JP2015063521A - 高い薬物含有率を有する錠剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の別の課題は、高い薬物含有率を有する錠剤の製造方法であって、薬物含有率を高めた場合に問題となるラミネーションやキャッピングなどの打錠障害を回避することができる方法を提供することにある。
(1)部分アルファー化デンプン微粒子を含むアセトアミノフェン造粒物の製造
ヒドロシキプロピルセルロース(HPC-M、日本曹達)10.0gを水 約1,000mLに溶解し、1%HPC-M水溶液とした。部分アルファー化デンプン(PCS PC-10、旭化成ケミカルズ)50.0gを約1,000mLの1%HPC-M水溶液に懸濁し、高圧ホモジナイザー(LSU 2010P14、アドバンスト・ナノ・テクノロジィ)にて約200MPaで繰り返し5回湿式粉砕し、部分アルファー化デンプン微粒子懸濁液とした。
前記(1)で得た造粒物に対して、クロスポビドン(ポリプラスドンXL、ISPジャパン)0.5w/w%、ステアリン酸マグネシウム(純正化学)1.0w/w%を加えて混合し、打錠用混合物とした。ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力650kgfの条件で圧縮して、アセトアミノフェンを200mg含有する直径8mm、質量206mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアセトアミノフェンの含有率は97.0w/w%であった。
前記(2)の200mg錠と同様にして、アセトアミノフェンを400mg含有する直径10mm、質量412mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアセトアミノフェンの含有率は97.0w/w%であった。
(1)クロスポビドン微粒子を含むアセトアミノフェン造粒物の製造
実施例1(1)で用いた部分アルファー化デンプン(PCS PC-10、旭化成ケミカルズ)の代わりにクロスポビドン(ポリプラスドンXL、ISPジャパン)を用いた以外は、同様の方法で造粒物を得た。造粒物中のアセトアミノフェンの含有率は98.5w/w%であった。
(2)アセトアミノフェン錠400mgの製造
前記(1)で得た造粒物に対して、ステアリン酸マグネシウム(純正化学)1.0w/w%を加えて混合し、打錠用混合物とした。ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力700kgfの条件で圧縮して、アセトアミノフェンを400mg含有する直径10mm、質量410mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアセトアミノフェンの含有率は97.6w/w%であった。
(1)無水リン酸水素カルシウム微粒子を含むアセトアミノフェン造粒物の製造
実施例1(1)で用いた部分アルファー化デンプン(PCS PC-10、旭化成ケミカルズ)の代わりに無水リン酸水素カルシウム(L-カリカ、協和化学工業)を用いた以外は、同様の方法で造粒物を得た。造粒物中のアセトアミノフェンの含有率は98.5w/w%であった。
実施例1(3)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力650kgfの条件で圧縮して、アセトアミノフェンを400mg含有する直径10mm、質量412mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアセトアミノフェンの含有率は97.0w/w%であった。
(1)無水リン酸水素カルシウム微粒子を含むプロベネシド造粒物の製造
実施例1(1)と同様にして1%HPC-M水溶液を調製した。無水リン酸水素カルシウム(L-カリカ、協和化学工業)44.6gを約1,000mLの1%HPC-M水溶液に懸濁した後、実施例1(1)と同様の方法で湿式粉砕し、無水リン酸水素カルシウム微粒子懸濁液を調製した。ヒドロシキプロピルセルロース(HPC-M、日本曹達)25.0g、D-マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック)7.4gを無水リン酸水素カルシウム微粒子懸濁液 約500mLとエタノール(99.5)約500mLに溶解し、結合液とした。プロベネシド 2,000.0gを用いて実施例1(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のプロベネシドの含有率は98.2w/w%であった。
前記(1)で得た造粒物に対して、クロスポビドン(ポリプラスドンXL、ISPジャパン)2.0w/w%、ステアリン酸マグネシウム(純正化学)2.0w/w%、タルク(P-2、松村産業)2.0w/w%を加えて混合し、打錠用混合物とした。ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力500kgfの条件で圧縮して、プロベネシドを250mg含有する直径8mm、質量270mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のプロベネシドの含有率は92.7w/w%であった。
