200から受け取ったパレット80が保持する生地に対し、予めプログラムされた縫製動作の一工程を行う処理である。CPU101は縫製動作を終了すると、パレット供給装置200に縫製完了信号を送信する(S25)。パレット供給装置200のCPU211は、全てのミシン1から縫製完了信号を受信すると(S25:YES)、処理をS3に戻し、縫製後のパレット80を回収し、次の工程を行うミシン1にパレット80を供給する一連の処理を繰り返す。供給制御処理は、パレット供給装置200の電源がOFFになると終了する。
図8、図9を参照し、ミシン1のCPU101が実行する受け取り位置補正処理を説明する。受け取り位置補正処理は、パレット供給装置200が供給するパレット80をミシン1が受け取る場合に生ずる受け取り位置のずれを補正する処理である。受け取り位置は、パレット保持部235がパレット80を保持した状態で供給位置に移動した場合に、パレット80の第一ピン841をパレット保持部70の支持溝72内に配置可能である枠支持部65とパレット保持部70の位置である。CPU101は、受け取り位置補正処理に従って受け取り位置を補正し、パレット保持部235が供給位置に移動した時のパレット80の第一ピン841の位置と、枠支持部65とパレット保持部70が受け取り位置に移動した時のパレット保持部70の支持溝72の位置のずれを小さくする。CPU101は、補正した受け取り位置を示す座標を、不揮発性メモリ104に記憶する。
図8に示すように、作業者がミシン1の電源をONにすると、CPU101はROM102から受け取り位置補正処理を読み出し、他の処理(例えば縫製処理など)と並列に実行する。
CPU101は、X軸モータ114、Y軸モータ116を駆動し、枠支持部65とパレット保持部70を原点位置に移動する(S31)。具体的に、CPU101は、駆動回路115、117を介してX軸モータ114、Y軸モータ116に一パルスずつ与え、枠支持部65とパレット保持部70を移動する。X方向原点センサ118とY方向原点センサ119(図6参照)は、枠支持部65とパレット保持部70が原点位置に到達した時、検出信号を出力する。CPU101は、X方向原点センサ118とY方向原点センサ119からの検出信号を認識した時、枠支持部65とパレット保持部70の原点位置への移動が完了したと判断し、枠支持部65とパレット保持部70の移動を終了する。CPU101は、現在位置の座標を、原点位置を示す座標、例えば(X,Y)=(0,0)に設定する。CPU101は、パレット供給装置200に原点検出完了信号を送信する(S32)。
CPU101は、X軸モータ114、Y軸モータ116を駆動し、枠支持部65とパレット保持部70を待機位置に移動する(S33)。待機位置は、枠支持部65とパレット保持部70が、パレット供給装置200からパレット80を受け取る受け取り位置よりも後側(Y軸プラス方向側)へ所定距離ずらした位置である。CPU101は、不揮発性メモリ104に記憶する受け取り位置の座標を、RAM103の初期位置記憶領域に読み込む(S35)。CPU101は、パレット供給装置200が出力する回収準備完了信号、又は受け取り開始信号を受信したか否か判断し、信号受信がなければ処理を待機する(S36:NO、S42:NO)。
前述したように、パレット供給装置200のCPU211は、各ミシン1が送信する原点検出完了信号の受信を契機に、把持部239が開放位置にあるパレット保持部235を供給位置に移動し、各ミシン1に回収準備完了信号を送信する(図7のS6)。ミシン1のCPU101は、回収準備完了信号を受信した場合(S36:YES)、不揮発性メモリ104に記憶する受け取り位置の座標をRAM103の一時記憶領域に読み込む(S37)。CPU101は、受け取り位置の座標に従ってX軸モータ114、Y軸モータ116を駆動し、枠支持部65とパレット保持部70を一時記憶領域に記憶する受け取り位置に移動する(S38)。CPU101はX軸モータ114、Y軸モータ116を励磁し、枠支持部65とパレット保持部70を受け取り位置に保持する。CPU101は把持部開閉電磁弁77を作動し、把持部75を開放位置に回動する(S40)。パレット保持部70はパレット80の保持を解除する。CPU101は、パレット供給装置200に対して回収要求信号を送信し(S41)、処理をS36に戻して待機状態に移行する(S36:NO、S42:NO)。
前述したように、パレット供給装置200のCPU211は、各ミシン1が送信する回収要求信号の受信を契機に、パレット保持部70が保持解除したパレット80をパレット保持部235で保持し、パレット供給装置200側に回収する。CPU211は回転テーブル202を回転し(図7のS13)、次の工程を行うミシン1にパレット80を供給する準備を行い、各ミシン1に受け取り開始信号を送信する(図7のS16)。ミシン1のCPU101は、受け取り開始信号を受信した場合(S42:YES)、不揮発性メモリ104に記憶する受け取り位置の座標をRAM103の一時記憶領域に読み込む(S43)。CPU101は、枠支持部65とパレット保持部70の現在位置の座標が、RAM103の一時記憶領域に読み込んだ受け取り位置の座標と同じか否か判断する(S45)。CPU211は、受け取り位置が現在位置に等しいと判断した場合(S45:YES)、処理をS47に進める。CPU211は、受け取り位置が現在位置とは異なると判断した場合(S45:NO)、受け取り位置の座標に従ってX軸モータ114、Y軸モータ116を駆動し、枠支持部65とパレット保持部70を一時記憶領域に読み込んだ受け取り位置に移動する(S46)。CPU101はX軸モータ114、Y軸モータ116を励磁し、枠支持部65とパレット保持部70を受け取り位置に保持し、処理をS47に進める。
CPU101は、以下に説明するS47〜S56の処理を、パレット供給装置200のCPU211から受け取り要求信号を受信するまで繰り返す。上記したように、パレット供給装置200のCPU211は、受け取り開始信号を送信してから受け取り要求信号を送信するまでの間に、パレット保持部235を供給位置に移動する処理を行う(図7のS17)。枠支持部65とパレット保持部70を受け取り位置に移動した時、パレット80の受け取りに最適なパレット保持部70の位置は、パレット保持部235が供給位置に移動した場合にパレット80の第一ピン841がパレット保持部70の支持溝72内に位置し、且つ把持部75が把持位置に回動した時に第一ピン841を把持できる位置である。パレット保持部70は、最適な位置よりも主にY軸マイナス方向(前側)へ位置ずれする場合がある。該場合、パレット供給装置200がパレット保持部235を供給位置に移動する過程で、枠支持部65は、パレット80の第一ピン841を介して外力(パレット供給機構230のエアシリンダ231からの押圧力)を受ける。故に、CPU101は、枠支持部65とパレット保持部70の受け取り位置を補正する。CPU101は、パレット保持部235が供給位置へ向けて移動している間継続してS47〜S56の処理を繰り返し、パレット保持部235の移動が完了するまで受け取り位置を更新する。
CPU101は、一時領域に読み込んだ受け取り位置の座標に対する現在位置の座標の偏差である第一偏差を、X軸方向とY軸方向の夫々について演算する(S47)。CPU101は、枠支持部65とパレット保持部70を受け取り位置に保持するので、枠支持部65が外力を受けなければ、現在位置の座標と受け取り位置の座標は一致する。CPU101は、X軸方向における第一偏差がX軸方向における第一規定値を超えたか否か判断し(S48)、第一規定値を超えていなければ(S48:NO)、処理をS52に進める。CPU101は、Y軸方向における第一偏差がY軸方向における第一規定値を超えたか否か判断し(S52)、第一規定値を超えていなければ(S52:NO)、処理をS56に進める。CPU101は、受け取り要求信号を受信したか否か判断し(S56)、受信していなければ(S56:NO)、処理をS47に戻す。
支持溝72は、前端側の左右方向の溝幅が後端側よりも大きい。即ち支持溝72の内面は、前後方向及び左右方向に対し、斜めを向く斜面である。パレット80の第一ピン841がパレット保持部70の支持溝72に当接して内面を押圧すると、パレット保持部70は、第一ピン841が当接する支持溝72内面の位置に応じたX軸方向成分とY軸方向成分の外力を受けて、枠支持部65とパレット保持部70の現在位置が、保持した受け取り位置からずれる。換言すると、X軸モータ114、Y軸モータ116は、回転軸を駆動するローターを励磁によって保持しようとする位置と、回転軸が外力を受けて回転したことによってローターが位置ずれした位置との間に歪み(偏差)を生ずる。