(1)クロスポビドン微粒子を含むエタンブトール塩酸塩造粒物の製造
実施例2(1)と同様にして、ただし、D-マンニトールは用いずに、クロスポビドン微粒子を含む結合液を調製した。エタンブトール塩酸塩1,400.0gを用いて実施例1(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のエタンブトール塩酸塩の含有率は98.8w/w%であった。
前記(1)で得た造粒物に対して、クロスポビドン(ポリプラスドンXL、ISPジャパン)0.5w/w%、ステアリン酸マグネシウム(純正化学)1.0w/w%、軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル)0.5w/w%を加えて混合し、打錠用混合物とした。ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力1200kgfの条件で圧縮して、エタンブトール塩酸塩を250mg含有する直径9mm、質量258mgのシングルR型錠を得た。錠剤中のエタンブトール塩酸塩の含有率は96.8w/w%であった。
(1)部分アルファー化デンプン微粒子を含むトラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン造粒物の製造
実施例1(1)と同様にして、部分アルファー化デンプン微粒子を含む結合液を調製した。トラマドール塩酸塩206.9g及びアセトアミノフェン1,793.1gを用いて実施例1(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中の薬物(トラマドール塩酸塩及びアセトアミノフェンの総量)の含有率は99.0w/w%であった。
前記(1)で得た造粒物に対して、クロスポビドン(ポリプラスドンXL、ISPジャパン)2.0w/w%、ステアリン酸マグネシウム(純正化学)1.0w/w%を加えて混合し、打錠用混合物とした。ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力900kgfの条件で圧縮して、トラマドール塩酸塩を37.5mg及びアセトアミノフェンを325mg含有する直径9mm、質量377mgのシングルR型錠を得た。錠剤中の薬物(トラマドール塩酸塩及びアセトアミノフェンの総量)の含有率は96.1w/w%であった。
(1)部分アルファー化デンプン微粒子を含むファムシクロビル造粒物の製造
実施例1(1)と同様にして、ただし、D-マンニトールは用いずに、部分アルファー化デンプン微粒子懸濁液を調製した。ヒドロシキプロピルセルロース(HPC-M、日本曹達)15.0 gを部分アルファー化デンプン微粒子懸濁液 約500mLとエタノール(99.5)約500mLに溶解し、結合液とした。ファムシクロビル900.0gを高速撹拌型混合造粒装置(LMA-10、奈良機械製作所)に投入し、結合液を一括添加方式にて添加しながら造粒を行った後、棚式静置乾燥機にて40℃、4時間、送風乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のファムシクロビルの含有率は98.8w/w%であった。
前記(1)で得た造粒物に対して、クロスポビドン(ポリプラスドンXL、ISPジャパン)1.5w/w%、ステアリン酸マグネシウム(純正化学)1.5w/w%を加えて混合し、打錠用混合物とした。ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力200kgfの条件で圧縮して、ファムシクロビルを250.0mg含有する直径8.5mm、質量261mgのシングルR型錠を得た。錠剤中のファムシクロビルの含有率は95.9w/w%であった。
(1)部分アルファー化デンプン微粒子を含むアスコルビン酸造粒物の製造
ヒプロメロース(TC-5R、信越化学)20.0gを水 約1,000mLに溶解し、2%TC-5R水溶液とした。部分アルファー化デンプン(PCS PC-10、旭化成ケミカルズ)100.0gを約1,000mLの2%TC-5R水溶液に懸濁し、高圧ホモジナイザー(LSU 2010P14、アドバンスト・ナノ・テクノロジィ)にて約200MPaで繰り返し5回湿式粉砕し、部分アルファー化デンプン微粒子懸濁液とした。
前記(1)で得た造粒物に対して、クロスポビドン(ポリプラスドンXL、ISPジャパン)0.5w/w%、ステアリン酸マグネシウム(純正化学)1.5w/w%を加えて混合し、打錠用混合物とした。ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力650kgfの条件で圧縮して、アスコルビン酸を250.0mg含有する直径9.0mm、質量259mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアスコルビン酸の含有率は96.6w/w%であった。
(1)アセトアミノフェン造粒物の製造