CPU101は、S47〜S56の処理を繰り返すうち、X軸方向における第一偏差がX軸方向における第一規定値を超えた場合(S48:YES)、第一偏差が第一規定値内になるまで第一偏差が小さくなる向きにX軸モータ114を駆動し、X軸方向において枠支持部65とパレット保持部70を保持する位置を変更する(S50)。CPU101は、X軸モータ114駆動後の保持位置に対応する枠支持部65とパレット保持部70のX座標を新たな受け取り位置のX座標とする。CPU101は、一時記憶領域に記憶する受け取り位置のX座標を新たな受け取り位置のX座標で書き換えて、受け取り位置を補正する(S51)。CPU101は処理をS52に進める。
同様に、Y軸方向における第一偏差がY軸方向における規定値を超えた場合(S52:YES)、第一偏差が第一規定値内になるまで第一偏差が小さくなる向きにY軸モータ116を駆動し、Y軸方向において枠支持部65とパレット保持部70を保持する位置を変更する(S53)。CPU101は、Y軸モータ116駆動後の保持位置に対応する枠支持部65とパレット保持部70のY座標を新たな受け取り位置のY座標とする。CPU101は、一時記憶領域に記憶する受け取り位置のY座標を新たな受け取り位置のY座標で書き換えて、受け取り位置を補正する(S55)。CPU101は処理をS56に進める。
パレット供給装置200がパレット保持部235を供給位置に移動する間、枠支持部65とパレット保持部70は、補正後の受け取り位置から更に位置ずれする場合がある。CPU101は、S47〜S56の処理を繰り返すことで、パレット保持部235の移動が終わって受け取り要求信号を受信するまで、受け取り位置の再補正を随時行う。上記したように、パレット供給装置200のCPU211は、パレット保持部235の移動を完了し、把持部を開放位置に回動したら、受け取り要求信号を送信する。ミシン1のCPU101は、受け取り要求信号を受信した場合(S56:YES)、処理をS57(図9参照)に進める。
図9に示すように、CPU101は、二つのパレットセンサ76が何れもON状態であるか否か判断する(S57)。パレット保持部235の移動が完了した時、パレット80の第一ピン841は、支持溝72と把持部75で把持可能な位置にある。故にパレット80の下板81の後端部811は、パレット保持部70のパレットセンサ76に近接する。CPU101は、二つのパレットセンサ76が何れもON状態であると判断すると(S57:YES)、RAM103の初期位置記憶領域に記憶した受け取り位置の座標と、一時記憶領域に記憶する受け取り位置の座標との第三偏差を演算する(S71)。補正後の受け取り位置が電源ON時の受け取り位置に対して大きく異なり、S71の処理で求めた第三偏差が第三規定値を超えた場合(S72:YES)、CPU101は、パレット供給装置200に対して第二エラー信号を出力し(S73)、受け取り位置補正処理を終了する。パレット供給装置200のCPU211は、第二エラー信号に基づいて、作業者に、パレット供給装置200とミシン1の配置関係を見直すよう促す表示等を、表示部等(図示略)に表示する。
S71の処理で求めた第三偏差が第三規定値を超えていない場合(S72:NO)、CPU101は、不揮発性メモリ104に記憶する受け取り位置の座標と、一時記憶領域に記憶する受け取り位置の座標が同じ座標であるか否か判断する(S75)。受け取り位置に対する補正がなく、不揮発性メモリ104に記憶する受け取り位置の座標と、一時記憶領域に記憶する受け取り位置の座標が同じ座標であれば(S75:YES)、CPU101は、RAM103の更新カウンタをリセットし、処理をS78に進める。受け取り位置に対する補正があり、不揮発性メモリ104と一時記憶領域の受け取り位置の座標が異なれば(S75:NO)、CPU101は、更新カウンタが5以上であるか否か判断する(S76)。更新カウンタが5未満の場合(S76:NO)、CPU101は更新カウンタをインクリメントし、処理をS78に進める。更新カウンタが5以上の場合(S76:YES)、CPU101は、不揮発性メモリ104の受け取り位置の座標を一時記憶領域の受け取り位置の座標に書き換える(S77)。即ち、CPU101は、受け取り位置の補正を連続で5回行った場合、不揮発性メモリ104の受け取り位置の座標を最新の受け取り位置の座標に補正する。CPU101は更新カウンタをリセットし、処理をS78に進める。
CPU101は把持部開閉電磁弁77を作動し、把持部75を把持位置に回動する。パレット保持部70はパレット80を保持する。CPU101はX軸モータ114、Y軸モータ116を駆動し、枠支持部65とパレット保持部70を待機位置に移動する(S78)。パレット80の第二ピン842は、パレット保持部235の支持溝2361から離れる。CPU101は、パレット供給装置200に受け取り完了信号を送信し(S80)、処理をS36に戻して待機する。
パレット保持部70は、最適な位置よりも主にY軸プラス方向(後側)へ位置ずれする場合がある。該場合、CPU101がパレット供給装置200のCPU211から受け取り要求信号を受信した時(図8、S56:YES)、パレット保持部70はパレット80に接触しないので、二つのパレットセンサ76のうち少なくとも一方がON状態にならない。
図9に示すように、二つのパレットセンサ76のうち少なくとも一方がOFF状態の場合(S57:NO)、CPU101は、Y軸モータ116を1パルス分、駆動する(S58)。Y軸モータ116の移動向きは、枠支持部65とパレット保持部70が回転テーブル202に近づく向き(Y軸マイナス方向)である。パレット保持部70は、Y軸方向にY軸モータ116の1パルス分に相当する駆動量分、パレット80に近づく。
CPU101は、S58〜S67の処理で、枠支持部65とパレット保持部70のY軸マイナス方向への移動を繰り返し行い、Y軸モータ116の積算駆動量をS58の処理でY軸モータ116に付与したパルス数の積算値に基づいて求める。CPU101は、積算駆動量が規定量を超えたか否か判断する(S60)。積算駆動量が規定量を超えた場合(S60:YES)、CPU101はパレット供給装置200に対して第一エラー信号を出力し(S61)、受け取り位置補正処理を終了する。パレット供給装置200のCPU211は、第一エラー信号に基づいて、作業者に、パレット供給装置200とミシン1の配置関係を見直すよう促す表示等を、表示部等(図示略)に表示する。
積算駆動量が規定量を超えない場合(S60:NO)、CPU101はRAM103の一時記憶領域に記憶する受け取り位置の座標に、S58の処理でY軸モータ116に付与したパルス数分に相当する駆動量分を加えて移動する位置の座標を演算する。CPU101は、該位置の座標と現在位置の座標との偏差である第二偏差を、X軸方向とY軸方向の夫々について演算する(S62)。CPU101は、Y軸モータ116にパルスを付与して駆動した位置に枠支持部65とパレット保持部70を保持するので、枠支持部65とパレット保持部70が外力を受けなければ、現在位置の座標と保持した位置の座標は一致する。CPU101は、X軸方向における第二偏差がX軸方向における第二規定値を超えたか否か判断し(S63)、第二規定値を超えていなければ(S63:NO)、処理をS67に進める。CPU101は、Y軸方向における第二偏差がY軸方向における第二規定値を超えたか否か判断し(S67)、第二規定値を超えていなければ(S67:NO)、処理をS58に戻す。
上記同様、枠支持部65とパレット保持部70の移動でパレット保持部70の支持溝72がパレット80の第一ピン841に当接し、押圧力を受けると、パレット保持部70は、枠支持部65の現在位置が保持した位置からずれる。X軸モータ114、Y軸モータ116は、回転軸を駆動するローターを励磁によって保持しようとする位置と、回転軸が外力を受けて回転したことによってローターが位置ずれした位置との間に歪み(偏差)を生ずる。
CPU101は、S58〜S67の処理を繰り返すうち、X軸方向における第二偏差がX軸方向における第二規定値を超えた場合(S63:YES)、第二偏差が第二規定値内になるまで第二偏差が小さくなる向きにX軸モータ114を駆動し、X軸方向において枠支持部65とパレット保持部70を保持する位置を変更する(S65)。CPU101は、X軸モータ114駆動後の保持位置に対応する枠支持部65とパレット保持部70のX座標を新たな受け取り位置のX座標とする。CPU101は、一時記憶領域に記憶する受け取り位置のX座標を新たな受け取り位置のX座標で書き換えて、受け取り位置を補正する(S66)。CPU101は処理をS67に進める。