実施例1(1)と同様にして、ただし微粒子懸濁液及びD-マンニトールを用いずに3%HPC-M水/エタノール(99.5)混液(1:1)溶液を調製して結合液とした。アセトアミノフェン 2,500.0gを実施例1(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のアセトアミノフェンの含有率は99.3w/w%であった。
実施例2(2)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力650kgfの条件で圧縮して、アセトアミノフェンを200mg含有する直径8mm、質量203mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアセトアミノフェンの含有率は98.3w/w%であった。
実施例2(2)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力650kgfの条件で圧縮して、アセトアミノフェンを400mg含有する直径10mm、質量407mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアセトアミノフェンの含有率は98.3w/w%であった。
(1)部分アルファー化デンプン未粉砕品を含むアセトアミノフェン造粒物の製造
実施例1(1)と同様にして、ただし微粒子懸濁液を用いずに3%HPC-M水/エタノール混液(1:1)溶液を調製した。この溶液約1,000mLに部分アルファー化デンプン(PCS PC-10、旭化成ケミカルズ)25.0g、D-マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック)10.0gを懸濁及び溶解して結合液とした。アセトアミノフェン 2,500.0gを実施例1(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のアセトアミノフェンの含有率は98.5w/w%であった。
実施例1(2)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力650kgfの条件で圧縮して、アセトアミノフェンを200mg含有する直径8mm、質量206mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアセトアミノフェンの含有率は97.0w/w%であった。
(1)無水リン酸水素カルシウム未粉砕品を含むアセトアミノフェン造粒物の製造
実施例3(1)と同様にして、ただし微粒子懸濁液を用いずに3%HPC-M水/エタノール混液(1:1)溶液を調製した。この溶液約1,000mLに無水リン酸水素カルシウム(L-カリカ、協和化学工業)25.0g、D-マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック)10.0gを懸濁及び溶解して結合液とした。アセトアミノフェン 2,500.0gを実施例1(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のアセトアミノフェンの含有率は98.5w/w%であった。
実施例3(2)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力650kgfの条件で圧縮して、アセトアミノフェンを400mg含有する直径10mm、質量412mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアセトアミノフェンの含有率は97.0w/w%であった。
(1)プロベネシド造粒物の製造
実施例4(1)と同様にして、ただし微粒子懸濁液及びD-マンニトールを用いずに3%HPC-M水/エタノール(99.5)混液(1:1)溶液を調製し、結合液とした。プロベネシド 2,500.0gを用いて実施例1(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のプロベネシドの含有率は99.0w/w%であった。
実施例4(2)と同様にして、打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力500kgfの条件で圧縮して、プロベネシドを250mg含有する直径8mm、質量267mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のプロベネシドの含有率は93.5w/w%であった。
(1)クロスポビドン未粉砕品を含むエタンブトール塩酸塩造粒物の製造
実施例5(1)と同様にして、ただし微粒子懸濁液を用いずに3%HPC-M水/エタノール(99.5)混液(1:1)溶液を調製した。この溶液約1,000mLにクロスポビドン(ポリプラスドンXL、ISPジャパン)25.0g、D-マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック)10.0gを懸濁及び溶解し、結合液とした。エタンブトール塩酸塩 1400.0gを用いて実施例1(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のエタンブトール塩酸塩の含有率は98.8w/w%であった。
実施例5(2)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力1200kgfの条件で圧縮して、エタンブトール塩酸塩を250mg含有する直径9mm、質量258mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のエタンブトール塩酸塩の含有率は96.8w/w%であった。
(1)トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン造粒物の製造
実施例6(1)と同様にして、ただし微粒子懸濁液を用いずに3%HPC-M水/エタノール(99.5)混液(1:1)溶液を調製して結合液とした。トラマドール塩酸塩206.9g及びアセトアミノフェン1,793.1gを実施例6(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中の薬物(トラマドール塩酸塩及びアセトアミノフェンの総量)の含有率は99.4w/w%であった。
実施例6(2)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力900kgfの条件で圧縮して、トラマドール塩酸塩を37.5mg及びアセトアミノフェンを325mg含有する直径9mm、質量376mgのシングルR型錠を得た。錠剤中の薬物(トラマドール塩酸塩及びアセトアミノフェンの総量)の含有率は96.5w/w%であった。
(1)ファムシクロビル造粒物の製造
実施例7(1)と同様にして、ただし微粒子懸濁液を用いずに2%HPC-M水/エタノール(99.5)混液(1:1)溶液を調製して結合液とした。ファムシクロビル 900.0gを実施例7(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のファムシクロビルの含有率は99.4w/w%であった。
実施例7(2)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力200kgfの条件で圧縮して、ファムシクロビルを250mg含有する直径8.5mm、質量259mgのシングルR型錠を得た。錠剤中のファムシクロビルの含有率は96.6w/w%であった。
(1)アスコルビン酸造粒物の製造
実施例8(1)と同様にして、ただし微粒子懸濁液を用いずに5%TC-5R水/エタノール(99.5)混液(1:1)溶液を調製して結合液とした。アスコルビン酸 2,500.0gを実施例8(1)と同様の方法で造粒及び乾燥し、造粒物を得た。造粒物中のアスコルビン酸の含有率は99.3w/w%であった。
実施例8(2)と同様にして打錠用混合物を調製し、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)にて、回転盤の回転数20rpm、加圧力650kgfの条件で圧縮して、アスコルビン酸を250mg含有する直径9.0mm、質量257mgの平型隅角錠を得た。錠剤中のアスコルビン酸の含有率は97.3w/w%であった。
実施例1〜8、及び比較例1〜8に記載された打錠用混合物を用いて、ロータリー式全自動打錠機(HT-AP-15SS II、畑鐡工所製)により、回転盤の回転数20rpmで1000錠以上を連続打錠した後、得られた錠剤の全数を目視により観察した。観察の結果、ラミネーション及びキャッピングの発生が1錠でも認められた場合を打錠障害あり、1錠も認められなかった場合を打錠障害なしと評価し、これにより、ラミネーション及びキャッピングの打錠障害抑制効果の有無を確認した。その結果を表1〜7に示す。
実施例1〜8で製造した錠剤の崩壊試験結果を表8に示す。崩壊試験は、第16改正日本薬局方 一般試験法 崩壊試験法に従い、試験液には水を用いて実施した。比較例1〜8で製造した錠剤ではラミネーション及びキャッピングの打錠障害が発生したため、評価対象外とした。実施例1〜8で製造した錠剤は高い薬物含有率を有しているが、崩壊試験において10分間以内で崩壊し、いずれも速やかな崩壊性が確保されていることが確認された。
錠剤硬度計(HARDNESS TESTER、木屋製作所)を用いて錠剤の直径方向の硬度を測定した。実施例1〜8で製造した錠剤の硬度を表9に示す。比較例1〜8で製造した錠剤ではラミネーション及びキャッピングの打錠障害が発生したため、評価対象外とした。実施例1〜8で製造した錠剤は3.0kgf以上の硬度であり、いずれも十分な硬度が確保されていることが確認された。
実施例1(1)、実施例2(1)及び実施例3(1)で用いた部分アルファー化デンプン、クロスポビドン、及び無水リン酸水素カルシウムについて、湿式粉砕の処理前後における平均粒子径を測定した。なお、湿式粉砕の処理前の平均粒子径(μm)は、レーザー光散乱方式粒度分布測定装置(LDSA-1500A、東日コンピュータアプリケーションズ(株))を用いて乾式分散法(分散圧:0.2MPa以上)により測定した。湿式粉砕の処理後の平均粒子径(nm)は、動的光散乱方式粒度分布測定装置(NICOMP 380ZLS、(株)ピーエスエスジャパン)を用いて、湿式粉砕した懸濁液を1%HPC-M水溶液で適宜希釈し、撹拌しながら5分以上、超音波処理を行った後、懸濁液中の微粒子の平均粒子径を測定した。