同様に、Y軸方向における第二偏差がY軸方向における第二規定値を超えた場合(S67:YES)、第二偏差が第二規定値内になるまで第二偏差が小さくなる向きにY軸モータ116を駆動して、Y軸方向において枠支持部65とパレット保持部70を保持する位置を変更する(S68)。CPU101は、Y軸モータ116駆動後の保持位置に対応する枠支持部65とパレット保持部70のY座標を新たな受け取り位置のY座標とする。CPU101は、一時記憶領域に記憶する受け取り位置のY座標を新たな受け取り位置のY座標で書き換えて、受け取り位置を補正する(S70)。CPU101は処理をS71に進める。CPU101は、上記同様、S71〜S80の処理を行い、パレット供給装置200に受け取り完了信号を送信したら(S80)、処理をS36に戻して待機する。受け取り位置補正処理は、ミシン1の電源がOFFになると終了する。
以上説明したように、枠支持部65とパレット保持部70の受け取り位置にずれを生じ、枠支持部65とパレット保持部70がパレット供給装置200からパレット80を介して外力を受ける場合、ミシン1は、枠支持部65とパレット保持部70が外力を受けて変位した量である第一偏差が第一規定値以下となる位置を新たな受け取り位置に設定し、ずれを解消することができる。故にミシン1はパレット供給装置200から受ける外力を減らし、枠支持部65とパレット保持部70を駆動する駆動源(X軸モータ114、Y軸モータ116)にかかる負荷を軽減することができる。
受け取り位置がパレット供給装置200から離れる側にずれており、パレット供給装置200がパレット80を供給した位置が受け取り位置に届かない場合、ミシン1は、枠支持部65とパレット保持部70をパレット供給装置200側へ移動することで、枠支持部65のパレット保持部70にパレット80を装着することができる。また、ミシン1は、実際の移動量に生じたずれを示す第二偏差が第二規定値以下となる位置を新たな受け取り位置に設定し、ずれを解消することができる。故にミシン1はパレット供給装置200から確実にパレット80を受け取り、枠支持部65のパレット保持部70に装着することができる。
ミシン1は、受け取り位置のずれが大きい場合、第一エラー信号を出力する。故にミシン1は、作業者に、ミシン1とパレット供給装置200の配置関係の調整を促すことができる。ミシン1は、受け取り位置のずれが初期位置と比べて大きくなった場合、第二エラー信号を出力する。故にミシン1は、作業者に、ミシンと供給装置の配置関係の調整を促すことができる。ミシン1は、受け取り位置のずれを5回以上連続して検出した場合に受け取り位置を変更するので、突発的な外力を受けて一時的に受け取り位置がずれた場合には受け取り位置を変更しない。故に枠支持部65のパレット保持部70は、パレット供給装置200からパレット80を安定して確実に受け取ることができる。
ミシン1は、生地を保持したパレット80を安定して確実にパレット供給装置200から受け取ることができる。故に縫製システム300は、生地の縫製を効率よく行うことができる。
尚、本発明は、上記実施形態の他に種々の変更が可能である。縫製システム300はミシン1を3台備えるが、1台備えてもよいし、複数台備えてもよい。縫製システム300がミシン1を複数台備える場合、必ずしも全てのミシン1が縫製動作の各工程を行う必要はなく、一部のミシン1の電源をOFFにしてもよい。ミシン1は、受け取り位置の補正をパレット供給装置200からパレット80を受け取る時に行ったが、パレット供給装置200がパレット80を回収する時に行ってもよい。縫製システム300はコンプレッサ(図示略)を備え、パレット保持部70、235をエアで駆動したが、モータ、アクチュエータ等を用いて電動で駆動してもよい。パレット供給装置200はテーブル固定電磁弁226、テーブル固定センサ227、固定ピンを備えず、回転テーブル202の位置決めをテーブル回転モータ221のトルクで行ってもよい。
CPU101は、S58の処理で、枠支持部65とパレット保持部70をY軸マイナス方向にY軸モータ116の1パルス相当分ずつ移動したが、複数パルス相当分ずつ移動してもよい。CPU101は、S67の処理で、受け取り位置のY座標の補正の開始をY軸方向の偏差が規定値を超えたか否かで判断したが、パレットセンサ76がON状態であるか否かを判断して開始してもよい。CPU101は、S75〜S77の処理で、受け取り位置に対する補正が5回連続した場合に不揮発性メモリ104に記憶する受け取り位置の座標を最新のものに書き換えたが、5回に限らず、1回でもよいし、2回、3回、10回など、複数回でもよい。受け取り位置に対する補正が5回連続でなくてもよく、CPU101は、例えば、10回のうち5回補正を行った場合に、受け取り位置の座標を最新のものに書き換えてもよい。S71、S72の処理は行わなくてもよい。