その結果、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン及び無水リン酸水素カルシウムは、湿式粉砕によって微粒子化され、平均粒子径はいずれも5μm以下であることが確認された。
実施例1(1)、及び実施例3(1)で得られたアセトアミノフェン造粒物の走査電子顕微鏡写真をそれぞれ図1、図2に示す。実施例1(1)、及び実施例3(1)の造粒物は、それぞれ部分アルファー化デンプン及び無水リン酸水素カルシウムが1μm程度、あるいはそれ以下にまで微粒子化され、アセトアミノフェン粒子表面に付着した構造形態を有していることが確認された。
Claims (18)
- 高い薬物含有率を有する錠剤であって、実質的に水不溶性の物質の微粒子を含む結合液を用いて湿式造粒により得られた造粒物を圧縮成形することにより得られる錠剤。
- 実質的に水不溶性の物質が実質的に水不溶性の医薬品添加物である請求項1に記載の錠剤。
- 実質的に水不溶性の物質が部分アルファー化デンプン、クロスポビドン、及び無水リン酸水素カルシウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の医薬品添加物である請求項1又は2に記載の錠剤。
- 微粒子が平均粒子径5μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の錠剤。
- 微粒子が平均粒子径3μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の錠剤。
- 微粒子が平均粒子径1μm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の錠剤。
- 微粒子が湿式粉砕により得られる微粒子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の錠剤。
- 造粒物中の微粒子の含有率が3w/w%以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の錠剤。
- 造粒物中の微粒子の含有率が1w/w%以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の錠剤。
- 錠剤中の薬物の含有率が80w/w%以上である請求項1ないし9のいずれか1項に記載の錠剤。
- 錠剤中の薬物の含有率が90w/w%以上である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の錠剤。
- 錠剤中の薬物の含有率が95w/w%以上である請求項1ないし11のいずれか1項に記載の錠剤。
- 1回最大服用量が150mg以上の薬物を含む請求項1ないし12のいずれか1項に記載の錠剤。
- アセトアミノフェン、トラマドール、プロベネシド、エタンブトール、レボフロキサシン、メサラジン、サラゾスルファピリジン、ガバペンチン、アリスキレン、ランタン、ゲフィチニブ、レボカルニチン、エファビレンツ、エルロチニブ、アシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ファムシクロビル、ラルテグラビル、テラプレビル、ダルナビル、アトバコン、スピラマイシン、プロカインアミド、フルシトシン、イノシン プラノベクス、アルベンダゾール、セファレキシン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、モキシフロキサシン、スルタミシリン、ホスホマイシン、アモキシシリン、シプロフロキサシン、スルチアム、セレコキシブ、メフェナム酸、フルフェナム酸アルミニウム、クロラムフェニコール、ナブメトン、アスコルビン酸、バルプロ酸ナトリウム、クエチアピン、シメチジン、テオフィリン、トラネキサム酸、ジソピラミド、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、トルブタミド、メトロニダゾール、プロブコール、レボドパ、リネゾリド、ガレノキサシン、レベチラセタム、カペシタビン、及びピルフェニドンからなる群から選択される1種又は2種以上の薬物を含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載の錠剤。
- 薬物としてアセトアミノフェン及びトラマドールの組み合わせを含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載の錠剤。
- 薬物としてファムシクロビルを含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載の錠剤。
- 高い薬物含有率を有する錠剤の製造方法であって、実質的に水不溶性の物質の微粒子を含む結合液を用いて湿式造粒により造粒物を調製する工程、及び該造粒物を圧縮成形する工程を含む方法。
- 実質的に水不溶性の物質の微粒子を含む結合液を用いて湿式造粒により得ることができる造粒物。
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