本実施形態においては、パレット80が、本発明の「保持体」に相当する。パレット供給装置200が「供給装置」に相当する。不揮発性メモリ104が「記憶部」に相当する。X軸モータ114、Y軸モータ116を駆動して枠支持部65とパレット保持部70を移動するCPU101が「制御手段」に相当する。S47の処理を行って第一偏差を演算するCPU101が「第一検出手段」に相当する。S48、S52の処理を行って、第一偏差が第一規定値を超えたか否か判断するCPU101が「第一判断手段」に相当する。第一規定値、第二規定値、第三規定値が夫々「第一所定値」、「第二所定値」、「第三所定値」に相当する。受け取り要求信号が「通知信号」に相当する。パレット供給装置200から受け取り要求信号を受信するCPU101が「受信手段」に相当する。パレットセンサ76が「検知手段」に相当する。S57の処理を行ってパレットセンサ76がON状態であるか否か判断するCPU101が「第二判断手段」に相当する。S62の処理を行って第二偏差を演算するCPU101が「第二検出手段」に相当する。S63、S67の処理を行って、第二偏差が第二規定値を超えたか否か判断するCPU101が「第三判断手段」に相当する。
第一エラー信号、第二エラー信号が「第一報知信号」、「第二報知信号」に相当する。第一エラー信号、第二エラー信号を出力するCPU101が[報知手段」に相当する。RAM103に確保した初期位置記憶領域に記憶する受け取り位置の座標が「初期位置」に相当する。S35の処理を行って初期位置記憶領域に受け取り位置の座標を記憶するCPU101が「第一記憶手段」に相当する。S71の処理を行って第三偏差を演算するCPU101が「第三検出手段」に相当する。S72の処理を行って、第三偏差が第三規定値を超えたか否か判断するCPU101が「第四判断手段」に相当する。RAM103に確保した一時記憶領域に記憶する受け取り位置の座標が「候補位置」に相当する。S51、S55、S66、S70の処理を行って一時記憶領域に受け取り位置の座標を記憶するCPU101が「第二記憶手段」に相当する。S73,S75の処理を行って5回以上連続して一時記憶領域の受け取り位置の補正を行ったか否か判断するCPU101が「第五判断手段」に相当する。S76の処理を行って不揮発性メモリ104の受け取り位置の座標を一時記憶領域の受け取り位置の座標に書き換えるCPU101が「第三記憶手段」に相当する。パレット供給機構230が「移動機構」に相当する。
1 ミシン
5 作業台
6 送り機構
10 針棒
11 縫針
13 針穴
65 枠支持部
76 パレットセンサ
80 パレット
101 CPU
103 RAM
104 不揮発性メモリ
200 パレット供給装置
230 パレット供給機構
300 縫製システム
5 作業台
6 送り機構
10 針棒
11 縫針
13 針穴
65 枠支持部
76 パレットセンサ
80 パレット
101 CPU
103 RAM
104 不揮発性メモリ
200 パレット供給装置
230 パレット供給機構
300 縫製システム
Claims (7)
- 縫製対象物を保持した保持体を供給装置との間で受渡し可能であり、前記供給装置から受け取る前記保持体を装着し、前記縫製対象物を縫製するミシンにおいて、
縫針を下端に着脱可能且つ上下動可能な針棒と、
前記針棒よりも下方に設け、水平方向に延びる上面を有し、前記縫針が上下に通過可能な針穴を有する作業台と、
前記作業台の前記上面よりも上方に設け、前記保持体を着脱可能に構成し、水平移動可能な送り機構と、
前記送り機構が前記供給装置から前記保持体を受け取る位置である受け取り位置を記憶する記憶部と、
前記送り機構の水平方向への移動を制御し、且つ前記送り機構が前記保持体を受け取る前に、前記記憶部が記憶する前記受け取り位置に前記送り機構を移動する制御手段と、
前記制御手段で前記送り機構が前記受け取り位置に移動した後、前記送り機構が前記供給装置から前記保持体を受け取る際に外力を受けて変位した量である第一偏差を検出する第一検出手段と、
前記第一検出手段が検出した前記第一偏差が第一所定値を超えたか否かを判断する第一判断手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第一判断手段で前記第一偏差が前記第一所定値を超えたと判断した場合、前記第一偏差が前記第一所定値以下となるように前記送り機構を移動するとともに、移動後の前記送り機構の位置を新たな受け取り位置として記憶することを特徴とするミシン。 - 前記供給装置が前記保持体の供給完了時に出力する通知信号を受信する受信手段と、
前記送り機構に設け、前記送り機構が前記保持体を装着可能な位置に前記保持体があるか否かを検知する検知手段と、
前記受信手段が前記通知信号を受信した場合、前記検知手段が前記保持体を検知したか否かを判断する第二判断手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記第二判断手段で前記検知手段が前記保持体を検知しなかったと判断した場合、前記送り機構を前記供給装置側へ移動することを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記制御手段が前記送り機構を前記供給装置側へ移動して前記保持体と当接した場合に、前期制御手段が前記送り機構を移動しようとした量と実際の移動量との差である第二偏差を検出する第二検出手段と、
前記第二検出手段が検出した前記第二偏差が第二所定値を超えたか否かを判断する第三判断手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記第三判断手段で前記第二偏差が前記第二所定値を超えたと判断した場合、前記第二偏差が前記第二所定値以下となるように前記送り機構を移動するとともに、移動後の前記送り機構の位置を新たな受け取り位置として記憶することを特徴とする請求項2に記載のミシン。 - 前記制御手段が前記送り機構を前記供給装置側へ移動した移動量が規定長を超え、且つ前記検知手段が前記保持体を検知しなかった場合、異常状態の発生を報知する第一報知信号を出力する報知手段を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のミシン。
- 前記ミシンの電源投入時の前記受け取り位置を初期位置として前記記憶部に記憶する第一記憶手段と、
前記第一記憶手段が記憶する前記初期位置に対する前記受け取り位置の偏差である第三偏差を検出する第三検出手段と、
前記第三検出手段が検出した前記第三偏差が第三所定値を超えたか否かを判断する第四判断手段と、
をさらに備え、
前記報知手段は、前記第四判断手段で前記第三偏差が前記第三所定値を超えたと判断した場合、異常状態の発生を報知する第二報知信号を出力することを特徴とする請求項4に記載のミシン。 - 前記制御手段が前記送り機構を移動した後の前記受け取り位置を候補位置として前記記憶部に記憶する第二記憶手段と、
前記第二記憶手段が前記候補位置を所定回数以上連続して前記記憶部に記憶したか否かを判断する第五判断手段と、
前記第五判断手段で前記第二記憶手段が前記候補位置を所定回数以上連続して前記記憶部に記憶したと判断した場合、前記候補位置を前記受け取り位置として前記記憶部に記憶する第三記憶手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のミシン。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のミシンと、
前記ミシンの前記送り機構と対向し、前記縫製対象物を保持した前記保持体を前記ミシンの前記送り機構へ向けて移動可能な移動機構を有する前記供給装置と、
を備えたことを特徴とする縫製システム。
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- 2013-09-30 JP JP2013205928A patent/JP2015066380A/ja active Pending
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2015
- 2015-08-06 HK HK15107580.4A patent/HK1207132A1/xx not_active IP Right Cessation
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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